JP2005182666A - ガラスコーティング層を有する自動販売機、シャッター、銅像、金属製建造物 - Google Patents

ガラスコーティング層を有する自動販売機、シャッター、銅像、金属製建造物 Download PDF

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Abstract

【課題】耐汚染性、洗浄性、メンテナンス性、耐落書性、耐張り紙対策、美観維持性等に優れたガラスコーティング層を表面に形成した自動販売機、シャッター、銅像、金属製建造物の提供。
【解決手段】加水分解可能な有機金属化合物を、水と有機溶媒とからなる反応液中において、ホウ素イオンの存在下でハロゲンイオンを触媒とし、pHを4.5〜5.0に調整しながら加水分解、脱水縮合させて得られたガラスコーティング剤を、キャビネット表面に塗布し、200℃以下の温度でガラス化させたガラスコーティング層を形成する。
【選択図】なし

Description

本発明は、表面にガラスコーティング層を有する自動販売機、シャッター、銅像、金属製建造物に関し、特に、耐久性、美観維持性、メンテナンス性等に優れたガラスコーティング層を有する自動販売機、シャッター、銅像、金属製建造物に関する。
従来、自動販売機のキャビネットや外扉の表面に、有機系塗料、親水性機能を備えたフッ素系、シリコン系等の塗料で塗装されたものが多く使用されている。自動販売機のキャビネットや外扉などの表面は、耐久性、美観維持性、メンテナンス性、等が要求される。特に、衛生的な印象を重要視する飲料水関係の自動販売機はその維持管理に大変な労力と費用をかけている。また、張り紙やいたずら書きに対する対応にも非常に苦慮しているため、これらの問題を解決できる最も有効な塗料及びコーティング材の開発が望まれていた。
このような問題点に鑑み、特許文献1に示すように、自動販売機の外扉付きキャビネットに対し、そのに光触媒材料である高光活性の酸化チタンを含有する塗料で塗装してセルフクリーニング機能を持たせるものがある。
特開平11−86115号公報
しかし、従来の塗料を用いた自動販売機等の表面は以下の特性において欠点を有していた。
(1)耐汚染性(汚れ付着し難くする性能)
(2)洗浄性(付着した汚れを除去する容易度)
(3)メンテナンス性(年間を通してメンテナンスに伴う労力及び費用)
(4)耐落書性(落書きに対する予防効果及びその除去性能)
(5)耐張り紙対策(張り紙防止効果及び付着した接着剤の除去性能)
(6)美観維持性(光沢の持続性及ぴ褪色防止効果)
また、特許文献1の塗料を塗装した自動販売機キャビネットの外表面にセルフクリーニング機能を持たせるには、太陽光等の光源を必要とし、即効性が少ない、汚染の早期除去ができない、などの問題点がある。
本発明の目的は、耐汚染性、洗浄性、メンテナンス性、耐落書性、耐張り紙対策、美観維持性等に優れたガラスコーティング層を表面に形成した自動販売機、シャッター、銅像、金属製建造物を提供することである。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載のガラスコーティング層を有する自動販売機は、ガラスコーティング剤を、キャビネット表面に塗布し、200℃以下の温度でガラス化させたものであることを特徴とする。
請求項2に記載のガラスコーティング層を有する自動販売機は、加水分解可能な有機金属化合物を、水と有機溶媒とからなる反応液中において、ホウ素イオンの存在下にハロゲンイオンを触媒とし、pHを4.5〜5.0に調整しながら加水分解、脱水縮合させて得られたガラスコーティング剤をキャビネット表面に塗布し、200℃以下の温度でガラス化させたものであることを特徴とする。
