JP2005186076A - プレス加工方法およびプレス加工装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 金型加熱機構で加熱されているプレス金型3A,3B,4A,4BへワークWを搬送機構で搬送してワークWをプレス成形加工するプレス加工装置において、プレス金型3A,3B,4A,4Bへ搬送機構5で搬送するワークWを搬送中にプレス成形加工可能な温度以上に加熱するワーク加熱機構9を設ける。
【選択図】 図1
Description
なお、マグネシウム合金は、変形応力の著しい温度依存性により、常温では一般の鋼板と比較して成形性に劣る難成形性金属材料である。
そこで、プレス金型へ搬送機構で搬送してプレス成形加工に先だって難成形性金属材料のワークを加熱することにより、プレス成形性を向上させることが行われている。
しかしながら、加工するマグネシウム合金を平板状態で加熱しても、プレス金型内で成形加工できる工程は1工程である。
また、成形加工された形状では、その成形加工されたワークを次の成形工程で温間加工できる温度にまで板状でない限り昇温できないのが現状である。
(1)金型加熱機構で加熱されているプレス金型へワークを搬送機構で搬送して前記ワークをプレス成形加工するプレス加工方法において、前記プレス金型へ前記搬送機構で搬送する前記ワークを搬送中に所望温度に加熱することを特徴とする。
(2)(1)に記載のプレス加工方法において、前記所望温度は、前記ワークをプレス成形加工可能な温度以上であることを特徴とする。
(3)(1)または(2)に記載のプレス加工方法において、前記ワークをプレス成形加工する異なるプレス成形工程が複数あることを特徴とする。
(4)(1)から(3)いずれか1つに記載のプレス加工方法において、前記ワークの材料がマグネシウム合金であることを特徴とする。
(5)金型加熱機構で加熱されているプレス金型へワークを搬送機構で搬送して前記ワークをプレス成形加工するプレス加工装置において、前記プレス金型へ前記搬送機構で搬送する前記ワークを搬送中に所望温度に加熱するワーク加熱機構を設けたことを特徴とする。
(6)(5)に記載のプレス加工装置において、前記所望温度は、前記ワークをプレス成形加工可能な温度以上であることを特徴とする。
(7)(5)または(6)に記載のプレス加工装置において、前記ワーク加熱機構を、ヒーター部と、このヒーター部へ気体を供給する気体供給部と、前記ヒーター部で温められた前記気体を前記ワークへ吹き付ける熱風吹き付け部とで構成したことを特徴とする。
(8)(5)から(7)のいずれか1つに記載のプレス加工装置において、前記ワークをプレス成形加工する異なるプレス金型が複数あることを特徴とする。
(9)金型加熱機構で加熱されているプレス金型でワークをプレス成形加工するプレス加工装置において、前記金型加熱機構を、面ヒーターで構成したことを特徴とする。
(10)(9)に記載のプレス加工装置において、前記面ヒーターは、ラバーヒーターであることを特徴とする。
(11)金型加熱機構で加熱されているプレス金型でワークをプレス成形加工するプレス加工装置において、前記金型加熱機構は、温めた油を循環させて前記プレス金型を加熱するものであることを特徴とする。
(12)金型加熱機構で加熱されているプレス金型でワークをプレス成形加工するプレス加工装置において、前記金型加熱機構は、温めた気体を循環させて前記プレス金型を加熱するものであることを特徴とする。
(13)(5)から(12)のいずれか1つに記載のプレス加工装置において、前記ワークの材料がマグネシウム合金であることを特徴とする。
なお、前記ワーク加熱機構、前記金型加熱機構の中から各成形工程に最適なものを選択して前記ワークおよび/または前記プレス金型を加熱すればよい。
そして、所望温度を、ワークをプレス成形加工可能な温度(ワークに割れなどを生じさせないでプレス成形加工できる温度)以上にしたので、改めて加熱することなくワークの温度をプレス成形加工に必要な温度以上に維持してプレス成形加工することができ、難成形性金属材料のワークをさらに効率よくプレス成形加工することができる。
さらに、複数の成形工程の場合、各成形工程の手前の搬送過程でワークを加熱するので、従来よりもプレス成形加工を効率よく行うことができる。
