JP2005181773A - 走査露光装置および画像情報読取システム - Google Patents
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Abstract
【課題】 長手方向における発光量のバラツキが少ないライン光を射出することのできるEL層を用いたパネル状光源を有する走査露光装置を提供する。
【解決手段】 パネル状光源部20は、厚さ0.1μm、大きさ430mm×430mmのITO膜からなる平板状の光透過性電極21、厚さ0.1μmで大きさ430mm×430mmのEL層22、4300本の線状電極23がZ方向へ平行に並んで設けられている線状電極層24とから構成される。各線状電極23は、幅50μm、長さ430mm、厚さ0.1μmのアルミ電極であり、100μm間隔で並んでいる。アルミの抵抗率は2.7×10-6Ω・cmであり、各線状電極23の端部26aと端部26b間の抵抗値は2.3KΩとなり、従来の光透過性電極である線状電極の抵抗値に比べ非常に小さい。このため、線状光源の長手方向における電圧降下も低減する。
【選択図】 図1
【解決手段】 パネル状光源部20は、厚さ0.1μm、大きさ430mm×430mmのITO膜からなる平板状の光透過性電極21、厚さ0.1μmで大きさ430mm×430mmのEL層22、4300本の線状電極23がZ方向へ平行に並んで設けられている線状電極層24とから構成される。各線状電極23は、幅50μm、長さ430mm、厚さ0.1μmのアルミ電極であり、100μm間隔で並んでいる。アルミの抵抗率は2.7×10-6Ω・cmであり、各線状電極23の端部26aと端部26b間の抵抗値は2.3KΩとなり、従来の光透過性電極である線状電極の抵抗値に比べ非常に小さい。このため、線状光源の長手方向における電圧降下も低減する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、画像情報が記録された画像記録媒体に対して、記録された画像情報を読み取るための読取光を走査露光する場合等に用いられる走査露光装置に関するものであり、特に、パネル状光源から順次射出されるライン光で該ライン光源の長手方向と交わる走査方向へ走査露光する走査露光装置および該走査露光装置を用いた画像情報読取システムに関するものである。
従来より、医療用X線撮影において、被験者が受ける被爆線量の減少、診断性能の向上等のために、X線に感応する例えばa−Seから成るセレン板等の光導電体を静電記録体として用い、静電記録体に放射線画像情報を担持するX線等の放射線を照射して、放射線画像情報を担持する潜像電荷を静電記録体に蓄積せしめ、ライン光源から射出されるライン光で静電記録体を走査することにより静電記録体内に生じる電流をストライプ電極を介して検出して、潜像電荷が担持する静電潜像、すなわち放射線画像情報を読み取る画像情報読取システムが知られている(例えば特許文献1参照)。
また、照射された放射線エネルギーの一部を蓄積し、その後、読取光(励起光)を照射すると蓄積された放射線エネルギーに応じて輝尽発光を示す蓄積性蛍光体を記録媒体として用いた画像情報記録読取システムも知られている。ライン光源から射出されるライン光で蓄積性蛍光体を走査することにより蓄積性蛍光体から発せられる輝尽発光を検出して、蓄積性蛍光体が担持する画像情報が読み取られる。輝尽発光を検出する検出部としては、フォトダイオードやCCDあるいは輝尽発光の照射を受けることにより導電性を有する光導電層を有するパネル状あるいはライン状の検出器を用いることができる(例えば特許文献2参照)。
上記のような画像情報記録読取システムでは、ライン光源を機械的に移動させることによりライン光による走査露光を行う読取用走査露光装置が用いられている。しかしながら、このような読取用走査露光装置を用いて画像情報の読取を行う場合、ライン光源を高速で移動させることが困難であり、読取速度の高速化が妨げられる場合がある。このため、略等間隔かつ平行に配置された多数のライン光源から成るパネル状光源を有し、該パネル状光源から異なるタイミングで順次ライン光を射出させることによりライン光による走査露光を行う走査露光装置が提案されている(例えば特許文献3参照)。
この走査露光装置では、パネル状光源として、光透過性の線状電極と、平板状の金属からなる背面電極と、線状電極と背面電極の間に設けられたEL層とから成る光源を用い、光透過性の線状電極へ順次電流を流すことにより、線状電極と背面電極の間のEL層へ電流を流し、順次ライン光を射出させている。光透過性の線状電極としては、ITO(Indium Tin Oxide)が使用されている。
特開2000−105297号公報
特開2000−338297号公報
特開2000−162726号公報
上記のような光透過性の線状電極と、EL層と、金属の平板電極とを用いた走査露光装置において、通常、画像記録媒体から画像情報を読み出す際の解像度は、線状電極の間隔に反比例するため、線状電極の線幅は狭いことが望ましい。近年では、線状電極の線幅が数十μmの走査露光装置の開発が待たれている。一方、光の透過性を向上させるためには、光透過性線状電極の厚さは薄いことが望ましく、1μm以下の厚さが好ましく、0.5μm以下の薄さがより好ましい。しかし、光透過性線状電極を形成可能な材料の抵抗率は比較的大きい場合が多く、例えば上記走査露光装置の光透過性の線状電極を形成するITOの抵抗率は4×10-4Ω・cm程度である。このため、例えば画像記録媒体の大きさが430mm×430mmであり、線状電極が、線幅50μm、厚さ1μm、長さ430mmであれば、その長手方向の抵抗値は次のように求めることができる。まず、厚さ1μmのITOのシート抵抗は、
4×10-4Ω・cm/1×10-4cm=4Ω/sq
となる。したがって、線状電極の長手方向の抵抗値は(シート抵抗×長さ)/線幅で算出でき、
