JP2005183285A - 開閉装置 - Google Patents

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剛 西田
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保幸 桝井
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Abstract

【課題】 構成部品である永久磁石が損傷,劣化しにくく、遮断性能を向上させて装置を小型化できるとともに、開閉特性の信頼性を向上できる開閉装置を提供することにある。
【解決手段】 自由端部に固定接点78を設けた固定接点端子76のうち、前記固定接点78の近傍に永久磁石77を配置するとともに、前記固定接点78に可動接触片62が接離する開閉装置である。そして、前記固定接点端子76のうち、前記固定接点78と前記永久磁石77との間に巾狭部76bを設けて角部76cを形成した。
【選択図】図18

Description

本発明は開閉装置、特に、電流を開閉する電磁継電器、スイッチ、タイマー等の開閉装置に関する。
従来、直流電流を遮断する開閉装置としては、例えば、特許文献1に開示された密閉型リレー装置がある。
すなわち、中空キャビテイ40中のコイル26の励磁,消磁に基づき、プランジャ9がコアセンター4に接離し、前記プランジャ9に一体化されたアーマチュアアセンブリ8およびアーマチュアシャフト10が軸心方向にスライド移動することにより、可動接点ディスク21が固定接点22,22に接離する。
前記密閉型リレー装置では、可動接点ディスク21を固定接点22,22に接離する際に生じたアーク電流を、固定接点22の内部に組み込んだ永久磁石30の磁力で外方に引き伸ばして遮断するようにしてある。
しかし、前記アーク電流を引き伸ばして遮断するためには所定の引き伸ばし量を必要とする。このため、前記密閉型リレー装置では、固定接点22および可動接点ディスク21を収納した構造3を小さくできず、装置の小型化に限界があった。
また、前述の密閉型リレー装置によれば、永久磁石30を取り付ける方向性、いわゆる極性を仕様通りに配置したとしても、使用時に電流を流す方向が仕様の逆方向になると、発生したアーク電流が内方に引き伸ばされ、遮断することが困難となる。さらに、前記密閉型リレー装置で交流電流を開閉しようとすると、交流電流では流れる電流の方向が定期的に変化するので、開閉の際に生じたアーク電流が外方のみならず、内方にも引き伸ばされる。この結果、発生したアーク電流を確実に遮断することが容易でなく、開閉特性の信頼性が低かった。
このため、本願出願人は、前述の不具合を解消すべく、特願2002−233201号(特許文献2)において、例えば、固定接点端子76の先端部に固定接点を配置するとともに、前記固定接点の近傍に永久磁石77を配置してアーク電流を確実に遮断する開閉装置を提案している。
特表平9−510040号公報 特願2002−233201号
しかしながら、前述の開閉装置に準ずる構造として、例えば、図19および図20に示すように、固定接点端子1の自由端部に1個の固定接点3を設けるとともに、前記固定接点3の近傍に永久磁石2を配置したものが考えられる(図19A)。そして、前記固定接点3に可動接点4が接触した後、開離する際にアーク電流5が生じると(図19B)、永久磁石2の磁束の影響により、アーク電流5がフレミングの左手の法則に基づいて磁場の向きと直角に交差する方向に引き伸ばされる。さらに、アーク電流5の発生源が永久磁石2と固定接点端子1とからなる隅部に移動するため、アーク熱によって永久磁石2が損傷、劣化しやすいという問題点がある。
本発明は、前記問題点に鑑み、構成部品である永久磁石が損傷,劣化しにくく、遮断性能を向上させて装置を小型化できるとともに、開閉特性の信頼性を向上できる開閉装置を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段および発明の効果
