JP2005180554A - 自動変速機の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 エコランシステムを備えたエンジンにおいて、スタータによってエンジンが強制駆動されても、無段変速機に悪影響が出ないエンジン回転数の検出方法を提供する。
【解決手段】 エンジン制御ユニットによって動作制御されるエンジンの稼働中に、補助制御ユニットによって動作制御され、このエンジンを外部から強制駆動してその回転数を増大できるスタータを備えたエンジンにおいて、自動変速機が、トルクコンバータ、前後進切換クラッチ、プライマリプーリとセカンダリプーリからなる2組のプーリと、これらに掛け渡されたVベルト、及びプーリの溝幅を変更できるプーリ駆動機構とから構成される無段変速機である場合に、スタータ駆動時の無段変速機の保護動作として、プーリ駆動機構に無段変速機のセカンダリプーリ側のベルトの挟圧力を増大させる動作を行わせるようにしたものである。
【選択図】 図4
【解決手段】 エンジン制御ユニットによって動作制御されるエンジンの稼働中に、補助制御ユニットによって動作制御され、このエンジンを外部から強制駆動してその回転数を増大できるスタータを備えたエンジンにおいて、自動変速機が、トルクコンバータ、前後進切換クラッチ、プライマリプーリとセカンダリプーリからなる2組のプーリと、これらに掛け渡されたVベルト、及びプーリの溝幅を変更できるプーリ駆動機構とから構成される無段変速機である場合に、スタータ駆動時の無段変速機の保護動作として、プーリ駆動機構に無段変速機のセカンダリプーリ側のベルトの挟圧力を増大させる動作を行わせるようにしたものである。
【選択図】 図4
Description
本発明は自動変速機の制御装置に関し、特に、自動変速機を備えるエンジンにおけるエンジンの低回転時のエンジンストール(以後エンストと略記する)を防止するために、エンジンのクランク軸が外部から強制的に駆動された場合に自動変速機が異常状態となるのを防止する、自動変速機の制御装置に関する。
従来、自動車のエンジンに結合される変速機には手動変速機と自動変速機があるが、運転操作の容易性から次第に自動変速機が主流になってきている。このような自動変速機は一般に、トルクコンバータと組み合わされており、このトルクコンバータの後段には、3段から6段に変速比を変えることができる多段変速機や、ベルト等を使用して変速比を無段階に変えることができる無段変速機が使用される。また、トルクコンバータの滑りを無くして燃費を向上させるために、トルクコンバータをロックするロックアップクラッチを備えた自動変速機もある。
一方、近年、自動車の排気ガスによる環境汚染や化石燃料の浪費を抑えるために、エンジンの低燃費化が推進されている。その1つの方法として、エンジン負荷が小さい定速走行中や減速運転中、或いは停車時のアイドリング中等に、EFIECU(電子燃料噴射装置用の電子制御ユニット)が多気筒エンジンの一部の気筒への燃料噴射をカットしてその気筒の稼働を停止させて燃料を節約する燃料カット制御がある。また、燃料カットによる減筒制御だけでなく、燃料噴射量、点火時期、吸入空気量をそれぞれ絞ることによる低燃料制御を行う場合もある。更に、車両が信号待ち等でアイドリング状態で長く停止している時に、エンジンへの燃料の供給を全面的に停止してエンジンを停止させ、車両の発進時に自動的にスタータを駆動してエンジンを再始動させて円滑に車両を発進させる技術が特許文献1に記載されている。
この従来の燃料カット制御では一般に、燃料カット中のエンジン回転数が所定回転数以下になると、走行中のエンストを避けるために一部気筒への燃料カットを停止して全気筒運転に復帰させていた。ところが、燃料カット中の気筒への燃料供給を再開しても、燃料カットされた気筒への燃料がその気筒内で燃焼するまでには時間がかかるので、エンジン回転数の増大にもたつきが生じるという問題があった。
そこで、近年、燃料カット状態から全気筒運転に復帰する場合、或いは、走行中や車両の停止前でアイドリングストップ制御を実施していないにも係わらず、エンジン回転数が所定回転数未満になった場合に、エンストを防止して素早くエンジン回転数を増大させるために、EFIECUによるエンジン制御とは別に、エンジンに取り付けられた別の補助動力装置を用いて遅滞無くエンジンを外部から回転駆動してエンジン回転数を増大する技術が提案されている。この提案では補助動力装置は、例えば、エンジンに取り付けられたスタータ(始動装置)であり、スタータを始動時以外に稼働させ、エンジンに強制的に外部から駆動力を与え、エンジン回転数を急速に上昇させるようにしている。
このようなスタータとしてはエンジン始動時に使用するスタータでも良いが、これとは別のベルト式スタータが設けられることもある。そして、この制御に使用するスタータは、自動変速機がDレンジやRレンジ等の車両の走行中にシフトされるレンジにシフトされている状態でも、駆動することができるようになっているものである。
しかしながら、車両の走行中の燃料カット時におけるエンジン回転数の更なる低下を防止するために、スタータのような補助動力装置によってエンジンに外部から駆動力が与えられると、エンジン自体の駆動力(トルク)に加えて、このスタータによる駆動力(トルク)がエンジンから出力され、これが自動変速機に入力されるために、自動変速機の動作がEFIECUによるエンジン制御とは合わなくなり、自動変速機がスムーズに動作しなくなる虞がある。例えば、自動変速機がベルト式の無段変速機の場合、意図しない大きなトルクが無段変速機のベルトに入力されてしまうため、プーリによるベルトの挟圧力不足となり、ベルトとプーリが滑ってしまうという問題があった。また、自動変速機が多段の自動変速機の場合、意図しない大きなトルクが自動変速機の変速クラッチに入力されてしまうため、変速クラッチの締結力が不足し、変速クラッチに滑りが生じて自動変速機の耐久性が劣化するという問題があった。
そこで本発明は、自動変速機を備え、エンジンの稼働中にこのエンジンを外部から強制駆動してその回転数を増大できる補助動力装置を備えたエンジンにおいて、自動変速機にエンジン自体の駆動トルクに加えて補助動力装置からの駆動トルクが加わった場合でも、自動変速機の動作がこの補助動力装置からの駆動トルクによって不都合を生じないようにすることができる自動変速機の制御装置を提供することを目的としている。
前記目的を達成する本発明の1つの形態の自動変速機の制御装置は、エンジン制御ユニットによって動作制御されるエンジンの稼働中に、補助制御ユニットによって動作制御され、このエンジンを外部から強制駆動してその回転数を増大できる補助動力装置を備えたエンジンに接続された自動変速機の制御装置において、エンジンの低回転時に補助動力装置が駆動され、自動変速機にエンジン自体が発生する駆動力に加えて、補助動力装置の駆動力が加わった時に、自動変速機の動作を保護する動作保護手段を設けたことを特徴とするものである。
本発明の自動変速機の制御装置は、この形態を第1の形態として、以下の第2から第20の形態が可能である。
(a)第1の形態の自動変速機の制御装置において、自動変速機が、2組のプーリと、この2組のプーリに掛け渡されたベルト、及びプーリの溝幅を変更できるプーリ駆動機構とを備えた無段変速機であり、動作保護手段が、無段変速機の保護動作として、プーリ駆動機構にベルトの挟圧力を増大させる動作を行わせることを特徴とする第2の形態。
(b)第1の形態の自動変速機の制御装置において、自動変速機が、前後進切換クラッチを備えた無段変速機であり、動作保護手段が無段変速機の保護動作として、前後進切換クラッチをニュートラル状態とすることを特徴とする第3の形態。