この場合、請求項3に記載のように、ガラスコーティング剤に有機樹脂を加えた塗料を用いるとさらにキャビネット表面への塗料密着性が向上するので好ましい。
請求項4に記載のガラスコーティング層を有するシャッターは、加水分解可能な有機金属化合物を、水と有機溶媒とからなる反応液中において、ホウ素イオンの存在下でハロゲンイオンを触媒とし、pHを4.5〜5.0に調整しながら加水分解、脱水縮合させて得られたガラスコーティング剤をシャッター表面に塗布し、200℃以下の温度でガラス化させたものであることを特徴とする。
請求項5に記載のガラスコーティング層を有する銅像は、加水分解可能な有機金属化合物を、水と有機溶媒とからなる反応液中において、ホウ素イオンの存在下でハロゲンイオンを触媒とし、pHを4.5〜5.0に調整しながら加水分解、脱水縮合させて得られたガラスコーティング剤を銅像表面に塗布し、200℃以下の温度でガラス化させたものであることを特徴とする。
請求項6に記載のガラスコーティング層を有する金属製建造物は、加水分解可能な有機金属化合物を、水と有機溶媒とからなる反応液中において、ホウ素イオンの存在下でハロゲンイオンを触媒とし、pHを4.5〜5.0に調整しながら加水分解、脱水縮合させて得られたガラスコーティング剤を金属製建造物表面に塗布し、200℃以下の温度でガラス化させたものであることを特徴とする。
従来のセラミック系塗料、フッ素系塗料をコーティングした自動販売機のキャビネット表面は、短期間で汚れが付着し、長期間美観を維持できなかった。また、落書きの除去に手間がかかった。
本発明においては、自動販売機、シャッター、銅像、金属製建造物などの表面にガラスコーティング層を形成することで、上記の欠点を克服し下記の効果を奏する。
(1)耐汚染性の向上;ガラスコーティング層は接触角110°の撥水被膜であるので、あらゆる汚れ、特に親油性の汚れの付着を防ぐ効果がある。
(2)洗浄性の向上:付着した汚れは洗剤等を使用せずに水拭きやカラ拭きで容易に除去することが可能になる。
(3)メンテナンス性の向上:ガラスコーティング層の優れた耐候性により特殊洗浄やワックス掛け等の必要性がなくなり、メンテナンス性が向上することで維持管理コストが軽減できる。
(4)耐落書性の向上;ガラスコーティング層は油性マジックやラッカースプレー等による落書を弾くため、落書の興味を削ぐ効果がある。残存した落書も水拭きで容易に除去することが出来る上、コーティング層の光沢を失うことが無い。
(5)張り紙防止効果:ガラスコーティング層は、シール等が付着し難く、コーティング層上に残った接着剤や糊も簡単に除去することができるので、自動販売機をいつも綺麗な状態に維持することができる。
(6)美観維持性の向上:ガラスコーティング層の優れた耐候性及びバリアー性により長期間光沢を維持できる上、チョーキング現象が発生し難くなるため施工時の美親を長期間維持することが可能となる。
(7)静電気の汚れ付着防止:自動販売機などでは、静電気による塵芥の付着が問題になるが、ガラスコーティング層があることにより、静電気が発生しない。
本発明において、自動販売機のキャビネット、シャッター、銅像、金属製建造物(例えば、ステンレス、鋼板、アルミニウムなど)などの表面に塗布されるガラスコーティング剤としては、市販の常温硬化型の金属酸化物型のガラスコーティング剤を用いることができる。例えば、水ガラス、アルミナゾル、シリケートゾル、などが挙げられるが、本発明においては、中でも以下の組成のものが好ましく用いられる。
ガラスコーティング剤の原料として用いられる有機金属化合物としては、金属アルコキシドが挙げられるが、加水分解が可能なものであればよく特に限定されない。好ましい有機金属化合物は金属アルコキシドであり、MR2m(OR1 )n-m なる一般式で表される。式中Mは、酸化数nの金属を示し、R1 およびR2 は、アルキル基を示し、mは、0〜(n−1)の整数を表す。また、R1およびR2 は同一でもよく、異なる基でもよい。
