JP2005185895A - 夾雑物除去装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】双方向の流れに対応できる夾雑物除去装置のケーシングをコンパクトにする。
【解決手段】流水管Pにケーシング1を介設し、そのケーシング1内に設けた円筒状のフィルタ部材2によって内側を流入室3、外側を流出室4とに区画し、その両室3,4には、上流側及び下流側の流水管Pの両方をそれぞれ接続して、それぞれ流入室3への流入路6、流出室4からの流出路7とする。前記流出路7は、断面円形の流入路6の外周全周に位置する同心のリング状であり、その各流路6,7には、それぞれの流れ方向を許容する逆止弁20,30を設ける。このようにすれば、その流入路6及び流出路7を、それぞれ所定の断面積を確保しつつ全体の外径を小さくできるので、ケーシング1をコンパクトにし得る。また、各流路6,7の軸心が同心であるので、流水管Pからケーシング1内、ケーシング1内から流水管Pへの流れをさらにスムースなものとし得る。
【選択図】図1

Description

この発明は、流水管内を流れる夾雑物を除去するために、流水管の途中に介設される夾雑物除去装置に関するものである。
一般的に、流水管は、その管内面にライニング等を施すことにより錆止め等を行い、管内を流れる水に異物が混入しないようにしている。しかし、その流水管の配管工事において、孔明け工事や切断工事等を行った際に発生した金属粉が、管内の水に混入する場合がある。また、工事の際に生じた流水管の金属露出部で発生する錆や、管路内へ混じる砂利等が管内の水に混入する場合もある。これらの夾雑物は、流水管下流に供給される水の水質を悪化させるので、流水中に夾雑物があることは好ましくない。そこで、流水管の途中に、フィルタ部材を流路に介在させて、流水をそのフィルタ部材を通過させることにより夾雑物を取り除く手法が採用される。
この種の夾雑物除去装置は、フィルタに夾雑物が付着して目詰まりを発生させるため、定期的なフィルタ部材の清掃、又は交換が余儀なくされる。このため、その手入れを簡略化させるための種々の技術が開示されている。
例えば、流水管Pに水が流入するケーシングを介在させて、そのケーシング内を区画板によって、通常の状態で流水が流入して流出されていく貫通室と、夾雑物を排出するための排出室とを区画し、前記貫通室には筒状のフィルタ部材を固定して収納するとともに、前記排出室には大気中に水を流出できる開閉弁を設けた夾雑物除去装置がある。
この装置では、流水管の上流側から貫通室内の筒状フィルタ部材内側に流入した水が、そのフィルタ部材の周面を外側に向かって通過した後、その流水管の下流側に放出される。フィルタ部材を通過できなかった夾雑物は、そのフィルタ部材内周面に捕捉され、そのうち比重の小さな夾雑物はその内周面に付着し、比重の大きな夾雑物はフィルタ部材底面に落下して堆積する。
このとき、フィルタ部材の内側には、回転軸で軸着された対の隔離板を設けており、この対の隔離板とフィルタ部材内周面とで構成する逆洗室が、前記排出室と連通している。前記排出室と管外部とを連通する開閉弁は、通常は閉められている。排出室の開閉弁を開くことにより、管内圧と大気圧との間に水圧差が生じ、流水がフィルタ部材を外側から内側に向かって逆の向きに通過して、排出室に連通する前記逆洗室へ取り込まれる。このとき、隔離板の縁がフィルタ部材内周面に接しているので、外力により軸を回して隔離板を回転することにより、その隔離板の縁が内周面に付着した夾雑物を掻き取って除去する。除去された夾雑物は、水とともに逆洗室に流入し、その後、排出室へ移送され開閉弁を介して外部に排出される。
また、フィルタ部材内側の底部に堆積した夾雑物は、そのフィルタ部材の底板等に設けた小孔を介して排出室に送られる。この小孔は、排出室に向かって常時開放されていると、前記逆洗室を介して行うフィルタ内周面への吸引力が低下するため、前記軸の回転に伴って一定周期で断続的に開放されるものとしている。
このようにして、除去装置本体を分解等することなく、フィルタ部材に付着、堆積した夾雑物を容易に清掃できるようにしている(例えば、特許文献1参照)。
