JP2005185719A - 乾燥装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】水分や湿気の除去のみならず、人体に有害な成分も不活化できる乾燥装置を提供する。
【解決手段】温風を発生させるための装置本体2と、被乾燥物を乾燥させるための袋部3と、装置本体2と袋部3とを接続し内部に温風路4が形成される接続部5と、正負イオンを発生させるためのイオン発生素子6とを備え、イオン発生素子6から発生する正負イオンにより、布団や衣類に付着しているカビや花粉やダニのアレルゲン成分を不活化する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、布団や衣類を乾燥させる乾燥装置に関するものである。
従来、布団や衣類は太陽が出ている時(日中)に天日干しすることにより水分・湿気を除去して乾燥させていたが、住宅環境の密閉度合が高まったことにより太陽光線が届かない環境となったことや、近年は、生活習慣の多様化、また、梅雨や台風シーズン等の気象条件により天日干しできない状況があることから、布団乾燥装置および衣類乾燥装置の需要が急速に高まってきている。
日常生活において、布団乾燥装置や衣類乾燥装置を用いる最大の目的は、布団や衣類に含まれる水分(湿気)を除去・乾燥し、肌ざわりを良くして、さらに悪臭の発生を抑制し、安らかな睡眠や心地よい着心地を可能にすることである。そのために、布団乾燥装置や衣類乾燥装置本体より意図的に発生させた温風を布団や衣類に送り込み、乾燥するという手法が取られている。
図8に従来の乾燥装置の概略図を示す。この乾燥装置は、装置本体101と袋部102とそれらを接続する接続部103とから構成されている。使用時には、乾燥させるべき布団Aの間に袋部102を挟み込み、装置本体101から温風を発生させて、送風手段により温風を接続部103を経由して袋部102に随時送り込み、布団Aを乾燥させる。
また、衣類乾燥装置は、布団乾燥装置とその基本構造は同様であるため、多くの場合、袋部は布団乾燥用としてのみならず、内部に衣類を入れて乾かす衣類乾燥用としても使用される。図8および図9は従来から用いられている布団乾燥および衣類乾燥兼用の乾燥装置を示す。図9は袋部に衣類を入れた状態を示す概略図である。図9において、符号105は開閉式導入口を、106は排気穴を示す。
ところで、これらの乾燥装置は、布団や衣類に含まれる水分・湿気を除去して快適な状態となるが、除去できるのは水分・湿気だけであり、それ以外の人体に有害な影響を与える成分を除去・不活化できないという問題がある。ここでの、人体に有害な成分とは生物に起因するものであって、カビや、浮遊菌や、スギやヒノキ等の花粉(アレルゲン成分)やダニ(アレルゲン成分)等のことである。
これらの生物性の有害成分は、例えば、人間が呼吸をして吸引したり、あるいは皮膚に付着したりすると、感染症を引き起こしたり、アレルギー性の鼻炎や結膜炎を引き起こす。特に、抵抗力の小さな子どもや老人や病人の場合は、感染により、極めて危険な状態を引き起こす可能性がある。
布団や衣類の乾燥方法については、かつての生活習慣のように布団や衣類を日中に太陽に当てて天日干しする方法であれば、例えば、太陽光に含まれる、殺菌効果を有する波長300nm前後の紫外線の作用により、水分・湿気の除去と合わせて、ある程度の殺菌処理が同時に行われていた。ところが、現在広く用いられている布団乾燥装置や衣類乾燥装置は、温風(熱風)の供給による乾燥作用が中心であり、カビやアレルゲン成分の除去・不活化を達成することはできない。
布団や衣類は、人間が睡眠中や着用しているときに、人体と直接に接している。したがって、布団や衣類にカビや、浮遊菌や、花粉やダニのアレルゲン成分が付着している状態で使用を継続すると、人間が気付かないうちに吸引や接触により、極めて有害な影響を与えてしまうことになる。
