JP2010125608A - 液体噴射ヘッドのメンテナンス装置、液体噴射記録装置および液体供給方法 - Google Patents

液体噴射ヘッドのメンテナンス装置、液体噴射記録装置および液体供給方法 Download PDF

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Abstract

【課題】コストアップさせることなく簡易な構成で液体噴射ヘッドをメンテナンスすることができる液体噴射ヘッドのメンテナンス装置、液体噴射記録装置および液体供給方法を提供する。
【解決手段】複数の噴射孔列から液体を噴射する液体噴射ヘッドの噴射孔が開口する噴射体の表面に当接して複数の噴射孔列を覆うことが可能なキャップ部材40を有し、キャップ部材には、負圧発生手段と連通する吸引口42と、キャップ部材の内部を大気圧に戻すための大気開放口43と、を備えた液体噴射ヘッドのメンテナンス装置において、キャップ部材に、特定の噴射孔列のみを封止する押圧部材50が備えられている。
【選択図】図8

Description

本発明は、ノズル孔より液体を噴射して被記録媒体に画像や文字を記録する液体噴射ヘッドのメンテナンスに用いるメンテナンス装置、それを備えた液体噴射記録装置および液体供給方法に関するものである。
一般に、液体噴射記録装置、例えば各種印刷を行うインクジェットプリンタは、被記録媒体を搬送する搬送装置(搬送手段)と、インクジェットヘッド(液体噴射ヘッド)とを備えている。インクジェットヘッドには複数のノズル孔からなるノズル列が形成されており、ノズル孔からインクを噴射することにより被記録媒体に文字や画像を記録している。また、近年では文字や画像の精度(解像度)を向上するために一つのノズルプレートに複数のノズル列を形成したものが用いられている。
この種のインクジェットプリンタでは、インクジェットヘッドの可動範囲内にメンテナンスのためのサービスステーションを設け、このサービスステーションまでインクジェットヘッドを移動させて、インクジェットヘッドにキャップ部材を被せて吸引ポンプ(負圧発生手段)などで負圧吸引し、ノズル孔をクリーニングしたり、ノズル孔にインクを初期充填したりしている。
具体的には、ノズル孔周辺にインク滴やゴミが付着すると、ノズル孔から噴射するインクの吐出方向が曲がるなどして印字品質を悪化させ、さらにはノズル孔内へ空気が混入して吐出不良を引き起こす虞がある。このため、ノズル孔内の空気やインク滴やゴミの排除を目的としたクリーニングが行われる。
ここで、複数のノズル列を有するインクジェットヘッドの場合、複数のノズル列を同時にクリーニングしようとするとノズル列が一列のみのインクジェットヘッドに比べて強力な吸引ポンプなどが必要となる。また、複数のノズル列を同時にクリーニングすると、例えば、クリーニングの必要のないノズル列もインクが吸引されるため、廃インク量が増大してしまう。
そこで、このような問題点を解消するために、複数のノズル列に対してノズル列毎に吸引動作を実行することができるメンテナンスキャップ(キャップ部材)が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−80085号公報
しかしながら、上述した特許文献1のキャップ部材は、複数のノズル列に対して一列ずつに区画する仕切用リップ部を供えると共に、この仕切用リップ部により区画された各区画毎に吸引孔が形成されている。したがって、各区画内を吸引するための吸引ポンプなどを区画毎に設置するか、一台の吸引ポンプに対してどの区画を吸引するかを選択するための電磁弁(三方弁)などを設置する必要がある。つまり、装置構成が複雑化し、コストアップにも繋がるという問題がある。
そこで本発明は、上述の事情を鑑みてなされたものであり、コストアップさせることなく簡易な構成で液体噴射ヘッドをメンテナンスすることができる液体噴射ヘッドのメンテナンス装置、液体噴射記録装置および液体供給方法を提供することを目的とする。
本発明は、前記課題を解決するために以下の手段を提供する。
本発明に係る液体噴射ヘッドのメンテナンス装置は、複数の噴射孔列から液体を噴射する液体噴射ヘッドの噴射孔が開口する噴射体の表面に当接して前記複数の噴射孔列を覆うことが可能なキャップ部材を有し、該キャップ部材には、負圧発生手段と連通する吸引口と、前記キャップ部材の内部を大気圧に戻すための大気開放口と、を備えた液体噴射ヘッドのメンテナンス装置において、前記キャップ部材に、特定の噴射孔列のみを封止する押圧部材が備えられていることを特徴としている。
本発明に係る液体噴射ヘッドのメンテナンス装置においては、キャップ部材を液体噴射ヘッドの噴射体の表面に当接するとともに、メンテナンスを行わない特定の噴射孔列に押圧部材を当接して封止することにより、押圧部材により封止された噴射孔列以外の噴射孔列のクリーニングや液体の初期充填などのメンテナンス動作を行うことができる。また、キャップ部材の当接位置をずらすだけで押圧部材により封止する噴射孔列を選択できる。つまり、キャップ部材に接続する負圧発生手段を複数設けたり、負圧発生手段に電磁弁などを設けることなく所望の噴射孔列のみをメンテナンスすることができる。したがって、コストアップさせることなく簡易な構成で液体噴射ヘッドをメンテナンスすることができる。
また、メンテナンスを行わない特定の噴射孔列を押圧部材により封止するため、余分な液体を吸引することがなくなり、液体の廃棄量を減少することができる。さらに、メンテナンスを行わない噴射孔列を押圧部材により封止するため、その噴射孔列が他の噴射孔列のメンテナンス中に乾燥するのを防止することができる。
また、本発明に係る液体噴射ヘッドのメンテナンス装置は、前記キャップ部材の内側に、前記液体を吸収する液体吸収体が設けられていることを特徴としている。
