JP2005186207A - 微小構造体及びその形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 基板や金型に機械的なダメージを生じさせることなく、断面形状及び平面形状の両面において形状の自由度が高い微小構造体の形成方法を提供する。
【解決手段】 微小構造体の形成プロセスにおいては、まず、基板1上に熱可塑性膜2を形成する。続いて、金型3を、基板1に接触させることなく、熱可塑性膜2に押し付けて加熱・加圧することにより、熱可塑性膜の断面形状を形成する。次に、熱可塑性膜2にガスエッチングを施すことにより熱可塑性膜の平面形状を形成する。さらに、基板1及び熱可塑性膜2の上面に、構造体となる膜5を形成する。この後、熱可塑性膜2を除去し、微小構造体6を得る。
【選択図】図1

Description

本発明は、微小構造体及びその形成方法に関するものである。
近年、微細加工技術を利用して、基板に、様々なマイクロスケールの微小構造体が形成されている(例えば、特許文献1〜3、非特許文献1〜3参照)。かかる微細加工技術は、基板上に別材料で微小構造体を形成する方法と、基板をエッチングして基板自体に微小構造体を形成する方法とに大別することができる。前者としては、例えば、まず基板上に犠牲層を形成し、次に犠牲層上に微小構造体となるべき膜を形成して加工し、この後犠牲層を除去するといった手順で微小構造体を形成する方法が広く用いられている。この場合、犠牲層としては、金属膜、ポリシリコン膜、酸化膜、有機膜などの様々な膜が用いられる。犠牲層の加工には、通常、ウェットエッチング、プラズマエッチング、写真製版などが用いられる。この手法は、一般に、表面マイクロマシニングと呼ばれている。
後者においては、基板上にマスク層を形成した後、基板をエッチングする。このとき、マスク層のエッチング速度は、基板のエッチング速度に比べて遅いので、マスク層の領域に対応する部分では、基板はエッチングされない。かかるエッチング手法としては、エッチングが等方的に進行するもの、垂直異方性で進行するもの、結晶異方性をもつものがあり、これらのエッチング手法を組み合わせれば、様々な形状の微小構造体を形成することができる。マスク層としては、様々な材質のものが用いられ、マスク層の加工法も、その材質に応じて種々の方法、例えばウェットエッチング、プラズマエッチング、写真製版技術、ナノインプリンティング技術などが用いられる。
なお、ナノインプリンティング技術とは、例えば特許文献1、2にも記載されているように、微細に加工された金型を用いて基板上の樹脂膜を加圧し、金型に対応する形状を転写することにより、基板上にレジストパターンを加工する技術であり、平面寸法を、写真製版技術に匹敵する程度に微小化することができるといった利点を有している。この手法は、一般に、バルクマイクロマシニングと呼ばれている。犠牲層を形成する技術及びマスク層を形成する技術は、ほぼ同一の技術で対応することが可能である。
米国特許第5,772,905号明細書(第4欄第13〜38行、図1A〜図1D) 米国特許第6,482,742号明細書(第4欄第41〜56行、図4A〜図4C) 特開2003−29418号公報(段落[0005]〜[0008]、図1A〜図1D) S.ニコラス(Nicolas)、外5名、「厚いフォトレジストにおけるグレートーンマスクの形成及びパターン転写」、ジャーナル・オブ・マイクロメカニカル・マイクロエンジニアリング誌(J. Micromech. Microeng. 8)、IOP出版社(IOP Publishing Ltd.)、1998年、第8巻、p.95〜98 藤川、外3名、「赤外線用のSiバイナリ光学マイクロレンズの光学特性」、プロシーディングス・マイクロエレクトロメカニカル・システム、IEEE、1997年、p.360〜365 平井、外4名、「くぼみのある金型を用いた微小パターンのインプリントリソグラフィ」、ジャーナル・オブ・フォトポリマー・サイエンス・アンド・テクノロジー誌(Journal of Photopolymer Science and Technology)、2000年、第13巻、第3号、p.435〜440
前記のとおり、表面マイクロマシニングにおいては、構造体の形状に、犠牲層の形状が反映される。したがって、構造体の断面形状を複雑化するには、犠牲層の断面形状を複雑化する必要がある。前記の犠牲層を形成する手法は、犠牲層の平面的な形状、すなわち犠牲層を除去する領域や残す領域の平面形状に関しては、形状の自由度が高い。しかし、断面形状に関しては、長方形や台形や円形などといった限られた形状を形成することができるだけである。
かくして、断面形状を工夫する技術として、以下のような手法が提案されている。その1つは、非特許文献1にも記載されているように、グレーマスクを用いて露光することにより、傾斜を付けるといった手法である。もう1つは、特許文献3にも記載されているように、感光性有機膜を写真製版によりパターニングした後、加熱流動させることにより、断面を楕円や円に形成するといった手法である。なお、グレーマスクと、露光と、加熱工程とを組み合わせることにより、2段階の厚みをもったレジスト層を形成するといった手法も提案されている。しかし、これらの従来の写真製版技術や応用手法は、いずれも、パターニングにおける平面的な形状の自由度に比べて、断面形状の自由度が劣るといった問題がある。