さらに、乾燥装置の袋部に形成されている排気穴からは使用済みの温風が外部空間に漏れ出している。したがって、もともと布団や衣類に付着していたカビや浮遊菌やアレルゲン成分が、袋部を布団乾燥用、あるいは衣類乾燥用に用いた場合に、温風の流れに乗って、外部空間に拡散放出される。そのため、布団乾燥や衣類乾燥の周囲で作業を行なっている人間にカビや、浮遊菌や、花粉やダニのアレルゲン成分が飛散・付着する可能性がある。
そこで、この問題を解決するために、カビや浮遊菌やアレルゲン成分の人体への悪影響を無くす方法が開示されている。特許文献1には、温風の温度を高くする方法が開示されている。すなわち、装置本体から袋部に送り込む温風の温度を高めることにより、カビや浮遊菌やアレルゲン成分の悪影響を無くそうとするものである。例えば、特許文献1では、ダニを死滅させるためには50℃以上の温風を供給している。人体に悪影響を与える生物に起因する成分を死滅させることにより、無害とすることを目指したものである。
また、別の解決方法として、特許文献2には、袋部に送り込まれた温風をそのまま空間に放出するのではなく、カバーをすることによりいったん集塵部へ回収し、あるいは集塵ダクトを設けて温風を循環させ、カバー外の周囲環境に悪影響を及ぼさないようにする技術が開示されている。このような構成とすることにより、布団や衣類の乾燥に用いられた後の温風が、人体に影響を与えないようにしているものである。
特開平5−68790号公報(段落0014参照) 特開平10−127992号公報(要約参照)
しかし、特許文献1においては、カビや浮遊菌やアレルゲン成分を完全に除去・不活化するためには、袋部に供給する温風の温度をかなり高くしなければならず、花粉やダニのアレルゲン成分については、変性させなければならない。ところが、ダニや花粉のアレルゲンの場合、例えば、ダニアレルゲン成分に関しては、ダニ自体が温風により死滅しても人体にアレルギーを引き起こすアレルゲン成分自体は、活性を維持しており、ダニの死骸や抜け殻や糞等が人体に悪い影響を与えることが知られている。したがって、温風の温度を単純に高くして、死滅させるという対応だけでは除去・不活化が不十分である。
さらに、温風の温度を高くすると、熱に弱い生地を用いた布団や衣類の生地を損傷してしまう。また、温風の温度を高くしたことにより、袋部に触るだけで火傷を負ったり、あるいは燃えやすい布団や衣類を乾燥する場合には、火災の発生原因となり非常に危険である。さらに、これらの布団乾燥装置や衣類乾燥装置を作動すると、温度を高くすることによる消費電力が大きくなってしまうという問題がある。
また、特許文献2においては、周囲環境に悪影響を及ぼさないように、新たにカバーを設けなければならず、一般の住宅環境で使用するには、設置容積の問題や装置自体のコスト高となるといった難点がある。
さらに、袋部の内部にフィルターを取付けるという方法も検討されているが、フィルターは定期的に交換や洗浄といったメンテナンスが必要であり、手間がかかり、交換や洗浄に新たな費用が発生する。
このように、従来の布団乾燥装置や衣類乾燥装置では、布団や衣類の水分・湿気を乾燥するという目的は達成できるが、布団や衣類に付着しているカビや浮遊菌や花粉やダニのアレルゲン成分を除去・不活化する対策として不十分であった。以上のとおり、人体がカビや、浮遊菌や、花粉やダニのアレルゲン成分等の生物性の汚染原因による影響を解決することができないものである。
本発明は、上記に鑑み、水分や湿気の除去のみならず、人体に有害な成分も除去・不活化できる布団や衣類に用いる乾燥装置の提供を目的としている。
上記目的を達成するため、本発明に係る乾燥装置は、温風を発生させるための装置本体と、被乾燥物を乾燥させるための袋部と、装置本体と袋部とを接続し内部に温風路が形成される接続部と、正負イオンを発生させるためのイオン発生素子とを備えていることを特徴としている。上記構成によると、イオン発生素子から発生する正負イオンにより、布団や衣類に付着しているカビや、浮遊菌や、花粉やダニのアレルゲン成分を除去・不活化することができる。