本発明にかかる開閉装置は、前記目的を達成するため、自由端部に固定接点を設けた固定接点端子のうち、前記固定接点の近傍に永久磁石を配置するとともに、前記固定接点に可動接点が接離する開閉装置であって、前記固定接点端子のうち、前記固定接点と前記永久磁石との間に位置する両側縁部に切り欠き部をそれぞれ設けて巾狭部を形成した構成としてある。
本発明によれば、切り欠き部を設けて形成した巾狭部により、永久磁石の手前側に角部が形成される。一方、アーク電流の発生源は角部に集まりやすいという特性がある。このため、接点の開離時にアーク電流が可動接点と固定接点との間に生じて引き伸ばされ、アーク電流の発生源が移動しても、巾狭部によって形成された角部がアーク電流の発生源となり、永久磁石がアーク電流の発生源となることがない。この結果、永久磁石がアーク熱で損傷,劣化することがなくなる。
本発明の実施形態としては、前記切り欠き部が方形、あるいは、円弧であってもよい。
本実施形態によれば、前述の請求項1と同様、永久磁石の手前側に、アーク電流の発生源となりやすい角部が形成されるので、永久磁石がアーク電流の発生源となることがなく、永久磁石がアーク熱で損傷,劣化しない開閉装置を得られるという効果がある。
本発明にかかる実施形態を図1ないし図18の添付図面に従って説明する。
本実施形態は直流負荷開閉用リレーに適用した場合であり、図1および図2に示すように、一体化した箱形ケース10と箱形カバー15とで仕切られた空間内に、リレー本体20が収納されている。
前記箱形ケース10は、図2に示すように、後述する電磁石ブロック30を収納可能な凹所11を有し、対角線上に位置する一対の平面隅部に固定用貫通孔12をそれぞれ設けてあるとともに、残る平面隅部に接続用凹部13を設けてある。前記貫通孔12内には補強用筒体12aを圧入してあるとともに、前記接続用凹部13内には接続用ナット13aを嵌合してある。
前記箱形カバー15は、前記箱形ケース10に嵌合可能であるとともに、後述する封止ケースブロック40を収納可能な形状を有している。さらに、前記箱形カバー15の天井面には、後述するリレー本体20の接続端子75,85が突出する接続孔16,16が設けられているとともに、ガス抜きパイプ21を収納できる突部17,17が突設されている。前記突部17,17は仕切壁18で連結され、これらは絶縁壁としての機能をも有している。そして、前記箱形カバー15の下方開口縁部に設けた係合孔19を、前記箱形ケース10の上方開口縁部に設けた係合爪14に係合することにより、両者は結合一体化される。
リレー本体20は、図2および図3に示すように、電磁石ブロック30に搭載した封止ケースブロック40内に接点機構ブロック50を密封したものである。
前記電磁石ブロック30は、図4に示すように、コイル31を巻回した一対のスプール32,32を並設し、かつ、2本の鉄芯37,37および板状ヨーク39を介して一体化されている。
前記スプール32は上下両端に設けた鍔部32a,32bのうち、下方側鍔部32aの対向する両側端面に中継端子34,35を側方からそれぞれ圧入してある。そして、前記スプール32に巻回したコイル31は、その一端部を一方の中継端子34の一端部(からげ部)34aにからげてハンダ付けしてあるとともに、その他端部を他方の中継端子35の一端部(からげ部)35aにからげてハンダ付けしてある。そして、前記中継端子34,35は、前記からげ部34aを曲げ起こしてあるとともに、その他端部(連結部)35bをも曲げ起こしてある。ついで、並設したスプール32,32に組み付けた中継端子34,35のうち、隣接する一方の中継端子35の連結部35bと他方の中継端子34のからげ部34aとを接合してハンダ付けする。さらに、隣接する一方の中継端子35のからげ部35aと他方の中継端子34の連結部34bとを接合してハンダ付けすることにより、2本のコイル31,31が接続される。そして、前記スプール32の上下の鍔部32a,32bにコイル端子36,36がそれぞれ架け渡され、前記中継端子34,35の連結部34b,35bにそれぞれ接続される(図3)。
