JP2005180610A - パーキングブレーキ装置 - Google Patents

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裕巳 稲垣
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Abstract

【課題】電力消費を伴わない簡単な構造で自動パーキングブレーキ状態を得ることができるようにする。
【解決手段】車輪ブレーキ2Aのパーキングブレーキ状態は、背面をパーキング用制御液圧室104に臨ませてケーシング102に摺動可能に嵌合されるパーキングピストン103の前進作動によって得られ、液圧源およびパーキング用制御液圧室104間には、パーキング解除用制御液圧室106に背面を臨ませるとともに後方に向けてばね付勢されてケーシング102に摺動可能に嵌合されるパーキング解除ピストン105が後退限にある状態ではパーキング用制御液圧室104側への流通のみを許容するとともにパーキング解除ピストン105が後退限から前進したときには強制的に開弁される一方向弁107が介装され、パーキング用制御液圧およびパーキング解除用制御液圧は、液圧源の発生液圧を液圧制御手段66Aによって制御することにより得られる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、車輪ブレーキをそのブレーキ作動状態でロックすることにより、パーキングブレーキ状態を得るようにしたパーキングブレーキ装置に関する。
このようなパーキングブレーキ装置は、たとえば特許文献1および特許文献2等で既に知られている。
特表平10−512947号公報 特表2000−504811号公報
ところで、上記特許文献1では、ブレーキピストンが、前部および後部ブレーキピストンに分割されるとともに、後部ブレーキピストンの前端に当接する伝達部材と、前部ブレーキピストンに固定される閉塞板との間にばねが縮設され、前部ブレーキピストンの後方でブレーキキャリパの内面に刻設される内歯に噛合し得るラッチが、前記伝達部材が後部ブレーキピストンの前端に当接した状態では内歯に係合するものの伝達部材が後部ブレーキピストンの前端から前方に相対移動移動したときにはばね付勢力で内歯との係合を解除するようにしてブレーキキャリパ内に収納され、前記後部ブレーキピストンには、伝達部材を後部ブレーキピストンに対して軸方向に相対移動させ得る補助ピストンが摺動自在に嵌合されている。しかるにブレーキキャリパの内面に内歯を刻設せねばならず、またブレーキピストンを前部および後部ブレーキピストンに分割しつつラッチをブレーキキャリパ内に収納するようにしているので、ブレーキキャリパ内の構造が複雑となる。
また上記特許文献2では、ブレーキピストンに前端部が固定的に連結される調整ボルトに調整ナットが螺合され、この調整ナットをケーシングに摩擦係合させる電磁力を発揮する電磁石が前記調整ナットの後方でブレーキキャリパ内に配設されており、パーキングブレーキ状態を得るときには、ブレーキ液圧をブレーキピストンに作用せしめた状態で前記電磁石により調整ナットをケーシングに摩擦係合させることにより、ブレーキピストンの後退を阻止するようにしている。しかるに電磁石をブレーキキャリパ内に収納させる必要があり、構造が複雑となるだけでなく、パーキングブレーキ状態では電磁石の巻線への通電状態を維持する必要があるので、消費電力量が多くなる。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、電力消費を伴わない簡単な構造でパーキングブレーキ状態を得ることができるようにしたパーキングブレーキ装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、車輪ブレーキと、前進作動によって前記車輪ブレーキのパーキングブレーキ状態を得ることを可能としつつ背面をパーキング用制御液圧室に臨ませてケーシングに摺動可能に嵌合されるパーキングピストンと、液圧源と、パーキング解除用制御液圧室に背面を臨ませるとともに後方に向けてばね