(4Ω/sq×430mm)/(50×10-3mm)≒34KΩ
となる。この線状電極に例えば2mAの電流を流せば、線状電極の両端では、68Vの電位差が生じ、駆動源が接続されていない方の端部では電圧降下によりEL層における発光量が著しく低下してしまうという問題がある。また、光透過性を向上させるために、例えばITOの厚さを0.4μmまで薄くした場合には、ITOからなる線状電極の抵抗値は約86KΩとなってしまう。図8は、背向電極として厚さ0.1μmのアルミ(抵抗率:2.7×10-6Ω・cm)の平板電極(430mm×430mm)を用い、線状電極の一方の端部へ65Vの電圧を印加した場合における電極端部からの距離xとEL層にかかる電圧V(x)の関係の一例を示す図である。この図8からわかるように、電極端部から100mmほど離れた部位で、電圧は20%程度に低下してしまう。また、図9は、電極端部からの距離xとEL層に流れる電流D(x)の関係を示す図であり、この図から電極端部から100mm離れた部位では、電流がほとんど流れていないことがわかる。このため、電極端部から100mm以上離れた部位ではEL層が発光しない。すなわち、上記のような構成の走査露光装置においては、通常の駆動電圧を印加した場合に、駆動源が接続されていない方の電極端部ではEL層を発光させることは困難である。
4×10-4Ω・cm/1×10-4cm=4Ω/sq
となる。したがって、線状電極の長手方向の抵抗値は(シート抵抗×長さ)/線幅で算出でき、
(4Ω/sq×430mm)/(50×10-3mm)≒34KΩ
となる。この線状電極に例えば2mAの電流を流せば、線状電極の両端では、68Vの電位差が生じ、駆動源が接続されていない方の端部では電圧降下によりEL層における発光量が著しく低下してしまうという問題がある。また、光透過性を向上させるために、例えばITOの厚さを0.4μmまで薄くした場合には、ITOからなる線状電極の抵抗値は約86KΩとなってしまう。図8は、背向電極として厚さ0.1μmのアルミ(抵抗率:2.7×10-6Ω・cm)の平板電極(430mm×430mm)を用い、線状電極の一方の端部へ65Vの電圧を印加した場合における電極端部からの距離xとEL層にかかる電圧V(x)の関係の一例を示す図である。この図8からわかるように、電極端部から100mmほど離れた部位で、電圧は20%程度に低下してしまう。また、図9は、電極端部からの距離xとEL層に流れる電流D(x)の関係を示す図であり、この図から電極端部から100mm離れた部位では、電流がほとんど流れていないことがわかる。このため、電極端部から100mm以上離れた部位ではEL層が発光しない。すなわち、上記のような構成の走査露光装置においては、通常の駆動電圧を印加した場合に、駆動源が接続されていない方の電極端部ではEL層を発光させることは困難である。
本発明は、上記のような問題点に鑑みて、長手方向における発光特性が向上したライン光を射出することのできるEL層を用いたパネル状光源を有する走査露光装置を提供することを目的とする。また該走査露光装置を用いた画像情報読取システムを提供することを目的とする。
本発明による走査露光装置は、パネル状光源から順次射出されるライン光で該ライン光の長手方向と交わる走査方向へ走査露光する走査露光装置であって、
前記パネル状光源が、平板状の光透過性電極と、前記走査方向へ並んだ複数の線状電極と、前記光透過性電極と前記線状電極の間に配設されたEL層とを有するものであり、
前記線状電極へ順次電流を流すことにより、前記線状電極と前記光透過性電極の間のEL層へ電流を流し、前記ライン光を順次射出させる露光制御手段とを有することを特徴とするものである。
前記パネル状光源が、平板状の光透過性電極と、前記走査方向へ並んだ複数の線状電極と、前記光透過性電極と前記線状電極の間に配設されたEL層とを有するものであり、
前記線状電極へ順次電流を流すことにより、前記線状電極と前記光透過性電極の間のEL層へ電流を流し、前記ライン光を順次射出させる露光制御手段とを有することを特徴とするものである。
なお、「平板状の光透過性電極」とは、対向して配置されている、少なくとも2本以上の線状電極に相対する広さを有する光透過性電極を意味している。また、光透過性電極は1枚のみ配置されるものであってもよいし、複数枚配置されるものであってもよい。
また、前記光透過性電極の抵抗値と前記線状電極の抵抗値とは略等しいものであってもよい。なお、ここで、「線状電極の抵抗値」とは線状電極の長手方向の抵抗値を意味し、また光透過性電極の抵抗値とは、光透過性電極の線状電極の長手方向に相対する部位間の抵抗値を意味している。また「略等しい」とは、光透過性電極の抵抗値の前記線状電極の抵抗値に対する比率が0.5以上2以下であることを意味している。
前記線状電極が、ピッチPで配列され、シート抵抗値がraである薄膜から形成され、幅がwaであり、前記光透過性電極が、シート抵抗値がrcである四角形状の薄膜から形成され、隙間の幅wiで前記走査方向へ略等間隔に複数並べられるとき、前記光透過性電極の幅wcは次式を満たすものであってもよい。
wc≧n・P−wi
ただし、nはn<(wa・rc)/(ra・P)を満たす最大の整数である。
ただし、nはn<(wa・rc)/(ra・P)を満たす最大の整数である。
さらに、前記幅wcは、次式を満たすものであってもよい。
wc≦(n+1)・P+wa
本発明による画像情報読取システムは、画像情報が予め記録された画像記録媒体と、
該画像記録媒体から前記画像情報を読み取る際に、前記画像記録媒体に対して、読取光であるライン光を該ライン光の長手方向と交わる走査方向へ走査露光せしめる走査露光装置とを有する画像情報読取システムであって、
前記走査露光装置は、平板状の光透過性電極と、走査方向へ並んだ複数の線状電極と、前記光透過性電極と前記線状電極の間に配設されたEL層とを有するパネル状光源と、