(c)第1の形態の自動変速機の制御装置において、自動変速機が、前後進切換クラッチ、2組のプーリと、この2組のプーリに掛け渡されたベルト、及びプーリの溝幅を変更できるプーリ駆動機構とを備えた無段変速機であり、動作保護手段が、無段変速機の保護動作として、エンジンの回転数が補助動力装置以外の手段によって増大される傾向にあると判定した場合には、プーリ駆動機構にベルトの挟圧力を増大させる動作を行わせ、エンジンの回転数が補助動力装置以外の手段によって減少される傾向にあると判定した場合には、前後進切換クラッチをニュートラル状態とすることを特徴とする第4の形態。
(d)第1の形態の自動変速機の制御装置において、自動変速機が、多段のギヤ機構と、このギヤ機構の切り換えを行う変速クラッチとを備えた多段変速機であり、動作保護手段が多段変速機の保護動作として、変速クラッチを締結させる締結力を増大させる動作を行うことを特徴とする第5の形態。
(e)第1の形態の自動変速機の制御装置において、自動変速機が、多段のギヤ機構と、このギヤ機構の切り換えを行う変速クラッチとを備えた多段変速機であり、動作保護手段が多段変速機の保護動作として、変速クラッチをニュートラル状態とする動作を行うことを特徴とする第6の形態。
(f)第1の形態の自動変速機の制御装置において、自動変速機が、多段のギヤ機構と、このギヤ機構の切り換えを行う変速クラッチとを備えた多段変速機であり、動作保護手段が多段変速機の保護動作として、エンジンの回転数が補助動力装置以外の手段によって増大される傾向にあると判定した場合には、変速クラッチを締結させる締結力を増大させる動作を行わせ、エンジンの回転数が補助動力装置以外の手段によって減少される傾向にあると判定した場合には、変速クラッチをニュートラル状態とする動作を行うことを特徴とする第7の形態。
(g)第1の形態の自動変速機の制御装置において、自動変速機が、エンジンとの接続側にロックアップクラッチ付きのトルクコンバータを備えており、動作保護手段が自動変速機の保護動作として、トルクコンバータのロックアップクラッチのロック動作を解除することを特徴とする第8の形態。
(h)第2又は4の形態の自動変速機の制御装置において、動作保護手段は、無段変速機の保護動作の実行時のベルトの挟圧力を、エンジン制御ユニットが推定するエンジンの発生トルクに、補助動力装置による駆動トルクを加え、これらの合計トルクに基づいて算出することを特徴とする第9の形態。
(i)第2又は4の形態の自動変速機の制御装置において、動作保護手段は、無段変速機の保護動作の実行時のベルトの挟圧力を、エンジン制御ユニットが推定するエンジンの発生トルクに基づいて算出した基本ベルト挟圧力に、この時に前記補助動力装置に印加されている電源電圧と、エンジン回転数に基づいて推定した補助ベルト挟圧力を加算して算出することを特徴とする第10の形態。
(j)第2又は4の形態の自動変速機の制御装置において、動作保護手段は、保護動作の実行開始時に、無段変速機のセカンダリプーリ側のベルトに加えられるベルト挟圧力を所定の変化速度で増大させ、保護動作の実行終了時に、無段変速機のセカンダリプーリ側のベルトに加えられるベルト挟圧力を所定の変化速度とは別の所定の変化速度で減少させることを特徴とする第11の形態。
(k)第4又は6の形態の自動変速機の制御装置において、補助動力装置の駆動終了時に動作保護手段は、前後進切換クラッチの係合を実施し、その際のクラッチの係合圧の設定は、通常のシフトレバー操作によるクラッチ係合圧制御時の設定とは別設定とすることを特徴とする第12の形態。
(l)第1の形態の自動変速機の制御装置において、補助制御ユニットは、補助動力装置を駆動する際の駆動トルクを、その時に補助動力装置に印加されている電源電圧と、エンジン回転数に応じて補正又は変更できることを特徴とする第13の形態。
(m)第5の形態の自動変速機の制御装置において、補助動力装置の駆動終了時に動作保護手段は、ロックアップクラッチの係合を実行する車速を、通常の車両走行時にロックアップクラッチを係合させる車速よりも高い車速に設定することを特徴とする第14の形態。
(n)第1の形態の自動変速機の制御装置において、補助制御ユニットは、エンジン回転数の低下から補助動力装置の駆動を判定した時にこの判定を動作保護手段に伝えた後、動作保護手段による保護動作の実行開始時間よりも遅い所定時間後に、動力補助ユニットを駆動することを特徴とする第15の形態。
(o)第1の形態の自動変速機の制御装置において、補助制御ユニットは、エンジン回転数の低下から補助動力装置の駆動を判定した時にこの判定を動作保護手段に伝えた後、動作保護手段による保護動作の実行開始の通知を動作保護手段より受け取った後に、動力補助ユニットを駆動することを特徴とする第16の形態。
(p)第1の形態の自動変速機の制御装置において、補助動力装置によるエンジンへの駆動力の追加動作の終了時に、動作保護手段は、補助動力装置の稼働停止を判定してから所定時間経過後に保護動作を終了することを特徴とする第17の形態。
(q)第1の形態の自動変速機の制御装置において、補助制御ユニットは、エンジン回転数の変化量から、予め定められた所定時間内に前記エンジン回転数が補助動力装置を駆動する基準回転数を下回ると予測される場合に、補助動力装置の駆動予告を動作保護手段に伝え、動作保護手段はこの補助動力装置の駆動予告に基づいて保護動作の実行を開始することを特徴とする第18の形態。
(r)第5又は7の形態の自動変速機の制御装置において、動作保護手段は、多段変速機の保護動作の実行時の変速クラッチの締結力を、エンジン制御ユニットが推定するエンジンの発生トルクに、補助動力装置による駆動トルクを加え、これらの合計トルクに基づいて算出することを特徴とする第19の形態。
(s)第4又は6の形態の自動変速機の制御装置において、補助動力装置の駆動終了時に、動作保護手段は、変速クラッチの係合を実施し、その際のクラッチの係合圧の設定は、通常のシフトレバー操作によるクラッチ係合圧制御時の設定とは別設定とすることを特徴とする第20の形態。
この補助動力装置としては、エンジンに取り付けられたエンジン始動用のスタータを兼用させることもできるが、エンジンに取り付けられたエンジン始動用のスタータとは別体のスタータを設けることもできる。
本発明の自動変速機の制御装置によれば、自動変速機を備え、エンジンの稼働中にこのエンジンを外部から強制駆動してその回転数を増大できる補助動力装置を備えたエンジンにおいて、自動変速機にエンジン自体の駆動トルクに加えて補助動力装置からの駆動トルクが加わった場合でも、自動変速機の動作がこの補助動力装置からの駆動トルクによって不都合を生じないようにすることができ、自動変速機の耐久性を向上させることができるという効果を奏する。
具体的に述べると、自動変速機が無段変速機の場合、補助動力装置からの駆動トルクの加算時に、ベルト挟圧力を増大させることにより、ベルトへの意図しない大きなトルク入力に伴うベルトの滑りを防止できるという効果がある。また、無段変速機では、補助動力装置からの駆動トルクの加算時に、前後進切換クラッチを開放した場合は、ベルトに意図しない大きなトルクを入力させないようにすることができる。更に、無段変速機の挟圧力の増大時の変化速度と減少時の変化速度を別設定としたことにより、最適な挟圧力をベルトに与えることができる。更にまた、無段変速機の前後進切換クラッチ復帰時の係合圧を開放時と別設定したことにより、クラッチ係合時のショックを防止することができる。
また、自動変速器が4段や5段の多段変速機である場合には、補助動力装置からの駆動トルクの加算時に、変速クラッチをニュートラル状態にすることにより、ギヤ機構に意図しない大きなトルクを入力させないようにすることができる。更に、ロックアップクラッチ付きのトルクコンバータを備える自動変速機では、補助動力装置からの駆動トルクの加算時に、ロックアップを解除することにより、エンジン側からの意図しない大きなトルクをトルクコンバータの後段側に入力させないようにすることができる。
