JP2005180550A - エンジンの動弁用カムチェーンテンショナ - Google Patents
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Abstract
【課題】チェーンの振動による叩き音の抑制を可能とした動弁用カムチェーンテンショナを提供する。
【解決手段】クランクシャフト17の駆動力をカムシャフト18,19に伝達するカムチェーン22を有し、カムチェーンテンショナ25を備えると共に、このテンショナはその一端が支持点31としてクランクシャフト近傍に揺動自在に軸支される一方、当接面30を円弧状に形成し、その仮想直径をクランクシャフトの中心と一方のカムシャフト18の中心との距離33より小さく設定すると共に、当接面はクランクシャフトの中心と一方のカムシャフトの中心との距離の中心位置を含む所定の範囲のみがカムチェーンに当接するように設定し、さらにテンショナの揺動支持点から当接面に至る部位の、テンショナのカムチェーン側表面にカムチェーンの連結ピン28同士を順次結ぶカムチェーンの基準線29から離間して逃げ部34を設けたものである。
【選択図】図1
【解決手段】クランクシャフト17の駆動力をカムシャフト18,19に伝達するカムチェーン22を有し、カムチェーンテンショナ25を備えると共に、このテンショナはその一端が支持点31としてクランクシャフト近傍に揺動自在に軸支される一方、当接面30を円弧状に形成し、その仮想直径をクランクシャフトの中心と一方のカムシャフト18の中心との距離33より小さく設定すると共に、当接面はクランクシャフトの中心と一方のカムシャフトの中心との距離の中心位置を含む所定の範囲のみがカムチェーンに当接するように設定し、さらにテンショナの揺動支持点から当接面に至る部位の、テンショナのカムチェーン側表面にカムチェーンの連結ピン28同士を順次結ぶカムチェーンの基準線29から離間して逃げ部34を設けたものである。
【選択図】図1
Description
本発明は、エンジンの動弁用カムチェーンテンショナに関する。
自動車や自動二輪車等に用いられる4サイクルエンジンはクランクシャフトの回転をカムシャフトに伝達し、このカムシャフトで吸・排気バルブを開閉操作するOHC形式の動弁構造を採用している。クランクシャフトの回転をカムシャフトに伝達する方法としては、例えばクランクシャフトにカムドライブスプロケットを設けると共に、カムシャフトにタイミングスプロケットを設け、両スプロケットをカムチェーン(動弁用チェーン)で連結する方法が一般的である。
また、エンジンにはその回転変動によりカムチェーンが撓んだときや、時間経過によってカムチェーンが伸びて弛みが出たとき等に、カムチェーンの張りを常に最適状態に調整することにより吸・排気バルブのタイミングや点火時期の狂い、騒音の発生等を防止するためのチェーンガイドおよびカムチェーンテンショナが備えられている。また、カムチェーンテンショナはカムチェーンアジャスタによって常時適切な圧力が掛けられており、変動するカムチェーンの張りや撓みに対応している(例えば特許文献1〜3参照)。
実公昭56−43432号公報(第1図)
実公昭56−170350号公報(第1図)
特開平2−283818号公報(第1図)
しかしながら、カムチェーンはカムシャフトに掛かるバルブスプリングの反力やクランクシャフトの回転変動、カムチェーン自身の遠心力等によりある特定の回転域で共振現象を発生することが知られている。
具体例としては、例えば図4に示すように、まずクランクシャフト1と、吸気側カムシャフト2との間のチェーン長は長く、弓状に曲げるようにその外側からカムチェーンテンショナ3によって押さえられているが、ほぼ全域にわたって接するため、カムチェーンテンショナ3に圧力を掛けるカムチェーンアジャスタ4は、カムチェーン5からの荷重をカムチェーンテンショナ3の支持点と分配して支持する。その一方、クランクシャフト1からリリースされるカムチェーンテンショナ3側のカムチェーン5の振れは、なくすことができない。