前記線状電極へ順次電流を流すことにより、前記線状電極と前記光透過性電極の間のEL層へ電流を流し、前記ライン光を順次射出させる露光制御手段とを有することを特徴とするものである。
本発明による画像情報読取システムは、画像情報が予め記録された画像記録媒体と、
該画像記録媒体から前記画像情報を読み取る際に、前記画像記録媒体に対して、読取光であるライン光を該ライン光の長手方向と交わる走査方向へ走査露光せしめる走査露光装置とを有する画像情報読取システムであって、
前記走査露光装置は、平板状の光透過性電極と、走査方向へ並んだ複数の線状電極と、前記光透過性電極と前記線状電極の間に配設されたEL層とを有するパネル状光源と、
前記線状電極へ順次電流を流すことにより、前記線状電極と前記光透過性電極の間のEL層へ電流を流し、前記ライン光を順次射出させる露光制御手段とを有することを特徴とするものである。
前記画像記録媒体は、画像情報を静電潜像として記録し、前記読取光で走査露光されることにより、前記静電潜像に応じた電流を発生する静電記録体であってもよく、また画像情報を蓄積記録し、前記読取光で走査露光されることにより、前記画像情報に応じた輝尽発光光を発生する蓄積性蛍光体であってもよい。
本発明の走査露光装置は、平板状の光透過性電極と、前記走査方向へ並んだ複数の線状電極と、前記平板状の光透過性電極と前記線状電極の間に配設されたEL層とを有するパネル状光源の線状電極へ順次電流を流して、光透過性電極を介してライン光を順次射出させることにより、線状電極は光透過性を有する必要がなく、抵抗率の小さい金属等から形成することができるので、その抵抗値が小さくなり、そのため線状電極の長手方向における電圧降下も小さくなり、長手方向における発光特性が向上したライン光を射出することができる。
前記光透過性電極の抵抗値と前記線状電極の抵抗値とが略等しい場合には、光透過性電極における電圧降下と線状電極における電圧降下が略等しくなり、ライン光の長手方向の各位置における、光透過性電極と線状電極間の電位差が略等しくなるので、長手方向における発光量のバラツキが少ないライン光を射出することができる。
前記線状電極が、ピッチPで配列され、シート抵抗値がraである薄膜から形成され、幅がwaであり、前記光透過性電極が、シート抵抗値がrcである四角形状の薄膜から形成され、隙間の幅wiで前記走査方向へ略等間隔に複数並べられ、nがn<(wa・rc)/(ra・P)を満たす最大の整数である場合に、光透過性電極の幅wcがwc≧n・P−wiを満たすものであれば、光透過性電極の抵抗値が、線状電極の抵抗値以上であってかつ抵抗値に近似した値以下となるため、光透過性電極における電圧降下も抑制でき、より発光特性が向上したライン光を射出することができる。
さらに、幅wcがwc≦(n+1)・P+waを満たすものであれば、光透過性電極における抵抗値が、線状電極の抵抗値以上であってかつ抵抗値に近似した値以下でありさらに線状電極の抵抗値以下であってかつ抵抗値に近似した値以上となるため、線状電極における電圧降下と、光透過性電極における電圧降下が部分的に相殺され、発光量のバラツキが減少したライン光を射出することができる。
なお、論理的に理想的な光透過性電極の線幅wcはwc=(rc・wa)/raで、この場合には線状電極の抵抗値と光透過性電極の抵抗値は等しくなり、線状電極における電
圧降下と光透過性電極における電圧降下が相殺され、発光量のバラツキがほぼ抑制されたライン光を射出することができる。しかし光透過性電極の隙間が線状電極と対峙する部位に設けられると、その線状電極には他の線状電極とは異なる電流が流れることとなり、線状電極間の発光特性にバラツキが生じてしまう原因となる。そのため、線状電極と対峙する部位には光透過性電極間の隙間が配置されないように、光透過性電極の幅wcを設定することが望ましい。また、隙間の幅wiはP−wa以下でなければならない。これらの条件を考慮すると、もっとも適切な光透過性電極の幅wc’は、以下のように場合分けして求めることができる。
圧降下と光透過性電極における電圧降下が相殺され、発光量のバラツキがほぼ抑制されたライン光を射出することができる。しかし光透過性電極の隙間が線状電極と対峙する部位に設けられると、その線状電極には他の線状電極とは異なる電流が流れることとなり、線状電極間の発光特性にバラツキが生じてしまう原因となる。そのため、線状電極と対峙する部位には光透過性電極間の隙間が配置されないように、光透過性電極の幅wcを設定することが望ましい。また、隙間の幅wiはP−wa以下でなければならない。これらの条件を考慮すると、もっとも適切な光透過性電極の幅wc’は、以下のように場合分けして求めることができる。
(rc・wa)/ra=Aとした時に、
A<n・P+(wa−wi)/2の場合には
wc’=n・P−wi
n・P+(wa−wi)/2≦A<n・P+waの場合には
wc’=n・P+wa
n・P+wa≦A<(n+1)・P−wiの場合には
wc’=A=(rc・wa)/ra
(n+1)・P−wi≦A<(n+1)・P+(wa−wi)/2の場合には
wc’=(n+1)・P−wi
A≧(n+1)・P+(wa−wi)/2の場合には
wc’=(n+1)・P+wa
上記のように、幅wcを決定し、線状電極と対峙する部位には光透過性電極間の隙間が配置されないように光透過性電極を配置することにより、すべての線状電極が同様に発光し、かつ各線状電極内における発光量のバラツキが最小となるライン光源を得ることができる。
A<n・P+(wa−wi)/2の場合には
wc’=n・P−wi
n・P+(wa−wi)/2≦A<n・P+waの場合には
wc’=n・P+wa
n・P+wa≦A<(n+1)・P−wiの場合には
wc’=A=(rc・wa)/ra
(n+1)・P−wi≦A<(n+1)・P+(wa−wi)/2の場合には
wc’=(n+1)・P−wi
A≧(n+1)・P+(wa−wi)/2の場合には
wc’=(n+1)・P+wa