このように構成することで、メンテナンス時にキャップ部材と液体噴射ヘッドの噴射体の表面との間に形成されたキャップ部材の内部空間に貯留している液体を吸収することができるため、キャップ部材の内部空間に液体を保持することができ、キャップ部材から液体が漏洩するのを防止することができる。
また、本発明に係る液体噴射ヘッドのメンテナンス装置は、前記キャップ部材の底面に溝部が形成され、該溝部を閉塞するように前記液体吸収体が配置されていることを特徴としている。
このように構成することで、メンテナンス時にキャップ部材と液体噴射ヘッドの噴射体の表面との間に形成されたキャップ部材の内部空間に貯留している液体を吸引する際に、スムーズに液体を吸引することができる。つまり、負圧発生手段により液体を吸引すると、キャップ部材の内部空間に貯留している液体は液体吸収体を透過して溝部に導かれ、溝部から液体を排出することができる。
また、本発明に係る液体噴射ヘッドのメンテナンス装置は、前記吸引口が、前記溝部に設けられていることを特徴としている。
このように構成することで、メンテナンス時にキャップ部材と液体噴射ヘッドの噴射体の表面との間に形成されたキャップ部材の内部空間に貯留している液体を吸引する際に、スムーズに液体を吸引することができる。つまり、負圧発生手段により液体を吸引すると、キャップ部材の内部空間に貯留している液体は液体吸収体を透過して溝部に導かれ、溝部に形成された吸引口から液体を排出することができる。したがって、メンテナンス終了時には液体を確実に排出することができる。
また、本発明に係る液体噴射ヘッドのメンテナンス装置は、前記大気開放口が、前記溝部に設けられていることを特徴としている。
このように構成することで、メンテナンス時にキャップ部材と液体噴射ヘッドの噴射体の表面との間に形成されたキャップ部材の内部空間に貯留している液体を吸引する際に、スムーズに液体を吸引することができる。つまり、負圧発生手段により液体を吸引する際に大気開放口を開放することで、キャップ部材の内部空間に貯留している液体をスムーズに溝部に導くことができる。したがって、メンテナンス終了時には液体を確実に排出することができる。
また、本発明に係る液体噴射ヘッドのメンテナンス装置は、前記押圧部材における前記噴射体の表面との当接面に、前記噴射孔列を構成する複数の噴射孔の開口縁部との当接を回避する凹陥部が形成されていることを特徴としている。
このように構成することで、噴射孔列を封止するように押圧部材を噴射体の表面に当接しても、押圧部材が噴射孔の開口縁部に直接当接されることがない。したがって、押圧部材が当接することにより噴射孔が損傷することを防止できるため、噴射孔からの液体の噴射精度を維持することができる。また、メニスカスが壊れるのを防止することができる。
また、本発明に係る液体噴射ヘッドのメンテナンス装置は、前記押圧部材の幅が、隣接する噴射孔列間の距離よりも小さいことを特徴としている。
このように構成することで、隣接する噴射孔列間に押圧部材が位置するように配置してキャップ部材を噴射体の表面に当接すれば、例えば、複数の噴射孔列(隣接する噴射孔列)に対して同時にメンテナンスを行うことができる。したがって、多様なメンテナンス方法に対応することができる。
また、本発明に係る液体噴射記録装置は、上述のいずれかに記載のメンテナンス装置と、被記録媒体に向けて複数の噴射孔列から液体を噴射する液体噴射ヘッドと、前記被記録媒体を予め決められた方向に搬送する搬送手段と、前記被記録媒体の搬送方向に直交する方向に前記液体噴射ヘッドを往復移動させる移動手段と、を備えていることを特徴としている。
本発明に係る液体噴射記録装置においては、負圧発生装置は従来と略同一の構成で、キャップ部材のみを上述のように構成するだけで複数の噴射孔列を有する液体噴射ヘッドを確実にメンテナンスすることができるため、コストアップさせることなく簡易な構成で液体噴射ヘッドをメンテナンスすることができる液体噴射記録装置を提供することができる。
また、本発明に係る液体供給方法は、複数の噴射孔からなる噴射孔列を複数有する液体噴射ヘッドの前記噴射孔が開口する噴射体の表面を覆うことが可能なキャップ部材が、負圧発生手段と連通する吸引口と、前記キャップ部材の内部を大気圧に戻すための大気開放口と、特定の噴射孔列のみを封止する押圧部材と、を備え、前記キャップ部材を用いて前記液体噴射ヘッド内に液体を充填する液体供給方法において、前記キャップ部材で前記液体噴射ヘッドの前記噴射体の表面を覆うとともに、前記押圧部材で前記特定の噴射孔列を封止する工程と、前記大気開放口を閉塞しつつ、前記負圧発生手段で前記吸引口から前記キャップ部材の内部空間を吸引して他の噴射孔列に液体を充填する工程と、を有していることを特徴としている。
本発明に係る液体供給方法においては、キャップ部材を液体噴射ヘッドの噴射体の表面に当接するとともに、メンテナンスを行わない特定の噴射孔列に押圧部材を当接して封止することにより、押圧部材により封止された噴射孔列以外の噴射孔列のクリーニングや液体の初期充填などのメンテナンス動作を行うことができる。また、キャップ部材の当接位置をずらすだけで押圧部材により封止する噴射孔列を選択できる。つまり、キャップ部材に接続する負圧発生手段を複数設けたり、負圧発生手段に電磁弁などを設けることなく所望の噴射孔列のみをメンテナンスすることができる。したがって、コストアップさせることなく簡易な構成で液体噴射ヘッドをメンテナンスすることができる。
また、メンテナンスを行わない特定の噴射孔列を押圧部材により封止するため、余分な液体を吸引することがなくなり、液体の廃棄量を減少することができる。さらに、メンテナンスを行わない噴射孔列を押圧部材により封止するため、その噴射孔列が他の噴射孔列のメンテナンス中に乾燥するのを防止することができる。