そして、金型加熱機構を面ヒーターで構成とし、または、温めた油を循環させる構成し、または、温めた気体を循環させる構成としたので、温度分布を一様にすることができ、加工精度、加工速度を向上させることができる。
さらに、面ヒーターをラバーヒーターで構成したので、ラバーヒーターは複雑な形状に製作できることにより、温度管理が簡単になるとともに、温度コントロールも簡単になる。
特にワークの材料がマグネシウム合金の場合、ワークの放熱性がよいので、搬送過程でワークを加熱することにより、従来よりもプレス成形加工を効率よく行うことができる。
なお、ワーク加熱機構、金型加熱機構の中から各成形工程に最適なものを選択してワークおよび/またはプレス金型を加熱することにより、加工精度、加工速度を大幅に向上させることができる。
図1において、1はスライド、2はボルスター、3A,3Bはスライド1の下面に取り付けられた異なるプレス成形加工を行う上金型、4A,4Bはボルスター2の上面に取り付けられた異なるプレス成形加工を行う下金型を示し、上金型3Aに対応させて下金型4Aが配置され、上金型3Bに対応させて下金型4Bが配置されている。
なお、各金型3A,3B,4A,4Bには、図示を省略されているが、金型加熱機構が設けられている。
そして、上金型3Aと下金型4Aとで1組のプレス金型が構成され、また、上金型3Bと下金型4Bとで1組のプレス金型が構成されている。
9はワーク加熱機構を示し、プレス金型へワークWを搬送する搬送機構5に取り付けられたヒーター部10と、このヒーター部10へ気体、例えば、空気でもよいが、望ましくは、不活性および/または不燃性を有する気体を供給する気体供給部11と、ヒーター部10で温められた気体(熱風)をワークWへ吹き付けてワークWを加熱する熱風吹き付け部12とで構成されている。
このワーク加熱機構9は、ヒーター部10への通電電流を制御したり、ヒーター部10へ送る気体の供給量を制御することにより、ワークWを加熱する加熱温度を調整することができる。
まず、図示を省略したワーク予備加熱機構によって所定温度に予備加熱されたワークWは、例えば、ロボットによって搬送機構5の所定位置に順次セット、保持され、搬送される。
一方、気体供給部11からヒーター部10へ順次気体が供給されるので、ヒーター部10で温められた気体(熱風)を熱風吹き付け部12でワークWへ吹き付けることにより、ワークWを所望温度、例えば、ワークWをプレス成形加工可能な温度以上に搬送機構5で搬送している間中加熱する。
そして、スライド1を上昇させることにより、搬送機構5で次のプレス金型へワークWを搬送できる状態にする。
次に、搬送機構5でワークWを次の上金型3Bと下金型4Bとの間へ搬送し、スライド1を下降させることにより、2回目のプレス成形加工をワークWに施す。
なお、搬送機構5で搬送する2つ目以降のワークWについても、同様な動作により、搬送中に加熱されたワークWに順次プレス成形加工を施す。
また、各成形工程のプレス金型の温度およびワーク加熱機構9の温度を一定としたが、その温度を200℃〜340℃とすることにより、ワークWに所望の形状の成形加工を施すことができた。
そして、トランスファープレス加工装置内にプレス金型を複数設けたので、難成形性金属材料のワークWに異なるプレス成形加工を順次施して複雑な形状のプレス成形加工を効率よく行うことができる。
図2において、6は搬送機構を示し、ロボットアーム7と、このロボットアーム7の先端に取り付けられた真空チャック機構8とで構成されている。
そして、ロボットアーム7の先端部分に、ワーク加熱機構9が設けられている。
なお、ワークWのプレス成形加工の説明は、第1実施例と同様になるので、省略する。
また、各成形工程のプレス金型の温度およびワーク加熱機構9の温度を一定としたが、その温度を200℃〜340℃とすることにより、ワークWに所望の形状の成形加工を施すことができた。
そして、真空チャック機構8を用いて搬送機構6を構成したので、表面が平坦な面を有するワークWに対する搬送機構として使用することができる。
この第3実施例が第1実施例のトランスファープレス加工装置と異なるところは、ワーク加熱機構9を下金型4A,4Bの、ワークWの搬送方向の前後(図3における下金型4A,4Bの左右)に取り付けた点である。
なお、ワークWのプレス成形加工の説明は、第1実施例と同様になるので、省略する。
また、各成形工程のプレス金型の温度およびワーク加熱機構9の温度を一定としたが、その温度を200℃〜340℃とすることにより、ワークWに所望の形状の成形加工を施すことができた。
