JP2005180513A - パーキングブレーキ装置 - Google Patents

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裕巳 稲垣
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秀俊 小堀
Masaaki Naei
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Abstract

【課題】電力消費を伴わない簡単な構造で自動パーキングブレーキ状態を得ることができるようにする。
【解決手段】パーキング用制御液圧の作用に応じた前進作動によってパーキングブレーキ状態を得ることを可能としたパーキングピストン103の後部に、複数のロック要素52を保持する保持筒51が連設され、パーキングピストン103の前進に応じて前進するように付勢されるとともにパーキング解除用制御液圧の作用に応じて後退するロックピストン104の前端に、ロック要素52をケーシング102の内面との間に挟むようにして保持筒51内に移動可能に挿入される挿入軸53が同軸に連設され、挿入軸53の外周面のうち少なくともロック要素52に接触する部分は前方側ほど小径となるテーパ面53aとして形成され、液圧発生源の発生液圧が液圧制御手段で制御されることにより、パーキング用制御液圧およびパーキング解除用制御液圧が得られる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、パーキングブレーキ装置に関し、特に、ブレーキピストンをその液圧作動状態でロックすることにより、パーキングブレーキ状態を得るようにしたパーキングブレーキ装置に関する。
このようなパーキングブレーキ装置は、たとえば特許文献1および特許文献2等で既に知られている。
特表平10−512947号公報 特表2000−504811号公報
ところで、上記特許文献1では、ブレーキピストンが、前部および後部ブレーキピストンに分割されるとともに、後部ブレーキピストンの前端に当接する伝達部材と、前部ブレーキピストンに固定される閉塞板との間にばねが縮設され、前部ブレーキピストンの後方でブレーキキャリパの内面に刻設される内歯に噛合し得るラッチが、前記伝達部材が後部ブレーキピストンの前端に当接した状態では内歯に係合するものの伝達部材が後部ブレーキピストンの前端から前方に相対移動移動したときにはばね付勢力で内歯との係合を解除するようにしてブレーキキャリパ内に収納され、前記後部ブレーキピストンには、伝達部材を後部ブレーキピストンに対して軸方向に相対移動させ得る補助ピストンが摺動自在に嵌合されている。しかるにブレーキキャリパの内面に内歯を刻設せねばならず、またブレーキピストンを前部および後部ブレーキピストンに分割しつつラッチをブレーキキャリパ内に収納するようにしているので、ブレーキキャリパ内の構造が複雑となる。
また上記特許文献2では、ブレーキピストンに前端部が固定的に連結される調整ボルトに調整ナットが螺合され、この調整ナットをケーシングに摩擦係合させる電磁力を発揮する電磁石が前記調整ナットの後方でブレーキキャリパ内に配設されており、パーキングブレーキ状態を得るときには、ブレーキ液圧をブレーキピストンに作用せしめた状態で前記電磁石により調整ナットをケーシングに摩擦係合させることにより、ブレーキピストンの後退を阻止するようにしている。しかるに電磁石をブレーキキャリパ内に収納させる必要があり、構造が複雑となるだけでなく、パーキングブレーキ状態では電磁石の巻線への通電状態を維持する必要があるので、消費電力量が多くなる。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、電力消費を伴わない簡単な構造でパーキングブレーキ状態を得ることができるようにしたパーキングブレーキ装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、背面へのパーキング用制御液圧の作用に応じた前進作動によってパーキングブレーキ状態を得ることを可能としてケーシングに摺動可能に嵌合されるパーキングピストンと、該パーキングピストンを前進位置で機械的にロックすべく前記パーキングピストンの前進作動に応じて自動的にロック作動するとともにパーキング解除用制御液圧の作用に応じてロック解除作動するようにして前記パーキングピストンよりも後方側で前記ケーシング内に設けられるロック機構と、液圧発生源と、該液圧発生源の発生液圧を制御して前記パーキング用制御液圧および前記パーキング解除用制御液圧を得ることを可能とした液圧制御手段とを含み、前記ロック機構は、少なくとも前記パーキングピストンの前進作動時には前方に向けての付勢力が作用するようにして前記パーキングピストンよりも後方側で前記ケーシングに摺動可能に嵌合されるとともにパーキング解除用制御圧を後方に向けて作用せしめることを可能としたロックピストンと、前記パーキングピストンの後部に一体かつ同軸に連設された円筒状の保持筒と、該保持筒の周方向複数箇所に保持筒の半径方向に沿う方向への移動を可能として保持されるロック要素と、前記各ロック要素に保持筒の内方側から接触して前記各ロック要素を前記ケーシングの内面との間に挟むべく前記保持筒に軸方向相対移動可能に挿入されるようにしてロックピストンの前端に一体に連設される挿入軸とを備え、該挿入軸の外周面のうち少なくとも前記各ロック要素に接触する部分は、前方側ほど小径となるテーパ面として形成されることを特徴とする。
