JP2005182867A - 磁気転写用マスタ媒体並びに磁気ディスクおよび磁気ディスク駆動装置 - Google Patents

磁気転写用マスタ媒体並びに磁気ディスクおよび磁気ディスク駆動装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2005182867A
JP2005182867A JP2003419200A JP2003419200A JP2005182867A JP 2005182867 A JP2005182867 A JP 2005182867A JP 2003419200 A JP2003419200 A JP 2003419200A JP 2003419200 A JP2003419200 A JP 2003419200A JP 2005182867 A JP2005182867 A JP 2005182867A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
area
servo
magnetic disk
circumferential direction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003419200A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Suzuki
啓之 鈴木
Hitoshi Komoriya
均 小森谷
Yutaka Nakamura
裕 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
Priority to JP2003419200A priority Critical patent/JP2005182867A/ja
Priority to US10/870,823 priority patent/US7110201B2/en
Publication of JP2005182867A publication Critical patent/JP2005182867A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/86Re-recording, i.e. transcribing information from one magnetisable record carrier on to one or more similar or dissimilar record carriers
    • G11B5/865Re-recording, i.e. transcribing information from one magnetisable record carrier on to one or more similar or dissimilar record carriers by contact "printing"
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y10/00Nanotechnology for information processing, storage or transmission, e.g. quantum computing or single electron logic
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/48Disposition or mounting of heads or head supports relative to record carriers ; arrangements of heads, e.g. for scanning the record carrier to increase the relative speed
    • G11B5/54Disposition or mounting of heads or head supports relative to record carriers ; arrangements of heads, e.g. for scanning the record carrier to increase the relative speed with provision for moving the head into or out of its operative position or across tracks
    • G11B5/55Track change, selection or acquisition by displacement of the head
    • G11B5/5521Track change, selection or acquisition by displacement of the head across disk tracks
    • G11B5/5526Control therefor; circuits, track configurations or relative disposition of servo-information transducers and servo-information tracks for control thereof
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/48Disposition or mounting of heads or head supports relative to record carriers ; arrangements of heads, e.g. for scanning the record carrier to increase the relative speed
    • G11B5/58Disposition or mounting of heads or head supports relative to record carriers ; arrangements of heads, e.g. for scanning the record carrier to increase the relative speed with provision for moving the head for the purpose of maintaining alignment of the head relative to the record carrier during transducing operation, e.g. to compensate for surface irregularities of the latter or for track following
    • G11B5/596Disposition or mounting of heads or head supports relative to record carriers ; arrangements of heads, e.g. for scanning the record carrier to increase the relative speed with provision for moving the head for the purpose of maintaining alignment of the head relative to the record carrier during transducing operation, e.g. to compensate for surface irregularities of the latter or for track following for track following on disks
    • G11B5/59633Servo formatting
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/74Record carriers characterised by the form, e.g. sheet shaped to wrap around a drum
    • G11B5/743Patterned record carriers, wherein the magnetic recording layer is patterned into magnetic isolated data islands, e.g. discrete tracks

Abstract

【課題】磁気記録媒体上のサーボ領域の確立にあたって確実に余分な弱小磁極の成立を排除することができる磁気転写用マスタ媒体を提供する。
【解決手段】磁気ディスクのサーボ領域では、上流から順番にプリアンブル域31、サーボマーク域32およびサーボデータ域33が区画される。サーボマーク域32は、プリアンブル域31およびサーボデータ域33から相違するパターンで磁界を生成する。磁気情報の書き込みあたって磁気転写用マスタ媒体ではサーボマーク域32に対応する領域に磁性体が配置される。サーボマーク域に対応する領域で磁性体が全く配置されない場合に比べて、隣接する磁性体同士の間隔は十分に狭められる。こういった磁性体に磁束が流通すると、漏れ磁界には十分な強度が確保されることができる。磁気ディスクには確実に十分な強度の磁化が書き込まれることができる。余分な弱小磁極の成立は排除される。
【選択図】図4