特に、近年エンジンの高出力化に伴ったバルブリフト量の増加やバルブスプリング荷重の増加、エンジンの高回転化、さらにはバルブの挟み角縮小による吸・排気カムシャフトの、軸間距離の縮小等の諸事情により共振現象の発生が顕著になっている。
カムチェーン5が共振する場合、例えば図4に斜線で示すように、カムチェーン5はそのクランクシャフト1と吸気側カムシャフト2との間の、ほぼ中間の節6の両側で共振してカムチェーン5の腹7,8がカムチェーンテンショナ3を叩き、騒音を発生させたり、シュー面を磨耗させたりする。また、カムチェーンアジャスタ4へ大きな衝撃や荷重を加えている。
そして、騒音の発生等をカムチェーンアジャスタ4の押圧力アップのみで対応しようとすると、カムチェーン5の張力やカムチェーンアジャスタ4への衝撃力が急増し、カムチェーン5が焼き付いたりチェーンガイド9およびカムチェーンテンショナ3に悪影響を与えたりすることになる。
本発明は上述した事情を考慮してなされたもので、チェーンの振動による叩き音の抑制を可能としたエンジンの動弁用カムチェーンテンショナを提供することを目的とする。
本発明に係るエンジンの動弁用カムチェーンテンショナは、上述した課題を解決するために、請求項1に記載したように、クランクシャフトの駆動力を複数のカムシャフトに伝達するカムチェーンを有し、このカムチェーンに当接してこのカムチェーンに一定の緊張を与えるカムチェーンテンショナを備えると共に、このカムチェーンテンショナはその一端が支持点として上記クランクシャフト近傍に揺動自在に軸支される一方、上記カムチェーンへの当接面を円弧状に形成し、その仮想直径を上記クランクシャフトの中心と上記一方のカムシャフトの中心との距離より小さく設定すると共に、上記当接面は上記クランクシャフトの中心と上記一方のカムシャフトの中心との距離の中心位置を含む所定の範囲のみが上記カムチェーンに当接するように設定し、さらに上記カムチェーンテンショナの揺動支持点から上記カムチェーンに当接する当接面に至る部位の、上記カムチェーンテンショナの上記カムチェーン側表面に上記カムチェーンの連結ピン同士を順次結ぶカムチェーンの基準線から離間して逃げ部を設けたものである。
また、上述した課題を解決するために、請求項2に記載したように、上記カムチェーンテンショナが与える緊張を自動的に且つ経時的にほぼ一定とするカムチェーンアジャスタを、上記カムチェーンテンショナの揺動支持点に対し上記当接面を挟んで互いの反対の端部となる位置に設けたものである。
さらに、上述した課題を解決するために、請求項3に記載したように、上記エンジン停止状態において上記カムチェーンの基準線を、上記クランクシャフトに巻装するその一側および他側となる位置において互いに略平行となるよう、上記他側の基準線を上記他方のカムシャフトの中心に指向するように設定すると共に、上記カムチェーンテンショナの当接面を略平行な上記カムチェーンの基準線を保つように上記カムチェーンに接触させ、また、この略平行な上記カムチェーンの基準線同士とほぼ同じ幅で且つ平行な仮想線を、上記他側の基準線を挟んで上記一側の基準線とは反対側に導出してこの仮想線と上記他側の基準線との幅内における上記カムチェーンテンショナの形状をS字状に蛇行させて上記カムチェーンから離間する上記逃げ部を設け、さらに、この同じ幅内に上記カムチェーンに当接する当接面を配置したものである。
そして、上述した課題を解決するために、請求項4に記載したように、円弧状に形成される上記当接面を、上記二本のカムシャフトの軸間距離を仮想直径とする円弧より小さな曲率の円弧面に設定したものである。
さらにまた、上述した課題を解決するために、請求項5に記載したように、上記カムチェーンテンショナの、上記クランクシャフトの中心と上記一方のカムシャフトの中心との距離の中心位置を含む所定の範囲に上記カムチェーンに接触する転動体を回動自在に設けると共に、この転動体の円弧状の当接面を、上記クランクシャフトに設けられるスプロケットの直径より大きく、且つ上記カムシャフトに設けられるスプロケットの直径より小さい直径のものに設定したものである。
