JP2005183309A - 燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】 反応ガス中での水蒸気の凝縮を防止し、各単電池やスタックに均一に加湿された反応ガスを導入して電池性能の均一性が改善された燃料電池を開発すること。
【解決手段】 複数のスタック部分11、12、・・・1nの各燃料ガス流路および酸化剤ガスに通ずる燃料ガス供給本管21および酸化剤ガス供給本管31をそれぞれ燃料ガス保温管4内および酸化剤ガス保温管5内に配置する。燃料ガス供給本管21内および酸化剤ガス供給本管31内には、それぞれ加湿された反応ガス、即ち燃料ガスおよび酸化剤ガスを導入し、一方、燃料ガス保温管4内および酸化剤ガス保温管5内には燃料電池の動作温度に加熱された保温流体を導入することで、上記反応ガス中に含まれている水蒸気が凝縮しないようにして各スタックへ均一に加湿された反応ガスを供給する。
【選択図】図1
【解決手段】 複数のスタック部分11、12、・・・1nの各燃料ガス流路および酸化剤ガスに通ずる燃料ガス供給本管21および酸化剤ガス供給本管31をそれぞれ燃料ガス保温管4内および酸化剤ガス保温管5内に配置する。燃料ガス供給本管21内および酸化剤ガス供給本管31内には、それぞれ加湿された反応ガス、即ち燃料ガスおよび酸化剤ガスを導入し、一方、燃料ガス保温管4内および酸化剤ガス保温管5内には燃料電池の動作温度に加熱された保温流体を導入することで、上記反応ガス中に含まれている水蒸気が凝縮しないようにして各スタックへ均一に加湿された反応ガスを供給する。
【選択図】図1
Description
本発明は、固体高分子形燃料電池などの燃料電池に関し、特に複数の燃料単電池間あるいは上記複数の燃料単電池を積層してなる複数のスタック間における電池性能の均一性が改善された燃料電池に関するものである。
後記の特許文献1から、固体高分子電解質膜からなる電解質層の二つの主面にそれぞれ燃料電極と酸化剤電極とを密着して配してなる燃料電池セルと、燃料電池セルの燃料電極側の側面に配された複数の燃料ガス通流用溝を有するセパレータと、燃料電池セルの酸化剤電極側の側面に配された複数の酸化剤ガス通流用溝を有するセパレータとを備えてなる単電池を複数個直列に積層し、その両端末に電気絶縁用の絶縁板を介在させて締付板を配設して加圧保持し、燃料電極に燃料ガスを、また酸化剤電極に酸化剤ガスを供給して直流電力を得る固体高分子電解質型燃料電池において、前記絶縁板が電気絶縁性に優れ熱伝導性の低い良電気絶縁性材料より形成されてなり、且つ、燃料電池積層体の積層方向と直交方向に位置する絶縁板の端面に、燃料ガスおよび酸化剤ガスのガス導入口とガス排出口のうち少なくとガス導入口が備えられてなる固体高分子電解質型燃料電池が従来から公知である。なお以下において誤解が生じない場合に限り、燃料ガスと酸化剤ガスの一方のみを、あるいは両ガスを含めて反応ガスと称することがある。
ところで、特許文献1における固体高分子形燃料電池のスタックでは、集電板の両端に熱伝導性の低い電気絶縁板を用いて端部単電池の温度低下を防ぐようにしているが、燃料電池に燃料ガスを供給する燃料ガス供給管路や酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給管路自体の局部的あるいは全体的なあり得べき温度低下のために、各単電池やスタックへの反応ガスの分配の際に加湿した反応ガスに含まれている水蒸気が凝縮し、かかる水蒸気凝縮のために加湿量の不足した反応ガスが各単電池やスタックに導入されて電池性能が低下する、あるいは電池性能にばらつきが生じる、などの問題がある。
特開平9−120833号公報(請求項1)