Description

本発明は、例えば磁気ディスクといった磁気記録媒体上にサーボ領域を確立する磁気転写装置に関する。例えばハードディスク駆動装置(HDD)といった磁気記憶装置ではサーボ領域の働きで磁気記録媒体上に記録トラックは描き出されることができる。
磁気ディスク上のサーボ領域では、上流側から順番にプリアンブル域、サーボマーク域およびサーボデータ域が区画される。プリアンブル域では、周方向に沿って均一な間隔で交互に正負の磁極が形成される。サーボデータ域では、半径方向に変化する所定のパターンで磁極が形成される。HDDではプリアンブル域で読み出される磁気情報から同期信号が得られる。サーボデータ域から読み出される磁気情報に基づきヘッドは正確に記録トラック上に位置決めされる。
磁極の形成にあたって磁気ディスクは磁気転写装置に搭載される。磁気転写装置では真っ新な磁気ディスクに磁気転写用マスタ媒体が重ね合わせられる。磁気転写用マスタ媒体では、前述の磁極の配置に応じて磁性体と非磁性体とが交互に配置される。磁気転写用マスタ媒体に所定の方向から磁界が作用すると、隣接する磁性体同士の間で漏れ磁界が形成される。この漏れ磁界が磁気ディスクの磁化を引き起こす。
特開2001−312819号公報
磁気転写用マスタ媒体では、磁気ディスクのサーボマーク域に対応する位置に磁性体は形成されない。したがって、プリアンブル域に対応する磁性体と、サーボデータ域に対応する磁性体との間に比較的に大きな間隔が形成される。こうした間隔を横切って磁性体同士の間には微弱な漏れ磁界が生成される。こうした微弱な漏れ磁界は磁気ディスク上のサーボマーク域に作用する。その結果、サーボマーク域には、サーボデータ域に隣接してサーボデータ域の最初の磁極から反対向きにその最初の磁極よりも小さい強度の弱小磁極が形成されてしまう。こういった余分な弱小磁極はサーボデータ域内の第1磁極に取り違えられる。取り違いに基づきヘッドのサーボ制御は乱される。ヘッドは正確に記録トラックを追従し続けることができない。
本発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、磁気記録媒体上のサーボ領域の確立にあたって確実に余分な弱小磁極の成立を排除することができる磁気転写用マスタ媒体を提供することを目的とする。本発明は、余分な弱小磁極の有無に拘わらず確実にヘッドの追従を実現することができる磁気ディスク駆動装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、第1発明によれば、半径線に沿って延びて、均一な間隔で周方向に配列される複数列の第1磁性体と、周方向に第1磁性体群に隣接し、所定のパターンで配置される第2磁性体と、周方向に第2磁性体に隣接し、前記パターンから異なるパターンで配置される第3磁性体とを備えることを特徴とする磁気転写用マスタ媒体が提供される。
こういった磁気転写用マスタ媒体はいわゆる磁気転写装置に組み込まれて使用される。磁気転写装置では磁気転写用マスタ媒体は例えば真っ新な磁気ディスクといった磁気記録媒体の表面に重ね合わせられる。磁気転写用マスタ媒体は所定の磁束に曝される。磁束は磁性体を通過する。このとき、隣接する磁性体同士の間で磁気転写用マスタ媒体から磁束は漏れ出る。漏れ磁界は形成される。こういった漏れ磁界が磁気記録媒体の表面に作用する。こうして磁気記録媒体の表面では規定の向きに磁化は確立される。
ここで、磁気転写用マスタ媒体では、隣接する磁性体同士の間隔は十分に狭められることができる。こういった磁性体に磁束が流通すると、漏れ磁界には十分な強度が確保されることができる。磁気記録媒体には確実に十分な強度の磁化が書き込まれることができる。余分な弱小磁極の成立は排除されることができる。その一方で、従来の磁気転写用マスタ媒体では、前述のような第1磁性体と、周方向に第1磁性体群から離隔し、規定のパターンで配置される第2磁性体とが組み込まれる。第1および第2磁性体の間に大きな間隔が確保されなければならない。こうした間隔を横切って磁性体同士の間に微弱な漏れ磁界が生成される。こうした微弱な漏れ磁界は磁気記録媒体上に通常の磁極よりも小さい強度の弱小磁極を形成してしまう。
第2発明によれば、データ領域と、周方向にデータ領域に隣接するサーボ領域と、サーボ領域内で半径線に沿って延び、周方向に沿って所定の繰り返しパターンで磁界を生成するプリアンブル域と、サーボ領域内で周方向に延び、半径方向に変化する所定のパターンで磁界を生成するサーボデータ域と、サーボ領域内でプリアンブル域およびサーボデータ域の間に配置され、前記繰り返しパターンおよび前記パターンから相違するパターンで磁界を生成するサーボマーク域とを備えることを特徴とする磁気ディスクが提供される。
前述の磁気転写用マスタ媒体によれば、複数列の第1磁性体から漏れ出る漏れ磁界はプリアンブル域の形成に寄与する。同様に、第2磁性体から漏れ出る漏れ磁界はサーボマーク域の形成に寄与する。第3磁性体から漏れ出る漏れ磁界はサーボデータ域の形成に寄与する。サーボマーク域に対応する領域に第2磁性体が配置されることから、隣接する磁性体同士の間隔は比較的に狭められることができる。特に、サーボマーク域に対応する領域で第2磁性体が全く配置されない場合に比べて、隣接する磁性体同士の間隔は十分に狭められる。こういった磁性体に磁束が流通すると、漏れ磁界には十分な強度が確保されることができる。磁気ディスクには確実に十分な強度の磁化が書き込まれることができる。余分な弱小磁極の成立は排除されることができる。その一方で、従来の磁気転写用マスタ媒体では、サーボマーク域に対応する領域に磁性体が全く配置されない。そういった領域の働きで磁性体同士の間に大きな間隔が形成されてしまう。こうした間隔を横切って磁性体同士の間には微弱な漏れ磁界が生成される。こうした微弱な漏れ磁界は磁気ディスク上でサーボデータ域に隣接する位置に通常の磁極よりも小さい強度の弱小磁極を形成してしまう。
こういった磁気ディスクはハードディスク駆動装置(HDD)といった磁気ディスク駆動装置に組み込まれることができる。このとき、磁気ディスク駆動装置は、筐体と、筐体内に密閉される磁気ディスクと、筐体内に密閉されて、磁気ディスクに向き合わせられるヘッドスライダと、先端でヘッドスライダを支持し、支軸回りで回転するアクチュエータとを備えればよい。こういった磁気ディスク駆動装置ではアクチュエータ駆動用挿入ピンの挿入孔が筐体から省略されることができる。
一般に、いわゆるサーボトラックライタでは組み立て後の磁気ディスク駆動装置でサーボパターンは書き込まれる。磁気ディスク駆動装置内に組み込まれたヘッドスライダ上の電磁変換素子でサーボパターンが書き込まれる。書き込みにあたってヘッドスライダは磁気ディスクに対して正確に位置決めされなければならない。この位置決めにあたって筐体にはアクチュエータ駆動用挿入ピンが差し込まれる。挿入ピンの駆動に基づきアクチュエータは支軸回りで回転する。その一方で、前述のように磁気転写装置が利用される場合には、組み立て前の磁気ディスクにサーボパターンは書き込まれる。予め書き込まれたサーボパターンに基づき最初から磁気ディスク駆動装置内の電磁変換素子は正確に位置決めされることができる。アクチュエータ駆動用挿入ピンが差し込まれる必要は必ずしもない。したがって、磁気ディスク駆動装置ではアクチュエータ駆動用挿入ピンの挿入孔は筐体から省略されることができる。
こうして筐体からアクチュエータ駆動用挿入ピンの挿入孔が省略されると、筐体の形状は簡素化される。こうした形状の簡素化に基づき筐体の加工コストは軽減される。しかも、こうして挿入孔が省略されれば、筐体の密閉性は高められる。一般に、挿入孔の閉鎖にあたって筐体の表面にはシールが貼り付けられる。シールは省略されることができる。さらなるコストの削減は実現されることができる。
前述のような磁気転写装置が利用される場合には、半径線に対して傾斜する直線で仕切られる磁化領域が磁気ディスクのサーボデータ域に区画されることができる。こういったサーボデータ域の再生信号に基づきこれまで以上に高い精度でヘッドスライダは位置決めされることができる。その一方で、いわゆるサーボトラックライタが利用される場合には、ヘッドスライダ上の電磁変換素子でサーボパターンは書き込まれる。こういった電磁変換素子は、半径線に対して傾斜する直線で仕切られる磁化領域を形成することはできない。
第3発明に係る磁気ディスク駆動装置は、筐体と、筐体内に密閉される磁気ディスクと、磁気ディスクに読み出し素子を向き合わせるヘッドスライダと、先端でヘッドスライダを支持し、支軸回りで回転するアクチュエータと、読み出し素子から読み出される信号に基づきアクチュエータの回転を制御する制御回路とを備える。ここで、磁気ディスクには、データ領域と、周方向にデータ領域に隣接するサーボ領域と、サーボ領域内で半径線に沿って延び、周方向に沿って所定の繰り返しパターンで交互に正負の磁極を形成するプリアンブル域と、サーボ領域内で半径線に沿って延び、少なくともプリアンブル域に最も近い位置で周方向に沿って所定の繰り返しパターンで交互に正負の磁極を形成するサーボデータ域と、サーボ領域内でプリアンブル域およびサーボデータ域の間に配置され、サーボデータ域に隣接してサーボデータ域の第1磁極から反対向きに第1磁極よりも小さい強度の磁極を形成するサーボマーク域とが区画される。制御回路は、前記第1磁極に同一の向きにサーボデータ域で形成される磁極に基づきアクチュエータの回転を制御する。
こういった磁気ディスク駆動装置では、アクチュエータの回転の制御にあたって制御回路でサーボデータ域の第1磁極から反対向きに形成される磁極は利用されない。したがって、第1磁極から反対向きに第1磁極よりも小さい強度の磁極は制御回路の動作に影響を与えない。サーボマーク域にこういった小さい強度の磁極が存在しても正確にサーボマーク域は認識されることができる。特に、サーボデータ域の第1磁極は正確なタイミングで検出されることができる。したがって、余分な弱小磁極の存在にも拘わらず正確にアクチュエータの回転は制御されることができる。ヘッドスライダ上の読み出し素子は確実に磁気ディスク上の記録トラックを追従し続けることができる。こういった磁気ディスク駆動装置では、前述と同様に、半径線に対して傾斜する直線で仕切られる磁化領域がサーボデータ域に区画されることができる。しかも、前述と同様に、磁気ディスク駆動装置の筐体ではアクチュエータ駆動用挿入ピンの挿入孔は省略されることができる。
その他、磁気ディスクには、データ領域と、周方向にデータ領域に隣接するサーボ領域と、サーボ領域内で半径線に沿って延び、周方向に沿って所定の繰り返しパターンで交互に正負の磁極を形成するプリアンブル域と、サーボ領域内で周方向に延び、半径方向に変化する所定のパターンで磁界を生成するサーボデータ域と、サーボ領域内でプリアンブル域およびサーボデータ域の間に配置され、プリアンブル域に隣接してプリアンブル域の最終磁極から反対向きに最終磁極よりも小さい強度の磁極を形成するサーボマーク域とが区画されてもよい。このとき、制御回路は、前記最終磁極から反対向きにサーボデータ域で形成される磁極に基づきアクチュエータの回転を制御すればよい。
一般に、サーボデータ域に隣接してサーボデータ域の第1磁極から反対向きにこの第1磁極よりも小さい強度の磁極がサーボマーク域に形成される場合には、プリアンブル域に隣接してプリアンブル域の最終磁極から反対向きにこの最終磁極よりも小さい強度の磁極がサーボデータ域に形成される。プリアンブル域の最終磁極の向きとサーボデータ域の第1磁極の向きとは相反することから、最終磁極から反対向きにサーボデータ域で形成される磁極に基づきアクチュエータの回転が制御されれば、前述と同様に、アクチュエータの回転の制御にあたって制御回路ではサーボデータ域の第1磁極から反対向きに形成される磁極は利用されない。したがって、第1磁極から反対向きに第1磁極よりも小さい強度の磁極は制御回路の動作に影響を与えない。こうして前述と同様に、余分な弱小磁極の存在にも拘わらず正確にアクチュエータの回転は制御されることができる。しかも、こういった磁気ディスク駆動装置では、サーボマーク域内でプリアンブル域に隣接する磁極は制御回路の動作の実現にあたって必ずしも用いられる必要はない。したがって、プリアンブル域に隣接してプリアンブル域の最終磁極から反対向きにこの最終磁極よりも小さい強度の磁極がサーボデータ域に形成されても、アクチュエータの回転の制御は妨げられない。
第4発明に係る磁気ディスク駆動装置は、筐体と、筐体内に密閉される磁気ディスクと、磁気ディスクに読み出し素子を向き合わせるヘッドスライダと、先端でヘッドスライダを支持し、支軸回りで回転するアクチュエータと、読み出し素子から読み出される信号に基づきアクチュエータの回転を制御する制御回路とを備える。ここで、磁気ディスクには、データ領域と、周方向にデータ領域に隣接するサーボ領域と、サーボ領域内で半径線に沿って延び、周方向に沿って均一な間隔で交互に正負の磁極を形成するプリアンブル域と、サーボ領域内で半径線に沿って延び、前記間隔の整数倍の間隔で周方向にプリアンブル域内の磁極から隔てられる基準磁極を形成するサーボデータ域と、サーボ領域内でプリアンブル域およびサーボデータ域の間に配置され、サーボデータ域に隣接してサーボデータ域の最初の基準磁極から反対向きにその最初の基準磁極よりも小さい強度の磁極を形成するサーボマーク域とが区画される。制御回路は、前記正負の磁極で確立される所定のタイミングで、サーボデータ域から読み出される信号を検出する。
こういった磁気ディスク駆動装置では、プリアンブル域やサーボデータ域の磁極に基づき再生信号では均一な間隔すなわち所定の周期で最大ピーク値や最小ピーク値は現れる。その一方で、サーボマーク域に形成される磁極に基づき再生信号中に現れる極大値や極小値はそういった所定の周期から外れて現れる。すなわち、極大値や極小値の出現は最大ピーク値や最小ピーク値の出現に同期しない。磁気ディスク駆動装置ではアクチュエータの回転の制御にあたって制御回路で極大値や極小値は利用されない。したがって、サーボデータ域内の磁極は制御回路の動作に影響を与えない。サーボマーク域にこういった小さい強度の磁極が存在しても正確にサーボマーク域は認識されることができる。特に、サーボデータ域の第1磁極は正確なタイミングで検出されることができる。したがって、余分な弱小磁極の存在にも拘わらず正確にアクチュエータの回転は制御されることができる。ヘッドスライダ上の読み出し素子は確実に磁気ディスク上の記録トラックを追従し続けることができる。こういった磁気ディスク駆動装置では、前述と同様に、半径線に対して傾斜する直線で仕切られる磁化領域がサーボデータ域に区画されることができる。しかも、前述と同様に、磁気ディスク駆動装置の筐体ではアクチュエータ駆動用挿入ピンの挿入孔は省略されることができる。
その他、磁気ディスクには、データ領域と、周方向にデータ領域に隣接するサーボ領域と、サーボ領域内で半径線に沿って延び、周方向に沿って均一な間隔で交互に正負の磁極を形成するプリアンブル域と、サーボ領域内で半径線に沿って延び、前記間隔の整数倍の間隔で周方向にプリアンブル域内の磁極から隔てられる基準磁極を形成するサーボデータ域と、サーボ領域内でプリアンブル域およびサーボデータ域の間に配置され、プリアンブル域に隣接してプリアンブル域の最終磁極から反対向きに最終磁極よりも小さい強度の磁極を形成するサーボマーク域とが区画される。このとき、制御回路は、前記正負の磁極で確立される所定のタイミングで、サーボデータ域から読み出される信号を検出すればよい。
一般に、サーボデータ域に隣接してサーボデータ域の最初の基準磁極から反対向きにその最初の基準磁極よりも小さい強度の磁極がサーボマーク域に形成される場合には、プリアンブル域に隣接してプリアンブル域の最終磁極から反対向きにこの最終磁極よりも小さい強度の磁極がサーボデータ域に形成される。こういった磁極に基づき再生信号中に現れる極大値や極小値はそういった所定の周期から外れて現れる。すなわち、極大値や極小値の出現は最大ピーク値や最小ピーク値の出現に同期しない。磁気ディスク駆動装置ではアクチュエータの回転の制御にあたって制御回路で極大値や極小値は利用されない。サーボマーク域にこういった小さい強度の磁極が存在しても正確にサーボマーク域は認識されることができる。特に、サーボデータ域の第1磁極は正確なタイミングで検出されることができる。したがって、余分な弱小磁極の存在にも拘わらず正確にアクチュエータの回転は制御されることができる。ヘッドスライダ上の読み出し素子は確実に磁気ディスク上の記録トラックを追従し続けることができる。
第5発明によれば、データ領域と、周方向にデータ領域に隣接するサーボ領域と、サーボ領域内に、複数列の半径線で磁化を区分けする基準情報域と、サーボ領域内に、第1周方向に基準半径線から傾斜する複数列の第1傾斜線で磁化を区分けする第1位置情報域と、サーボ領域内に、第1周方向に相反する第2周方向に基準半径線から傾斜する複数列の第2傾斜線で磁化を区分けする第2位置情報域とを備えることを特徴とする磁気ディスクが提供される。こういった磁気ディスクは、サーボ領域内で半径線に沿って延び、周方向に沿って均一な間隔で交互に正負の磁極を形成するプリアンブル域と、サーボ領域内でプリアンブル域および前記基準情報域の間に配置され、基準情報域に隣接して基準情報域の第1磁極から反対向きに第1磁極よりも小さい強度の磁極を形成するサーボマーク域とをさらに備えてもよい。その他、こういった磁気ディスクは、サーボ領域内で半径線に沿って延び、周方向に沿って均一な間隔で交互に正負の磁極を形成するプリアンブル域と、サーボ領域内でプリアンブル域および前記基準情報域の間に配置され、プリアンブル域に隣接してプリアンブル域の最終磁極から反対向きに最終磁極よりも小さい強度の磁極を形成するサーボマーク域とをさらに備えてもよい。
こういった磁気ディスクでは、任意の記録トラック上では特定の第1傾斜線と特定の第2傾斜線との距離は常に一定に維持される。したがって、磁気ディスク上でこういった距離が測定されれば、高い精度で記録トラックの位置は特定されることができる。こういった距離の測定にあたって、基準情報域の半径線と第1位置情報域の第1傾斜線との距離が測定される一方で、基準情報域の半径線と第2位置情報域の第2傾斜線との距離が測定される。2つの距離の差分は第1および第2傾斜線の距離に相当する。記録トラックの位置の特定にあたって、サーボデータ域内に形成される弱小磁極の影響は完全に排除されることができる。