本発明に係る液体噴射ヘッドのメンテナンス装置によれば、キャップ部材を液体噴射ヘッドの噴射体の表面に当接するとともに、メンテナンスを行わない特定の噴射孔列に押圧部材を当接して封止することにより、押圧部材により封止された噴射孔列以外の噴射孔列のクリーニングや液体の初期充填などのメンテナンス動作を行うことができる。また、キャップ部材の当接位置をずらすだけで押圧部材により封止する噴射孔列を選択できる。つまり、キャップ部材に接続する負圧発生手段を複数設けたり、負圧発生手段に電磁弁などを設けることなく所望の噴射孔列のみをメンテナンスすることができる。したがって、コストアップさせることなく簡易な構成で液体噴射ヘッドをメンテナンスすることができる。
また、メンテナンスを行わない特定の噴射孔列を押圧部材により封止するため、余分な液体を吸引することがなくなり、液体の廃棄量を減少することができる。さらに、メンテナンスを行わない噴射孔列を押圧部材により封止するため、その噴射孔列が他の噴射孔列のメンテナンス中に乾燥するのを防止することができる。
本発明に係る液体噴射記録装置の実施形態を、図1〜図21を用いて説明する。なお、本実施形態では、液体噴射記録装置の一例として、非導電性の油性インク(液体)Wを利用して記録を行うインクジェットプリンタ1を例に挙げて説明する。
図1に示すように、本実施形態のインクジェットプリンタ1は、インクWを吐出する複数のインクジェットヘッド(液体噴射ヘッド)2と、記録紙(被記録媒体)Pを予め決められた搬送方向L1に搬送する搬送手段3と、この搬送方向L1に直交する直交方向L2に複数のインクジェットヘッド2を往復移動させる移動手段4とを、備えている。
つまり、このインクジェットプリンタ1は、記録紙Pを搬送方向L1に搬送しながら、該搬送方向L1に直交する直交方向L2にインクジェットヘッド2を移動させて、記録紙Pに文字や画像を記録するシャトルタイプのプリンタである。なお、本実施形態では、それぞれ異なる色(例えば、ブラック、シアン、マゼンタおよびイエロー)のインクWを吐出する4つのインクジェットヘッド2を備えている場合を例にしている。なお、これら4つのインクジェットヘッド2は、同一構成とされている。これら4つのインクジェットヘッド2は、略直方体形状の筐体5内に組み込まれたキャリッジ6に搭載されている。
キャリッジ6は、複数のインクジェットヘッド2を載置する平板状の基台6aと、該基台6aから垂直に立ち上げられた壁部6bと、で構成されており、直交方向L2に沿って配置された一対のガイドレール7,7によって往復移動可能に支持されている。また、キャリッジ6は、ガイドレール7,7に支持された状態で、一対のプーリ8,8に巻回された搬送ベルト9に連結されている。一対のプーリ8,8のうち一方のプーリ8aは、モータ10の出力軸に連結されており、モータ10からの回転駆動力を受けて回転するようになっている。これにより、キャリッジ6は、直交方向L2に向けて往復移動できるようになっている。すなわち、これら一対のガイドレール7,7、一対のプーリ8,8、搬送ベルト9およびモータ10は、上記移動手段4として機能する。
また、筐体5には、一対のガイドレール7,7と同じ直交方向L2に沿って一対の搬入ローラ15と、一対の搬送ローラ16とが間隔を空けて並設されている。一対の搬入ローラ15は、筐体5の背面側に設けられ、一対の搬送ローラ16は筐体5の前面側に設けられている。そして、これら一対の搬入ローラ15および一対の搬送ローラ16は、図示しないモータによって記録紙Pを間に挟んだ状態で回転するようになっている。これにより、筐体5の背面側から前面側に向かう搬送方向L1に沿って記録紙Pを搬送することができるようになっている。すなわち、これら一対の搬入ローラ15および一対の搬送ローラ16は、上記搬送手段3として機能する。
また、インクジェットヘッド2には供給チューブ60が接続されており、この供給チューブ60は、筐体5内に組み込まれたインクタンク41に連結されている。これにより、インクタンク41に貯留されている色の異なるインクWが、4つのインクジェットヘッド2にそれぞれ供給されるようになっている。このインクタンク41は、各色のインクが充填されており、キャリッジ6の主走査方向の移動や、記録紙Pの移動の邪魔にならない位置で、かつインクジェットヘッド2内に負圧を与えるように、インクジェットヘッド2のノズル開口よりも所定量低い位置に設けられている。
さらに、インクジェットプリンタ1には、インクジェットヘッド2のクリーニング動作を行うサービスステーション11が搭載されている。図2は本発明の実施形態に係るサービスステーションの概略構成図である。
図2に示すように、サービスステーション11は、インクジェットヘッド2のノズルプレート33の表面33b(ノズル面)を覆うことができるキャップ40と、そのキャップ40を表面33bに押し当てるために上下動作をさせる図示しない移動機構と、キャップ40内に負圧を発生させる吸引ポンプ12(負圧発生手段)と、キャップ40内の圧力を大気圧に戻すための大気開放バルブ13と、表面33bに残ったインク滴を拭い去るためのワイパー14を備えている。
このサービスステーション11を動作させて、初めてインクジェットヘッド2を取付けたときにノズル内にインクWを充填する、いわゆる初期充填動作が行われる。また、起動時、印刷開始前などの所定のタイミング、あるいは任意のタイミングで、インクジェットヘッド2の表面33bに付着したゴミやインク滴などの除去や、ノズル詰まりを回復する、いわゆるクリーニング動作が行われる。
図3に示すように、各インクジェットヘッド2は、キャリッジ6の基台6aに図示しないネジを介して取り付けられる矩形状の固定板20と、固定板20の上面に固定されたヘッドチップ21と、ヘッドチップ21の後述するインク導入孔31a(図4参照)にインクWを供給する供給手段22と、後述する駆動電極37(図5参照)に駆動電圧を印加する制御手段23と、を主に備えている。