また、他の装置として、図10に示す夾雑物除去装置がある。この装置は、上記装置と同様、流水管Pに介設したケーシング40内を貫通室41と排出室45とに区画し、その貫通室41に設けた筒状フィルタ部材42の内側部分の流入室43には、上流側、下流側それぞれの流水管P、P’が開口している。その各流水管P、P’からフィルタ部材42への流入路46,46にはそれぞれ逆止弁50a、50aが設けられ、このフィルタ部材42内側部分に通ずる流路の逆止弁50aは、図10に示す弁体51を有して、上流側、下流側の各流水管P,P’からフィルタ部材42内側部分への流れのみを許容するようになっている。
また、貫通室41内のフィルタ部材42の外側部分の流出室44にも、上流側、下流側の前記各流水管P,P’が開口しており、そのフィルタ部材42外側部分から各流水管P、P’への流出路47,47にはそれぞれ逆止弁50b,50bが設けられている。このフィルタ部材42外側部分に通ずる流路の逆止弁50bは、図10に示す弁体51を有して、前記フィルタ部材42外側部分から、上流側、下流側の各流水管P、P’への流れのみを許容するようになっている。
この装置によれば、上流側あるいは下流側の一方の流水管P,P’から貫通室内の筒状フィルタ部材42内側部分に流入した水は、そのフィルタ部材42の周面を内側から外側に向かって通過した後、他方の流水管P’,Pへと排出される。つまり、この装置は、流水管の流れ方向にかかわらず、常に、フィルタ部材42内側部分に水が流入し、その後フィルタ部材42を外側に向かって通過できるようになっているので、流水管P,P’に逆流の発生するような箇所でも使用できるようになっている。(例えば、特許文献2参照)
特開平7−136420号公報 特許第3118772号公報
しかし、上記の装置では、流水管P,P’から貫通室41(フィルタ部材42内側部分の流入室43)への流入路46、及び、その貫通室41(フィルタ部材42外側部分の流出室44)から流水管P,P’への流出路47を別々に設けて、その開口が上下方向に並列しているため、ケーシング40に設ける開口部分はその並列方向に外形が大きくなる。また、その流入室43、流出室44には、それぞれ別々に逆止弁50a,50bを設置する必要があるので、その逆止弁50a,50bの開口周囲に弁座スペースを確保すると、ケーシング40をさらに大きくしなければならない。ケーシング40が大きくなることは、その装置の設置スペースの確保しなければならないことや、コスト面でも好ましくない。
そこで、この発明は、双方向の流れに対応できる夾雑物除去装置をコンパクトにすることを課題とする。
上記の課題を解決するために、この発明は、双方向の流れに対応できる夾雑物除去装置において、その流水管からケーシング内への接続部に設けられる流入路と流出路とを、その一方を他方で囲むように一体に配置したのである。このようにすれば、流入路、流出路それぞれに必要なケーシングへの開口部分面積(流路の断面積)を確保しながら、その両流路からなる開口部分全体の外径を小さくできるので、ケーシングをコンパクトにし得る。
具体的には、流水管にケーシングを介設し、そのケーシング内に設けたフィルタ部材によってケーシング内を流入室と流出室とに区画し、その両室に、上流側の流水管及び下流側の流水管の両方をそれぞれ接続して、その流入室と前記上流側、下流側の各流水管とを流入路で、その流出室と前記上流側、下流側の各流水管とを流出路で連通するとともに、その各流路には、それぞれの流れ方向を許容する逆止弁を設けた夾雑物除去装置において、前記流入路、及び流出路の一方が、他方の外周全周に位置するようにしたのである。
前記上流側、下流側の各流水管とケーシングとの連通部分は、それぞれ、流入室への流入路と流出室からの流出路の双方を備えており、その双方の流路には、それぞれ許される流れ方向にのみ開く逆止弁を併設しているので、流水管に生じる双方向の流れに対応できるようになっている。すなわち、上流側あるいは下流側のいずれか一方の流水管からケーシング内に流入した水は、前記フィルタ部材を流入室側から流出室側に向かって通過した後、他方の流水管へと放出される。
このとき、前記上流側、下流側の各連通部分において、前記流入路、流出路のいずれか一方が、他方の外周全周に位置しているので、その双方の流路の中心がともに流水管の軸心に向きやすい。このため、その流路を介する流水管からケーシング内、及びケーシング内から流水管への流れがスムースである。