図4において、21はスライド、22はボルスター、23はスライド21の下面に取り付けられた上金型、24はボルスター22の上面に取り付けられた下金型、25A,25Bは上金型23に組み込まれた異なるプレス成形加工を行う上工程部、26A,26Bは下金型24に組み込まれた異なるプレス成形加工を行う下工程部を示し、上工程部25Aに対応させて下工程部26Aが配置され、上工程部25Bに対応させて下工程部26Bが配置されている。
なお、各金型23,24には、図示を省略されているが、金型加熱機構が設けられている。
そして、上金型23と下金型24とで1組のプレス金型が構成されている。
28はワーク加熱機構を示し、ヒーター部29と、このヒーター部29へ気体、例えば、空気でもよいが、望ましくは、不活性および/または不燃性を有する気体を供給する気体供給部30と、ヒーター部29で温められた気体(熱風)をワークWへ吹き付けてワークWを加熱する熱風吹き付け部31とで構成され、上金型23に埋め込まれている。
このワーク加熱機構28は、ヒーター部29への通電電流を制御したり、ヒーター部29へ送る気体の供給量を制御することにより、ワークWを加熱する加熱温度を調整することができる。
まず、図示を省略したワーク予備加熱機構によって所定温度に予備加熱されたワークWは、図示を省略した所定の送り機構によって母材コイル27を送ることにより、上工程部25Aと下工程部26Aとの間へ搬送される。
一方、気体供給部30からヒーター部29へ順次気体が供給されるので、ヒーター部29で温められた熱風を熱風吹き付け部31でワークWへ吹き付けることにより、搬送中のワークWを所望温度、例えば、ワークWをプレス成形加工可能な温度以上に加熱する。
そして、スライド1を上昇させ、所定の送り機構によって母材コイル27を送ることにより、次の上工程部25Bと下工程部26Bとの間へワークWを移動させ、スライド21を下降させることにより、2回目のプレス成形加工をワークWに施す。
なお、所定の送り機構によって母材コイル27を順次送ることによって2つ目以降のワークWについても、同様な動作により、加熱されたワークWに順次プレス成形加工を施す。
また、順送プレス金型の温度およびワーク加熱機構28の温度を一定としたが、その温度を200℃〜340℃とすることにより、ワークWに所望の形状の成形加工を施すことができた。
図5において、24aは下金型24に設けられた凹部を示し、プレス成形加工時における、母材コイル27、ワークWおよび下金型24に干渉しないように熱風吹き付け部31を収容する部分である。
なお、この第5実施例の順送型プレス加工装置においては、熱風吹き付け部31が上金型23から下側へ突出させて、ワークWの搬送方向の左右(図面の前後方向)からワークWへ熱風を吹き付ける。
また、順送プレス金型の温度およびワーク加熱機構28の温度を一定としたが、その温度を200℃〜340℃とすることにより、ワークWに所望の形状の成形加工を施すことができた。
なお、この第6実施例の順送型プレス加工装置においては、ワーク加熱機構28が下金型24に埋設されている。
また、順送工程のプレス金型の温度およびワーク加熱機構28の温度を一定としたが、その温度を200℃〜340℃とすることにより、ワークWに所望の形状の成形加工を施すことができた。
図7において、41はスライド、42はボルスター、43はスライド41の下面に断熱材44を介して取り付けられたプレス上金型、45はボルスター42の上面に断熱材46を介して取り付けられたプレス下金型を示す。
そして、プレス上金型43は、中央部分に位置する中央金型部43aと、この中央金型部43aの周囲に位置する外側金型部分43bとで構成されている。
また、プレス下金型45は、プレス上金型43の中央金型部分43aに対応させた中央金型部45aと、プレス上金型43の外側金型部分43bに対応させて中央金型部45aの外側に位置する外側金型部分45bとで構成されている。
また、各ラバーヒーター52〜55は複雑な形状に製作できることにより、温度管理が簡単になるとともに、温度コントロールも簡単になる。
また、第4〜第6実施例では、ワークWを1つのワーク加熱機構28で加熱する例を示したが、ワークWが搬送される上流から下流へ複数のワーク加熱機構28を配設して加熱してもよい。