このイオン発生素子は、装置本体のうちの空気が流れる部分、接続部の温風路、袋部の内部のいずれに配置してもよい。
また、イオン発生素子から発生するイオンは、H(HO)(mは任意の自然数)からなる正イオンおよびO (HO)(nは任意の自然数)からなる負イオンを用いることが望ましい。イオン種の同定は、飛行時間分解型質量分析装置により、精密に分析することが可能である。これらの正負イオンが、カビや、浮遊菌や、花粉やダニのアレルゲン成分の表面に付着すると、活性種である過酸化水素H又はヒドロキシラジカル・OHを生成する。これらの酸化水素H又はヒドロキシラジカル・OHが極めて強力な活性を示し、これにより空気中の浮遊菌やウイルスや花粉やダニのアレルゲン成分を除去・不活化することができる。
ここで、正イオンと負イオンによる生物性の汚染原因に対する効果を記す。
(1)ダニのアレルゲン成分に対する効果について:(広島大学大学院先端物質科学研究科との共同研究による。)
気管支喘息やアトピー(アトピー性皮膚炎)やアレルギー性鼻炎やアレルギー性結膜炎等の主原因といわれる空中に飛散するダニアレルゲン(ここでのダニアレルゲンとは、実際に浮遊しているダニの死骸・糞による粉塵のこと)について、正負イオンによるダニアレルゲン失活実証実験を実施した。その結果、正負イオン濃度が10000/cmでは、15分間でダニ粉塵のアレルゲン成分を空中で91%失活させることが確認されている。また、正負イオン濃度が3000/cmでは、15分間でダニ粉塵のアレルゲン成分を空中で74%失活させることが確認されている。
ダニのアレルゲン成分については、一般家庭に広く存在するものであり、布団や衣類に付着していることも多い。これらの成分は、人間が動いたり空気の流れが発生した場合などに、室内空間に浮遊し、人体に悪い影響を与える。したがって、正負イオンにより、ダニアレルゲンに対する不活化を実施することにより、気管支喘息やアトピー(アトピー性皮膚炎)やアレルギー性鼻炎やアレルギー性結膜炎等の人体への影響を抑制することができる。
(2)インフルエンザウイルスに対する効果について:(財団法人北里環境科学センターとの共同研究による。)
アクリル製の円筒管に正負イオンを発生するイオン発生素子を取り付け、円筒間の一方にウイルスを噴霧するためのアトマイザーを設置し、他方にウイルス採取のためのインピンジャーを設置した試験装置を用いて評価すると、イオン濃度が200000/cm、100000/cm、50000/cm、5000/cm、2000/cmの状態でインフルエンザウイルスに作用させると、99.5%、97%、96%、95%、90%のプラーク数の減少が確認され、インフルエンザウイルスの細胞感染能力が不活化することの確認がされている。
(3)大腸菌やカビ菌に対する効果について:(財団法人石川県予防医学協会との共同研究による。)
正負イオン濃度を50000/cmを気中に放出することにより、1時間で浮遊大腸菌の90%が除去されることが確認されている。気中への浮遊菌除去試験は、イオンを発生させた後、経時的に気中浮遊菌数を測定した。温度25℃、相対湿度42%、対象区域(2.0m×2.5m×2.7m)に、初期浮遊菌濃度1000個/mになるように、菌をミスト状に噴霧した。浮遊菌はエアーサンプラーを用いて採取、寒天培地で培養後に菌数を測定して、正負イオンの効果を確認している。
以上、これらの(1)、(2)、(3)に記すとおり、正負イオンを用いることにより、空気中の浮遊菌や、ウイルスや、花粉やダニのアレルゲン成分といった生物に起因する汚染原因を、効果的に除去・不活化することが出来る。
また、カビ菌に対しても、同様の試験を実施することにより、正負イオンによる不活化効果を確認している。