本発明に係るエンジンの動弁用カムチェーンテンショナによれば、エンジン回転域の全域にわたってカムチェーンの振動によるカムチェーンテンショナの叩き音が抑制できる。また、カムチェーンテンショナ自体の構造によるレバー比によってカムチェーンアジャスタへの衝撃荷重がカムチェーンテンショナ全体と揺動支持点に分散され、緩和される。さらに、カムチェーンやカムチェーンテンショナをコンパクトに配置することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明を適用した多気筒エンジンの第一実施形態を示す部分右側面図である。図1に示すように、このエンジン11はシリンダブロック12とアッパークランクケース13とが一体化された例えばアルミニウム合金製のエンジンケース14を有し、このエンジンケース14の上部に同じくアルミニウム合金製のシリンダヘッド15が載置される。エンジンケース14の下部には同じくアルミニウム合金製のロアークランクケース16が配置され、エンジンケース14との合せ面に例えば鋳鉄製のクランクシャフト17が狭持される。このクランクシャフト17は例えば油圧によってエンジンケース14にフローティング支持されると共に、シリンダブロック12内のピストン(図示せず)の往復運動がコンロッド(図示せず)を介して伝えられ、回転駆動される。
一方、このエンジン11はシリンダヘッド15の端面に吸気用のカムシャフト18および排気用のカムシャフト19をクランクシャフト17と平行に並設し、これらのカムシャフト18,19によってシリンダヘッド15内の吸・排気バルブ(図示せず)を開閉操作するDOHC形式の動弁機構を有する。これらのカムシャフト18,19はクランクシャフト17同様例えば鋳鉄製であり、例えば油圧によってシリンダヘッド15にフローティング支持される。
駆動軸であるクランクシャフト17の一端にはカムドライブスプロケット20が設けられる。同様に、従動軸である両カムシャフト18,19の一端にもタイミングスプロケット21がそれぞれ設けられる。そして、これらのスプロケット20,21は動弁用チェーンであるカムチェーン22によって連結され、クランクシャフト17の回転が二分の一に減速されて両カムシャフト18,19に伝達される。なお、カムチェーン22は鉄系金属製のものとする。
また、カムチェーン22はシリンダブロック12とアッパークランクケース13とが一体化されたエンジンケース14およびシリンダヘッド15の壁部23によって概ね構成されるチェーン室24内に収容される。
さらに、カムチェーン22はカムチェーンテンショナ25およびチェーンガイド26,27によって常時適切な張りが保たれ、各スプロケット20,21の巻き掛け長さを大きく確保しつつ略直線状の四辺で繋ぐ。また、図1において一点鎖線で示すカムチェーン22の走行ライン、すなわちカムチェーン22の連結ピン28同士を順次結ぶカムチェーン22の基準線29は、幾何学的に表現すると、カムチェーン22の走行面に対向して見て、両カムシャフト18,19を含むシリンダヘッド15側ではおむすび型に近い略正三角形になるように配置されると共に、クランクシャフト17を含むクランクケース13,16側ではクランクシャフト17の巻き掛け前後でほぼ平行(あるいは極端な長円)となるように配置される。
チェーンガイド26,27は、カムチェーン22の外周に面して複数個、本実施形態においては二個設けられる。チェーンガイド26,27は、両カムシャフト18,19間と、排気用カムシャフト19とクランクシャフト17との間にそれぞれ配置され、両チェーンガイド26,27とも略直線的な形状を備える。これらのチェーンガイド26,27が配置される位置は、カムチェーン22のテンション(張力)が大きいので、局所的な接触になりやすく、カムチェーン22に大きな負担を掛けないためにもあまり湾曲しない形状に設定される。