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、上記反応ガス中での水蒸気の凝縮を防止し、各単電池やスタックに均一に加湿された反応ガスを導入して電池性能の均一性が改善された燃料電池を開発することを目的とするものである。
本発明の請求項1係る燃料電池は、燃料電池に燃料ガスを供給する燃料ガス供給路、上記燃料電池に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給路、上記燃料ガス供給路および/または上記酸化剤ガス供給路を、上記燃料ガスおよび/または上記酸化剤ガスに含まれている水蒸気が凝縮しないように保温する保温手段を備えたことを特徴とするものである。
本発明によれば、反応ガスの温度を均一にできるために反応ガス中での水蒸気の凝縮を防止し、しかして反応ガスの加湿量を均一にできるので性能が均一なスタックを得ることができる。また反応ガスの温度を均一にできるので、反応ガス中の水蒸気の上記凝縮防止に加えて、反応ガスの温度上昇や低下を防止できて後記するガス導入装置を通して各燃料単電池へ均一に加湿された反応ガスを導入できるため、均一な性能の燃料単電池を得ることができる。さらに本発明によれば、反応ガスの保温にスタックで生じた発熱を有効に利用できるので、燃料電池の製造コストの低減や発電効率の向上などの効果もある。
以下において、説明の順位の早い図に示されたものと同じものが後続の図に示された場合には、後続の図においては同じものには同じ符号を付して、符号の説明を省略することがある。
実施の形態1.
図1は、本発明における燃料電池についての実施の形態1の概略構造説明図である。図1において、当該燃料電池は、複数個のスタック部分11、12、・・・1nを含むスタック1、燃料ガス供給管2、酸化剤ガス供給管3、燃料ガス保温管4、酸化剤ガス保温管5、および冷却水管6を備えている。スタック1中のスタック部分11は、複数個の固体高分子形燃料単電池111を積層して形成されており、燃料ガス排出口112および酸化剤ガス排出口113を備えている。固体高分子形燃料単電池111としては、斯界で周知あるいは公知のものであってよく、例えば固体高分子膜、当該記固体高分子膜の一方の面に配置された燃料電極、上記固体高分子膜の他方の面に配置された酸化剤電極、上記燃料電極に当接されて燃料ガスを供給するための燃料ガス流路を有する燃料ガス用導電性セパレータ、上記酸化剤電極に当接されて酸化剤ガスを供給するための酸化剤ガス流路を有する酸化剤ガス用導電性セパレータを備えたものである。他のスタック部分も、スタック部分11と同じ構造であって、例えば単電池スタック部分1iは、上記固体高分子形燃料単電池111と同構造の複数個の固体高分子形燃料単電池1i1を積層して形成されており、燃料ガス排出口1i2および酸化剤ガス排出口1i3を備えている。
図1は、本発明における燃料電池についての実施の形態1の概略構造説明図である。図1において、当該燃料電池は、複数個のスタック部分11、12、・・・1nを含むスタック1、燃料ガス供給管2、酸化剤ガス供給管3、燃料ガス保温管4、酸化剤ガス保温管5、および冷却水管6を備えている。スタック1中のスタック部分11は、複数個の固体高分子形燃料単電池111を積層して形成されており、燃料ガス排出口112および酸化剤ガス排出口113を備えている。固体高分子形燃料単電池111としては、斯界で周知あるいは公知のものであってよく、例えば固体高分子膜、当該記固体高分子膜の一方の面に配置された燃料電極、上記固体高分子膜の他方の面に配置された酸化剤電極、上記燃料電極に当接されて燃料ガスを供給するための燃料ガス流路を有する燃料ガス用導電性セパレータ、上記酸化剤電極に当接されて酸化剤ガスを供給するための酸化剤ガス流路を有する酸化剤ガス用導電性セパレータを備えたものである。他のスタック部分も、スタック部分11と同じ構造であって、例えば単電池スタック部分1iは、上記固体高分子形燃料単電池111と同構造の複数個の固体高分子形燃料単電池1i1を積層して形成されており、燃料ガス排出口1i2および酸化剤ガス排出口1i3を備えている。
