JP3881578B2 - 車両用シートの製造装置及び製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、車両用シートの製造装置及び製造方法に係り、特に、車両用シートの製造を、工程ごとに場所を変えずに一箇所で行うことが可能な、車両用シートの製造装置及び製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動二輪車等に用いられる車両用シートは、ボトムプレート上にクッション材を配置して表皮材で被覆して形成されている。車両用シートは、ウェルダー加工,縫製,真空引き等により表皮材を立体形状に形成し、該表皮材でボトムプレートとクッション材とを被覆し、表皮材の端末部をボトムプレート周縁端部に固着させることにより作成される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来では、表皮材の成形、或いは表皮材とクッション材及びボトムプレートの組付け、或いは表皮材の端末処理を、同じ装置により一箇所で製造するのではなく、それぞれ別の装置を用いて、異なる場所で行っていたため、搬送や処理に手間がかかっていた。
【0004】
本発明の目的は、車両用シートを高い生産性で製造することが可能な車両用シートの製造装置及び製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、請求項1に係る車両用シートの製造装置Sによれば、ボトムプレート13上にクッション材12を配設し、該クッション材12を表皮材11で被覆してなる車両用シートの製造装置Sであって、表皮材11を配設する真空凹型1と、該真空凹型1の上方から下降し、前記真空凹型1に配設された表皮材11の端末領域を押さえる押え枠2と、前記真空凹型1の縁端部に設けられ前記押え枠2を保持するクランプ手段3と、前記真空凹型1の上方に進退可能に配設されたヒータ4aと、前記真空凹型1の表皮材11上にクッション材12およびボトムプレート13を配設した後で加圧する加圧手段5と、を備えたことにより解決される。
【0006】
このように、本発明の車両用シートの製造装置Sによれば、車両用シートを製造する工程別に装置や場所を変えることなく、一箇所において、表皮材11の固定、表皮材11の成形、部材組付、加圧、端末処理を行うことができ、搬送等の手間を省いて、効率良く車両用シートを製造することが可能となる。
【0007】
また、上記のように、車両用シートを製造する全ての工程を一箇所で行うことができるので、仕掛品を移動するための大がかりな装置や、種々の装置を設置するための場所が必要とされず、限られたスペースを有効に活用することが可能となる。
【0008】
なお、前記真空凹型1に、該真空凹型1を基準位置から移動させるスライド機構、水平面に対して傾斜させる傾動機構、回転機構を設けると、ステイプル14等による表皮材11の端末処理を行うときに、作業箇所を常に作業者の近くに位置させることが可能となり好適である。
【0009】
なお、圧空成形により表皮材の成形を行っても良い。圧空成形による車両用シートの製造装置は、ボトムプレート13上にクッション材12を配設し、該クッション材12を表皮材11で被覆してなる車両用シートの製造装置であって、表皮材11を配設する凹型と、前記凹型に配設された表皮材11を覆うときに少なくとも端末領域を押さえる押え部材と、該押え部材に接続され前記押え部材と前記表皮材との間に圧縮空気を送出する圧縮空気送出手段と、前記凹型の縁端部に設けられ前記押え部材を保持するクランプ手段3と、前記凹型の表皮材11上にクッション材12およびボトムプレート13を配設した後で加圧する加圧手段5と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
本発明に係る車両用シートの製造方法は、ボトムプレート13上にクッション材12を配設し、該クッション材12を表皮材11で被覆してなる車両用シートの製造を一箇所で行う製造方法であって、真空凹型1に前記表皮材11を配設する工程と、前記真空凹型1の上方から押え枠2を下降させ、前記真空凹型1に配設された表皮材11の端末部を押さえる工程と、前記真空凹型1の縁端部に設けられたクランプ手段3で前記押え枠2を保持する工程と、前記真空凹型1の上方にヒータ4aを配置させる工程と、前記ヒータ4aを後退させた後で、前記真空凹型1の表皮材11上にクッション材12およびボトムプレート13を配設して加圧する工程と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
