JP2005181946A - トナー定着方式 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】サーマルヘッドの発熱体の素子ごとの発熱温度が発熱体自体で測定できる材料でヘッドを作り、発熱温度と発熱エネルギーを知ることで定着に必要な適正な加熱をトナーに対して供給制御できることで、事前加熱が不要でかつ周囲温度の影響も考慮し、かつ紙面上のトナー定着部分にのみ熱を加えることも可能となる。
【選択図】図1
Description
また、寒冷地ではこのヒータローラ自体が断熱中は室温同様にまで下がっているから加熱に大きな時間が必要である。このような待ち時間を短縮するためあらかじめヒーターを常に加熱しておくことが行われるが、この場合は、印刷しないときも電力が必要であり、このようなプリンタやFAXなどで消費される電力量は膨大なものとなっている。
したがってプリヒーティングなしで直ちに印刷が開始できるトナー定着方式が印刷効率や省エネの観点から望まれていた。
また更に、従来は紙面上のトナー部分すなわち着色部分についてのみ加熱し定着すればよいにもかかわらずヒーターローラーは紙面全体を加熱しており、本来、加熱の必要のない白紙部分も加熱しておりこれも無駄な電力であった。
印刷時にヒーター加熱を行うときにはその加熱温度がトナーを溶融定着できる温度まで上昇するまで印刷開始を待つ必要があったが、本発明では全くその待ち時間が不要となり即座に印刷可能となる。
また紙面の上で文字や図形を印字する部分のみトナーが付着しているがこれを定着するとき、そのトナーの付着部分のみ加熱するから白紙部分には余分な加熱がなくなりたとえば文字印刷のときには50から70%以上の白紙部分の加熱が必要なくなることから大幅な電力の節減となる。
この定着部はコピー機器やFAXなどにも同様に従来のヒートローラ方式などによるトナー定着部におきかえて使える。
図1において説明する。
スタッカ11にメディアをセットし、プレフィードローラ12により1枚ずつプリンタ内に繰り出し、セパレーションローラ13で確実に1枚給紙を行い、搬送ローラ14、さらには搬送ローラ15を順次、メディア先端が通過し、ついで、次に述べるOPCベルト上に形成されたトナーが付着した画像が転写チャジャー21において同紙面上に転写されて後、同用紙の先端は本発明のトナー定着部100へ到達する。
なお、OPCベルト18の上にある帯電チャージャー19によって同OPCベルト18の上に全面静電気を帯電させ、このベルト18は右方向に一様速度で移動し、ついで光学ユニット17により発生されたレーザビームが同OPCベルト18上にライン照射されることにより、OPCベルト18の前記帯電部分の前記静電気が除去される。このレーザビームは印刷する画像について発色部分ではない白地部分にのみに照射され、静電気が除去されてネガ画像が形成される。そして後方にある現像ユニット16でOPCベルト上の静電気が残された部分のみ紙面にトナーを転写させる。
次に本発明のトナー定着部100について図2により説明する。
トナー定着部100は耐熱性の円筒フィルムベルト107と、そのフィルムベルト107を駆動する駆動ローラ104と従動ローラ105と、前記円筒フィルムベルト107にテンションを加えるテンションローラ106とからなるベルト組み立ての内部に発熱温度を検知で切るサーマルヘッド103が設置され、同サーマルヘッド103と、これに対向する加圧ローラ108との間をトナーが前記の方法でトナーが転写された用紙が通過する際、同紙面上を前記サーマルヘッドが加熱しトナー定着を行う。このようなサーマルヘッドによりトナー定着を行う方式は従来考えられていたが、トナーに加えられるサーマルヘッドからの時々刻々変化する加熱の温度や加熱エネルギー量を測定する手段がなく、推測計算による制御であったため、均一なトナー定着が不可能であった。
本発明ではこのトナー定着の際、熱を発生するサーマルヘッド103の発熱素子そのものの温度を時々刻々、全素子ごとに調べることが可能であり、以下に述べる手段できわめて高精細の定着動作の制御が可能となる結果、小エネルギーで定着動作が可能となる。結果として低電力のプリンタが実現できる。
なお、トナー定着部100を通過したあとOPCベルト18上の残存トナーは図1のクリーニングローラ20により除去される。
さて次にこのトナー定着部100について図2により説明を次に行う。
サーマルヘッド103の発生熱エネルギーにより円筒フィルムベルト107を介して紙面上のトナーを加熱するがこの円筒フィルムベルト107の材質としては、評価結果では耐久性の点からポリミドがもっとも適していることが判明している。
