JP4375059B2 - エンジンのアイドル回転数制御装置 - Google Patents
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Description
すなわち、切換えられた時点で、目標アイドル回転数を非走行レンジでの目標アイドル回転数からこれより低い走行レンジでの第1目標アイドル回転数に設定し、切換えから所定期間経過後に、目標アイドル回転数を走行レンジでの前記第1目標アイドル回転数からこれより低い第2目標アイドル回転数に設定するのである。
図1は本発明の一実施形態を示すエンジンのシステム図である。
エンジン1の吸気通路2には、吸入空気量を制御する電制スロットル弁3が設置されている。電制スロットル弁3は、エンジンコントロールユニット(以下ECUという)20からの信号により作動するステップモータ等により開度制御される。
燃料噴射弁5は、ECU20からエンジン回転に同期して出力される噴射パルス信号によりソレノイドに通電されて開弁し、所定圧力に調圧された燃料を噴射するようになっている。
燃焼室4内に噴射された燃料は混合気を形成し、ECU20からの点火信号に基づき、点火プラグ6により点火されて燃焼する。尚、本実施形態では、燃焼室4内に直接燃料を噴射する形式としたが、吸気系に燃料を噴射する形式としてもよい。
ECU20には、アクセルペダルセンサ21により検出されるアクセル開度APO、クランク角センサ22により検出されるエンジン回転数Ne、熱線式エアフローメータ23により検出される吸入空気量Qa、スロットルセンサ24により検出されるスロットル開度TVO、水温センサ25により検出されるエンジン冷却水温度Twなどが入力されている。
特に、アイドル運転時には、実際のエンジン回転数Neを検出し、目標アイドル回転数との差に基づいて、実際のエンジン回転数Neを目標アイドル回転数に近づけるように、スロットル弁3の開度を制御して、空気量をフィードバック制御する。また、空気量制御の応答遅れを考慮して、実際のエンジン回転数Neと目標アイドル回転数との差に基づいて、実際のエンジン回転数Neを目標アイドル回転数に近づけるように、点火時期をフィードバック制御する。
図2は自動変速機のスケルトン図である。
この自動変速機は、エンジン出力軸Eからの回転を入力軸Iに伝達するトルクコンバータTC、第1遊星歯車組PG1、第2遊星歯車組PG2、出力軸O、及び、各種摩擦要素により構成される。
次に各種摩擦要素について説明する。キャリアC1はハイクラッチH/Cを介して入力軸Iに適宜結合可能とし、サンギヤS1はバンドブレーキB/Bにより適宜固定可能とする他、リバースクラッチR/Cにより入力軸Iに適宜結合可能とする。キャリアC1は更にローリバースブレーキLR/Bにより適宜固定可能とすると共に、ローワンウェイクラッチLO/Cを介して逆転(エンジンと逆方向の回転)を阻止する。リングギヤR1はキャリアC2に一体結合して出力軸Oに駆動結合し、サンギヤS2を入力軸Iに結合する。リングギヤR2はオーバーランクラッチOR/Cを介して適宜キャリアC1に結合可能とする他、フォワードワンウェイクラッチFO/C及びフォワードクラッチF/Cを介してキャリアC1に相関させる。
尚、オイルポンプOPは、変速機の入力軸Iに設けられ、入力軸Iの回転に従ってオイルを吐出する。この吐出されたオイルで各クラッチを制御するので、回転を上げれば、オイルポンプOPの吐出量が増大し、シフトラグが短くなる。
ATCU30は、シフト位置センサ31により検出されるシフト位置に基づき、また、Dレンジでは、アクセル開度APOと車速VSPとに基づいて変速段(1〜4速)を設定して、自動変速機10の各種摩擦要素を制御する。
図4はECU20による目標アイドル回転数設定ルーチンのフローチャートであり、始動後に実行される。
初期設定として、S1では、目標アイドル回転数Nset をNレンジでの目標アイドル回転数NsetNに設定する。このNレンジでの目標アイドル回転数NsetNは、冷間始動後の排気浄化触媒の早期活性化のため、高く設定される(例えば1500〜1800rpm)。但し、始動時水温と始動後経過時間とにより可変設定される。
S3では、自動変速機の油温Toil を検出する。
S4では、油温Toil に応じて、Dレンジでの第1目標アイドル回転数Nset1を設定する。このDレンジでの第1目標アイドル回転数Nset1は、Nレンジでの目標アイドル回転数NsetNより低く設定され(例えば800〜1000rpm)、詳しくは、Nレンジでの目標アイドル回転数NsetNからの回転低下によるトルク段差が発生せず、かつクラッチの接続ショックを発生しないように設定(接続ショックを許容できる回転数として設定)されるが、テーブルを用いるなどして、油温Toil に応じて可変設定され、油温Toil が低いときは比較的高回転に、逆に油温Toil が高いときは比較的低回転に設定される。尚、油温Toil に応じて連続的に可変設定してもよいし、高低2段階など、段階的に設定してもよい。
S6では、N→Dセレクトから所定期間(具体的には時間で設定し、例えば200ms)経過したか否かを判定する。ここでの所定期間(所定時間)は、N→Dセレクトから実際にクラッチの接続が開始されるまでの余裕時間(ディレイ時間)であり、この所定期間の経過後、約800msの間に、クラッチが接続される。
