JP2005182948A - テープリールおよび情報記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】磁気テープを巻き取った状態においても磁気テープの端部とフランジとの間のクリアランスを十分に確保し得るテープリールを提供する。
【解決手段】円板状の下フランジ22が下端部に一体形成されて上端部側に開口部が形成された有底円筒状のハブ21と、中心孔31aの口縁部に突出形成された環状の突起部32をハブ21の開口部に嵌め込んで固定される円板状の上フランジ31とを備えて構成され、ハブ21は、内周面の上下方向に沿ってそれぞれ形成された複数の補強用リブ21b,21b・・を備えて構成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、情報記録用の磁気テープを巻回するテープリールおよびそのテープリールを備えた情報記録媒体に関するものである。
大容量のデータを記録可能な情報記録媒体として、出願人は、特開2002−100148号公報において、LTO(Linear Tape Open)規格に準拠した1リールタイプのテープカートリッジを開示している。なお、本明細書では、以下、同公報中の符号については括弧付きで記載する。このテープカートリッジは、互いに嵌合可能な上ケース(1)および下ケース(2)を有する本体ケース、および本体ケースの内部に回転可能に収納されてテープ(T)を巻回する単一のテープリール(3)などを備えて構成されている。この場合、テープリール(3)は、上フランジ(31)と、その下端部に下フランジ(33)が一体形成された有底円筒状のハブ(32)とを備えて構成されている。
特開2002−100148号公報(第3頁、第1図)
ところが、出願人が開示しているテープカートリッジには、以下の解決すべき課題がある。すなわち、このテープカートリッジにおけるテープリール(3)は、樹脂を射出成形することによって製造されている。この場合、巻回時におけるテープ(T)の傷付きや伸びの発生を防止するためには、ハブ(32)の外周面を滑らかに形成するのが好ましい。したがって、射出成形時における「ひけ」によってハブ(32)の外周面に凹凸が発生するのを防止するために、このテープリール(3)のハブ(32)は比較的肉薄に形成されている。一方、テープリール(3)にテープ(T)を巻回する際には、緩みによるしわの発生を防止するために、テープ(T)に一定のテンションが加えられている。このため、テープ(T)を巻き取った状態では、テープ(T)の巻き締まりによってハブ(32)に大きな圧力が加わっている。この結果、図18に示すように、肉薄に形成されたハブ(32)が圧力によってやや変形させられて、その変形に伴って上フランジ(31)の先端部が下向きに傾くことがある。したがって、このテープカートリッジには、テープリール(3)における上フランジ(31)の先端部が傾くことに起因して、テープ(T)の端部と上フランジ(31)との接触を回避するのに十分な両者間のクリアランスを確保するのが困難となるおそれがあるという解決すべき課題が存在する。
本発明は、かかる解決すべき課題に鑑みてなされたものであり、磁気テープを巻き取った状態においても磁気テープの端部とフランジとの間のクリアランスを十分に確保し得るテープリールおよび情報記録媒体を提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく本発明に係るテープリールは、円板状の下フランジが下端部に一体形成されて上端部側に開口部が形成された有底円筒状のハブと、中心孔の口縁部に突出形成された環状の突起部を前記ハブの前記開口部に嵌め込んで固定される円板状の上フランジとを備えて構成され、前記ハブは、内周面の上下方向に沿ってそれぞれ形成された複数の補強用リブを備えて構成されている。
この場合、前記ハブが前記補強用リブに固定された円板状の補強部材を備えているのが好ましい。
また、本発明に係るテープリールは、円板状の下フランジが下端部に一体形成されて上端部側に開口部が形成された有底円筒状のハブと、中心孔の口縁部に突出形成された環状の突起部を前記ハブの前記開口部に嵌め込んで固定される円板状の上フランジとを備えて構成され、前記ハブには、円筒状の補強部材が当該ハブの前記内周面にその外周面を接するようにして嵌め込まれている。