また、圧空成形を行う場合の車両用シートの製造方法は、ボトムプレート13上にクッション材12を配設し、該クッション材12を表皮材11で被覆してなる車両用シートの製造を一箇所で行う製造方法であって、凹型に前記表皮材11を配設する工程と、前記凹型の上方に押え部材を位置させ、前記凹型に配設された表皮材11を覆い少なくとも端末領域を押さえる工程と、前記凹型の縁端部に設けられたクランプ手段3で前記押え部材を保持する工程と、前記押え部材と前記表皮材11との間に圧縮空気を送出し、前記表皮材11を前記凹型に圧接させて前記表皮材11を成形する工程と、前記成形された表皮材11上にクッション材12およびボトムプレート13を配設して加圧する工程と、を備えたことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する部材,配置等は本発明を限定するものでなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
【0013】
図1乃至図13は本発明の一実施例を示すものであり、図1は本発明の車両用シートの製造装置を示す説明図、図2は車両用シートの製造装置の側面図、図3は真空凹型を示す説明図、図4は押え枠を示す説明図、図5はクランプ手段を示す説明図、図6はヒータを示す説明図、図7乃至図12は車両用シートの成形工程を示す説明図、図13は車両用シートの製造工程の流れを示すフローチャート図である。
【0014】
本例では、車両用シートとして、自動二輪車に用いられる車両用シートに適用した例に基づいて説明する。なお、車両用シートとは、二輪車、すなわち陸上のオートバイ,スクーターに用いられるものだけでなく、スノーモービル,水上バイク用のシートを含み、また三輪バギー車等や跨座式乗物、或いは建機シートに関する乗物用シートを含むものとする。
【0015】
本例の車両用シートは、表皮材11と、クッション材12と、ボトムプレート13とから構成されている。表皮材11は、例えば、ポリオレフィン、塩化ビニル、ナイロン等の熱可塑性樹脂及びポリオレフィン系、ポリエステル系、ウレタン系、塩化ビニル系等の熱可塑性エラストマーのシート,フィルムが挙げられる。また上記材質を単独或は2種以上積層したものを表皮材11として使用することもできる。
【0016】
クッション材12は、柔軟フォーム材、例えばウレタンフォーム,PP(ポリプロピレン)フォーム,PE(ポリエチレン)フォームから形成されており、ボトムプレート13上に載置される。ボトムプレート13は、例えばPP(ポリプロピレン)、ABS樹脂等から形成される。
【0017】
図1及び図2で示すように、本例の車両用シートの製造装置Sは、真空凹型1と、真空凹型1に配設された表皮材の端末部を押さえる押え枠2と、押え枠2を保持するクランプ手段3と、表皮材を加熱するヒータ4aと、真空凹型1に配設された車両用シートの構成部材を加圧する加圧手段5と、これらの構成部材を制御する制御部(図示せず)と、を備えている。
【0018】
そして、上記製造装置Sの各構成要素は、フレーム8に配設されている。フレーム8には、キャスター8aが取着されており、これにより製造装置Sは移動可能に構成されている。
【0019】
また、フレーム8にはアジャスター8bが設けられており、製造装置Sが設置される場所に傾きがあった場合でも、このアジャスター8bを用いて、製造装置Sを水平に設置することができるように構成されている。
【0020】
なお、フレーム8に表示部8cを設け、この表示部8cにおいて、製造装置Sの可動、停止、及び異常発生などを、それぞれ異なるランプを点灯すること等により報知する構成としても良い。
【0021】
真空凹型1は、表皮材11の真空引きを行って所定形状に成形するとともに、車両用シートの構成部材が配設され、組み付けが行われる。真空凹型1の開口部側には、図3に示すように、後述するクランプ手段3が複数設けられている。このクランプ手段3で、表皮材11を押さえる押え枠2とともに表皮材11が保持される。
【0022】