ヘッドチップ21は、図4に示すように、アクチュエータプレート30、カバープレート31、支持プレート32、ノズルプレート33および接着プレート34とで主に構成されている。
アクチュエータプレート30は、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)などの圧電材料から形成されたプレートである。本実施形態では、アクチュエータプレート30が一対(2枚)設けられている。一対のアクチュエータプレート30A,30Bのそれぞれの上面には、長さ方向(矢印X方向)に伸びる溝部35が横幅方向(矢印Y方向)に一定間隔を空けた状態で複数形成されている。すなわち、複数の溝部35は、側壁36(図5参照)によってそれぞれ区分けされた状態となっている。また、一対のアクチュエータプレート30A,30Bは背面同士が接着剤などにより接合された状態で配されている。アクチュエータプレート30A,30Bが接合された状態において、それぞれに形成された溝部35は横幅方向(矢印Y方向)に向けて交互に千鳥状に配列形成されている(図6参照)。
図5に示すように、複数の溝部35は、アクチュエータプレート30の前端面側に開口するように形成されているとともに、後端面に向かうにしたがって漸次深さが浅くなるように形成されている。なお、溝部35の後端面側は、図示しない封止手段によって封止されている。これら複数の溝部35は、インクWが充填されるチャネルとして機能する。
図5、図6に示すように、複数の溝部35の側壁36には、長さ方向に亘って駆動電極37が蒸着などにより形成されている。この駆動電極37は、各溝部35内において深さが浅くなるアクチュエータプレート30の後端面側まで延設されており、図3に示す制御手段23から駆動電圧を個別に印加される。そして、フレキシブル基板27の引き出し電極27aに電気的に接続されるようになっている。そして、駆動電極37は、駆動電圧が印加されたときに、側壁36を圧電厚み滑り効果により変形させることで溝部35内の圧力を高め、充填されたインクWを溝部35内から吐出させる働きをしている。なお、アクチュエータプレート30Aの駆動電極37Aと、アクチュエータプレート30Bに接続された駆動電極37Bと、は別個に制御可能に構成されている。
図4に戻り、カバープレート31(31A,31B)は、複数の溝部35の一部を露出させた状態で、アクチュエータプレート30(30A,30B)の上面に重ね合わされている。また、カバープレート31には、インクWが供給されてくるインク導入孔31a,31bが横幅方向に亘って形成されている。このように構成することで、複数の溝部35にインクWを充填できるようになっている。また、インク導入孔31aとインク導入孔31bとの間を連通する貫通孔39が、カバープレート31(31A,31B)およびアクチュエータプレート30(30A,30B)にそれぞれ形成されている。このように構成することで、供給手段22からインク導入孔31aに供給されたインクWが貫通孔39を通過してインク導入孔31bにも供給される。
支持プレート32は、重ね合わされたアクチュエータプレート30(30A,30B)およびカバープレート31(31A,31B)を支持しているとともに、ノズルプレート33および接着プレート34を同時に支持している。支持プレート32には、横幅方向に亘って嵌合孔32aが形成されており、重ね合わされたアクチュエータプレート30およびカバープレート31をこの嵌合孔32a内に嵌め込んだ状態で両プレート30,31を支持している。この際、支持プレート32の端面は、両プレート30,31の前端面と面一となるように組み合わされている。
そして、これら支持プレート32の端面、両プレート30,31の前端面に、接着プレート34を間に介在させた状態でノズルプレート33が接着剤(不図示)により接着固定されている。
ノズルプレート33は、例えば、厚みが50μm程度のポリイミドなどのフィルム材からなるシート状のプレートである。そして、ノズルプレート33は、一方の面が接着プレート34に接着される接着面となっており、他方の面が記録紙Pに対向する対向面(表面33b)となっている。なお、表面33bには、インクWの付着などを防止するための撥水性を有する撥水膜がコーティングされている。
また、このノズルプレート33には、横幅方向(Y方向)に複数の溝部35のピッチと同じ間隔で複数のノズル孔33aが形成されている。この際、ノズル孔33aは、隣り合うノズル孔33aに対して横幅方向に直交するノズルプレート33の縦幅方向(Z方向)に所定距離N1だけずれた状態で配列形成されている。つまり、ノズル孔33aは、アクチュエータプレート30A,30Bに形成された溝部35に対応して形成されている。
より具体的に説明すると、複数のノズル孔33aは、横幅方向に向けて交互に千鳥状に配列形成されており、縦幅方向に所定距離N1だけ間を空けて平行に二列並んだ状態となっている。つまり、ノズル列38が二列形成されている。しかも、各ノズル孔33aは、各溝部35の横幅中心軸上にその中心が位置するように形成されている。このように構成することで、ノズル列38ごとにインクWを吐出することができる。
また、各ノズル孔33aは、外形輪郭線が円形を描くように円状に形成されている。しかも、図4に示すように、接着面側の入口径D1(ノズル孔33aの外形輪郭線の直径)が表面33b側の出口径D2よりも大きい、断面テーパ状に形成されている。なお、ノズル孔33aは、エキシマレーザ装置などを用いて形成されている。
接着プレート34は、ノズルプレート33と略同じ厚みで同じサイズに形成されたプレートである。なお、材質としては、例えばセラミックやポリイミドなどであるが、インクWに耐性を有していれば自由に選択して構わない。また、接着プレート34の材質は、アクチュエータプレート30およびカバープレート31の接合体と接着するため、相互の熱変形が略同等となるように接合体に使用する材質と略同等の熱変形特性を備えていることが好ましい。