前述と同様に、こういった磁気ディスクはHDDといった磁気ディスク駆動装置に組み込まれることができる。このとき、磁気ディスク駆動装置は、筐体と、筐体内に密閉される磁気ディスクと、磁気ディスクに読み出し素子を向き合わせるヘッドスライダと、先端でヘッドスライダを支持し、支軸回りで回転するアクチュエータと、読み出し素子から読み出される信号に基づきアクチュエータの回転を制御する制御回路とを備えればよい。制御回路は、第1位置情報域から算出される位相と、第2位置情報域から算出される位相との差分に基づきアクチュエータの回転を制御すればよい。こういった磁気ディスク駆動装置では、アクチュエータの回転の制御にあたって、サーボデータ域内に形成される弱小磁極の影響は完全に排除されることができる。余分な弱小磁極の存在にも拘わらず正確にアクチュエータの回転は制御されることができる。ヘッドスライダ上の読み出し素子は確実に磁気ディスク上の記録トラックを追従し続けることができる。こういった磁気ディスク駆動装置では、前述と同様に、半径線に対して傾斜する直線で仕切られる磁化領域がサーボデータ域に区画されることができる。しかも、前述と同様に、磁気ディスク駆動装置の筐体ではアクチュエータ駆動用挿入ピンの挿入孔は省略されることができる。
この種の磁気ディスクの製造にあたって磁気転写装置は利用されることができる。こういった磁気転写装置に組み込まれる磁気転写用マスタ媒体は、例えば、半径線に沿って延びて、均一な間隔で周方向に配列される複数列の第1磁性体と、第1周方向に基準半径線から傾斜する第1傾斜線に沿って延び、均一な間隔で周方向に配列される複数列の第2磁性体と、第1周方向に相反する第2周方向に基準半径線から傾斜する第2傾斜線に沿って延び、均一な間隔で周方向に配列される複数列の第3磁性体とを備えればよい。複数列の第1磁性体から漏れ出る漏れ磁界は基準情報域の確立に寄与する。同様に、複数列の第2磁性体から漏れ出る漏れ磁界は第1位置情報域の確立に寄与する。複数列の第3磁性体から漏れ出る磁界は第2位置情報域の確立に寄与する。
第6発明によれば、半径線に沿って延びて、均一な間隔で周方向に配列される複数列の第1磁性体と、前記間隔を隔てて周方向に第1磁性体群に隣接し、前記間隔の整数倍の幅で半径線に沿って延びる1筋の第2磁性体と、前記間隔を隔てて周方向に第2磁性体に隣接し、半径線に沿って延びる少なくとも1筋の第3磁性体とを備えることを特徴とする磁気転写用マスタ媒体が提供される。
こういった磁気転写用マスタ媒体では磁性体同士の間隔は全て統一化される。隣接する磁性体同士の間隔は十分に狭められることができる。こういった磁性体に磁束が流通すると、漏れ磁界には十分な強度が確保されることができる。磁気記録媒体には確実に十分な強度の磁化が書き込まれることができる。余分な弱小磁極の成立は排除されることができる。この種の磁気転写用マスタ媒体では、周方向に第3磁性体群に隣接し、半径線に対して傾斜する直線で仕切られる第4磁性体がさらに区画されてもよい。
以上のように本発明によれば、磁気記録媒体上のサーボ領域の確立にあたって確実に余分な弱小磁極の成立を排除することができる磁気転写用マスタ媒体は提供されることができる。同様に、本発明によれば、余分な弱小磁極の有無に拘わらず確実にヘッドの追従を実現することができる磁気ディスク駆動装置は提供されることができる。
以下、添付図面を参照しつつ本発明の一実施形態を説明する。
図1は本発明の第1実施形態に係る磁気記録媒体駆動装置の一具体例すなわちハードディスク駆動装置(HDD)11の外観を概略的に示す。このHDD11は箱形の筐体すなわちエンクロージャ12を備える。エンクロージャ12は、例えば平たい直方体の内部空間すなわち収容空間を区画する箱形の筐体本体13を備える。筐体本体13は例えばアルミニウムといった金属材料から鋳造に基づき成形されればよい。筐体本体13には蓋体すなわちカバー14が結合される。カバー14と筐体本体13との間で収容空間は密閉される。カバー14は例えばプレス加工に基づき1枚の板材から成形されればよい。板材は例えば振動吸収性の積層材から構成されてもよい。
このHDD11では、エンクロージャ12のカバー14からアクチュエータ駆動用挿入ピンの挿入孔が省略される。カバー14の形状は簡素化される。こうした形状の簡素化に基づきカバー14の加工コストは軽減される。しかも、こうして挿入孔が省略されれば、カバー14の収容空間内の密閉性は高められる。一般に、挿入孔の閉鎖にあたってカバー14の表面にはカバーシールが貼り付けられる。カバーシールは省略されることができる。こういったアクチュエータ駆動用挿入ピンは、後述されるサーボパターンの書き込みにあたって利用される。詳細は後述される。
筐体本体13の外側にはプリント基板15が取り付けられる。プリント基板15には、CPUやハードディスクコントローラといったLSIチップ(図示されず)のほか、コネクタ16が実装される。CPUやハードディスクコントローラの働きでHDD11の動作は制御される。コネクタ16には、例えばホストコンピュータのメインボードから延びる制御信号用ケーブルや電源用ケーブル(ともに図示されず)が受け入れられる。CPUやハードディスクコントローラは電源用ケーブルから供給される電力に基づき動作する。
図2に示されるように、収容空間には記録媒体としての1枚以上の磁気ディスク17が収容される。磁気ディスク17はスピンドルモータ18の回転軸に装着される。スピンドルモータ18は例えば7200rpmや10000rpmといった高速度で磁気ディスク17を回転させることができる。
収容空間にはヘッドアクチュエータ19がさらに収容される。このヘッドアクチュエータ19は、垂直方向に延びる支軸21に回転自在に支持されるアクチュエータブロック22を備える。アクチュエータブロック22には、支軸21から水平方向に延びる剛体のアクチュエータアーム23が規定される。アクチュエータアーム23は磁気ディスク17の表面および裏面ごとに配置される。アクチュエータブロック22は例えば鋳造に基づきアルミニウムから成型されればよい。
アクチュエータアーム23の先端にはヘッドサスペンション25が取り付けられる。ヘッドサスペンション25は、アクチュエータアーム23の先端から前方に向かって延びる。周知の通り、ヘッドサスペンション25の前端には浮上ヘッドスライダ26が支持される。こうして浮上ヘッドスライダ26はアクチュエータブロック22に連結される。浮上ヘッドスライダ26は磁気ディスク17の表面に向き合わせられる。
浮上ヘッドスライダ26にはいわゆる磁気ヘッドすなわち電磁変換素子(図示されず)が搭載される。この電磁変換素子は、例えば、スピンバルブ膜やトンネル接合膜の抵抗変化を利用して磁気ディスク17から情報を読み出す巨大磁気抵抗効果(GMR)素子やトンネル接合磁気抵抗効果(TMR)素子といった読み出し素子と、薄膜コイルパターンで生成される磁界を利用して磁気ディスク17に情報を書き込む薄膜磁気ヘッドといった書き込み素子とで構成されればよい。
浮上ヘッドスライダ26には、磁気ディスク17の表面に向かってヘッドサスペンション25から押し付け力が作用する。磁気ディスク17の回転に基づき磁気ディスク17の表面で生成される気流の働きで浮上ヘッドスライダ26には浮力が作用する。ヘッドサスペンション25の押し付け力と浮力とのバランスで磁気ディスク17の回転中に比較的に高い剛性で浮上ヘッドスライダ26は浮上し続けることができる。
アクチュエータブロック22には例えばボイスコイルモータ(VCM)といった動力源27が接続される。この動力源27の働きでアクチュエータブロック22は支軸21回りで回転することができる。こうしたアクチュエータブロック22の回転に基づきアクチュエータアーム23およびヘッドサスペンション25の揺動は実現される。浮上ヘッドスライダ26の浮上中に支軸21回りでアクチュエータアーム23が揺動すると、浮上ヘッドスライダ26は半径方向に磁気ディスク17の表面を横切ることができる。周知の通り、複数枚の磁気ディスク17が筐体本体13内に組み込まれる場合には、隣接する磁気ディスク17同士の間で2本のアクチュエータアーム23すなわち2つのヘッドサスペンション25が配置される。
図3に示されるように、磁気ディスク17の表裏面には、磁気ディスク17の半径方向に沿って湾曲しつつ延びる複数筋(例えば60本)のサーボセクタ領域28が規定される。サーボセクタ領域28にはサーボパターンが確立される。サーボパターンに書き込まれる磁気情報は浮上ヘッドスライダ26上の電磁変換素子で読み取られる。サーボパターンから読み出される情報に基づき浮上ヘッドスライダ26は磁気ディスク17の半径方向に位置決めされる。サーボパターンの詳細は後述される。サーボセクタ領域28の湾曲は電磁変換素子の移動経路に基づき設定される。
隣接するサーボセクタ領域28の間にはデータ領域29が確保される。磁気ディスク17の回転中に磁気ディスク17の半径方向に浮上ヘッドスライダ26が位置決めされると、浮上ヘッドスライダ26上の電磁変換素子は所定の1記録トラック上を辿り続けることができる。電磁変換素子の書き込み素子は記録トラックに沿ってデータ領域29に情報を書き込む。同様に、電磁変換素子の読み出し素子は、データ領域29の記録トラックに書き込まれるビットデータ列を読み取る。
各サーボセクタ領域28では、例えば図4に示されるように、上流から順番にプリアンブル域31、サーボマーク域32およびサーボデータ域33が区画される。プリアンブル域31では、例えば、磁気ディスク17の半径線上で延びる複数筋の同期磁化領域34が確立される。同期磁化領域34では磁気ディスク17の周方向CRに沿って規定の向きに磁化が確立される。これら同期磁化領域34の周囲では規定の向きに反対向きに磁化が確立される。ここでは、例えば同期磁化領域34の下流側輪郭線34aで磁化方向は突き合わせられる。したがって、下流側輪郭線34aに沿って正の磁極は形成される。反対に、同期磁化領域34の上流側輪郭線34bで磁化方向は相反する。したがって、上流側輪郭線34bに沿って負の磁極は形成される。こうして所定の繰り返しパターンで交互に正負の磁極は形成される。「上流」や「下流」は、磁気ディスク17の回転中に規定される浮上ヘッドスライダ26の走行方向を基準に定義される。
個々の同期磁化領域34では、磁気ディスク17の周方向CRに沿って上流側輪郭線34bおよび下流側輪郭線34aの間隔は均一値CLに設定される。しかも、隣接する同期磁化領域34同士の間隔は均一値CLに設定される。したがって、プリアンブル域31では、磁気ディスク17の周方向CRに沿って正負の磁極は均一な間隔CLで交互に配置される。
サーボマーク域32では、例えば、磁気ディスク17の半径線上で延びる複数筋の磁化領域35が確立される。これらの磁化領域35では磁気ディスク17の周方向CRに沿って規定の向きに磁化が確立される。これら磁化領域35の周囲では規定の向きに反対向きに磁化が確立される。ここでは、例えば磁化領域の下流側輪郭線35aで磁化方向は突き合わせられる。したがって、下流側輪郭線35aに沿って正の磁極は形成される。反対に、磁化領域35の上流側輪郭線35bで磁化方向は相反する。したがって、上流側輪郭線35bに沿って負の磁極は形成される。こうして所定の繰り返しパターンで交互に正負の磁極は形成される。
個々の磁化領域35では、磁気ディスク17の周方向CRに沿って上流側輪郭線35bおよび下流側輪郭線35aの間隔は均一値CTに設定される。この均一値CTは前述の均一値CLから相違することが望まれる。同様に、隣接する磁化領域35同士の間隔は均一値CSに設定される。この均一値CSは前述の均一値CLから相違することが望まれる。こうしてサーボマーク域32の磁極の配置はプリアンブル域31の磁極の配置から差別化される。ただし、個々の磁化領域35では上流側輪郭線35bおよび下流側輪郭線35aの間隔は間隔ごとに異なってもよく、隣接する磁化領域35同士の間隔は間隔ごとに異なってもよい。サーボマーク域32の磁極は、前述のプリアンブル域31の磁極の配置から十分に差別化が実現される限り、いかなるパターンで配置されてもよい。
サーボデータ域33では、例えば、磁気ディスク17の半径線上で延びる複数筋の基準磁化領域36と、規定の交差角αで半径線に交差する傾斜方向に沿って延びる複数筋の位相差磁化領域37とが確立される。基準磁化領域36はサーボマーク域32に隣接して配置される。位相差磁化領域37は基準磁化領域36の下流に配置される。基準磁化領域36や位相差磁化領域37では磁気ディスク17の周方向CRに沿って規定の向きに磁化が確立される。これら基準磁化領域36および位相差磁化領域37の周囲では規定の向きに反対向きに磁化が確立される。ここでは、例えば基準磁化領域36や位相差磁化領域37の下流側輪郭線36a、37aで磁化方向は突き合わせられる。したがって、下流側輪郭線36a、37aに沿って正の磁極は形成される。反対に、基準磁化領域36や位相差磁化領域37の上流側輪郭線36b、37bで磁化方向は相反する。したがって、上流側輪郭線36b、37bに沿って負の磁極は形成される。こうしてサーボデータ域33内では所定のパターンに従って磁極は配置される。特に、プリアンブル域31に最も近い位置ではプリアンブル域31と同様に所定の繰り返しパターンで交互に正負の磁極は形成される。位相差磁化領域37の上流側輪郭線36bや下流側輪郭線36aは、半径線に対して傾斜する直線で仕切られる。
個々の基準磁化領域36では、磁気ディスク17の周方向CRに沿って上流側輪郭線36bおよび下流側輪郭線36aの間隔は前述と同様に均一値CLに設定される。しかも、隣接する基準磁化領域36同士の間隔は均一値CLに設定される。したがって、基準磁化領域36によれば、磁気ディスク17の周方向CRに沿って正負の磁極は均一な間隔CLで交互に配置される。同様に、個々の位相差磁化領域37では、磁気ディスク17の周方向CRに沿って上流側輪郭線37bおよび下流側輪郭線37aの間隔は均一値CLに設定される。しかも、隣接する位相差磁化領域37同士の間隔は均一値CLに設定される。したがって、位相差磁化領域37によれば、磁気ディスク17の周方向CRに沿って正負の磁極は均一な間隔CLで交互に配置される。
いま、電磁変換素子の読み出し素子が周方向CRにサーボセクタ領域28上を通過する場面を想定する。電磁変換素子の読み出し素子から読み出される再生信号では、正の磁極に対応して最大ピーク値が現れる。同様に、再生信号では、負の磁極に対応して最小ピーク値が現れる。したがって、図4に示されるように、電磁変換素子の読み出し素子が周方向CRにプリアンブル域31上を通過すると、再生信号には均一な時間間隔で最大ピーク値および最小ピーク値が交互に現れる。各ピーク値は1単位の記録トラック群38に対して同一タイミングで現れる。ここで、記録トラック群38の1単位には複数本(例えば4本)の記録トラック38a〜38dが含まれる。
読み出し素子が周方向CRにサーボマーク域32上を通過すると、再生信号には所定のパターンで最大ピーク値および最小ピーク値が交互に現れる。サーボマーク域32では、最大ピーク値同士の時間間隔や最大ピーク値および最小ピーク値間の時間間隔はプリアンブル域31のそれらと区別されればよい。各ピーク値は1単位の記録トラック群38に対して同一タイミングで現れる。
読み出し素子が周方向CRにサーボデータ域33内の基準磁化領域36上を通過すると、再生信号には均一な時間間隔で最大ピーク値および最小ピーク値が交互に現れる。各ピーク値は1単位の記録トラック群38に対して同一タイミングで現れる。続いて、読み出し素子が周方向CRに位相差磁化領域37上を通過すると、再生信号には均一な時間間隔で最大ピーク値および最小ピーク値が交互に現れる。ただし、各ピーク値は、1記録トラック群38に含まれる個々の記録トラック38a〜38dに対して異なるタイミング(位相)で現れる。こうしたタイミング(位相)のずれに基づき1記録トラック群38内で個々の記録トラック38a〜38dは識別されることができる。例えば、1記録トラック群38に4本の記録トラック38a〜38dが含まれる場合には、隣接する記録トラック38a〜38d同士の間にπ/2の位相ずれが生成される。
図5に示されるように、HDD11にはサーボ制御回路41が組み込まれる。サーボ制御回路41は、前述のようにサーボセクタ領域28に書き込まれる磁気情報に基づきいわゆるトラッキングサーボ制御を実現する。周知の通りに、トラッキングサーボ制御では、浮上ヘッドスライダ26上の電磁変換素子と予め決められた軌道との乖離量に基づき支軸21回りでヘッドアクチュエータ19の回転量は決定される。こういったトラッキングサーボ制御の働きに基づき、浮上ヘッドスライダ26上の電磁変換素子は、磁気ディスク17で予め決められた軌道を辿ることができる。サーボ制御回路41には例えば読み出し回路42からサーボセクタ領域28の再生信号が供給される。読み出し回路42は例えば電磁変換素子の読み出し素子にセンス電流を供給する。読み出し素子の抵抗変化はセンス電流の電圧変化に現れる。
サーボゲート同期化回路43はプリアンブル域31の再生信号に基づきサーボゲート信号のタイミングを調整する。サーボゲート信号は磁気ディスク17の回転に同期しつつ規定のタイミングで例えば「0」値および「1」値を特定する。「0」値で磁気ディスク17上のデータ領域29が特定される一方で、「1」値で磁気ディスク17上のサーボセクタ領域28が特定されればよい。サーボゲート信号の働きに基づき、データ領域29で電磁変換素子の書き込み動作は許容されるものの、サーボセクタ領域28で電磁変換素子の書き込み動作は禁止される。
サーボマーク認識回路44は再生信号からサーボマーク域32の再生信号を探し出す。こうして探り出されたサーボマーク域32の再生信号に基づきサーボマーク認識回路44はトラッキングサーボゲート信号を生成する。このトラッキングサーボゲート信号では例えば「0」値および「1」値が特定されればよい。再生信号中にサーボマーク域32の再生信号が探り当てられると、トラッキングサーボゲート信号は例えば「0」値から「1」値に移行する。「1」値に移行した後に一定時間が経過すると、トラッキングサーボゲート信号は「1」値から「0」値に復帰する。