他方、バルクマイクロマシニングにおいても、マスク層を形成する技術は、犠牲層を形成する技術と同一であるので、マスク形状を平面的には自由度の高い形状に加工することができるものの、断面形状においては限られた形状となる。それゆえ、通常のマスク層を用いて基板をエッチングした場合、2.5次元構造が形成され、断面形状においては、限られた形状になるといった問題がある。なお、非特許文献2にも記載されているように、基板のエッチング後にマスク層を形成し、マスク層をパターニングして、もう一度エッチングを行い、本工程を繰り返すことにより自由度の高い断面形状を基板に形成するといった方法も知られている。しかし、この手法では、マスク層の多層化に伴い、マスク層のパターニングやエッチングの工程数が多くなるといった問題がある。
ここで、ナノインプリント法を応用して、複雑な形状の金型を用いてレジストを加圧形成し、断面形状及び平面形状の両面において自由度の高いマスク層や犠牲層を形成するといった技術も考えられる。例えば、非特許文献3にも記載されているように、逆ピラミッド状の金型で、レジスト膜をピラミッド状に加圧成形するといった手法が知られている。しかし、この手法では、薄い薄膜を高精度に加圧成形するには、高い加圧力が必要となり、金型と基板とが接触することにより、基板や金型に機械的なダメージが生じるといった問題がある。
本発明は、上記従来の問題を解決するためになされたものであって、基板や金型に機械的なダメージを生じさせることなく、断面形状及び平面形状の両面において形状の自由度の高い微小構造体ないしはその形成方法を提供することを解決すべき課題とする。
上記課題を解決するためになされた本発明にかかる微小構造体の形成方法は、基板上に熱可塑性膜又はUV光で硬化する樹脂膜を形成し、熱可塑性膜又はUV光で硬化する樹脂膜に対してエンボス加工とエッチング加工とを施して、基板上の熱可塑性膜又はUV光で硬化する樹脂膜をパターニングし、パターニングされた熱可塑性膜又はUV光で硬化する樹脂膜を利用して基板上又は基板自体に微小構造体を形成することを特徴とするものである。
本発明にかかる微小構造体の形成方法によれば、パターニングにおける断面形状の自由度が高いエンボス加工と、平面形状の自由度が高いエッチング加工(製版マスクを用いたフォトエッチングを含む)とを組み合わせてパターニングを行うので、断面形状及び平面形状の両面において高い自由度で微小構造体を形成することができる。また、エンボス加工では、高い加圧力は必要とされないので、基板や金型に機械的なダメージが生じない。
以下、本発明の実施の形態を説明する。まず、本発明にかかる微小構造体の形成方法の概要を説明する。
本発明の主眼は、基板上に、平面形状について従来の写真製版技術と同等の精度を維持しつつ、断面形状について自由度の高い膜を形成することができる簡便な技術、ないしはより形状の自由度の高い微小構造体の形成方法を提供することにある。本発明にかかる微小構造体の形成方法は、犠牲層を用いた表面マイクロマシニングや、マスク層を用いたバルクマイクロマシニング技術への適用が可能であり、より形状の自由度の高い微小構造体の形成が可能となる。
本発明にかかる微小構造体ないしはその形成方法のポイントは以下のとおりである。すなわち、本発明にかかる微小構造体の形成方法は、いずれも、基板上に熱可塑性膜又はUV光で硬化する樹脂膜を形成した後、次の2つのパターニング工程を組み合わせて行い、基板上の熱可塑性膜又はUV光で硬化する樹脂膜をパターニングする。
(パターニング工程1)
熱可塑性膜又はUV光で硬化する樹脂膜に対してエンボス加工を施す。そして、熱可塑性膜又はUV光で硬化する樹脂膜を加圧する。ここで、熱可塑性膜の場合は加熱し、UV光で硬化する樹脂膜の場合は、UV光をUV光で硬化する樹脂膜に照射する。以上により、上記樹脂膜の断面形状を得る。
(パターニング工程2)
熱可塑性膜又はUV光で硬化する樹脂膜に対してエッチング加工を施す。このエッチング加工では、熱可塑性膜又はUV光で硬化する樹脂膜をエッチングすることにより、熱可塑性膜又はUV光で硬化する樹脂膜の平面形状を形成する。
ここで、パターニング工程1、2は、どちらを先に実施してもよい。なお、パターニング工程1を先に実施する場合は、パターニング工程1の終了時点で、熱可塑性膜又はUV光で硬化する樹脂膜は、基板上の全領域に残存している。
この後、所望の形状にパターニングされた熱可塑性膜又はUV光で硬化する樹脂膜を利用して、基板上又は基板自体に微小構造体を形成する。この熱可塑性膜又はUV光で硬化する樹脂膜の利用形態は、次の2通りである。
(熱可塑性膜又はUV光で硬化する樹脂膜の利用形態1)
パターニングされた熱可塑性膜又はUV光で硬化する樹脂膜の上に構造体となるべき膜を形成した後、熱可塑性膜又はUV光で硬化する樹脂膜を除去することにより、基板上に微小構造体を形成する。
(熱可塑性膜又はUV光で硬化する樹脂膜の利用形態2)
パターニングされた熱可塑性膜又はUV光で硬化する樹脂膜をマスクとして利用して基板をエッチングすることにより、基板自体に微小構造体を形成する。
したがって、パターニング工程1、2のいずれを先に実施するか、あるいは熱可塑性膜又はUV光で硬化する樹脂膜の利用形態1、2のいずれを用いるかに応じて、4通りの微小構造体の形成方法(実施の形態1〜4)が存在する。
実施の形態1.