真空凹型1の配設面には、真空装置1cと連結された吸引孔が設けられている。なお、真空凹型1として、多孔質のポーラス電鋳真空成形型を使用すると、真空引きを行ったとき、表皮材11が全ての方向から型面に吸着され、型面に均一に密着させることができ好適である。
【0023】
また、電鋳金型であるため、細かいシボ模様や複雑な図形などを、型面に忠実に再現することができ、デザイン性に富んだ成形品を得ることが可能となる。
【0024】
真空凹型1は、エアシリンダを駆動源としてスライド可能とされた受け台6上に載置され、受け台6とともに前後方向にスライドするように構成されている。また、真空凹型1は受け台6とともに傾倒し、型面が作業者側を向くように構成されている。さらに真空凹型1は、受け台6上で回転可能に構成されている。
【0025】
受け台6をスライドさせるスライド機構としては、従来公知のものであり、例えば、受け台6側に配設されたローラを、受け台6の下方に設けられたレールに沿って摺動させることにより、前後に移動させる。
【0026】
そして、受け台6がレール端部まで移動したときに、受け台6の一部のみレールに係合させた状態で、受け台6をレールから延出させて係合を解除する。これにより、受け台6は傾斜した状態でレールに保持される。
【0027】
また、真空凹型1を受け台6上で回転させる回転機構としては、例えば、受け台6と真空凹型1との間にスラストベアリングを介在させる。
【0028】
押え枠2は、真空凹型1の全周に渡って表皮材11をシールするものであり、真空凹型1上方において、上下方向に移動される。押え枠2は、図4に示すように、真空凹型1の開口縁部1aと略同形状に形成されており、真空凹型1の開口縁部1aに押圧され、真空凹型1の開口縁部1aに接したとき、開口縁部1aに密着するように構成されている。
【0029】
押え枠2は、ロッド2aと、このロッド2aに接続されたエアシリンダからなる昇降装置7を介して、フレーム8に吊設されている。昇降装置7は圧力供給源7a(本例ではエアー供給源)に接続されており、エアー供給により作動されて、ロッド2aを伸縮作動させることで、押え枠2を昇降可能としている。
【0030】
なお、押え枠2が最上部まで上昇したときに、押え枠2の前方がさらに上方を向くようにすることにより、上下方向に、より広い作業スペースを確保することが可能となる。このために、例えば、押え枠2の左右前後の計4箇所にロッド2aを設け、押え枠が最上部まで上昇したときに、前側に位置するロッド2aをさらに上昇させるようにすると良い。
【0031】
クランプ手段3は、真空凹型1の開口側に複数個設けられている。クランプ手段3は、図5に示すように、真空凹型1に配設された基部3aと、この基部3aに設けられたエアシリンダからなる駆動装置3bと、エアシリンダのピストンロッドに連結されたリンク機構(図示せず)と、リンク機構に接続された軸部3cと、軸部3cに設けられた押え部3dとから構成されている。
【0032】
駆動装置3bは導管3eを介して圧力供給源に接続されており、エアー供給により作動されて、押え部3dの向きを変更したり、押え部3dを下降させて真空凹型1の開口縁部1aに押圧させ、真空凹型1に配設された押え枠2を押圧して表皮材11の端末部を固定するように構成されている。
【0033】
ヒータ4aは、図6に示すように、2枚の面を備えて形成されており、それぞれの面に、電熱線等の加熱手段4aが配設されている。ヒータ4aは、表皮材11が真空引きされる前に、表皮材11を加熱するためのものである。ヒータ4aで表皮材11を加熱することにより、表皮材11が柔軟になり、真空凹型1において良好に成形することが可能になる。
【0034】
ヒータ4aは、図1に示すように、スライド枠9に配設されており、エアーシリンダを駆動源としてスライド枠9内を移動し、真空凹型1の上方に進出したり、後退することができるように構成されている。
【0035】
なお、スライド機構としては、例えば、ヒータ4a側に配設されたローラを、スライド枠9側のレールに沿って摺動させることにより、ヒータ4aを前後に移動させる。なお、レールの端部にストッパを設け、ヒータ4aのローラがストッパの位置まできたときに、ヒータ4aの移動を停止させるようにすると良い。
【0036】
ヒータ4aは、保持体4bに保持されている。保持体4bは、エアシリンダからなる水平移動装置4cにより、水平方向に移動可能とされている。すなわち図2に示すように、ヒータ4aは、表皮材11の加熱を行わないときには、製造装置Sの後方側に引き込まれている。
