JP2005185486A - 車両用座席の製造装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ボトムプレート13と、このボトムプレート13を被覆する表皮材11を備え、表皮材11の端末領域11aをボトムプレート13の裏面側に押圧する車両用座席の製造装置であって、車両用座席の構成部材として、少なくともボトムプレート13と表皮材11が配設される配設手段1と、ボトムプレート13の外周端部の位置からボトムプレート13の裏面側に沿って摺動可能な表皮材折込手段4とを備え、表皮材折込手段4は、配設手段1の外側から内側へ向けて延出する基部4aと、この基部4aの先端側で回動可能に保持される回動部4bとを備え、基部4aは、回動部4bを保持する第一の基部4dと、第一の基部4dよりも延出し、回動部4bに接触して回動部4bを配設手段1に向けて回動させる第二の基部4eとから構成されている。
【選択図】 図1
Description
しかし、表皮材の端末領域をステイプルによりボトムプレートに固定する場合、表皮材を適切な位置に保持しながら、タッカーによってステイプルを打ち込まなければならないため、効率よく作業を行うためには熟練が必要とされていた。
本発明の目的は、簡単な構成で、熱溶着による表皮材の端末処理を好適に行うことが可能な車両用シートの製造装置を提供することにある。
なお、より具体的な構成として、前記回動部の前記第二の基部との接触箇所には回動可能なギア部材が設けられ、前記第二の基部には前記ギア部材に噛み合う鋸歯部が設けられた構成とすると、第二の基部が延出したときに、回動部の回動駆動が確実に行われることとなり好適である。
図1は本実施形態に係る車両用座席の製造装置の全体構成を示す説明図、図2は表皮材折込手段の斜視図、図3乃至図7は表皮材折込手段の作動状態を示す説明図である。
表皮材11は、熱溶着性を有する樹脂シートからなり、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂等から形成されている。
なお、必要に応じて可塑剤、安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤、顔料、無機充填剤等の各種添加剤を添加しても良い。
クッション材12は、柔軟フォーム材、例えばウレタンフォーム,PP(ポリプロピレン)フォーム,PE(ポリエチレン)フォームから形成されており、ボトムプレート30上に載置される。
クッション材12は表皮材11に被覆される。なお、クッション材12と表皮材11とは別体として形成されていても良いし、或いは、クッション材12と表皮材11を一体成形する構成としても良い。
成形型1は、例えば真空型であり、真空型の場合は、表皮材11の真空引きを行って所定形状に形成する。この場合、表皮材11の成形を容易にするために、表皮材11を加熱する表皮材加熱手段7を備えた構成とする。
押え枠2は、ロッド2aと、このロッド2aに接続されたエアシリンダからなる昇降装置9を介して、フレーム10に吊設されている。昇降装置9は圧力供給源(本例ではエアー供給源)に接続されており、エアー供給により作動されて、ロッド2aを伸縮作動させることで、押え枠2を昇降可能としている。
加圧手段3は、ロッド3aと、このロッド3aに接続されたエアシリンダからなる昇降装置9を介して、フレーム10に吊設されている。加圧手段3は、前記した押え枠2と同様に、昇降装置9の作動により成形型1上において昇降可能とされ、成形型1に配設された車両用座席の構成部材を加圧するように構成されている。
加熱溶融手段6としては、例えば、熱風発生装置、熱板ヒーター、インパルスヒーター等が使用される。
熱風発生装置は、熱風噴き出しノズルと、このノズルにダクトを介して接続された熱風源とを備えて構成されている。熱風式溶着器の作動時には、熱風源から送出された熱風がダクトを通ってノズルから噴き出す。そして、ノズルから吹き出された熱風は、ボトムプレート13の所定部位に当てられ、加熱が行われる。
熱板ヒーターは、高熱伝導性を有する金属に熱線等からなる加熱部を内蔵してなり、例えば銅やアルミニウムから形成されている。そして、内蔵された加熱部が発熱することにより、熱板ヒーターに当接した物体を加熱するように構成されている。