以下、図1(a)〜(h)及び図2(a)〜(e)を参照しつつ、本発明の実施の形態1を具体的に説明する。
図1(a)〜(h)は、実施の形態1にかかる微小構造体の形成方法を示している。実施の形態1にかかる微小構造体の形成プロセスにおいては、まず、図1(a)に示すように、例えばシリコン基板やガラス基板からなる基板1の上面に、熱可塑性材料を均一な厚さで塗布し、熱可塑性膜2を形成する。熱可塑性材料の均一な塗布は、例えばスピン塗布や浸積により行うことができる。なお、熱可塑性材料としては、例えばPMMA(ポリメチルメタクリレート:Polymethylmetacrylat)樹脂を用いることができる。
次に、図1(b)に示すように、形成すべき微小構造体の断面形状に対応する型面を備えた金型3を、その型面が熱可塑性膜2と対向するように、基板1の上方に配置する。続いて、図1(c)に示すように、基板1及び熱可塑性膜2を加熱しながら、金型3を熱可塑性膜2に押し付けて加圧する。なお、図1(c)において、矢印は、加圧の方向を示している。この工程では、熱可塑性膜2の断面形状(ひいては微小構造体の断面形状)を形成することに主眼におかれる。金型3の加圧力は、金型3の寸法にも依存するが、およそ10KPaから100KPaの範囲であるのが望ましい。基板温度(加熱温度)は、熱可塑性膜2のガラス転移温度を中心にして、−30℃〜30℃の温度範囲であるのが望ましい。熱可塑性膜2がPMMA樹脂からなる場合、加熱温度は、例えば120℃±30℃の範囲内、好ましくは120℃に設定される。
金型3には、熱可塑性膜2の断面形状を形成するための形状が盛り込まれている。この金型3の材料(材質)としては、例えば加工性のよいシリコン、真鍮、ニッケルなどを用いることができる。熱可塑性膜2ないしは基板1を、所定の時間加熱・加圧することにより、熱可塑性膜2は流動し、金型3の型面の形状に沿った形状に変形する。ここで、金型3の型面のパターンが小さい場合、又は深い場合は、真空引きされた容器の中で加圧・加熱を行うのが好ましい。このようにすれば、熱可塑性膜2内の気泡を効果的に取り除くことができる。
次に、図1(d)に示すように、金型3を熱可塑性膜2から取り外す。これにより、熱可塑性膜2は、所望の断面形状に形成される。なお、金型3の型面の形状を所望の形状とすることにより、熱可塑性膜2に所望の断面形状を形成することができるのはもちろんである。前記のとおり、この工程では、熱可塑性膜2の断面形状を形成するだけであるので、金型3が接触する領域のすべてにわたって熱可塑性膜2が残るように成形する。このように、金型3と基板1とが接触しないので、基板1に機械的なダメージが生じるのを防止することができる。
このように熱可塑性膜2の断面形状(ひいては微小構造体の断面形状)が形成された後、熱可塑性膜2の平面形状を形成するプロセスが実施される。
具体的には、図1(e)に示すように、断面形状が形成された熱可塑性膜2を伴った基板1をガスプラズマ雰囲気中に配置し、基板1の上方の所定の位置にエッチング保護板4を配置して、熱可塑性膜2の所定の領域をエッチングする。なお、エッチング保護板4は、エッチングすべき領域のみが開口している。図1(e)において、矢印は、ガスプラズマによりエッチングが進行する方向を示している。これにより、熱可塑性膜2に、所望の平面形状が形成される。例えば、熱可塑性膜2がPMMA樹脂からなる場合は、酸素プラズマによるエッチングが可能である。
この工程では、エッチング速度がなるべく小さくなるように、プラズマのパワー・ガス圧をコントロールするのが好ましい。このようにエッチングされる領域では、熱可塑性膜2は一様に厚さが低減され、図1(e)に示された形状となる。なお、前記のとおり、金型3の型面の形状を所望の形状とすることにより、熱可塑性膜2に所望の断面形状を形成することができるが、図2(a)〜(e)に、熱可塑性膜2の断面形状の具体例をいくつか示す。
このように、断面形状を形成するパターニング工程と、平面形状を形成するパターニング工程とを分け、断面形状の形成に金型2による成形プロセスを用いているので、熱可塑性膜2に、平面形状の自由度を維持しつつ、金型3の形状を反映した多種多様な断面形状を形成することができる。
次に、図1(f)に示すように、基板1及び熱可塑性膜2の上に、構造体となる膜5を形成する。この構造体となる膜5に適した材料としては、例えば、ポリシリコンなどがあげられる。
このように、基板1及び熱可塑性膜2の上に、全面的に構造体となる膜5を形成した後、図1(g)に示すように、この膜5を所定の形状に加工する。この工程は、一般に用いられている普通の写真製版技術及びプラズマエッチングにより実施することができる。
最後に、図1(h)に示すように、熱可塑性膜2と構造体となる膜5とを伴った基板1を、酸素プラズマ雰囲気中に配置し、あるいは溶解液に浸積して熱可塑性膜2を除去し(犠牲層)、微小構造体6を得る。熱可塑性膜2がPMMA樹脂からなる場合は、酸素プラズマを用いるのが好ましい。
以上、実施の形態1にかかる微小構造体の形成方法によれば、断面形状の自由度が高い金型3を用いたエンボス加工と、平面形状の自由度が高いエッチング加工とを組み合わせて熱可塑性膜2のパターニングを行うので、断面形状及び平面形状が複雑な微小構造体6を容易に形成することができる。また、エンボス加工では、高い加圧力は必要とされないので、基板1や金型3に機械的なダメージが生じない。
ところで、前記のとおり、図1(a)〜(h)に示す微小構造体6の形成手法では、ガスプラズマ雰囲気でのエッチングを行う際に、エッチング保護板4を用いて、熱可塑性膜2の所望の領域だけをエッチングするようにしている(図1(e))。しかし、図3(a)〜(h)に示すように、ガスプラズマ雰囲気でのエッチングを行う際に、エッチング保護板を用いず、熱可塑性膜2の全領域をエッチングするようにしてもよい。
以上に述べた手法では、熱可塑性樹脂を用いて、これを加熱しながら加圧することによりエンボス加工を行い、樹脂膜の断面形状を得るようにしている。しかし、熱可塑性樹脂の代わりにUV光で硬化するUV硬化樹脂を用いてもよい。この場合の断面形状の作成手法は、図1(a)〜(h)を用いて説明した前記の手法と同一である。すなわち、図1(a)〜(h)に示す熱可塑性膜2をUV硬化樹脂膜に置き換えればよい。ただし、UV硬化樹脂膜を用いる場合、エンボス加工の際には加圧のみで足り、加熱は必要なく、室温でよい。UV硬化剤としては、すでに多種存在するが、例えばアクリル系プレモノマーに光開始重合剤を混ぜた溶剤を用いればよい。
そして、硬化前のUV硬化樹脂を金型に押し付けて金型の形状に変形させた後、該樹脂にUV光を照射して硬化させ、金型から剥離する。この場合、金型又は基板をUV光に対して透明にする必要があるものの、常温でのプロセスが可能となり、熱歪による寸法ずれの問題を低減することが可能である。以上のようなプロセスで、図1(e)に示したものと同等の断面形状を有するUV硬化膜を形成することができる。
実施の形態2.