トラッキングサーボ処理回路45は、周知の通りに、サーボデータ域33の再生信号に基づき制御信号を生成する。制御信号はヘッドアクチュエータ19の動力源27に供給される。動力源27は制御信号の大きさに基づき支軸21回りでヘッドアクチュエータ19を回転させる。こうしてトラッキングサーボ制御は実現される。浮上ヘッドスライダ26上の電磁変換素子は高い精度で磁気ディスク17上の記録トラック38a〜38dを辿る。トラッキングサーボ処理回路45は、前述のトラッキングサーボゲート信号に「1」値が示されると、制御信号の生成を開始する。トラッキングサーボ処理回路45は、前述の一定期間が経過する以前であっても、制御信号の生成の完了と同時にトラッキングサーボゲート信号を「0」値に復帰させてもよい。
いま、磁気ディスク17の回転中にサーボセクタ領域28の磁気情報が電磁変換素子の読み出し素子で再生される場面を想定する。まず、電磁変換素子は目標の1記録トラック群38に対して位置決めされる。その後、電磁変換素子は当該1記録トラック群38中から1記録トラック38a〜38dに位置決めされる。このとき、磁気ディスク17の回転に同期しつつサーボゲート信号では「0」値と「1」値とが切り替えられる。サーボゲート信号中の「1」値でサーボセクタ領域28は特定される。サーボゲート信号中で「1」値が特定される間にサーボ制御回路41はサーボセクタ領域28の再生信号を解析する。
読み出し素子がプリアンブル域31を通過すると、前述のように再生信号には均一な時間間隔で最大ピーク値および最小ピーク値が交互に現れる。サーボゲート同期化回路43は各ピーク値の出現のタイミングとサーボゲート信号の生成のタイミングとを合わせ込む。各ピーク値の出現のタイミングは磁気ディスク17のジッタすなわち回転むらを反映することから、こうしてサーボゲート信号と磁気ディスク17の回転との間で同期化は実現される。トラッキングサーボ制御の実施にあたって磁気ディスク17のジッタの影響は排除される。
続いてサーボ制御回路41は再生信号からサーボマーク域32の再生信号パターンを検出する。検出にあたって例えば最大ピーク値や最小ピーク値の出現のタイミングが探り出されればよい。サーボマーク域32の再生信号パターンが検出されると、サーボマーク認識回路44はトラッキングサーボゲート信号で「0」値から「1」値へ切り替えを実現する。
こうしてトラッキングサーボゲート信号で「1」値が特定されると、トラッキングサーボ処理回路45は制御信号の生成を開始する。このとき、基準磁化領域36で生成される最大ピーク値や最小ピーク値と、位相差磁化領域37で生成される最大ピーク値や最小ピーク値との時間間隔が検出される。例えば図4から明らかなように、1記録トラック群38内で最内周記録トラック38aが選択される場合には、基準磁化領域36から位相差磁化領域37にわたって均一な時間間隔(=2π)で最大ピーク値および最小ピーク値は繰り返される。そういった再生信号が検出された時点で電磁変換素子の位置決めは完了する。最内周記録トラック38aの外周側に隣接する内周寄り記録トラック38bが選択される場合には、基準磁化領域36と位相差磁化領域37との間に(2π+π/2)の時間間隔が確保されればよい。そういった再生信号が検出された時点で電磁変換素子の位置決めは完了する。同様に、内周寄り記録トラック38bの外周側に隣接する外周寄り記録トラック38cが選択される場合には、基準磁化領域36と位相差磁化領域37との間に(3π)の時間間隔が確保されればよい。最外周記録トラック38dが選択される場合には、基準磁化領域36と位相差磁化領域37との間に(3π+π/2)の時間間隔が確保されればよい。
以上のようなHDD11では、サーボマーク域32で隣接する磁極同士の間隔は狭められる。個々の磁極では十分な強度が確保される。設計者の思い通りに磁極は確立されることができる。サーボマーク域32には、これら磁極よりも小さい強度の弱小磁極が形成されることはない。
図6は、前述のようなサーボパターンの確立にあたって利用される磁気転写装置51を概略的に示す。この磁気転写装置51は、磁気ディスクといったスレーブ媒体52を支持する支持機構53を備える。支持機構53では、例えば鉛直方向に延びる回転駆動軸54にスレーブ媒体52は受け止められる。スレーブ媒体52は回転駆動軸54の回転に伴い任意の水平面内で回転することができる。
支持機構53には着磁機構55が関連付けられる。この着磁機構55は、電流の供給に応じて磁界を生成する電磁石56を備える。周知の通りに、電磁石56は、磁性コア57と、磁性コア57に巻き付けられるコイル(図示されず)とから構成されればよい。スレーブ媒体52が回転駆動軸54に装着されると、電磁石56は、磁性コア57の両端すなわち1対の磁極57a、57bでスレーブ媒体52の表面に向き合わせられる。磁極57a、57b同士を行き交う磁力線に基づき磁界は生成される。こういった着磁機構55では電磁石56の代わりに永久磁石が用いられてもよい。
電磁石56には変位機構58が連結される。この変位機構58は、例えば鉛直方向に延びる回転軸回りで電磁石56を回転自在に支持する支持部材59と、支持部材59の水平移動を案内するガイドレール61とを備える。電磁石56の回転は例えば支持部材59に組み込まれる電動モータやギアの働きに基づき生み出されればよい。スレーブ媒体52が回転駆動軸54に装着されると、電磁石56は、スレーブ媒体52の表面に直交する回転軸回りで姿勢を変化させることができる。
支持部材59の移動は、例えばラックおよびピニオンで構成される駆動機構の働きで生み出されればよい。支持部材59の移動量は、例えばピニオンに連結される電動モータの回転量に基づき決定されることができる。ガイドレール61に沿って支持部材59が移動すると、回転駆動軸54の中心を通過する1直線に沿って電磁石56の水平移動は生み出される。スレーブ媒体52が回転駆動軸54に装着されると、変位機構58の働きで電磁石56はスレーブ媒体52の半径線に沿って水平移動することができる。
着磁機構55には制御回路62が接続される。この制御回路62は、例えば変位機構58に組み込まれる電動モータに所定の電気信号を供給する。供給される電気信号に基づき変位機構58はガイドレール61に沿って支持部材59の動きを制御する。こういった制御にあたって電磁石56には位置センサ(図示されず)が関連付けられてもよい。位置センサは、ガイドレール61に沿って変位する電磁石56の位置を検出すればよい。制御回路62は所定の処理プログラムに従って支持部材59の動きを制御すればよい。
同様に、制御回路62は、例えば回転駆動軸54に連結されるスピンドルモータ(図示されず)に所定の電気信号を供給する。供給される電気信号に基づきスレーブ媒体52すなわち回転駆動軸54の回転速度は制御される。制御回路62は、所定の処理プログラムに従って回転駆動軸54の回転速度を制御すればよい。こうして変位機構58およびスピンドルモータの働きに基づきスレーブ媒体52の表面は満遍なく電磁石56の磁界に曝されることができる。
その他、制御回路62は、例えば支持部材59に組み込まれる電動モータに所定の電気信号を供給してもよい。供給される電気信号に基づき回転軸回りで電磁石56の姿勢は制御されることができる。同様に、制御回路62は、電磁石56に供給される電流の大きさや向きを制御してもよい。制御回路62は所定の処理プログラムに従って電磁石56の姿勢および電流の大きさや向きを制御すればよい。こうしてスレーブ媒体52の表面は予め決められた向きに沿って均一な強度で電磁石56の磁界に曝されることができる。
サーボパターンの書き込みにあたって着磁機構55にはマスタ媒体63が組み込まれる。このマスタ媒体63は、回転駆動軸54に装着されたスレーブ媒体52の表面に重ね合わせられる。マスタ媒体63はスレーブ媒体52と電磁石56との間に配置される。後述されるように、スレーブ媒体52の表面に沿って磁束が流通すると、スレーブ媒体52すなわち磁気ディスクにサーボパターンは書き込まれることができる。
図7に示されるように、マスタ媒体63は非磁性体のディスク形基板64を備える。基板64は例えばSiやSiOから構成されればよい。基板64では、スレーブ媒体52に向き合わせられる表面に、基板64の半径方向に沿って湾曲しつつ延びる複数筋の磁性体分布領域65が規定される。磁性体分布領域65は前述のサーボセクタ領域28の鏡像に相当する。この磁性体分布領域65では、上流から順番にプリアンブル確立域66、サーボマーク確立域67およびサーボデータ確立域68が区画される。プリアンブル確立域66では、例えば、基板64の半径線上で延びる複数列の第1磁性膜69が埋め込まれる。個々の第1磁性膜69では、基板64の周方向CDに沿って上流側輪郭線69aおよび下流側輪郭線69bの間隔は均一値CLに設定される。しかも、隣接する第1磁性膜69同士の間隔は均一値CLに設定される。こうして第1磁性膜69の上流側輪郭線69aおよび下流側輪郭線69bは均一な間隔で周方向CDに配列される。ここで、「上流」や「下流」は前述の磁気ディスク17のそれを反映する。
サーボマーク確立域67では、例えば、基板64の半径線上で延びる複数列の第2磁性膜71が埋め込まれる。個々の第2磁性膜71では、基板64の周方向CDに沿って上流側輪郭線71aおよび下流側輪郭線71bの間隔は均一値CSに設定される。しかも、隣接する第2磁性膜71同士の間隔は均一値CTに設定される。こうしてサーボマーク確立域67では基板64の周方向CDに沿って第1磁性膜69の配列のパターンとは異なるパターンで第2磁性膜71は配列される。
サーボデータ確立域68では、例えば、基板64の半径線上で延びる複数列の第3磁性膜72が埋め込まれる。第3磁性膜72はサーボマーク確立域67に隣接して配置される。第3磁性膜72では、基板64の周方向CDに沿って上流側輪郭線72aおよび下流側輪郭線72bの間隔は均一値CLに設定される。しかも、隣接する第3磁性膜72同士の間隔は均一値CLに設定される。こうして第3磁性膜72の上流側輪郭線72aおよび下流側輪郭線72bは均一な間隔で周方向CDに配列される。
同様に、サーボデータ確立域68では、規定の交差角αで半径線に交差する傾斜方向に沿って延びる複数列の第4磁性膜73が埋め込まれる。第4磁性膜73は第3磁性膜72群の下流に配置される。第4磁性膜73では、基板64の周方向CDに沿って上流側輪郭線73aおよび下流側輪郭線73bの間隔は均一値CLに設定される。しかも、隣接する第4磁性膜73同士の間隔は均一値CLに設定される。こうして第4磁性膜73の上流側輪郭線73aおよび下流側輪郭線73bは均一な間隔で周方向CDに配列される。
以上のような磁性膜69、71、72、73の実現にあたって、図8に示されるように、基板64の表面には窪みすなわち長溝74が区画される。磁性膜69、71、72、73は長溝74に充填される。基板64の表面は保護膜や潤滑剤膜で覆われてもよい。
いま、磁気転写装置51で磁気ディスク17のサーボパターンが確立される場面を想定する。スレーブ媒体52が用意される。スレーブ媒体52は支持機構53の回転駆動軸54に装着される。このスレーブ媒体52の表面では、例えば図9に示されるように、周方向に沿って前述の反対向きに予め磁化76が確立される。磁化76の確立にあたって、スレーブ媒体52上の磁性膜は、そういった反対向きに沿って流通する磁束に曝されればよい。磁束の流通にあたって着磁機構55が利用されればよい。
磁気転写装置51ではスレーブ媒体52の表面にマスタ媒体63が重ね合わせられる。マスタ媒体63上の磁性膜69、71、72、73はスレーブ媒体52の表面に接触する。その後、図10に示されるように、マスタ媒体63は所定の磁界77に曝される。磁界77の形成にあたって着磁機構55が利用される。この磁界77では周方向CDに沿って前述の規定の向きに磁束は流通する。磁束は磁性膜69、71、72、73を通過する。このとき、隣接する磁性膜69、71、72、73同士の間では基板64を迂回して磁束が流通する。磁束はマスタ媒体63から漏れ出る漏れ磁界を形成する。こういった漏れ磁界がスレーブ媒体52の表面に作用する。スレーブ媒体52の表面では規定の向きに磁化は確立される。第1磁性膜69の漏れ磁界に基づきスレーブ媒体52ではプリアンブル域31の同期磁化領域34は確立される。同様に、第2磁性膜71の漏れ磁界に基づきスレーブ媒体52ではサーボマーク域32の磁化領域35は確立される。第3磁性膜72の漏れ磁界に基づきスレーブ媒体52ではサーボデータ域33の基準磁化領域36が確立される。第4磁性膜73の漏れ磁界に基づきスレーブ媒体52ではサーボデータ域33の位相差磁化領域37が確立される。スレーブ媒体52の回転と着磁機構55の半径方向移動とに基づきマスタ媒体63は満遍なく全域で磁界に曝される。こうしてスレーブ媒体52の全域でサーボパターンは書き込まれていく。
ここで、マスタ媒体63では、隣接する磁性膜69、71、72、73同士の間隔は比較的に狭められることができる。特に、サーボマーク確立域67で第2磁性膜71が全く配置されない場合に比べて、隣接する磁性膜69、71、72、73同士の間隔は十分に狭められる。こういった磁性膜69、71、72、73に磁束が流通すると、漏れ磁界には十分な強度が確保されることができる。スレーブ媒体52には確実に十分な強度の磁化が書き込まれることができる。余分な弱小磁極の成立は排除されることができる。その一方で、例えばサーボマーク確立域67で第2磁性膜71が全く配置されない場合には、プリアンブル確立域66の最後の第1磁性膜69とサーボデータ確立域68の最初の第3磁性膜72との間に比較的に大きな間隔が形成されてしまう。こうした間隔を横切って磁性膜69、72同士の間に微弱な漏れ磁界が生成される。こうした微弱な漏れ磁界はスレーブ媒体52上でサーボデータ域33に隣接する位置に通常の磁極よりも小さい強度の弱小磁極を形成する。こういった余分な弱小磁極がサーボデータ域33内の第1磁極に取り違えられると、トラッキングサーボ制御は乱される。電磁変換素子は正確に記録トラック38a〜38dを追従し続けることはできない。マスタ媒体63では、隣接する磁性膜69、71、72、73同士の間隔は、着磁機構55から作用する磁界の強度や、スレーブ媒体52すなわち磁気ディスク17の磁性体の飽和磁束密度などに基づき決定されればよい。
一般に、いわゆるサーボトラックライタでは組み立て後のHDDでサーボパターンは書き込まれる。HDD内に組み込まれたヘッドスライダ上の電磁変換素子でサーボパターンが書き込まれる。書き込みにあたってヘッドスライダは磁気ディスクに対して正確に位置決めされなければならない。この位置決めにあたってエンクロージャ内の収容空間にはアクチュエータ駆動用挿入ピンが差し込まれる。挿入ピンの駆動に基づきヘッドアクチュエータは支軸回りで回転する。その一方で、磁気転写装置51では組み立て前の磁気ディスク17にサーボパターンは書き込まれる。予め書き込まれたサーボパターンに基づきHDD11内の電磁変換素子は正確に位置決めされることができる。アクチュエータ駆動用挿入ピンが差し込まれる必要は必ずしもない。したがって、HDD11では、アクチュエータ駆動用挿入ピンの挿入孔はエンクロージャ12から省略されることができる。
本発明の第2実施形態に係るHDDではエンクロージャ12の収容空間内に前述の磁気ディスク17に代えて磁気ディスク17aが収容される。この磁気ディスク17aでは、例えば図11に示されるように、各サーボセクタ領域28で上流から順番にプリアンブル域81、サーボマーク域82およびサーボデータ域83が区画される。プリアンブル域81およびサーボデータ域83は前述のプリアンブル域31およびサーボデータ域33と同様に構成される。ただし、プリアンブル域81では、個々の同期磁化領域34の上流側輪郭線34bで磁化方向は突き合わせられる。したがって、上流側輪郭線34bに沿って正の磁極は形成される。反対に、同期磁化領域34の下流側輪郭線34aで磁化方向は相反する。したがって、下流側輪郭線34aに沿って負の磁極は形成される。サーボデータ域83では、個々の基準磁化領域36や位相差磁化領域37の上流側輪郭線36b、37bで磁化方向は突き合わせられる。したがって、上流側輪郭線36b、37bに沿って正の磁極は形成される。反対に、個々の基準磁化領域36や位相差磁化領域37の下流側輪郭線36a、37aで磁化方向は相反する。したがって、下流側輪郭線36a、37aに沿って負の磁極は形成される。
その一方で、サーボマーク域82では、磁気ディスク17aの半径線上で延びる1筋ずつの第1および第2弱小磁化領域84、85が確立される。第1弱小磁化領域84はプリアンブル域81に隣接して配置される。第2弱小磁化領域85はサーボデータ域83に隣接して配置される。第1および第2弱小磁化領域84、85ではプリアンブル域81の同期磁化領域34やサーボデータ域83の基準磁化領域36と同一の向きに磁化は確立される。したがって、第1および第2弱小磁化領域84、85の上流側輪郭線84a、85aで磁化方向は向き合わせられる。上流側輪郭線84a、85aに沿って正の磁極は形成される。反対に、第1および第2弱小磁化領域84、85の下流側輪郭線84b、85bで磁化方向は相反する。こうして下流側輪郭線84b、85bに沿って負の磁極は形成される。ただし、第1および第2弱小磁化領域84、85の磁化の強度は同期磁化領域34や基準磁化領域36のそれよりも弱い。第1および第2弱小磁化領域84、85で形成される磁極の強度の絶対値は、同期磁化領域34や基準磁化領域36、位相差磁化領域37で形成される磁極の強度の絶対値よりも小さい。その結果、第1弱小磁化領域84では、プリアンブル域81に隣接してプリアンブル域81の最終磁極86から反対向きにその最終磁極86よりも小さい強度の磁極が形成される。第2弱小磁化領域85では、サーボデータ域83に隣接してサーボデータ域83の第1磁極87から反対向きにその第1磁極87よりも小さい強度の磁極が形成される。その他、この第2実施形態に係るHDDは前述の第1実施形態に係るHDD11と同様に構成される。図中、前述の第1実施形態と均等な構成や構造には同一の参照符号が付される。
図11から明らかなように、電磁変換素子の読み出し素子が周方向CRにプリアンブル域81上を通過すると、前述と同様に、再生信号には均一な時間間隔で最大ピーク値および最小ピーク値が交互に現れる。再生信号ではプリアンブル域81の最終磁極86に基づき最小ピーク値が現れる。その後、読み出し素子がサーボマーク域82に進入すると、再生信号には極大値が現れる。この極大値は最大ピーク値よりも小さい。読み出し素子がサーボマーク域82上を通過し続けると、再生信号には続いて極小値が現れる。この極小値は最小ピーク値よりも大きい。すなわち、極小値の絶対値は最小ピーク値の絶対値よりも小さい。続いて読み出し素子がサーボデータ域83に進入すると、再生信号ではサーボデータ域83の第1磁極87に基づき最大ピーク値が現れる。その後、読み出し素子がサーボデータ域83を通過していくと、前述と同様に、再生信号には基準磁化領域36に基づき均一な時間間隔で最大ピーク値および最小ピーク値が交互に現れる。読み出し素子が周方向CRに位相差磁化領域37上を通過すると、再生信号には均一な時間間隔で最大ピーク値および最小ピーク値が交互に現れる。ただし、各ピーク値は、1記録トラック群38に含まれる個々の記録トラック38a〜38dに対して異なるタイミング(位相)で現れる。