この接着プレート34には、ノズル孔33aに対向するようにノズル孔33aと同じピッチで複数の逃げ孔(不図示)が形成されている。つまり逃げ孔は、ノズル孔33aの数に対応して形成されている。なお、逃げ孔34aは、ノズル孔33aの接着面側の大きさ(入口径D1)よりも大きく形成されていることが望ましい。
図3に示すように、このように構成されたヘッドチップ21は、上述したように固定板20の上面に固定されている。この固定板20の上面には、アルミニウム等で形成された矩形状のベースプレート24が垂直に立ち上がった状態で固定されているとともに、ヘッドチップ21のインク導入孔31aにインクWを供給する流路部材22aが固定されている。この流路部材22aの上方には、インクWを貯留する貯留室を内部に有する圧力緩衝器22bがベースプレート24に支持された状態で配置されている。この圧力緩衝器22bと流路部材22aとは、インク連結管22cを介して連結されている。また、圧力緩衝器22bの上部には、インクWが供給されてくる供給チューブ60が取り付けられている。
このように構成されたインクジェットヘッド2は、供給チューブ60を介して圧力緩衝器22bにインクWが供給されると、該インクWは圧力緩衝器22b内の貯留室に一旦貯留される。そして、圧力緩衝器22bは、貯留されたインクWのうち、所定量のインクWをインク連結管22c及び流路部材22aを介してヘッドチップ21のインク導入孔31aに供給するようになっている。すなわち、流路部材22a、圧力緩衝器22bおよびインク連結管22cは、上記供給手段22として機能する。
また、ベースプレート24には、ヘッドチップ21を駆動するための集積回路などの駆動回路25が搭載されたIC基板26が固定されている。この駆動回路25と、ヘッドチップ21の駆動電極37とは、複数の引き出し電極27aがプリント配線されたフレキシブル基板27を介して電気的に接続されている。
フレキシブル基板27は、図5に示すように、深さが浅くなった各溝部35に嵌り込む形で駆動電極37に接続されている。そして、駆動回路25は、フレキシブル基板27を介して駆動電極37に駆動電圧を印加して、インクWの吐出を行わせている。すなわち、駆動回路25及びフレキシブル基板27は、上記制御手段23として機能する。
(キャップ)
次に、インクジェットプリンタ1に搭載されるキャップ40の構造について説明する。
図7〜図10に示すように、本実施形態のキャップ40は、キャップ40を上下に仕切るように多孔質シート41(液体吸収体)が配され、キャップ40の内部空間に負圧を発生させる吸引ポンプ12と連通する吸引口42と、大気開放バルブ13と連通する大気開放口43とがキャップ40の底部45に形成されている。
また、キャップ40の周縁部にはノズルプレート33側に立設する壁部44が形成されており、壁部44に囲まれた空間がキャップ40の内部空間Sを構成している。さらに、キャップ40の底部45における内部空間S側の面には吸引口42と大気開放口43との間を連接する溝部46が形成されている。
なお、溝部46における大気開放口43の近傍に溝部46を遮る壁部を形成してもよい。このような壁部を形成することにより、内部空間SからインクWを排出する際に、大気開放口43より流入する空気を溝部46側ではなく内部空間S側へスムーズに導くことができ、インクWの排出を効率的に行うことができる。
図11に示すように、多孔質シート41は、キャップ40の底部45上に敷かれている。また、多孔質シート41における大気開放口42に対応した位置には貫通孔47が形成されている。多孔質シート41を底部45上に配置することにより、多孔質シート41とノズルプレート33との間にはわずかな隙間が生じ(ノズル面側空間)、かつ多孔質シート41と底部45との間にも空間(キャップ底面側空間)ができる構造になっている。なお、本実施形態ではキャップ底面側空間は溝部46で構成される。多孔質シート41は、ノズルプレート33の表面33bに残留したインク滴に接すれば毛細管現象でインクを吸い取ることができる。なお、多孔質シート41には、後述する押圧部材50が挿通可能な貫通孔48が形成されている。
ここで、キャップ40の底部45からノズルプレート33側に押圧部材50が立設されている(図7〜図10参照)。押圧部材50は壁部44の高さよりも若干低く形成されている。また、押圧部材50は平面視においてノズル列38を一列分封止できる大きさで形成されている。また、押圧部材50の幅N2は、隣接するノズル列38,38間の距離N1よりも小さく形成されている。なお、壁部44および押圧部材50はゴムなどの弾性材料で形成されており、樹脂などで構成される底部45とともに二色成形で製造される。
押圧部材50におけるノズルプレート33に当接する当接面51には、ノズル孔33aと直接当接しないように凹陥部52が押圧部材50の長手方向に沿って形成されている。このように凹陥部52を形成することで、押圧部材50をノズルプレート33に当接してもノズル孔33aには当接しないため、ノズル孔33aを傷つけることがなく、かつ、ノズル列38を封止することができる。
このように構成することにより、例えば、一方のノズル列38aをメンテナンスする際には、他方のノズル列38bを押圧部材50にて封止することで、一方のノズル列38aだけがキャップ40の内部空間を臨むようにすることができる。
(インクの初期充填動作)
次に、インクジェットヘッド2へのインクWの初期充填動作について説明する。