また請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に加えて、前記パーキングピストンおよび前記ロックピストン間で前記ケーシングの内面には、前記テーパ面で押し上げられた前記各ロック要素を圧接させ得るようにして前記保持筒よりも大径に形成される大径孔部と、前記保持筒を挿入可能として前記大径孔部よりも小径に形成されつつ大径孔部よりも後方に配置される小径孔部と、大径孔部および小径孔部間で前方に臨む環状の係止段部とが形成されることを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、パーキングピストンの背面にパーキング用制御液圧を作用させると、パーキングピストンが前進するとともにロック機構がパーキングピストンの前進位置を機械的にロックするので、パーキングブレーキ状態を自動的に得ることができ、またパーキングブレーキ状態を解除するときには、パーキング解除用制御液圧をロック機構に作用せしめればよく、パーキングブレーキ状態では電力消費を伴わない簡単な構造でパーキングブレーキ状態を自動的に得ることができる。
しかもロック機構は、パーキングピストンの前進作動時には前方に向けての付勢力が作用するようにしてパーキングピストンよりも後方側でケーシングに摺動可能に嵌合されるとともにパーキング解除用制御液圧を後方に向けて作用させ得るようにしたロックピストンと、前記パーキングピストンの後部に一体かつ同軸に連設された円筒状の保持筒と、該保持筒の周方向複数箇所に保持されるロック要素と、各ロック要素に保持筒の内方側から接触して前記各ロック要素を前記ケーシングの内面との間に挟むべく前記ロックピストンの前端に一体に連設される挿入軸とを備え、挿入軸の外周面のうち少なくとも前記各ロック要素に接触する部分は、前方側ほど小径となるテーパ面として形成されているので、パーキングピストンの前進作動時にはロックピストンが前進することにより、該ロックピストンの前端の挿入軸の外周のテーパ面で各ロック要素が押し上げられ、テーパ面およびケーシングの内面間に各ロック要素が挟まれることになる。この際、パーキングピストンが後方側に後退しようとする力は、各ロック要素を介してテーパ面に直角に作用することになり、軸方向後方に向けてロックピストンに作用する分力が小さく抑えられるので、ロックピストンを前進方向に付勢する力でパーキングピストンの後退を阻止し得るようにしてパーキングブレーキ状態を得ることができ、しかも何らかの理由によってパーキングブレーキ状態でのパーキングピストンの前後方向位置が変化しても、その位置変化に対応して確実にロック状態を維持することができる。またパーキング解除用制御液圧をロックピストンに作用せしめて該ロックピストンを後退させることにより、パーキングブレーキ状態を解除することができる。
また請求項2記載の発明によれば、パーキングブレーキ状態でのケーシング内面への各ロック要素の接触位置よりも後方で前方に臨む段部がケーシングに内面に形成されるので、パーキングピストンに後方に向けての過大な荷重が作用したとしても、係止段部に各ロック要素が当接することでパーキングピストンの後退を阻止することができ、パーキングブレーキ状態が不所望に解除されてしまうことを防止することができる。
以下、本発明の実施の形態を、添付の図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
図1〜図4は本発明の一実施例を示すもので、図1は車両用ブレーキ装置の液圧回路図、図2は非パーキングブレーキ時のディスクブレーキの縦断面図、図3は図2の要部拡大図、図4はパーキングブレーキ状態での図3に対応した断面図である。
先ず図1において、タンデム型のマスタシリンダMは、車両運転者がブレーキペダルPに加える踏力に応じたブレーキ液圧を発生する第1および第2出力ポート1A,1Bを備えており、第1出力ポート1Aは第1出力液圧路3Aに接続され、第2出力ポート1Bは第2出力液圧路3Bに接続される。
第1出力液圧路3Aは、常開型電磁弁であるカット弁17Aを介して第1液圧路20Aに接続され、第2出力液圧路3Bは、常開型電磁弁であるカット弁17Bを介して第2液圧路20Bに接続される。
第1液圧路20Aは、常開型電磁弁である入口弁6Aを介してパーキングブレーキ機構付きディスクブレーキである左前輪用車輪ブレーキ2Aに接続されるとともに、常開型電磁弁である入口弁6Bを介してディスクブレーキである右後輪用車輪ブレーキ2Bに接続される。また第2液圧路20Bは、常開型電磁弁である入口弁6Cを介してパーキングブレーキ機構付きディスクブレーキである右前輪用車輪ブレーキ2Cに接続されるとともに、常開型電磁弁である入口弁6Dを介してディスクブレーキである左後輪用車輪ブレーキ2Dに接続される。さらに各入口弁6A〜6Dにはチェック弁7A〜7Dがそれぞれ並列に接続される。
第1液圧路20Aに対応した第1リザーバ8Aと左前輪用車輪ブレーキ2Aおよび右後輪用車輪ブレーキ2Bとの間には常閉型電磁弁である出口弁9A,9Bがそれぞれ設けられ、第2液圧路20Bに対応した第2リザーバ8Bと右前輪用車輪ブレーキ2Cおよび左後輪用車輪ブレーキ2Dとの間には常閉型電磁弁である出口弁9C,9Dがそれぞれ設けられる。