冷却水管6からスタック部分11に供給された冷却水は、矢印Aの方向に流されてスタック部分11内の固体高分子形燃料単電池111間に設けられた冷却水路を通過することにより電池反応にて発熱した各固体高分子形燃料単電池111を冷却し、同様にスタック部分12、・・・1nを順次冷却する。
加湿された燃料ガスを供給する燃料ガス供給管2は、燃料ガス供給本管21、当該本管21から分岐した複数の燃料ガス分岐管22および燃料ガス導入管23から構成されていて、燃料ガス導入管23から燃料ガス供給本管21および燃料ガス分岐管22を介して複数個のスタック部分11、12、・・・1nに分配された上記の加湿燃料ガス、例えばスタック部分11に分配された上記加湿燃料ガスは、スタック部分11内の固体高分子形燃料単電池111中の各燃料ガス流路を経て燃料ガス排出口112から排出されるようになっている。一方、加湿された酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給管3は、酸化剤ガス供給本管31、当該本管31から分岐した複数の酸化剤ガス分岐管32および酸化剤ガス導入管33から構成されていて、酸化剤ガス導入管33から酸化剤ガス供給管本管31および酸化剤ガス分岐管32を介して複数個のスタック部分11、12、・・・1nに分配された上記の加湿酸化剤ガス、例えばスタック部分11に分配された上記加湿酸化剤ガスは、スタック部分11内の固体高分子形燃料単電池111中の各酸化剤ガス流路を経て酸化剤ガス排出口113から排出されるようになっている。他のスタック部分1iも同様である。
燃料ガス供給管2の燃料ガス導入部23、燃料ガス供給管本管21、および各燃料ガス分岐管22は、燃料ガス保温管4内に収容されていて当該保温管4内に流された保温流体、例えば保温ガスや保温水により保温されており、この保温により加湿燃料ガスに含まれている水蒸気の凝縮が防止されている。同様に、酸化剤ガス供給管3の酸化剤ガス導入部33、酸化剤ガス供給本管31、および各酸化剤ガス分岐管32は、酸化剤ガス保温管5内に収容され、当該保温管5内に流された上記のような保温流体により保温されており、この保温により加湿酸化剤ガスに含まれている水蒸気の凝縮が防止されている。なお図1の矢印B、矢印C、矢印D、矢印Eは、それぞれ燃料ガス保温管4内での保温流体の流れ方向、酸化剤ガス保温管5内での保温流体の流れ方向、燃料ガスの流れ方向、および酸化剤ガスの流れ方向、を示す。
上記保温流体としては、燃料ガス保温管4および酸化剤ガス保温管5内の燃料ガス供給管2および酸化剤ガス供給管3をそれぞれ上記した程度に保温可能である限り、気体、液体、あるいはその他の流体であってよく、またかかる保温流体は任意の方法で保温に必要な温度に加熱されてよい。ところで燃料ガス排出口112および酸化剤ガス排出口113からは、それぞれ電池反応に基づいて加熱された燃料排ガスおよび酸化剤排ガスが排出され、また冷却水管6内の、複数個のスタック部分11、12、・・・1nを順次通過した冷却水は、供給する燃料ガスや酸化剤ガスの温度以上の温度に加熱されている。よって、燃料ガス排出口1i2および酸化剤ガス排出口1i3を、あるいは冷却水管6を燃料ガス保温管4および酸化剤ガス保温管5に接続し、燃料排ガス、酸化剤排ガス、あるいは高温度の冷却水を燃料ガス保温管4や酸化剤ガス保温管5に供給することで、電池反応熱により加熱されているそれらの保温流体にて必要な保温が達成され、しかも廃熱を有効利用できて燃料電池の発電効率が向上し、またさらに当該燃料電池の製造コストを削減できる利点がある。
実施の形態2.