図12に示すように、インクジェットヘッド2をサービスステーション11上に移動した後、キャップ40を移動機構により上方向に移動して、キャップ40がノズルプレート33の表面33bに当接するまで移動する。このときキャップ40の押し当てによって空気がノズル孔33a内に混入しないように、大気開放バルブ13を開放しておく。また、2列形成されているノズル列38a,38bに対して一列ずつインクWを充填するため、初めに、例えば他方のノズル列38bを押圧部材50にて封止し、一方のノズル38aをキャップ40の内部空間Sに臨むように位置調整する。
なお、他方のノズル列38bのノズル孔33aは押圧部材50の凹陥部52に対向しているため、押圧部材50により傷つくことはない。また、壁部44の高さが押圧部材50の高さよりも若干高く形成されているため、押圧部材50の当接面51がノズルプレート33の表面33bに当接している状態では、確実に壁部44もノズルプレート33の表面33bに当接しているため、キャップ40で一方のノズル列38aを封止することができる。
図13に示すように、大気開放バルブ13を閉じた後、吸引ポンプ12を動作させ、キャップ40内を負圧にすることによりインクWを吸引し、アクチュエータプレート30の溝部35からノズルプレート33のノズル孔33aにかけてインクWを充填する。所定量のインクWを吸引した後、吸引ポンプ12を停止し、さらに負圧が緩和されるまでこの状態を保持する。これは、吸引ポンプ12停止直後に大気開放バルブ13を開けて大気開放を行うと、キャップ40内のインクWがノズル孔33a側に逆流し、空気やゴミが混入する虞があるためである。
図14に示すように、所定時間経過後に大気開放バルブ13を開けてキャップ40内の圧力を大気圧に戻す。また、大気開放バルブ13を開けるのと略同時のタイミングで吸引ポンプ12を動作させ、キャップ40内に残留したインクWを吸い出す。このとき、キャップ40の内部空間Sに残留しているインクWは多孔質シート41を通過して吸引口42より排出されるが、大気開放口43から内部空間Sに流入してきた空気は多孔質シート41の貫通孔47からノズル面側空間に導かれるため、その空気に押されるようにしてインクWはスムーズに吸引口42から排出される。また、内部空間Sに最後に残ったインクWはキャップ底面側空間に形成されている溝部46内に溜まるため、溝部46を流れてスムーズに吸引口42から排出される。
次に、図15に示すように、キャップ40内のインクWが全て排出された後、キャップ40を一度ノズルプレート33から離間させる。その後、キャップ40またはインクジェットヘッド2が搭載されたキャリッジ6を若干L2方向に平行移動させて、押圧部材50が一方のノズル列38aと対向する位置まで移動させ、再度キャップ40を上昇させて一方のノズル列38aを押圧部材50にて封止し、他方のノズル38bをキャップ40の内部空間Sに臨むように位置調整する。
図16に示すように、上述と同様に、大気開放バルブ13を閉じた後、吸引ポンプ12を動作させ、キャップ40内を負圧にすることによりインクWを吸引し、アクチュエータプレート30の溝部35からノズルプレート33のノズル孔33aにかけてインクWを充填する。所定量のインクWを吸引した後、吸引ポンプ12を停止し、さらに負圧が緩和されるまでこの状態を保持する。
図17に示すように、所定時間経過後に大気開放バルブ13を開けてキャップ40内の圧力を大気圧に戻す。また、大気開放バルブ13を開けるのと略同時のタイミングで吸引ポンプ12を動作させ、キャップ40内に残留したインクWを吸い出す。このとき、一方のノズル列38aは、押圧部材50により封止されているため、インクWの充填状態には影響がない。
そして、ワイパー14のワイプ先端をノズルプレート33の表面33bに当接した状態で移動させ、表面33bに残ったインク滴を拭き取る。このようにして、インクWの初期充填動作が完了する。
(ノズルのクリーニング動作)
次に、インクジェットヘッド2のノズルのクリーニング動作について説明する。
図18に示すように、インクジェットヘッド2をサービスステーション11上に移動した後、キャップ40を移動機構により上方向に移動して、キャップ40がノズルプレート33の表面33bに当接するまで移動する。このときキャップ40の押し当てによって空気がノズル孔33a内に混入しないように、大気開放バルブ13を開放しておく。また、2列形成されているノズル列38a,38bのうち1列(一方のノズル列38a)のみをクリーニングする場合は、他方のノズル列38bを押圧部材50にて封止し、一方のノズル38aをキャップ40の内部空間Sに臨むように位置調整する。
図19に示すように、大気開放バルブ13を閉じた後、吸引ポンプ12を動作させ、キャップ40内を負圧にすることによりノズル孔33aからインクWを吸引する。所定量のインクWを吸引した後、吸引ポンプ12を停止し、さらに負圧が緩和されるまでこの状態を保持する。
図20に示すように、所定時間経過後に大気開放バルブ13を開けてキャップ40内の圧力を大気圧に戻す。また、大気開放バルブ13を開けるのと略同時のタイミングで吸引ポンプ12を動作させ、キャップ40内に残留したインクWを吸い出す。
そして、ワイパー14のワイプ先端をノズルプレート33の表面33bに当接した状態で移動させ、表面33bに残ったインク滴を拭き取る。
なお、他方のノズル列38bのみをクリーニングする場合は、一方のノズル列38aを押圧部材50にて封止し、他方のノズル列38bをキャップ40の内部空間Sに臨むように位置調整をした後、上述と同様の工程により他方のノズル列38bのみをクリーニングすることができる。
さらに、図21に示すように、押圧部材50が一方のノズル列38aと他方のノズル列38bとの間に位置するように調整し、上述と同様の工程を行うことにより、両方のノズル列38a,38bを同時にクリーニングすることも可能である。