第1および第2リザーバ8A,8Bは、共通な電動モータ11で駆動される第1および第2ポンプ10A,10Bの吸入側にそれらのポンプ10A,10B側へのブレーキ液の流通を許容する一方向弁19A,19Bを介して接続される。また前記第1および第2出力液圧路3A,3Bは、常閉型電磁弁であるサクション弁18A,18Bを介して第1および第2ポンプ10A,10Bおよび前記一方向弁19A,19B間に接続され、第1および第2液圧路20A,20Bは第1および第2ダンパ13A,13Bを介して第1および第2ポンプ10A,10Bの吐出側に接続される。
各車輪がロックを生じる可能性のない通常ブレーキ時には、各入口弁6A〜6Dが消磁、開弁状態とされるとともに各出口弁9A〜9Dが消磁、閉弁状態とされ、マスタシリンダMの第1出力ポート1Aから出力されるブレーキ液圧は入口弁6A,6Bを介して左前輪および右後輪用車輪ブレーキ2A,2Bに作用する。またマスタシリンダMの第2出力ポート1Bから出力されるブレーキ液圧は、入口弁6C,6Dを介して右前輪用および左後輪用車輪ブレーキ2C,2Dに作用する。
上記ブレーキ中に車輪がロック状態に入りそうになったときには入口弁6A〜6Dのうちロック状態に入りそうになった車輪に対応する入口弁が励磁、閉弁されるとともに、出口弁9A〜9Dのうち上記車輪に対応する出口弁が励磁、開弁される。これにより、ロック状態に入りそうになった車輪のブレーキ液圧の一部が第1リザーバ8Aまたは第2リザーバ8Bに吸収され、ロック状態に入りそうになった車輪のブレーキ液圧が減圧されることになる。
またブレーキ液圧を一定に保持する際には、入口弁6A〜6Dが励磁、閉弁されるとともに出口弁9A〜9Dが消磁、閉弁されることになり、さらにブレーキ液圧を増圧する際には、入口弁6A〜6Dが消磁、開弁状態とされるともに、出口弁9A〜9Dが消磁、閉弁状態とされればよい。
このように各入口弁6A〜6Dおよび各出口弁9A〜9Dの消磁・励磁を制御することにより、車輪をロックさせることなく、効率良く制動することができる。
ところで、上述のようなアンチロックブレーキ制御中に、電動モータ11は回転作動し、この電動モータ11の作動に伴って第1および第2ポンプ10A,10Bが駆動されるので、第1および第2リザーバ8A,8Bに吸収されたブレーキ液は、第1および第2ポンプ10A,10Bに吸入され、次いで第1および第2ダンパ13A,13Bを経て第1および第2出力液圧路3A,3Bに還流される。このようなブレーキ液の還流によって、第1および第2リザーバ8A,8Bのブレーキ液の吸収によるブレーキペダルPの踏み込み量の増加を防ぐことができる。しかも第1および第2ポンプ10A,10Bの吐出圧の脈動は第1および第2ダンパ13A,13Bの働きにより抑制され、上記還流によってブレーキペダルPの操作フィーリングが阻害されることはない。
而してサクション弁18A,18Bを励磁、開弁するとともにカット弁17A,17Bを励磁、閉弁した状態で電動モータ11を作動せしめることにより、液圧発生源として機能する第1および第2ポンプ10A,10Bが、マスタシリンダM側からブレーキ液を吸入して加圧したブレーキ液を前記第1および第2液圧路20A,20Bに吐出することになる。
また左前輪および右前輪用車輪ブレーキ2A,2Cには、ブレーキ液圧を検出するための圧力センサ15A,15Bが接続される。
図2において、パーキングブレーキ機構付きディスクブレーキである左前輪用車輪ブレーキ2Aでは、車輪とともに回転するブレーキディスク71の両側に第1摩擦パッド72および第2摩擦パッド73が対向して配置される。これらの第1および第2摩擦パッド72,73は、ブレーキディスク71に当接可能なライニング72a,73aと、ライニング72a,73aの背面に固定された裏板72b,73bとで構成されるものであり、車体に固定されたブラケット74に、前記裏板72b,73bがブレーキピストン78の軸線方向に移動自在に支持される。またブラケット74には、第1および第2摩擦パッド72,73を跨ぐブレーキキャリパ75が前記ブレーキピストン78の軸線方向に移動自在に支持される。
ブレーキキャリパ75は、第1摩擦パッド72の裏板72bに対向する第1挟み腕75aと、第2摩擦パッド73の裏板73bに対向する第2挟み腕75bとを備えており、第1および第2挟み腕75a,75bはブレーキディスク71の外周部を通る架橋部75cにより一体に連結される。第1挟み腕75aにはシリンダ孔76が設けられており、このシリンダ孔76にカップ状のブレーキピストン78がシール部材77を介して摺動自在に嵌合される。第1摩擦パッド72の裏板72bに当接可能に対向するブレーキピストン78の先端部はベローズ状のダストカバー79によってシリンダ孔76の開口端に接続され、またブレーキピストン78の背面を臨ませるブレーキ液圧室80が第1挟み腕75a内に形成され、このブレーキ液圧室80は、第1挟み腕75aに設けられるポート81を介して入口弁6Aに接続される。
前記ブレーキキャリパ75の第1挟み腕75a内には、アジャスト機構82が設けられるものであり、このアジャスト機構82は、ブレーキピストン78に相対回転不能に連結されて前記ブレーキ液圧室80に収納される調整ナット83と、該調整ナット83に前端部が螺合される調整ボルト84と、前記ブレーキ液圧室80の後部に配置されるとともに軸線まわりの回転を不能としつつ軸線方向の移動を可能としてブレーキキャリパ75に液密にかつ摺動自在に嵌合される中継ピストン85と、前記調整ボルト84の後部に一体にかつ同軸に連設されて前記中継ピストン85に液密にかつ摺動自在に嵌合されるとともに前記中継ピストン85に摩擦係合する方向に弾発付勢される小ピストン86とを備える。