以上、(1)、(2)、(3)からも分かるとおり、正負イオンによる手法は、従来の温風による方法や、光触媒による方法や、別途の集塵袋による手法に比べて、はるかに効果的に、カビや、浮遊菌や、花粉やダニのアレルゲン成分等の生物性の汚染原因を除去・不活化することができる。したがって、本発明による、衣類や布団に用いるための乾燥装置は、温風を発生させるための装置本体と、被乾燥物を乾燥させるための袋部と、装置本体と袋部とを接続し内部に温風路が形成される接続部と、正負イオンを発生させるためのイオン発生素子とを備えていることを特徴としている。
上記構成により、従来の乾燥装置でも用いられている温風により、布団や衣類に含まれる水分・湿気を取り除いて肌触りをよくするという効果に加えて、さらに、イオン発生素子から発生する正負イオンにより、布団や衣類に付着しているカビや、浮遊菌や、花粉やダニのアレルゲン成分を効果的に除去・不活化することができる。
さらに、本発明に係る乾燥装置は、袋部を振動させるための振動発生装置を付設することができる。振動発生装置により袋部が振動し、これに合わせて袋に接触した布団や袋部内の衣類も振動する。このような振動が発生すると、布団や衣類表面に付着していたカビや、浮遊菌や、花粉やダニのアレルゲン成分が瞬間的に布団や衣類表面から離れて浮遊する。このときに、温風と同時にイオン発生素子から供給される正負イオンが、浮遊しているカビや浮遊菌や花粉やダニのアレルゲン成分を取り囲み除去・不活化することができる。
正負イオンが生物性の汚染原因に対して最も効果を示すのは、浮遊した状態のカビや浮遊菌や花粉やダニのアレルゲン成分の周囲を正負イオンが取り囲んだ場合である。したがって振動発生装置により、布団や衣類表面に付着しているカビや浮遊菌や花粉やダニのアレルゲン成分を強制的に浮遊させて、その浮遊した状態の粒子に正負イオンを放出することにより、正負イオンによる除去・不活化の効果をさらに高めることができる。
本発明の乾燥装置のうち、振動発生装置の振動源や形態については、特に限定されるものではないが、モーターを用いた電気的バイブレーターを例示できる。また、振動発生装置は袋部に取付けることが、布団や衣類表面に付着していたカビや、浮遊菌や、花粉やダニのアレルゲン成分を瞬間的に浮遊させる手法として効果的である。
なお、本発明の乾燥装置は、袋部を被乾燥物としての布団に接触させて使用する布団用の乾燥装置としても、また、袋部の内部に被乾燥物としての衣類を収容して使用する衣類用の乾燥装置としてもどちらの目的にも使用することができる。
以上のように、本発明によると、温風を発生させて乾燥させる乾燥装置において、正負イオンを発生させるためのイオン発生素子を設けることにより、布団や衣類の水分・湿気を除去するだけではなく、人体に悪い影響を与えるカビや浮遊菌や花粉やダニのアレルゲン成分を除去・不活化することができ、衣類や布団の水分を取り除くだけではなく、生物性の汚染原因による感染症やアトピー性皮膚炎等の発症を抑制し、快適な環境を提供することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
<第1の実施形態>
図1は本発明の第1の実施形態を示すイオン発生素子を備えた乾燥装置を布団乾燥用として用いた場合の概略図、図2は装置本体部の構成を示す概略図、図3はイオン発生素子の概要を示す斜視図である。
本実施形態の乾燥装置1は、温風を発生させるための装置本体2と、被乾燥物を乾燥させるための袋部3と、装置本体2と袋部3とを接続し内部に温風路4が形成される接続部5と、正負イオンを発生させるためのイオン発生素子6とを備えている。