上記のように、幅wcを決定し、線状電極と対峙する部位には光透過性電極間の隙間が配置されないように光透過性電極を配置することにより、すべての線状電極が同様に発光し、かつ各線状電極内における発光量のバラツキが最小となるライン光源を得ることができる。
また、本発明の画像情報読取システムは、平板状の光透過性電極と、走査方向へ並んだ複数の線状電極と、前記光透過性電極と前記線状電極の間に配設されたEL層とを有するパネル状光源と、前記線状電極へ順次電流を流すことにより、前記線状電極と前記光透過性電極の間のEL層へ電流を流し、前記ライン光を順次射出させる露光制御手段とを有する走査露光装置を有することにより、長手方向における発光特性の向上したライン光である読取光により画像情報を読み出すことができるので、読み出された画像情報の信頼性が向上する。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明の読取用走査露光装置を適用した第1の実施の形態である画像情報記録読取システムの概略構成図である。
図1に示すように、この画像情報記録読取システム1は、430mm×430mmの静電潜像を記録可能な画像記録媒体10と、該画像記録媒体10を読取光L1により走査露光するパネル状光源部20と、該パネル状光源部20の動作を制御する走査露光制御部40と、画像記録媒体10の画像情報を読み出す読出部50と、記録光である放射線L2を照射する放射線照射部55と、走査露光制御部40、読出部50および放射線照射部55と接続されたシステム制御部59とを有している。
画像記録媒体10は、画像情報を担持する被写体を透過した放射線L2(例えば、X線等)が第1電極層(導電体層)11に照射されることにより記録用光導電層12内に電荷が発生し、この発生した電荷を記録用光導電層12と電荷輸送層13との界面である蓄電部19に潜像電荷として蓄積し、読取光L1で第2電極層(導電体層)15が走査されることにより読取用光導電層14内に電荷が発生し前記潜像電荷と電荷再結合して潜像電荷の量に応じた電流を発生するものである。なお、第2電極層15の外側には読取光L1を透過する透明な絶縁層17が設けられている。
第2電極層15は、多数の線状電極(図中の斜線部)がストライプ状に配列されて成るものである。以下第2電極層15の電極をストライプ電極16といい、各線状電極をエレメント16aという。記録用光導電層12、電荷輸送層13、および読取用光導電層14には、アモルファス状の物質としてのa−Seを主成分とするものを使用する。なお、図1に示すように、記録用光導電層12、電荷輸送層13、読取用光導電層14、第2電極層15および、絶縁層17の積層方向をX方向、ストライプ電極16の長手方向をY方向、XY平面と直交する方向をZ方向とする。
図2は、パネル状光源部20のXY平面における部分断面図であり、パネル状光源部20は、厚さ0.1μm、大きさ430mm×430mmのITO膜からなる平板状の光透過性電極21、厚さ0.1μmの大きさ430mm×430mmのEL層22、4300本の線状電極23がZ方向へ平行にかつ略等間隔に並んで設けられている線状電極層24とを有している。各線状電極23は、幅50μm、長さ430mm、厚さ0.1μmのアルミ電極であり、100μm間隔で並んでいる。図2に示すように、平板状の光透過性電極21は、画像記録媒体10に相対するように、絶縁層17に接して設けられ、光透過性電極21、EL層22および線状電極層24はX方向へ順次積層されている。EL層22は有機EL層であるが、無機EL層を用いてもよい。光透過性電極21のZ方向の端部25aおよび25bのうち端部25aは接地されている。また各線状電極23のZ方向の端部26aおよび26bのうち、光透過性電極21の端部25aとは逆側となる端部26bは、それぞれ走査露光制御部40へ接続されている。
なお、アルミの抵抗率は2.7×10-6Ω・cmであり、各線状電極23の端部26aと端部26b間の抵抗値は2.3KΩとなる。このため例えば2mAの電流が流れた場合の両端部間の電圧降下は4.6Vである。
走査露光制御部40は、読取走査を指示する制御信号A1が入力されると、各線状電極23を順次切り換えながら、各線状電極23の端部へ所定の直流電圧を印加して、パネル状光源部20から異なるタイミングで読取光L1を順次射出させるものである。
読出部50は、ストライプ電極16の各エレメント16a毎に、反転入力端子に接続された電流検出アンプ51を多数有している。画像記録媒体10の第1電極層11はスイッチ52の一方の入力および電源53の負極に接続されており、電源53の正極はスイッチ52の他方の入力に接続されている。スイッチ52の出力は各電流検出アンプ51を構成する不図示のオペアンプの非反転入力端子に共通に接続されている。
読取走査時には、読取光L1がストライプ電極16側に照射(走査露光)されることにより、各電流検出アンプ51は、各エレメント16aに流れる電流を、接続された各エレメント16aについて同時(並列的)に検出する。検出結果は、信号処理部54に出力される。信号処理部54は、走査露光制御部40から読取光L1による露光部位情報を順次入力し、電流検出アンプ51から入力された検出結果と露光部位情報を組み合わせて記憶し、読取走査終了後に、検出結果および、露光部位情報に基づいて、画像1枚分の画像情報を作成する。
なお、電流検出アンプ51の構成の詳細については、本発明の要旨に関係がないのでここでは詳細な説明を省略するが、周知の構成を種々適用することが可能である。電流検出アンプ51の構成によっては、スイッチ52および電源53並びに各エレメント16aとの接続態様が上記とは異なるものとなるのは勿論である。なお、本実施の形態においては、スイッチ52は、画像記録を指示する制御信号B1が入力されると、電源53側に切り換えられ、読取を指示する制御信号B2が入力されると、第1電極層11側に切り換えられる。