ブレーキキャリパ75の第1挟み腕75aにおいてブレーキディスク71とは反対側の端部にはシリンダ孔76よりも小径の中継シリンダ孔87が同軸に設けられており、段付きの中継ピストン85の後部が、その前部をシリンダ孔76の後部に挿入しつつシール部材88を介して中継シリンダ孔87に摺動自在に嵌合される。しかもブレーキキャリパ75および中継ピストン85には、シリンダ孔76および中継シリンダ孔87と平行な軸線を有してシリンダ孔76の軸線からオフセットした位置に配置される規制ピン89の両端部が嵌合される。これにより中継ピストン85は、シリンダ孔76および中継シリンダ孔87と同軸の軸線まわりに回転することが阻止されるとともに前記軸線に沿う方向への移動を可能としてブレーキキャリパ75に支承されることになる。
中継ピストン85には、テーパ状のクラッチ面90を前端開口部に備える小シリンダ孔91が同軸に設けられる。一方、調整ボルト84の後部には、前記クラッチ面90に摩擦係合し得る可動クラッチ体92と、前記小シリンダ孔91に液密にかつ摺動自在に嵌合する小ピストン86とが同軸にかつ一体に連設される。
シリンダ孔76の内面に装着されたクリップ94に係合支持されるリテーナ95には、可動クラッチ体92を中継ピストン85のクラッチ面90に摩擦係合させるばね力を発揮するクラッチばね93の一端が当接され、該クラッチばね93の他端は、ボールベアリング96を介して可動クラッチ体92に当接する。
調整ナット83および調整ボルト84は、ピッチの粗い複数条のねじ山およびねじ溝を有する早ねじ97により噛み合っている。調整ナット83をブレーキピストン78側に付勢するばね力を発揮するオーバーアジャスト防止ばね98の一端が調整ナット83に当接され、ブレーキピストン78の内面に装着されたクリップ99に係合支持されるリテーナ100に前記オーバーアジャスト防止ばね98の他端が当接、支持される。
調整ナット83およびブレーキピストン78は、それらの当接部の凹凸係合により相対回転不能であり、かつ第1摩擦パッド72の裏板72bおよびブレーキピストン78は、それらの凹凸係合により相対回転不能である。
このようなアジャスト機構82では、通常ブレーキ時にブレーキ液圧室80に液圧が供給されると、その液圧を受けたブレーキピストン78がシール部材77を弾性変形させながらシリンダ孔76内を図2の左側に移動し、第1摩擦パッド72をブレーキディスク71の一側面に押し付けると、その反作用でブレーキキャリパ75がブレーキピストン78の移動方向と逆方向の右側に移動し、第2挟み腕75bが第2摩擦パッド73をブレーキディスク71の他側面に押し付ける。その結果、第1および第2摩擦パッド72,73がブレーキディスク71の両面に均等な面圧で当接し、車輪を制動するブレーキ力が発生する。
上記ブレーキ中に、ブレーキ液圧室80に供給された液圧は、調整ナット83には軸線方向の荷重を発生させることはないが、調整ナット83に噛み合う調整ボルト84と一体の可動クラッチ体92には、小ピストン86の断面積に前記液圧を乗算した大きさの右向きの荷重を発生させ、その荷重に応じた摩擦係合力が可動クラッチ体92および中継ピストン85のクラッチ面90間に作用する。
ところで、通常ブレーキ時にはブレーキ液圧室80に作用する液圧は比較的低いため、可動クラッチ体92および中継ピストン85間に作用する摩擦係合力も比較的小さい。このため第1および第2摩擦パッド72,73のライニング72a,73aの摩耗の進行に伴ってブレーキピストン78が前進すると、調整ナット83はオーバーアジャスト防止ばね98の弾発力によりブレーキピストン78と共に前進し、調整ナット83に噛み合う調整ボルト84と一体の可動クラッチ体92が、ブレーキ液圧室80に作用する液圧およびクラッチばね93の弾発力に抗して中継ピストン85のクラッチ面90から引き離される。
可動クラッチ体92が中継ピストン85のクラッチ面90から離れると、可動クラッチ体92に作用する液圧およびクラッチばね93の弾発力で右向きに付勢された調整ボルト84は、回転不能な調整ナット83に対して早ねじ97において相対回転しながら右向きに移動し、可動クラッチ体92が中継ピストン85のクラッチ面90に再び係合する。このとき、クラッチばね93との間に配置したボールベアリング96の作用で可動クラッチ体92のスムーズな回転が可能になる。
このようにして、第1および第2摩擦パッド72,73におけるライニング72a,73aの摩耗が進行するに伴い、その摩耗量を補償するように調整ボルト84に対して調整ナット83が左側に相対移動するため、非制動時における第1および第2摩擦パッド72,73のライニング72a,73aとブレーキディスク71とのクリアランスを自動的に一定に保つことができる。
ブレーキ状態を解除すべくブレーキ液圧室80に作用する液圧を減圧すると、シール部材77の変形復元力でブレーキピストン78は後退するが、その後退力が調整ナット83および調整ボルト84を介して可動クラッチ体92を中継ピストン85のクラッチ面90に係合させるため、調整ナット83に対する調整ボルト84の相対回転が規制される。したがってブレーキピストン78は調整ナット83および調整ボルト84間のバックラッシュ分のストロークしか後退することができず、第1および第2摩擦パッド72,73と、ブレーキディスク71との間には前記バックラッシュ分の適正なクリアランスが与えられる。