封止ケースブロック40は、後述する接点機構ブロック50を収納可能な封止ケース41と、前記封止ケース41の開口部を封止する封止カバー45とからなるものである。前記封止ケース41の底面には鉄芯37を圧入するための一対の圧入孔42を設けてある(図6)。そして、圧入孔42,42間には、相互に連通するスリット43を設けてある。一方、前記封止カバー45は、図3に示すように、その凹所45aの底面に、後述する接点機構ブロック50の接続端子75,85を挿通できる一対の挿通孔46,46と、ガス抜きパイプ21を遊嵌できる遊嵌孔47とを設けてある。
前記電磁石ブロック30と封止ケース40との組立は、次の手順で行われる。
まず最初に、スプール32の一方の鍔部32aに中継端子34,35をそれぞれ圧入するとともに、前記スプール32にコイル31を巻回し、引出し線を前記中継端子34,35のからげ部34a,35aにそれぞれからげてハンダ付けする。ついで、前記中継端子34,35のからげ部34a,35aおよび連結部34b,35bを曲げ起こした一対のスプール32を並設する。そして、隣接する中継端子35のからげ部35aと他の中継端子34の連結部34bとを接合してハンダ付けする。さらに、隣接する中継端子35の連結部35bと他の中継端子34のからげ部34aとを接合してハンダ付けすることにより、コイル31,31を接続する。
一方、図6に示すように、封止ケース41の底面に設けた圧入孔42に鉄芯37をそれぞれ挿入し、突出する鉄芯37の軸部37aにパイプ38を嵌合する。そして、前記鉄芯37の軸心方向に前記パイプ38の開口縁部から加圧する。前記鉄芯37は、その軸部37aの直径が封止ケース41の圧入孔42の直径およびパイプ38の内径よりも小さい。しかし、鉄芯37の首下部37bの直径は封止ケース41の圧入孔42の直径およびパイプ38の内径よりも大きい。このため、鉄芯37の軸心方向に加圧すると、鉄芯37の首下部37bが封止ケース41の圧入孔42を押し広げて圧入するとともに、パイプ38の内径を押し広げて圧入する。さらに、前記パイプ38の開口縁部および鉄心37の頭部(磁極部)37cが、圧入孔42の開口縁部に上下から圧着する。したがって、封止ケース41の圧入孔42の開口縁部は三方からカシメ固定される。
本実施形態によれば、封止ケース41が鉄芯37およびパイプ38よりも熱膨張係数の大きい素材、例えば、アルミニウムで形成してあるので、温度が変化しても、気密性が損なわれないという利点がある。
なぜならば、温度が上昇して各部品が膨張しても、封止ケース41の厚さ方向の膨張が他部品よりも相対的に大きいので、封止ケース41が鉄芯37の頭部37cとパイプ38とでより一層強く挟持されるからである。一方、温度が低下して各部品が収縮しても、封止ケース41の圧入孔42の直径方向における収縮が他部品よりも相対的に大きいので、鉄芯37の首下部37bを締め付けるからである。なお、気密性を確保しつつ、熱ストレスの発生を防止するためには、鉄芯37とパイプ38との熱膨張係数がほぼ等しいことが好ましい。
また、封入ケース41が加工しやすいアルミニウムで形成されていれば、封入作業が容易になるとともに、水素が透過しにくくなるという利点がある。
さらに、本実施形態によれば、封止ケース41の底面にスリット43が設けられているので、図16に示すように、鉄芯37に磁束の変化が生じても、渦電流の発生を阻止できる。このため、前述の渦電流による磁束の発生を阻止することにより、後述する可動鉄片67の復帰動作が緩慢になることを防止できる。この結果、復帰時間の遅延による遮断性能の低下を防止できるという利点がある。