付勢されて前記ケーシングに摺動可能に嵌合されるパーキング解除ピストンと、該パーキング解除ピストンが後退限にある状態では前記パーキング用制御液圧室側への流通のみを許容するとともに前記パーキング解除ピストンが後退限から前進したときには強制的に開弁されるようにして前記パーキング用制御液圧室および前記液圧源間に介装される一方向弁と、前記液圧源の発生液圧を制御して前記パーキング用制御液圧室に作用せしめるパーキング用制御液圧ならびに前記パーキング解除用制御液圧室に作用せしめるパーキング解除用制御液圧を得ることを可能とした液圧制御手段とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、液圧源の発生液圧を液圧制御手段で制御することによって、パーキングピストンの背面が臨むパーキング用制御液圧室にパーキング用制御液圧を作用させると、パーキングブレーキ状態を自動的に得ることができ、パーキング用制御液圧室の液圧は一方向弁の働きによって維持されるので、パーキングピストンの前進位置をロックすることができる。またパーキングブレーキ状態を解除するときには、パーキング解除ピストンの背面が臨むパーキング解除用制御液圧室にパーキング解除用制御液圧を作用せしめた後に、液圧源の作動を停止すればよく、パーキング解除用ピストンの前進によって一方向弁が強制的に開弁するので、パーキング用制御液圧室の液圧を解放することでパーキングピストンを後退せしめ、パーキングブレーキ状態を解除することが可能であり、パーキングブレーキ状態では電力消費を伴わない簡単な構造でパーキングブレーキ状態を自動的に得ることができる。
以下、本発明の実施の形態を、添付の図面に示した本発明の一実施例に基づいて説明する。
図1および図2は本発明の一実施例を示すもので、図1は車両用ブレーキ装置の液圧回路図、図2は非パーキングブレーキ時のディスクブレーキの縦断面図である。
先ず図1において、タンデム型のマスタシリンダMは、車両運転者がブレーキペダルPに加える踏力に応じたブレーキ液圧を発生する第1および第2出力ポート1A,1Bを備えており、第1出力ポート1Aは第1出力液圧路3Aに接続され、第2出力ポート1Bは第2出力液圧路3Bに接続される。
第1出力液圧路3Aは、常開型電磁弁であるカット弁17Aを介して第1液圧路20Aに接続され、第2出力液圧路3Bは、常開型電磁弁であるカット弁17Bを介して第2液圧路20Bに接続される。
第1液圧路20Aは、常開型電磁弁である入口弁6Aを介してパーキングブレーキ機構付きディスクブレーキである左前輪用車輪ブレーキ2Aに接続されるとともに、常開型電磁弁である入口弁6Bを介してディスクブレーキである右後輪用車輪ブレーキ2Bに接続される。また第2液圧路20Bは、常開型電磁弁である入口弁6Cを介してパーキングブレーキ機構付きディスクブレーキである右前輪用車輪ブレーキ2Cに接続されるとともに、常開型電磁弁である入口弁6Dを介してディスクブレーキである左後輪用車輪ブレーキ2Dに接続される。さらに各入口弁6A〜6Dにはチェック弁7A〜7Dがそれぞれ並列に接続される。
第1液圧路20Aに対応した第1リザーバ8Aと左前輪用車輪ブレーキ2Aおよび右後輪用車輪ブレーキ2Bとの間には常閉型電磁弁である出口弁9A,9Bがそれぞれ設けられ、第2液圧路20Bに対応した第2リザーバ8Bと右前輪用車輪ブレーキ2Cおよび左後輪用車輪ブレーキ2Dとの間には常閉型電磁弁である出口弁9C,9Dがそれぞれ設けられる。
第1および第2リザーバ8A,8Bは、共通な電動モータ11で駆動される第1および第2ポンプ10A,10Bの吸入側にそれらのポンプ10A,10B側へのブレーキ液の流通を許容する一方向弁19A,19Bを介して接続される。また前記第1および第2出力液圧路3A,3Bは、常閉型電磁弁であるサクション弁18A,18Bを介して第1および第2ポンプ10A,10Bおよび前記一方向弁19A,19B間に接続され、第1および第2液圧路20A,20Bは第1および第2ダンパ13A,13Bを介して第1および第2ポンプ10A,10Bの吐出側に接続される。