更に、エンジン回転数の低下から補助動力装置を駆動する際に、この駆動を動作保護手段に伝えてから、所定時間の経過後に動力補助ユニットを駆動する、或いは動作保護手段の動作を確認してから動力補助ユニットを駆動することにより、確実に保護動作を行わせることができる。また、エンジン回転数の変化量から、予め定められた所定時間内にエンジン回転数が補助動力装置を駆動する基準回転数を下回ると予測される場合に、補助動力装置の駆動予告を動作保護手段に伝えて先に保護動作の実行を開始させるようにしても、確実に保護動作を行わせることができる。
一方、補助動力装置によるエンジンへの駆動力の追加動作の終了時には、動作保護手段が補助動力装置の稼働停止を判定してから所定時間経過後に保護動作を終了するようにすることにより、補助動力装置の慣性によるトルク増大があっても、自動変速機を保護することが可能となる。
以下、添付図面を使用して本発明に係る自動変速機の制御装置の実施の形態を具体的な実施例に基づいて詳細に説明する。本発明の自動変速機の制御装置は、自動変速機がCVTであっても通常の多段変速機(AT)であっても、どちらにも適用できるが、まずは自動変速機がCVTである場合の制御について詳細に説明する。
図1は本発明の自動変速機の制御装置の一実施例である無段変速機(CVT)制御装置4が制御するCVT装置10の構成を示すものである。CVT装置10はエンジン1の出力軸1Aに接続されており、トルクコンバータ11、前後進切換クラッチ13、及びベルト式変速機構9から構成される。トルクコンバータ11にはロックアップクラッチ12が設けられている。
ベルト式変速機構9は、前後進切換クラッチ13に接続されたプライマリシャフト14に取り付けられたプライマリプーリ15、CVT装置10の出力軸であるセカンダリシャフト18に取り付けられたセカンダリプーリ16、及びプライマリプーリ15とセカンダリプーリ16との間に掛け渡されたVベルト17から構成される。プライマリプーリ15の溝幅はプライマリシリンダ25に変速比制御バルブ22を通じて供給される油圧によって変更できるようになっており、同様に、セカンダリプーリ16の溝幅はセカンダリシリンダ26にレギュレータバルブ21を通じて供給される油圧によって変更できるようになっている。そして、レギュレータバルブ21と変速比バルブ22には、オイルパン7の中の油がオイルポンプ8で汲み上げられて供給される。
エンジン1はエンジン制御ユニット2によって回転制御されるようになっている。すなわち、エンジン1からはこのエンジン制御ユニット2に対して吸入空気量や冷却水温度等のエンジンの運転状態パラメータが入力され、エンジン制御ユニット2はこの運転状態パラメータに基づいてエンジン1の燃料噴射量や点火時期等を制御する。
また、この実施例のエンジン1には、省エネルギー化を目的として車両の信号待ち等の長い停車時にはエンジンを自動的に停止して始動操作なしでも再始動するシステム、通称エコランシステム(以後ERSという)が搭載されている。ERSは、エンジン制御ユニット2とは独立して機能する補助制御ユニットであるERS制御ユニット3と、エンジン1を始動できる補助動力装置としてのスタータ6とから構成されている。このスタータ6は、従来からエンジン1に取り付けられている始動装置としてのスタータを兼用して使用することもできるが、これとは別に新たに設けても良い(前述のベルト式スタータ)。このスタータ6は車両のイグニッションスイッチを操作しなくても、ERS制御ユニット3によって駆動制御される。よって、この実施例に使用されるスタータ6は、エンジン1を止めた状態の車両の発進の際に駆動されてエンジン1を始動させたり、エンジン1の運転中に駆動されてエンジン1の回転数を増大させることができる。
ERS制御ユニット3は、エンジン1の回転数やバッテリ電圧等の情報をエンジン制御ユニット2から受け取ってスタータ6を駆動することができる。即ち、ERS制御ユニット3は、スタータ6を駆動する際の駆動トルクを、その時にスタータ6に印加されている電源電圧と、エンジン回転数に応じて補正又は変更することができる。そして、この実施例では、ERS制御ユニット3のエコランに関する制御情報がCVT制御装置4に入力されるようになっている。
この構成において、エンジン1から出力された回転は、トルクコンバータ11及び前後進切換クラッチ13を介してプライマリシャフト14を回転させ、ベルト式変速機構9に伝達される。そして、プライマリシャフト14の回転は、プライマリプーリ15の溝幅とセカンダリプーリ16の溝幅に応じてVベルト17で変速されてセカンダリシャフト18に伝えられる。セカンダリシャフト18は図示しないディファレンシャルギアを介して車両の左右の駆動輪に伝達されて車両を駆動するようになっている。
図2(a)は、図1に示したERS制御ユニット3がスタータ6を駆動/停止する手順の一例を示すフローチャートである。ERS制御ユニット3は所定時間毎にこの手順を実行する。
ステップ201ではエンジン回転数NeをERS制御ユニット3が読込み、ステップ202でエンジン回転数Neがエンストを防止するための基準回転数Nrefよりも小さいか否かを判定する。そして、Ne<Nrefの場合は、ERS制御ユニット3はステップ203においてスタータ6を駆動してこのルーチンを終了する。一方、ステップ202における判定がNe≧Nrefの場合はステップ204に進み、ERS制御ユニット3はスタータ6を停止状態にしてこのルーチンを終了する。この手順では、エンジン回転数Neがエンストを防止するための基準回転数Nrefを下回ればスタータ6がERS制御ユニット3によって駆動され、この基準回転数Nrefを上回ればスタータの駆動が停止される。
スタータ6を駆動するエンジン回転数とスタータの駆動を停止させるエンジン回転数にはヒステリシスを持たせても良い。この場合の実施例が図2(b)に示してある。この手順では、図2(a)と同じ手順には同じステップ番号を付してある。
ステップ201ではエンジン回転数NeをERS制御ユニット3が読込み、ステップ202でエンジン回転数Neがエンストを防止するための基準回転数Nrefよりも小さいか否かを判定する。そして、Ne<Nrefの場合は、ERS制御ユニット3はステップ203においてスタータ6を駆動してこのルーチンを終了する。一方、ステップ202における判定がNe≧Nrefの場合はステップ205に進み、エンジン回転数Neがエンストを防止するための基準回転数Nrefよりも回転数αだけ大きい所定回転数になったか否かを判定する。そして、Ne<Nref+αの場合は、このままこのルーチンを終了する。一方、ステップ205の判定がNe≧Nref+αの場合は、ERS制御ユニット3はステップ206においてスタータ6を停止状態にしてこのルーチンを終了する。この手順ではエンジン回転数Neがエンストを防止するための基準回転数Nrefを下回ればスタータ6がERS制御ユニット3によって駆動され、この基準回転数Nrefに所定回転数αを加えた回転数Nref+αを上回ればスタータの駆動が停止される。
図3は、図2(a)又は(b)の手順でスタータ6がERS制御ユニット3によって駆動された時に、CVT制御装置4が行うCVT装置10の保護動作を説明するフローチャートである。この保護動作は、図2(a)又は(b)と同じ周期で行えば良い。
ステップ301ではCVT制御装置4がERS制御ユニット3から出力されるエンスト防止制御実行状態信号SPの受信処置を行う。このエンスト防止制御実行状態信号SPは、ERS制御ユニット3がスタータ6を駆動する時に出力する信号である。次のステップ302ではこの信号SPが受信中か、或いは受信終了から所定時間内か否かを判定する。そして、信号SPの受信中でない時、或いは受信終了から所定時間を経過してしまった時はこのままこのルーチンを終了し、信号SPの受信中か、或いは受信終了から所定時間内の時はステップ303に進む。ステップ303では、後に詳述するが、自動変速機の保護動作を実行してこのルーチンを終了する。
エンジン1の駆動力に、スタータ6からの駆動力が加わった場合の、自動変速機の保護動作としては、自動変速機が無段変速機であるか、多段変速機によって異なるが、代表的な動作として以下のようなものがある。