また強力な制動が行われた場合には、ブレーキ液圧室80の液圧がブレーキキャリパ75を変形させるような所定値に上昇するまで上記自動調整が行われ、その液圧が前記所定値を超えると、可動クラッチ体92が中継ピストン85のクラッチ面90に液圧で強く押し付けられるため、可動クラッチ体92および中継ピストン85が相対回転不能に結合される。その結果、調整ボルト84が回転不能に拘束され、もともと回転不能な調整ナット83は調整ボルト84上に留まるため、液圧によるブレーキキャリパ75の弾性変形に伴ってブレーキピストン78が更に前進すると、オーバーアジャスト防止ばね98を圧縮しつつ、調整ナット83を残してブレーキピストン78だけが前進する。このようにして、強力な制動が行われた場合の調整ナット83および調整ボルト84間のオーバーアジャストが防止される。
図3を併せて参照して、ブレーキキャリパ75の第1挟み腕75aには、ブレーキディスク71とは反対側に延びるケーシング102が一体に連設されており、中継ピストン85に後方側から当接するパーキングピストン103がケーシング102に摺動可能に嵌合される。
ケーシング102は、前記ブレーキキャリパ75のシリンダ孔76と同軸の摺動孔101を形成するものであり、背面へのパーキング用制御液圧の作用に応じた前進作動によってパーキングブレーキ状態を得ることを可能としたパーキングピストン103が前記中継ピストン85に後方から当接するようにして前記摺動孔101に摺動可能に嵌合され、パーキングピストン103を前進位置で機械的にロックすべく前記パーキングピストン103の前進作動に応じて自動的にロック作動するとともにパーキング解除用制御液圧の作用に応じてロック解除作動するロック機構105が、前記パーキングピストン103よりも後方側でケーシング102内に設けられる。
前記摺動孔101は、中継シリンダ孔87よりも大径にして該中継シリンダ孔87の後端に同軸に連なるパーキングピストン前部摺動孔部101aと、パーキングピストン前部摺動孔部101aよりも小径に形成されてパーキングピストン前部摺動孔部101aの後端に同軸に連なる大径孔部としてのパーキングピストン後部摺動孔部101bと、パーキングピストン後部摺動孔部101bよりも小径に形成されてパーキングピストン後部摺動孔部101bの後端に同軸に連なる小径孔部としてのロックピストン前部摺動孔部101cと、ロックピストン前部摺動孔部101cよりも大径に形成されてロックピストン前部摺動孔部101cの後端に同軸に連なるロックピストン後部摺動孔部101dとを有し、ロックピストン後部摺動孔部101dの後端はケーシング102の後端壁102aで閉じられる。
パーキングピストン前部摺動孔部101aおよびパーキングピストン後部摺動孔部101b間でケーシング102の内面には前方に臨む環状の段部101eが形成され、パーキングピストン後部摺動孔部101bおよびロックピストン前部摺動孔部101c間でケーシング102の内面には前方に臨む環状の係止段部101fが形成され、さらにロックピストン前部摺動孔部101cおよびロックピストン後部摺動孔部101d間でケーシング102の内面には後方に臨む環状の段部101gが形成される。
パーキングピストン103は、パーキングピストン前部摺動孔部101aに摺動可能に嵌合される大径部103aと、後方に臨む環状の段部103cを大径部103aとの間に形成して大径部103aの後部に同軸に連なるとともにパーキングピストン後部摺動孔101bに摺動可能に嵌合される小径部103bとを一体に有するものであり、その前端中央部には、中継ピストン85を後方から押圧するための押圧ロッド103dが一体にかつ同軸に連設される。
パーキングピストン103における段部103cおよびケーシング102の段部101e間でケーシング102およびパーキングピストン103間には、パーキングピストン103にその背面側からパーキング用制御液圧を作用せしめるための環状のパーキング用制御液圧室106が形成されるものであり、パーキング用制御液圧室106を両側からシールする環状のシール部材107,108がパーキングピストン103における大径部103aおよび小径部103bの外面に装着される。しかもパーキング用制御液圧室106に臨むパーキングピストン103の受圧面積は、ブレーキ液圧室80に臨む小ピストン86の受圧面積よりも大きく設定される。
ロック機構105は、パーキングピストン103の前進作動時には前方に向けての付勢力が作用するようにしてパーキングピストン103よりも後方側でケーシング102に摺動可能に嵌合されるとともにパーキング解除用制御液圧を後方に向けて作用せしめることを可能としたロックピストン104と、前記パーキングピストン103の後部に一体かつ同軸に連設された円筒状の保持筒51と、該保持筒51の周方向複数箇所に保持筒の半径方向に沿う方向への移動を可能として保持されるロック要素としての球体52,52…と、前記各球体52,52…に保持筒51の内方側から接触して各球体52,52…をケーシング102の内面との間に挟むべく保持筒51に軸方向相対移動可能に挿入されるようにしてロックピストン104の前端に一体に連設される挿入軸53とを備える。