なお、渦電流の発生を阻止する方法は前述のように圧入孔42,42に連通するスリット43を設ける場合だけでなく、例えば、前記圧入孔42,42の周囲に相互に連通しない少なくとも1本の切り欠き部をそれぞれ設けてもよい。また、封止ケース41の底面のうち、圧入孔42の周囲に位置する部分に肉厚の異なる凹凸面を形成して電気抵抗を増大させることにより、渦電流の発生を抑制してもよい。
そして、図4に示すように、前記スプール32の中心孔32cに鉄芯37およびパイプ38をそれぞれ挿入し、突出する鉄芯37の先端部をヨーク39のカシメ孔39aに挿通し、カシメて固定することにより、封止ケース41を搭載した電磁石ブロック30が完成する。なお、前記ヨーク39とスプール32の鍔部32aとの間には、絶縁性能を高めるために絶縁シート39bが配置されている。
ついで、スプール32の上下の鍔部32a,32bにコイル端子36をそれぞれ架け渡すとともに、コイル端子36の下端部を中継端子34,35の連結部34b,35bに連結することにより、電磁石ブロック30と封止ケース41との組み付け作業が完了する。そして、シール材98を封止ケース41の底面に注入,固化してスリット43を封止する。前記シール材98は、例えば、エポキシ樹脂にアルミナ粉末を添加したものであり、固化すると、アルミニウムとほぼ同等の線膨張率を有する。
接点機構ブロック50は、図3に示すように、可動接点ブロック60と、その両側に組み付けられる固定接点ブロック70,80と、これらに嵌合してユニット化する絶縁ケース90と、からなるものである。
前記可動接点ブロック60は、図7に示すように、可動絶縁台61に可動接触片62および一対の接点圧用コイルバネ63,63を抜け止め具64を介して組み付けたものである。さらに、前記可動絶縁台61には、一対のリベット68,68を介して復帰用コイルバネ65、可動鉄片66および遮磁板67をカシメ固定してある。
前記可動絶縁台61は、その中央部上面に突設したガイド用突部61aの両側に、前記コイルバネ63を脱落しないように収納できる深溝61b,61bを形成してある。さらに、前記可動絶縁台61は、その下面中央に断面略十文字形状の脚部61cを突設するとともに、その両側天井面に前記復帰用コイルバネ65を位置決めする凹部61d,61d(奥側の凹部61dは図示せず)を形成してある。
また、前記可動接触片62は、肉厚の帯状導電材の両端部を半円形にするとともに、その中央にガイド用長孔62aを設けたものである。一方、前記コイルバネ63は、前記可動接触片62に接点圧を付与するためのものであり、前記可動接触片62を下方側に常時付勢する。
したがって、可動接点ブロック60を組み立てるには、まず最初に、前記可動絶縁台61のガイド用突部61aに可動接触片62のガイド用長孔62aを嵌合する。ついで、深溝61b,61bに一対のコイルバネ63,63を嵌合するとともに、抜け止め具64を組み付けて位置決めする。さらに、前記可動絶縁台61の凹部61d,61dに位置決めした復帰用コイルバネ65,65内に、可動鉄片66のカシメ孔66aおよび遮磁板67のカシメ孔67aに挿通したリベット68,68を挿入する。そして、可動絶縁台61のカシメ孔61e,61eおよび抜け止め具64のカシメ孔64aに挿通した後、前記リベット68をカシメ固定して一体化することにより、組立作業が完了する。本実施形態によれば、コイルバネ63のバネ力によって可動接触片62は常時、下方側に付勢されてガタツキを生じない。
前記固定接点ブロック70,80は、図8および図9に示すように、同一形状,同一構造を有し、樹脂成形品である固定接点台71,81に、接続端子75,85をカシメ固定した断面略C字形の固定接点端子76,86および永久磁石77,87をそれぞれ組み付けたものである。