放射線照射部55は、放射線L2を発する放射線源56と放射線源56を駆動する電力を発生する高電圧発生器57とからなる。
高電圧発生器57は、放射線照射を指示する制御信号C1が入力されたときには高圧HVを放射線源56に供給し、放射線源56から放射線L2を所定時間発生させる。
なお、システム制御部59からは、走査露光制御部40に向けて走査露光を指示する制御信号A1が、スイッチ52に向けて画像情報の記録を指示する制御信号B1または画像情報の読取を指示する制御信号B2が、高電圧発生器57に向けて放射線L2の照射を指示する制御信号C1が夫々出力される。
以下、上記構成の画像情報記録読取システム1の作用について説明する。静電潜像を画像記録媒体10に記録するに際しては、第1電極層11の電極とストライプ電極16との間に記録用電圧を印加した状態で第1電極層11に記録用の放射線L2を照射して、画像記録媒体10に静電潜像の記録を行なう。具体的には、先ず画像記録媒体10内の記録用光導電層12で発生した電荷を蓄電部19に蓄積させることができるように、システム制御部59はスイッチ52に制御信号B1を出力する。スイッチ52は、制御信号B1が入力されると、電源53側に切り換えられ、画像記録媒体10の第1電極層11の電極とストライプ電極16との間に電源53から記録用電圧としての所定の大きさの直流電圧が印加される。このため第1電極層11の電極とストライプ電極16とは帯電する。
この記録用電圧の印加の後、システム制御部59は高電圧発生器57に、制御信号C1を入力し、高電圧発生器57から高圧HVを放射線源56に供給させ、放射線源56から放射線L2を照射させる。この放射線L2を被写体58に爆射し、被写体58を透過した被写体58の放射線画像情報を担持する放射線L2を設定された照射時間だけ画像記録媒体10に照射する。すると、画像記録媒体10の記録用光導電層12内で正負の電荷対が発生し、その内の負電荷が所定の電界分布に沿ってストライプ電極16の各エレメント16aに集中せしめられ、記録用光導電層12と電荷輸送層13との界面である蓄電部19に潜像電荷として蓄積される。潜像電荷の量は照射放射線量に略比例するので、この潜像電荷が静電潜像を担持することとなる。一方、記録用光導電層12内で発生する正電荷は第1電極層11に引き寄せられて、電源53から注入された負電荷と電荷再結合し消滅する。
次に、画像記録媒体10から静電潜像を読み取る際には、システム制御部59はスイッチ52に制御信号B2を出力し、第1電極層11の電極とストライプ電極16とを同電位にする。次に、制御信号A1を走査露光制御部40に出力する。走査露光制御部40は、図1における上端に配置された線状電極23に直流電圧を印加し、線状電極23と光透過性電極21との間のEL層22に電流を流し、EL層22をライン状に発光させる。線状電極23と光透過性電極21間のEL層22から射出されたライン光は読取光L1として、画像記録媒体10に照射される。その後、同様に順次下隣の線状電極23へ直流電圧を印加して、読取光L1を射出させる。最後に下端の線状電極23へ直流電圧を印加して読取光L1を射出させて、画像記録媒体10の走査露光を終了する。
この読取光L1による走査により走査位置に対応するライン光が入射した光導電層14内に正負の電荷対が発生し、その内の正電荷が蓄電部16に蓄積された負電荷(潜像電荷)に引きつけられるように電荷輸送層13内を急速に移動し、蓄電部16で潜像電荷と電荷再結合し消滅する。一方、光導電層14に生じた負電荷は電源53からストライプ電極16に注入される正電荷と電荷再結合し消滅する。このようにして、画像記録媒体10の蓄電部19に蓄積されていた負電荷が電荷再結合により消滅し、この電荷再結合の際の電荷の移動による電流が画像記録媒体10内に生じる。この電流を各エレメント16a毎に接続された各電流検出アンプ51が同時に検出し、信号処理部54に出力する。
読取りの際に画像記録媒体10内を流れる電流は、潜像電荷すなわち静電潜像に応じたものであるから、この電流を検出することにより静電潜像を読み取る、すなわち静電潜像を表す画像信号を取得することができる。なお、各電流検出アンプ51による検出は読取光L1の照射位置の切り換えタイミング、すなわち線状光源23の切り換えタイミングと同期させて行い、4300ラインの画像信号を取得する。
信号処理部54は、走査露光終了後に、検出結果(画像信号)に基づいて、画像1枚分の画像情報を作成する。
以上の説明で明らかなように、本実施の形態のパネル状光源20は、ITOからなる平板状の光透過性電極21と、Z方向へ等間隔に並んだ4300本の線状電極23と、光透過性電極21と線状電極23の間に配設けられたEL層22とを有するので、線状電極23は光透過性を有する必要がなく、抵抗率の小さい金属等から形成することができ、線状電極23の抵抗値が小さくなり、そのため線状電極23の長手方向における電圧降下も小さくなり、長手方向における発光特性が向上した読取光L1を射出することができる。なお、線状電極23の幅が50μmであり、光透過性電極21およびEL層22の厚さがそれぞれ0.1μmであるため、光透過性電極の代わりに、金属電極を線状電極として使用しても、射出される光の線幅はほとんど差がない。また、より線幅の狭い読取光L1が望ましい場合には、電極に誘電体多層膜を積層して光学的共振器構造としての誘電体ミラーを形成して、読取光L1の指向性を向上させてもよい。
なお、本実施の形態の変形例として、パネル状光源20の代わりに、光透過性電極21、EL層22、および幅50μm、厚さ1μmのアルミ電極である線状電極31がZ方向へ4300本平行に並んで設けられている線状電極層32を有しているパネル状光源30を用いたものが考えられる。アルミの抵抗率は2.7×10-6Ω・cmであり、各線状電極31のZ方向における両端間の抵抗値は232Ωとなる。このため例えば2mAの電流が流れた場合の両端における電圧降下は0.46Vであり、長手方向における発光特性が向上した読取光L1を射出することができる。