このほかにポリエチレンフタレイト(略称PET)やポリフェニレンサルファイド(略称PPS)およびポリエチレンナフタレイト(略称PEN)なとが適す。フイルムの厚さは10〜25ミクロン程度が適す。ポリミドは他のものの融点が260から290℃程度であるのに比し、溶融しにくく、連続使用温度も200℃を超えており評価においても好結果を得た。
この円筒フィルムベルト107を介して紙面に対してサーマルヘッド103がほぼその長さ1センチあたり約200グラム程度の圧力で接している。円筒フィルムベルト107を使うのは直接サーマルヘッド103と紙面が接すると、トナー部分がヘッドにより紙送り方向へずらされ、画像が崩れるからである。
そしてこのヘッド103に対し、発熱制御が行われ、そのエネルギーが印刷する用紙の表面に加わる結果、メディア先端から順次、80ミクロン程度のピッチで、ヘッドの発熱素子の発熱エネルギーが所定の固定の値に達するまで加えられてトナーの溶融定着が行われる。このサーマルヘッド103は発熱温度を自己で時々刻々検知できる点で従来のサーマルヘッドとは異なっており、フィードバック制御の加熱制御が可能となっている。
サーマルヘッド103を通過する用紙は安定してl40℃程度の温度でかつ0.3mJ程度の発熱エネルギーをうけて紙面上の印刷内容のトナー付着部分が溶融定着される。この上限温度140℃や発熱エネルギー値0.3mJを大きく超えるとこの紙面上の印刷内容のトナーが円筒フィルムベルト107に溶融して付着することがあり、またこの温度を大きく下回ると、トナーの溶融定着が行われず、粉末のままとなるのでこの温度は一定となるよう制御される必要があるが、従来の固定抵抗を使ったサーマルヘッドでは、印刷が進むに従い、蓄熱により、ヘッド自体が高温となるために高温状態となり、定着動作が安定して行えない問題があった。この従来の方法では、サーマルヘッドによる加熱は一般的には熱履歴制御と呼ばれる、サーマルヘッド上の固定抵抗発熱素子の温度を過去の加熱履歴情報によって推測計算し、サーマルヘッド上の同固定抵抗素子で発生させる熱量を制御する方法が一般的であった。この方式は推測計算により行うので、寒冷地と熱帯地では、サーマルヘッドで発生する熱の放熱条件が異なり、かつ、用紙の紙面上の温度も異なることもあり、制御に誤差を生じやすい欠点があった。しかも、推測計算で制御を行うため、高精度で安定した定着制御を行うのは、困難であった。
すなわち発熱体の発熱温度を同発熱体自身で時々刻々知ることができるのである。
このヘッドにより、媒体上を、ヘッドが200ドット/インチの密度のものであれば2百分の1インチのピッチで移動しつつ、定着動作を行う。
そして従来の方式ではヘッドの周囲温度の影響が無視できなかった。
すなわち、図4で各時刻変化Tdに対応する温度変化(ta−tb)の合計がエネルギ誤差Eとなる。すなわちE=KΣ(ta−tb)・Tdであらわすエネルギ分だけ発生エネルギーの誤差となるのである。ここに、Kは事項に述べる比熱熱容量qを含む比例定数である。
このことは実際の動作でも確認され、両者で定着結果に差が出ることが確認されており、エネルギー不足でトナーが粉末状態のままであったり、溶融しすぎて円筒フィルムベルト107に溶融したトナーが付着するなどの自体が生起するので従来の温度検知のできないヘッドではこのトナー定着には不適であった。
そこで、図5に示すごとく、媒体上の微少発熱体の各ドット毎の発熱開始時以降、時々刻々一定周期で、発熱素子の温度測定を行い、その値:txを時々刻々、積算しつつ、その値が目標設定値:sOになるまで、加熱していき、積算値がsOになると加熱駆動を停止させる制御を行ったところ、初期温度にかかわらず、常に安定したトナー定着できることが確認された。
このことは、下記のごとく、温度変化に伴う総発熱エネルギsOが計算できることからも自明のことである。
今、微少発熱体の比熱熱容量をqとし、任意の時点での温度をtxとすると、その時刻での発生エネルギ:ExはEx=q×txである。
従って、全発熱量:sOは測定する周期としての微小時間をTdとすると全発熱量:sOは全時間の積算値となり、sO=ΣEx・Td=q×Σtx・Tdとなる。
ここにTdは定数であるから、sO=q・Td×Σtxとなり、q・Td=Kとおくと結局、全発熱量:sOはsO=K×Σtxとなる。
この式から媒体に印加された全発熱量sOは時々刻々の測定温度の積算値に比例することが判明する。よってsO=K・Σtxとなるまで毎回、測定した温度測定値を加算していき、加算結果に比例常数kを掛け合わせたものが濃度目標値:sOとなるまで加熱すればよいことを示す。
