JP2005185210A - 春巻皮改質用油脂組成物及びそれを用いた食品の製造方法 - Google Patents

春巻皮改質用油脂組成物及びそれを用いた食品の製造方法 Download PDF

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輝美 石崎
Kenichi Otsuka
憲一 大塚
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忠義 貞包
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Abstract

【課題】 経時的な食感の低下を抑制させ、パリパリした食感を長時間持続させることができ、かつ、容易に製造できる春巻皮改質用油脂組成物及びそれを用いた食品の製造方法を提供すること。
【解決手段】 融点35℃以下の油脂100重量部に対して、乳化剤を0.5重量部以上5重量部以下で含有し、前記乳化剤は、少なくとも2種のグリセリン脂肪酸エステル(A)からなることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、春巻皮改質用油脂組成物及びそれを用いた食品の製造方法に関する。
春巻は、春巻の皮のパリパリした食感と、春巻の皮に巻かれた具材のソフトな食感との両方が同時に味わえることが望まれており、油ちょう処理直後の春巻では、このような食感が得られる。しかし、油ちょう処理後の春巻を凍結保存したり、油ちょう処理後、食するまでに時間が経過したりすると、春巻の皮が具材等の水分を吸収し春巻の皮のパリパリした食感が低下する。さらに、電子レンジ等で再加熱調理するとこのような食感が著しく損なわれるという欠点がある。
このため、食感の改良方法として、調製した具材を非透水性の可食ケーシングで包囲する方法(例えば、特許文献1参照。)、春巻の皮の原料中にセルロースを添加する方法(例えば、特許文献2参照。)、春巻の皮の原料中に高融点油脂を添加する方法(例えば、特許文献3参照。)が試みられている。しかしながら、作業性が悪いことや、食感の改良効果が不充分であった。
そこで、融点40℃以上の硬化油脂100重量部に対し、グリセリン脂肪酸エステル及びプロピレングリコール脂肪酸エステルよりなる群から選ばれる1種または2種以上の乳化剤0.05〜15重量部配合して加熱溶解後、噴霧冷却してなる粉末状春巻の皮用改質材が開示されている(例えば、特許文献4参照。)。
特開昭61−216670号公報 特開平8−228729号公報 特開平8−289767号公報 特開平11−196797号公報
しかしながら、上記粉末状春巻の皮用改質材の製造方法は、70℃以上に加熱した硬化油脂に、グリセリン脂肪酸エステル、またはプロピレングリコール脂肪酸エステルを添加混合しながら溶解した後、噴霧冷却しなければならず、重労働であった。
そこで、本発明は、上記の課題を解決するために、経時的な食感の低下を抑制させ、パリパリした食感を長時間持続させることができ、かつ、容易に製造できる春巻皮改質用油脂組成物及びそれを用いた食品の製造方法を提供することを目的とするものである。
すなわち、本発明は、融点35℃以下の油脂100重量部に対して、乳化剤を0.5重量部以上5重量部以下で含有し、前記乳化剤は、少なくとも2種のグリセリン脂肪酸エステル(A)からなることを特徴とする。
本発明の春巻皮改質用油脂組成物によれば、融点35℃以下の油脂を用いているので、加熱され溶解した後、食品に容易に均一に塗布又は散布されるため、経時的な食感の低下を抑制させ、パリパリした食感を長時間持続させることができる。さらに、噴霧冷却することなく、容易に製造できる。
このとき、グリセリン脂肪酸エステル(A)が0.5重量部未満であると、パリパリした食感を長時間持続させることができなくなり、一方、5重量部を超えると、食感に悪影響をおよぼす。