(1)自動変速機がCVTの場合
(1−1)スタータからの駆動力が加わった時に、プーリ駆動機構を制御してベルトの挟圧力を増大する。
(1−2)スタータからの駆動力が加わった時に、前後進切換クラッチをニュートラル状態にする。
(1−3)CVTのトルクコンバータにロックアップクラッチが備えられている場合に、スタータからの駆動力が加わった時に、ロックアップクラッチのロック動作を解除する。
(1−4)スタータからの駆動力が加わった時に、運転者にエンジン回転数を増大させる加速意図、或いはエンジン回転数を減速させる減速意図があるか否かを判定し、加速意図があると判定した時にはプーリ駆動機構を制御してベルトの挟圧力を増大し、減速意図があると判定した時には、前後進クラッチをニュートラル状態とする。運転者の加速意図はアイドルスイッチによりエンジンの非アイドル状態が検出できる時、又はアクセル(或いはスロットル)開度が所定値以上であることから判定できる。また、運転者の減速意図はブレーキが踏まれている状態、又は車速が所定値未満の場合から判定することができる。
(1−5)CVTのトルクコンバータにロックアップクラッチが備えられている場合に、スタータからの駆動力が加わった時に、運転者にエンジン回転数を増大させる加速意図、或いはエンジン回転数を減速させる減速意図があるか否かを判定し、加速意図があると判定した時にはプーリ駆動機構を制御してベルトの挟圧力を増大し、減速意図があると判定した時には、ロックアップクラッチのロック動作を解除する。
(2)自動変速機が多段式ATの場合
(2−1)スタータからの駆動力が加わった時に、多段のギヤ機構の切り換えを行う変速クラッチを締結させる締結力を増大する。
(2−2)スタータからの駆動力が加わった時に、多段のギヤ機構の切り換えを行う変速クラッチをニュートラル状態にする。
(2−3)ATのトルクコンバータにロックアップクラッチが備えられている場合に、スタータからの駆動力が加わった時に、ロックアップクラッチのロック動作を解除する。
(2−4)スタータからの駆動力が加わった時に、運転者にエンジン回転数を増大させる加速意図、或いはエンジン回転数を減速させる減速意図があるか否かを判定し、加速意図があると判定した時には変速クラッチを締結させる締結力を増大し、減速意図があると判定した時には、変速クラッチをニュートラル状態とする。運転者の加速意図はアイドルスイッチによりエンジンの非アイドル状態が検出できる時、又はアクセル(或いはスロットル)開度が所定値以上であることから判定できる。また、運転者の減速意図はブレーキが踏まれている状態、又は車速が所定値未満の場合から判定することができる。
(2−5)ATのトルクコンバータにロックアップクラッチが備えられている場合に、スタータからの駆動力が加わった時に、運転者にエンジン回転数を増大させる加速意図、或いはエンジン回転数を減速させる減速意図があるか否かを判定し、加速意図があると判定した時には変速クラッチを締結させる締結力を増大し、減速意図があると判定した時には、ロックアップクラッチのロック動作を解除する。
(1)自動変速機がCVTの場合
(1−1)スタータからの駆動力が加わった時に、プーリ駆動機構を制御してベルトの挟圧力を増大する。
(1−2)スタータからの駆動力が加わった時に、前後進切換クラッチをニュートラル状態にする。
(1−3)CVTのトルクコンバータにロックアップクラッチが備えられている場合に、スタータからの駆動力が加わった時に、ロックアップクラッチのロック動作を解除する。
(1−4)スタータからの駆動力が加わった時に、運転者にエンジン回転数を増大させる加速意図、或いはエンジン回転数を減速させる減速意図があるか否かを判定し、加速意図があると判定した時にはプーリ駆動機構を制御してベルトの挟圧力を増大し、減速意図があると判定した時には、前後進クラッチをニュートラル状態とする。運転者の加速意図はアイドルスイッチによりエンジンの非アイドル状態が検出できる時、又はアクセル(或いはスロットル)開度が所定値以上であることから判定できる。また、運転者の減速意図はブレーキが踏まれている状態、又は車速が所定値未満の場合から判定することができる。
(1−5)CVTのトルクコンバータにロックアップクラッチが備えられている場合に、スタータからの駆動力が加わった時に、運転者にエンジン回転数を増大させる加速意図、或いはエンジン回転数を減速させる減速意図があるか否かを判定し、加速意図があると判定した時にはプーリ駆動機構を制御してベルトの挟圧力を増大し、減速意図があると判定した時には、ロックアップクラッチのロック動作を解除する。
(2)自動変速機が多段式ATの場合
(2−1)スタータからの駆動力が加わった時に、多段のギヤ機構の切り換えを行う変速クラッチを締結させる締結力を増大する。
(2−2)スタータからの駆動力が加わった時に、多段のギヤ機構の切り換えを行う変速クラッチをニュートラル状態にする。
(2−3)ATのトルクコンバータにロックアップクラッチが備えられている場合に、スタータからの駆動力が加わった時に、ロックアップクラッチのロック動作を解除する。
(2−4)スタータからの駆動力が加わった時に、運転者にエンジン回転数を増大させる加速意図、或いはエンジン回転数を減速させる減速意図があるか否かを判定し、加速意図があると判定した時には変速クラッチを締結させる締結力を増大し、減速意図があると判定した時には、変速クラッチをニュートラル状態とする。運転者の加速意図はアイドルスイッチによりエンジンの非アイドル状態が検出できる時、又はアクセル(或いはスロットル)開度が所定値以上であることから判定できる。また、運転者の減速意図はブレーキが踏まれている状態、又は車速が所定値未満の場合から判定することができる。
(2−5)ATのトルクコンバータにロックアップクラッチが備えられている場合に、スタータからの駆動力が加わった時に、運転者にエンジン回転数を増大させる加速意図、或いはエンジン回転数を減速させる減速意図があるか否かを判定し、加速意図があると判定した時には変速クラッチを締結させる締結力を増大し、減速意図があると判定した時には、ロックアップクラッチのロック動作を解除する。
ここで、エンジン1の駆動力にスタータ6からの駆動力が加わった場合の、前述の自動変速機の保護動作の中から、まず代表例として、上記(1−1)に記載した自動変速機がCVTの場合のベルトの挟圧力を増大する制御について詳細に説明する。
図4は、自動変速機がCVTである場合に、CVT制御装置4が行うCVTの保護動作の一例であるベルト挟圧力の増大処理の一実施例を説明するフローチャートであり、図3のステップ303の処理内容を詳細に示すものである。
ステップ401では、CVT制御装置4はERS制御ユニット3を通じてエンジン制御ユニット2が推定するエンジントルクTeの読込みを行う。次のステップ402では、ERS制御ユニット3によって駆動されるスタータ6の駆動トルクTstの読込みを行う。そして、ステップ403において、CVT制御装置4はステップ401と402で読み込んだデータに基づいてCVT装置10のセカンダリプーリ16によるVベルト17の挟圧力Pbltを算出する。
Ka,Kbをベルト挟圧力算出係数として、エンスト防止制御実行時におけるベルト挟圧力Pblt1は以下の式によって算出することができる。
Pblt1=Ka×(Te+Tst)+Kb
また、エンスト防止制御非実行時におけるベルト挟圧力Pblt2は以下の式によって算出することができる。
また、エンスト防止制御非実行時におけるベルト挟圧力Pblt2は以下の式によって算出することができる。
Pblt2=Ka×Te+Kb
このようにしてVベルト17の挟圧力Pbltを算出した後は、ステップ404において信号SPの受信から所定時間内か否かを判定する。この信号SPは図5に示すように、エンスト防止制御実行状態信号であり、非実行時は”0”、実行時に”1”となる信号である。ステップ404の判定で信号SPの受信から所定時間内と判定した時はステップ405に進み、図5に示すように、ベルト挟圧力を第1の変化速度でベルト挟圧力Pblt1まで上昇させてこのルーチンを終了する。即ち、ベルト挟圧力をPblt1まで増大するために、油圧を上昇時定数Tupで上昇させてこのルーチンを終了する。この第1の変化速度は、ベルト挟圧力をできるだけ素早く上昇させるための速度である。