前記固定接点台71,81は、対向面側の上下縁部に突き合せ用突部72,73および82,83をそれぞれ突設してある。特に、前記突部72,73および82,83は、その先端面に相互に嵌合可能な嵌合用突起71a,81aおよび孔71b,81bをそれぞれ設けてある。さらに、前記突部73および83は、図14に示すように、その上面基部に切り欠き溝73a,83aをそれぞれ設けることにより、断面略逆T字形の絶縁溝を形成できる。これは、接点開閉時に生じる接点飛散粉が内部表面に飛散しても、前記接点飛散粉が前記切り欠き溝73a,83aの内側隅部に付着できないことから、短絡回路を形成しないようにするためである。なお、前記切り欠き溝73a,83aは常に両方を設ける必要はなく、片側だけに設けて断面略L字形の絶縁溝を形成してもよい。
前記固定接点端子76,86は、図8および図9に示すように、その下辺先端部に固定接点部78,88をそれぞれカシメ固定してある一方、その下辺隅部に永久磁石77,87をそれぞれ組み付けてある。さらに、前記固定接点端子76,86は、その方形外向面の中心から若干、下方側に位置規制用突起76a,86aを突き出し加工で設けてある。前記突起76a,86aは後述する絶縁ケース90の内周面に圧接することにより(図13)、固定接点端子76,86を位置規制し、固定接点78,88の位置決め精度を向上させる。また、前記固定接点端子76,86は、前記固定接点部78,88と永久磁石77,87との間に位置する部分に巾狭部76b,86bをそれぞれ形成してある。これは、前記永久磁石77,87の手前に角部76c,86cをそれぞれ形成することにより、アーク電流の発生源が前記永久磁石77,87に移動しないようにするためである。
前記絶縁ケース90は、図3に示すように、接点機構ブロック50をユニット化するためのものである。そして、前記絶縁ケース90は、その上面に設けた端子孔91,91を結ぶ中心線の両側に対称となるように一対のガス抜き孔92,92を設けてある(図3、図10A)。一対のガス抜き孔92を対称に設けたのは、組立時の方向性を解消するためである。さらに、前記ガス抜き孔92の開口縁部には、シール材の侵入を防止するための環状突部93を一体成形しておいてもよい(図10B)。
次に、前記接点機構ブロック50の組立て手順について説明する。
まず、組み立てた可動接点ブロック60の前記復帰バネ65の下端側を持ち上げつつ、可動絶縁台61の両側から固定接点ブロック70,80を組み付け、突き合せ用突部72,73の突起71a、孔71bに、突き合せ用突部82,83の孔81b、突起81aをそれぞれ嵌合して突き合せる。これにより、固定接点台71,81間に操作孔51,52が形成される。さらに、前記固定接点ブロック70,80に絶縁ケース90を嵌合することにより、端子孔91,91から前記接続端子75,85がそれぞれ突出し、接点機構ブロック50が完成する。このとき、ガス抜き孔92,92と操作孔51,52とがそれぞれ同一軸心上に位置し、連通する(図15)。
ついで、電磁石ブロック30に搭載した封止ケース41に前記接点機構ブロック50を挿入すると(図12)、固定接点台70,80の脚部74,84が鉄芯37の磁極部である頭部37cにそれぞれ当接し、可動鉄片66が遮磁板67を介して磁極部37cに接離可能に対向する。そして、絶縁ケース90のガス抜き孔92,92および固定接点台71,81間に設けた操作孔51,52を介して一対の測定用プローブ(図示せず)を挿入する。ついで、抜け止め具64にカシメ固定したリベット68,68を押圧,解除することにより、可動接点ブロック60を上下動させて接触圧,コンタクトギャップ等の動作特性を測定する。その結果、動作特性が許容範囲外であれば、微調整を行い、許容範囲内であれば、前記封止ケース41に封止カバー45を嵌合して溶接一体化する(図11B)。さらに、遊嵌孔47から絶縁ケース90のガス抜き孔92にガス抜きパイプ21を圧入する。そして、前記封止カバー45に、エポキシ樹脂等からなるシール材98と同一のシール材99を注入,固化することにより、接続端子75,85およびガス抜きパイプ21の基部周辺をシールする(図11C)。さらに、前記ガス抜きパイプ21から封止ケース40内の空気を抜き、所定の混合ガスを注入した後、前記ガス抜きパイプ21をカシメて封止する。最後に、前記スプール32の一対の鍔部32a,32bにコイル端子36を架け渡して取り付けることにより、リレー本体20が完成する(図2)。