また、本発明は、前記乳化剤は、HLBが5.5以上10以下である少なくとも1種のグリセリン脂肪酸エステル(A1)と、HLBが5以下である少なくとも1種のグリセリン脂肪酸エステル(A2)とからなることが好ましい。
HLBが5.5以上10以下である少なくとも1種のグリセリン脂肪酸エステル(A1)を用いていることにより、本発明の春巻皮改質用油脂組成物を塗布又は散布する際、親水性の特性が発揮され食品となじむので、より均一に塗布又は散布することができる。そして、HLBが5以下である少なくとも1種のグリセリン脂肪酸エステル(A2)を用いていることにより、本発明の春巻皮改質用油脂組成物を塗布又は散布した後、油脂を緻密に結晶化させるので、より食品への水分の吸収を防ぐことができる。
また、本発明は、HLBが5.5以上10以下である少なくとも1種のグリセリン脂肪酸エステル(A1)と、HLBが5以下である少なくとも1種のグリセリン脂肪酸エステル(A2)との重量比(A1:A2)が、2:9〜3:2であることが好ましい。
HLBが5.5以上10以下である少なくとも1種のグリセリン脂肪酸エステル(A1)の比率が多すぎると、油脂を緻密に結晶化させることができないおそれがあり、一方、HLBが5以下である少なくとも1種のグリセリン脂肪酸エステル(A2)の比率が多すぎると、均一に塗布又は散布することができず、パリパリした食感を持続させる効果がなくなるおそれがある。
また、本発明は、上記春巻皮改質用油脂組成物を春巻の皮に塗布又は散布する春巻の製造方法でもある。
本発明の春巻の製造方法によれば、油ちょう処理後の春巻を凍結保存したり、油ちょう処理後、食するまでに時間が経過したりしても、春巻の皮が具材等の水分を吸収することなく、春巻の皮のパリパリした食感と、春巻の皮に巻かれた具材のソフトな食感との両方が同時に味わえる春巻を提供できる。
さらに、本発明の春巻皮改質用油脂組成物に融点35℃以下の油脂を用いているので、本発明の春巻皮改質用油脂組成物を加熱し溶解させた後、春巻の皮に容易に均一に塗布又は散布できる。
以上説明したように、本発明の春巻皮改質用油脂組成物によれば、融点35℃以下の油脂を用いているので、加熱され溶解した後、食品に容易に均一に塗布又は散布されるため、経時的な食感の低下を抑制させ、パリパリした食感を長時間持続させることができる。さらに、噴霧冷却することなく、容易に製造できる。
このとき、グリセリン脂肪酸エステル(A)が0.5重量部未満であると、パリパリした食感を長時間持続させることができなくなり、一方、5重量部を超えると、食感に悪影響をおよぼす。
以下、本発明の実施形態を説明する。
上記油脂としては、融点が35℃以下であれば、特に限定されず、例えば、大豆油、米糠油、サフラワー油、向日葵油、綿実油、菜種油、コーン油、綿実油、落花生油、パーム油、ヤシ油、サル脂、シア脂、パーム核油、魚油、ラード、牛脂、乳脂、からし油等の動植物性油脂、及び、これらの分別油、エステル交換油、又は、水素添加油等の食用に供される油脂が挙げられる。これらの油脂は、単独又は2種以上を組み合わせて使用されてもよい。
また、上記油脂の融点としては、35℃以下であるが、好ましくは15℃以上32℃以下である。15℃未満であると、パリパリした食感を持続させる効果がなくなるおそれがあり、一方、32℃を超えると、加熱され溶解した後、食品に容易に均一に塗布又は散布できなくなるおそれがある。
なお、本明細書で使用する「融点」とは、試料を加熱した場合に、軟化して上昇を始める温度(上昇融点)のことをいう。
ここで、上昇融点による油脂の融点の測定方法について説明する。
(1)試料調整
試料を融解し、乾燥ろ紙でろ過する。次に、毛細管(内径0.85mm、外径1.65mm、長さ75mm、両端が開いているもの)の一端を、完全に融解した試料につけて約10mmの高さまで試料を満たし、約4℃で18時間放置する。
(2)測定方法