この場合、内周面に形成された環状の補強板を備えて前記円筒状の補強部材を構成するのが好ましい。
また、前記円筒状の補強部材を金属で形成するのが好ましい。
また、本発明に係るテープリールは、円板状の下フランジが下端部に一体形成されて上端部側に開口部が形成された有底円筒状のハブと、中心孔の口縁部に突出形成された環状の突起部を前記ハブの前記開口部に嵌め込んで固定される円板状の上フランジとを備えて構成され、前記上フランジは、前記突起部に形成された環状鍔部を備えて構成されている。
また、本発明に係るテープリールは、円板状の下フランジが下端部に一体形成されて上端部側に開口部が形成された有底円筒状のハブと、中心孔の口縁部に突出形成された環状の突起部を前記ハブの前記開口部に嵌め込んで固定される円板状の上フランジとを備えて構成され、前記上フランジは、前記突起部に形成された円筒状の補強部材を備え、当該補強部材は、外周面の上下方向に沿ってそれぞれ形成された複数のリブを備えて構成されている。
また、本発明に係るテープリールは、円板状の下フランジが下端部に一体形成されて上端部側に開口部が形成された有底円筒状のハブと、中心孔の口縁部に突出形成された環状の突起部を前記ハブの前記開口部に嵌め込んで固定される円板状の上フランジとを備えて構成され、前記上フランジは、前記中心孔の前記口縁部が当該口縁部を除く他の部分よりも厚肉に形成されて構成されている。
この場合、前記口縁部の上面に前記中心孔を取り囲むようにして平面視環状の溝を形成すると共に当該溝内に形成された複数のリブを備えて前記上フランジを構成するのが好ましい。
また、前記突起部の下面に前記中心孔を取り囲むようにして平面視環状の溝を形成すると共に当該溝内に形成された複数のリブを備えて前記上フランジを構成するのが好ましい。
また、本発明に係る情報記録媒体は、上記のテープリールを備えて構成されている。
本発明に係るテープリールおよび情報記録媒体によれば、ハブの内周面に複数の補強用リブを上下方向に沿って形成したことにより、ハブに十分な剛性を持たせることができるため、磁気テープの巻き締まりによってハブに大きな圧力が加えられたとしても、ハブを非変形状態または僅かに変形した状態に維持することができる。したがって、ハブの変形に伴う上フランジの磁気テープ側への傾きを防止することができるため、磁気テープを巻き取った状態においても磁気テープの端部とテープリールの上フランジとの間のクリアランスを十分に確保することができる。
また、本発明に係るテープリールおよび情報記録媒体によれば、ハブの補強用リブに円板状の補強部材を固定したことにより、円板状の補強部材によってハブをその内側から確実に支えることができるため、磁気テープの巻き締まりによるハブの変形を確実に防止することができる。
また、本発明に係るテープリールおよび情報記録媒体によれば、ハブの内周面にその外周面を接するようにして円筒状の補強部材をハブに嵌め込んだことにより、円筒状の補強部材によってハブをその内側から確実に支えることができるため、磁気テープの巻き締まりによるハブの変形を確実に防止することができる。
さらに、本発明に係るテープリールおよび情報記録媒体によれば、円筒状の補強部材の内周面に環状の補強板を形成したことにより、補強部材の剛性を高めることができるため、ハブをその内側からより確実に支えることができる。
また、本発明に係るテープリールおよび情報記録媒体によれば、円筒状の補強部材を金属で形成したことにより、その剛性を維持しつつ補強部材を薄肉に構成することができる。
また、本発明に係るテープリールおよび情報記録媒体によれば、上フランジにおける突起部に環状鍔部を形成したことにより、たとえハブが僅かに変形したとしても、環状鍔部によって突起部をその内側から確実に支えることができるため、ハブの変形に伴う上フランジの磁気テープ側への傾きを確実に防止することができる結果、上フランジの先端部と磁気テープとの間の十分なクリアランスを確実に確保することができる。
さらに、本発明に係るテープリールおよび情報記録媒体によれば、複数のリブが上下方向に沿って外周面の上下方向に沿ってそれぞれ形成された円筒状の補強部材を上フランジにおける突起部に形成したことにより、たとえハブが僅かに変形したとしても、補強部材によって突起部をより確実に支えることができるため、ハブの変形に伴う上フランジの磁気テープ側への傾きをより確実に防止することができる。