本実施形態によれば、一方のガス抜き孔92はガス抜きパイプ21で密閉されているとともに、他方のガス抜き孔92は封止カバー45で被覆される。このため、シール材99を注入しても、絶縁ケース90内にシール材99が侵入しない。また、パイプ21を挿入する遊嵌孔47が接続端子75,85から均等に離れた位置にあるので、絶縁特性が良いという利点がある。
ついで、ケース10の凹所11の底面にウレタン樹脂からなる液状弾性材97を注入するとともに、前記凹所11に前記リレー本体20を収納する。そして、コイル端子36を接続用凹部13に位置決めし、前記リレー本体20をケース10内に吊り下げたままの状態で前記液状弾性材97を固化させる。さらに、前記ケース10にカバー15を組み付けることにより、直流電流遮断用リレーが完成する。なお、本実施形態では、液状弾性材97を充填,固化させたものを吸音用弾性材とする場合であるが、必ずしもこれに限らず、弾性シートを吸音用弾性材として使用してもよい。また、スプール32の鍔部32bを延在して前記ケース10の凹所11内に吊り下げてもよい。
次に、前述の構成からなるリレーの動作について説明する。
まず、電磁石ブロック30のコイル31に電圧を印加していない場合には、復帰バネ65,65のバネ力で可動絶縁台61が押し上げられている(図12)。このため、可動鉄片66が鉄芯37の磁極部37cから開離しているとともに、可動接触片62の両端部が固定接点78,88から開離している。
そして、前記コイル31に電圧を印加すると、鉄芯37の磁極部37cが可動鉄片66を吸引し、可動鉄片67が復帰バネ65のバネ力に抗して下降する。このため、可動鉄片66に一体化された可動絶縁台61が下降し、可動接触片62の両端部が固定接点78,88に接触した後、可動鉄片66が鉄芯37の磁極部37cに吸着する。
本実施形態によれば、可動鉄片66が鉄芯37の磁極部37cに当接する際の衝撃力を固化した液状弾性材97およびコイル端子36が吸収,緩和し、衝突音の発生を抑制できるので、静音タイプの電磁継電器が得られるという利点がある。
ついで、前記コイル31の電圧の印加を停止すると、復帰バネ65のバネ力で可動絶縁台61が押し上げられ、これに一体な可動鉄片66が鉄芯37の磁極部37cから開離した後、可動接触片63の両端部が固定接点78,88から開離する。
本実施形態によれば、前記可動接触片62の両端部が固定接点78,88に接離する際に、接点飛散粉が固定接点台71,81の内側表面に飛散する。しかし、図14において太い実線で示した固定接点台71,81の内側表面に切り欠き溝73a,83aを設けてあるので、前記接点飛散粉が連続して付着できず、短絡回路を形成できないという利点がある。
また、前記可動接触片62の両端部が固定接点78,88から開離する場合、例えば、図17に示すように、固定接点78からアーク電流100が発生して引き伸ばされ、アーク電流100の発生源が移動しても、永久磁石77まで移動できず、永久磁石77を劣化させないという利点がある。
すなわち、図17に示すように、固定接点78からアーク電流100が発生し(図17B)、アーク電流100の発生源が永久磁石78の磁力に引っ張られて移動しても(図17C、図18A,18B)、永久磁石78まで移動することはない。これは、アーク電流100の発生源が導電材の隅部あるいは角部に移動する特性があるためである。そして、本実施形態によれば、固定接点78と永久磁石77との間に巾狭部76bを設けることにより、永久磁石77の手前側に角部76cを形成してある。このため、アーク電流100の発生源は前記角部76cに移動できるだけであり、永久磁石77まで移動できない。