上記の構成において、上記フィルタ部材を筒状を成すものとし、上記流入室と流出室とは、そのフィルタ部材を挟んで内外に区画するとともに、そのフィルタ部材外側部分に接続される流路を、フィルタ部材内側部分に接続される流路の外周全周に位置するように配置した構成を採用し得る。このようにすれば、フィルタ部材内側部分に接続される流路が、流水管の軸心に近い中央側に配置され、フィルタ部材外側に接続される流路は、流水管の軸心から遠い外側に位置するように配置されて、内外各流路が、それぞれ対応するフィルタ部材内外両室に最短距離で接続されるので、流水をスムースな流れとし得る。
また、前記流入路及び流出路は、その一方が他方の外周全周に位置する同心のリング状とすれば、その流入路及び流出路を、それぞれ所定の断面積を確保しつつ全体の外径を最も小さいものとし得る。また、その内側、外側に位置する各流路の軸心が同心であるので、流水管からケーシング内、ケーシング内から流水管への流れをさらにスムースなものとし得る。
この発明は、以上のように、ケーシングの流入口、流出口のいずれか一方を他方の外周に位置するようにしたので、流入口、流出口全体の外径が小さくなりケーシングをコンパクトにし得る。
一実施形態を図1乃至図5、及び図6(a)に示し、この実施形態の夾雑物除去装置は、流水に混入した異物(夾雑物)を除去するために、流水管の途中に介設されるフィルタ式の夾雑物除去装置である。
この装置は、図1に示すように、流水管P,P’の途中にケーシング1を介在させて設け、そのケーシング1内には、円筒状のフィルタ部材2を設けて、そのフィルタ部材2によってケーシング1内を、フィルタ部材2内側部分の流入室3とフィルタ部材2外側部分の流出室4とに区画する。フィルタ部材2は、その筒軸方向が流水管P,P’の軸心Lに直交する方向になるように設置されており、その周面は網状に形成されてその網目の細孔を流体は通過するが、所定の大きさ以上の夾雑物は捕捉されるようになっている。また、そのフィルタ部材2の上端面はケーシング1の上蓋1aに夾雑物の流出がない程度に密着しており、下端面は、閉じられてケーシング1底壁1bに固定されている。
ケーシング1内の前記流入室3、及び流出室4には、上流側部12aの流水管P及び下流側部12bの流水管P’の両方をそれぞれ接続する。その接続方法は、前記フィルタ部材2の周面の筒軸方向中程に前記両流水管P,P’に向く円形の開口2a,2aを形成し、その開口2a,2aには、周面外側に突出する同じ断面円形を成す接続管5,5の一端が接続されている。その接続管5,5の他端は、図1及び図2に示すように、前記ケーシング1の本体部10と、前記上流側部12a、下流側部12bの各流水管P,P’との接続部11a,11bに向かってそれぞれ開口している。
接続部11a,11bがそれぞれ流水管P,P’に直交する方向の断面は、前記接続管5の断面よりも大きい円形を成しており、その接続部11a,11b内において前記接続管5,5は同心に配置されている。つまり、図1に示すように、その軸心が一本の直線L上に位置する流水管P,P’の途中にケーシング1が介設されているので、前記両接続部11a,11bと流水管P、及び両接続管5,5とは、それぞれその軸心が共に一致した状態となっている。
その各接続管5,5は、前記流入室3と各接続部11a,11bとをそれぞれ連通して、前記上流側部12a、下流側部12bの各流水管P,P’に繋がる流入路6,6を成し、その接続管5の外周部分は、前記流出室4と各接続部11a,11bとをそれぞれ連通して、前記上流側部12a、下流側部12bの各流水管P,P’に繋がる流出路7,7を成し、その流出路7は、前記流入路6の外周全周に亘って連続的に囲むように配置されて、前記流入路6の軸心と同心のリング状を成している。その各流路6,7には、それぞれの流れ方向にのみ流れを許容する逆止弁20,30を設けている。
逆止弁20の構成は、図6(a)に示すように、断面円形の流入路6を左右に2分割して、その2分割した各流路をそれぞれ塞ぐように設けた対の半円状の弁体21,21と、その半円状の弁体21,21を開閉自在に支持するヒンジ軸22からなる。前記半円状の両弁体21,21は、その対の弦21a,21aの部分が対向した状態で円を成し、2枚1組で断面円形の流入路6を閉じるようになっており、ヒンジ軸22は、その弦21aの部分に設けられて、ヒンジ軸22両端がケーシング1の接続管5,5に回転可能に支持される。