前記金属アルコキシドの中でも好適に用いられる場合として、R1 およびR2 が炭素原子4個以下のアルキル基、即ち、メチル基CH3 (以下、Meで表す)、エチル基C2 5 (以下、Etで表す)、プロピル基C3 7 (以下、Prで表す)、イソピロピル基i−C3 7 (以下、i−Prで表す)、ブチル基C4 9 (以下、Buで表す)、イソブチル基i−C4 9 (以下、i−Buで表す)等の低級アルキル基が挙げられる。
金属アルコキシドとしては、例えば、リチウムエトキシドLiOEt、ニオブエトキシドNb(OEt)5 、マグネシウムイソプロポキシドMg(OPr−i)2 、アルミニウムイソプロポキシドAl(OPr−i)3 、亜鉛プロポキシドZn(OPr)2 、テトラエトキシシランSi(OEt)4 、チタンイソプロポキシドTi(OPr−i)4 、バリウムエトキシドBa(OEt)2 、バリウムイソプロポキシドBa(OPr−i)2 、トリエトキシボランB(OEt)3 、ジルコニウムプロポキシドZn(OPr)4 、ランタンプロポキシドLa(OPr)3 、イットリウムプロポキシドY(OPr)3 、鉛イソプロポキシドPb(OPr−i)2 等が挙げられる。
金属アルコキシドは、部分的に加水分解して得られる低縮合物も市販されており、これを原料として使用することも可能である。
上記の加水分解が可能な有機金属化合物はそのまま反応に用いてもよいが、反応の制御を容易にするため溶媒で希釈して用いることが望ましい。希釈用溶媒は、上記の有機金属化合物を溶解することができ、かつ水と均一に混合することができるものを用いることができる。希釈用溶媒としては、一般的には脂肪族の低級アルコール、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコールおよびそれらの混合物等が挙げられる。
また、ブタノール+セロソルブ+ブチルセロソルブ、あるいはキシロール+セロソルブアセテート+メチルイソブチルケトン+シクロヘキサン等の混合溶媒も挙げられる。
前記有機金属化合物の中で、金属が、Ca、Mg、Al等である場合には、反応液中の水と反応して水酸化物を生成したり、炭酸イオンCO3 2- が存在すると炭酸塩を生成して沈澱を生ずるため、隠蔽剤としてトリエタノールアミンのアルコール溶液を添加することが望ましい。溶媒に混合溶解するときの有機金属化合物の濃度は、通常70(重量)%以下、特に5〜70(重量)%の範囲に希釈して使用することが望ましい。
本発明において使用する反応液は、一般に水と有機溶媒とからなり、有機溶媒としては、水および酸、アルカリと均一な溶液をつくるものであればよく、通常前記有機金属化合の希釈に用いる脂肪族の低級アルコール類が挙げられる。低級アルコール類の中でも、メタノール、エタノールより炭素数の多いプロパノール、イソプロパノール、ブタノールおよびイソブタノールが、生成するガラスコーティング層の成長が安定であるため、好ましく挙げられる。反応液を構成する水と有機溶媒の割合は、水の濃度として0.2〜50モル/リットルの範囲であればよい。
本発明においては、前記反応液中において、ホウ素イオンの存在下に、ハロゲンイオンを触媒として有機金属化合物を加水分解する。ホウ素イオンB3+を与える化合物としては、トリアルコキシボランB(OR)3 が挙げられ、なかでもトリエトキシボランB(OEt)3 が好適に用いられる。反応液中のB3+イオン濃度は、1.0〜10.0モル/リットルの範囲が好ましく、ハロゲンイオンは、F- およびCl- 、又はこれらの混合物が好ましく用いられる。