ロックピストン104は、ロックピストン前部摺動孔部101cに摺動可能に嵌合される小径部104aと、前方に臨む環状の段部104cを小径部104aの後部との間に形成して小径部104aの後部に同軸に連なるとともにロックピストン後部摺動孔部101dに摺動可能に嵌合される大径部104bとを一体に備える。
ロックピストン104における段部104cおよびケーシング102の段部101g間でロックピストン104およびケーシング102間には環状のパーキング解除用制御液圧室109が形成され、またケーシング102の後端壁102aおよびロックピストン104間にはばね室110が形成され、パーキングピストン103およびロックピストン104間でケーシング102内には、外部に開放した開放室111が形成される。
而してロックピストン104における小径部104aの外面にはパーキング解除用制御液圧室109および開放室111間をシールする環状のシール部材112が装着され、前記ロックピストン104における大径部104bの外面にはパーキング解除用制御液圧室109およびばね室110間をシールする環状のシール部材113が装着される。
前記後端壁102aおよびロックピストン104間にはばね114が縮設されており、ロックピストン24は前記ばね114のばね力により前方側に向けて弾発付勢されることになる。しかもばね114のばね荷重は、アジャスト機構82におけるクラッチばね93のばね荷重よりも小さく設定される。
保持筒51の周方向に間隔をあけた複数箇所には保持孔54,54…が設けられており、各球体52,52…はそれらの保持孔54,54…に挿入、保持される。
また挿入軸53の外周面のうち少なくとも前記各球体52,52…に接触し得る部分は、前記パーキングピストン103が後退限にある状態では前記各球体52,52…を保持筒51の半径方向に沿う内方側に配置せしめ、前記パーキングピストン103の後退限からの前進に応じて前記ロックピストン104が前進する際には前記各球体52,52…を前記保持筒51の半径方向に沿う外方側に押し上げるようにして、前方側ほど小径となるテーパ面53aとして形成される。
前記パーキング解除用制御液圧室109およびブレーキ液圧室80は連通路115(図2参照)を介して相互に連通されており、またブレーキ液圧室80は液圧制御手段としてのコントロール弁66Aを介してパーキング用制御液圧室106に接続されており、コントロール弁66Aは、たとえば常閉型電磁弁である。
パーキングブレーキ状態を得るときには、電動モータ11により第1ポンプ10Aを駆動し、カット弁17Aを励磁、閉弁するとともにサクション弁18Aを励磁、開弁し、さらにコントロール弁66Aを励磁、開弁する。これによりブレーキ液圧室80にブレーキ液圧を作用させるとともにパーキング用制御液圧室106にパーキング用制御液圧を作用させ、さらにパーキング解除用制御液圧室109に液圧を作用させることで、ロックピストン104の前進作動を抑えつつ、ブレーキピストン78およびパーキングピストン103を前進せしめ、次いで、電動モータ11による第1ポンプ10Aの駆動を停止し、カット弁17Aを消磁、開弁するとともにサクション弁18Aを消磁、閉弁し、コントロール弁66Aを消磁、閉弁状態に戻す。そうするとパーキング解除用制御液圧室109の液圧が解放され、ロックピストン104がばね114のばね力で前進作動し、パーキングピストン103およびロックピストン104の前進に応じてロック機構105がロック作動する。但し残圧を抜くために、ロックピストン104の前進が完了した時点で、電動モータ11による第1ポンプ10Aの駆動を停止し、カット弁17A、サクション弁18Aおよびコントロール弁66Aを消磁して元の状態に戻すようにしてもよい。
このようにパーキングピストン103がその前進作動によってロックされると、パーキングピストン103の押圧ロッド103dで中継ピストン85が前進せしめられることになり、中継ピストン85の移動が可動クラッチ体92、調整ボルト84および調整ナット83を介してブレーキピストン78を前進せしめ、通常ブレーキ時と同様に、第1、第2摩擦パッド72,73のライニング72a,73aをブレーキディスク71の両面に押し付けて制動力を発生させることによりパーキングブレーキ状態を得ることができる。
このパーキングブレーキ状態を得る過程で中継ピストン85および可動クラッチ体92はパーキングピストン103による押圧力で相対回転不能に摩擦係合するため、調整ボルト84および調整ナット83の相対回転が規制される。したがって左前輪用車輪ブレーキ2Aがパーキングブレーキとして機能するときには、アジャスト機構82による上記自動調整は行われない。
また通常ブレーキ操作中にパーキングブレーキ状態を得るときには、圧力センサ15Aの検出値が充分に高いときには、電動モータ11による第1ポンプ10Aの駆動を行なわず、しかもカット弁17Aを消磁、開弁するとともにサクション弁18Aを消磁、閉弁した状態でコントロール弁66Aを励磁、開弁すればよく、また圧力センサ15Aの検出値が低いときには、電動モータ11による第1ポンプ10Aの駆動を実行しつつカット弁17Aを励磁、閉弁するとともにサクション弁18Aを励磁、開弁し、コントロール弁66Aを励磁、開弁すればよく、さらに圧力センサ15Aの検出値にかかわらず、電動モータ11による第1ポンプ10Aの駆動を実行しつつカット弁17Aを励磁、閉弁するとともにサクション弁18Aを励磁、開弁し、コントロール弁66Aを励磁、開弁するようにしてもよい。
