JP2005183453A - 半導体装置の製造方法及び半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 回路面にはんだ突起電極が形成された半導体チップまたは回路基板に、フラックス活性を有する固体硬化剤が分散した液状エポキシ樹脂組成物を塗布し、電極が電気接合されるように回路基板と半導体チップとを位置合わせした後、半導体チップを位置決め装置の加熱ヘッドにて加熱することにより該突起電極と回路基板を電気的に接合し、樹脂を硬化させて製造する半導体装置の製造方法において、加熱の温度プロファイルがはんだ溶融温度まで昇温する過程で、加熱直後から該フラックス活性を有する固体硬化剤が液状熱硬化性樹脂に溶解する温度±30℃まで昇温速度10℃/秒以下で加熱し、その後はんだ溶融温度まで加熱する。
【選択図】 図2
Description
また、これらの方法は、はんだ融点まで急速に加熱するため、樹脂を硬化する際に、樹脂且つ又は基板から揮発成分によるボイドの問題があった。
(1)樹脂中の加熱温度範囲で揮発する成分を極力低減する。
(2)温度プロファイルの最適化
(3)樹脂の各基材への濡れ性改良
(4)樹脂の硬化性の最適化
(5)基板の予備乾燥
等が検討されているが十分ではなかった。
本発明の目的は、以下の(1)〜(4)に記載の本発明により達成される。
(1) 回路面にはんだ突起電極が形成された半導体チップまたは回路基板に、フラックス活性を有する固体硬化剤が分散した液状エポキシ樹脂組成物を塗布し、電極が電気接合されるように回路基板と半導体チップとを位置合わせした後、半導体チップを位置決め装置の加熱ヘッドにて加熱することにより該突起電極と回路基板を電気的に接合し、樹脂を硬化させて製造する半導体装置の製造方法において、加熱ヘッドの温度がはんだ溶融温度まで昇温する過程で、該フラックス活性を有する固体硬化剤が液状熱硬化性樹脂に溶解する温度−30℃から該フラックス活性を有する固体硬化剤が液状熱硬化性樹脂に溶解する温度+30℃までの間に昇温速度が3℃/秒以下である時間を1秒間以上設けることを特徴とする半導体装置の製造方法。
(2) 該フラックス活性を有する固体硬化剤が液状熱硬化性樹脂に溶解する温度−20℃から該フラックス活性を有する固体硬化剤が液状熱硬化性樹脂に溶解する温度+20℃までの間に昇温速度が3℃/秒以下である時間を1秒間以上設ける上記(1)記載の半導体装置の製造方法。
(3) フラックス活性を有する固体硬化剤が芳香族カルボン酸残基を含むものである上記(1)又は(2)記載の半導体装置の製造方法。
(4) 該液状エポキシ樹脂組成物が平均粒径6ミクロン以下、最大粒径30ミクロン以下の球状フィラーを含む液状エポキシ樹脂組成物である上記(1)(2)又は(3)記載の半導体装置の製造方法。
この様にして求めた溶解温度に対し、実際の接合温度プロファイルにおいて、その付近の温度での昇温速度(以下、特にこの範囲の昇温速度を温度勾配と称する)を3℃/秒以下になる時間を1秒間以上設定する。
温度勾配が3℃/秒以下になる時間を1秒間以上設定する温度は予め測定した固形硬化剤の溶解温度に対し±30℃の範囲の中で任意に設定することができる。この場合、該温度幅の一部が、溶解温度に対し±30℃の範囲に入っていれば良い。より好ましくは溶解温度±20℃の範囲で行なう。その中で温度勾配が3℃/秒以下になる時間を1秒間以上、好ましくは3秒間以上、より好ましくは5秒間以上設定する。温度勾配の見積もり方としては、(温度上昇幅/その間の経過時間)で概算する。
本発明の温度プロファイルを実現させる方法の一例としては、予め所定の温度にツールヘッドを加温し、チップを吸着し樹脂が塗布された回路基板に圧接する。ツールヘッドからの熱伝導で樹脂の溶解温度で所定の温度勾配を設定することができる。そして所定時間経過後ツールヘッドの温度を上昇させ、はんだ融点温度以上に設定するプロファイルにする。
本発明に用いるフラックス活性を有する固体硬化剤としては、芳香族カルボン酸残基を含み、水酸基を1分子中に少なくとも2つ以上含むことが好ましい。このようなフラックス活性を有する固体硬化物の例としては、例えば、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、没食子酸、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3,5−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、フェノールフタリン、ジフェノール酸等などを挙げることができる。