さらに、他の変型例として、光透過性電極21、EL層22、および幅50μm、厚さ3μmのアルミ電極である線状電極36がZ方向へ4300本平行に並んで設けられている線状電極層37を有しているパネル状光源35を用いたものが考えられる。各線状電極36のZ方向における両端間の抵抗値は78Ωとなる。このため例えば2mAの電流が流れた場合の両端における電圧降下は156mVである。
一方、ITOの抵抗率は4×10-4Ω・cmであり、光透過性電極21のZ方向における端部25aと25bとの間の抵抗値は40Ωである。このため、2mAの電流が光透過性電極21のZ方向における端部25aと25bとの間に流れた場合の電圧降下は80mVとなる。光透過性電極21は、線状電極36の駆動側とは反対側の端部25aで接地されているため、これらの電圧降下は一部分相殺される。このため長手方向における発光量のバラツキが少ない読取光L1を射出することができる。
一方、もしアルミ電極の厚さが12μmであれば、線状電極の抵抗値は19Ωとなり、例えば2mAの電流が流れた場合の両端における電圧降下は38mVとなり、やはり電圧降下は一部相殺される。すなわち、線状電極の抵抗値が、光透過性電極の抵抗値の2倍以下でかつ0.5倍以上である場合には、電圧降下の少なくとも一部が相殺され、発光量のバラツキが少ない読取光L1を射出することができる。
さらに、他の変型例として、光透過性電極21、EL層22、および幅50μm、厚さ5.8μmのアルミ電極である線状電極36がZ方向へ4300本平行に並んで設けられている線状電極層37を有しているパネル状光源35を用いたものが考えられる。各線状電極36のZ方向における両端間の抵抗値は40Ωとなる。一方、光透過性電極21のZ方向における端部25aと25bとの間の抵抗値も40Ωであり、線状電極における電圧降下と光透過性電極における電圧降下は相殺され、光透過性電極21と線状電極36との間の電位差は、線状電極36の長手方向の各位置において、略等しいものとなる。すなわち、線状電極の抵抗値が、光透過性電極の抵抗値とほぼ等しい場合には、電圧降下が相殺され、長手方向における発光量のバラツキが一層少ない読取光L1を射出することができる。
次に、図3および図4を参照して本発明の第2の実施形態について説明する。図3は本発明の第2の実施の形態である画像情報記録読取システムの概略構成図であり、図1中の要素と同等の要素には同番号を付してあり、それらについての説明は特に必要の無い限り省略する。
図3に示すように、この画像情報記録読取システム2は、430mm×430mmの静電潜像を記録可能な画像記録媒体10と、該画像記録媒体10を読取光L1により走査露光するパネル状光源部60と、該パネル状光源60の動作を制御する走査露光制御部40と、画像記録媒体10の画像情報を読み出す読出部50と、記録光である放射線L2を照射する放射線照射部55と、走査露光制御部40、読出部50および放射線照射部55と接続されたシステム制御部59とを有している。
図4は、パネル状光源部60のXY平面における部分断面図であり、パネル状光源部20は、厚さ0.4μm、大きさ430mm(Z方向)×1.85mm(Y方向)のITO膜からなる平板状の光透過性電極61がY方向に1.9mm間隔で227枚並んでいる光透過性電極層62、厚さ0.1μmの大きさ430mm×430mmのEL層22、4300本の線状電極23がZ方向へ平行に並んで設けられている線状電極層24とを有している。各線状電極23は、幅50μm、厚さ0.1μmのアルミ電極である。図4に示すように、各光透過性電極61は、画像記録媒体10に相対するように、絶縁層17に接して設けられ、光透過性電極層62、EL層22および線状電極層24はX方向へ順次積層されている。各光透過性電極61のZ方向の端部63aおよび63bのうち端部63aは接地されている。また各線状電極23のZ方向の端部26aおよび26bのうち、光透過性電極61の端部63aとは逆側となる端部26bは、それぞれ走査露光制御部40へ接続されている。
なお、アルミの抵抗率は2.7×10-6Ω・cmであり、各線状電極23の端部26aと端部26b間の抵抗値は約2.3KΩとなる。このため例えば2mAの電流が流れた場合の両端部間の電圧降下は4.6Vである。
一方、ITOの抵抗率は4×10-4Ω・cmであり、各光透過性電極61のZ方向における端部63aと63bとの間の抵抗値は2.3kΩである。このため、2mAの電流が光透過性電極61のZ方向における端部63aと63bとの間に流れた場合の電圧降下も4.6Vとなる。各光透過性電極61は、線状電極23の駆動側とは反対側の端部63aで接地されているため、これらの電圧降下は相殺され、光透過性電極61と線状電極23との間の電位差は、線状電極23の長手方向全長に渡って、略等しいものとなる。このため長手方向における発光量のバラツキが一層少ない読取光L1を射出することができる。
図5は、線状電極23の一方の端部へ65Vの電圧を印加した場合における電極端部からの距離とEL層にかかる電圧の関係の一例を示す図である。本実施の形態では、EL層としてspiro-NPB,spiro-DPVBi,Cs doped BCPからなるブルー発光層が用いられ、EL層の単位長さあたりの抵抗値Rd(V)は次式で表すことができる。なお、Rd(V)は、電圧Vに依存して、非線形に変化するものである。
また、線状電極23の単位長さあたりの抵抗値をRa、光透過性電極61の単位長さあたりの抵抗値をRc、給電端からの距離をxとし、距離xに位置するEL層にかかる電圧をV(x)とすると、下記の微分方程式が成立する。
この微分方程式をMathcadのrkfixed関数を用いて解くことにより、図5に示すような図を得ることができる。この図5からわかるように、電極の全長に渡って、電圧はほとんど低下していない。また、図6は、電極端部からの距離とEL層に流れる電流の関係を示す図であり、この図から電極の全長に渡ってほぼ一定の大きさの電流が流れていることがわかる。このため、EL層の発光量もほぼ一定となる。