以下、図4(a)〜(h)を参照しつつ、本発明の実施の形態2を具体的に説明する。なお、図4(a)〜(h)において、図1(a)〜(h)に示す実施の形態1における構成要素と共通の構成要素には、図1(a)〜(h)と同一の参照番号を付している。
図4(a)〜(h)は、実施の形態2にかかる微小構造体の形成方法を示している。実施の形態2にかかる微小構造体の形成プロセスにおいては、まず、図4(a)に示すように、例えばシリコン基板やガラス基板からなる基板1の上面に、熱可塑性材料を均一な厚さで塗布し、熱可塑性膜2を形成する。実施の形態1の場合と同様に、熱可塑性材料の塗布は、例えばスピン塗布や浸積により行うことができ、熱可塑性材料としては、例えばPMMA樹脂が用いられる。
次に、図4(b)に示すように、普通の写真製版技術を用いて、熱可塑性膜2の平面形状のパターニングを行う。熱可塑性膜2がPMMA樹脂からなる場合は、X線を照射すれば、X線が照射された部分が溶解するので、パターニングが可能である。この工程で、熱可塑性膜2の平面形状を形成する。なお、パターニングの手法は、このようにX線を用いるものに限られる訳ではない。例えば、熱可塑性膜2上に金属膜を形成し、この金属膜を普通の写真製版技術とエッチング技術とで加工し、金属膜をマスクとして熱可塑性膜2を反応性プラズマ中でエッチングし、所定の領域にのみ熱可塑性膜2を残すようにしてもよい。例えば、熱可塑性膜2がPMMA樹脂からなる場合は、反応性プラズマとして、酸素プラズマを用いるのが好ましい。
続いて、図4(c)に示すように、形成すべき微小構造体の断面形状に対応する型面を備えた金型3を、その型面が熱可塑性膜2と対向するように、基板1の上方に配置する。そして、図4(d)に示すように、基板1及び熱可塑性膜2を加熱しながら、金型3を熱可塑性膜2に押し付けて加圧する。この工程では、熱可塑性膜2の断面形状(ひいては微小構造体の断面形状)を形成することに主眼におかれる。金型3の加圧力は、金型3の寸法にも依存するが、およそ10KPaから100KPaの範囲であるのが望ましい。基板温度(加熱温度)は、熱可塑性膜2のガラス転移温度を中心にして、−30℃〜30℃の温度範囲であるのが望ましい。熱可塑性膜2がPMMA樹脂からなる場合、加熱温度は、例えば120℃±30℃の範囲内、好ましくは120℃に設定される。
金型3は、熱可塑性膜2の断面形状を形成するための形状が盛り込まれていることを特徴とする。この金型3の材料(材質)としては、例えば加工性のよいシリコン、真鍮、ニッケルなどが好ましい。熱可塑性膜2を所定の時間加熱・加圧することにより、熱可塑性膜2は流動し、金型3の形状に沿った形状に変形する。ここで、金型3の型面のパターンが小さい場合、又は深い場合は、真空引きされた容器の中で加圧・加熱を行えば、熱可塑性膜2内の気泡を効果的に取り除くことができる。
このように、実施の形態2にかかる微小構造体の形成方法では、まず平面形状を形成し、この後、金型により断面形状を形成するようにしているが、この場合、金型3による成形時に、余分な熱可塑性膜を極力少なくすることができる。このため、金型3の加圧力が小さくても、実際に熱可塑性膜2にかかる圧力が大きくなり、低い加圧力での成形が可能となる。このように加圧力が小さいので、基板1と金型3が接触しても、基板1ないしは金型3には、機械的ダメージが生じない。
次に、図4(e)に示すように、金型3を熱可塑性膜2から取り外す。かくして、熱可塑性膜2には、前記の平面形状に加えて、所望の断面形状が形成される。
この後、図4(f)に示すように、基板1及び熱可塑性膜2の上に、構造体となる膜5を形成する。この構造体となる膜5に適した材料としては、例えば、ポリシリコンなどがあげられる。このように、基板1及び熱可塑性膜2の上に、全面的に構造体となる膜5を形成した後、図4(g)に示すように、この膜5を所定の形状に加工する。この工程は、一般に用いられている普通の写真製版技術及びプラズマエッチングにより実施することができる。
最後に、図4(h)に示すように、熱可塑性膜2と構造体となる膜5とを伴った基板1を、酸素プラズマ雰囲気中に配置し、あるいは溶解液に浸積して熱可塑性膜2を除去し、微小構造体6を得る。熱可塑性膜2がPMMA樹脂からなる場合は、酸素プラズマを用いるのが好ましい。
以上、実施の形態2にかかる微小構造体の形成方法によれば、順に、平面形状の形成における自由度が高いエッチング加工と、断面形状の形成における自由度が高い金型3を用いたエンボス加工とを行って熱可塑性膜2のパターニングを行うので、平面形状及び断面形状が複雑な微小構造体6を容易に形成することができる。また、エンボス加工では、限られた領域で熱可塑性膜2を加圧するので、全体として低加圧での成形が可能となり、基板1や金型3に機械的なダメージが生じない。
実施の形態3.