またフィラーの形状は球状であることが好ましい。いわゆる破砕型フィラーの場合はその鋭利な面により半導体素子表面の回路を破壊する恐れがあるからである。また、フィラーの粒径は平均粒径で6μm以下、最大粒径で30μm以下が必要である。これを超えるとはんだ接合時にフィラーにより妨げられ、接続不良を起こす可能性がある。
表1に記載の原材料を表1の処方(数値は重量部を示す)に従って秤量し、ミキサーにて混練し、真空脱泡後、液状樹脂組成物を作製した。次に特性を把握するため以下の代用特性を評価した。
(1)常態粘度:
25℃において東機産業(株)製E型粘度計で初期粘度(コーン回転数2.5rpm)及び25℃における0.5rpm/2.5rpmという比をチキソ比とした。
(2)半田バンプ接合率:
信頼性試験前の状態を確認する為、バンプ付きチップ(5mm□、Sn37Pb半田バンプ又はSn3.5Ag半田バンプ)、また対となる厚み0.75mmのFR4基板(パッド開口径:115μm、ソルダーレジスト:TAIYO製PSR−4000AUS5)を用いてバンプを垂直接続させたものを作製し、そこに生じるギャップに液状封止材を介在させることで封止を行った。そのバンプの接合性をテスターにより観察した。(サンプル数n=5、1チップあたりのバンプ数40)
(3)ボイド評価:
上記の半田バンプ接合率評価のために組み立てたパッケージを用いて、硬化した液状封止樹脂組成物内部のボイドの発生具合を日立建機ファインテック(株)製超音波探査映像装置にて観察し、ボイドが発生したものをNG,発生しなかったものをOKとして判定した。
(4)プロファイル設定及び接合方法例:
澁谷工業(株)製フリップチップボンダーDB200を用いて,基板、フリップチップを吸着したツールヘッドを予め所定の一定温度に加温し、基板上に液状封止樹脂を塗布する。直後にツールヘッドを下降させ、フリップチップを基板の所定の位置に設置させる。この状態で所定時間放置することにより、図2のように固形硬化剤が溶解する温度付近において、樹脂の温度勾配を緩やかに設定した。その後ツールヘッドを急加熱し、樹脂温度が図2のように設定させ、はんだの溶融、接合、樹脂の硬化を行なった。
ビスF型エポキシ樹脂:粘度;2,000mPa・s(25℃)
フラックス活性を有する固形硬化剤:2,5−ヒドロキシ安息香酸(融点202℃),フェノールフタリン(融点223℃),アジピン酸ジヒドラジド(融点173℃)
硬化促進剤:ジアザビシクロウンデセン(DBU)
球状シリカ:平均粒径:2μm、最大粒径:10μm
上記の測定結果を表1に示す。
*2 固形硬化剤溶解温度付近の昇温条件(上から:設定した温度幅、時間、その間の温度勾配(=温度幅/時間))
*3 *2プロファイル後の樹脂層温度昇温条件
*4 *2プロファイル後のツールヘッドの昇温条件
一方、比較例1−4では,加熱直後からの昇温速度が高く,同一時間での溶融における応答性が劣った為,溶融不足の固形硬化剤が残存した為,それを起因としたひけボイドが多く発生した。また、急加熱に原材料が耐え切れずに揮発してしまったことも要因ではないかと予想される。加えて,固形硬化剤は溶融後にフラックス活性を発現する為、溶融残渣の多い比較例1−4は半田バンプの接続性も低下傾向にあった。
2 回路基板
3 ホットプレート
4 ツールヘッド
5 フリップチップ
6 熱電対
7 固形硬化剤
Claims (4)
- 回路面にはんだ突起電極が形成された半導体チップまたは回路基板に、フラックス活性を有する固体硬化剤が分散した液状エポキシ樹脂組成物を塗布し、電極が電気接合されるように回路基板と半導体チップとを位置合わせした後、半導体チップを位置決め装置の加熱ヘッドにて加熱することにより該突起電極と回路基板を電気的に接合し、樹脂を硬化させて製造する半導体装置の製造方法において、加熱ヘッドの温度がはんだ溶融温度まで昇温する過程で、該フラックス活性を有する固体硬化剤が液状熱硬化性樹脂に溶解する温度−30℃から該フラックス活性を有する固体硬化剤が液状熱硬化性樹脂に溶解する温度+30℃までの間に昇温速度が3℃/秒以下である時間を1秒間以上設けることを特徴とする半導体装置の製造方法。
- 該フラックス活性を有する固体硬化剤が液状熱硬化性樹脂に溶解する温度−20℃から該フラックス活性を有する固体硬化剤が液状熱硬化性樹脂に溶解する温度+20℃までの間に昇温速度が3℃/秒以下である時間を1秒間以上設ける請求項1記載の半導体装置の製造方法。
- フラックス活性を有する固体硬化剤が芳香族カルボン酸残基を含むものである請求項1又は2記載の半導体装置の製造方法。
- 該液状エポキシ樹脂組成物が平均粒径6ミクロン以下、最大粒径30ミクロン以下の球状フィラーを含む液状エポキシ樹脂組成物である請求項1、2又は3記載の半導体装置の製造方法。
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