また、本発明に係るテープリールおよび情報記録媒体によれば、上フランジにおける中心孔の口縁部を他の部分よりも厚肉に形成したことにより、上フランジにおける口縁部に十分な剛性を持たせることができるため、たとえハブが僅かに変形したとしても、ハブの変形に伴う上フランジの磁気テープ側への傾きを確実に防止することができる。
また、本発明に係るテープリールおよび情報記録媒体によれば、上フランジの中心孔における口縁部の上面に中心孔を取り囲むようにして平面視環状の溝を形成すると共にその溝内に複数のリブを形成したことにより、口縁部の剛性を確保しつつ、上フランジの軽量化、および口縁部におけるひけの発生防止を図ることができる。
また、本発明に係るテープリールおよび情報記録媒体によれば、上フランジにおける突起部の下面に中心孔を取り囲むようにして平面視環状の溝を形成すると共にその溝内に複数のリブを形成したことにより、口縁部の剛性を確保しつつ、上フランジの軽量化、および突起部におけるひけの発生防止を図ることができる。
以下、本発明に係るテープリールおよび情報記録媒体の最良の形態について、添付図面を参照して説明する。
最初に、情報記録媒体1の構成について、図面を参照して説明する。
図1に示す情報記録媒体1は、例えば、電子計算機に記録された記録データをバックアップするためのストレージデバイスとして使用されるLTO規格に準拠した1リールタイプのカートリッジ式の情報記録媒体であって、同図に示すように、ケース本体2、テープリール3、ブレーキ解除板4、ロック部材5、ブレーキスプリング6およびドア部材7を備えて構成されている。なお、実際には、この情報記録媒体1では、テープリール3に磁気テープT(図4参照)が巻回されているが、同図では、各部の構成についての理解を容易とするために、その図示を省略する。
ケース本体2は、同図に示すように、それぞれ浅皿状に形成されて互いに嵌合可能な下ケース11および上ケース12を備えて構成され、両ケース11,12の嵌合状態において形成される内部空間にテープリール3を回転可能に収容する。この場合、下ケース11および上ケース12には、テープリール3に巻回された磁気テープT(図4参照)を外部に引き出すためのテープ引き出し口2aを構成する切り欠き11a,12aがそれぞれ形成されている。
テープリール3は、図1,2に示すように、ハブ21、下フランジ22および上フランジ31を備えて構成されている。ハブ21は、上端部側に開口部が形成された有底円筒状に形成されて、その周囲に磁気テープTを巻回可能に構成されている。また、図1,3に示すように、ハブ21における胴部21aの内周面には、複数の補強用リブ21b,21b・・が上下方向(上端部から下端部に向かう方向)に沿って等間隔で一体形成されている。また、図2,3に示すように、ハブ21の底板21cにおける内面(上面)には、ブレーキスプリング6よって付勢されたロック部材5(いずれも図1参照)に噛合可能な平面視円弧状の歯部21d,21d,21dが形成されている。さらに、ハブ21の底板21cには、ブレーキ解除板4を上下動可能に取り付けるための挿通用孔21e,21e,21eが形成されている。また、図2に示すように、ハブ21の底板21cにおける外面(下面)には、図外の記録再生装置の駆動用シャフトがテープリール3を吸引するための金属板23(図1も参照)が取り付けられている。また、底板21cにおける外面には、記録再生装置の駆動用シャフトの歯部に噛合可能な環状の歯部21fが金属板23を取り囲むようにして形成されている。下フランジ22は、図3に示すように、円板状に構成されてハブ21の下端部に一体成形されている。
上フランジ31は、図2,4に示すように、円板状に構成されると共に、円形の中心孔31aがその中心部に形成されている。また、上フランジ31における中心孔31aの口縁部には、環状の突起部32が下方に向けて突出形成されている。さらに、突起部32の下端部には、ロック部材5およびブレーキ解除板4の挿通を可能とする中心孔33aがその中心部に形成された円板状(環状)の環状鍔部33が上フランジ31とほぼ平行となるようにして一体形成されている。この場合、図2に示すように、ハブ21と上フランジ31とは、胴部21aにおける上端部の開口部に突起部32を嵌め込んだ状態で例えば超音波溶着で互いに固定されている。