試料調整した毛細管を温度計の下部にゴム輪又は適当な方法で速やかに密着させ、それらの下端をそろえる。次に、毛細管を密着させた温度計を、約0℃の水を入れた試験管(内径15.6mm、外径18mm、長さ180mm)の中に、温度計の下端を水面下30mmの深さに入れ、かつ、試験管の下端より70mmの距離に入れた。その試験管を、約0℃の水を満たしたビーカー(内容量500mL)の中に浸し、試験管の下端を水面下120mmの深さにおく。さらに、ビーカーの中の水を適当な方法でかきまぜながら、最初は2℃/minずつ上昇するように加熱する。なお、予想される融点の10℃下に達した後は0.5℃/minとする。その結果、試料が毛細管中で上昇を始める温度を測定する。
上記グリセリン脂肪酸エステル(A)としては、グリセリンモノ脂肪酸エステル、グリセリンジ脂肪酸エステル、グリセリン有機酸脂肪酸エステル、ポリグリセリンモノ脂肪酸エステル、ポリグリセリンジ脂肪酸エステル、ポリグリセリンヘプタ脂肪酸エステル、ポリグリセリンドデカ脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも2種以上のものであることが好ましい。
上記脂肪酸としては、炭素数が8〜22の直鎖状又は分岐状である飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸等が挙げられ、例えば、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ベヘニン酸、カプリル酸、カプリン酸、エルカ酸、及び、これらの混合物等が挙げられる。特に、炭素数が8〜22の直鎖状の飽和脂肪酸が好適に使用される。
上記有機酸としては、特に限定されず、例えば、酢酸、乳酸、クエン酸、コハク酸、ジアセチル酒石酸等が挙げられる。
また、ポリグリセリンモノ脂肪酸エステル、ポリグリセリンジ脂肪酸エステル、ポリグリセリンヘプタ脂肪酸エステル、ポリグリセリンドデカ脂肪酸エステル等を構成するポリグリセリンの具体例としては、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、ペンタグリセリン、ヘキサグリセリン、ヘプタグリセリン、ノナグリセリン、デカグリセリンからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物が挙げられる。
さらに、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルは、ポリグリセリンと縮合リシノレイン酸とのエステルであり、通常、グリセリン重合度2〜3のポリグリセリンとリシノール酸の3〜5の縮合リシノレイン酸とのモノもしくはジエステルの混合物が用いられる。
また、本発明は、油脂100重量部に対して、グリセリン脂肪酸エステル(A)を0.5重量部以上5重量部以下で含有しているが、好ましくは1.5重量部以上4.0重量部以下で含有している。グリセリン脂肪酸エステル(A)が1.5重量部未満であると、パリパリした食感を長時間持続させることができなくなるおそれがあり、一方、4.0重量部を超えると、食感や風味に悪影響をおよぼすおそれがある。
上記グリセリン脂肪酸エステル(A)は、少なくとも2種のグリセリン脂肪酸エステルからなる。
少なくとも1種のグリセリン脂肪酸エステル(A1)は、HLBが5.5以上10以下であることが好ましく、HLBが6.5以上9以下であることがより好ましい。HLBが 6.5以上9以下である少なくとも1種のグリセリン脂肪酸エステル(A1)を用いていることにより、本発明の春巻皮改質用油脂組成物を塗布又は散布する際、親水性の特性が発揮され食品となじむので、特に均一に塗布又は散布することができる。
また、少なくとも1種のグリセリン脂肪酸エステル(A2)は、HLBが5以下であることが好ましく、HLBが4.5以下であることがより好ましい。HLBが4.5以下である少なくとも1種のグリセリン脂肪酸エステル(A2)を用いていることにより、本発明の春巻皮改質用油脂組成物を塗布又は散布した後、油脂を緻密に結晶化させるので、特に水分の吸収を防ぐことができる。