こういったHDDでは、図12に示されるように、サーボ制御回路41に閾値回路88が組み込まれる。ここでは、閾値回路88は再生信号中の最大ピーク値に対して閾値を設定する。再生信号がこの閾値を越えたか否かが判断される。例えば、閾値回路88は前述の最大ピーク値や極大値を検出することができる。サーボゲート同期化回路43は最大ピーク値の周期に基づき前述と同様にサーボゲート信号のタイミングを調整する。サーボマーク認識回路44は再生信号から最大ピーク値の途切れすなわち不存在を探し出す。サーボマーク認識回路44は最大ピーク値の途切れに基づきサーボマーク域82を検出する。トラッキングサーボ処理回路45は最大ピーク値の周期に基づき前述の制御信号を生成する。図中、前述の第1実施形態と均等な構成や構造には同一の参照符号が付される。
以上のようなHDDでは、第1および第2弱小磁化領域84、85の存在にも拘わらず正確にサーボマーク域82は認識されることができる。特に、第2弱小磁化領域85の存在にも拘わらずサーボデータ域83の第1磁極87は正確なタイミングで検出されることができる。したがって、余分な弱小磁極の存在にも拘わらず正確なトラッキングサーボ制御は実現される。浮上ヘッドスライダ26上の電磁変換素子は確実に磁気ディスク17a上の記録トラックを辿り続けることができる。しかも、第1弱小磁化領域84が存在するもののサーボゲート同期化回路43の動作は確実に確保されることができる。たとえ第1弱小磁化領域84の再生信号がサーボゲート同期化回路43の動作に用いられてなくてもサーボゲート同期化回路43は十分にサーボゲート信号の同期化を実現することができる。
以上のような磁気ディスク17aの製造にあたって前述の磁気転写装置51は用いられることができる。ただし、マスタ媒体89の磁性体分布領域65では、例えば図13に示されるように、上流から順番にプリアンブル確立域91およびサーボデータ確立域92が区画される。プリアンブル確立域91およびサーボデータ確立域92の間には基板の周方向CDに所定の間隔が確保される。この間隔は磁気ディスク17a上のサーボマーク域82の広がりを反映する。プリアンブル確立域91およびサーボデータ確立域92は前述のプリアンブル確立域66およびサーボデータ確立域68と同様に構成されればよい。図中、前述の第1実施形態と均等な構成や構造には同一の参照符号が付される。
いま、磁気転写装置51で磁気ディスク17aのサーボパターンが確立される場面を想定する。スレーブ媒体93が用意される。スレーブ媒体93は支持機構53の回転駆動軸54に装着される。このスレーブ媒体93の表面では、例えば図14に示されるように、周方向に沿って前述の反対向きに予め磁化94が確立される。磁化94の確立にあたって、スレーブ媒体93上の磁性膜は、反対向きに沿って流通する磁束に曝されればよい。磁束の流通にあたって着磁機構55が利用されればよい。
磁気転写装置51ではスレーブ媒体93の表面にマスタ媒体89が重ね合わせられる。マスタ媒体89上の磁性膜69、72、73はスレーブ媒体93の表面に接触する。その後、図15に示されるように、マスタ媒体89は所定の磁界95に曝される。磁界95の形成にあたって着磁機構55が利用される。この磁界95では周方向CDに沿って前述の規定の向きに磁束は流通する。磁束は磁性膜69、72、73を通過する。このとき、隣接する磁性膜69、72、73同士の間では基板64を迂回して磁束が流通する。磁束はマスタ媒体89から漏れ出る漏れ磁界を形成する。こういった漏れ磁界がスレーブ媒体93の表面に作用する。スレーブ媒体93の表面では規定の向きに磁化は確立される。第1磁性膜69の漏れ磁界に基づきスレーブ媒体93ではプリアンブル域81の同期磁化領域34は確立される。同様に、第3磁性膜72の漏れ磁界に基づきスレーブ媒体93ではサーボデータ域83の基準磁化領域36が確立される。第4磁性膜73の漏れ磁界に基づきスレーブ媒体93ではサーボデータ域83の位相差磁化領域37が確立される。
ここで、マスタ媒体89では第1および第3磁性膜69、72の間に比較的に大きな間隔が形成される。こうした間隔を横切って第1および第3磁性膜69、72の間には微弱な漏れ磁界が生成される。こうした微弱な漏れ磁界はスレーブ媒体93すなわち磁気ディスク17a上のサーボマーク域82に作用する。その結果、サーボマーク域82には、プリアンブル域81やサーボデータ域83に隣接して第1および第2弱小磁化領域84、85が確立される。
本発明の第3実施形態に係るHDDではエンクロージャ12の収容空間内に前述の磁気ディスク17に代えて磁気ディスク17bが収容される。この磁気ディスク17bでは、例えば図16に示されるように、各サーボセクタ領域28で上流から順番にプリアンブル域101、サーボマーク域102およびサーボデータ域103が区画される。プリアンブル域101およびサーボデータ域103は前述のプリアンブル域31およびサーボデータ域33と同様に構成される。サーボマーク域102は前述のサーボマーク域82と同様に構成される。ただし、サーボマーク域102では、第1および第2弱小磁化領域84、85ではプリアンブル域101の同期磁化領域34やサーボデータ域103の基準磁化領域36と同一の向きに磁化は確立されることから、第1および第2弱小磁化領域84、85の下流側輪郭線84b、85bで磁化方向は向き合わせられる。下流側輪郭線84b、85bに沿って正の磁極は形成される。反対に、第1および第2弱小磁化領域84、85の上流側輪郭線84a、85aで磁化方向は相反する。こうして上流側輪郭線84a、85aに沿って負の磁極は形成される。前述と同様に、第1および第2弱小磁化領域84、85で形成される磁極の強度の絶対値は、同期磁化領域34や基準磁化領域36、位相差磁化領域37で形成される磁極の強度の絶対値よりも小さい。その他、この第3実施形態に係るHDDは前述の第1実施形態に係るHDD11と同様に構成される。図中、前述の第1および第2実施形態と均等な構成や構造には同一の参照符号が付される。
図16から明らかなように、電磁変換素子の読み出し素子が周方向CRにプリアンブル域101上を通過すると、前述と同様に、再生信号には均一な時間間隔で最大ピーク値および最小ピーク値が交互に現れる。再生信号ではプリアンブル域101の最終磁極104に基づき最大ピーク値が現れる。その後、読み出し素子がサーボマーク域102に進入すると、再生信号には極小値が現れる。この極小値は最小ピーク値よりも大きい。すなわち、極小値の絶対値は最小ピーク値の絶対値よりも小さい。読み出し素子がサーボマーク域102上を通過し続けると、再生信号には続いて極大値が現れる。この極大値は最大ピーク値よりも大きい。続いて読み出し素子がサーボデータ域103に進入すると、再生信号ではサーボデータ域103の第1磁極105に基づき最小ピーク値が現れる。その後、読み出し素子がサーボデータ域103を通過していくと、前述と同様に、再生信号には基準磁化領域36に基づき均一な時間間隔で最大ピーク値および最小ピーク値が交互に現れる。読み出し素子が周方向CRに位相差磁化領域37上を通過すると、再生信号には均一な時間間隔で最大ピーク値および最小ピーク値が交互に現れる。
こういったHDDのサーボ制御回路41では、図17に示されるように、トラッキングサーボ処理回路45にサーボゲート同期化回路43から同期化信号が供給される。サーボゲート同期化回路43は、プリアンブル域101から再生される最大ピーク値の周期に基づき同期化信号を生成する。トラッキングサーボ処理回路45は、同期化信号で特定される最大ピーク値の周期との間で同期を維持しつつ最大ピーク値の周期に基づき前述の制御信号を生成する。図中、前述の第1実施形態と均等な構成や構造には同一の参照符号が付される。
以上のようなHDDでは再生信号中で極大値の出現は最大ピーク値の周期から外れる。すなわち、極大値の出現は最大ピーク値の出現に同期しない。したがって、トラッキングサーボ処理回路45の動作の実現にあたって極大値は利用されない。第1および第2弱小磁化領域84、85の存在にも拘わらず正確にサーボマーク域102は認識されることができる。特に、第2弱小磁化領域85の存在にも拘わらずサーボデータ域103の第1磁極105は正確なタイミングで検出されることができる。したがって、余分な弱小磁極の存在にも拘わらず正確なトラッキングサーボ制御は実現される。浮上ヘッドスライダ26上の電磁変換素子は確実に磁気ディスク17b上の記録トラックを辿り続けることができる。
以上のような磁気ディスク17bは前述の磁気ディスク17aと同様に製造されればよい。ただし、最初にスレーブ媒体93では磁化94に反対向きに磁化は確立される。マスタ媒体89は磁界95に反対向きの磁界に曝される。
本発明の第4実施形態に係るHDDではエンクロージャ12の収容空間内に前述の磁気ディスク17に代えて磁気ディスク17cが収容される。この磁気ディスク17cでは、例えば図18に示されるように、各サーボセクタ領域28で上流から順番にプリアンブル域111、サーボマーク域112およびサーボデータ域113が区画される。プリアンブル域111およびサーボマーク域112は前述のプリアンブル域31およびサーボマーク域103と同様に構成される。
サーボデータ域113では、複数列の半径線で磁化を区分けする基準情報域114が確立される。この基準情報域114では前述と同様に基準磁化領域36が形成される。基準情報域114の下流には、複数列の第1傾斜線115で磁化を区分けする第1位置情報域116が確立される。個々の第1傾斜線115は第1周方向CR1に傾斜角βで基準半径線117から傾斜する。第1位置情報域116では、前述の位相差磁化領域37と同様に、規定の交差角βで半径線に交差する傾斜方向に沿って延びる複数筋の第1位相差磁化領域118が形成される。同様に、第1位置情報域116の下流には、複数列の第2傾斜線119で磁化を区分けする第2位置情報域121が確立される。この第2傾斜線119は、第1周方向CR1に相反する第2周方向CR2に傾斜角γで基準半径線117から傾斜する。ここでは、傾斜角γは傾斜角βと同一であってもよい。第2位置情報域121では、前述の位相差磁化領域37と同様に、規定の交差角γで半径線に交差する傾斜方向に沿って延びる複数筋の第2位相差磁化領域122が形成される。ただし、第2位相差磁化領域122の傾斜方向は基準半径線117を中心に第1位相差磁化領域118の傾斜方向から相反する。その他、この第4実施形態に係るHDDは前述の第1実施形態に係るHDD11と同様に構成される。図中、前述の第1〜第3実施形態と均等な構成や構造には同一の参照符号が付される。
こういったHDDのサーボ制御回路41では、例えば図19に示されるように、トラッキングサーボ処理回路45は第1および第2位相差検出回路123、124を備える。第1位相差検出回路123は第1位置情報域116から読み出される再生信号に基づき位相差を検出する。位相差の検出にあたって、第1位相差検出回路123は、例えばトラッキングサーボゲート信号で「1」値が示された後に最初に再生信号に現れる最大ピーク値を検出する。この最大ピーク値は同期の基準に設定される。第1位置情報域116で読み出される再生信号の位相差はこうした最大ピーク値の位相に基づき測定される。こうした測定にあたって第1位相差検出回路123は特定の時間帯にのみ再生信号を処理する。同様に、第2位相差検出回路124は第2位置情報域121から読み出される再生信号に基づき位相差を検出する。位相差の検出にあたって、第2位相差検出回路124は、例えばトラッキングサーボゲート信号で「1」値が示された後に最初に再生信号に現れる最大ピーク値を検出する。この最大ピーク値は同期の基準に設定される。第2位置情報域121で読み出される再生信号の位相差はこうした最大ピーク値の位相に基づき測定される。こうした測定にあたって第2位相差検出回路124は特定の時間帯にのみ再生信号を処理する。
第1および第2位相差検出回路123、124には差分演算回路125が接続される。この差分演算回路125は、第1位相差検出回路123で検出される位相差と、第2位相差検出回路124で検出される位相差との差分を算出する。こうして算出された差分に基づき位置情報は特定される。この位置情報に基づきヘッドアクチュエータ19の動力源27に対して制御信号は生成される。
いま、磁気ディスク17cの回転中にサーボセクタ領域28の磁気情報が電磁変換素子の読み出し素子で再生される場面を想定する。前述と同様にトラッキングサーボゲート信号で「1」値が特定されると、第1および第2位相差検出回路123、124は位相差の検出を開始する。第1および第2位相差検出回路123、124は、トラッキングサーボゲート信号で「1」値が示された後に最初に再生信号に現れる最大ピーク値を検出する。第1および第2位相差検出回路123、124はこうして検出された最大ピーク値から最大ピーク値の周期を計測する。最大ピーク値の周期は例えばプリアンブル域111の再生信号に基づき特定されることができる。同時に、検出された最初の最大ピーク値に基づき第1および第2位相差検出回路123、124は前述の時間帯を特定する。こういった時間帯の設定によれば、例えば図18から明らかなように、第1および第2位置情報域116、121では上流側端や下流側端に隣接する領域で再生信号の処理は実施されない。
第1位相差検出回路123は、前述の時間帯内に第1位置情報域116から読み出される再生信号に基づき最大ピーク値の位相差を検出する。例えば図17から明らかなように、記録トラック群38内で内周寄り記録トラック38bが選択される場合には、第1位相差検出回路123では第1位置情報域116に基づき「+30°」の位相差が検出されることができる。同様に、第2位相差検出回路124は、前述の時間帯内に第2位置情報域121から読み出される再生信号に基づき最大ピーク値の位相差を検出する。例えば図17から明らかなように、記録トラック群38内で内周寄り記録トラック38bが選択される場合には、第2位相差検出回路124では第2位置情報域121に基づき「−45°」の位相差が検出されることができる。
その後、差分演算回路125は、検出された位相差「+30°」「−45°」の差分を算出する。ここでは、例えば差分値「+75°」は算出される。この差分値に基づき位置情報は特定される。こうして特定された位置情報に基づき制御信号は生成される。生成される制御信号がヘッドアクチュエータ19の動力源27に供給されると、浮上ヘッドスライダ26上の電磁変換素子は高い精度で記録トラック38bに位置決めされることができる。
以上のようなHDDでは、サーボマーク域112で第2弱小磁化領域85に基づき余分な弱小磁極が形成される。前述のように、こういった弱小磁極は再生信号に極大値を形成する。この種の極大値は、トラッキングサーボゲート信号で「1」値が示された後に最初に再生信号に現れる最大ピーク値に取り違えられる。こういった場合には同期の基準はずらされる。しかしながら、前述と同様に記録トラック群38内で内周寄り記録トラック38bが選択される場合には、第1位相差検出回路123では第1位置情報域116に基づき例えば「+10°」の位相差が検出されることができる。同様に、第2位相差検出回路124では第2位置情報域121に基づき「−65°」の位相差が検出されることができる。差分演算回路125は差分値「+75°」を算出する。たとえ極大値が最初の最大ピーク値に取り違えられても、差分演算回路125は正確に位置情報を生成することができる。こうして余分な弱小磁極の存在にも拘わらず正確なトラッキングサーボ制御は実現される。浮上ヘッドスライダ26上の電磁変換素子は確実に磁気ディスク17c上の記録トラックを辿り続けることができる。
以上のような磁気ディスク17cの製造にあたって前述の磁気転写装置51は用いられることができる。ただし、マスタ媒体89の磁性体分布領域65では、例えば図20に示されるように、上流から順番にプリアンブル確立域128およびサーボデータ確立域129が区画される。プリアンブル確立域128およびサーボデータ確立域129の間には基板の周方向CDに所定の間隔が確保される。この間隔は磁気ディスク17c上のサーボマーク域112の広がりを反映する。プリアンブル確立域128は前述のプリアンブル確立域66と同様に構成されればよい。図中、前述の第1〜第3実施形態と均等な構成や構造には同一の参照符号が付される。
サーボデータ確立域129では、プリアンブル確立域128に最も近接する位置で前述と同様に複数列の第3磁性膜72が埋め込まれる。これら第3磁性膜72群の下流には第1傾斜線131に沿って延びる複数列の第1傾斜磁性膜132が埋め込まれる。第1傾斜線131は第1周方向CD1に傾斜角βで基準半径線133から傾斜する。第1傾斜磁性膜132では、基板の周方向に沿って上流側輪郭線132aおよび下流側輪郭線132bの間隔は均一値CLに設定される。しかも、隣接する第1傾斜磁性膜132同士の間隔は均一値CLに設定される。こうして第1傾斜磁性膜132の上流側輪郭線132aおよび下流側輪郭線132bは均一な間隔で周方向に配列される。
第1傾斜磁性膜132群の下流には、同様に、第2傾斜線134に沿って延びる複数列の第2傾斜磁性膜135が埋め込まれる。第2傾斜線134は第2周方向CD2に傾斜角γで基準半径線133から傾斜する。第2傾斜磁性膜135では、基板の周方向に沿って上流側輪郭線135aおよび下流側輪郭線135bの間隔は均一値CLに設定される。しかも、隣接する第2傾斜磁性膜135同士の間隔は均一値CLに設定される。こうして第2傾斜磁性膜135の上流側輪郭線135aおよび下流側輪郭線135bは均一な間隔で周方向に配列される。