インパルスヒーターはリボン状の導電性発熱線からなり、インパルス電源部からの電流を受けて急速に発熱するように構成されている。
樹脂溶融部13aは、ボトムプレート13の周縁端部に沿って所定間隔をおいて複数設けられても良く、或いは、所定間隔を開けずに連続して、帯状に設けられた構成であっても良い。また、樹脂溶融部13aを2列、或いは2列以上設けた構成としても良い。
図2に示すように、表皮材折込手段4は、成形型1の外側から内側へ向けて延出する基部4aと、この基部4aの先端側で回動可能に保持される回動部4bと、基部4aを延出駆動させるためのエアシリンダ4cとを備えており、収納枠4kに収納されている。
基部4aは、第一の基部4dと、第二の基部4eとから構成されている。第一の基部4dは一対に設けられており、第一の基部4dで第二の基部4eを挟むように配設されている。第一の基部4dの進行方向先端側には、回動部4bが回動可能に保持されている。
また、第一の基部4dの後端側には、上下方向に幅をもたせて形成された係合部4oが設けられており、次述するストッパー4lに係合可能とされている。
ストッパー4lは、収納枠4kの開口側上方に設けられている。ストッパー4lは、収納枠4kの内方へ突出する固定ストッパー4mと、ばね部材4nとから構成されている。
第二の基部4eは、エアシリンダ4cに接続されている。第二の基部4eはラックギアであり、回動部4bのギア部材4gと歯合する鋸歯4fが設けられている。
第一の基部4dと第二の基部4eは、エアシリンダ4cが駆動されたとき、初めは同時に延出する。
そして、延出が進むにしたがって、第一の基部4dの係合部4oがストッパー4lのばね部材4nに係合すると、第一の基部4dの延出が規制され、第二の基部4eが第一の基部4dより延出することとなる。
表皮材折込手段4は、成形型1の周囲に複数設けられており、隣接する表皮材折込手段4は、連結部材4i及び弾性部材としてのばね4jを介して互いに連結されている。
このように、隣接する表皮材折込手段4が互いに連結されていることにより、この連結部分でも表皮材11の端末領域11aを押さえることが可能である。また、表皮材11の端末領域11aの全てを同時に折り込むことができ、均一に表皮材11の端末領域11aをボトムプレート13に固着させることが可能となる。
折込部材4hは、最初の状態では図3に示すように略水平に位置している。ボトムプレート13が加熱溶融されて樹脂溶融部13aが形成された後、エアシリンダ4cが作動して、第二の基部4eを押し出す。
第二の基部4eが押し出されると、第二の基部4eに保持されている回動部4bも押し出される。回動部4bと第一の基部4dとは連結されているので、第一の基部4dも成形型1の中心方向に向けてスライドされる。図4に示すように、第一の基部4d及び第二の基部4eがスライドするに従って、第一の基部4dに保持された折込部材4hも成形型1へ向けてスライドする。
第一の基部4dの延出動作に規制がなされると、第二の基部4eが第一の基部4dより押し出され、第一の基部4dの鋸歯4fにより回動部4bのギア部材4gが回動される。これにより、折込部材4hが下方へ回動する。
第一の基部4dは延出動作が規制されながらも、ばね部材4nを押圧しながらわずかずつ延出している。したがって、折込部材4hは、図6に示すように、表皮材11の端末領域11aをボトムプレート13に押し付けるようにして、ボトムプレート13の裏面側を摺動する。
さらに第二の基部4eが成形型1の中心方向へ移動されると、図7に示すように、第一の基部4dの係合部4oがストッパー4lの固定ストッパー4mに係合し、移動が停止する。このとき、回動部4bの前方への移動も停止する。したがって、第一の基部4eは回動部4bを回動させながら前進し、折込部材4hはさらに下方へ向けて回動される。
図7に示すように、折込部材4hは表皮材11を折込みながらボトムプレート13側に押し付ける。そして、さらに回動して、表皮材11の端末領域11aを樹脂溶融部13aに圧着する。
第二の基部4eは、表皮材11を圧着している間は動きが停止される。そして、所定時間をおいて後退する方向に移動される。第二の基部4eが後退することにより、第一の基部4fも後退し、折込部材4hは上方へ回動され、表皮材11とボトムプレート13から離れて元の位置に戻る。このようにして、表皮材11がボトムプレート13に固定され、端末処理がなされる。