図2は、本発明における燃料電池についての実施の形態2の概略構造説明図である。図2において、当該燃料電池は、スタック1、燃料ガス供給管2、酸化剤ガス供給管3、燃料ガス保温管4、酸化剤ガス保温管5、冷却水管6、および複数個のガス導入装置部分71、72、・・・7n+1を含むガス導入装置7を備えている。
図2は、本発明における燃料電池についての実施の形態2の概略構造説明図である。図2において、当該燃料電池は、スタック1、燃料ガス供給管2、酸化剤ガス供給管3、燃料ガス保温管4、酸化剤ガス保温管5、冷却水管6、および複数個のガス導入装置部分71、72、・・・7n+1を含むガス導入装置7を備えている。
実施の形態2における燃料ガス供給管2、酸化剤ガス供給管3、燃料ガス保温管4、および酸化剤ガス保温管5は、前記実施の形態1におけるそれらと互いに同構造を有する。実施の形態2におけるスタック1は、複数個のスタック部分11、12、・・・1nを含む点においては実施の形態1のそれと同構造であるが、隣接するスタック部分間に前記ガス導入装置部分を挟設する点、各スタック部分毎に実施の形態1におけるような燃料ガス排出口112と酸化剤ガス排出口113を有さず、全スタック部分に共通の燃料ガス排出口101と酸化剤ガス排出口102とを有する点において異なる。しかしてスタック部分11に含まれている固体高分子形燃料単電池111の燃料ガス流路および酸化剤ガス流路の各出口は、それぞれ燃料ガス排出口101および酸化剤ガス排出口102に連通されている。スタック部分1iの燃料ガス流路および酸化剤ガス流路も同様である。
ガス導入装置部分71は、スタック1の図2上での左端に、換言するとスタック部分11の左側面に接して設置されており、ガス導入装置部分72はスタック部分11とスタック部分12との間に、ガス導入装置部分73はスタック部分12とスタック部分13との間に、・・・ガス導入装置部分7iはスタック部分7i−1とスタック部分7iとの間に、それぞれ挟設されており、ガス導入装置部分7n+1はスタック1の図2上での右端に、換言するとスタック部分7nの右側面に接して設置されている。ガス導入装置部分71は、燃料ガス供給管2から供給される燃料ガスおよび酸化剤ガス供給管3から供給される酸化剤ガスをスタック部分11内の各固体高分子形燃料単電池111の各燃料ガス流路および各酸化剤ガス流路にそれぞれ導入する機能をなし、ガス導入装置部分7iは、スタック部分7i−1とスタック部分7i内の各固体高分子形燃料単電池111の各燃料ガス流路および各酸化剤ガス流路にそれぞれ導入する機能をなす。上記の各ガス導入装置部分は、上記したガス導入機能を奏し得る限りその構造は特に制限はなく、例えば板の片面あるいは両面にガス流路となる溝を掘設したガス導入板などが例示される。なおかかるガス導入板は、文字通り板体であって嵩張らないのでスタック1を、ひいては燃料電池の全体をコンパクト化、小型化し得る利点がある。
実施の形態3.