カムチェーンテンショナ25はそのシュー面30をカムチェーン22に当接させてカムチェーン22に一定の緊張を与えるものであり、例えば僅かに撓みの得られる鉄製の芯金にNBR系ゴムのシュー面30を設けることによって形成されると共に、その一端が支持点31としてクランクシャフト17近傍に揺動自在に軸支される一方、他端はカムチェーンアジャスタ32によってカムチェーン22に向かって常時適切な圧力が掛けられる。なお、カムチェーンテンショナ25をエンジンケース14を構成する部材と同程度の熱膨張率を有するアルミニウム合金または合成樹脂によって形成してもよい。
カムチェーンアジャスタ32は、カムチェーンテンショナ25がカムチェーン22に与える緊張を経時的に且つ自動的にほぼ一定とするオートアジャスタであり、カムチェーンテンショナ25の揺動支持点31に対しシュー面30を挟んで互いの反対の端部となる位置に設けられる。
カムチェーンテンショナ25の、カムチェーン22への当接面であるシュー面30は円弧状に形成され、その仮想直径はクランクシャフト17の中心と吸気用カムシャフト18の中心との距離33より小さく設定されると共に、クランクシャフト17の中心と吸気用カムシャフト18の中心との距離33の中心位置を含む所定の範囲、好ましくはクランクシャフト17の中心から35%乃至70%のみがカムチェーン22に当接するように設定される。
また、カムチェーンテンショナ25の揺動支持点31からカムチェーン22に当接するシュー面30に至る部位の、カムチェーンテンショナ25のカムチェーン22側表面は、エンジン11停止状態での前記カムチェーン22の基準線29から離間して逃げ部34が設けられる。
前述したように、エンジン11停止状態においてカムチェーン22の基準線29は、クランクシャフト17に巻装するその前側および後側となる位置において互いに略平行となるよう、後側(図1において左側)の基準線29Rはクランクシャフト17より前側(図1において右側)の排気用カムシャフト19の中心に指向するように設定される。
また、カムチェーンテンショナ25はそのシュー面30が上記略平行なカムチェーン22の基準線29F,29Rを保つようにカムチェーン22に接触されると共に、この略平行なカムチェーン22の基準線29F,29R同士とほぼ同じ幅で且つ平行な仮想線35を、後側の基準線29Rを挟んで前側の基準線29Fとは反対側に導出してこの仮想線35と後側の基準線29Rとの幅内におけるカムチェーンテンショナ25の形状をS字状に蛇行させることにより上記カムチェーン22から離間する逃げ部34が設けられる。さらに、この同じ幅内に上記カムチェーン22に当接するシュー面30も配置される。
さらに、この円弧状に形成されるシュー面30は、吸気用のカムシャフト18および排気用のカムシャフト19の軸間距離36を仮想直径とする円弧より小さな曲率の円弧面に設定される。
そして、シュー面30の位置に対応する外周方向のエンジンケース14およびシリンダヘッド15の壁部23は、エンジン11停止状態でのカムチェーン22の基準線29を短絡することによって設けられる仮想短絡線37に掛かるようカムチェーン22の方に向かって凹設されると共に、カムチェーンテンショナ25の揺動支持点31およびカムチェーンアジャスタ32はこの凹設された壁部23を挟んで、本実施形態おいては上下方向に離間して配置される。
次に、本実施形態の作用について説明する。
カムチェーンテンショナ25の、カムチェーン22への当接面であるシュー面30を円弧状に形成し、その仮想直径をクランクシャフト17の中心と吸気用カムシャフト18の中心との距離33より小さく設定すると共に、クランクシャフト17の中心と吸気用カムシャフト18の中心との距離33の中心位置を含む所定の範囲、本実施形態においてはクランクシャフト17の中心から35%乃至70%のみがカムチェーン22に当接するように設定し、さらにカムチェーンテンショナ25の揺動支持点31からカムチェーン22に当接するシュー面30に至る部位の、カムチェーンテンショナ25のカムチェーン22側表面にカムチェーン22の基準線29から離間して逃げ部34を設けたことにより、カムドライブスプロケット20やタイミングスプロケット21の直前・直後といった、カムチェーン22が大きい振幅で振れた場合の、振動の幅の中心にカムチェーンテンショナ25のシュー面30が接触しなくなる。