表皮材セット手段は、図8に示すように、成形型1の外形形状に形成された枠部5aと、枠部5aの所定位置に設けられて表皮材11の端末領域11aを保持する端末領域保持部5bと、表皮材11の座面部領域11bを三次元形状に保持する座面部領域保持部5cと、を備えている。
表皮材セット手段5は、成形型1との間に所定距離をおいて配設される。
例えば、本例のように表皮材折込手段4が設けられている場合は、この表皮材折込手段4の筐体の上に表皮材セット手段5が配設される。このようにして、表皮材セット手段5と成形型1との間の距離が確保される。
なお、成形型1に、表皮材折込手段4が設けられていない場合でも、成形型1或いは枠部5aに突起を設けることにより、成形型1と表皮材セット手段5との間に所定距離を確保することが可能である。
枠部5aは、成形型1の周縁部と略同一の外形に形成されている。枠部5aは、図8での上面側が、成形型1の周縁部に合致する形状とされている。また枠部5aには、枠部5aを座面部領域保持部5cに配設したときに、座面部領域保持部5cとの間に所定間隔を保ち、枠部5aに手を掛け易くするための脚部5dが設けられている。
端末領域保持部5bは、枠部5aの周囲に略等間隔で複数個設けられており、本例では8個設けられている。
クリップ部材5eは、表皮材11の端末領域11aを挟持するものである。
クリップ部材5eは、枠部5aに固定された支持部材5fにおいて回動可能に軸支された回動片5hと、回動片5hとの間で表皮材11を挟持する保持片5iとから構成されている。
回動片5hは、表皮材11が成形型1側に引っ張られたときに、表皮材11が引っかからないように、先端部が反った形状に形成されている。
保持片5iは、回動片5hが表皮材11を挟持する方向に移動したときに、回動片5hに密着するように所定角度をもって設けられている。
また、把持部材5gの他方の端部は、作業者が操作し易い形状に形成されている。
図10は、把持部材5gを押し下げた状態を示すものである。把持部材5gが押し下げられると、把持部材5gのうち、回動片5h側に位置する端部が上方へ移動される。これにより、クリップ部材5e側では、把持部材5gとの連結部分が上方へ押し上げられる。こうして、クリップ部材5eの回動片5hが下方に移動し、回動片5hと保持片5iとの間で、表皮材11の端末領域11aが挟持される。
形状保持部材5lは、枠部保持部材5kに線状の鋼材を複数本架け渡して、網状に形成されている。
さらに、座面部領域保持部5cには、枠部5aとの間に所定距離を保ち、枠部5aを持ち運ぶときに手を掛け易くするための突起5mが設けられている。
製造装置Sの作動は、自動制御或いは手動制御により行われる。自動制御の場合は、温度センサにより加熱状況を監視したり、タイマにより処理時間を計測し、これらセンサやタイマからの情報に基づいて、各手段が自動的に操作されることにより行われる。
また、手動制御により製造装置Sが作動される場合は、製造装置Sの近傍に操作盤(図示せず)を設け、この操作盤の複数のスイッチを投入することにより、各手段の動作がなされるようにする。
スイッチは、成形型1,押え枠2,加圧手段3,表皮材折込手段4,加熱溶融手段6,表皮材加熱手段7のそれぞれに対応して設けられており、スイッチを操作することにより、各手段を作動させたり、作動を停止できるように構成されている。なお、各手段の作動開始から停止について、タイマを用いて制御するようにしても良い。
この工程で、上記した表皮材セット手段5を用いる場合は、表皮材11を表皮材セット手段5に配設してから、成形型11に配設する。先ず、座面部領域保持部5cに枠部5aを載置し、枠部5a及び座面部領域保持部5cに表皮材11を載置して、表皮材11の端末領域11aを、端末領域保持部5bによって枠部5aに固定する。このとき、図8に示すように、表皮材11の表面側が上方になるようにして配設される。
次に、座面部領域保持部5cから枠部5aを取り外し、図11に示すように、枠部5aを反転させる。そして、このように反転させた状態で、枠部5aを成形型1の周縁部に配設する。
このとき、成形型1と表皮材セット手段5との間に所定距離が確保されるようにして、表皮材セット手段5を配設する。
第2の工程では、押え枠2を下降して、成形型1との間で表皮材11の端末領域11aを固定する。