ホウ素イオンB3+を与える化合物としては、反応液中でF- イオンおよびCl- イオンを生ずるものであればよく、例えば、F- イオン源にはフッ化水素アンモニウム(NH4F・HF)、フッ化ナトリウム(NaF)等、Cl- イオン源は塩化アンモニウム(NH4 Cl)等が挙げられる。
反応液中のハロゲンイオンの濃度は、製造しようとするガラスコーティング層の厚みによって異なるため、範囲限定が難しいが、一般的には、触媒を含む反応液の合計重量に対して0.001〜2モル/kg、特に0.002〜0.3モル/kgの範囲が好ましい。
ハロゲンイオンの濃度が0.001モル/kgより低いと、有機金属化合物の加水分解が十分に進行し難くなり、ガラスコーティング層の形成が困難となる。
また、ハロゲンイオンの濃度が2モル/kgを超えると、形成されるガラスコーティング層が不均一になり易い。
なお、反応時に使用したホウ素に関しては、得られる金属酸化物の設計組成中にB2 3 成分として含有させる場合は、その含有量に応じた有機ホウ素化合物の計算量を添加したまま生成物とすればよく、またホウ素を除去したいときは、ガラスコーティング層形成後、溶媒としてのメタノールの存在下、又はメタノールに浸漬して加熱すれば、ホウ素はホウ素メチルエステルとして蒸発させて除去することができる。
有機金属化合物の加水分解反応は、通常所定量の有機金属化合物を所定量の水と有機溶媒との混合溶媒に混合溶解した主剤溶液と、所定量のハロゲンイオンを含有する所定量の反応液とを、所定の比で混合し十分に攪拌して均一な反応溶液とした後、酸またはアルカリで反応溶液のpHを希望の値に調整し、数時間熟成させる。
ホウ素化合物は主剤溶液または反応液に予め所定量を混合溶解しておく。アルコキシボランを用いる場合は、他の有機金属化合物と共に主剤溶液に溶解するのが有利である。
反応溶液のpHは、塩酸等の酸を用いて4.5〜5の範囲に調整して熟成させる。ガラスコーティング層の形成は、熟成後の反応溶液をそのまま、または必要ならば適当な増粘剤を加えて自動販売機のキャビネット表面に塗布し、200℃以下の温度に加熱して乾燥し、ガラス化させる。
加熱に当たっては、50〜70℃の温度区間を特に注意して徐々に昇温して予備乾燥(溶媒揮散)工程を経た後さらに昇温する。この乾燥は特にガラスコーティング層に孔を形成させないために慎重に行う。
また、本発明においては、同一成分の同一濃度の主剤溶液および反応液(B3+およびハロゲンイオンを含む)を所定のpHに調整しながら逐次同一割合で追加添加することにより簡単に継続してガラスコーティング剤を形成することもできる。
なお、上記した反応溶液の濃度は±50重量%の範囲で、水(酸またはアルカリを含む)の濃度は、±30重量%の範囲で、およびハロゲンイオンの濃度は±30重量%の範囲で変化させることができる。
本発明におけるホウ素イオンB3+とハロゲンイオンX- の触媒作用は、必ずしも明らかではないが、例えば有機金属化合物として金属アルコキシド、溶媒としてアルコールを用いた場合、次のように推定される。
3++4X- → BX4 - (1)
M(OR)n +BX4 -+n/2H2 O → MX- n+1+nROH+B3+ (2)
MX- n+1+nH2 O → M(OH)n +(n+1)X- (3)
M(OH)n → ガラスコーティング剤+H2 O (4)
即ち(1)式に示すように、B3+とX- とから生成するBX4 - 錯イオンが、(2)式のようにM(OR)n のMと極めて容易に交換してMX- n+1錯イオンとなり、(3)式、(4)式に示す加水分解、脱水縮合の反応が促進される結果、常温領域においてガラスコーティング剤が得られるものと考えられる。
(有機樹脂)
本発明において、上記反応生成物であるガラスコーティング剤には、適宜有機樹脂を含ませることができる。有機樹脂としては、アクリル系、セルロース系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリエーテルポリオール系、ポリアミド系、エポキシ系等の樹脂が挙げられ、これらの水溶性樹脂の1種又は2種以上の混合系樹脂が挙げられる。