次に、本発明の春巻皮改質用油脂組成物の製造方法としては、例えば、加熱して溶解させた融点35℃以下の油脂に、少なくとも1種のグリセリン脂肪酸エステル(A1)、少なくとも1種のグリセリン脂肪酸エステル(A2)等を添加混合すること等が挙げられる。
そして、本発明の春巻皮改質用油脂組成物が用いられる食品としては、小麦粉に水を加えて混捏したものを圧延した生地等に具材等を包んだものであり、例えば、揚げ餃子、揚げ焼売、春巻、肉巻、揚げパイ等が挙げられる。
上記生地の原料には、特に限定されず、例えば、油脂、乳化剤、塩、糖類、澱粉、加工澱粉、調味料、着色料、香料、増粘剤、卵白粉末、食物繊維、グルテン等を配合してもよい。
上記具材には、特に限定されず、例えば、肉類、野菜類、魚介類、調味料等の通常用いている食品用材料を用いることができる。
次に、本発明の春巻皮改質用油脂組成物の使用方法としては、例えば、本発明の春巻皮改質用油脂組成物を、上記生地等に塗布又は散布し、当該生地等に具材等を包み込むこと等が挙げられる。
塗布又は散布する手段としては、例えば、スプレー、刷毛塗り、ローラ、篩かけ等の通常の手段を用いられることができ、特に限定されるものではない。塗布又は散布する際には、油脂の融点以上に加熱して溶解させた後、混合して塗布すればよい。
また、包み込む手段としては、具材等を被覆するように巻き上げることができれば、特に限定されるものではない。
本発明の春巻皮改質用油脂組成物の使用量は、生地100重量部に対して、好ましくは1〜50重量部、より好ましくは10〜30重量部である。使用量が1重量部未満であると、パリパリした食感を長時間持続させることができなくなるおそれがあり、一方、50重量部を超えると、食感に悪影響をおよぼすおそれがある。
そして、本発明の春巻皮改質用油脂組成物が用いられた食品は、例えば、170〜200℃の油等によって油ちょう処理を行われてもよく、油ちょう処理前に、冷蔵処理、及び/又は、−25〜−15℃の冷凍処理を行われてもよく、油ちょう処理後に、−55〜−10℃で凍結保存され、食される際に電子レンジ等によってマイクロ波調理を行われてもよい。
ここで、本発明の春巻の製造方法の一例を説明する。
まず、春巻の皮を作製するには、小麦粉、水、塩等を常法により混練、成形し、機械又は手作業で生地を作製すればよく、市販の春巻の皮等を用いてもよい。
次に、上記春巻の皮の片面に、本発明の春巻皮改質用油脂組成物を、油脂の融点以上に加熱して液状にしてから、混合して刷毛塗りにより塗布する。
さらに、春巻の具材として、細かく切断され調理された肉類、野菜類、調味料等を準備する。
そして、春巻の皮の塗布された面を内面とし、春巻の具材を包み込み、フライする。
その後、本発明に係る春巻を、凍結保存してもよく、凍結保存後、マイクロ波調理しもよい。
なお、春巻の形状及び大きさとしては、特に限定されない。
したがって、本発明の春巻の製造方法によれば、油ちょう処理後の春巻を凍結保存したり、油ちょう処理後、食するまでに時間が経過したりしても、春巻の皮が具材等の水分を吸収することなく、春巻の皮のパリパリした食感と、春巻の皮に巻かれた具材のソフトな食感との両方が同時に味わえる春巻を提供できる。
さらに、本発明の春巻皮改質用油脂組成物に融点35℃以下の油脂を用いているので、本発明の春巻皮改質用油脂組成物を加熱し溶解させた後、春巻の皮に容易に均一に塗布又は散布できる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
<実施例1>