図3は、本発明における燃料電池についての実施の形態3の部分概略斜視図である。図3において、当該燃料電池は、スタック1、2本の燃料ガス供給管2、2本の酸化剤ガス供給管3、燃料ガス保温管4、酸化剤ガス保温管5、および冷却水管(図示せず)を備えている。2本の燃料ガス供給管2のいずれもは、燃料ガス導入管23とそれに続く燃料ガス供給本管21とから構成されていて、燃料ガス供給本管21の他端はスタック1に接続されている。また燃料ガス供給本管21の大部分は、燃料ガス保温管4内でL字状を呈して収容されて保温されている。同様に、2本の酸化剤ガス供給管3のいずれもは、酸化剤ガス導入管33とそれに続く酸化剤ガス供給本管31とから構成されていて、酸化剤ガス供給本管311の他端はスタック1に接続されている。また酸化剤ガス供給本管31の大部分は、酸化剤ガス保温管5内でL字状を呈して収容されて保温されている。
図3は、本発明における燃料電池についての実施の形態3の部分概略斜視図である。図3において、当該燃料電池は、スタック1、2本の燃料ガス供給管2、2本の酸化剤ガス供給管3、燃料ガス保温管4、酸化剤ガス保温管5、および冷却水管(図示せず)を備えている。2本の燃料ガス供給管2のいずれもは、燃料ガス導入管23とそれに続く燃料ガス供給本管21とから構成されていて、燃料ガス供給本管21の他端はスタック1に接続されている。また燃料ガス供給本管21の大部分は、燃料ガス保温管4内でL字状を呈して収容されて保温されている。同様に、2本の酸化剤ガス供給管3のいずれもは、酸化剤ガス導入管33とそれに続く酸化剤ガス供給本管31とから構成されていて、酸化剤ガス供給本管311の他端はスタック1に接続されている。また酸化剤ガス供給本管31の大部分は、酸化剤ガス保温管5内でL字状を呈して収容されて保温されている。
さらにスタック1を構成する複数の固体高分子形燃料単電池111のそれぞれは、二つの燃料ガス流路および二つの酸化剤ガス流路を有し、2本の燃料ガス供給管2からは上記二つの燃料ガス流路に別々に燃料ガスが供給され、同様に2本の酸化剤ガス供給管3からは上記二つの酸化剤ガス流路に別々にと酸化剤ガスが供給される。
各固体高分子形燃料単電池111のそれぞれに、上記のように二通路で燃料ガスおよび酸化剤ガスを供給することにより当該セル111内のガス温度が一通路の場合よりも均一の程度が向上する利点がある。なお実施の形態3は、上記のように二通路としたが、各固体高分子形燃料単電池111のそれぞれに三通路以上の燃料ガス通路および酸化剤ガス通路を設けて、それぞれに個別に燃料ガスおよびを酸化剤ガス供給するようにしてもよい。
以上、本発明を実施の形態1〜実施の形態3により詳細に説明したが、本発明は、それらの実施の形態に制限されるものではなく、本発明の課題並びにその解決手段の精神に沿った種々の形態を包含する。例えば実施の形態1および実施の形態2において、燃料ガス保温管4内に流される保温流体は、燃料ガス保温管4の任意の1個所から纏めて、あるいは複数の個所から分散して燃料ガス保温管4内に導入されてよいが、一般的には保温流体の燃料ガス保温管4内への導入個所の複数を可及的均一に分散して設置し、かかる複数箇所から分散して流すようにすると、燃料ガス保温管4内の保温が均一化して複数個のスタック部分11、12、・・・1nに供給される燃料ガスの加湿の程度が安定化して均一なスタック性能を得ることができる。上記と同様のことが酸化剤ガス保温管5に就いても当てはまる。
また実施の形態1および実施の形態2においては、燃料ガス保温管4内に燃料ガス供給管2が設置されているが、燃料ガス供給管2内に燃料ガス保温管4を設置してもよい。また実施の形態1および実施の形態2においては、燃料ガス保温管4内に燃料ガス供給管2が設置された二重管構造であったが、保温流体通路内に燃料ガス通路を設置し、さらに当該燃料ガス通路内に保温流体通路を設置した三重管、さらには保温流体通路と燃料ガス通路とが交互となる三重管以上の多重管構造としてもよく、その際、二重管構造の場合も含めて燃料ガスと保温流体との熱交換率が一層良好となるように、燃料ガス通路および/または保温流体通路の管壁に伝熱フィンを設けるとよい。あるいは一本または複数本の燃料ガス供給管を一本の燃料ガス保温管に巻き付け、巻き付けた燃料ガス供給管の燃料ガス保温管と非接触の表面にスポンジ、保温シートなどの断熱材を施すようにしてもよい。上記と同様のことは、酸化剤ガスガス保温管5と酸化剤ガス供給管3との関係についても当てはまる。