こられの樹脂の中でも、極性基(例えば、スルホン酸基、スルホン酸のナトリウム、カリウム、リチウム等の一価の塩、水酸基、カルボキシル基)を有する水溶性アクリル系重合体が好ましく、さらに、アクリル系共重合体(共重合体の相手のモノマーは例えば、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メトキシメチロールアクリルアミド、等のアミノ基を有するモノマー)が好ましい。
水溶性アクリル樹脂は、ガラスコーティング剤との架橋反応をすることにより、ガラスコーティング層の強靱性を増加せしめる効果がある。
水溶性アクリル樹脂としては、スルホン酸基又はスルホン酸ナトリウム基を有するα、β不飽和単量体を1〜80重量%、カルボン酸基を有するα、β不飽和単量体を1〜50重量%、アルコール性水酸基を有するα、β不飽和単量体を1〜50重量%、共重合してなるものであることが好ましい(ただし、これらの合計は100重量%)。
上記樹脂がガラスコーティング剤に占める割合は、塗料固形分100重量部中、2〜10重量部含有することが好ましい。
2重量部未満だと塗装性が悪く、基材への密着性の向上がみられない。10重量部を超えるとガラスコーティング剤の割合が少なくなり、本発明の目的である耐汚染性、耐候性等が欠けるおそれがある。
なお、本発明において、ガラスコーティング層の厚みは、1〜10μmとすることが好ましい。さらに好ましくは、3〜5μmの範囲である。1μm未満では、本発明の目的とする耐汚染性、洗浄性、メンテナンス性、耐落書性等の効果が得られず、10μmを超えるとガラスコーティング層にクラックが発生しやすくなり、美観を損ねるだけでなく耐汚染性等の効果が得られなくなるからである。
以下、自動販売機キャビネット、シャッター、銅像、金属製建造物、それぞれの表面にガラスコーティング層を形成した実施例に基づき、本発明をさらに詳細に説明する。
(ZrO2 を主成分とするガラスコーティング層の形成)
主剤および触媒を以下のようにして調製した。
主剤;ジルコニウム・テトラブトキシド(Zr(OBu)4 )を、重量で5:1(溶媒)の比で、水+メタノール+エタノール+イソプロパノール(以下、H2 O+MeOH+EtOH+i−PrOHのように表す)=1:1:1:4の割合からなる混合溶媒に混合し、
この混合物に、さらに、トリエトキシボランB(OEt)3 を0.2モル/kgの割合で添加して、10分間攪拌溶解して主剤を調製した。主剤中のi−PrOHに対するZr(OBu)4 の濃度は、70(重量)%(ZrO2 として20%)である。
触媒;ハロゲンイオン源として酸性沸化アンモニウム(NH4 F・HF)を用い、
上記主剤と同一の混合溶媒との合計重量に対するF- 濃度を0.1モル/kgとなるように調製した。
上記のようにして調製した主剤と触媒とを重量比3:1の割合で混合して10分間攪拌した後、塩酸とアンモニア水を用いて、混合液のpHを5.0(指示薬としてメチルレッド+ブロモクレゾールグリーンのエタノール溶液を使用)に調整し、3時間熟成し加水分解、脱水縮合させて、反応生成物であるガラスコーティング剤とした。
このガラスコーティング剤は、粘度が18センチ・ポアズであり、このガラスコーティング剤を自動販売機キャビネット外表面に塗布し、50〜70℃の温度区間を特に注意して徐々に昇温して予備乾燥(溶媒揮散工程)を行った後、120℃に30分間保持して焼成し、自動販売機キャビネット内外表面にZrO2を主成分とするガラスコーティング層を形成させた。得られたガラスコーティング層の厚さは3〜5μmであった。