弁体21,21は、それぞれの面が流路に直交する状態から、図5の前方の接続部11aに示すように、前記ヒンジ軸22を回転軸として流入室3側に向かって回転するようになっており、そのヒンジ軸22に設けられたバネ等(図示せず)により付勢されて、流水管P,P’からフィルタ部材2内側の流入室3への流れのある場合にのみ、弁体21,21が開き、流れのない場合及びその流れによる弁体21を押す力が付勢力以下の場合には、弁体21,21が前記直交状態に戻されて流路を閉じるようになっている。
逆止弁30の構成は、同じく図6(a)に示すように、断面リング状の流出路7を左右に2分割して、その2分割した流路をそれぞれ塞ぐように設けた対の半リング状の弁体31,31と、その弁体31,31を開閉自在に支持するヒンジ軸32からなる。前記半リング状の弁体31,31は、前記分割線に沿う対の弦31a,31aの部分が対向した状態で環状を成し、2枚1組で断面リング状の流出路7を閉じるようになっており、ヒンジ軸32は、その弁体31,31の対向する弦31aの部分に設けられて、ヒンジ軸32両端がケーシング1の前記接続部11a,11bに回転可能に支持される。
弁体31,31は、それぞれ流路に直交する状態から、図5の後方の接続部11bに示すように、前記ヒンジ軸32を回転軸として流水管P’側に向かって回転するようになっており、そのヒンジ軸32に設けられたバネ等(図示せず)により付勢されて、フィルタ部材2外側の流出室4から流水管P,P’への流れのある場合にのみ、弁体31,31が開き、流れのない場合及びその流れによる弁体31を押す力が付勢力以下の場合には、弁体31,31が閉じるようになっている。
その流入路6、流出路7の内周にはそれぞれ弁座23,33が設けられているので、両弁体21,31は、前記付勢力により各流路6,7が閉じられて弁座23,33に接すると、その位置で完全に流路を閉じて動かないようになっている。また、この逆止弁20,30は、上流側、下流側の両接続部11a,11bの流入路6、流出路7にそれぞれ設けられる。
フィルタ部材2の内側には、その下端面中心に開閉弁13を介して外部と連通する排出部15がその上端を排出管14の中空回転軸16と水密に嵌合して設けられている。排出管14は、フィルタ部材2の内周面に接する吸引ノズル17とその吸引ノズル17と連通した中空回転軸16とを備えており、中空回転軸16の上部が上蓋1aを、下部がケーシング1底壁1bを水密に貫通し、回転軸16の頭部に設けられた回転手段18によって、ノズル17をフィルタ部材2内周面に摺接しながら回転することができる。
回転軸16には、ケーシング1に収納された部分の上端から下端にかけて、その回転軸16からフィルタ部材2内周面に至る対の隔離板16a,16aを取り付けており、この対の隔離板16a,16aとフィルタ部材2内周面とで逆洗室が構成される。前記回転軸16には、同じくそのケーシング1に収納された部分の上端から下端にかけて、前記逆洗室に向かって開く上下方向スリット形式の開口16bが設けられ、その開口16b及び前記隔離板16a,16aにより吸引ノズル17が構成されている。
そのフィルタ部材2の下端面と、前記隔離板16a,16aの下端縁とは僅かな隙間を介して設けられており、フィルタ部材2の底に沈下した夾雑物を、前記開口16bを通じて排出部15へ送り込むことができるようになっている。
この夾雑物除去装置の作用を説明すると、図1及び図2に矢印Aで示すように、上流側部12aの流水管Pからケーシング1内に水の流入があると、その上流側の接続部11aの逆止弁30は閉じ、逆止弁20は開いて、流水管Pから流入室3へ至る流入路6のみが開放される。この開放により、上流側部12aの流水管Pからの水は、上流側の流入路6を通り抜けて流入室3に流入し、その水は、図中の矢印Bで示すように、フィルタ部材2の周面の網目の細孔を内側から外側に向かって通り抜けて流出室4に流れ込む。その際、夾雑物のうち比重の大きいものはフィルタ部材2底部に沈下し、比重の小さいものは周面に付着する。