(1)85℃に加熱して溶解させたパームオレイン(商品名:オパレスコSO、吉原製油株式会社製)100重量部に、ジグリセリンモノステアリン酸エステル(A1)(商品名:ポエムDS100A、理研ビタミン株式会社製)0.5重量部、及び、グリセリンモノ脂肪酸エステル(A2)(商品名:エマルジーHRO、理研ビタミン株式会社製)2重量部を添加し85℃に保ちながら混合溶解した。
(2)一方、春巻の皮(商品名:春捲皮、株式会社隆祥房製)を15×15cm(約6.5g)にカッターで切断した。なお、春巻の皮は、小麦粉、酒精、植物用油脂、塩、乳化剤、酸味料等から製造されたものであった。
(3)次いで、得られた春巻皮改質用油脂組成物1.5gを60℃に加熱して液状にしてから、混合して、春巻の皮の片面全体に刷毛塗りにより塗布した。
(4)春巻きの素(商品名:手作り春巻の具、モンボラン株式会社製)400g及び豚ミンチ肉600gで具材を調整した。なお、春巻きの素は、筍、人参、キクラゲ、発酵調味料、醤油、ゴマ油、砂糖、チキンエキス、澱粉、ニンニク、ポークエキス、オイスターエキス、生姜、シイタケエキス、エビ醤、コショウ、調味料、アミノ酸、増粘剤(キサンタン)、大豆、小麦等から製造されたものであった。
(5)そして、春巻の皮の塗布された面を内面とし、具材20gを包み込んだ後、2分40秒175℃の菜種油で油ちょう処理を行った。直ちに油切りを行い、−40℃のショックフリザーで急速凍結し、その16時間後、−20〜−15℃の冷凍庫で26時間凍結保管した。
(6)その後、凍結保管した春巻を電子レンジで700W1分30秒マイクロ波調理し、実施例1に係る春巻を得た。
<実施例2>
(1)で、ジグリセリンモノステアリン酸エステル(A1)(商品名:ポエムDS100A)0.5重量部、及び、グリセリンモノ脂肪酸エステル(A2)(商品名:エマルジーHRO)2重量部に代えて、ジグリセリンモノステアリン酸エステル(A1)(商品名:ポエムDS100A)1重量部、及び、グリセリンモノベヘニン酸エステルとグリセリンジベヘニン酸エステルとの混合物(A2)(商品名:ポエムB200、理研ビタミン株式会社製)1重量部を添加した以外は、実施例1と同様に行って、実施例2に係る春巻を得た。
<実施例3>
(1)で、パームオレイン(商品名:オパレスコSO)に代えて、精製パーム(商品名:ゴールデン精製パーム油、吉原製油株式会社製)とパームオレイン(商品名:オパレスコSO)との1:1のブレンド油を使用した以外は、実施例1と同様に行って、実施例3に係る春巻を得た。
<実施例4>
(1)で、ジグリセリンモノステアリン酸エステル(A1)(商品名:ポエムDS100A)0.5重量部、及び、グリセリンモノ脂肪酸エステル(A2)(商品名:エマルジーHRO)2重量部に代えて、ジグリセリンモノステアリン酸エステル(A1)(商品名:ポエムDS100A)1重量部、及び、グリセリンモノベヘニン酸エステルとグリセリンジベヘニン酸エステルとの混合物(A2)(商品名:ポエムB200)1重量部を添加した以外は、実施例3と同様に行って、実施例4に係る春巻を得た。
<実施例5>
(1)で、パームオレイン(商品名:オパレスコSO)に代えて、菜種油(商品名:ゴールデン菜種白絞油、吉原製油株式会社製)を使用した以外は、実施例1と同様に行って、実施例5に係る春巻を得た。
<実施例6>
(1)で、ジグリセリンモノステアリン酸エステル(A1)(商品名:ポエムDS100A)0.5重量部、及び、グリセリンモノ脂肪酸エステル(A2)(商品名:エマルジーHRO)2重量部に代えて、ジグリセリンモノステアリン酸エステル(A1)(商品名:ポエムDS100A)1重量部、及び、グリセリンモノ脂肪酸エステル(A2)(商品名:ポエムB200)1重量部を添加した以外は、実施例5と同様に行って、実施例6に係る春巻を得た。
<実施例7>
(1)で、ジグリセリンモノステアリン酸エステル(A1)(商品名:ポエムDS100A)0.5重量部、及び、グリセリンモノ脂肪酸エステル(A2)(商品名:エマルジーHRO)2重量部に代えて、ジグリセリンモノステアリン酸エステル(A1)(商品名:ポエムDS100A)1重量部、及び、グリセリンモノ脂肪酸エステル(A2)(商品名:エマルジーHRO)0.5重量部を添加した以外は、実施例3と同様に行って、実施例7に係る春巻を得た。