本実施形態では、直流電流を遮断する場合について説明したが、必ずしもこれに限らず、交流電流を遮断する場合に適用してもよい。
本発明は前述の電磁継電器に限らず、スイッチ、タイマー等の開閉装置に適用してもよいことは勿論である。
本発明にかかる開閉装置を直流電流遮断用リレーに適用した場合の実施形態を示す斜視図である。 図1の分解斜視図である。 図2で示したリレー本体の分解斜視図である。 図3で示した電磁石ブロックの分解斜視図である。 図4で示した封止ケースの部分破断斜視図である。 図4で示した封止ケースの分解斜視図である。 図3で示した可動接点ブロックの分解斜視図である。 図3で示した固定接点ブロックの分解斜視図である。 図9A,9Bは図8で示した固定接点ブロックの要部の分解斜視図である。 図10Aは図3で示した絶縁ケースの斜視図、図10Bは前記絶縁ケースの変形例である。 図11A,11B,11Cはシール工程を示す平面図である。 図1で示した直流電流遮断用リレーの正面縦断面図である。 図12の部分拡大断面図である。 図12で示した直流電流遮断用リレーの要部拡大断面図である。 図1で示した直流電流遮断用リレーの側面縦断面図である。 図16Aは図5で示した封止ケースの動作原理を示す部分斜視図、図16Bは従来例にかかる封止ケースの動作原理を示す部分斜視図である。 図17A,17B,17Cは本実施形態にかかるアーク電流の発生源の移動を示す部分斜視図である。 図18Aは図17Cに続くアーク電流の発生源の移動を示す部分斜視図、図18Bはアーク電流の発生源の移動を示す平面図である。 図19A,19B,19Cは従来例にかかるアーク電流の発生源の移動を示す部分斜視図である。 図20Aは図19Cに続くアーク電流の発生源の移動を示す部分斜視図、図20Bはアーク電流の発生源の移動を示す平面図である。
符号の説明
10:ケース
10a:間隙部
11:凹所
13:接続用凹部
15:カバー
20:リレー本体
21:ガス抜きパイプ
30:電磁石ブロック
31:コイル
32:スプール
32a,32b:鍔部
32c:中心孔
34,35:中継端子
34a,35a:からげ部
34b,35b:連結部
36:コイル端子
37:鉄芯
37a:軸部
37b:首下部
37c:頭部(磁極部)
38:パイプ
39:板状ヨーク
39b:絶縁シート
40:封止ケースブロック
41:封止ケース
42:圧入孔
43:スリット
45:封止カバー
46:挿通孔
47:遊嵌孔
50:接点機構ブロック
51,52:操作孔
60:可動接点ブロック
61:可動絶縁台
62:可動接触片
63:接点圧用コイルバネ
64:抜け止め具
65:復帰用コイルバネ
66:可動鉄片
67:遮磁板
68:リベット
70,80:固定接点ブロック
71,81:固定接点台
71a,81a:突起
71b,81b:孔
72,73,82,83:突き合せ用突部
73a,83a:切り欠き溝
74,84:脚部
75,85:接続端子
76,86:固定接点端子
76a,86a:位置規制用突起
76b,86b:巾狭部
76c,86c:角部
77,87:永久磁石
78,88:固定接点
79,89:遮磁板
90:絶縁ケース
91:端子孔
92:ガス抜き孔
93:環状突部
97:液状弾性材
98:シール材
99:シール材
100:アーク電流

Claims (3)

  1. 自由端部に固定接点を設けた固定接点端子のうち、前記固定接点の近傍に永久磁石を配置するとともに、前記固定接点に可動接点が接離する開閉装置であって、
    前記固定接点端子のうち、前記固定接点と前記永久磁石との間に位置する両側縁部に切り欠き部をそれぞれ設けて巾狭部を形成したことを特徴とする開閉装置。
  2. 前記切り欠き部が方形であることを特徴とする請求項1に記載の開閉装置。
  3. 前記切り欠き部が円弧であることを特徴とする請求項1に記載の開閉装置。
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