その結果、エンジン回転域の全域にわたってカムチェーン22の振動によるカムチェーンテンショナ25の叩き音が抑制できる。特に、エンジン回転数とカムチェーンアジャスタ32がカムチェーン22の振動によって受ける力との関係を示した図2に示すように、共振周波数となる特定エンジン回転数、すなわちカムチェーン22の共振による加重増加域(図2におけるa地点およびb地点)での低減効果が大きく、従来のものに比べて荷重が約60%低減されて受け力も全体的に平滑化される。
また、叩き音が抑制されるため、カムチェーンアジャスタ32の押し付け力を下げることができ、エンジン回転域の全域にわたって荷重が低減できる。そして、カムチェーンテンショナ25とカムチェーン22との接触長が従来のものに比べて大幅に短くなるので、メカニカルロスの低減にも繋がる。
さらに、逃げ部34によってクランクシャフト17でのカムチェーン22とカムドライブスプロケット20との噛み合いから離脱する位置(離脱後の近傍位置)においてカムチェーン22を自由にさせることができる。
一方、カムチェーンテンショナ25が与える緊張を自動的に且つ経時的にほぼ一定とするカムチェーンアジャスタ32を、カムチェーンテンショナ25の揺動支持点31に対しシュー面30を挟んで互いの反対の端部となる位置に設けたことにより、接触位置を細かく選択する、上述した効果によるカムチェーンテンショナ25への入力荷重の低減に加え、カムチェーンテンショナ25自体の構造によるレバー比によってカムチェーンアジャスタ32への衝撃荷重がカムチェーンテンショナ25全体と揺動支持点31に分散され、緩和される。
そして、エンジン11停止状態においてカムチェーン22の基準線29を、クランクシャフト17に巻装するその前側および後側となる位置において互いに略平行となるよう、後側の基準線29Rをクランクシャフト17より前側の排気用カムシャフト19の中心に指向するように設定したり、カムチェーンテンショナ25のシュー面30を略平行なカムチェーン22の基準線29F,29Rを保つようにカムチェーン22に接触させたり、また、この略平行なカムチェーン22の基準線29F,29R同士とほぼ同じ幅で且つ平行な仮想線35を、後側の基準線29Rを挟んで前側の基準線29Fとは反対側に導出してこの仮想線35と後側の基準線29Rとの幅内におけるカムチェーンテンショナ25の形状をS字状に蛇行させてカムチェーン22から離間する逃げ部34を設けたり、さらに、この同じ幅内に上記カムチェーン22に当接するシュー面30も配置したことにより、カムチェーン22やカムチェーンテンショナ25をコンパクトに配置することができる。
図3は、本発明を適用した多気筒エンジン11の第二実施形態を示す部分右側面図である。なお、第一実施形態と同一の構成部材に関しては、同一の符号を付して説明を省略する。
図3に示すように、カムチェーンテンショナ25の、クランクシャフト17の中心と吸気用カムシャフト18の中心との距離33の中心位置を含む所定の範囲、好ましくはクランクシャフト17の中心から35%乃至70%の部位にはカムチェーン22に接触する転動体38が回動自在に軸支される。また、この転動体38の円弧状のシュー面30は、クランクシャフト17に設けられるカムドライブスプロケット20の直径より大きく、且つカムシャフトに設けられるタイミングスプロケット21の直径より小さい直径のものに設定される。
カムチェーン22との接触を転動体38とすれば、特定のエンジン回転域における共振の抑制に特化して上述した効果を得ることができる。
なお、詳細には図示しないが、V型エンジンのようにクランクシャフト17とカムシャフトとの間にアイドルシャフトを備え、クランクシャフト17とアイドルシャフトとの間やカムシャフトとアイドルシャフトとの間に巻装されるチェーンに本案のカムチェーンテンショナ25を適用することも可能である。
11 エンジン
17 クランクシャフト
18 吸気用カムシャフト
19 排気用カムシャフト