このようにしてVベルト17の挟圧力Pbltを算出した後は、ステップ404において信号SPの受信から所定時間内か否かを判定する。この信号SPは図5に示すように、エンスト防止制御実行状態信号であり、非実行時は”0”、実行時に”1”となる信号である。ステップ404の判定で信号SPの受信から所定時間内と判定した時はステップ405に進み、図5に示すように、ベルト挟圧力を第1の変化速度でベルト挟圧力Pblt1まで上昇させてこのルーチンを終了する。即ち、ベルト挟圧力をPblt1まで増大するために、油圧を上昇時定数Tupで上昇させてこのルーチンを終了する。この第1の変化速度は、ベルト挟圧力をできるだけ素早く上昇させるための速度である。
一方、ステップ404で信号SPの受信から所定時間内でないと判定した時はステップ406に進み、信号SPを受信中か否かを判定する。そして、信号SPを受信中の場合はステップ407に進み、ベルト挟圧力がPblt1に維持されるように油圧を調整してこのルーチンを終了する。
ステップ406の判定が信号SPの受信中でない場合はステップ408に進み、信号SPの受信終了から所定時間内か否かを判定する。ステップ408の判定で信号SPの受信終了から所定時間内と判定した時はステップ409に進み、ベルト挟圧力がPblt2より大きいか否かを判定する。そして、ベルト挟圧力がPblt2より大きい場合はステップ410に進み、図5に示すように、ベルト挟圧力を第2の変化速度でベルト挟圧力Pblt1から減少させてこのルーチンを終了する。即ち、ベルト挟圧力をPblt2まで減少させるために、油圧を下降時定数Tdownで減少させてこのルーチンを終了する。この第2の変化速度は、時定数を長くした一次遅れによる速度であり、ベルト挟圧力をできるだけゆっくりと減少させるための速度である。
また、ステップ408で信号SPの受信終了から所定時間を経過したと判定された時、またはステップ409でベルトの挟圧力がPblt2以下であると判定した時はステップ411に進み、ベルト挟圧力をPblt2に設定してこのルーチンを終了する。
図6は、自動変速機がCVTである場合に、CVT制御装置4が行うCVTの保護動作のベルト挟圧力の増大処理の別の実施例を説明するフローチャートであり、図3のステップ303の処理内容を詳細に示すものである。この別の実施例のステップ603以後の処理は、図4で説明したステップ404からステップ411と全く同じで良いので、ステップ603から後の処理は図4のステップ番号と同じステップ番号を付してその説明を省略する。
図6に示す実施例が図4に示した実施例と異なるのは、ベルト挟圧力Pbltの算出方法のみである。ステップ601では、CVT制御装置4はERS制御ユニット3を通じてエンジン制御ユニット2が推定するエンジントルクTeとエンジン回転数Neの実測値の読込みを行う。次のステップ602では、ERS制御ユニット3によって駆動されるスタータ6の電源電圧Vbatの読込みを行う。そして、ステップ603において、CVT制御装置4はステップ401と402で読み込んだデータに基づいてCVT装置10のセカンダリプーリ16によるVベルト17の挟圧力Pbltを算出する。
Ka,Kbをベルト挟圧力算出係数、Pstをスタータ駆動時のベルト挟圧力のアップ量として、エンスト防止制御実行時におけるベルト挟圧力Pblt1は以下の式によって算出することができる。
Pblt1=Ka×Te+Kb+Pst
また、エンスト防止制御非実行時におけるベルト挟圧力Pblt2は以下の式によって算出することができる。
また、エンスト防止制御非実行時におけるベルト挟圧力Pblt2は以下の式によって算出することができる。
Pblt2=Ka×Te+Kb
ここで、スタータ駆動時のベルト挟圧力のアップ量Pstは、ステップ601とステップ602で読み込んだエンジン回転数Neとスタータ電源電圧Vbatを用いて、図7に示す特性図から算出することができる。この特性図は、マップ形式でCVT制御装置4に記憶させておけばよい。このようにしてエンスト防止制御実行時とエンスト防止制御非実行時のベルト挟圧力が算出された後は、ステップ404からステップ411の処理が前述のように実行される。
ここで、スタータ駆動時のベルト挟圧力のアップ量Pstは、ステップ601とステップ602で読み込んだエンジン回転数Neとスタータ電源電圧Vbatを用いて、図7に示す特性図から算出することができる。この特性図は、マップ形式でCVT制御装置4に記憶させておけばよい。このようにしてエンスト防止制御実行時とエンスト防止制御非実行時のベルト挟圧力が算出された後は、ステップ404からステップ411の処理が前述のように実行される。
このように、スタータ駆動時のベルト挟圧力のアップ量Pstをマップを用いて算出することにより、複雑になりがちな演算を簡素化することができる。
図8は、ERS制御ユニット3によるエンジン回転数が低下した時のスタータ駆動と、CVT制御装置4に対するCVTの保護動作の指示の一実施例を説明するフローチャートである。
ステップ801ではERS制御ユニット3はエンジン回転数Neを読み込む。そして、つぎのステップ802において読み込んだエンジン回転数Neがエンスト防止のための基準回転数Nrefより小さいか否かを判定する。ステップ802でNe<Nrefの場合はステップ803に進み、CVT制御装置4に保護動作の指示を既に行ったか否かを判定する。CVT制御装置4に保護動作の指示を既に行った場合はステップ805に進み、行っていない場合はステップ804でCVT制御装置4に保護動作の指示を行ってからステップ805に進む。
ステップ805では、CVT制御装置4に対して行った保護動作の指示後に所定時間が経過したか否かを判定する。そして、CVT制御装置4に対して行った保護動作の指示後に所定時間が経過していない場合はこのままこのルーチンを終了し、スタータの駆動は行わない。一方、ステップ805の判定で、CVT制御装置4に対して行った保護動作の指示後に所定時間が経過したと判定した場合はステップ806に進み、スタータを駆動してこのルーチンを終了する。
一方、ステップ802でNe≧Nrefと判定した場合はステップ807に進み、スタータは停止状態にしてステップ808に進む。次のステップ808はステップ807でスタータの動作を停止した後に所定時間が経過したか否かを判定する。
ステップ808において、ステップ807でスタータの動作を停止した後に所定時間が経過していないと判定した場合はこのままこのルーチンを終了する。この結果、スタータの動作は停止状態であるが、CVT制御装置4によるCVT装置10の保護動作は継続したままである。
一方、ステップ808において、ステップ807でスタータの動作を停止した後に所定時間が経過したと判定した場合はステップ809に進み、CVT制御装置4への保護動作の終了通知が済んだか否かを判定する。ステップ809において、CVT制御装置4への保護動作の終了通知が済んだと判定した場合はこのままこのルーチンを終了し、済んでいないと判定した場合はステップ810においてCVT制御装置4にCVTの保護動作の終了を指示してからこのルーチンを終了する。
図9は、図8に示した制御手順における保護動作の実行指示信号、ベルト挟圧力増大の実行状態、及びスタータ駆動信号の動作波形を示すタイムチャートである。図9における保護動作の実行指示信号が”0”から”1”に変化する点が図8のステップ804におけるCVT制御装置4にCVTの保護動作を指示した時点である。ERS制御ユニット3からCVT制御装置4にCVTの保護動作を指示しても、通信遅れによってベルト挟圧力増大の実行は、この指示した時点から遅れる。この実施例では、この通信遅れを考慮して、CVT制御装置4にCVTの保護動作を指示した時点からスタータ駆動信号をオンするまでの間にディレイ時間を設けている。このディレイ時間を作る動作が前述のステップ805とステップ806の処理である。