さらに、このガラスコーティング剤をキャビネットの外表面に印刷した。この場合、そのままでは粘度が低過ぎるので、増粘剤としてニトロセルロースの10%(重量基準)ダイアセトンアルコール溶液をZrO2 に対して0.04〜0.10%(重量基準)加え、粘度を150±50ポアズに調整した。印刷した外表面を、180〜200℃で20分間焼成した。
得られたZrO2 層の物性は、屈折率(ベッケ線法、ナトリウム光源)ND 25:1.88〜1.89 層質:透明、無孔であった。ND 25の右肩に記載の25は25℃を意味する。
(Al2 3 を主成分とするガラスコーティング層の形成)
アルミニウム源としてアルミニウム・イソプロポキシドAl(OPn−i)3を用い、水酸化物の生成を抑えるため隠蔽剤としてトリエタノールアミンの10%(重量)エタノール溶液を添加したほかは、実施例1に準じてシャッター外表面上に3〜5μmの厚さのAl2 3 を主成分とするガラスコーティング層を形成した。
得られたAl2 3 ガラスコーティング層の物性は、屈折率(ベッケ線法、以下略す)nD25 :1.76層質:透明、無孔であった。
(SiO2 を主成分とするガラスコーティング層の形成)
ケイ素源としてテトラエトキシシラン(Si(OEt)4)を用いたほかは、実施例1に準じてSiO2 を主成分とするガラスコーティング層を自動販売機キャビネット外表面上に形成した。得られたSiO2 ガラスコーティング層の物性は、屈折率nD25 :1.36層質:透明、無孔であった。
(SiO2 −B2 3 −ZnO多成分ガラスコーティング剤からなるガラスコーティング層の形成)
原料としてSi(OEt)4 、B(OEt)3 およびZn(OPr)2 を、酸化物として、16.7:77.6:5.7(重量%)(4:16:1(モル%))の比率になるように取り、これらをH2 O+EtOH+i−PrOH=1:1:5の混合溶媒に、原料(上記三者の合計量)と混合溶媒との比を5:1となるように加えて10分間攪拌混合して主剤とした。
この溶液中の金属アルコキシドの濃度は、i−PrOHに対して、70(重量)%、ガラスコーティング剤として20(重量)%であった。
触媒としては、NH4 F・HFを用い、H2 O+EtOH+i−PrOH=1:1:5の割合の混合溶媒中F- 濃度0.5モル/kgとなるように調製した。
この主剤と触媒とを、重量で3:1の割合で混合し、pHを4.5〜5.0に調整してから10分間攪拌して十分混合し、さらに3時間熟成して反応生成物であるガラスコーティング剤を得た。このガラスコーティング剤(粘度16c.p.)を銅像外表面上に塗布し、50〜70℃の区間を特に注意して徐々に昇温して予備乾燥し、120〜150℃に20〜30分間保持してガラス化(固化)を完結させ、厚さ3〜4μmのSiO2 −B2 3 −ZnO多成分ガラスからなるガラスコーティング層を得た。
この多成分ガラスコーティング層の物性は、屈折率nD25 :1.48層質:透明、無孔であった。
(SiO2 −PbO−Al2 3 多成分ガラスコーティング剤からなるガラスコーティング層の形成)
原料として、Si(OEt)4 、Pb(OPr−i)2 、Al(OPr−i)3 を、酸化物として、10:80:10(重量%)の比率になるように取り、これらをH2 O+MeOH+EtOH+i−PrOH=1:1:1:4の混合溶媒に、原料(上記三者の合計量)と混合溶媒との比を5:1(すなわち原料のi−PrOHに対する濃度70重量%、反応生成物であるガラスコーティング剤として20重量%)となるように調整し、以下実施例1に準じてSiO2 −PbO−Al2 3 多成分ガラスコーティング剤からなるガラスコーティング層をステンレス製建造物外表面上に形成した。
この多成分ガラスコーティング層の物性は、屈折率nD25 :1.92層質:透明、無孔であった。