<実施例8>
(1)で、ジグリセリンモノステアリン酸エステル(A1)(商品名:ポエムDS100A)0.5重量部、及び、グリセリンモノ脂肪酸エステル(A2)(商品名:エマルジーHRO)2重量部に代えて、ジグリセリンモノステアリン酸エステル(A1)(商品名:ポエムDS100A)0.25重量部、及び、グリセリンモノベヘニン酸エステルとグリセリンジベヘニン酸エステルとの混合物(A2)(商品名:ポエムB200)1.25重量部を添加した以外は、実施例3と同様に行って、実施例8に係る春巻を得た。
<実施例9>
(1)で、ジグリセリンモノステアリン酸エステル(A1)(商品名:ポエムDS100A)0.5重量部、及び、グリセリンモノ脂肪酸エステル(A2)(商品名:エマルジーHRO)2重量部に代えて、グリセリンモノベヘニン酸エステルとグリセリンジベヘニン酸エステルとの混合物(A2)(商品名:ポエムB200)1.0重量部、及び、デカグリセリンヘプタベヘニン酸エステル(A2)0.5重量部を添加した以外は、実施例3と同様に行って、実施例9に係る春巻を得た。
<比較例1>
(1)春巻の皮(商品名:春捲皮)を15×15cm(約6.5g)にカッターで切断した。
(2)春巻きの素(商品名:手作り春巻の具)400g及び豚ミンチ肉600gで具材を調整した。
(3)そして、春巻の皮で、具材20gを包み込んだ後、2分40秒175℃の菜種油で油ちょう処理を行った。直ちに油切りを行い、−40℃のショックフリザーで急速凍結し、その16時間後、−15℃の冷凍庫で26時間凍結保管した。
(4)その後、凍結保管した春巻を電子レンジで700W1分30秒マイクロ波調理し、比較例1に係る春巻を得た。
<比較例2>
(1)で、ジグリセリンモノステアリン酸エステル(A1)(商品名:ポエムDS100A)0.5重量部、及び、グリセリンモノ脂肪酸エステル(A2)(商品名:エマルジーHRO)2重量部を添加しなかった以外は、実施例1と同様に行って、比較例2に係る春巻を得た。
<比較例3>
(1)で、ジグリセリンモノステアリン酸エステル(A1)(商品名:ポエムDS100A)0.5重量部、及び、グリセリンモノ脂肪酸エステル(A2)(商品名:エマルジーHRO)2重量部を添加しなかった以外は、実施例5と同様に行って、比較例3に係る春巻を得た。
<比較例4>
(1)で、グリセリンモノ脂肪酸エステル(A2)(商品名:エマルジーHRO)に代えて、ショ糖脂肪酸エステル製剤(A)(商品名:DKエステルR−10、第一工業薬品製)を添加した以外は、実施例1と同様に行って、比較例4に係る春巻を得た。
<比較例5>
(1)で、グリセリンモノ脂肪酸エステル(A2)(商品名:エマルジーHRO)2重量部に代えて、ショ糖脂肪酸エステル製剤(A)(商品名:DKエステルR−10)1重量部を添加した以外は、実施例1と同様に行って、比較例5に係る春巻を得た。
<比較例6>
(1)で、ジグリセリンモノステアリン酸エステル(A1)(商品名:ポエムDS100A)0.5重量部、及び、グリセリンモノ脂肪酸エステル(A2)(商品名:エマルジーHRO)2重量部に代えて、酢酸モノグリセライド(完全アセチル化)(A)(商品名:ポエムG002、理研ビタミン株式会社製)5重量部を添加した以外は、実施例1と同様に行って、比較例6に係る春巻を得た。
<比較例7>
(1)で、ジグリセリンモノステアリン酸エステル(A1)(商品名:ポエムDS100A)0.5重量部、及び、グリセリンモノベヘニン酸エステルとグリセリンジベヘニン酸エステルとの混合物(A2)(商品名:ポエムB200)1重量部に代えて、ジグリセリンモノステアリン酸エステル(A1)(商品名:ポエムDS100A)1重量部、及び、グリセリンモノベヘニン酸エステルとグリセリンジベヘニン酸エステルとの混合物(A2)(商品名:ポエムB200)4.5重量部を添加した以外は、実施例4と同様に行って、比較例7に係る春巻を得た。