本実施形態によれば、キャップ40をインクジェットヘッド2のノズルプレート33の表面33bに当接するとともに、メンテナンスを行わないノズル列(例えば、他方のノズル列38b)に押圧部材50を当接して封止することにより、押圧部材50により封止されたノズル列38b以外のノズル列(例えば、一方のノズル列38a)のクリーニングやインクWの初期充填などのメンテナンス動作を行うことができる。また、キャップ40の当接位置をずらすだけで押圧部材50により封止するノズル列を選択できる。つまり、キャップ40に接続する吸引ポンプ12を複数設けたり、吸引ポンプ12に電磁弁などを設けることなく所望のノズル列のみをメンテナンスすることができる。したがって、コストアップさせることなく簡易な構成でインクジェットヘッド2をメンテナンスすることができる。
また、メンテナンスを行わないノズル列を押圧部材50により封止するため、余分なインクWを吸引することがなくなり、インクWの廃棄量を減少することができる。さらに、メンテナンスを行わないノズル列を押圧部材50により封止するため、そのノズル列が他のノズル列のメンテナンス中に乾燥するのを防止することができる。
また、多孔質シート41における大気開放口43に対応した位置に貫通孔47を形成することで、メンテナンス時にキャップ40とインクジェットヘッド2の表面33bとの間に形成されたキャップ40の内部空間Sに貯留しているインクWを吸引する際に、スムーズにインクWを吸引することができる。つまり、吸引ポンプ12によりインクWを吸引すると、大気開放口43から空気がキャップ40の内部空間Sに流入してくるが、その空気が多孔質シート41の貫通孔47を通過してノズル面側空間にスムーズに導かれる。そして、その空気圧で押し出すようにインクWを排出することができ、メンテナンス終了時にはインクWを確実に排出することができる。
また、キャップ40の底部45に吸引口42と大気開放口43との間を繋ぐ溝部46を形成したため、メンテナンス時にキャップ40の内部空間Sに貯留しているインクWを吸引する際に、スムーズにインクWを吸引することができる。つまり、吸引ポンプ12によりインクWを吸引する際に、最後に残ったインクWはキャップ40の底面に集まってくるが、そのインクWが溝部46内に導かれ、かつ、大気開放口43から吸引口42に向かって空気の流れができるため、スムーズにインクWを排出することができる。したがって、メンテナンス終了時にはインクWをより確実に排出することができる。
また、押圧部材50におけるノズルプレート33との当接面51に、ノズル列38を構成する複数のノズル孔33aとの当接を回避する凹陥部52を形成したため、ノズル列38を封止するように押圧部材50をノズルプレート33の表面33bに当接してもノズル孔33aに直接当接されることがない。したがって、押圧部材50が表面33bに当接してもノズル孔33aが損傷することを防止できるため、ノズル孔33aからのインクWの吐出精度を維持することができる。
また、押圧部材50の幅N2が、隣接するノズル列38a,38b間の距離N1よりも小さいため、隣接するノズル列38a,38b間に押圧部材50が位置するように配置してキャップ40をノズルプレート33の表面33bに当接すれば、例えば、複数のノズル列(隣接するノズル列)38a,38bを同時にメンテナンスすることができる。したがって、多様なメンテナンス方法に対応することができる。
また、本実施形態のインクジェットプリンタ1は、上述したキャップ40を有するサービスステーション11が備えられているため、吸引ポンプ12は従来と略同一の構成で、複数のノズル列38a,38bを有するインクジェットヘッド2を確実にメンテナンスすることができるため、コストアップさせることなく簡易な構成でインクジェットヘッド2をメンテナンスすることができる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、液体噴射記録装置の一例として、インクジェットプリンタ1を例に挙げて説明したが、プリンタに限られるものではない。例えば、ファックスやオンデマンド印刷機などであっても構わない。
また、ノズル孔33aの形状に関しても、円形に限定されるものではない。例えば、三角等の多角形状や、楕円形状や星型形状でも構わない。このようにノズル孔33aを形成した場合には、ノズル孔33aの形状に合わせて逃げ孔34aの形状を決定すればよい。また、ノズル孔33aの配列は、千鳥であると上述したが、その形態に限られず、ノズル孔33aの配列が図1に示すL2方向に重複していてもよい。
また、ノズルプレート33は接着プレート34にて接着されていると上述したが、液状の接着剤を用いてアクチュエータプレート30およびカバープレート31の接合体とノズルプレート33を接着してもよい。
また、本実施形態の押圧部材50は、主にインクWの充填動作や、ノズル孔33aのクリーニング動作に関する機能を説明したが、本発明において説明したインクジェットプリンタ1を使用しない場合においても効果を発揮する。すなわち、インクジェットプリンタ1を使用しない場合は、インクジェットヘッド2をサービスステーション11まで移動させ、キャップ40をノズルプレート33に当接させる。さらに、押圧部材50をノズル列38に当接することによって、ノズル孔33aと空気との接触によるノズル孔33aの乾燥を防止することができる。
また、本実施形態では、非導電性の油性インクWを利用した場合を説明したが、例えば、導電性の水性インク、ソルベントインクやUVインクなどを用いても構わない。また、インクの代わりに洗浄液をインクジェットヘッド2に供給してもよい。
さらに、本実施形態では、ノズル列が2列の場合について説明したが、ノズル列が3列以上の場合にも採用できる。その場合、押圧部材は1列のみを封止する形状でもよいし、2列以上封止できる幅を有していてもよい。また、1列のみを封止可能な押圧部材を複数設けてもよい。つまり、複数のノズル列のうち一部を封止可能な押圧部材が設けられていればよい。