本発明のガラスコーティング層を形成した自動販売機、シャッター、銅像、金属製建造物などは、あらゆる汚れ、特に親油性の汚れの付着を防ぐ効果があり、付着した汚れは洗剤等を使用せずに水拭きやカラ拭きで容易に除去することが可能であり、特殊洗浄やワックス掛け等の必要性がなくなり、メンテナンス性が向上することで維持管理コストが軽減できる。
また、ガラスコーティング層は油性マジックやラッカースプレー等による落書を弾くため、落書の興味を削ぐ効果がある。残存した落書も水拭きで容易に除去することが出来る上、コーティング層の光沢を失うことが無い。
さらに、ガラスコーティング層は、シール等が付着し難く、コーティング層上に残った接着剤や糊も簡単に除去することができるので、自動販売機等をいつも綺麗な状態に維持することができる。
そして、ガラスコーティング層の優れた耐候性及びバリアー性により長期間光沢を維持できる上、チョーキング現象が発生し難くなるため施工時の美親を長期間維持することが可能になる。
なお、本発明においては、ガラスコーティング層を形成した自動販売機、シャッター、銅像、金属製建造物などを挙げたが、その他、金属製品、コンクリート製品、煉瓦製品、セラミックス製品、木材製品、成形ボード製品・壁・間仕切り・屋根・床・天井・シート部材・パネル・瓦・スレートなどの建築構造物、ライニング材、排水路、道路又は類似構造物、集水又は排水設備、プラスチック製品、テーブル・椅子・机などの家具、浴槽・洗面台・洗面器・流し・灌水器・便器などの衛生設備、電気・電子・半導体等の部品、電池、印刷用設備などへの適用も挙げられる。それらは、本発明のガラスコーティング層を表面に有している。

Claims (6)

  1. ガラスコーティング剤を、キャビネット表面に塗布し、200℃以下の温度でガラス化させたガラスコーティング層を有する自動販売機。
  2. 加水分解可能な有機金属化合物を、水と有機溶媒とからなる反応液中において、ホウ素イオンの存在下でハロゲンイオンを触媒とし、pHを4.5〜5.0に調整しながら加水分解、脱水縮合させて得られたガラスコーティング剤を、キャビネット表面に塗布し、200℃以下の温度でガラス化させたガラスコーティング層を有する自動販売機。
  3. 加水分解可能な有機金属化合物を、水と有機溶媒とからなる反応液中において、ホウ素イオンの存在下でハロゲンイオンを触媒とし、pHを4.5〜5.0に調整しながら加水分解、脱水縮合させて得られたガラスコーティング剤に、有機樹脂を加えた塗料を、キャビネット表面に塗布し、200℃以下の温度でガラス化させたガラスコーティング層を有する自動販売機。
  4. 加水分解可能な有機金属化合物を、水と有機溶媒とからなる反応液中において、ホウ素イオンの存在下でハロゲンイオンを触媒とし、pHを4.5〜5.0に調整しながら加水分解、脱水縮合させて得られたガラスコーティング剤をシャッター表面に塗布し、200℃以下の温度でガラス化させたガラスコーティング層を有するシャッター。
  5. 加水分解可能な有機金属化合物を、水と有機溶媒とからなる反応液中において、ホウ素イオンの存在下でハロゲンイオンを触媒とし、pHを4.5〜5.0に調整しながら加水分解、脱水縮合させて得られたガラスコーティング剤を銅像表面に塗布し、200℃以下の温度でガラス化させたガラスコーティング層を有する銅像。
  6. 加水分解可能な有機金属化合物を、水と有機溶媒とからなる反応液中において、ホウ素イオンの存在下でハロゲンイオンを触媒とし、pHを4.5〜5.0に調整しながら加水分解、脱水縮合させて得られたガラスコーティング剤を金属製建造物表面に塗布し、200℃以下の温度でガラス化させたガラスコーティング層を有する金属製建造物。
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