各車輪がロックを生じる可能性のない通常ブレーキ時には、各入口弁6A〜6Dが消磁、開弁状態とされるとともに各出口弁9A〜9Dが消磁、閉弁状態とされ、マスタシリンダMの第1出力ポート1Aから出力されるブレーキ液圧は入口弁6A,6Bを介して左前輪および右後輪用車輪ブレーキ2A,2Bに作用する。またマスタシリンダMの第2出力ポート1Bから出力されるブレーキ液圧は、入口弁6C,6Dを介して右前輪用および左後輪用車輪ブレーキ2C,2Dに作用する。
上記ブレーキ中に車輪がロック状態に入りそうになったときには入口弁6A〜6Dのうちロック状態に入りそうになった車輪に対応する入口弁が励磁、閉弁されるとともに、出口弁9A〜9Dのうち上記車輪に対応する出口弁が励磁、開弁される。これにより、ロック状態に入りそうになった車輪のブレーキ液圧の一部が第1リザーバ8Aまたは第2リザーバ8Bに吸収され、ロック状態に入りそうになった車輪のブレーキ液圧が減圧されることになる。
またブレーキ液圧を一定に保持する際には、入口弁6A〜6Dが励磁、閉弁されるとともに出口弁9A〜9Dが消磁、閉弁されることになり、さらにブレーキ液圧を増圧する際には、入口弁6A〜6Dが消磁、開弁状態とされるともに、出口弁9A〜9Dが消磁、閉弁状態とされればよい。
このように各入口弁6A〜6Dおよび各出口弁9A〜9Dの消磁・励磁を制御することにより、車輪をロックさせることなく、効率良く制動することができる。
ところで、上述のようなアンチロックブレーキ制御中に、電動モータ11は回転作動し、この電動モータ11の作動に伴って第1および第2ポンプ10A,10Bが駆動されるので、第1および第2リザーバ8A,8Bに吸収されたブレーキ液は、第1および第2ポンプ10A,10Bに吸入され、次いで第1および第2ダンパ13A,13Bを経て第1および第2出力液圧路3A,3Bに還流される。このようなブレーキ液の還流によって、第1および第2リザーバ8A,8Bのブレーキ液の吸収によるブレーキペダルPの踏み込み量の増加を防ぐことができる。しかも第1および第2ポンプ10A,10Bの吐出圧の脈動は第1および第2ダンパ13A,13Bの働きにより抑制され、上記還流によってブレーキペダルPの操作フィーリングが阻害されることはない。
而してサクション弁18A,18Bを励磁、開弁するとともにカット弁17A,17Bを励磁、閉弁した状態で電動モータ11を作動せしめることにより、第1および第2ポンプ10A,10Bが、マスタシリンダM側からブレーキ液を吸入して加圧したブレーキ液を前記第1および第2液圧路20A,20Bに吐出することになる。
また左前輪および右前輪用車輪ブレーキ2A,2Cには、ブレーキ液圧を検出するための圧力センサ15A,15Bが接続される。
図2において、パーキングブレーキ機構付きディスクブレーキである左前輪用車輪ブレーキ2Aでは、車輪とともに回転するブレーキディスク71の両側に第1摩擦パッド72および第2摩擦パッド73が対向して配置される。これらの第1および第2摩擦パッド72,73は、ブレーキディスク71に当接可能なライニング72a,73aと、ライニング72a,73aの背面に固定された裏板72b,73bとで構成されるものであり、車体に固定されたブラケット74に、前記裏板72b,73bがブレーキピストン78の軸線方向に移動自在に支持される。またブラケット74には、第1および第2摩擦パッド72,73を跨ぐブレーキキャリパ75が前記ブレーキピストン78の軸線方向に移動自在に支持される。
ブレーキキャリパ75は、第1摩擦パッド72の裏板72bに対向する第1挟み腕75aと、第2摩擦パッド73の裏板73bに対向する第2挟み腕75bとを備えており、第1および第2挟み腕75a,75bはブレーキディスク71の外周部を通る架橋部75cにより一体に連結される。第1挟み腕75aにはシリンダ孔76が設けられており、このシリンダ孔76にカップ状のブレーキピストン78がシール部材77を介して摺動自在に嵌合される。第1摩擦パッド72の裏板72bに当接可能に対向するブレーキピストン78の先端部はベローズ状のダストカバー79によってシリンダ孔76の開口端に接続され、またブレーキピストン78の背面を臨ませるブレーキ液圧室80が第1挟み腕75a内に形成され、このブレーキ液圧室80は、第1挟み腕75aに設けられるポート81を介して入口弁6Aに接続される。