本発明の実施形態におけるインクジェットプリンタの概略構成を示す斜視図である。 本発明の実施形態におけるサービスステーションの概略構成図である。 本発明の実施形態におけるインクジェットヘッドの外観斜視図である。 図3に示すインクジェットヘッドを構成するヘッドチップの斜視図である。 図4に示すヘッドチップの拡大図であって、アクチュエータプレートとカバープレートを分解した状態における拡大図である。 図4に示すヘッドチップの断面図であって、溝部とノズル孔との位置関係を示す図である。 本発明の実施形態におけるキャップの斜視図である。 本発明の実施形態におけるキャップの平面図である。 図8のA−A線に沿う断面図である。 図8のB−B線に沿う断面図である。 本発明の実施形態における多孔質プレートの平面図である。 本発明の実施形態におけるインクの初期充填動作を示す説明図(1)である。 本発明の実施形態におけるインクの初期充填動作を示す説明図(2)である。 本発明の実施形態におけるインクの初期充填動作を示す説明図(3)である。 本発明の実施形態におけるインクの初期充填動作を示す説明図(4)である。 本発明の実施形態におけるインクの初期充填動作を示す説明図(5)である。 本発明の実施形態におけるインクの初期充填動作を示す説明図(6)である。 本発明の実施形態におけるノズルのクリーニング動作を示す説明図(1)である。 本発明の実施形態におけるノズルのクリーニング動作を示す説明図(2)である。 本発明の実施形態におけるノズルのクリーニング動作を示す説明図(3)である。 本発明の実施形態におけるノズルのクリーニング動作の別の態様を示す説明図である。
符号の説明
1…インクジェットプリンタ(液体噴射記録装置) 2…インクジェットヘッド(液体噴射ヘッド) 3…搬送手段 4…移動手段 11…サービスステーション(メンテナンス装置) 12…吸引ポンプ(負圧発生手段) 33…ノズルプレート(噴射体) 33a…ノズル孔(噴射孔) 33b…表面(噴射体の表面) 35…溝部 38(38a,38b)…ノズル列(噴射孔列) 40…キャップ(キャップ部材) 41…多孔質シート(液体吸収体) 42…吸引口 43…大気開放口 45…底部(底面) 46…溝部 50…押圧部材 51…当接面 52…凹陥部 P…記録紙(被記録媒体) S…内部空間(キャップ部材の内部) W…インク(液体) N1…ノズル列間の距離 N2…押圧部材の幅

Claims (9)

  1. 複数の噴射孔列から液体を噴射する液体噴射ヘッドの噴射孔が開口する噴射体の表面に当接して前記複数の噴射孔列を覆うことが可能なキャップ部材を有し、
    該キャップ部材には、負圧発生手段と連通する吸引口と、
    前記キャップ部材の内部を大気圧に戻すための大気開放口と、を備えた液体噴射ヘッドのメンテナンス装置において、
    前記キャップ部材に、特定の噴射孔列のみを封止する押圧部材が備えられていることを特徴とする液体噴射ヘッドのメンテナンス装置。
  2. 前記キャップ部材の内側に、前記液体を吸収する液体吸収体が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射ヘッドのメンテナンス装置。
  3. 前記キャップ部材の底面に溝部が形成され、
    該溝部を閉塞するように前記液体吸収体が配置されていることを特徴とする請求項2に記載の液体噴射ヘッドのメンテナンス装置。
  4. 前記吸引口は、前記溝部に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の液体噴射ヘッドのメンテナンス装置。
  5. 前記大気開放口は、前記溝部に設けられていることを特徴とする請求項3または4に記載の液体噴射ヘッドのメンテナンス装置。
  6. 前記押圧部材における前記噴射体の表面との当接面に、前記噴射孔列を構成する複数の噴射孔の開口縁部との当接を回避する凹陥部が形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の液体噴射ヘッドのメンテナンス装置。
  7. 前記押圧部材の幅が、隣接する噴射孔列間の距離よりも小さいことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の液体噴射ヘッドのメンテナンス装置。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のメンテナンス装置と、
    被記録媒体に向けて複数の噴射孔列から液体を噴射する液体噴射ヘッドと、
    前記被記録媒体を予め決められた方向に搬送する搬送手段と、
    前記被記録媒体の搬送方向に直交する方向に前記液体噴射ヘッドを往復移動させる移動手段と、を備えていることを特徴とする液体噴射記録装置。
  9. 複数の噴射孔からなる噴射孔列を複数有する液体噴射ヘッドの前記噴射孔が開口する噴射体の表面を覆うことが可能なキャップ部材が、
    負圧発生手段と連通する吸引口と、
    前記キャップ部材の内部を大気圧に戻すための大気開放口と、
    特定の噴射孔列のみを封止する押圧部材と、を備え、
    前記キャップ部材を用いて前記液体噴射ヘッド内に液体を充填する液体供給方法において、
    前記キャップ部材で前記液体噴射ヘッドの前記噴射体の表面を覆うとともに、前記押圧部材で前記特定の噴射孔列を封止する工程と、
    前記大気開放口を閉塞しつつ、前記負圧発生手段で前記吸引口から前記キャップ部材の内部空間を吸引して他の噴射孔列に液体を充填する工程と、を有していることを特徴とする液体供給方法。
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