ケーシング1内から下流側部12bの流水管P’への水の流出は、その下流側の接続部11bの逆止弁20は閉じ、逆止弁30は開いて、流出室4から流水管Pへ至る流出路7のみが開放される。この開放により、流出室4に流入した水は、下流側の流出路7を通り抜けて下流側部12bの流水管P’へと、図1及び図2に矢印Cで示すように流出していく。
なお、図3及び図4は、流水管P,P’の水の流れが逆方向になった場合の説明図であり、その作用効果は、図1及び図2の場合と同じである。
上記の流れの過程において、前記流入路6及び流出路7は、それぞれ、図1に示す流水管P,P’及びケーシング1の中心軸の軸心Lを挟んで、横方向に対称に配置されており、また、図2に示す同じく中心軸の軸心Lを挟んで、上下方向にも対称に配置されている。このため、流水管Pからの流入水は、ケーシング1中央に向かって流入することができ、フィルタ部材2の全体に行きわたるようになる。流入水が、フィルタ部材2の全体に行きわたるようになることは、夾雑物の付着及び堆積も、その全体に均等に発生していくことにつながるので、フィルタ部材2の清掃の頻度を減らすことができる。
また、ケーシング1からの流出水は、そのケーシング1から流水管Pへ向かって前記軸心Lに沿って対称に流出するので、流水がケーシング1内、及び流水管P内において一部分に偏らない。さらに、そのフィルタ部材2内側部分に接続される流入路6が、流水管Pの軸心Lに近い中央側に配置され、フィルタ部材2外側部分に接続される流出路7は、流水管Pの軸心Lから遠い外側に配置されて、図1に示す矢印B及び矢印Cのごとく、内外各流路が、それぞれ対応するフィルタ部材内外両室に最短距離で接続されて、直線的に流入、流出できるようになっている。このため、ケーシング1内を通過する水の流れがスムースである。
なお、前記流入路6、及び流出路7の流路の断面積は、自由に設定可能であるが、図6(a)に示す、内側の円形流路の内径に対して、外側の環状流路の外径を1.4〜1.5倍に設定すれば、その外側の環状流路の断面積が内側の円形流路の断面積と同等以上になる。図6(b)は、従来例の流入路46、及び流出路47を並列した構成であり、図6(a)に示す内側の円形流路と同じ断面積を有する流路を、上下方向に並べた状態を示している。図6(a)に示す流路の開口部全体の外径R1と、図6(b)に示す流路の開口部全体の外径R2との差異により、ケーシング1を小型化し得る要因となる。
このフィルタ部材2で捕捉された夾雑物を排出する際には、開閉弁13を開放することにより、ケーシング1内の圧と、排出部15の開閉弁13よりも外側部分の大気圧との間に圧力差が生じ、ケーシング1内の水が、排出部15へと流れ込む。フィルタ部材周面に付着したあるいは、底部に堆積した夾雑物は、その水とともに排出部15から外部へと排出される。このとき、回転手段18によって吸引ノズル17を回転軸16周りに回転すると、フィルタ部材2周面に付着している夾雑物は、そのノズル17から効果的に吸引されるので、フィルタ部材2の付着物がきれいに除去できる。
この実施形態では、流水管P,P’及びケーシング1の本体部10の軸心を共通する1本の軸心L上に配置したが、この実施形態には限定されず、前記流水管P,P’及びケーシング1の本体部10の各軸心が一致しない構成も考えられる。例えば、流水管P,P’及びそれに接続される各接続部11a,11bの軸心が、上流側と下流側との間で図2に示す上下方向、あるいは図1に示す横方向にずれている構成や、同軸心が、上流側と下流側との間で図1に示す回転軸16を挟んで軸対称位置になく、流水管P,P’がケーシング1を介して平面方向、あるいは上下方向に屈曲している構成などであってもよい。
また、この実施形態では、前記流出路7は、前記流入路6の外周全周に亘って連続的に囲むように配置されて、前記流入路6の軸心と同心のリング状を形成したが、この実施形態には限定されず、前記流出路7は、前記流入路6の外周全周に断続的に設けてもよい。
例えば、図7に示すように、流入路6は四角形の断面を有しており、流出路7は、その外周に4分割されて配置される。この構成において、流入路6の逆止弁20は、その四角形断面の流入路6をその対角線に沿って左右に2分割して、その2分割した各流路をそれぞれ塞ぐように設けた対の三角形状の弁体21,21と、その三角形状の弁体21,21を開閉自在に支持するヒンジ軸22からなるようにした構成が考えられる。流出路7の逆止弁30は、その四角形流入路6の外周各辺に設けたヒンジ軸32によって開閉自在に支持されるようにすればよい。