言い換えれば、上記のことは図5において温度変化曲線の下の面積が定着のための加熱エネルギーに比例することを示す。
ここで、比例定数Kは実用的には後述の定着制御回路において、温度測定結果信号の電圧増幅率やアナログ/デジタル変換器でのレンジにより決まる定数である。
以下、更に具体的に制御回路について説明する。図6は本発明の一実施例の回路構成図である。
まず定着動作はサーマルヘッド上に一列に並んだ抵抗値がその発熱温度により変化する発熱体の発熱により、一斉に各々のラインごとに加熱が開始されることにより行われる。サーマルヘッドのドットピッチが例えば1インチ当たり300ドットとすれば、副走査すなわち一斉に定着するラインのピッチもまた300ドットであるのが通常であり、このピッチでヘッドより紙面上への加熱印字が周期的に繰り返される。
図6の回路図はヘッド上の発熱体1素子についてのものであり、ヘッド上のすべての発熱素子は同じ回路で制御される。この図6において、ヘッドの微小発熱体100は一般にサーミスタと呼称される、発熱温度で、その抵抗値が変化する抵抗体が使用される。そのサーミスタの金属組成は、発熱温度変化分と、抵抗値変化分が極力、直線的に比例関係にあるものを選択している。一例としてはアルミニウム、クロウム、ボロン等で合金としたものが用いられる。以下に回路動作について説明する。それら微少発熱体の任意の一素子に対応したデータレジスタ101に上位装置からデータとしてデーダ”1”が、入力端子102へ、タイミング信号105で、書き込まれ記憶される。
その後、上位装置から入力端子108に信号“0”が入力されると、インバータ109により信号反転し、“1”としてアンドゲート110に入力される。
ゲート110のもうひとつの入力端子には、前述のデータレジスタ101の出力信号106が“1”で入力されているのでゲート110の論理積がとられる結果として駆動トランジスタ120が駆動されON状態となる。なおトランジスタ121は、加熱駆動時は制御信号108が“0”であるからOFF状態となっている。上記の結果、発熱体100とトランジスタ120に電流が流れる。前述のごとく、この発熱体100は電流が流れると、発熱し、その抵抗値が変化する。この実施例では温度上昇するとその抵抗値が減少する素子を用いている。この結果、温度上昇とともにトランジスタ120を流れる電流値は増加していく。
この発熱素子100の温度上昇の状況を検知する手段につき、以下に記す。温度上昇中はトランジスタ120がONとすることにより、電流が流れるが温度検知のタイミングでは同トランジスタ120を制御信号108が“1”となることでOFF状態にし、もうひとつのトランジスタ121をOEFからONへ変化させる。この結果、電流検出抵抗としてもうけられた、例えば実施例では70オーム程度の固定抵抗122に電流が流れる。
発熱素子100が発熱し温度上昇するにつれその抵抗値が減少し、電流値が増加する結果、固定抵抗122に流れる電流は増加し、抵抗122の端子間電圧は上昇する。同抵抗122の出力電圧をリニアアンプ回路111にて増幅し、さらに増幅された信号を次段のアナログ/デジタル変換器112へ入力する。この結果、同変換器112の出力値は、ヘッドの発熱体108の温度値として8ビット程度のビット数で表現されたデジタル値に変換されて検知される。
この値はテーブル114で決まる値に変換され、レジスタ115で記憶され、目標消去エネルギー制御値“B”として前述の大小比較回路117へ入力され、前述の検出値“A”と比較される。この値Bとしては本実施例では0.3mJに対応した値が使用される。
検出値“A”が目標値“B”よりも小さいうちは制御ライン118が“0”であることにより、加熱が続行されるが、徐々に、積算エネルギ値が増加し、検出値“A”が目標値“B”よりも大となると、比較回路117の出力の制御ライン118が“0”から“1”へ変化し、結果、論理和ゲート125および126の出力が“1”となるため、レジスタ101がリセットされ、論理積110の出力が“0”となり、従って、駆動トランジスタ120がOFFとなり、サーミスタ発熱体109は電流が流れなくなり、発熱は停止する。つまり、定着が可能なまでエネルギーが印加されたので、発熱駆動が停止したのである。このような加熱動作制御はサーマルヘッド上に1列に並んでいる、全微小発熱体に対し、独立して同様に行われる。なお、上位装置から以降、温度検出信号108が入力されてもレジスタ101がリセットされているので、信号106が“0”となるため、論理積ゲート129が“0”のままとなることにより、トランジスタ121もOFFとなり、サーミスタ100が駆動され発熱することはなくなる。