そして、第1〜第6実施例において、ワーク加熱機構9,28がワークWの加熱に寄与しない状態のときは、ワーク加熱機構9,28を停止させることにより、ランニングコストを少なくすることが望ましい。
そして、金型加熱機構を各ラバーヒーター52〜55で構成した例を示したが、プレス金型に、例えば、蛇行した流路を形成し、この流路に、プレス金型外で油、または、空気でもよいが、望ましくは、不活性および/または不燃性を有する気体を所望温度、例えば、ワークWをプレス成形加工可能な温度以上に加熱部で温めてポンプなどで循環させる構成の金型加熱機構であっても、他の金型加熱機構であってもよい。
2,22,42 ボルスター
3A,3B 上金型
4A,4B 下金型
5,6 搬送機構
7 ロボットアーム(搬送機構)
8 真空チャック機構(搬送機構)
9,28 ワーク加熱機構
10,29 ヒーター部
11,30 気体供給部
12,31 熱風吹き付け部
23 上金型
24 下金型
24a 凹部
25A,25B 上工程部
26A,26B 下工程部
27 母材コイル
43 プレス上金型
43a,45a 中央金型部
43b,45b 外側金型部分
44,46 断熱材
45 プレス下金型
51 金型加熱機構
52 第1ラバーヒーター
53 第2ラバーヒーター
54 第3ラバーヒーター
55 第4ラバーヒーター
56 第1温度センサー
57 第2温度センサー
58 第3温度センサー
59 第4温度センサー
60 温度コントローラー
W ワーク
Claims (13)
- 金型加熱機構で加熱されているプレス金型へワークを搬送機構で搬送して前記ワークをプレス成形加工するプレス加工方法において、
前記プレス金型へ前記搬送機構で搬送する前記ワークを搬送中に所望温度に加熱する、
ことを特徴とするプレス加工方法。 - 請求項1に記載のプレス加工方法において、
前記所望温度は、前記ワークをプレス成形加工可能な温度以上である、
ことを特徴とするプレス加工方法。 - 請求項1または請求項2に記載のプレス加工方法において、
前記ワークをプレス成形加工する異なるプレス成形工程が複数ある、
ことを特徴とするプレス加工方法。 - 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のプレス加工方法において、
前記ワークの材料がマグネシウム合金である、
ことを特徴とするプレス加工方法。 - 金型加熱機構で加熱されているプレス金型へワークを搬送機構で搬送して前記ワークをプレス成形加工するプレス加工装置において、
前記プレス金型へ前記搬送機構で搬送する前記ワークを搬送中に所望温度に加熱するワーク加熱機構を設けた、
ことを特徴とするプレス加工装置。 - 請求項5に記載のプレス加工装置において、
前記所望温度は、前記ワークをプレス成形加工可能な温度以上である、
ことを特徴とするプレス加工装置。 - 請求項5または請求項6に記載のプレス加工装置において、
前記ワーク加熱機構を、ヒーター部と、このヒーター部へ気体を供給する気体供給部と、前記ヒーター部で温められた前記気体を前記ワークへ吹き付ける熱風吹き付け部とで構成した、
ことを特徴とするプレス加工装置。 - 請求項5から請求項7のいずれか1項に記載のプレス加工装置において、
前記ワークをプレス成形加工する異なるプレス金型が複数ある、
ことを特徴とするプレス加工装置。 - 金型加熱機構で加熱されているプレス金型でワークをプレス成形加工するプレス加工装置において、
前記金型加熱機構を、面ヒーターで構成した、
ことを特徴とするプレス加工装置。 - 請求項9に記載のプレス加工装置において、
前記面ヒーターは、ラバーヒーターである、
ことを特徴とするプレス加工装置。 - 金型加熱機構で加熱されているプレス金型でワークをプレス成形加工するプレス加工装置において、
前記金型加熱機構は、温めた油を循環させて前記プレス金型を加熱するものである、
ことを特徴とするプレス加工装置。 - 金型加熱機構で加熱されているプレス金型でワークをプレス成形加工するプレス加工装置において、
前記金型加熱機構は、温めた気体を循環させて前記プレス金型を加熱するものである、
ことを特徴とするプレス加工装置。 - 請求項5から請求項12のいずれか1項に記載のプレス加工装置において、
前記ワークの材料がマグネシウム合金である、
ことを特徴とするプレス加工装置。
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