装置本体2の内部には送風路7が形成されている。この送風路7には、空気の温度を高めた温風を、接続部5を通して袋部3に供給するために、加熱手段8と送風手段9が設けられている。装置本体2の上部に設けられた操作部10のスイッチをオンすると、装置本体2に形成された吸入口11から送風路7に空気が吸入され、吸入された空気が加熱手段8により温められ、送風手段9により接続部5の温風路4に送り込まれるようになっている。
加熱手段8および送風手段9は、特に限定されるものではないが、例えば、加熱手段8としてニクロム線などによる電熱方式が、また送風手段としては、モーターおよびファンを組合わせたものが好適に用いられる。
接続部5は、筒状のものであって、その一端開口が装置本体2の送風路出口に係脱自在に係合される。また、他端開口が袋部3の温風入口12に連通接続される。接続部5の筒状の内部には温風路4が形成されている。接続部5を構成する筒部は、例えば伸縮あるいは屈曲自在な蛇腹状に形成することができる。
袋部3は、耐久性の良い布製などの素材により袋状に形成されている。袋部3には、接続部5に連通接続される温風入口12が形成される。袋部3の表面には、袋部が破裂しないように複数の排気穴14が形成されている。排気穴14の大きさや数や位置は、供給される温風の風速や供給量によって決定される。
また、袋部3は、布団乾燥用のみならず、衣類乾燥用としても使用できるようにするために、Tシャツやズボンや下着などの乾燥させたい衣類Bを入れるための例えば、ファスナを用いた開閉式の導入口16が形成されている。
正負イオンを発生するイオン発生素子6は、袋部3の内部で、接続部5との接続箇所近くに取付けられている。このイオン発生素子6は、現在の一般的なタイプで大きさが、5cm×3cm×2cm程度のごく小さな素子であり、どこにでも簡単に取り付けることができる。
イオン発生素子6は、図3に示すように、その表面に誘電体21が配置され、この誘電体21の裏側には誘電電極22が設けられ、この誘電電極22と対向するように誘電体21表面にはイオン発生電極23が取付けられている。
なお、図3においては、イオン発生電極23の形状は網状となっているが、特に限定されるものではなく、公知の針型等を用いてもよい。さらに、正負イオンをより効果的に発生させるために、電極パタン形状やエッジ形状や材料等を適宜定めることができる。
イオン発生電極23と誘電電極22は、リード線24を通じて高圧パルス駆動回路25に接続されている。高圧パルス駆動回路25はイオン発生素子6の内部に形成される。
イオン発生素子6の電源は、装置本体2の電源とリンクさせて同時にオンされるようにしてもよいし、装置本体の電源とは独立してオンするようにしてもよい。
上記構成の乾燥装置を布団乾燥用として用いる場合、乾燥すべき布団Aを袋部3の上下に接するように置く。この状態で、装置本体2にある操作部10により電源をオンすると、装置本体2の内部にある送風手段9と加熱手段8が作動して、温風が接続部5に送り込まれる。イオン発生素子6についても、装置本体2の電源がオンされると同時に電源オンされ、正負イオンが発生する状態となっている。
温風は接続部5を通り袋部3に送り込まれる。ここで、イオン発生素子6の電極表面で発生した正負イオンを含んだ状態の温風となり、袋部3の中に随時送り込まれる。袋部3の表面には排気穴14が形成されているので、送り込まれたイオンを含んだ温風は外部空間に放出される。外部空間に放出されるときにも正負イオンを含有しており、この正負イオンが乾燥すべき布団Aに当たる。
これにより、布団Aの表面に付着しているカビや花粉やダニのアレルゲン成分を不活化することができる。不活化の効率を高めるには、乾燥すべき布団と袋部3の接触領域を随時ずらすと、より効果的である。また、従来の乾燥装置と同様に温風を用いているので、乾燥すべき布団Aの水分・湿気についてもこれまでと同様に除去することができる。