前記ブレーキキャリパ75の第1挟み腕75a内には、アジャスト機構82が設けられるものであり、このアジャスト機構82は、ブレーキピストン78に相対回転不能に連結されて前記ブレーキ液圧室80に収納される調整ナット83と、該調整ナット83に前端部が螺合される調整ボルト84と、前記ブレーキ液圧室80の後部に配置されるとともに軸線まわりの回転を不能としつつ軸線方向の移動を可能としてブレーキキャリパ75に液密にかつ摺動自在に嵌合される中継ピストン85と、前記調整ボルト84の後部に一体にかつ同軸に連設されて前記中継ピストン85に液密にかつ摺動自在に嵌合されるとともに前記中継ピストン85に摩擦係合する方向に弾発付勢される小ピストン86とを備える。
ブレーキキャリパ75の第1挟み腕75aにおいてブレーキディスク71とは反対側の端部にはシリンダ孔76よりも小径の中継シリンダ孔87が同軸に設けられており、段付きの中継ピストン85の後部が、その前部をシリンダ孔76の後部に挿入しつつシール部材88を介して中継シリンダ孔87に摺動自在に嵌合される。しかもブレーキキャリパ75および中継ピストン85には、シリンダ孔76および中継シリンダ孔87と平行な軸線を有してシリンダ孔76の軸線からオフセットした位置に配置される規制ピン89の両端部が嵌合される。これにより中継ピストン85は、シリンダ孔76および中継シリンダ孔87と同軸の軸線まわりに回転することが阻止されるとともに前記軸線に沿う方向への移動を可能としてブレーキキャリパ75に支承されることになる。
中継ピストン85には、テーパ状のクラッチ面90を前端開口部に備える小シリンダ孔91が同軸に設けられる。一方、調整ボルト84の後部には、前記クラッチ面90に摩擦係合し得る可動クラッチ体92と、前記小シリンダ孔91に液密にかつ摺動自在に嵌合する小ピストン86とが同軸にかつ一体に連設される。
シリンダ孔76の内面に装着されたクリップ94に係合支持されるリテーナ95には、可動クラッチ体92を中継ピストン85のクラッチ面90に摩擦係合させるばね力を発揮するクラッチばね93の一端が当接され、該クラッチばね93の他端は、ボールベアリング96を介して可動クラッチ体92に当接する。
調整ナット83および調整ボルト84は、ピッチの粗い複数条のねじ山およびねじ溝を有する早ねじ97により噛み合っている。調整ナット83をブレーキピストン78側に付勢するばね力を発揮するオーバーアジャスト防止ばね98の一端が調整ナット83に当接され、ブレーキピストン78の内面に装着されたクリップ99に係合支持されるリテーナ100に前記オーバーアジャスト防止ばね98の他端が当接、支持される。
調整ナット83およびブレーキピストン78は、それらの当接部の凹凸係合により相対回転不能であり、かつ第1摩擦パッド72の裏板72bおよびブレーキピストン78は、それらの凹凸係合により相対回転不能である。
このようなアジャスト機構82では、通常ブレーキ時にブレーキ液圧室80に液圧が供給されると、その液圧を受けたブレーキピストン78がシール部材77を弾性変形させながらシリンダ孔76内を図2の左側に移動し、第1摩擦パッド72をブレーキディスク71の一側面に押し付けると、その反作用でブレーキキャリパ75がブレーキピストン78の移動方向と逆方向の右側に移動し、第2挟み腕75bが第2摩擦パッド73をブレーキディスク71の他側面に押し付ける。その結果、第1および第2摩擦パッド72,73がブレーキディスク71の両面に均等な面圧で当接し、車輪を制動するブレーキ力が発生する。
上記ブレーキ中に、ブレーキ液圧室80に供給された液圧は、調整ナット83には軸線方向の荷重を発生させることはないが、調整ナット83に噛み合う調整ボルト84と一体の可動クラッチ体92には、小ピストン86の断面積に前記液圧を乗算した大きさの右向きの荷重を発生させ、その荷重に応じた摩擦係合力が可動クラッチ体92および中継ピストン85のクラッチ面90間に作用する。