また、エンジンの回転数が上昇してスタータ駆動信号がステップ807の処理でオフされても、ステップ808からステップ810の処理により、保護動作の実行指示信号はスタータの停止後、所定時間を経過しないと“1”から“0”に変化しない。この結果、ベルト挟圧力増大の実行状態はスタータ駆動信号がオフされてから所定のディレイ時間の後に通常状態に戻ることになる。
図10は、ERS制御ユニット3によるエンジン回転数が低下した時のスタータ駆動と、CVT制御装置4に対するCVTの保護動作の指示の他の実施例を説明するフローチャートである。
図8で説明した実施例では、スタータの駆動必要時に、ERS制御ユニット3がCVT制御装置4に保護動作の実行指示信号を送って保護動作を指示した後の所定時間後にスタータを駆動していた。一方、この実施例では、ERS制御ユニット3がCVT制御装置4に保護動作の実行指示信号を送って保護動作を指示した後、CVT制御装置4からの保護動作の実行完了信号をERS制御ユニット3が受領した後にスタータを駆動する点が異なる。
従って、図10に示す実施例Sでは、図8で説明したステップ801からステップ804までの動作が同様に行われる。そして、この実施例では図8で説明したステップ805の代わりに、ステップ1001が実行される。ステップ1001では、ERS制御ユニット3がCVT制御装置4からの保護動作の実行完了信号を受領したか否かを判定する。そして、ERS制御ユニット3がCVT制御装置4からの保護動作の実行完了信号を受領していない場合はこのままこのルーチンを終了し、受領した場合はステップ806にスタータを駆動してこのルーチンを終了する。
一方、スタータの駆動停止時には、図8で説明した実施例では、スタータの駆動停止後の所定時間経過後にCVT制御装置4にCVT装置10の保護動作終了を指示していたが、この実施例では、図8におけるステップ808の処理を無くし、ステップ807でスタータを駆動停止状態とした後、ステップ810で直ちにCVT制御装置4にCVT装置10の保護動作終了を指示している点が異なる。
図11は、図10に示した制御手順における保護動作の実行指示信号、ベルト挟圧力増大の実行状態、及びスタータ駆動信号の動作波形を示すタイムチャートである。図11における保護動作の実行指示信号が”0”から”1”に変化する点が図10のステップ804におけるCVT制御装置4にCVTの保護動作を指示した時点である。ERS制御ユニット3からCVT制御装置4にCVTの保護動作を指示しても、通信遅れによってベルト挟圧力増大の実行は、この指示した時点から遅れる。同様に、ベルト挟圧力増大の実行状態をCVT制御装置4がERS制御ユニット3に通知しても、この時も通信遅れがある。よって、ERS制御ユニット3がCVT制御装置4から保護動作の実行完了通知を受領してスタータ駆動信号をオンするのは、ベルト挟圧力増大が実行状態にある時である。
また、エンジンの回転数が上昇してスタータ駆動信号がステップ807の処理でオフされ、ステップ809とステップ810の処理により、CVT制御装置への保護動作の実行指示信号が直ちに”1”から”0”に変化しても、ベルト挟圧力増大の実行状態が通常状態に戻るのは、通信遅れにより、スタータの駆動信号がオフされた所定時間後となる。
図12は、エンジン回転数の低下が予測される時の、スタータ駆動とCVTの保護動作の実施例を説明するフローチャートである。この実施例の制御は、エンジン回転数Neが所定時間後にエンスト防止基準回転数Nrefより低下することが予測される時に、予めCVT制御装置4にCVT装置10の保護動作を行わせるものである。
ステップ1201ではエンジン回転数Neを読み込んで記憶する。次のステップ1202では、過去のエンジン回転数Neの記憶値の推移から、所定時間後(例えば500ms後)のエンジン回転数Nefを予測する。そして、ステップ1203で、所定時間後のエンジン回転数Neがエンスト防止基準回転数Nrefより低下するか否かを判定する。そして、Ne<Nrefの場合はステップ1204に進み、CVT制御装置4にCVT装置10の保護動作が指示済か否かを判定する。そして、指示済の場合はステップ1206に進が、指示済でない場合はステップ1205においてCVT制御装置4にCVT装置10の保護動作を指示してからステップ1206に進む。
ステップ1206はエンジン回転数Neがエンスト防止基準回転数Nrefを下回ったか否かを判定するものである。予測直後はまだNe≧Nrefであるのでステップ1207に進み、ステップ1205のCVT制御装置4への保護動作指示から所定時間が経過していないのでそのままこのルーチンを終了する。一方、予測判定から時間が経過し、ステップ1206の判定がNe<Nrefになった場合はステップ1208に進み、スタータを駆動してこのこのルーチンを終了する。
また、ステップ1205のCVT制御装置4への保護動作指示から所定時間が経過してもエンジン回転数Neがエンスト防止基準回転数Nrefを下回らない場合は、ステップ1207からステップ1209に進み、エンジン回転数Neが回復方向か否かを判定する。そして、まだ回復方法でない場合はそのままこのルーチンを終了するが、回復傾向にある場合はステップ1210に進んでCVT制御装置4にCVT装置10の保護動作を終了するように指示してこのルーチンを終了する。
一方、ステップ1202で予測した所定時間後のエンジン回転数Nefがステップ1203でNef≧Nrefと判定された場合はステップ1211に進み、スタータを停止状態としたままステップ1212に進む。ステップ1212とステップ1213は、ステップ1208でスタータを駆動してエンジン回転数Neが上昇し、その後にステップ1203の判定がNOとなってステップ1211でスタータを停止状態にした後に、CVT制御装置4にCVT装置10の保護動作を終了するように指示するための手順を示すものである。
図13は、図12に示した制御手順におけるステップ1201からステップ1206とステップ1208の動作を示すものである。時刻t0において所定時間後の時刻t2でエンジン回転数Neがエンスト防止基準回転数Nrefを下回ると予測される場合、ERS制御ユニット3はCVT制御装置4に対してCVT装置10の保護動作の実行指示信号を出力する。すると、ベルト挟圧力増大の実行状態が時刻t1で増大状態となるので、その後の時刻t2でエンジン回転数Neがエンスト防止基準回転数Nrefを下回ってスタータ駆動信号がオンされた時には、CVT装置10のベルト挟圧力は既に増大された状態にある。従って、スタータが駆動された状態では、CVT装置10のVベルトに滑りが生じない。
以上、ERS制御ユニット3の制御によってエンジン回転数Neの低下時に、エンストを防止するためにスタータ6が駆動される場合のCVT制御装置4のCVT装置10の保護動作として、Vベルト17の挟圧力を増大してVベルト17の滑りを防止するようにした動作を詳細に説明した。一方、前述の(1−2)から(1−5)の保護動作については簡単に説明する。
(1−2)に記載の保護動作では、ERS制御ユニット3の制御によってスタータ6が駆動された時に、CVT制御装置4が前後進切り換えクラッチ13をニュートラル状態にする。この制御によれば、スタータ6の駆動時のエンジン1側からのCVT装置10への過大な入力トルクが、ニュートラル状態の前後進切り換えクラッチ13により、ベルト式変速機構9に伝わらなくなるので、ベルト式変速機構9を保護することができる。
そして、ERS制御ユニット3の制御によってスタータ6が駆動された時に、CVT制御装置4によって前後進切り換えクラッチ13をニュートラル状態にし、その後に前後進切り換えクラッチ13を係合する時は、クラッチに油を供給する回路には既に油が満たされているので、その際のクラッチの係合圧の設定は、通常のシフトレバー操作によるクラッチ係合制御時の設定とは別設定とし、低い油圧で係合するようにする。