<比較例8>
(1)で、ジグリセリンモノステアリン酸エステル(A1)(商品名:ポエムDS100A)0.5重量部、及び、グリセリンモノベヘニン酸エステルとグリセリンジベヘニン酸エステルとの混合物(A2)(商品名:ポエムB200)1重量部に代えて、ジグリセリンモノステアリン酸エステル(A1)(商品名:ポエムDS100A)0.2重量部、及び、グリセリンモノベヘニン酸エステルとグリセリンジベヘニン酸エステルとの混合物(A2)(商品名:ポエムB200)0.2重量部を添加した以外は、実施例4と同様に行って、比較例8に係る春巻を得た。
<評価方法>
実施例1〜9及び比較例1〜8に係る春巻に関して、パネラー15名によって、マイクロ波調理直後から経時的に食してもらい、パリパリした食感について「10:パリパリした食感が非常にある⇔1:パリパリした食感があまりない」の評価基準に基づき10段階で官能評価を行った。その結果の平均値を、表1及び表2に示す。なお、表1及び表2には、春巻皮改質用油脂組成物を製造する際に用いた油脂と乳化剤との配合(重量部)及び物性(融点、HLB)も示す。
ここで、ポエムB200は、グリセリンモノベヘニン酸エステルとグリセリンジベヘニン酸エステルとの混合物であるが、HLBが5以下であるグリセリン脂肪酸エステル(A2)のみから構成されているものである。
Figure 2005185210
Figure 2005185210
表1及び表2から明らかなように、実施例1〜9に係る春巻は、パリパリした食感を長時間持続させるものであった。
特に、実施例1〜8に係る春巻は、HLBが8.0であるジグリセリンモノステアリン酸エステル(A1)と、HLBが2.8又は4.3であるグリセリン脂肪酸エステル(A2)とからなる春巻皮改質用油脂組成物が塗布されているので、よりパリパリした食感を長時間持続させるものであった。
さらに、実施例1〜6に係る春巻は、HLBが8.0であるジグリセリンモノステアリン酸エステル(A1)と、HLBが2.8又は4.3であるグリセリン脂肪酸エステル(A2)との重量比(A1:A2)が、2:9〜3:2であるので、特にパリパリした食感を長時間持続させるものであった。
一方、比較例1〜6に係る春巻は、少なくとも2種のグリセリンステアリン酸エステル(A)からなる春巻皮改質用油脂組成物が塗布されていないので、経時的に食感を低下させた。また、比較例8及び9に係る春巻は、2種のグリセリン脂肪酸エステル(A)からなる春巻皮改質用油脂組成物が塗布されているが、油脂100重量部に対して、乳化剤を0.5重量部以上5重量部以下の範囲外で含有しているため、経時的に食感を低下させた。

Claims (4)

  1. 融点35℃以下の油脂100重量部に対して、乳化剤を0.5重量部以上5重量部以下で含有し、
    前記乳化剤は、少なくとも2種のグリセリン脂肪酸エステル(A)からなることを特徴とする春巻皮改質用油脂組成物。
  2. 前記乳化剤は、HLBが5.5以上10以下である少なくとも1種のグリセリン脂肪酸エステル(A1)と、HLBが5以下である少なくとも1種のグリセリン脂肪酸エステル(A2)とからなる請求項1記載の春巻皮改質用油脂組成物。
  3. HLBが5.5以上10以下である少なくとも1種のグリセリン脂肪酸エステル(A1)と、HLBが5以下である少なくとも1種のグリセリン脂肪酸エステル(A2)との重量比(A1:A2)が、2:9〜3:2である請求項2記載の春巻皮改質用油脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の春巻皮改質用油脂組成物を春巻の皮に塗布又は散布する春巻の製造方法。

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