【0037】
そして、表皮材11の加熱を行うときには、水平移動装置4cのロッド4dが伸長する。ロッド4dが伸長することにより、保持体4bは真空凹型1の上方まで移動される。このようにして、ヒータ4aが真空凹型1の上方に配置される。
【0038】
なお、水平移動装置4cにリミットスイッチ4eを装着しておき、真空凹型1の上方位置までヒータ4aが移動したとき、リミットスイッチ4eが作動して、リミットスイッチ4eからの信号を受けて、水平移動装置4cの駆動が停止されるようにしても良い。
【0039】
加圧手段5は、ロッド5aと、このロッド5aに接続されたエアシリンダからなる昇降装置7を介して、フレーム8に吊設されている。加圧手段5は、前記した押え枠2と同様に、昇降装置7の作動により真空凹型1上において昇降可能とされ、真空凹型1に配設された車両用シートの構成部材を加圧するように構成されている。
【0040】
加圧手段5で、車両用シートの構成部材を加圧し、仮組み付けを行った後は、表皮材11の端末部をステイプル等によりボトムプレート13に固定させる処理が行われる。このとき、加圧手段5を上昇させて行っても良いが、加圧手段5で加圧したまま、端末処理を行うようにしても良い。
【0041】
本例の製造装置Sでは、前記したように、真空凹型1が傾倒及び回転可能に構成されているので、加圧手段5で加圧したまま表皮材11の端末処理を行う場合は、加圧手段5をロッド5aに対して傾倒及び回転可能な構成としておく。
【0042】
これにより、真空凹型1を傾倒及び回転させたときに、真空凹型1の動きに合わせて加圧手段5も傾倒及び回転することができ、真空凹型1に配設された車両用シートの構成部材を加圧した状態で、表皮材11の端末処理を行うことが可能となる。
【0043】
なお、本例では、押え枠2,クランプ手段3,ヒータ4a,加圧手段5、受け台6は、エアーシリンダによって作動するものとして説明したが、これに限らず、油圧シリンダ等、他の駆動機構を用いても良いことは勿論である。
【0044】
次に、図7乃至図12に基づいて、本例の車両用シートの製造方法について説明する。車両用シートは、上記製造装置Sを、所定の手順で作動させることにより製造される。
【0045】
製造装置Sは制御部10により制御される。制御がコンピュータにより行われる場合、制御部10は、CPU,プログラムを記憶したHDDまたはROM,RAMなどを備えて構成される。そして、プログラムに従って、CPUによる判断がなされ、各処理が行われる。
【0046】
また、電気的に制御が行われる場合は、制御部10はシーケンス回路を備えて構成される。シーケンス回路は、製造装置Sの動作を開始させるスイッチ,リレー、及び動作開始時間を管理するタイマ等を備えて構成されている。
【0047】
製造装置Sの作動は、自動制御或いは手動制御により行われる。自動制御の場合は、温度センサにより加熱状況を監視したり、タイマにより処理時間を計測し、これらセンサやタイマからの情報に基づいて、各手段が自動的に操作されることにより行われる。
【0048】
また、手動制御により製造装置Sが作動される場合は、製造装置Sの近傍に操作盤(図示せず)を設け、この操作盤の複数のスイッチを投入することにより、各手段の動作がなされるようにする。このように、手動制御とすることにより、作業者の能力に合わせて、作業者にとって最適なペースで作業を進めることが可能となる。
【0049】
スイッチは、真空凹型1,押え枠2,クランプ手段3,ヒータ4a,加圧手段5,受け台6,のそれぞれに対応して設けられており、スイッチを操作することにより、各手段を作動させたり、作動を停止できるように構成されている。
【0050】
ここで、図13のフローチャートにおいて、製造工程の流れの一例を示す。第1のステップS1では、押え枠2を下降して、真空凹型1にセットされた表皮材11を固定する。第2のステップS2ではクランプ装置3を作動させて押え枠2を固定する。
【0051】
第3のステップS3では、ヒータ4aを真空凹型1の上方に移動させて、表皮材11を加熱する。第4のステップS4では、表皮材11の真空成形を行う。第5のステップS5では、真空凹型1にセットされたクッション材12とボトムプレート13を加圧手段4で押圧する。さらに、第6のステップS6で、クランプ手段3を解除して押え枠2を上昇させる。
【0052】