ところで、通常ブレーキ時にはブレーキ液圧室80に作用する液圧は比較的低いため、可動クラッチ体92および中継ピストン85間に作用する摩擦係合力も比較的小さい。このため第1および第2摩擦パッド72,73のライニング72a,73aの摩耗の進行に伴ってブレーキピストン78が前進すると、調整ナット83はオーバーアジャスト防止ばね98の弾発力によりブレーキピストン78と共に前進し、調整ナット83に噛み合う調整ボルト84と一体の可動クラッチ体92が、ブレーキ液圧室80に作用する液圧およびクラッチばね93の弾発力に抗して中継ピストン85のクラッチ面90から引き離される。
可動クラッチ体92が中継ピストン85のクラッチ面90から離れると、可動クラッチ体92に作用する液圧およびクラッチばね93の弾発力で右向きに付勢された調整ボルト84は、回転不能な調整ナット83に対して早ねじ97において相対回転しながら右向きに移動し、可動クラッチ体92が中継ピストン85のクラッチ面90に再び係合する。このとき、クラッチばね93との間に配置したボールベアリング96の作用で可動クラッチ体92のスムーズな回転が可能になる。
このようにして、第1および第2摩擦パッド72,73におけるライニング72a,73aの摩耗が進行するに伴い、その摩耗量を補償するように調整ボルト84に対して調整ナット83が左側に相対移動するため、非制動時における第1および第2摩擦パッド72,73のライニング72a,73aとブレーキディスク71とのクリアランスを自動的に一定に保つことができる。
ブレーキ状態を解除すべくブレーキ液圧室80に作用する液圧を減圧すると、シール部材77の変形復元力でブレーキピストン78は後退するが、その後退力が調整ナット83および調整ボルト84を介して可動クラッチ体92を中継ピストン85のクラッチ面90に係合させるため、調整ナット83に対する調整ボルト84の相対回転が規制される。したがってブレーキピストン78は調整ナット83および調整ボルト84間のバックラッシュ分のストロークしか後退することができず、第1および第2摩擦パッド72,73と、ブレーキディスク71との間には前記バックラッシュ分の適正なクリアランスが与えられる。
また強力な制動が行われた場合には、ブレーキ液圧室80の液圧がブレーキキャリパ75を変形させるような所定値に上昇するまで上記自動調整が行われ、その液圧が前記所定値を超えると、可動クラッチ体92が中継ピストン85のクラッチ面90に液圧で強く押し付けられるため、可動クラッチ体92および中継ピストン85が相対回転不能に結合される。その結果、調整ボルト84が回転不能に拘束され、もともと回転不能な調整ナット83は調整ボルト84上に留まるため、液圧によるブレーキキャリパ75の弾性変形に伴ってブレーキピストン78が更に前進すると、オーバーアジャスト防止ばね98を圧縮しつつ、調整ナット83を残してブレーキピストン78だけが前進する。このようにして、強力な制動が行われた場合の調整ナット83および調整ボルト84間のオーバーアジャストが防止される。
ブレーキキャリパ75の第1挟み腕75aには、ブレーキディスク71とは反対側に延びるケーシング102が一体に連設されており、このケーシング102には、背面をパーキング用制御液圧室104に臨ませるパーキングピストン103と、パーキング解除用制御液圧室106に背面を臨ませるとともに後方に向けてばね付勢されるパーキング解除ピストン105とが摺動可能に嵌合されるとともに、一方向弁107が配設される。
前記ケーシング102には、前記ブレーキキャリパ75のシリンダ孔76と同軸の第1摺動孔108と、第1摺動孔108の後方で同軸に配置される第2摺動孔109と、第1および第2摺動孔108,109間を隔てる隔壁110とが設けられる。
第1摺動孔108には、隔壁110との間にパーキング用制御液圧室104を形成するパーキングピストン103がその背面を前記パーキング用制御液圧室104に臨ませるようにして摺動可能に嵌合される。このパーキングピストン103は、前記パーキング用制御液圧室104へのパーキング用制御液圧の作用に応じた前進作動によってパーキングブレーキ状態を得ることを可能とするものであり、該パーキングピストン103の前端中央部には、前記中継ピストン85に後方から当接して押圧するための押圧ロッド103aが一体にかつ同軸に連設される。