以下、図5(a)〜(h)を参照しつつ、本発明の実施の形態3を具体的に説明する。なお、図5(a)〜(h)において、図1(a)〜(h)に示す実施の形態1における構成要素と共通の構成要素には、図1(a)〜(h)と同一の参照番号を付している。
図5(a)〜(h)は、実施の形態3にかかる微小構造体の形成方法を示している。実施の形態3にかかる微小構造体の形成プロセスにおいては、まず、図5(a)に示すように、例えばシリコン基板からなる基板1の上面に、熱可塑性材料を均一な厚さで塗布し、熱可塑性膜2を形成する。実施の形態1の場合と同様に、熱可塑性材料の塗布は、例えばスピン塗布や浸積により行うことができ、熱可塑性材料としては、例えばPMMA樹脂が用いられる。
次に、図5(b)に示すように、形成すべき微小構造体の断面形状に対応する型面を備えた金型3を、その型面が熱可塑性膜2と対向するように、基板1の上方に配置する。続いて、図5(c)に示すように、基板1及び熱可塑性膜2を加熱しながら、金型3を熱可塑性膜2に押し付けて加圧する。なお、図5(c)中の矢印は、加圧の方向を示している。この工程では、熱可塑性膜2の断面形状(ひいては微小構造体の断面形状)を形成することに主眼におかれる。基板温度(加熱温度)は、熱可塑性膜2のガラス転移温度を中心にして、−30℃〜30℃の温度範囲であるのが望ましい。熱可塑性膜2がPMMA樹脂からなる場合、加熱温度は、例えば120℃±30℃の範囲内、好ましくは120℃に設定される。
金型3には、熱可塑性膜2の断面形状を形成するための形状が盛り込まれている。この金型3の材料(材質)としては、例えば加工性のよいシリコン、真鍮、ニッケルなどを用いることができる。熱可塑性膜2ないしは基板1を、所定の時間加熱・加圧することにより、熱可塑性膜2は流動し、金型3の型面の形状に沿った形状に変形する。ここで、金型3の型面のパターンが小さい場合、又は深い場合は、真空引きされた容器の中で加圧・加熱を行うのが好ましい。このようにすれば、熱可塑性膜2内の気泡を効果的に取り除くことができる。
次に、図5(d)に示すように、金型3を熱可塑性膜2から取り外す。これにより、熱可塑性膜2は、所望の断面形状に形成される。前記のとおり、この工程では、熱可塑性膜2の断面形状を形成するだけであるので、金型3が接触する領域のすべてにわたって熱可塑性膜2が残るように成形する。このように、金型3と基板1とが接触しないので、基板1に機械的なダメージが生じるのを防止することができる。
このように熱可塑性膜2の断面形状(ひいては微小構造体の断面形状)が形成された後、熱可塑性膜2の平面形状を形成するプロセスが実施される。
具体的には、図5(e)に示すように、熱可塑性膜2を伴った基板1をガスプラズマ雰囲気中に基板を設置し、基板1上の所定の位置に、エッチングすべき領域のみが開口したエッチング保護マスク4(エッチング保護板)を配置し、基板1の所定の領域をエッチングする。図5(e)において、矢印は、エッチングの方向を示している(図5(f)〜(h)についても同様)。エッチング速度がなるべく小さくなるように、プラズマのパワー・ガス圧をコントロールするのが好ましい。このエッチングにより、熱可塑性膜2は一様に厚さが低減され、図5(e)に示す形状となる。例えば、熱可塑性膜2がPMMA樹脂からなる場合は、酸素プラズマを用いるのが好ましい。なお、エッチング保護マスクを基板1上に配置せずにエッチングを行ってもよい。
次に、図5(f)〜(h)に示すように、熱可塑性膜2をマスク層として、基板1にエッチングを施す。基板1がシリコン基板からなる場合は、フロロカーボンを主体としたガスプラズマにより基板1のエッチングが行われる。その際、わずかであるが、マスク層である熱可塑性膜2もエッチングされ、その全体の厚さが低減される。ここで、エッチングの進行に伴って、マスク層は薄い部分から除去されるので、最終的には基板1に、マスク層である熱可塑性膜2の断面形状を反映した断面形状のものとなる。このようにして、基板1自体に、より自由度の高い構造体6が形成される。
以上に述べた実施の形態3では、熱可塑性樹脂を用いて、これを加熱しながら加圧することによりエンボス加工を行い、樹脂膜の断面形状を得るようにしている。しかし、熱可塑性樹脂の代わりにUV光で硬化するUV硬化樹脂を用いても、最終的に同様の構造体を得ることができる。すなわち、図5(a)〜(h)に示す熱可塑性膜2をUV硬化樹脂膜に置き換えればよい。この場合の断面形状の作成手法は、図5(a)〜(h)を用いて説明した手法と同一である。ただし、UV硬化樹脂膜を用いた場合、エンボスの際には加圧のみで足り、加熱は必要なく、室温でよい。UV硬化剤としては、すでに多種存在するが、例えばアクリル系プレモノマーに光開始重合剤を混ぜた溶剤を用いればよい。
そして、硬化前のUV硬化樹脂を金型に押し付けて金型の形状に変形させた後、該樹脂にUV光を照射して硬化させ、金型から剥離する。この場合、金型又は基板をUV光に対して透明にする必要があるものの、常温でのプロセスが可能となり、熱歪による寸法ずれの問題を低減することが可能である。以上のようなプロセスで、図5(e)に示したものと同等の断面形状を有するUV硬化膜を形成することができる。
以上、実施の形態3にかかる微小構造体の形成方法によれば、順に、断面形状の自由度が高い金型3を用いたエンボス加工と、平面形状の自由度が高いエッチング加工とを行って熱可塑性膜2のパターニングを行うので、基板1自体に、平面形状及び断面形状が複雑な微小構造体6を容易に形成することができる。また、エンボス加工では、高い加圧力は必要とされないので、基板1や金型3に機械的なダメージが生じない。
実施の形態4.