第7のステップS7では加圧手段4を上昇させ、第8のステップS8では、受け台6を前方にスライドさせて、型面が作業者側を向くように傾倒させる。そして、作業者は真空凹型1を回転させながら、ステイプル等により表皮材11の端末処理を行う。
【0053】
次に、本発明の車両用シートの製造方法の各工程について、図面を参照しながら説明する。先ず、図7に示すように表皮材11を真空凹型1に配設する。このとき、表皮材11の表皮材11の端末を真空凹型1に取り付けられているクリップ1bによって仮止めする。
【0054】
次に、図8に示すように、真空凹型1の上方から押え枠2を下降させ、真空凹型1に配設された表皮材11の端末部を押さえる。さらに、クランプ手段3により押え枠2を固定する。このようにして、表皮材11は真空凹型1の開口縁部1aにおいて、均一な力で押さえられ固定される。
【0055】
次に、図9に示すように、真空凹型1の上方にヒータ4aを配設させる。このとき、表皮材11の各端部は押え枠2及びクランプ手段3により均一に保持されているので、ヒータ4aによる加熱により表皮材11が軟化しても、表皮材11の一部が伸びて変形することがなく、好適に加熱処理を行うことができる。
【0056】
次に、ヒータ4aを後退させ、真空凹型1にセットされた表皮材11を真空引きして成形する。このとき、真空凹型1にシボ模様等を形成しておき、表皮材11に転写するようにしても良い。
【0057】
次に、図10に示すように、真空成形された表皮材11上に、クッション材12とボトムプレート13が載置される。次いで、図11に示すように、加圧手段5により、ボトムプレート30側から圧力をかける。このとき、クランプ手段3が解除され、押え枠2が上昇する。
【0058】
次に、加圧手段5を上昇させて、表皮材11の端末をボトムプレート13側へ折り返し、表皮材11の端末部をボトムプレート13の周縁端部に固着させる。表皮材11の端末部は、図12に示すように、タッカーによりステイプル14を打ち込んでボトムプレート13に取り付けられる。
【0059】
なお、表皮材11の端末処理を、加圧手段5で圧力を加えたままで行っても良いことは勿論である。加圧手段5で加圧したまま、表皮材11の端末処理を行うことにより、端末処理の作業効率を向上させることができ、また表皮材11を適度なテンションをもってボトムプレート13へ取着することができる。
【0060】
本例の製造装置Sでは、真空凹型1がスライド,傾倒,回転可能に構成されているので、作業者は、ステイプル14を打ち込む箇所を、最も作業し易い場所に回転移動させながら作業を行うことが可能となる。
【0061】
なお、上記実施例では、真空凹型1を用いて表皮材11を真空成形する構成を示したが、圧空成形であっても良い。圧空成形を行う場合は、凹型と、凹型に配設された表皮材11を金型に配設し、この表皮材11の全体を覆い、且つ端末部を凹型に密着させて固定する押え部材を用いて表皮材11の成形を行う。つまり、押え部材には、圧縮空気の送出装置が連結されており、押え部材と表皮材との間に圧縮空気を送出し、表皮材11を凹型に圧接させる。
【0062】
本例の製造装置Sで圧空成形を行う場合、押え部材は表皮材を覆うものであるため、金型上に進退可能にスライドする構成とすると良い。また、上記実施例と同様に、表皮材11の加熱をヒータ4により行っても良いが、押え部材にヒータが組み込まれた構成であっても良い。或いは、特にヒータを設けず、加熱された圧縮空気を導入する構成であっても良い。
【0063】
【発明の効果】
以上のように、本発明の車両用シートの製造装置及び製造方法によれば、車両用シートを製造する工程別に装置や場所を変えることなく、一箇所において、表皮材の成形、表皮材の固定、部材組付、加圧、端末処理を行うことができ、搬送等の手間を省いて、効率良く車両用シートを製造することが可能となる。
【0064】
また、上記のように、車両用シートを製造する全ての工程を一箇所で行うことができるので、仕掛品を移動するための大がかりな装置や、種々の装置を設置するための場所が必要とされず、限られたスペースを有効に活用することが可能となる。
【0065】
さらに、一箇所で製品が完成されるので、多品種少量生産が可能となり、車両用シートに対する多様な要望に応えることができるとともに、必要なときに必要な量の生産を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両用シートの製造装置を示す説明図である。