イオン発生素子6のイオン発生電極表面で発生した正負イオンは、消滅するまでに5秒程度の寿命を有する。したがって、袋部3の中を通り、さらに排気穴14から外部空間に放出されるまでの間は、イオンとして在しており、カビや浮遊菌やアレルゲン成分の除去・不活化に効果的な作用を及ぼす。
さらに詳述すると、イオン発生電極23と誘導電極22との間に正負電圧からなるピーク値が例えば、2.7kVであるパルス電圧を印加すると、図3に示すように、上流側の空気C1がイオン発生素子6を通り、イオン発生電極23から発生した正負イオンを含み、正負イオンを充分に含んだ空気C2となって放出される。イオンを充分に含んだ空気B2は、正イオンと負イオンの両方を含んでおり、空気中に放出されると、カビや浮遊菌やアレルゲン成分に対する除去・不活化効果を示す。
その除去・不活化効果については、特開2002−95731号公報に詳細に記されているが、本明細書においても簡単に要約説明する。イオン発生素子6の作動原理は、プラズマ領域を形成してイオンを発生するイオン発生電極23と誘導電極22との間の電極間に交流の高電圧(多くの場合はパルス電圧)を印加すると、放電によりイオン発生電極から正イオンと負イオンを発生する。発生した正イオンとしてはH(HO)(mは任意の自然数)、負イオンとしてはO (HO)(nは任意の自然数)が最も安定に生成している。このイオンの成分については、質量分析法による精密測定で確認されている。
イオン発生素子により、これらの正イオンと負イオンが空気中に同時に生成すると化学反応をし、活性種である過酸化水素H又はヒドロキシラジカル・OHを生成する。これらの酸化水素H又はヒドロキシラジカル・OHが極めて強力な活性を示し、これにより空気中の浮遊菌やウイルスや花粉やダニのアレルゲンを除去・不活化することができる。
したがって、このような正負イオンを発生するイオン発生素子6を、本発明である装置本体の空気が通る送風路7や、袋部3や、それらを繋ぐ接続部5のいずれかに取付けることにより、布団Aや衣類Bの乾燥のために送られる温風とともに正負イオンを送り込むことができる。これにより、布団Aや衣類Bについて、従来のように単に水分・湿気を除去・乾燥するだけではなく、カビや浮遊菌や花粉やダニのアレルゲン成分の除去・不活化を合わせて行なうことができる。
イオン発生素子6の取付ける位置は、大きく分けて次の3つの位置が考えられる。
ア)温風を発生させるための装置本体の送風路7
イ)布団や衣類を乾燥させるための袋部3
ウ)装置本体と袋部をつなぐ接続部5
図4(a)(b)(c)は袋部3、接続部5および装置本体2にそれぞれイオン発生素子6を設置した例を示す概念図である。図4(a)は、袋部3にイオン発生素子6を設置した例である。イオン発生素子6の位置は袋部3の中であれば特に限定されるものでない。図4(a)は、接続部5のすぐ傍に設置した状態を例示している。
図4(b)は、接続部5にイオン発生素子6を設置した例である。接続部5の内部であれば、イオン発生素子6の位置は特に限定されるものでない。図4(b)は、温風の流れる最も下流側(つまり袋部の近く)に設置した状態を例示している。
図4(c)は、装置本体2にイオン発生素子6を設置した例である。イオン発生素子6の位置は、空気送風路7の中であれば特に限定されるものでない。図4(c)は、イオン発生素子6を加熱手段8および送風手段9よりも接続部5側に設置した状態を例示している。
いずれの位置に設置しても正負イオンの効果が得られるが、これらの位置にイオン発生素子を設置するそれぞれの利点は以下のとおりである。
ア)図4(a)のように、袋部3にイオン発生素子6を取付けると、5秒程度の寿命のイオンがもっとも高い濃度を維持して袋部3の中や排気穴14にまで供給されるので、カビや、浮遊菌や、アレルゲン成分の除去・不活化に対してより大きな効果を示す。
イ)図4(b)のように、接続部5にイオン発生素子6を取付けると、袋部3にイオン発生素子6を取付けるよりも温風の流れ(気流)が強く、正負イオンを袋部3の中に均一に分散させることができる。