本発明の第5実施形態に係るHDDではエンクロージャ12の収容空間内に前述の磁気ディスク17に代えて磁気ディスク17dが収容される。この磁気ディスク17dでは、例えば図21に示されるように、各サーボセクタ領域28で上流から順番にプリアンブル域141、サーボマーク域142およびサーボデータ域143が区画される。プリアンブル域141およびサーボデータ域143は前述のプリアンブル域31およびサーボデータ域33と同様に構成される。サーボマーク域142では1方向に完全に磁化は統一化される。前述のような第1および第2弱小磁化領域84、85は確立されない。すなわち、サーボマーク域142には全く磁極は形成されない。その他、この第5実施形態に係るHDDは前述の第1実施形態に係るHDD11と同様に構成される。図中、前述の第1〜第4実施形態と均等な構成や構造には同一の参照符号が付される。
以上のような磁気ディスク17dの製造にあたって前述の磁気転写装置51は用いられることができる。ただし、マスタ媒体89の磁性体分布領域65では、例えば図22に示されるように、上流から順番にプリアンブル確立域144、サーボマーク確立域145およびサーボデータ確立域146が区画される。プリアンブル確立域144では、例えば、基板の半径線上で延びる複数列の第1磁性膜147が埋め込まれる。個々の第1磁性膜147では、基板の周方向CDに沿って上流側輪郭線147aおよび下流側輪郭線147bの間隔は均一値CLに設定される。しかも、隣接する第1磁性膜147同士の間隔は均一値CLに設定される。こうして第1磁性膜147の上流側輪郭線147aおよび下流側輪郭線147bは均一な間隔で周方向CDに配列される。
サーボマーク確立域145では、例えば、基板の半径線上で延びる1筋の第2磁性膜148が埋め込まれる。第2磁性膜148は、基板の半径線上で延びる上流側輪郭線148aおよび下流側輪郭線148bで仕切られる。上流側輪郭線148aは、基板の周方向CDに前述の均一値CLの間隔で第1磁性膜147から隔てられる。上流側輪郭線148aおよび下流側輪郭線148bの間隔は均一値CLの整数倍に設定される。
サーボデータ確立域146では、例えば、基板の半径線上で延びる複数列の第3磁性膜149が埋め込まれる。サーボマーク確立域145に隣接する第3磁性膜149は基板の周方向CDに前述の均一値CLの間隔で第2磁性膜148から隔てられる。第3磁性膜149では、基板の周方向CDに沿って上流側輪郭線149aおよび下流側輪郭線149bの間隔は均一値CLに設定される。しかも、隣接する第3磁性膜149同士の間隔は均一値CLに設定される。こうして第3磁性膜149の上流側輪郭線149aおよび下流側輪郭線149bは均一な間隔で周方向CDに配列される。
同様に、サーボデータ確立域146では、規定の交差角αで半径線に交差する傾斜方向に沿って延びる複数列の第4磁性膜151が埋め込まれる。第4磁性膜151は第3磁性膜149群の下流に配置される。第4磁性膜151では、基板の周方向CDに沿って上流側輪郭線151aおよび下流側輪郭線151bの間隔は均一値CLに設定される。しかも、隣接する第4磁性膜151同士の間隔は均一値CLに設定される。こうして第4磁性膜151の上流側輪郭線151aおよび下流側輪郭線151bは均一な間隔で周方向CDに配列される。
磁気転写装置51でスレーブ媒体52にマスタ媒体89が重ね合わせられると、マスタ媒体89上の磁性膜147、148、149、151はスレーブ媒体52の表面に接触する。その後、図23に示されるように、マスタ媒体89は所定の磁界152に曝される。磁束は磁性膜147、148、149、151を通過する。このとき、隣接する磁性膜147、148、149、151同士の間では基板を迂回して磁束が流通する。磁束はマスタ媒体89から漏れ出る漏れ磁界を形成する。こういった漏れ磁界がスレーブ媒体52の表面に作用する。スレーブ媒体52の表面では規定の向きに磁化は確立される。第1および第2磁性膜147、148の間に確立される漏れ磁界に基づきスレーブ媒体52ではプリアンブル域141の最後の同期磁化領域34は確立される。同様に、第2および第3磁性膜148、149の間に確立される漏れ磁界に基づきスレーブ媒体52ではサーボデータ域143の最初の基準磁化領域36は確立される。マスタ媒体89では、いずれの磁性膜147、148、149、151同士も狭小な間隔で隣接し合うことから、漏れ磁界には十分な強度が確保されることができる。スレーブ媒体52には確実に十分な強度の磁化が書き込まれることができる。余分な弱小磁極の成立は排除されることができる。
前述の第1〜第3実施形態および第5実施形態に係るHDDではいわゆる振幅方式のトラッキングサーボ制御が採用されてもよい。この場合には、磁気ディスク17、17a、17b、17d上のサーボデータ域33、83、103、143で、例えば図24に示されるように、記録トラック153の長手方向中心線154に対して同一形状の磁化領域155a、155bは左右に振り分けられればよい。こういった磁化領域155a、155bは前述の位相差磁化領域37に代わって配置されればよい。
(付記1) 半径線に沿って延びて、均一な間隔で周方向に配列される複数列の第1磁性体と、周方向に第1磁性体群に隣接し、所定のパターンで配置される第2磁性体と、周方向に第2磁性体に隣接し、前記パターンから異なるパターンで配置される第3磁性体とを備えることを特徴とする磁気転写用マスタ媒体。
(付記2) 付記1に記載の磁気転写用マスタ媒体が組み込まれることを特徴とする磁気転写装置。
(付記3) データ領域と、周方向にデータ領域に隣接するサーボ領域と、サーボ領域内で半径線に沿って延び、周方向に沿って所定の繰り返しパターンで磁界を生成するプリアンブル域と、サーボ領域内で周方向に延び、半径方向に変化する所定のパターンで磁界を生成するサーボデータ域と、サーボ領域内でプリアンブル域およびサーボデータ域の間に配置され、前記繰り返しパターンおよび前記パターンから相違するパターンで磁界を生成するサーボマーク域とを備えることを特徴とする磁気ディスク。
(付記4) 付記3に記載の磁気ディスクにおいて、前記サーボデータ域には、半径線に対して傾斜する直線で仕切られる磁化領域が区画されることを特徴とする磁気ディスク。
(付記5) 筐体と、筐体内に密閉される磁気ディスクと、筐体内に密閉されて、磁気ディスクに向き合わせられるヘッドスライダと、先端でヘッドスライダを支持し、支軸回りで回転するアクチュエータとを備え、前記磁気ディスクには、データ領域と、周方向にデータ領域に隣接するサーボ領域と、サーボ領域内で半径線に沿って延び、周方向に沿って所定の繰り返しパターンで磁界を生成するプリアンブル域と、サーボ領域内で周方向に延び、半径方向に変化する所定のパターンで磁界を生成するサーボデータ域と、サーボ領域内でプリアンブル域およびサーボデータ域の間に配置され、前記繰り返しパターンおよび前記パターンから相違するパターンで磁界を生成するサーボマーク域とが区画され、前記筐体ではアクチュエータ駆動用挿入ピンの挿入孔が省略されることを特徴とする磁気ディスク駆動装置。
(付記6) 筐体と、筐体内に密閉される磁気ディスクと、磁気ディスクに読み出し素子を向き合わせるヘッドスライダと、先端でヘッドスライダを支持し、支軸回りで回転するアクチュエータと、読み出し素子から読み出される信号に基づきアクチュエータの回転を制御する制御回路とを備え、前記磁気ディスクには、データ領域と、周方向にデータ領域に隣接するサーボ領域と、サーボ領域内で半径線に沿って延び、周方向に沿って所定の繰り返しパターンで交互に正負の磁極を形成するプリアンブル域と、サーボ領域内で半径線に沿って延び、少なくともプリアンブル域に最も近い位置で周方向に沿って所定の繰り返しパターンで交互に正負の磁極を形成するサーボデータ域と、サーボ領域内でプリアンブル域およびサーボデータ域の間に配置され、サーボデータ域に隣接してサーボデータ域の第1磁極から反対向きに第1磁極よりも小さい強度の磁極を形成するサーボマーク域とが区画され、前記制御回路は、前記第1磁極に同一の向きにサーボデータ域で形成される磁極に基づきアクチュエータの回転を制御することを特徴とする磁気ディスク駆動装置。
(付記7) 筐体と、筐体内に密閉される磁気ディスクと、磁気ディスクに読み出し素子を向き合わせるヘッドスライダと、先端でヘッドスライダを支持し、支軸回りで回転するアクチュエータと、読み出し素子から読み出される信号に基づきアクチュエータの回転を制御する制御回路とを備え、前記磁気ディスクには、データ領域と、周方向にデータ領域に隣接するサーボ領域と、サーボ領域内で半径線に沿って延び、周方向に沿って所定の繰り返しパターンで交互に正負の磁極を形成するプリアンブル域と、サーボ領域内で周方向に延び、半径方向に変化する所定のパターンで磁界を生成するサーボデータ域と、サーボ領域内でプリアンブル域およびサーボデータ域の間に配置され、プリアンブル域に隣接してプリアンブル域の最終磁極から反対向きに最終磁極よりも小さい強度の磁極を形成するサーボマーク域とが区画され、前記制御回路は、前記最終磁極から反対向きにサーボデータ域で形成される磁極に基づきアクチュエータの回転を制御することを特徴とする磁気ディスク駆動装置。
(付記8) 筐体と、筐体内に密閉される磁気ディスクと、磁気ディスクに読み出し素子を向き合わせるヘッドスライダと、先端でヘッドスライダを支持し、支軸回りで回転するアクチュエータと、読み出し素子から読み出される信号に基づきアクチュエータの回転を制御する制御回路とを備え、前記磁気ディスクには、データ領域と、周方向にデータ領域に隣接するサーボ領域と、サーボ領域内で半径線に沿って延び、周方向に沿って均一な間隔で交互に正負の磁極を形成するプリアンブル域と、サーボ領域内で半径線に沿って延び、前記間隔の整数倍の間隔で周方向にプリアンブル域内の磁極から隔てられる基準磁極を形成するサーボデータ域と、サーボ領域内でプリアンブル域およびサーボデータ域の間に配置され、サーボデータ域に隣接してサーボデータ域の最初の基準磁極から反対向きにその最初の基準磁極よりも小さい強度の磁極を形成するサーボマーク域とが区画され、前記制御回路は、前記正負の磁極で確立される所定のタイミングで、サーボデータ域から読み出される信号を検出することを特徴とする磁気ディスク駆動装置。
(付記9) 筐体と、筐体内に密閉される磁気ディスクと、磁気ディスクに読み出し素子を向き合わせるヘッドスライダと、先端でヘッドスライダを支持し、支軸回りで回転するアクチュエータと、読み出し素子から読み出される信号に基づきアクチュエータの回転を制御する制御回路とを備え、前記磁気ディスクには、データ領域と、周方向にデータ領域に隣接するサーボ領域と、サーボ領域内で半径線に沿って延び、周方向に沿って均一な間隔で交互に正負の磁極を形成するプリアンブル域と、サーボ領域内で半径線に沿って延び、前記間隔の整数倍の間隔で周方向にプリアンブル域内の磁極から隔てられる基準磁極を形成するサーボデータ域と、サーボ領域内でプリアンブル域およびサーボデータ域の間に配置され、プリアンブル域に隣接してプリアンブル域の最終磁極から反対向きに最終磁極よりも小さい強度の磁極を形成するサーボマーク域とが区画され、前記制御回路は、前記正負の磁極で確立される所定のタイミングで、サーボデータ域から読み出される信号を検出することを特徴とする磁気ディスク駆動装置。
(付記10) 半径線に沿って延びて、均一な間隔で周方向に配列される複数列の第1磁性体と、第1周方向に基準半径線から傾斜する第1傾斜線に沿って延び、均一な間隔で周方向に配列される複数列の第2磁性体と、第1周方向に相反する第2周方向に基準半径線から傾斜する第2傾斜線に沿って延び、均一な間隔で周方向に配列される複数列の第3磁性体とを備えることを特徴とする磁気転写用マスタ媒体。
(付記11) 付記10に記載の磁気転写用マスタ媒体が組み込まれることを特徴とする磁気転写装置。
(付記12) データ領域と、周方向にデータ領域に隣接するサーボ領域と、サーボ領域内に、複数列の半径線で磁化を区分けする基準情報域と、サーボ領域内に、第1周方向に基準半径線から傾斜する複数列の第1傾斜線で磁化を区分けする第1位置情報域と、サーボ領域内に、第1周方向に相反する第2周方向に基準半径線から傾斜する複数列の第2傾斜線で磁化を区分けする第2位置情報域とを備えることを特徴とする磁気ディスク。
(付記13) 付記12に記載の磁気ディスクにおいて、前記サーボ領域内で半径線に沿って延び、周方向に沿って均一な間隔で交互に正負の磁極を形成するプリアンブル域と、サーボ領域内でプリアンブル域および前記基準情報域の間に配置され、基準情報域に隣接して基準情報域の第1磁極から反対向きに第1磁極よりも小さい強度の磁極を形成するサーボマーク域とをさらに備えることを特徴とする磁気ディスク。
(付記14) 付記12に記載の磁気ディスクにおいて、前記サーボ領域内で半径線に沿って延び、周方向に沿って均一な間隔で交互に正負の磁極を形成するプリアンブル域と、サーボ領域内でプリアンブル域および前記基準情報域の間に配置され、プリアンブル域に隣接してプリアンブル域の最終磁極から反対向きに最終磁極よりも小さい強度の磁極を形成するサーボマーク域とをさらに備えることを特徴とする磁気ディスク。
(付記15) 筐体と、筐体内に密閉される磁気ディスクと、磁気ディスクに読み出し素子を向き合わせるヘッドスライダと、先端でヘッドスライダを支持し、支軸回りで回転するアクチュエータと、読み出し素子から読み出される信号に基づきアクチュエータの回転を制御する制御回路とを備え、前記磁気ディスクには、データ領域と、周方向にデータ領域に隣接するサーボ領域と、サーボ領域内に、複数列の半径線で磁化を区分けする基準情報域と、サーボ領域内に、第1周方向に基準半径線から傾斜する複数列の第1傾斜線で磁化を区分けする第1位置情報域と、サーボ領域内に、第1周方向に相反する第2周方向に基準半径線から傾斜する複数列の第2傾斜線で磁化を区分けする第2位置情報域とが区画され、前記制御回路は、第1位置情報域から算出される位相と、第2位置情報域から算出される位相との差分に基づきアクチュエータの回転を制御することを特徴とする磁気ディスク駆動装置。
(付記16) 半径線に沿って延びて、均一な間隔で周方向に配列される複数列の第1磁性体と、前記間隔を隔てて周方向に第1磁性体群に隣接し、前記間隔の整数倍の幅で半径線に沿って延びる1筋の第2磁性体と、前記間隔を隔てて周方向に第2磁性体に隣接し、半径線に沿って延びる少なくとも1筋の第3磁性体とを備えることを特徴とする磁気転写用マスタ媒体。
(付記17) 付記16に記載の磁気転写用マスタ媒体において、周方向に前記第3磁性体群に隣接し、半径線に対して傾斜する直線で仕切られる第4磁性体が区画されることを特徴とする磁気転写用マスタ媒体。
(付記18) 付記16に記載の磁気転写用マスタ媒体が組み込まれることを特徴とする磁気転写装置。
本発明の第1実施形態に係る磁気記録媒体駆動装置の一具体例すなわちハードディスク駆動装置(HDD)の外観を概略的に示す斜視図である。 HDDの内部構造を概略的に示す平面図である。 磁気ディスクの部分平面図である。 サーボセクタ領域の磁極と再生信号の波形との相関関係を示す図である。 トラッキングサーボの制御系を概略的に示すブロック図である。 磁気転写装置の構成を概略的に示す斜視図である。 マスタ媒体の構造を概略的に示す拡大部分斜視図である。 図7の8−8線に沿った拡大部分断面図である。 サーボパターンの形成方法を概略的に示すスレーブ媒体の拡大部分断面図である。 サーボパターンの形成方法を概略的に示すマスタ媒体およびスレーブ媒体の拡大部分断面図である。 本発明の第2実施形態に係るHDDに組み込まれる磁気ディスクでサーボセクタ領域の磁極と再生信号の波形との相関関係を示す図である。 本発明の第2実施形態に係るHDDに組み込まれるサーボ制御回路の構成を概略的に示すブロック図である。 マスタ媒体の構造を概略的に示す拡大部分斜視図である。 サーボパターンの形成方法を概略的に示すスレーブ媒体の拡大部分断面図である。 サーボパターンの形成方法を概略的に示すマスタ媒体およびスレーブ媒体の拡大部分断面図である。 本発明の第3実施形態に係るHDDに組み込まれる磁気ディスクでサーボセクタ領域の磁極と再生信号の波形との相関関係を示す図である。 本発明の第3実施形態に係るHDDに組み込まれるサーボ制御回路の構成を概略的に示すブロック図である。 本発明の第4実施形態に係るHDDに組み込まれる磁気ディスクでサーボセクタ領域の磁極と再生信号の波形との相関関係を示す図である。 本発明の第4実施形態に係るHDDに組み込まれるサーボ制御回路の構成を概略的に示すブロック図である。 マスタ媒体の構造を概略的に示す拡大部分斜視図である。 本発明の第5実施形態に係るHDDに組み込まれる磁気ディスクでサーボセクタ領域の磁極と再生信号の波形との相関関係を示す図である。 マスタ媒体の構造を概略的に示す拡大部分斜視図である。 サーボパターンの形成方法を概略的に示すマスタ媒体およびスレーブ媒体の拡大部分断面図である。 いわゆる振幅方式のトラッキングサーボ制御に用いられるサーボデータ域の構造を概略的に示す磁気ディスクの拡大部分平面図である。
符号の説明
11 磁気ディスク駆動装置(ハードディスク駆動装置)、12 筐体(エンクロージャ)、17、17a、17b、17c、17d 磁気ディスク、19 アクチュエータ、21 支軸、26 ヘッドスライダ、28 サーボ領域(サーボセクタ領域)、29 データ領域、31 プリアンブル域、32 サーボマーク域、33 サーボデータ域、37 磁化領域(位相差磁化領域)、41 制御回路、51 磁気転写装置、63 磁気転写用マスタ媒体、69 第1磁性体、71 第2磁性体、72 第3磁性体、73 第3磁性体(第4磁性膜)、81 プリアンブル域、82 サーボマーク域、83 サーボデータ域、86 最終磁極、87 第1磁極、89 磁気転写用マスタ媒体、101 プリアンブル域、102 サーボマーク域、103 サーボデータ域、104 最終磁極、105 第1磁極、111 プリアンブル域、112 サーボマーク域、113 サーボデータ域、114 基準情報域、115 第1傾斜線、116 第1位置情報域、117 基準半径線、119 第2傾斜線、121 第2位置情報域、131 第1傾斜線、132 第2磁性体(第1傾斜磁性膜)、133 基準半径線、134 第2傾斜線、135 第3磁性体(第2傾斜磁性膜)、141 プリアンブル域、142 サーボマーク域、143 サーボデータ域、147 第1磁性体、148 第2磁性体、149 第3磁性体、151 第4磁性体、CD 周方向、CD1 第1周方向、CD2 第2周方向、CL 間隔、CR 周方向、CR1 第1周方向、CR2 第2周方向。