以下、図6(a)〜(h)を参照しつつ、本発明の実施の形態4を具体的に説明する。なお、図6(a)〜(h)において、図1(a)〜(h)に示す実施の形態1における構成要素と共通の構成要素には、図1(a)〜(h)と同一の参照番号を付している。
図6(a)〜(h)は、実施の形態4にかかる微小構造体の形成方法を示している。実施の形態4にかかる微小構造体の形成プロセスにおいては、まず、図6(a)に示すように、例えばシリコン基板からなる基板1の上面に、熱可塑性材料を均一な厚さで塗布し、熱可塑性膜2を形成する。実施の形態1と同様に、熱可塑性材料の塗布は、例えばスピン塗布や浸積により行うことができ、熱可塑性材料としては、例えばPMMA樹脂が用いられる。
次に、図6(b)に示すように、普通の写真製版技術を用いて、熱可塑性膜2の平面形状のパターニングを行う。熱可塑性膜2がPMMA樹脂からなる場合、X線を照射すれば、X線が照射された部分が溶解するので、パターニングを行うことができる。この工程で、熱可塑性膜2の平面形状を形成する。なお、パターニングの手法は、このようにX線を用いるものに限られる訳ではない。例えば、熱可塑性膜2上に金属膜を形成し、この金属膜を普通の写真製版技術とエッチング技術とで加工し、金属膜をマスクとして熱可塑性膜2を酸素プラズマ中でエッチングし、所定の領域にのみ熱可塑性膜2を残すようにしてもよい。
続いて、図6(c)に示すように、形成すべき微小構造体の断面形状に対応する型面を備えた金型3を、その型面が熱可塑性膜2と対向するように、基板1の上方に配置する。そして、図6(d)に示すように、基板1及び熱可塑性膜2を加熱しながら、金型3を熱可塑性膜2に押し付けて加圧する。この工程では、熱可塑性膜2の断面形状(ひいては微小構造体の断面形状)を形成することに主眼におかれる。基板温度(加熱温度)は、熱可塑性膜2のガラス転移温度を中心にして、−30℃〜30℃の温度範囲であるのが望ましい。熱可塑性膜2がPMMA樹脂からなる場合、加熱温度は、例えば120℃±30℃の範囲内、好ましくは120℃に設定される。
金型3には、熱可塑性膜2の断面形状を形成するための形状が盛り込まれている。この金型3の材料(材質)としては、例えば加工性のよいシリコン、真鍮、ニッケルなどが好ましい。熱可塑性膜2を所定の時間加熱・加圧することにより、熱可塑性膜2は流動し、金型3の形状に沿った形状に変形する。ここで、金型3の型面のパターンが小さい場合、又は深い場合は、真空引きされた容器の中で加圧・加熱を行えば、熱可塑性膜2内の気泡を効果的に取り除くことができる。
このように、実施の形態4にかかる微小構造体の形成方法では、まず平面形状を形成し、この後、金型により断面形状を形成するようにしているが、この場合、金型3による成形時に、余分な熱可塑性膜を極力少なくすることができる。このため、金型3の加圧力が小さくても、実際に熱可塑性膜2にかかる圧力が大きくなり、低い加圧力での成形が可能となる。このように加圧力が小さいので、基板1と金型3が接触しても、基板1ないしは金型3には、機械的ダメージが生じない。
次に、図6(e)に示すように、金型3を熱可塑性膜2から取り外す。かくして、熱可塑性膜2には、前記の平面形状に加えて、所望の断面形状が形成される。
この後、図6(f)〜(h)に示すように、熱可塑性膜2をマスク層として、基板1にエッチングを施す。なお、図6(f)〜(h)において、矢印は、エッチングの方向を示している。基板1がシリコン基板からなる場合は、フロロカーボンを主体としたガスプラズマにより基板1のエッチングが行われる。その際、わずかであるが、マスク層である熱可塑性膜2もエッチングされ、その全体の厚さが低減される。ここで、エッチングの進行に伴って、マスク層は薄い部分から除去されるので、最終的には基板1に、マスク層である熱可塑性膜2の断面形状を反映した断面形状のものとなる。このようにして、基板1自体に、より高い自由度で構造体6が形成される。
以上、実施の形態4にかかる微小構造体の形成方法によれば、順に、平面形状の自由度が高いエッチング加工と、断面形状の自由度が高い金型3を用いたエンボス加工とを行って熱可塑性膜2のパターニングを行うので、基板1自体に、平面形状及び断面形状が複雑な微小構造体6を容易に形成することができる。また、エンボス加工では、限られた領域で熱可塑性膜2を加圧するので、全体として低加圧での成形が可能となり、基板1や金型3に機械的なダメージが生じない。
実施の形態5.