第2摺動孔109は、隔壁110側の前部摺動孔部109aと、前部摺動孔部109aよりも大径に形成されて前部摺動孔部109aの後端に同軸に連なる後部摺動孔部109bと、前部および後部摺動孔部109a,109b間に挟まれて後方に臨む環状の段部109cとを有し、後部摺動孔部109bの後端はケーシング102の後端壁102aで閉じられる。
パーキング解除ピストン105は、第2摺動孔109の前部摺動孔部109aに摺動可能に嵌合される小径部105aと、第2摺動孔109の後部摺動孔109bに摺動可能に嵌合される大径部105bとを一体に備えるものであり、ケーシング102の後端壁102aとの間にパーキング解除用制御液圧室106を形成するパーキング解除ピストン105がその背面すなわち大径部105bの後端面を前記パーキング解除用制御液圧室106に臨ませるようにして第2摺動孔109に摺動可能に嵌合される。
またパーキング解除ピストン105の前端面すなわち小径部105aの前端面および隔壁110間には中継室111が形成され、この中継室111には、隔壁110およびパーキング解除ピストン105間に介装される戻しばね112が、パーキング解除ピストン105を後方に向けて付勢するばね力を発揮するようにして収納される。またパーキング解除ピストン105における小径部105aおよび大径部105bの連設部およびケーシング102間には、外部に開放した環状の開放室113が形成される。さらにパーキング解除ピストン105における小径部105aおよび大径部105bの外周には、前記開放室113を両側から挟むようにして環状のシール部材114,115が装着される。
一方向弁107は、前記パーキング解除ピストン105が後退限にある状態ではパーキング用制御液圧室104側への流通のみを許容するとともに前記パーキング解除ピストン105が後退限から前進したときには強制的に開弁されるようにしてパーキング用制御液圧室104および前記中継室111間に介装される。
この一方向弁107は、前記中継室111に通じるようにして隔壁110に設けられる弁孔116を開閉可能な球状の弁体117と、前記弁孔116を閉じる側に弁体117を付勢する弁ばね118と、該弁ばね118のばね力に抗して前記弁体117を開弁側に押圧することを可能としてパーキング解除ピストン105の前端中央部に一体かつ同軸に設けられる押圧ロッド105cとを備える。
隔壁110には、パーキング用制御液圧室104に通じる弁室119が設けられるとともに、該弁室119に臨むテーパ状の弁座120が前記弁孔116を中央部に開口させるようにして設けられ、前記弁体117は弁座120に着座し得るようにして弁室119に収容され、前記弁ばね118は、隔壁110および弁体117間に介装されるようにして弁室119に収容される。しかも押圧ロッド105cは、弁孔116に緩く挿通可能な外径を有するように形成される。
このような一方向弁107は、パーキング解除ピストン105が図2で示すように後退限にあるときには、中継室111の液圧が弁室119すなわちパーキング用制御液圧室106の液圧よりも所定圧以上高くなるのに応じて開弁し、中継室111からパーキング用制御液圧室106側へのブレーキ液の流通を許容するが、パーキング用制御液圧室106から中継室111側へのブレーキ液の流通を阻止するように作動する。一方、パーキング解除ピストン105が図2で示す後退限から前進すると、弁孔116に緩く挿通される押圧ロッド105cによって弁体117が弁座120から離座するように押し上げられるので、一方向弁107は、強制的に開弁されることになる。
ところでパーキング用制御液圧室104に作用せしめるパーキング用制御液圧ならびにパーキング解除用制御液圧室106に作用せしめるパーキング解除用制御液圧は、液圧源として機能し得る第1ポンプ10AもしくはマスタシリンダMの発生液圧を液圧制御手段66Aで制御することにより得られるものであり、この液圧制御手段66Aは、入口弁6Aおよび中継室111間に介装される第1常閉型電磁弁67と、前記入口弁6Aおよびパーキング解除用制御液圧室106間に介装される第2常閉型電磁弁68とを備える。