ブレーキ解除板4は、図1に示すように、その裏面に、ハブ21の挿通用孔21eに挿通可能な3本の脚部4a,4a,4aが立設されて構成されている。この場合、ブレーキ解除板4は、脚部4a,4a,4aがハブ21の挿通用孔21e,21e,21eにそれぞれ挿通されることによって回転不能でかつ上下動可能にハブ21の底板21c側に取り付けられる。ロック部材5は、同図に示すように、ハブ21の歯部21d,21d,21dに噛合可能な歯部5aがその底面に形成されている。この場合、ロック部材5は、ブレーキスプリング6によって付勢されて歯部5aがハブ21の歯部21d,21d,21dに噛合させられることによってテープリール3の回転を制止する。ブレーキスプリング6は、コイルスプリングで構成されて、上ケース12とロック部材5との間に配設され、テープリール3におけるハブ21の底板21c側に向けてロック部材5を付勢する。ドア部材7は、同図に示すように、テープ引き出し口2aを閉塞可能な薄板状に形成されて、下ケース11の側壁および上ケース12の側壁にそれぞれ形成された案内溝にスライド可能に収納される。
次に、記録再生時における情報記録媒体1の動作について、図面を参照して説明する。
この情報記録媒体1を図外の記録再生装置に装填した際には、記録再生装置が、ドア部材7をスライドさせてテープ引出し口2aを開口して、磁気テープTを引き出す。次に、記録再生装置側のテープリールが磁気テープTを巻回しつつ、記録再生装置の記録再生部が磁気テープTに対する記録データの記録や磁気テープTからの記録データの読み出しを実行する。次いで、記録データの記録や読み出しを終了した際には、記録再生装置は、テープリール3を回転させることによって磁気テープTの巻回(情報記録媒体1への磁気テープTの巻き戻し)を開始する。この場合、記録再生装置は、緩みを防止するために、例えば、記録再生装置側のテープリールの回転を制御することによって磁気テープTに一定のテンションを加える。これにより、磁気テープTがテープリール3に巻回される。この際に、磁気テープTにテンションが加えられているため、磁気テープTの巻き締まりによってハブ21の胴部21aにはその中心方向に向けてある程度大きな圧力が加えられる。一方、ハブ21は、胴部21aの内周面に補強用リブ21b,21b・・が形成されているため、十分な剛性を有している。したがって、ハブ21は、磁気テープTの巻き締まりによって胴部21aに大きな圧力が加えられたとしても、図4に示すように、その圧力に抗して非変形状態を維持する。また、たとえ変形したとしても、僅かな変形に抑えられた状態を維持する。さらに、環状鍔部33が一体形成されているため、上フランジ31も十分な剛性を有している。したがって、たとえハブ21が僅かに変形したとしても、ハブ21の変形に伴う上フランジ31における先端部の下側向き(磁気テープTの端面側)への傾きが回避される。したがって、上フランジ31の先端部と磁気テープTとの間の十分なクリアランスが確保される。
このように、このテープリール3および情報記録媒体1によれば、ハブ21における胴部21aの内周面に複数の補強用リブ21b,21b・・を上下方向に沿って形成したことにより、ハブ21に十分な剛性を持たせることができたため、磁気テープTの巻き締まりによって胴部21aに大きな圧力が加えられたとしても、ハブ21を非変形状態または僅かな変形状態に維持することができる。したがって、ハブ21の変形に伴う上フランジ31の磁気テープT側への傾きを防止することができるため、磁気テープを巻き取った状態においても磁気テープTの先端部と上フランジ31との間の十分なクリアランスを確保することができる。
また、上フランジ31における突起部32の下端部に環状鍔部33を形成したことにより、たとえハブ21が僅かに変形したとしても、環状鍔部33によって突起部32をその内側から確実に支えることができるため、ハブ21の変形に伴う上フランジ31の磁気テープT側への傾きを確実に防止することができる結果、上フランジ31の先端部と磁気テープTとの間の十分なクリアランスを確実に確保することができる。