パーキングブレーキ状態を解除するときには、電動モータ11により第1ポンプ10Aを駆動するとともに、カット弁17Aを励磁、閉弁するとともにサクション弁18Aを励磁、開弁し、コントロール弁66Aを励磁、開弁する。そうすると、ブレーキ液圧室80、パーキング用制御液圧室106およびパーキング解除用制御液圧室109の液圧が同時に上昇するが、その増圧過程で、先ずばね114のばね力よりも大きな液圧力がロックピストン104に作用することでロックピストン104が後退し、次いで、パーキング用制御液圧室106の液圧によってパーキングピストン103に作用している前進方向の押圧力よりも、小ピストン86に作用する後退方向の液圧力およびクラッチばね93の合力が大きくなってパーキングピストン103が後退する。それによりロック機構105がロック解除作動してパーキングブレーキ状態が解除されることになる。
右前輪用車輪ブレーキ2Cは、上述の左前輪用車輪ブレーキ2Aと同様に構成されており、右前輪用車輪ブレーキ2Cのパーキングブレーキ状態を得るときには、サクション弁18Bを励磁、開弁するとともにカット弁17Bを励磁、閉弁した状態で電動モータ11を作動せしめることにより、第2ポンプ10Bを液圧発生源として機能せしめ、液圧制御手段としてのコントロール弁66Bの開閉を制御するようにすればよい。
次にこの実施例の作用について説明すると、パーキングピストン103の背面にパーキング用制御液圧を作用させると、パーキングピストン103が前進するとともにロック機構105がパーキングピストン103の前進位置を機械的にロックするので、パーキングブレーキ状態を自動的に得ることができ、またパーキングブレーキ状態を解除するときには、パーキング解除用制御液圧をロック機構105に作用せしめればよく、パーキングブレーキ状態では電力消費を伴わない簡単な構造でパーキングブレーキ状態を自動的に得ることができる。
しかもロック機構105は、パーキングピストン103の前進作動時には前方に向けての付勢力が作用するようにしてパーキングピストン103よりも後方側でケーシング102に摺動可能に嵌合されるとともにパーキング解除用制御液圧を後方に向けて作用させ得るようにしたロックピストン104と、パーキングピストン103の後部に一体かつ同軸に連設された円筒状の保持筒51と、該保持筒51の周方向複数箇所に保持される球体52,52…と、各球体52,52に保持筒51の内方側から接触して各球体52,52…をケーシング102の内面との間に挟むべくロックピストン104の前端に一体に連設される挿入軸53とを備え、挿入軸53の外周面のうち少なくとも各球体52,52…に接触する部分は、前方側ほど小径となるテーパ面53aとして形成されている。
したがってパーキングピストン103の前進作動時には、図4で示すように、ロックピストン104が前進することにより、該ロックピストン104の前端の挿入軸53の外周のテーパ面53aで各球体52,52…が押し上げられ、ケーシング102の内面のうちパーキングピストン後部摺動孔部101bおよびテーパ面53a間に各球体52,52…が挟まれることになる。この際、パーキングピストン103が後方側に後退しようとする力は、各球体52,52…を介してテーパ面53aに直角に作用することになり、軸方向後方に向けてロックピストン104に作用する分力が小さく抑えられるので、ロックピストン104を前進方向に付勢するばね114のばね力でパーキングピストン103の後退を阻止し得るようにしてパーキングブレーキ状態を得ることができ、しかも何らかの理由によってパーキングブレーキ状態でのパーキングピストン103の前後方向位置が変化しても、その位置変化に対応して確実にロック状態を維持することができる。
またパーキング解除用制御液圧をロックピストン104に作用せしめて該ロックピストン104を後退させることにより、パーキングブレーキ状態を解除することができる。
さらにパーキングピストン103およびロックピストン104間でケーシング102の内面には、テーパ面53aで押し上げられた前記各球体52,52…を圧接させ得るようにして保持筒51よりも大径に形成されるパーキングピストン後部摺動孔部101bと、保持筒51を挿入可能としてパーキングピストン後部摺動孔部101bよりも小径に形成されつつパーキングピストン後部摺動孔部101bよりも後方に配置されるロックピストン前部摺動孔部101cと、パーキングピストン後部摺動孔部101bおよびロックピストン前部摺動孔部101c間で前方に臨む環状の係止段部101fとが形成されるので、パーキングブレーキ状態でパーキングピストン103に後方に向けての過大な荷重が作用したとしても、係止段部101fに各球体52,52…が当接することでパーキングピストン103の後退を阻止することができ、パーキングブレーキ状態が不所望に解除されてしまうことを防止することができる。
またパーキングブレーキ状態では、パーキングピストン103がアジャスト機構82を介してブレーキピストン78に機械的に連接された状態となるので、ブレーキ液の温度変化による膨張・収縮にかかわらず、確実なパーキングブレーキ状態を維持することができる。