20 カムドライブスプロケット
21 タイミングスプロケット
22 カムチェーン
25 カムチェーンテンショナ
28 カムチェーンの連結ピン
29 カムチェーンの基準線
29R 後側の基準線
29F 前側の基準線
30 シュー面(カムチェーンへの当接面)
31 支持点
32 カムチェーンアジャスタ
33 クランクシャフトの中心とカムシャフトの中心との距離
34 逃げ部
35 仮想線
36 二本のカムシャフトの軸間距離
38 転動体
17 クランクシャフト
18 吸気用カムシャフト
19 排気用カムシャフト
20 カムドライブスプロケット
21 タイミングスプロケット
22 カムチェーン
25 カムチェーンテンショナ
28 カムチェーンの連結ピン
29 カムチェーンの基準線
29R 後側の基準線
29F 前側の基準線
30 シュー面(カムチェーンへの当接面)
31 支持点
32 カムチェーンアジャスタ
33 クランクシャフトの中心とカムシャフトの中心との距離
34 逃げ部
35 仮想線
36 二本のカムシャフトの軸間距離
38 転動体
Claims (5)
- クランクシャフトの駆動力を複数のカムシャフトに伝達するカムチェーンを有し、このカムチェーンに当接してこのカムチェーンに一定の緊張を与えるカムチェーンテンショナを備えると共に、このカムチェーンテンショナはその一端が支持点として上記クランクシャフト近傍に揺動自在に軸支される一方、上記カムチェーンへの当接面を円弧状に形成し、その仮想直径を上記クランクシャフトの中心と上記一方のカムシャフトの中心との距離より小さく設定すると共に、上記当接面は上記クランクシャフトの中心と上記一方のカムシャフトの中心との距離の中心位置を含む所定の範囲のみが上記カムチェーンに当接するように設定し、さらに上記カムチェーンテンショナの揺動支持点から上記カムチェーンに当接する当接面に至る部位の、上記カムチェーンテンショナの上記カムチェーン側表面に上記カムチェーンの連結ピン同士を順次結ぶカムチェーンの基準線から離間して逃げ部を設けたことを特徴とするエンジンの動弁用カムチェーンテンショナ。
- 上記カムチェーンテンショナが与える緊張を自動的に且つ経時的にほぼ一定とするカムチェーンアジャスタを、上記カムチェーンテンショナの揺動支持点に対し上記当接面を挟んで互いの反対の端部となる位置に設けた請求項1記載のエンジンの動弁用カムチェーンテンショナ。
- 上記エンジン停止状態において上記カムチェーンの基準線を、上記クランクシャフトに巻装するその一側および他側となる位置において互いに略平行となるよう、上記他側の基準線を上記他方のカムシャフトの中心に指向するように設定すると共に、上記カムチェーンテンショナの当接面を略平行な上記カムチェーンの基準線を保つように上記カムチェーンに接触させ、また、この略平行な上記カムチェーンの基準線同士とほぼ同じ幅で且つ平行な仮想線を、上記他側の基準線を挟んで上記一側の基準線とは反対側に導出してこの仮想線と上記他側の基準線との幅内における上記カムチェーンテンショナの形状をS字状に蛇行させて上記カムチェーンから離間する上記逃げ部を設け、さらに、この同じ幅内に上記カムチェーンに当接する当接面を配置した請求項1または2記載のエンジンの動弁用カムチェーンテンショナ。
- 円弧状に形成される上記当接面を、上記二本のカムシャフトの軸間距離を仮想直径とする円弧より小さな曲率の円弧面に設定した請求項1、2または3記載のエンジンの動弁用カムチェーンテンショナ。
- 上記カムチェーンテンショナの、上記クランクシャフトの中心と上記一方のカムシャフトの中心との距離の中心位置を含む所定の範囲に上記カムチェーンに接触する転動体を回動自在に設けると共に、この転動体の円弧状の当接面を、上記クランクシャフトに設けられるスプロケットの直径より大きく、且つ上記カムシャフトに設けられるスプロケットの直径より小さい直径のものに設定した請求項1記載のエンジンの動弁用カムチェーンテンショナ。
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