実施の形態3では、スタック1に2本の燃料ガス供給管2と2本の酸化剤ガス供給管3とが接続されたが、スタック1に3本以上の燃料ガス供給管2と3本以上の酸化剤ガス供給管3とが接続されるようにしてもよい。その場合には、スタック1を構成する複数の固体高分子形燃料単電池111のそれぞれは、三つ以上の燃料ガス流路および三つ以上の酸化剤ガス流路を有し、別々に燃料ガスや酸化剤ガスが供給される。
本発明から得られる燃料電池は、電池性能におけるバラツキが少なく、また所定の電池性能を安定的に備えているので、そのような性能が要求される種々の用途に利用される可能性が高い。
1 スタック、11、12、・・1n スタック部分、
111 固体高分子形燃料単電池、112 燃料ガス排出口、
113 酸化剤ガス排出口、101 燃料ガス排出口、102 酸化剤ガス排出口、
2 燃料ガス供給管、21 燃料ガス供給本管、22 燃料ガス分岐管、
23 燃料ガス導入管、3 酸化剤ガス供給管、31 酸化剤ガス供給本管、
32 酸化剤ガス分岐管、33 酸化剤ガス導入管、4 燃料ガス保温管、
5 酸化剤ガス保温管、6 冷却水管、7 ガス導入装置、
71、72、・・・7n+1 ガス導入装置部分。
111 固体高分子形燃料単電池、112 燃料ガス排出口、
113 酸化剤ガス排出口、101 燃料ガス排出口、102 酸化剤ガス排出口、
2 燃料ガス供給管、21 燃料ガス供給本管、22 燃料ガス分岐管、
23 燃料ガス導入管、3 酸化剤ガス供給管、31 酸化剤ガス供給本管、
32 酸化剤ガス分岐管、33 酸化剤ガス導入管、4 燃料ガス保温管、
5 酸化剤ガス保温管、6 冷却水管、7 ガス導入装置、
71、72、・・・7n+1 ガス導入装置部分。
Claims (7)
- 燃料電池に燃料ガスを供給する燃料ガス供給路、上記燃料電池に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給路、上記燃料ガス供給路および/または上記酸化剤ガス供給路を、上記燃料ガスおよび/または上記酸化剤ガスに含まれている水蒸気が凝縮しないように保温する保温手段を備えたことを特徴とする燃料電池。
- 上記燃料電池は、固体高分子膜、上記固体高分子膜の一方の面に配置された燃料電極、上記固体高分子膜の他方の面に配置された酸化剤電極、上記燃料電極に当接されて燃料ガス流路を有する燃料ガス用導電性セパレータ、上記酸化剤電極に当接されて酸化剤ガス流路を有する酸化剤ガス用導電性セパレータを備えた燃料単電池の複数を積層した一または複数のスタックを含むものであり、上記燃料ガス供給路および上記酸化剤ガス供給路は、それぞれ上記一または複数のスタック内の上記燃料単電池の各燃料ガス流路および酸化剤ガス流路に燃料ガスおよび酸化剤ガスを供給することを特徴とする請求項1記載の燃料電池。
- 上記複数のスタック中の互いに隣接する二つのスタック間に、上記燃料ガス供給路および上記酸化剤ガス供給路から供給された燃料ガスおよび酸化剤ガスを上記隣接する二つのスタック内の上記燃料単電池の各燃料ガス流路および酸化剤ガス流路に燃料ガスおよび酸化剤ガスをそれぞれ導入するガス導入装置を有することを特徴とする請求項2記載の燃料電池。
- 上記保温手段は、保温用流体を流すことによって上記燃料ガス供給路および/または上記酸化剤ガス供給路を保温するものであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項記載の燃料電池。
- 上記保温用流体は、上記燃料電池から排出される排ガスであることを特徴とする請求項4記載の燃料電池。
- 上記保温用流体は、上記燃料電池を冷却することにより温度上昇した冷却媒体であることを特徴とする請求項4記載の燃料電池。
- 上記保温手段は、上記燃料ガス供給路および/または上記酸化剤ガス供給路の内壁および/または外壁に対して保温作用をなすものであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項記載の燃料電池。
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JP (1) | JP2005183309A (ja) |
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- 2003-12-22 JP JP2003425341A patent/JP2005183309A/ja not_active Withdrawn
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