全発熱体の発熱が完了し、1ピッチ分、ヘッド位置が紙面上を移動したならば次ドットラインの定着動作が再び、一斉に開始され、以下、上述の動作が媒体上で繰り返し行われる。これらの説明に基づくタイミングチャートを図7に記載する。
また、本来のトナーが付着するべき部分でないところへトナーの飛まつが飛んだときはそれも定着してしまったほうが良い。しかしどこへ飛ぶかわからないので、トナー定着しない部分は微細な粉末が定着できるだけの小さいエネルギー値を非トナー定着の部分に対応したテーブル114におくりこみ、トナー定着の部分には定着に必要な値をテーブル114に送り込む。このとき上記の請求項2についての説明の中の図8による破線部分までトナー定着部分を拡大しても良い。 ‥‥‥‥‥‥‥‥請求項3に該当
印刷前に従来行っているプリヒーティングが不要であるため、印刷を行わないときの無駄な電力消費がなくなる。特に寒冷地ではヒーター温度確保のため、大きな保持電力が必要である。
印刷時にヒーター加熱を行うときにはその加熱温度がトナーを溶融定着できる温度まで上昇するまで印刷を待つ必要があったが、全くその待ち時間がなくなる。
また紙面の上で文字や図形を印字する部分のみトナーが付着しているがこれを定着するとき、そのトナーの付着部分のみ加熱するから白紙部分には余分な加熱がなくなりたとえば文字印刷のときには50から70%以上の白紙部分の加熱が心要なくなることから大幅な電力の節減となる。
11 用紙
12 プレフィードローラ
13 セパレーションローラ
14 搬送ローラ1
15 搬送ローラ2
16 現像ユニット
17 光学ユニット
18 OPCベルト
19 帯電チャージャー
20 クリーニングローラ
21 転写チャージャー
22 排紙ローラ
100 定着ユニット
101 側板
102 サーマルヘッドブラケット
103 サーマルヘッド
104 駆動ローラ
105 従動ローラ
106 テンションローラ
107 ベルト
108 加圧ローラ
109 加圧アーム
110 加圧スプリング
111 ステー
112 分離爪
113 クリーニングローラ
114 除電ブラシ
Claims (3)
- 耐熱性の円筒フィルムベルトと、そのフィルムベルトを駆動する駆動ローラと従動ローラと、前記円筒フィルムベルトにテンションをあたえるためのテンションローラとにより、構成されるベルト組み立ての内部に発熱温度を検知で切るサーマルヘッドが設置され、同サーマルヘッドと、これに対向する加圧ローラとの間をトナーが転写されたメディアが通過する際、そのメディア全面を前記サーマルヘッドにより加熱されるトナー定着方式で、同サーマルヘッドは発熱温度によりその抵抗値が変化する発熱素子群により構成されそれら発熱素子群の発熱駆動時の温度と熱量を調べつつトナーを溶融低定着するために発熱エネルギーを印刷時にのみ紙面に与えるトナー定着方式
- 耐熱性の円筒フィルムベルトとそのフィルムベルトを駆動する駆動ローラと従動ローラと、前記円筒フィルムベルトにテンションをあたえるためのテンションローラとにより、構成されるベルト組み立ての内部に発熱温度を検知で切るサーマルヘッドが設置され、同サーマルヘッドと、これに対向する加圧ローラとの間をトナーが転写されたメディアが通過する際、そのメディア上のトナーの付着部分にのみ前記サーマルヘッドにより加熱されるトナー定着方式で、同サーマルヘッドは発熱温度によりその抵抗値が変化するその発熱素子群より構成され、それら発熱素子群の発熱駆動時の温度と熱量を調べることで、常に一様な発熱エネルギーを印刷時のみ紙面上のトナー付着部分にのみに与えるトナー定着方式。
- 耐熱性の円筒フィルムベルトとそのフィルムベルトを駆動する駆動ローラと従動ローラと、前記円筒フィルムベルトにテンションをあたえるためのテンションローラとにより、構成されるベルト組み立ての内部に発熱温度を検知で切るサーマルヘッドが設置され、同サーマルヘッドと、これに対向する加圧ローラとの間をトナーが転写されたメディアが通過する際、そのメディア上のトナーの付着部分および同トナー付着部分の周囲部分は前記サーマルヘッドによりトナーの溶融定着が十分行える高エネルギに加熱し、その他の白紙部分については飛沫したトナーを定着させるのに十分なより低エネルギーを発生させるために、発熱素子群の発熱駆動時の温度と熱量を調べつつ、常に一様な、かつ必要最低限の加熱エネルギー量を紙面に与えるサーマルヘッドを組み込んだトナー定着方式。
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