上記実施例では、ロック機構105がロック作動するときにロック要素である球体52…を挿入軸53の外周のテーパ面53との間に挟むようにしてケーシング102に設けられる大径孔部としてのパーキングピストン後部摺動孔部101bが、パーキングピストン103の後部を摺動可能に嵌合せしめる関係上、軸線方向いずれの位置でも内径が一定である円形孔として形成されていたが、本発明の他の実施例として、前記各球体52…を前記テーパ面53aとの間に挟むテーパ孔が、前方に向かうにつれて大径となるようにして、パーキングピストン103の後退限位置よりも後方でケーシングに設けられていてもよい。
このようにロック機構のロック作動時に挿入軸53のテーパ面53aと、ケーシングに設けられたテーパ孔の内面との間に球体52…を挟むようにすれば、パーキングピストン103が後方側に後退しようとする力は、各球体52…を介して、挿入軸53のテーパ面53aおよびケーシング側のテーパ孔の内面に直角に作用することになり、軸方向後方に向けてロックピストン104に作用する分力をより小さく抑えることができるので、ロックピストン104を前進方向に付勢する力をより小さく設定してもパーキングピストン103の後退を阻止するようにしてパーキングブレーキ状態を得ることができる。
また上記実施例では、ブレーキ液圧室80およびパーキング用制御液圧室106間にコントロール弁66A,66Bが介設され、ブレーキ液圧室80およびパーキング解除用制御液圧室109間が連通路115を介して連通されており、ブレーキ液圧室80、パーキング用制御液圧室106およびパーキング解除用制御液圧室109の液圧変化に応じて、パーキングピストン103およびロックピストン104を時間差をあけて作動せしめるよにしたが、そのような時間差をあけた作動をより確実なものとするために、前記連通路115に電磁開閉弁が設けられていてもよく、また前記コントロール弁66A,66Bに代えて、ブレーキ液圧室80およびパーキング用制御液圧室106間を連通する状態ならびにブレーキ液圧室80およびパーキング解除用制御液圧室109間を連通する状態を切り換える三方電磁弁を用いるようにしてもよい。
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
車両用ブレーキ装置の液圧回路図である。 非パーキングブレーキ時のディスクブレーキの縦断面図である。 図2の要部拡大図である。 パーキングブレーキ状態での図3に対応した断面図である。
符号の説明
10A,10B・・・液圧発生源としてのポンプ
51・・・保持筒
52・・・ロック要素としての球体
53・・・挿入軸
53a・・・テーパ面
66A,66B・・・液圧制御手段としてのコントロール弁
101b・・・大径孔部としてのパーキングピストン後部摺動孔部
101c・・・小径孔部としてのロックピストン前部摺動孔部
101f・・・係止段部
102・・・ケーシング
103・・・パーキングピストン
104・・・ロックピストン
105・・・ロック機構

Claims (2)

  1. 背面へのパーキング用制御液圧の作用に応じた前進作動によってパーキングブレーキ状態を得ることを可能としてケーシング(102)に摺動可能に嵌合されるパーキングピストン(103)と、該パーキングピストン(103)を前進位置で機械的にロックすべく前記パーキングピストン(103)の前進作動に応じて自動的にロック作動するとともにパーキング解除用制御液圧の作用に応じてロック解除作動するようにして前記パーキングピストン(103)よりも後方側で前記ケーシング(102)内に設けられるロック機構(105)と、液圧発生源(10A,10B)と、該液圧発生源(10A,10B)の発生液圧を制御して前記パーキング用制御液圧および前記パーキング解除用制御液圧を得ることを可能とした液圧制御手段(66A,66B)とを含み、前記ロック機構(105)は、少なくとも前記パーキングピストン(103)の前進作動時には前方に向けての付勢力が作用するようにして前記パーキングピストン(103)よりも後方側で前記ケーシング(102)に摺動可能に嵌合されるとともにパーキング解除用制御圧を後方に向けて作用せしめることを可能としたロックピストン(104)と、前記パーキングピストン(103)の後部に一体かつ同軸に連設された円筒状の保持筒(51)と、該保持筒(51)の周方向複数箇所に保持筒(51)の半径方向に沿う方向への移動を可能として保持されるロック要素(52)と、前記各ロック要素(52)に保持筒(51)の内方側から接触して前記各ロック要素(52)を前記ケーシング(102)の内面との間に挟むべく前記保持筒(51)に軸方向相対移動可能に挿入されるようにしてロックピストン(104)の前端に一体に連設される挿入軸(53)とを備え、該挿入軸(53)の外周面のうち少なくとも前記各ロック要素(52)に接触する部分は、前方側ほど小径となるテーパ面(53a)として形成されることを特徴とするパーキングブレーキ装置。
  2. 前記パーキングピストン(103)および前記ロックピストン(104)間で前記ケーシング(102)の内面には、前記テーパ面(53a)で押し上げられた前記各ロック要素(52)を圧接させ得るようにして前記保持筒(51)よりも大径に形成される大径孔部(101b)と、前記保持筒(51)を挿入可能として前記大径孔部(101b)よりも小径に形成されつつ大径孔部(101b)よりも後方に配置される小径孔部(101c)と、大径孔部(101b)および小径孔部(101C)間で前方に臨む環状の係止段部(101f)とが形成されることを特徴とする請求項1記載のパーキングブレーキ装置。
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