Claims (5)

  1. 半径線に沿って延びて、均一な間隔で周方向に配列される複数列の第1磁性体と、周方向に第1磁性体群に隣接し、所定のパターンで配置される第2磁性体と、周方向に第2磁性体に隣接し、前記パターンから異なるパターンで配置される第3磁性体とを備えることを特徴とする磁気転写用マスタ媒体。
  2. データ領域と、周方向にデータ領域に隣接するサーボ領域と、サーボ領域内で半径線に沿って延び、周方向に沿って所定の繰り返しパターンで磁界を生成するプリアンブル域と、サーボ領域内で周方向に延び、半径方向に変化する所定のパターンで磁界を生成するサーボデータ域と、サーボ領域内でプリアンブル域およびサーボデータ域の間に配置され、前記繰り返しパターンおよび前記パターンから相違するパターンで磁界を生成するサーボマーク域とを備えることを特徴とする磁気ディスク。
  3. 筐体と、筐体内に密閉される磁気ディスクと、筐体内に密閉されて、磁気ディスクに向き合わせられるヘッドスライダと、先端でヘッドスライダを支持し、支軸回りで回転するアクチュエータとを備え、前記磁気ディスクには、データ領域と、周方向にデータ領域に隣接するサーボ領域と、サーボ領域内で半径線に沿って延び、周方向に沿って所定の繰り返しパターンで磁界を生成するプリアンブル域と、サーボ領域内で周方向に延び、半径方向に変化する所定のパターンで磁界を生成するサーボデータ域と、サーボ領域内でプリアンブル域およびサーボデータ域の間に配置され、前記繰り返しパターンおよび前記パターンから相違するパターンで磁界を生成するサーボマーク域とが区画され、前記筐体ではアクチュエータ駆動用挿入ピンの挿入孔が省略されることを特徴とする磁気ディスク駆動装置。
  4. 筐体と、筐体内に密閉される磁気ディスクと、磁気ディスクに読み出し素子を向き合わせるヘッドスライダと、先端でヘッドスライダを支持し、支軸回りで回転するアクチュエータと、読み出し素子から読み出される信号に基づきアクチュエータの回転を制御する制御回路とを備え、前記磁気ディスクには、データ領域と、周方向にデータ領域に隣接するサーボ領域と、サーボ領域内で半径線に沿って延び、周方向に沿って所定の繰り返しパターンで交互に正負の磁極を形成するプリアンブル域と、サーボ領域内で半径線に沿って延び、少なくともプリアンブル域に最も近い位置で周方向に沿って所定の繰り返しパターンで交互に正負の磁極を形成するサーボデータ域と、サーボ領域内でプリアンブル域およびサーボデータ域の間に配置され、サーボデータ域に隣接してサーボデータ域の第1磁極から反対向きに第1磁極よりも小さい強度の磁極を形成するサーボマーク域とが区画され、前記制御回路は、前記第1磁極に同一の向きにサーボデータ域で形成される磁極に基づきアクチュエータの回転を制御することを特徴とする磁気ディスク駆動装置。
  5. 筐体と、筐体内に密閉される磁気ディスクと、磁気ディスクに読み出し素子を向き合わせるヘッドスライダと、先端でヘッドスライダを支持し、支軸回りで回転するアクチュエータと、読み出し素子から読み出される信号に基づきアクチュエータの回転を制御する制御回路とを備え、前記磁気ディスクには、データ領域と、周方向にデータ領域に隣接するサーボ領域と、サーボ領域内で半径線に沿って延び、周方向に沿って所定の繰り返しパターンで交互に正負の磁極を形成するプリアンブル域と、サーボ領域内で周方向に延び、半径方向に変化する所定のパターンで磁界を生成するサーボデータ域と、サーボ領域内でプリアンブル域およびサーボデータ域の間に配置され、プリアンブル域に隣接してプリアンブル域の最終磁極から反対向きに最終磁極よりも小さい強度の磁極を形成するサーボマーク域とが区画され、前記制御回路は、前記最終磁極から反対向きにサーボデータ域で形成される磁極に基づきアクチュエータの回転を制御することを特徴とする磁気ディスク駆動装置。
JP2003419200A 2003-12-17 2003-12-17 磁気転写用マスタ媒体並びに磁気ディスクおよび磁気ディスク駆動装置 Pending JP2005182867A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003419200A JP2005182867A (ja) 2003-12-17 2003-12-17 磁気転写用マスタ媒体並びに磁気ディスクおよび磁気ディスク駆動装置
US10/870,823 US7110201B2 (en) 2003-12-17 2004-06-17 Master medium for magnetic transfer and magnetic disk and magnetic disk drive