なお、ここで、線状電極23が、幅(wa)50μm、厚さ0.1μmのアルミ電極であり、100μm間隔(ピッチP=0.1mm)で配置され、光透過性電極が厚さ0.4μmのITO膜から形成されている場合に、光透過性電極の幅wcを求める方法について簡単に説明したおく。この場合線状電極23のシート抵抗値raは0.27Ω/sqであり、光透過性電極のシート抵抗値rcは10Ω/sqである。
まず、幅wcがwc≧0.93mmであれば、光透過性電極の抵抗値が、線状電極23の抵抗値の2倍以下となるため、光透過性電極における電圧降下も抑制でき、発光特性が向上したライン光を射出することができる。さらに、幅wcが、wc≦3.7mmであれば、光透過性電極における抵抗値が、線状電極23の2倍以下かつ半分以上となるため、線状電極23における電圧降下と、光透過性電極における電圧降下が部分的に相殺され、発光量のバラツキが減少したライン光を射出することができる。
また、光透過性電極61の隙間の幅がwi、nがn<(wa・rc)/(ra・P)を満たす最大の整数である場合、本実施の形態においては18である場合には、光透過性電極61の幅wcがwc≧n・P−wi=1.75を満たすものであれば、光透過性電極の抵抗値が、線状電極の抵抗値以上であってかつ抵抗値に近似した値以下となるため、光透過性電極における電圧降下も抑制でき、より発光特性が向上したライン光を射出することができる。
さらに、幅wcがwc≦(n+1)・P+wa=1.95を満たすものであれば、光透過性電極における抵抗値が、線状電極の抵抗値以上であってかつ抵抗値に近似した値以下でありさらに線状電極の抵抗値以下であってかつ抵抗値に近似した値以上となるため、線状電極における電圧降下と、光透過性電極における電圧降下が部分的に相殺され、発光量のバラツキが減少したライン光を射出することができる。
さらに、論理的に理想的な光透過性電極の線幅wcはwc=(rc・wa)/raであるが、線状電極と対峙する部位には光透過性電極間の隙間(光透過性電極の存在しない部分)が配置されないように、光透過性電極の幅wcを設定することが望ましい。光透過性電極間の隙間が線状電極と対峙してしまった場合には、その線状電極から正確に画像情報を読み出すことが困難になってしまう。
上記を考慮すると適切な線幅wc’は以下のように場合分けして求めることができる。
(rc・wa)/ra=Aとした時に、
A<n・P+(wa−wi)/2の場合には
wc’=n・P−wi
n・P+(wa−wi)/2≦A<n・P+waの場合には
wc’=n・P+wa
n・P+wa≦A<(n+1)・P−wiの場合には
wc’=A=(rc・wa)/ra
(n+1)・P−wi≦A<(n+1)・P+(wa−wi)/2の場合には
wc’=(n+1)・P−wi
A≧(n+1)・P+(wa−wi)/2の場合には
wc’=(n+1)・P+wa
上記のように、幅wcを決定し、線状電極と対峙する部位には光透過性電極間の隙間が配置されないように光透過性電極を配置することにより、すべての線状電極が同様に発光し、かつ各線状電極内における発光量のバラツキが最小となるライン光源を得ることができる。
A<n・P+(wa−wi)/2の場合には
wc’=n・P−wi
n・P+(wa−wi)/2≦A<n・P+waの場合には
wc’=n・P+wa
n・P+wa≦A<(n+1)・P−wiの場合には
wc’=A=(rc・wa)/ra
(n+1)・P−wi≦A<(n+1)・P+(wa−wi)/2の場合には
wc’=(n+1)・P−wi
A≧(n+1)・P+(wa−wi)/2の場合には
wc’=(n+1)・P+wa
上記のように、幅wcを決定し、線状電極と対峙する部位には光透過性電極間の隙間が配置されないように光透過性電極を配置することにより、すべての線状電極が同様に発光し、かつ各線状電極内における発光量のバラツキが最小となるライン光源を得ることができる。
例えば、本実施の形態において、光透過性電極間の隙間の幅wiが例えば50μm必要な場合の幅wcの算出方法を説明する。まず、n<(rc・wa)/(ra・P)=(10・0.05)/(0.27・0.1)を満たす最大整数を求める。本実施の形態では18である。光透過性電極間の隙間の幅が50μm必要であるため、
(n+1)・P−wi=1.85
A=1.852
(n+1)・P+(wa−wi)/2=1.9となり
適切な幅wc’=(n+1)・P−wi=1.85となる。なお、当然、線状電極23と対峙する部位には光透過性電極61間の隙間が配置されないように光透過性電極61が配置される。
(n+1)・P−wi=1.85
A=1.852
(n+1)・P+(wa−wi)/2=1.9となり
適切な幅wc’=(n+1)・P−wi=1.85となる。なお、当然、線状電極23と対峙する部位には光透過性電極61間の隙間が配置されないように光透過性電極61が配置される。
また、例えば光透過性電極間の隙間の幅が30μmでよい場合には、
n・P+wa=1.85
(n+1)・P−wi=1.87
となるため、幅wc’=A=1.852となる。
n・P+wa=1.85
(n+1)・P−wi=1.87
となるため、幅wc’=A=1.852となる。
なお、画像情報記録読取システム2の動作は図1に示す画像情報記録読取システム1と同様であるため、説明を省略する。
また、上記各実施の形態においては、光導電層が、記録用の放射線の照射によって導電性を呈することにより画像増信号を記録するものであるが、本発明による光導電層は必ずしもこれに限定されるものではなく、記録用の放射線の励起により発せられる光の照射によって導電性を呈するものとしてもよい。この場合、第1の電極層の表面に記録用の放射線を、例えば青色光等、他の波長領域の光に波長変換するいわゆるX線シンチレータといわれる波長変換層を積層したものとする。この波長変換層としては、例えばヨウ化セシウム(CsI)等を用いるのが好適である。また、第1の電極層および第1の絶縁層12は、記録用の放射線の励起により波長変換層で発せられる光に対して透過性を有するものとする。