第1の工程で表皮材セット手段5を用いている場合、押え枠2で表皮材11の端末領域11aを固定することにより、表皮材セット手段5から表皮材11が解放される。
図12は成形型1に表皮材セット手段5を配設した状態、図13は押え枠2で表皮材11を固定した状態を示す説明図である。なお、図12及び図13では、回動片5hの動きを明確に示すために、支持部材5fの図示を省略している。図示されているように、押え枠2で表皮材11の端末領域11aを固定すると、表皮材11が成形型1側に引っ張られる。そうすると、表皮材11を押さえていたクリップ部材5eの回動片5hが、表皮材11が引っ張られる力により、成形型1側に向けて回動される。成形型1と表皮材セット手段5との間には所定距離が確保されているので、回動片5hは支障なく回動される。これにより、表皮材11の端末領域11aはクリップ部材5eから解放される。
第3の工程では、表皮材加熱手段7で表皮材11を加熱する。
第4の工程では、表皮材11の真空成形を行う。このとき、成形型1にシボ模様等を形成しておき、表皮材11に転写するようにしても良い。第5の工程では、表皮材11の上にクッション材12とボトムプレート13をセットする。そして、第6の工程では、加圧手段3を下降させ、ボトムプレート13側から、車両用座席の構成部材を押圧する。
第8の工程において、例えば、図10乃至図15に示す表皮材折込手段4を用いる場合は、エアシリンダ4cが作動され、第一の基部4d及び第二の基部4eが成形型1の中心方向へスライドされる。所定位置まで延出すると、第一の基部4dの延出が規制されて、第二の基部4eがさらに延出し、第二の基部4eの鋸歯4fに歯合されたギア4gが回動する。ギア4gが回動することにより、折込部材4hが上方から下方へ回動する。
折込部材4hは、スライド及び回動しながら、ボトムプレート13の周縁部側から内部側へ向けて摺動し、表皮材11の端末領域11aを折り込みながら、ボトムプレート13の樹脂溶融部13aに押し付けていく。
そして、さらに折込部材4hが下方へ回動され、ボトムプレート13に押圧され、表皮材11の端末領域11aがボトムプレート13に圧着される。このようにして、表皮材11の端末領域11aがボトムプレート13に溶着され、ボトムプレート13の周縁端部に固定される。
第9の工程では、クッション材12とボトムプレート13を加圧していた加圧手段3を上昇させる。なお、成形型1の周縁部上面が、加圧時のボトムプレート13と一致するようにしておくと、表皮材11を適度なテンションをもってボトムプレート13へ取着することができ好適である。
なお、上記実施例において、本例では、押え枠2、加圧手段3、表皮材折込手段4,加熱溶融手段6,表皮材加熱手段7は、エアーシリンダによって作動するものとして説明したが、これに限らず、油圧シリンダやモータ等、他の駆動手段を用いても良いことは勿論である。
Claims (4)
- ボトムプレートと、該ボトムプレートを被覆する表皮材を備え、該表皮材の端末領域を前記ボトムプレートの裏面側に押圧する車両用座席の製造装置であって、
車両用座席の構成部材として、少なくとも前記ボトムプレートと表皮材が配設される配設手段と、
前記ボトムプレートの外周端部の位置からボトムプレートの裏面側に沿って摺動可能な表皮材折込手段と、を備え、
前記表皮材折込手段は、前記配設手段の外側から内側へ向けて延出する基部と、
該基部の先端側で回動可能に保持される回動部とを備え、
前記基部は、前記回動部を保持する第一の基部と、該第一の基部よりも延出し、前記回動部に接触して前記回動部を前記配設手段に向けて回動させる第二の基部と、から構成されたことを特徴とする車両用座席の製造装置。 - 前記表皮材折込手段が前記配設手段の周囲に複数設けられ、隣接する前記回動部が弾性部材を介して連結されたことを特徴とする請求項1記載の車両用座席の製造装置。
- 前記回動部の前記第二の基部との接触箇所には回動可能なギア部材が設けられ、前記第二の基部には前記ギア部材に噛み合う鋸歯部が設けられたことを特徴とする請求項1記載の車両用座席の製造装置。
- 前記ボトムプレートの裏面側の一部を溶融する加熱手段を備え、前記溶融されたボトムプレートの部分に前記表皮材の端末領域を押圧することを特徴とする請求項1記載の車両用座席の製造装置。
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