【図2】本発明の車両用シートの製造装置の側面図である。
【図3】真空凹型を示す説明図である。
【図4】押え枠を示す説明図である。
【図5】クランプ手段を示す説明図である。
【図6】ヒータを示す説明図である。
【図7】車両用シートの成形工程を示す説明図である。
【図8】車両用シートの成形工程を示す説明図である。
【図9】車両用シートの成形工程を示す説明図である。
【図10】車両用シートの成形工程を示す説明図である。
【図11】車両用シートの成形工程を示す説明図である。
【図12】車両用シートの成形工程を示す説明図である。
【図13】車両用シートの製造工程の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 真空凹型
2 押え枠
3 クランプ手段
4 ヒータ
5 加圧手段
6 受け台
7 昇降装置
8 フレーム
9 スライド枠
11 表皮材
12 クッション材
13 ボトムプレート
S 車両用シートの製造装置
Claims (7)
- ボトムプレート上にクッション材を配設し、該クッション材を表皮材で被覆してなる車両用シートの製造装置であって、
表皮材を配設する真空凹型と、
該真空凹型の上方から下降し、前記真空凹型に配設された表皮材の端末領域を押さえる押え枠と、
前記真空凹型の縁端部に設けられ前記押え枠を保持するクランプ手段と、
前記真空凹型の上方に進退可能に配設されたヒータと、
前記真空凹型の表皮材上にクッション材およびボトムプレートを配設した後で加圧する加圧手段と、を備えたことを特徴とする車両用シートの製造装置。 - ボトムプレート上にクッション材を配設し、該クッション材を表皮材で被覆してなる車両用シートの製造装置であって、
表皮材を配設する凹型と、
前記凹型に配設された表皮材を覆うときに少なくとも端末領域を押さえる押え部材と、
該押え部材に接続され前記押え部材と前記表皮材との間に圧縮空気を送出する圧縮空気送出手段と、
前記凹型の縁端部に設けられ前記押え部材を保持するクランプ手段と、
前記凹型の表皮材上にクッション材およびボトムプレートを配設した後で加圧する加圧手段と、を備えたことを特徴とする車両用シートの製造装置。 - 前記真空凹型または凹型には、該真空凹型または凹型を移動させるスライド機構が設けられたことを特徴とする請求項1または2記載の車両用シートの製造装置。
- 前記真空凹型または凹型には、該真空凹型または凹型を水平面に対して傾斜させる傾動機構が設けられたことを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載の車両用シートの製造装置。
- 前記真空凹型または凹型には、該真空凹型または凹型を回転させる回転機構が設けられたことを特徴とする請求項1乃至4いずれか記載の車両用シートの製造装置。
- ボトムプレート上にクッション材を配設し、該クッション材を表皮材で被覆してなる車両用シートの製造を一箇所で行う製造方法であって、
真空凹型に前記表皮材を配設する工程と、
前記真空凹型の上方から押え枠を下降させ、前記真空凹型に配設された表皮材の端末領域を押さえる工程と、
前記真空凹型の縁端部に設けられたクランプ手段で前記押え枠を保持する工程と、
前記真空凹型の上方にヒータを配置させ前記表皮材を加熱する工程と、
該加熱された表皮材を真空成形する工程と、
前記真空成形された表皮材上にクッション材およびボトムプレートを配設して加圧する工程と、を備えたことを特徴とする車両用シートの製造方法。 - ボトムプレート上にクッション材を配設し、該クッション材を表皮材で被覆してなる車両用シートの製造を一箇所で行う製造方法であって、
凹型に前記表皮材を配設する工程と、
前記凹型の上方に押え部材を位置させ、前記凹型に配設された表皮材を覆い少なくとも端末領域を押さえる工程と、
前記凹型の縁端部に設けられたクランプ手段で前記押え部材を保持する工程と、
前記押え部材と前記表皮材との間に圧縮空気を送出し、前記表皮材を前記凹型に圧接させて前記表皮材を成形する工程と、
前記成形された表皮材上にクッション材およびボトムプレートを配設して加圧する工程と、を備えたことを特徴とする車両用シートの製造方法。
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