次に、図5に示すテープリール101について説明する。なお、テープリール101や後述するテープリール102〜104では、テープリール3と同様にして、基本的に本発明が適用されている。したがって、テープリール3と同じ構成要素については同一の符号を付して重複する説明を省略する。このテープリール101は、同図に示すように、ハブ121、下フランジ22、上フランジ31および補強部材122,123を備えて構成されている。ハブ121は、有底円筒状に形成されて、その胴部121aの外周に磁気テープTを巻回可能に構成されている。また、胴部121aの内周面には、複数の補強用リブ121b,121b・・が上下方向に沿って等間隔で一体形成されている。この場合、同図に示すように、補強用リブ121bには、段部124が形成されている。補強部材122は、中心孔を有する円板状に形成されて、補強用リブ121b,121b・・の各段部124にその下面を当接させ、かつ補強用リブ121b,121b・・の側面にその外周面を当接させるようにしてハブ121の胴部121aに嵌め込まれて固定されている。この場合、補強部材122を補強用リブ121bに溶着して固定する構成を採用することもできる。補強部材123は、中心孔を有する円板状に形成されて、補強用リブ121b,121b・・の上端面にその下面を当接させ、かつ胴部121aの内周面にその外周面を当接させるようにして胴部121a内に嵌め込まれている。このテープリール101によれば、ハブ121における胴部121aの内周面に複数の補強用リブ121bを上下方向に沿って一体形成すると共に、補強部材122,123を胴部121a内に嵌め込んで固定したことにより、胴部21aを内側から支えることができるため、磁気テープTの巻き締まりによる胴部21aの変形を確実に防止することができる。
次に、図6に示すテープリール102について説明する。このテープリール102は、同図および図7に示すように、ハブ131、下フランジ22、上フランジ31および補強部材141を備えて構成されている。ハブ131は、有底円筒状に形成されて、その胴部131aの外周に磁気テープTを巻回可能に構成されている。この場合、ハブ131では、上記したテープリール3におけるハブ21とは異なり、胴部131aに補強用リブが形成されていない構成が採用されている。補強部材141は、円筒状の本体部142と、本体部142の内周面に形成された中心孔を有する円板状(環状)の補強板143,144とで構成されている。この場合、補強部材141は、ハブ131における胴部131aの内周面に本体部142の外周面が接するようにして胴部131a内に嵌め込まれている。このテープリール102においても、ハブ131の胴部131a内に補強部材141を嵌め込んだことにより、胴部131aを補強部材141で内側から支えることができるため、磁気テープTの巻き締まりによる胴部131aの変形を確実に防止することができる。また、補強板143,144を本体部142の内周面に一体形成したことにより、補強部材141の剛性を高めることができるため、胴部131aを確実に支えることができる。なお、図8に示すように、補強部材141に代えて、補強板が形成されていない円筒状の補強部材151を備えたテープリール103を採用することもでき、この構成においても、磁気テープTの巻き締まりによる胴部131aの変形を確実に防止することができる。この場合、補強部材151を例えば金属で形成することで、剛性を維持しつつ補強部材151を薄肉に構成することができる。
次に、図9に示すテープリール104について説明する。テープリール104は、同図および図11に示すように、上記したハブ131、下フランジ22および上フランジ161を備えて構成されている。上フランジ161は、図9に示すように、円板状に構成されると共に、円形の中心孔161aがその中心部に形成されている。また、同図および図11に示すように、上フランジ161における中心孔161aの口縁部には、環状の補強用突起部162が下方に向けて突出形成されている。さらに、補強用突起部162の下端部には、補強部材163が形成されている。補強部材163は、図10,11に示すように、円筒状の本体部163aと、本体部163aの外周面に上下方向(本体部163aの基端部から先端部に向かう方向)に沿って等間隔で一体形成された複数のリブ163b,163b・・とを備えて構成されている。この場合、リブ163bは、ハブ131に上フランジ161が嵌め込まれた状態において、外周側の側面がハブ131における胴部131aの内周面に当接するようにその幅(突出長)が規定されている。このテープリール104によれば、複数のリブ163b,163b・・を有する補強部材163を上フランジ161における補強用突起部162の下端部に形成したことにより、上フランジ161の剛性を高めることができるため、たとえハブ131が僅かに変形したとしても、ハブ131の変形に伴う上フランジ161の磁気テープT側への傾きをより確実に防止することができる。