(1−3)に記載の保護動作では、ERS制御ユニット3の制御によってスタータ6が駆動された時に、CVT制御装置4がトルクコンバータ11のロックアップクラッチ12を解除する。この制御によれば、スタータ6の駆動時のエンジン1側からのCVT装置10への過大な入力トルクが、ロックが解除されたトルクコンバータ11により、ベルト式変速機構9に伝わらなくなるので、ベルト式変速機構9を保護することができる。
そして、ERS制御ユニット3の制御によってスタータ6が駆動された時に、CVT制御装置4によってトルクコンバータ11のロックアップクラッチ12を解除し、その後にロックアップクラッチ12を結合させる時は、再度のエンストを防止するために、通常の車両走行時にロックアップクラッチを結合させる車速よりも高い車速でロックアップクラッチを結合させるようにする。例えば、通常の車両走行時のロックアップ車速が20km/hの場合は、この場合のロックアップ車速を40km/hとする。
(1−4)に記載の保護動作では、ERS制御ユニット3の制御によってスタータ6が駆動された時に、CVT制御装置4により、スタータ6によるエンジン回転数の回転数増大分を除いた時に、エンジン回転数が増大される傾向にあるのかどうかが判定される。この時、エンジン回転数が増大される傾向に或る場合は、運転者にエンジン回転数を増大させる加速意図がある場合であり、この状態は、アイドルスイッチによりエンジンの非アイドル状態が検出できる時、又はアクセル(或いはスロットル)開度が所定値以上であることから判定できる。そして、運転者に加速意図があると判定した時には、プーリ駆動機構を制御して前述のベルトの挟圧力を増大する制御を行う。
一方、エンジン回転数が減少される傾向に或る場合は、運転者にエンジン回転数を減少させる減速意図がある場合であり、この状態は、ブレーキが踏まれている状態、又は車速が所定値未満の場合から判定することができる。そして、運転者に減速意図があると判定した時には、前後進クラッチをニュートラル状態とする制御を行う。この制御では、エンジンの運転状態に応じた適切な保護動作を行うことができる。
(1−5)に記載の保護動作は、CVTのトルクコンバータ11にロックアップクラッチ12が備えられている場合の保護動作であり、前述の(1−4)に記載の保護動作とは運転者に減速意図があると判定した時の動作が異なる。即ち、(1−5)に記載の保護動作運転者では、スタータ6からの駆動力が加わった時に、運転者にエンジン回転数の減速意図があると判定した時には、ロックアップクラッチ12のロック動作を解除する。
なお、スタータ6からの駆動力が加わる時の、CVT制御装置4によるCVT装置10の保護動作の開始と終了の時期について、主としてベルト式変速機構9におけるVベルト17の滑りを防止するためのVベルト17の挟圧力の増大制御の開始と終了の時期について説明したが、スタータ駆動時のCVT装置10の保護動作の開始と終了の時期の制御については、前述の(1−2)から(1−5)に記載の保護動作にも適用できることは明らかである。
図14は、本発明の自動変速機の制御装置(AT制御装置)5が制御する多段変速機装置(以後AT装置)20の構成を示すものである。AT装置20はトルクコンバータ11を介してエンジン1の出力軸1Aに接続されており、AT装置20の内部には、変速クラッチ23が内蔵されている。
変速クラッチ23は、変速クラッチ制御バルブ14を通じて供給される油圧によって駆動されるようになっている。そして、変速クラッチ制御バルブ14には、オイルパン7の中の油がオイルポンプ8で汲み上げられて供給される。
エンジン1、エンジン制御ユニット2、ERS制御ユニット3とスタータ6の機能及び動作は図1と同様であるので、図1と同じ符号を付してここでは説明を省略する。自動変速機がAT装置20であり、エンジン1がスタータ6によって駆動されてエンジン1の回転数が上昇する場合には、AT制御装置5によるAT装置20の保護は、トルクコンバータ11のロックアップクラッチ12の解除、或いは、AT装置20内の変速クラッチ23の制御である。
変速クラッチ23の制御としては、前述の(2−1)に記載した保護動作のように、スタータ6の駆動時に、単に変速クラッチ23を締結させる締結力を増大する制御、及び、前述の(2−2)に記載した保護動作のように、スタータ6の駆動時に、単に変速クラッチ23をニュートラル状態にする制御がある。変速クラッチ23の締結力の増減は、変速クラッチ23に供給する油圧の増減で行うことができる。この油圧の算出は、前述のCVTの場合と同様に、エンジン制御ユニット2が推定するエンジンの発生トルクにスタータ6による駆動トルクを加え、これらの合計トルクに基づいて算出する方法や、エンジン制御ユニット2が推定するエンジンの発生トルクに基づいて算出した基本締結力に、この時にスタータ6に印加されている電源電圧と、エンジン回転数に基づいて推定した補助締結力を加算して算出する方法等により行うことができる。
また、前述の(2−4)に記載した保護動作のように、AT装置20のトルクコンバータ11にロックアップクラッチ12が備えられている場合には、スタータ6からの駆動力が加わった時に、ロックアップクラッチ12のロック動作を解除する保護動作を行うこともできる。
更に、前述の(2−4)に記載した保護動作のように、スタータ6の駆動力が加わった時に、運転者にエンジン回転数を増大させる加速意図、或いはエンジン回転数を減速させる減速意図があるか否かを判定し、制御を異ならせることもできる。この場合は、加速意図があると判定した時には変速クラッチ23を締結させる締結力を増大し、減速意図があると判定した時には、変速クラッチ23をニュートラル状態とする制御を行う。運転者の加速意図はアイドルスイッチによりエンジンの非アイドル状態が検出できる時、又はアクセル(或いはスロットル)開度が所定値以上であることから判定できる。また、運転者の減速意図はブレーキが踏まれている状態、又は車速が所定値未満の場合から判定することができる。
一方、AT装置20のトルクコンバータ11にロックアップクラッチ12が備えられている場合には、(2−4)に記載した保護動作の、運転者に減速意図があると判定した時の保護動作を、(2−5)に記載したようにロックアップクラッチ12を使用して行うことができる。即ち、(2−5)に記載の保護動作では、スタータ6からの駆動力が加わった時に、運転者にエンジン回転数の減速意図があると判定した時には、ロックアップクラッチ12のロック動作を解除する制御を行うことができる。
以上のような保護動作により、エンジン1からの過大な駆動トルクがAT装置20のトルクコンバータ11や、変速クラッチ23に入力されても、AT装置20自体が影響を受けないようになっている。
なお、スタータ6からの駆動力が加わる時の、(2−1)から(2−5)に記載したAT制御装置5によるAT装置20の保護動作の開始と終了の時期の制御についても、前述のベルト式変速機構9におけるVベルト17の滑りを防止するためのVベルト17の挟圧力の増大制御の開始と終了の時期の制御の考え方が適用できることは言うまでもない。
以上説明したように、本発明の自動変速機の制御装置によれば、エンジンの回転トルクがエンジン以外の補助動力装置によって高められて変速機側に入力された場合でも、この過大な回転トルクによってCVT装置の内部、或いは、AT装置の内部に不具合が生じなくなる。
4…CVT制御装置
5…AT制御装置
6…スタータ
10…CVT装置
11…トルクコンバータ
12…ロックアップクラッチ
13…前後進切換クラッチ
15…プライマリプーリ
16…セカンダリプーリ
17…Vベルト
20…AT装置
23…変速クラッチ
25…プライマリシリンダ
26…セカンダリシリンダ
5…AT制御装置
6…スタータ
10…CVT装置
11…トルクコンバータ
12…ロックアップクラッチ
13…前後進切換クラッチ