ウ)図4(c)のように、装置本体2にイオン発生素子6を取付けると、イオン発生素子6は装置本体2に比べて充分に小さいので、従来の装置に簡単に取り付けることができる。
図5はイオン発生素子を備えた乾燥装置を衣類乾燥用として使用した場合の概略図である。この使用例では、乾燥すべき衣類は、袋部3の中に置かれている。装置本体2の操作部10により電源をオンすると、送風手段9と加熱手段8が作動して温風が接続部5に送り込まれる。イオン発生素子6についても、装置本体2の電源がオンされると同時に電源がオンされ、正負イオンが発生する。
温風は接続部5を通り袋部3に送り込まれる。ここで、イオン発生素子6の電極表面で発生した正負イオンを含んだ状態の温風となり、袋部3の中には正負イオンも同時に随時送り込まれる。袋部3の表面には排気穴14が形成されているので、外部空間に放出される状態となっている。袋部3の内部は、イオン発生素子6の電極表面より発生した正負イオンを含有している。
したがって、乾燥すべき衣類Bには温風の気流に乗って、正負イオンが吹き付けられる。これにより、衣類Bの表面に付着しているカビや、浮遊菌や、花粉やダニのアレルゲン成分を除去・不活化することができる。また、従来の衣類乾燥装置と同様に温風を用いているので、乾燥すべき衣類の水分・湿気についてもこれまでと同様に除去することができる。
このように、イオン発生素子6を備えた乾燥装置を用いて布団Aや衣類Bを乾燥させると、水分・湿気を除くとともに、正負イオンの効果により、布団や衣類に存在していたカビや、浮遊菌や、アレルゲン成分を除去・不活化することができる。したがって、これらの布団や衣類を用いると、乾燥しており肌ざわりが良く寝心地や着心地が良いだけでなく、カビ、浮遊菌や、アレルゲン成分が除去・不活化されているので、感染症にかかったり、気管支喘息やアトピー(アトピー性皮膚炎)やアレルギー性鼻炎やアレルギー性結膜炎等を引き起こすことが防がれ、快適に過ごすことができる。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図6は第2の実施形態における乾燥装置を布団乾燥用として用いた場合の概略図、図7は同じく衣類乾燥用として用いた場合の袋部の概略図である。
この第2の実施形態は、上記第1の実施形態に対して、カビや、浮遊菌や、ダニや花粉アレルゲン成分の除去・不活化の効果をさらに高めるものであり、第1の実施形態における乾燥装置に、さらに袋部3を振動させるための振動発生装置17を備えたことを特徴としている。
振動発生装置17の取り付け箇所については、袋部を振動させることができれば、特に限定されない。本実施形態では、一例として、振動発生装置17が袋部3に取り付けられている。また、振動発生装置17は、袋部3のいずれの箇所にも取り付けることができるが、本実施形態では袋部3の両側部に配置している。
この振動発生装置17は、公知のものを適用することができる。多くの場合は、電気モーターを用いた電気的バイブレーターが好適に用いられる。また、振動発生装置17の電源は、イオン発生素子6の電源と同様に装置本体2の電源とリンクさせても良いし、装置本体とは別の独立系統としてもよい。
上記構成において、袋部3に密着させるように布団Aを置いたり(図6参照)、あるいは袋部3の中に衣類Bを入れて(図7参照)、振動発生装置17を作動させると、袋部3が振動する。これに合わせて、袋部に密着した布団や、袋部の内部の衣類も振動する。この振動により、布団や衣類表面に付着していたカビや浮遊菌や花粉やダニのアレルゲン成分が瞬間的に布団や衣類表面から離れて空間に浮遊する。このときに、温風と同時に供給される正負イオンが、浮遊しているカビや浮遊菌や花粉やダニのアレルゲン成分を取り囲み除去・不活化することができる。