また、フィルタ部材2の内側部分の流入室3、及び外側部分の流出室4とを、内外逆転した構成も考えられる。すなわち、図8に示すように、フィルタ部材2の内側部分を流出室4、外側部分を流入室3とするので、この構成の場合において、前記吸引ノズル17は、外周面に摺接するように設ければよい。その際に、ノズル17先端がフィルタ部材2の外周に位置して、フィルタ部材2外周面に付着している夾雑物をそのノズル17から吸引させるためには、そのフィルタ部材2外側部分に位置するノズル17を、フィルタ部材2内側部分にある前記回転軸16に連通させる必要がある。そこで、前記対の隔離板16a,16aをフィルタ部材2の外側に設け、その隔離板16a,16aに挟まれた空間のフィルタ部材2側端面にはその周面に接する前記吸引ノズル17を、その対側端面は閉じて逆洗室をフィルタ部材2の外側に形成する。この逆洗室を、ケーシング1内の上部又は下方において、前記中空回転軸16から分岐してフィルタ2外方に至るよう設けた分岐管を介して、中空回転軸16内と連通させるようにすればよい。
なお、この吸引ノズル17は、回転軸16に2つ以上設けて、その夾雑物除去効果を高めてもよい。例えば、その回転軸16を挟んで対向する軸対称位置に、前記吸引ノズル17をそれぞれ設けるなどしてもよく、また、開口16bは、スリット形式でもよいし小穴の集合形式であってもよい。
また、そのフィルタ部材2を清掃する手段、すなわち、前記ノズル17、回転軸16、排出部15等は、このフィルタ部材2を脱着可能にして清掃等しやすいようにするなどの手段を講ずること等により、必要に応じて省略してもよい。
また、フィルタ部材2は、この実施形態のように円筒状を成すもの以外のものを使用してもよい。例えば、図9に示すように、ケーシング1内を上下方向あるいは横方向に2分するように前記流入室3、流出室4を設けるようにした構成や、あるいは、前記流水管P,P’及びケーシング1の本体部10の中心軸の軸心Lに並行な筒軸を有する筒状フィルタ部材2の両側端面開口をそれぞれ両側の流入路6に接続する構成としてもよい。
一実施形態の断面図 図1の側面断面図 図1の逆流状態を示す断面図 図2の逆流状態を示す断面図 図1の斜視図 流入路と流出路の位置関係を示す説明図 他の実施形態の流入路と流出路の位置関係を示す説明図 他の実施形態の断面図 他の実施形態の断面図 従来例の断面図
符号の説明
1,40 ケーシング
2,42 フィルタ部材
3,43 流入室
4,44 流出室
5 接続管
6,46 流入路
7,47 流出路
10 本体部
11a,11b 接続部
12a 上流側部
12b 下流側部
13 開閉弁
14 排出管
15 排出部
16 回転軸
17 吸引ノズル
20,30,50a,50b 逆止弁
21,31,51 弁体
22,32 ヒンジ軸
23,33 弁座
P、P’ 流水管

Claims (3)

  1. 流水管P,P’にケーシング1を介設し、そのケーシング1内に設けたフィルタ部材2によってケーシング1内を流入室3と流出室4とに区画し、その両室3,4に、上流側の流水管P及び下流側の流水管P’の両方をそれぞれ接続して、その流入室3と前記上流側、下流側の各流水管P,P’とを流入路6で、その流出室4と前記上流側、下流側の各流水管P,P’とを流出路7で連通するとともに、その各流路6,7には、それぞれの流れ方向を許容する逆止弁20,30を設けた夾雑物除去装置において、
    前記流入路6、及び流出路7の一方が、他方の外周全周に位置するようにしたことを特徴とする夾雑物除去装置。
  2. 上記フィルタ部材2は筒状を成し、上記流入室3と流出室4とはそのフィルタ部材2を挟んで内外に区画されたものであり、そのフィルタ部材2外側部分に接続される流路を、フィルタ部材2内側部分に接続される流路の外周全周に位置するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の夾雑物除去装置。
  3. 上記流入路6、及び流出路7は、その一方が他方の外周全周に位置する同心のリング状であることを特徴とする請求項1又は2に記載の夾雑物除去装置。
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