15…プライマリプーリ
16…セカンダリプーリ
17…Vベルト
20…AT装置
23…変速クラッチ
25…プライマリシリンダ
26…セカンダリシリンダ
Claims (22)
- エンジン制御ユニットによって動作制御されるエンジンの稼働中に、補助制御ユニットによって動作制御され、このエンジンを外部から強制駆動してその回転数を増大できる補助動力装置を備えたエンジンに接続された自動変速機の制御装置であって、
前記エンジンの低回転時に前記補助動力装置が駆動され、前記自動変速機にエンジン自体が発生する駆動力に加えて、前記補助動力装置の駆動力が加わった時に、前記自動変速機の動作を保護する動作保護手段を備えることを特徴とする自動変速機の制御装置。 - 前記自動変速機が、2組のプーリと、前記2組のプーリに掛け渡されたベルト、及び前記プーリの溝幅を変更できるプーリ駆動機構とを備えた無段変速機であり、
前記動作保護手段が、前記無段変速機の保護動作として、前記プーリ駆動機構に前記ベルトの挟圧力を増大させる動作を行わせることを特徴とする請求項1に記載の自動変速機の制御装置。 - 前記自動変速機が、前後進切換クラッチを備えた無段変速機であり、
前記動作保護手段が、前記無段変速機の保護動作として、前記前後進切換クラッチをニュートラル状態とすることを特徴とする請求項1に記載の自動変速機の制御装置。 - 前記自動変速機が、前後進切換クラッチ、2組のプーリと、前記2組のプーリに掛け渡されたベルト、及び前記プーリの溝幅を変更できるプーリ駆動機構とを備えた無段変速機であり、
前記動作保護手段が、前記無段変速機の保護動作として、前記エンジンの回転数が前記補助動力装置以外の手段によって増大される傾向にあると判定した場合には、前記プーリ駆動機構に前記ベルトの挟圧力を増大させる動作を行わせ、前記エンジンの回転数が前記補助動力装置以外の手段によって減少される傾向にあると判定した場合には、前記前後進切換クラッチをニュートラル状態とすることを特徴とする請求項1に記載の自動変速機の制御装置。 - 前記自動変速機が、多段のギヤ機構と、前記ギヤ機構の切り換えを行う変速クラッチとを備えた多段変速機であり、
前記動作保護手段が、前記多段変速機の保護動作として、前記変速クラッチを締結させる締結力を増大させる動作を行うことを特徴とする請求項1に記載の自動変速機の制御装置。 - 前記自動変速機が、多段のギヤ機構と、前記ギヤ機構の切り換えを行う変速クラッチとを備えた多段変速機であり、
前記動作保護手段が、前記多段変速機の保護動作として、前記変速クラッチをニュートラル状態とする動作を行うことを特徴とする請求項1に記載の自動変速機の制御装置。 - 前記自動変速機が、多段のギヤ機構と、前記ギヤ機構の切り換えを行う変速クラッチとを備えた多段変速機であり、
前記動作保護手段が、前記多段変速機の保護動作として、前記エンジンの回転数が前記補助動力装置以外の手段によって増大される傾向にあると判定した場合には、前記変速クラッチを締結させる締結力を増大させる動作を行わせ、前記エンジンの回転数が前記補助動力装置以外の手段によって減少される傾向にあると判定した場合には、前記変速クラッチをニュートラル状態とする動作を行うことを特徴とする請求項1に記載の自動変速機の制御装置。 - 前記自動変速機が、前記エンジンとの接続側にロックアップクラッチ付きのトルクコンバータを備えており、
前記動作保護手段が、前記自動変速機の保護動作として、前記トルクコンバータのロックアップクラッチのロック動作を解除することを特徴とする請求項1に記載の自動変速機の制御装置。 - 前記動作保護手段は、前記無段変速機の保護動作の実行時の前記ベルトの挟圧力を、前記エンジン制御ユニットが推定するエンジンの発生トルクに、前記補助動力装置による駆動トルクを加え、これらの合計トルクに基づいて算出することを特徴とする請求項2又は4に記載の自動変速機の制御装置。
- 前記動作保護手段は、前記無段変速機の保護動作の実行時の前記ベルトの挟圧力を、前記エンジン制御ユニットが推定するエンジンの発生トルクに基づいて算出した基本ベルト挟圧力に、この時に前記補助動力装置に印加されている電源電圧と、エンジン回転数に基づいて推定した補助ベルト挟圧力を加算して算出することを特徴とする請求項2又は4に記載の自動変速機の制御装置。
- 前記動作保護手段は、前記保護動作の実行開始時に、前記無段変速機のベルトに加えられるベルト挟圧力を所定の変化速度で増大させ、前記保護動作の実行終了時に、前記無段変速機のセカンダリプーリ側のベルトに加えられるベルト挟圧力を前記所定の変化速度とは別の所定の変化速度で減少させることを特徴とする請求項2又は4に記載の自動変速機の制御装置。
- 前記補助動力装置の駆動終了時に、前記動作保護手段は、前記前後進切換クラッチの係合を実施し、その際のクラッチの係合圧の設定は、通常のシフトレバー操作によるクラッチ係合圧制御時の設定とは別設定とすることを特徴とする請求項4又は6に記載の自動変速機の制御装置。
- 前記補助制御ユニットは、前記補助動力装置を駆動する際の駆動トルクを、その時に前記補助動力装置に印加されている電源電圧と、エンジン回転数に応じて補正又は変更できることを特徴とする請求項1に記載の自動変速機の制御装置。
- 前記補助動力装置の駆動終了時に、前記動作保護手段は、前記ロックアップクラッチの係合を実行する車速を、通常の車両走行時にロックアップクラッチを係合させる車速よりも高い車速に設定することを特徴とする請求項5に記載の自動変速機の制御装置。
- 前記補助制御ユニットは、前記エンジン回転数の低下から前記補助動力装置の駆動を判定した時にこの判定を前記動作保護手段に伝えた後、前記動作保護手段による前記保護動作の実行開始時間よりも遅い所定時間後に、前記動力補助ユニットを駆動することを特徴とする請求項1に記載の自動変速機の制御装置。
- 前記補助制御ユニットは、前記エンジン回転数の低下から前記補助動力装置の駆動を判定した時にこの判定を前記動作保護手段に伝えた後、前記動作保護手段による前記保護動作の実行開始の通知を前記動作保護手段より受け取った後に、前記動力補助ユニットを駆動することを特徴とする請求項1に記載の自動変速機の制御装置。
- 前記補助動力装置による前記エンジンへの駆動力の追加動作の終了時に、前記動作保護手段は、前記補助動力装置の稼働停止を判定してから所定時間経過後に、前記保護動作を終了することを特徴とする請求項1に記載の自動変速機の制御装置。
- 前記補助制御ユニットは、前記エンジン回転数の変化量から、予め定められた所定時間内に前記エンジン回転数が前記補助動力装置を駆動する基準回転数を下回ると予測される場合に、前記補助動力装置の駆動予告を前記動作保護手段に伝え、前記動作保護手段はこの補助動力装置の駆動予告に基づいて前記保護動作の実行を開始することを特徴とする請求項1に記載の自動変速機の制御装置。
- 前記動作保護手段は、前記多段変速機の保護動作の実行時の前記変速クラッチの締結力を、前記エンジン制御ユニットが推定するエンジンの発生トルクに、前記補助動力装置による駆動トルクを加え、これらの合計トルクに基づいて算出することを特徴とする請求項5又は7に記載の自動変速機の制御装置。
- 前記補助動力装置の駆動終了時に、前記動作保護手段は、前記変速クラッチの係合を実施し、その際のクラッチの係合圧の設定は、通常のシフトレバー操作によるクラッチ係合圧制御時の設定とは別設定とすることを特徴とする請求項4又は6に記載の自動変速機の制御装置。
- 前記補助動力装置が、前記エンジンに取り付けられたエンジン始動用のスタータであることを特徴とする請求項1から15の何れか1項に記載の自動変速機の制御装置。
- 前記補助動力装置が、前記エンジンに取り付けられたエンジン始動用のスタータとは別体のスタータであることを特徴とする請求項1から15の何れか1項に記載の自動変速機の制御装置。
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