イオン発生素子6から発生する正負イオンは、布団や衣類の生地に付着した状態よりも、空中に浮遊した状態のカビや花粉やダニのアレルゲン成分に対して効果が大きいことが知られている。これは、浮遊した状態のカビや浮遊菌や花粉やダニのアレルゲン成分に正イオンと負イオンが取り囲み化学反応することにより不活化するメカニズムによるためであり、浮遊した状態のカビや浮遊菌や花粉やダニのアレルゲン成分に効果が大きくなるものである。
したがって、袋部3に振動発生装置17を取付けて布団Aや衣類Bを振動させることにより、布団Aや衣類Bに付着していたカビや浮遊菌や花粉やダニのアレルゲン成分が浮遊する度合いが増加し、正負イオンによる除去・不活化の効果がさらに大きくなることが期待されることになる。
以上のように、本発明の、イオン発生素子6を備えた乾燥装置では、従来からの乾燥装置の機能である布団や衣類の水分・湿気を除去効果に加えて、合わせてカビや浮遊菌や、花粉やダニのアレルゲン成分を除去・不活化することができる。さらに振動発生装置17を付設すれば、振動によりカビや浮遊菌や花粉やダニのアレルゲン成分を瞬間的に浮遊させてイオン発生素子6から発生した正負イオンにより、さらに効果的に除去・不活化することができる。
なお、本発明の上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で修正・変更を加えることができるのは勿論である。例えば、上記実施形態では、乾燥装置を布団乾燥と衣類乾燥が兼用できる例を挙げたが、布団乾燥専用あるいは衣類乾燥専用のものであってもよい。
本発明の第1の実施形態を示すイオン発生素子を備えた乾燥装置を布団乾燥用として用いた場合の概略図 装置本体部の構成を示す概略図 イオン発生素子の概要を示す斜視図 (a)(b)(c)は袋部、接続部および装置本体にそれぞれイオン発生素子を設置した場合の概念図 第1の実施形態における乾燥装置を衣類乾燥用として用いた場合の概略図 本発明の第2の実施形態を示す乾燥装置を布団乾燥用として用いた場合の概略図 同じく第2の実施形態を示す乾燥装置を衣類乾燥用として用いた場合の概略図 従来の乾燥装置を示す概略図 同じく従来の乾燥装置の袋部を示す図
符号の説明
1 乾燥装置
2 装置本体
3 袋部
4 温風路
5 接続部
6 イオン発生素子
7 送風路
8 加熱手段
9 送風手段
10 操作部
11 吸入口
14 排気穴
16 導入口
17 振動発生装置

Claims (8)

  1. 温風を発生させるための装置本体と、被乾燥物を乾燥させるための袋部と、前記装置本体と前記袋部とを接続し内部に温風路が形成される接続部と、正負イオンを発生させるためのイオン発生素子とを備えていることを特徴とする乾燥装置。
  2. 前記イオン発生素子が、前記装置本体の空気が流れる部分に配置されたことを特徴とする請求項1に記載の乾燥装置。
  3. 前記イオン発生素子が、前記接続部の温風路に配置されたことを特徴とする請求項1に記載の乾燥装置。
  4. 前記イオン発生素子が、前記袋部の内部に配置されたことを特徴とする請求項1に記載の乾燥装置。
  5. 前記袋部を振動させるための振動発生装置が付設されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の乾燥装置。
  6. 前記振動発生装置は袋部に取付けられていることを特徴とする請求項5に記載の乾燥装置。
  7. 前記袋部は、被乾燥物としての布団に接触させて使用するものである請求項1〜6のいずれか一項に記載の布団用の乾燥装置。
  8. 前記袋部は、被乾燥物として内部に衣類を収容して使用するものである請求項1〜6のいずれか一項に記載の衣類用の乾燥装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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