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003419200A JP2005182867A (ja) 2003-12-17 2003-12-17 磁気転写用マスタ媒体並びに磁気ディスクおよび磁気ディスク駆動装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005182867A true JP2005182867A (ja) 2005-07-07

Family

ID=34675201

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003419200A Pending JP2005182867A (ja) 2003-12-17 2003-12-17 磁気転写用マスタ媒体並びに磁気ディスクおよび磁気ディスク駆動装置

Country Status (2)

Country Link
US (1) US7110201B2 (ja)
JP (1) JP2005182867A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010040166A (ja) * 2008-08-05 2010-02-18 Samsung Electronics Co Ltd 保存装置のサーボトラック形成方法とデータ保存装置

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4489031B2 (ja) * 2006-02-17 2010-06-23 東芝ストレージデバイス株式会社 ディスク装置補正システム、情報管理装置、原盤作製装置および原盤作製方法
US7405899B2 (en) * 2006-03-10 2008-07-29 Broadcom Corporation Method for determining read/write head position based on phase detection of a servo pattern

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6055139A (en) * 1995-12-14 2000-04-25 Fujitsu Limited Magnetic recording medium and method of forming the same and magnetic disk drive
TW342495B (en) * 1996-07-22 1998-10-11 Matsushita Electric Ind Co Ltd Master information carrier, method of producing the same, and method for recording master information signal on magnetic recording medium
JP3384728B2 (ja) * 1997-11-12 2003-03-10 松下電器産業株式会社 磁気記録再生装置の製造方法及び磁気記録再生装置
US6704156B1 (en) * 2000-01-31 2004-03-09 Maxtor Corporation Self-writing of servo patterns in a disk drive using a printed reference pattern
CN1235197C (zh) * 2000-03-31 2006-01-04 松下电器产业株式会社 主信息载体以及采用该载体的磁记录媒体的制造方法
JP3705076B2 (ja) 2000-04-28 2005-10-12 松下電器産業株式会社 マスター情報担体を用いた垂直磁気記録媒体への磁気記録方法
US6961203B1 (en) * 2001-03-06 2005-11-01 Maxtor Corporation Hybrid printed servo patterns for magnetic media and hard disk systems implementing same
US6754016B2 (en) * 2001-04-19 2004-06-22 Carnegie Mellon University Frequency modulation pattern for disk drive assemblies
US6738205B1 (en) * 2001-07-08 2004-05-18 Maxtor Corporation Self-writing of servo patterns in disk drives
JP2003045134A (ja) * 2001-07-30 2003-02-14 Fujitsu Ltd ヘッド位置決め用信号の書き込み装置および書き込み方法
JP3778428B2 (ja) * 2001-09-06 2006-05-24 富士通株式会社 磁気パターン転写方法及び磁気パターン転写装置
JP4102600B2 (ja) * 2002-06-03 2008-06-18 株式会社日立グローバルストレージテクノロジーズ 磁気ディスク装置及び信号処理装置
JP4044387B2 (ja) * 2002-08-02 2008-02-06 富士通株式会社 磁気転写装置
US7054092B2 (en) * 2003-12-10 2006-05-30 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Methods for improving printed media self-servo writing

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010040166A (ja) * 2008-08-05 2010-02-18 Samsung Electronics Co Ltd 保存装置のサーボトラック形成方法とデータ保存装置

Also Published As

Publication number Publication date
US20050134987A1 (en) 2005-06-23
US7110201B2 (en) 2006-09-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7324295B2 (en) Method of detecting position of head in recording medium drive
JP2008117436A (ja) ヘッドスライダおよびその製造方法並びにヘッドスライダ用研磨装置
KR100772070B1 (ko) 헤드 위치 결정용 신호의 기록 장치 및 기록 방법
JP2008198307A (ja) ヘッドスライダおよび記憶媒体駆動装置
JP2010118099A (ja) 磁気ヘッド・スライダ及び磁気ヘッド・スライダの製造方法
JP4044387B2 (ja) 磁気転写装置
KR100373672B1 (ko) 자기 헤드, 그 제조 방법 및 수직 자기 기록 장치
JP2010044833A (ja) ヘッド位置検出方法および記録媒体駆動装置
JP2005182867A (ja) 磁気転写用マスタ媒体並びに磁気ディスクおよび磁気ディスク駆動装置
US20090231748A1 (en) Magnetic recording medium, apparatus and method for recording reference signal in the same
JP2004335082A (ja) 読み取り構造と書き込み構造の間に最微小の分離を有する並列薄膜ヘッドに関する方法および装置
US7532429B2 (en) Write-head positioning method and disk drive
JP2009271974A (ja) 接触型ヘッドスライダおよび記憶装置
JP4134066B2 (ja) ヘッド位置検出方法および記録媒体駆動装置
JP2007207289A (ja) 磁気転写装置
US7012786B2 (en) Magnetic head
US20090147390A1 (en) Detecting head/disk contact using timing jitter
JP2006164448A (ja) ディスク装置及びその制御方法
JP2001101633A (ja) 磁気ディスク装置
US20080074777A1 (en) Magnetic Recorder/Reproducer
JP3313615B2 (ja) 磁気記録再生装置および磁気抵抗素子を用いた再生ヘッド
JP2015082334A (ja) 磁気記録ヘッド、およびこれを備えたディスク装置
JP2010176739A (ja) 記憶装置
JP2009158065A (ja) ヘッドスライダおよび磁気記憶装置
JP2008084372A (ja) ヘッドスライダおよび記憶媒体駆動装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060627

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070724

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070925

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20071120

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080121

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20080225

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20080314

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20091022