以下、図7(a)〜(f)を参照しつつ、本発明の実施の形態5を具体的に説明する。なお、図7(a)〜(f)において、図1(a)〜(e)に示す実施の形態1における構成要素と共通の構成要素には、図1(a)〜(e)と同一の参照番号を付している。
図7(a)〜(f)は、実施の形態5にかかる微小構造体の形成方法を示している。実施の形態5にかかる微小構造体の形成プロセスにおいては、まず、図7(a)に示すように、例えばシリコン基板からなる基板1の上面に、熱可塑性材料を均一な厚さで塗布し、熱可塑性膜2を形成する。実施の形態1、3の場合と同様に、熱可塑性材料の塗布は、例えばスピン塗布や浸積により行うことができ、熱可塑性材料としては、例えばPMMA樹脂が用いられる。
次に、図7(b)に示すように、形成すべき微小構造体の断面形状に対応する型面を備えた金型3を、その型面が熱可塑性膜2と対向するように、基板1の上方に配置する。続いて、図7(c)に示すように、基板1及び熱可塑性膜2を加熱しながら、金型3を熱可塑性膜2に押し付けて加圧する。なお、図7(c)において、矢印は、加圧の方向を示している。この工程では、熱可塑性膜2の断面形状(ひいては微小構造体の断面形状)を形成することに主眼におかれる。基板温度(加熱温度)は、熱可塑性膜2のガラス転移温度を中心にして、−30℃〜30℃の温度範囲であるのが望ましい。熱可塑性膜2がPMMA樹脂からなる場合、加熱温度は、例えば120℃±30℃の範囲内、好ましくは120℃に設定される。
金型3には、熱可塑性膜2の断面形状を形成するための形状が盛り込まれている。この金型3の材料(材質)としては、例えば加工性のよいシリコン、真鍮、ニッケルなどを用いることができる。熱可塑性膜2ないしは基板1を、所定の時間加熱・加圧することにより、熱可塑性膜2は流動し、金型3の型面の形状に沿った形状に変形する。ここで、金型3の型面のパターンが小さい場合、又は深い場合は、真空引きされた容器の中で加圧・加熱を行うのが好ましい。このようにすれば、熱可塑性膜2内の気泡を効果的に取り除くことができる。
次に、図7(d)に示すように、金型3を熱可塑性膜2から取り外す。これにより、熱可塑性膜2は、所望の断面形状に形成される。前記のとおり、この工程では、熱可塑性膜2の断面形状を形成するだけであるので、金型3が接触する領域のすべてにわたって熱可塑性膜2が残るように成形する。このように、金型3と基板1とが接触しないので、基板1に機械的なダメージが生じるのを防止することができる。
このように熱可塑性膜2の断面形状(ひいては微小構造体の断面形状)が形成された後、熱可塑性膜2の平面形状を形成するプロセスが実施される。
具体的には、図7(e)、(f)に示すように、光露光を用いて特定の領域の熱可塑性膜2を完全に除去することを主眼とする。なお、図7(e)において、矢印は、露光の方向を示している。例えば、熱可塑性膜2がPMMA樹脂からなる場合は、X線を照射すれば、X線が照射された箇所が、現像時に溶解する。この特性を利用すれば、製版マスク7を介して光露光を行うことにより、パターニングを行うことができる。
実施の形態1においては、熱可塑性膜2に平面形状を形成するパターニング工程で、酸素プラズマ等のガスプラズマにより、熱可塑性膜2をプラズマエッチングするようにしている。しかし、このようにすると、断面形状が高精細な場合は、残すべき領域の熱可塑性膜2が若干ダメージを受け、断面形状に変化が生じることがある。これに対して、実施の形態5では、光露光を用いているので、高精細な断面形状にダメージを与えることなく、平面形状のパターニングが可能となる。このため、より高い自由度でもって、所望の形状を備えた熱可塑性膜2を形成することができる。なお、この熱可塑性膜2を犠牲層又はマスク層として用いて、基板上又は基板自体に微小構造体6を形成する手法は、実施の形態1又は実施の形態3の場合と同様であるので、その説明を省略する。
実施の形態6.
以下、図8(a)〜(g)を参照しつつ、本発明の実施の形態6を具体的に説明する。なお、図8(a)〜(g)において、図1(a)〜(e)に示す実施の形態1における構成要素と共通の構成要素には、図1(a)〜(e)と同一の参照番号を付している。
図8(a)〜(g)は、実施の形態6にかかる微小構造体の形成方法を示している。実施の形態6にかかる微小構造体の形成プロセスにおいては、まず、図8(a)に示すように、例えばシリコン基板からなる基板8の上面に、予め、微小構造体の形状の一部に対応する形状の凹凸を形成する。
続いて、図8(b)に示すように、基板8の上面(凹凸面)に、熱可塑性材料を塗布し、熱可塑性膜2を形成する。実施の形態6では、熱可塑性材料の塗布は、例えばスピンコートや、浸積コートや、スプレーコートなどにより行うことができる。用いる塗布手法(コート法)により多少の違いがあるが、熱可塑性膜2の断面形状は、基板1の上面の凹凸に沿った形状となる。なお、熱可塑性材料としては、例えばPMMA樹脂が用いられる。
次に、図8(c)に示すように、形成すべき微小構造体の断面形状に対応する型面を備えた金型3を、その型面が熱可塑性膜2と対向するように、基板8の上方に配置する。続いて、図8(d)に示すように、基板8及び熱可塑性膜2を加熱しながら、金型3を熱可塑性膜2に押し付けて加圧する。なお、図8(d)において、矢印は、加圧の方向を示している。この工程では、熱可塑性膜2の断面形状(ひいては微小構造体の断面形状)を形成することに主眼におかれる。基板温度(加熱温度)は、熱可塑性膜2のガラス転移温度を中心にして、−30℃〜30℃の温度範囲であるのが望ましい。熱可塑性膜2がPMMA樹脂からなる場合、加熱温度は、例えば120℃±30℃の範囲内、好ましくは120℃に設定される。
金型3は、熱可塑性膜2の断面形状を形成するための形状が盛り込まれていることを特徴とする。なお、熱可塑性膜2を平坦化する必要がある場合は、平坦な金型を使用すればよい。実施の形態6にかかる手法では、平坦化のみならず、特定の場所のみに凹凸を形成することも可能であり、従来の研磨法では達成できない形状を達成することができる。