次に、本発明の走査露光装置を適用した第3の実施の形態を図7に示して説明する。図7は、本発明の走査露光装置を、蓄積性蛍光体シートから画像を読み取る画像情報読取システムに適用したものである。
本画像情報読取システム3は、予め放射線画像情報が蓄積記録された蓄積性蛍光体シート90に対して読取光L1を走査露光するパネル状光源部20および走査露光制御部43と、読取光L1の照射を受けて蓄積性蛍光体シート90から発せられる輝尽発光光Mを検出する光検出器91と該光検出器91に接続されている図示しない信号処理部とからなる。なお光検出器91は、蓄積性蛍光体シート90に対してパネル状光源20とは反対側に配設され、多数の光電変換素子から構成されており、各光電変換素子が蓄積性蛍光体シート90の対応する箇所毎(画素毎)の輝尽発光光を検出する。光電変換素子としては具体的には、アモルファスシリコンセンサ、CCDセンサ、MOSセンサ等を適用する。このような光検出器91は図7に示すように、平面状の2次元センサとして形成してもよいし、1次元センサとして形成し、読取光の走査と同期させて移動させてもよい。
次に本実施形態の画像情報読取システムの作用について説明する。走査露光制御部43の制御により、走査露光部20から出力されるライン状の読取光L1が蓄積性蛍光体シート90上を走査露光する。読取光L1が照射された蓄積性蛍光体シート90の部分からは、そこに蓄積記録されている放射線画像情報に応じた光量の輝尽発光光Mが発せられ、その一部は光検出器91に入射する。光検出器91に入射した輝尽発光光Mは各光電変換素子において増幅、光電変換されて、各光電変換素子の対応する画素の画像信号Sとして外部の信号処理装置に出力される。
なお、パネル状光源部20は、そのEL層22として蓄積性蛍光体シートから輝尽発光光を発光せしめるために適切な波長の光を出力するものを備えたものとする。本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様な効果を得ることができる。またパネル状光源部20の代わりにパネル状光源部30、35あるいはパネル状光源部60を用いることもできる。
1、2 画像情報記録読取システム
3 画像情報読取システム
10 画像記録媒体
20、80 パネル状光源部
21 光透過性電極
22 EL層
23、31、36 線状電極
24、32、37 線状電極層
40、43 走査露光制御部
50 電流検出回路
55 放射線照射部
59 システム制御部
90 蓄積性蛍光体シート
91 光検出器
3 画像情報読取システム
10 画像記録媒体
20、80 パネル状光源部
21 光透過性電極
22 EL層
23、31、36 線状電極
24、32、37 線状電極層
40、43 走査露光制御部
50 電流検出回路
55 放射線照射部
59 システム制御部
90 蓄積性蛍光体シート
91 光検出器
Claims (7)
- パネル状光源から順次射出されるライン光で該ライン光の長手方向と交わる走査方向へ走査露光する走査露光装置であって、
前記パネル状光源が、平板状の光透過性電極と、前記走査方向へ並んだ複数の線状電極と、前記光透過性電極と前記線状電極の間に配設されたEL層とを有するものであり、
前記線状電極へ順次電流を流すことにより、前記線状電極と前記光透過性電極の間のEL層へ電流を流し、前記ライン光を順次射出させる露光制御手段とを有することを特徴とする走査露光装置。 - 前記光透過性電極の抵抗値と前記線状電極の抵抗値とが略等しいことを特徴とする請求項1記載の走査露光装置。
- 前記線状電極が、ピッチPで配列され、シート抵抗値がraである薄膜から形成され、幅がwaであり、前記光透過性電極が、シート抵抗値がrcである四角形状の薄膜から形成され、隙間の幅wiで前記走査方向へ略等間隔に複数並べられるとき、前記光透過性電極の幅wcが次式を満たすことを特徴とする請求項1記載の走査露光装置。
wc≧n・P−wi
ただし、nはn<(wa・rc)/(ra・P)を満たす最大の整数である。 - 前記幅wcが次式を満たすことを特徴とする請求項3記載の走査露光装置。
wc≦(n+1)・P+wa - 画像情報が予め記録された画像記録媒体と、
該画像記録媒体から前記画像情報を読み取る際に、前記画像記録媒体に対して、読取光であるライン光を該ライン光の長手方向と交わる走査方向へ走査露光せしめる走査露光装置とを有する画像情報読取システムであって、
前記走査露光装置が、平板状の光透過性電極と、走査方向へ並んだ複数の線状電極と、前記光透過性電極と前記線状電極の間に配設されたEL層とを有するパネル状光源と、
前記線状電極へ順次電流を流すことにより、前記線状電極と前記光透過性電極の間のEL層へ電流を流し、前記ライン光を順次射出させる露光制御手段とを有することを特徴とする画像情報読取システム。 - 前記画像記録媒体が、画像情報を静電潜像として記録し、前記読取光で走査露光されることにより、前記静電潜像に応じた電流を発生する静電記録体であることを特徴とする請求項5記載の画像情報読取システム。
- 前記画像記録媒体が、画像情報を蓄積記録し、前記読取光で走査露光されることにより、前記画像情報に応じた輝尽発光光を発生する蓄積性蛍光体であることを特徴とする請求項5記載の画像情報読取システム。
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Date | Code | Title | Description |
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