S7では、目標アイドル回転数Nset を漸減する。すなわち、現在の目標アイドル回転数Nset から所定値減算して、目標アイドル回転数Nset を低下側に更新する。
S8では、目標アイドル回転数Nset がDレンジでの第2目標アイドル回転数Nset2に達した(Nset ≦Nset2)か否かを判定し、達していない場合は、S7へ戻り、目標アイドル回転数Nset を漸減する。達した場合は、S9へ進み、目標アイドル回転数Nset をDレンジでの第2目標アイドル回転数Nset2に固定して、処理を終了する。このDレンジでの第2目標アイドル回転数Nset2は、第1目標アイドル回転数Nset1より低く、燃費及びアイドル安定性などを考慮して設定される(例えば650〜700rpm)。
S21では、エンジン回転数Ne及び負荷(例えば空気量Qa)に基づいて、基本点火時期(進角値)MADVを算出する。
S22では、点火時期制御によるアイドル回転数制御の実行条件であるアイドル運転時か否かを判定し、アイドル運転時の場合に、S23へ進む。
S24では、図4のルーチンにより設定される目標アイドル回転数Nset を読込む。
S25では、次式のごとく、実際のアイドル回転数Neと目標アイドル回転数Nset との偏差(Nset −Ne)に、予め定められているフィードバックゲインGを乗じることで、点火時期補正量DADVを算出する。
ここで、実際のエンジン回転数Neが目標アイドル回転数Nset より高いときは、DADVが負の値となって、遅角側への補正量となり、逆に、実際のエンジン回転数Neが目標アイドル回転数Nset より低いときは、DADVが正の値となって、進角側への補正量となる。
S25又はS26の後は、S27へ進む。
S27では、次式のごとく、基本点火時期MADVに点火時期補正量DADVを加算して、点火時期ADVを算出する。
S28では、S27にて算出された点火時期ADVを遅角限界点火時期RLと比較し、ADV<RLの場合は、S29で点火時期ADVを遅角限界点火時期RLに制限する。
次に、図6のタイムチャートにより、始動後の制御の流れを説明する。
始動後は、目標アイドル回転数Nset が、Nレンジでの目標アイドル回転数NsetNに設定され、これは、始動時水温及び始動後経過時間に応じて設定されるものの、比較的高く設定されるので(例えば1500〜1800rpm)、冷間始動後の触媒の早期活性化を図ることができる。
実際のクラッチの接続時期は、不定であるが、N→Dセレクトから所定時間(200ms)経過した後、約800ms経過するまでの間に行われる。この時は、エンジン回転数Neが第1目標アイドル回転数Nset1以下となっているので、シフトショックの発生は防止できる。
また、本実施形態によれば、点火時期のフィードバック制御により、N→Dセレクト検出時点より積極的にエンジン回転数を低下させることにより、所定期間内に、シフトショック許容回転数である第1目標アイドル回転数Nset1に収束させることができ、Nレンジでの目標アイドル回転数NsetNを上げても、ショックが発生しない。その一方、Nレンジでの目標アイドル回転数NsetNを上げることで、排気温度を上昇させることが可能となり、触媒の早期活性化により、排気性能が向上する。
2 吸気通路
3 電制スロットル弁
4 燃焼室
5 燃料噴射弁
6 点火プラグ
7 排気通路
8 排気浄化触媒
10 自動変速機
20 ECU
21 アクセルペダルセンサ
22 クランク角センサ
30 ATCU
31 シフト位置センサ
33 油温センサ
Claims (4)
- 自動変速機のシフト位置が非走行レンジから走行レンジに切換えられたときに、目標アイドル回転数を非走行レンジでの目標アイドル回転数からこれより低い走行レンジでの第1目標アイドル回転数に設定する手段と、前記切換えから所定期間経過後に、目標アイドル回転数を走行レンジでの前記第1目標アイドル回転数からこれより低い第2目標アイドル回転数に設定する手段と、を備え、アイドル運転時にエンジン回転数を目標アイドル回転数に制御するエンジンのアイドル回転数制御装置において、
自動変速機の油温を検出する手段と、検出された油温に応じて、油温が低いほど前記第2目標アイドル回転数に対する回転数が高くなるように、前記第1目標アイドル回転数を可変設定する手段と、を備えることを特徴とするエンジンのアイドル回転数制御装置。 - 実際のエンジン回転数と目標アイドル回転数との偏差に応じて点火時期をフィードバック制御することを特徴とする請求項1記載のエンジンのアイドル回転数制御装置。
- 点火時期に対し最大遅角位置を規制するリミッターを設けることを特徴とする請求項2記載のエンジンのアイドル回転数制御装置。
- 前記第2目標アイドル回転数は、前記第1目標アイドル回転数から最終的な第2目標アイドル回転数まで、時間経過と共に徐々に低下するように設定されることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載のエンジンのアイドル回転数制御装置。
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