なお、本発明は、上記の構成に限定されない。例えば、テープリール3,101〜103における上フランジ31や、テープリール104における上フランジ161に代えて、図12に示す上フランジ171を採用することもできる。この場合、上フランジ171は、同図に示すように、円板状に構成されると共に、円形の中心孔171aがその中心部に形成されている。また、同図および図13に示すように、上フランジ171の下面側における中心孔171aの口縁部には、突起部172が下方に向けて突出形成されている。さらに、上フランジ171の上面側における中心孔171aの口縁部には、補強用突起部173が上方に向けて突出形成されている。つまり、上フランジ171における中心孔171aの口縁部は、上フランジ171における他の部分よりも厚肉に形成されている。この上フランジ171によれば、口縁部を他の部分よりも厚肉に形成したことにより、口縁部に十分な剛性を持たせることができるため、たとえハブ(ハブ21,121,131)が僅かに変形したとしても、ハブの変形に伴う上フランジ171の磁気テープ側への傾きを確実に防止することができる。
また、上フランジ31,161に代えて、図14に示す上フランジ181を採用することもできる。この場合、上フランジ181は、同図に示すように、円板状に構成されると共に、円形の中心孔181aがその中心部に形成されている。また、同図および図15に示すように、上フランジ181の下面側における中心孔181aの口縁部には、突起部182が下方に向けて突出形成されている。さらに、上フランジ181の上面側における中心孔181aの口縁部には、補強用突起部183が上方に向けて突出形成されている。つまり、上フランジ181における中心孔181aの口縁部は、上フランジ181における他の部分よりも厚肉に形成されている。また、両図に示すように、補強用突起部183には、中心孔181aを取り囲むようにして平面視環状の溝184が形成されている。また、溝184内には、複数のリブ185,185・・が形成されている。この上フランジ181においても、口縁部を他の部分よりも厚肉に形成したことにより、口縁部に十分な剛性を持たせることができるため、たとえハブが僅かに変形したとしても、ハブの変形に伴う上フランジ181の磁気テープ側への傾きを確実に防止することができる。また、補強用突起部183に溝184を形成すると共に溝184内に複数のリブ185,185・・を形成したことにより、口縁部の剛性を確保しつつ、上フランジ181の軽量化、および補強用突起部183における「ひけ」の発生防止を図ることができる。
さらに、上フランジ31,161に代えて、図16に示す上フランジ191を採用することもできる。この場合、上フランジ191は、上フランジ181と同様にして、円板状に構成されると共に、円形の中心孔191aがその中心部に形成されている。また、同図に示すように、上フランジ191の下面側における中心孔191aの口縁部には、突起部192が下方に向けて突出形成され、上フランジ191の上面側における中心孔191aの口縁部には、補強用突起部193が上方に向けて突出形成されている。さらに、突起部192の下面には、平面視環状の溝194が形成されて、この溝194内には、複数のリブ195,195・・が形成されている。この上フランジ191においても、口縁部を他の部分よりも厚肉に形成したことにより、口縁部に十分な剛性を持たせることができる。また、突起部192に溝194を形成すると共に溝194内に複数のリブ195,195・・を形成したことにより、口縁部の剛性を確保しつつ、上フランジ191の軽量化、および突起部192における「ひけ」の発生防止を図ることができる。
また、上フランジ31に代えて、図17に示すように、環状鍔部33を有していない上フランジ201を採用することもできる。また、LTO規格に準拠した情報記録媒体1を例に挙げて説明したが、本発明に係る情報記録媒体には、DLT(Digital Linear Tape )規格に準拠した情報記録媒体やSDLT(Super Digital Linear Tape )規格に準拠した情報記録媒体などの各種の1リールタイプの情報記録媒体が含まれる。また、1リールタイプに限定されず、ビデオテープ等の2リールタイプの情報記録媒体に本発明を適用することもできる。