金型3の材料(材質)としては、例えば加工性のよいシリコン、真鍮、ニッケルなどを用いることができる。熱可塑性膜2ないしは基板8を、所定の時間加熱・加圧することにより、熱可塑性膜2は流動し、金型3の型面の形状に沿った形状に変形する。ここで、金型3の型面のパターンが小さい場合、又は深い場合は、真空引きされた容器の中で加圧・加熱を行うのが好ましい。このようにすれば、熱可塑性膜2内の気泡を効果的に取り除くことができる。
次に、図8(e)に示すように、金型3を熱可塑性膜2から取り外す。これにより、熱可塑性膜2は、所望の断面形状に形成される。前記のとおり、この工程では、熱可塑性膜2の断面形状を形成するだけであるので、金型3が接触する領域のすべてにわたって熱可塑性膜2が残るように成形する。このように、金型3と基板1とが接触しないので、基板1に機械的なダメージが生じるのを防止ないしは抑制することができる。
この後、図8(f)、(g)示すように、予め決められた領域の熱可塑性膜2を除去することにより、熱可塑性膜2の平面形状を形成する。なお、図8(f)において、矢印は、露光の方向を示している。例えば、熱可塑性膜2がPMMA樹脂からなる場合、X線露光を行えば、X線が照射された部分が溶解するので、製版マスク7を用いて写真製版技術により、熱可塑性膜2に平面形状を形成することができる。もちろん、酸素プラズマでエッチングを行うことにより平面形状を形成することも可能である。
実施の形態6においても、このような形状に形成された熱可塑性膜2を、犠牲層又はマスク層として用いることができる。なお、この熱可塑性膜2を犠牲層又はマスク層として用いて、基板上又は基板自体に微小構造体6を形成する手法は、実施の形態1又は実施の形態3の場合と同様であるので、その説明を省略する。
以上、実施の形態6においては、平面形状を形成するエッチング工程でX線露光を用いているので、高精細な断面形状にダメージを与えることなく、平面形状のパターニングが可能となる。このため、より高い自由度でもって、所望の形状を備えた熱可塑性膜2を形成することができる。また、上記のとおり、基板に凹凸があっても、その凹凸の形状に関係なく、自由な断面形状を有する樹脂を形成可能である。
(a)〜(h)は、本発明の実施の形態1にかかる微小構造体の形成方法を示す図である。 (a)〜(e)は、実施の形態1にかかる種々の断面形状の熱可塑性膜の立面断面図である。 (a)〜(h)は、本発明の実施の形態1の変形例にかかる微小構造体の形成方法を示す図である。 (a)〜(h)は、本発明の実施の形態2にかかる微小構造体の形成方法を示す図である。 (a)〜(h)は、本発明の実施の形態3にかかる微小構造体の形成方法を示す図である。 (a)〜(h)は、本発明の実施の形態4にかかる微小構造体の形成方法を示す図である。 (a)〜(f)は、本発明の実施の形態5にかかる微小構造体の形成方法を示す図である。 (a)〜(g)は、本発明の実施の形態6にかかる微小構造体の形成方法を示す図である。
符号の説明
1 基板、 2 熱可塑性膜、 3 金型、 4 エッチング保護板(エッチング保護マスク)、 5 構造体となる膜、 6 構造体、 7 製版マスク、 8 基板。

Claims (11)

  1. 基板上に熱可塑性膜又はUV光で硬化する樹脂膜を形成し、
    熱可塑性膜又はUV光で硬化する樹脂膜に対して、エンボス加工とエッチング加工とを施して、基板上の熱可塑性膜又はUV光で硬化する樹脂膜をパターニングし、
    パターニングされた熱可塑性膜又はUV光で硬化する樹脂膜を利用して、基板上又は基板自体に微小構造体を形成することを特徴とする微小構造体の形成方法。
  2. エンボス加工では、金型を、基板に接触させることなく熱可塑性膜に押し付け、熱可塑性膜を加熱・加圧することにより熱可塑性膜の断面形状を形成する一方、
    エッチング加工では、熱可塑性膜をエッチングすることにより熱可塑性膜の平面形状を形成することを特徴とする、請求項1に記載の微小構造体の形成方法。
  3. エンボス加工では、金型を、基板に接触させることなくUV光で硬化する樹脂膜に押し付けて該樹脂膜を加圧し、UV光をUV光で硬化する樹脂膜に照射して該樹脂膜を硬化させることによりUV光で硬化した樹脂膜の断面形状を形成する一方、
    エッチング加工では、UV光で硬化した樹脂膜をエッチングすることにより該樹脂膜の平面形状を形成することを特徴とする、請求項1に記載の微小構造体の形成方法。
  4. エンボス加工を施した後にエッチング加工を施すことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1つに記載の微小構造体の形成方法。
  5. エッチング加工を施した後にエンボス加工を施すことを特徴とする、請求項1又は2に記載の微小構造体の形成方法。
  6. パターニングされた熱可塑性膜又はUV光で硬化する樹脂膜の上に構造体となるべき膜を形成した後、熱可塑性膜又はUV光で硬化する樹脂膜を除去することにより、基板上に微小構造体を形成することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1つに記載の微小構造体の形成方法。
  7. パターニングされた熱可塑性膜又はUV光で硬化する樹脂膜をマスクとして利用して基板をエッチングすることにより、基板自体に微小構造体を形成することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1つに記載の微小構造体の形成方法。
  8. 熱可塑性膜が感光性材料からなり、エッチング加工を、製版マスクを用いたフォトエッチングにより施すことを特徴とする、請求項1、2、4〜7のいずれか1つに記載の微小構造体の形成方法。
  9. 熱可塑性膜又はUV光で硬化する樹脂膜を形成すべき基板の表面に凹凸が形成されていることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1つに記載の微小構造体の形成方法。
  10. エンボス加工を真空雰囲気中で行うことを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1つに記載の微小構造体の形成方法。
  11. 請求項1〜10のいずれか1つに記載の形成方法により、基板上又は基板自体に形成された微小構造体。
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