情報記録媒体1の分解斜視図である。 テープリール3の断面図である。 ハブ21および下フランジ22の平面図である。 磁気テープTを巻回したテープリール3の断面図である。 テープリール101の断面図である。 テープリール102の分解斜視図である。 テープリール102の断面図である。 テープリール103の断面図である。 テープリール104の分解斜視図である。 上フランジ161の斜視図である。 テープリール104の断面図である。 上フランジ171の斜視図である。 上フランジ171の断面図である。 上フランジ181の平面図である。 上フランジ181の断面図である。 上フランジ191の断面図である。 上フランジ201の斜視図である。 従来のテープリール(3)の断面図である。
符号の説明
1 情報記録媒体
3,101〜104 テープリール
21,121,131 ハブ
21b,121b 補強用リブ
22 下フランジ
31,161,171,181,191,201 上フランジ
31a,161a,171a,181a,191a 中心孔
32,172,182,192 突起部
33 環状鍔部
122,123,141,151,163 補強部材
143,144 補強板
162,173,183,193 補強用突起部
163b,185,195 リブ
184,194 溝
T 磁気テープ

Claims (11)

  1. 円板状の下フランジが下端部に一体形成されて上端部側に開口部が形成された有底円筒状のハブと、中心孔の口縁部に突出形成された環状の突起部を前記ハブの前記開口部に嵌め込んで固定される円板状の上フランジとを備えて構成され、
    前記ハブは、内周面の上下方向に沿ってそれぞれ形成された複数の補強用リブを備えて構成されているテープリール。
  2. 前記ハブは、前記補強用リブに固定された円板状の補強部材を備えている請求項1記載のテープリール。
  3. 円板状の下フランジが下端部に一体形成されて上端部側に開口部が形成された有底円筒状のハブと、中心孔の口縁部に突出形成された環状の突起部を前記ハブの前記開口部に嵌め込んで固定される円板状の上フランジとを備えて構成され、
    前記ハブには、円筒状の補強部材が当該ハブの前記内周面にその外周面を接するようにして嵌め込まれているテープリール。
  4. 前記円筒状の補強部材は、内周面に形成された環状の補強板を備えて構成されている請求項3記載のテープリール。
  5. 前記円筒状の補強部材は、金属で形成されている請求項3または4記載のテープリール。
  6. 円板状の下フランジが下端部に一体形成されて上端部側に開口部が形成された有底円筒状のハブと、中心孔の口縁部に突出形成された環状の突起部を前記ハブの前記開口部に嵌め込んで固定される円板状の上フランジとを備えて構成され、
    前記上フランジは、前記突起部に形成された環状鍔部を備えて構成されているテープリール。
  7. 円板状の下フランジが下端部に一体形成されて上端部側に開口部が形成された有底円筒状のハブと、中心孔の口縁部に突出形成された環状の突起部を前記ハブの前記開口部に嵌め込んで固定される円板状の上フランジとを備えて構成され、
    前記上フランジは、前記突起部に形成された円筒状の補強部材を備え、
    当該補強部材は、外周面の上下方向に沿ってそれぞれ形成された複数のリブを備えて構成されているテープリール。
  8. 円板状の下フランジが下端部に一体形成されて上端部側に開口部が形成された有底円筒状のハブと、中心孔の口縁部に突出形成された環状の突起部を前記ハブの前記開口部に嵌め込んで固定される円板状の上フランジとを備えて構成され、
    前記上フランジは、前記中心孔の前記口縁部が当該口縁部を除く他の部分よりも厚肉に形成されて構成されているテープリール。
  9. 前記上フランジは、前記口縁部の上面に前記中心孔を取り囲むようにして平面視環状の溝が形成されると共に当該溝内に形成された複数のリブを備えて構成されている請求項8記載のテープリール。
  10. 前記上フランジは、前記突起部の下面に前記中心孔を取り囲むようにして平面視環状の溝が形成されると共に当該溝内に形成された複数のリブを備えて構成されている請求項8記載のテープリール。
  11. 請求項1から10のいずれかに記載のテープリールを備えている情報記録媒体。
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