パーキングブレーキ状態を得るときには、電動モータ11により第1ポンプ10Aを駆動し、カット弁17Aを励磁、閉弁するとともにサクション弁18Aを励磁、開弁し、さらに第2常閉型電磁弁68を消磁、閉弁した状態で第1常閉型電磁弁67を励磁、開弁する。これによりブレーキ液圧室80にブレーキ液圧を作用させるとともに、一方向弁107を介してパーキング用制御液圧室104にパーキング用制御液圧を作用させることで、ブレーキピストン78およびパーキングピストン103を前進せしめ、次いで、電動モータ11による第1ポンプ10Aの駆動を停止し、カット弁17Aを消磁、開弁するとともにサクション弁18Aを消磁、閉弁し、第1常閉型電磁弁67を消磁、閉弁状態に戻す。そうするとパーキング制御液圧室104の液圧が保持され、前進したパーキングピストン103の押圧ロッド103dで中継ピストン85が前進した状態が保持されることになり、通常ブレーキ時と同様に、第1、第2摩擦パッド72,73のライニング72a,73aをブレーキディスク71の両面に押し付けて制動力を発生させるようにしてパーキングブレーキ状態を得ることができる。
このパーキングブレーキ状態を得る過程で中継ピストン85および可動クラッチ体92はパーキングピストン103による押圧力で相対回転不能に摩擦係合するため、調整ボルト84および調整ナット83の相対回転が規制される。したがって左前輪用車輪ブレーキ2Aがパーキングブレーキとして機能するときには、アジャスト機構82による上記自動調整は行われない。
また通常ブレーキ操作中にパーキングブレーキ状態を得るときには、圧力センサ15Aの検出値が充分に高いときには、電動モータ11による第1ポンプ10Aの駆動を行なわず、しかもカット弁17Aを消磁、開弁するとともにサクション弁18Aを消磁、閉弁した状態で第1常閉型電磁弁67を励磁、開弁すればよく、また圧力センサ15Aの検出値が低いときには、電動モータ11による第1ポンプ10Aの駆動を実行しつつカット弁17Aを励磁、閉弁するとともにサクション弁18Aを励磁、開弁し、第1常閉型電磁弁67を励磁、開弁すればよく、さらに圧力センサ15Aの検出値にかかわらず、電動モータ11による第1ポンプ10Aの駆動を実行しつつカット弁17Aを励磁、閉弁するとともにサクション弁18Aを励磁、開弁し、第1常閉型電磁弁67を励磁、開弁するようにしてもよい。
パーキングブレーキ状態を解除するときには、電動モータ11により第1ポンプ10Aを駆動するとともに、カット弁17Aを励磁、閉弁するとともにサクション弁18Aを励磁、開弁し、第1および第2常閉型電磁弁67,68を励磁、開弁する。そうすると、パーキング解除用制御液圧室106の液圧が上昇し、パーキング解除ピストン105の前進作動によって一方向弁107が強制的に開弁される。
次いで第1設定時間経過後に、第2常閉型電磁弁68を消磁、閉弁するとともに第1ポンプ10Aの作動を停止すると、一方向弁107が強制閉弁状態にあるので、パーキング用制御液圧室104の液圧が低下することにより、パーキングピストン103に作用している前進方向の押圧力よりも、小ピストン86に作用する後退方向の液圧力およびクラッチばね93の合力が大きくなってパーキングピストン103が後退し、パーキングブレーキ状態が解除されることになる。さらに第2設定時間経過後に、第2常閉型電磁弁68を励磁、開弁することにより、パーキング解除用制御液圧室106の液圧を開放することによりパーキング解除ピストン105が戻しばね112のばね力によって後退作動する。
右前輪用車輪ブレーキ2Cは、上述の左前輪用車輪ブレーキ2Aと同様に構成されており、右前輪用車輪ブレーキ2Cのパーキングブレーキ状態を得るときには、サクション弁18Bを励磁、開弁するとともにカット弁17Bを励磁、閉弁した状態で電動モータ11を作動せしめることにより、第2ポンプ10Bを液圧源として機能させたり、マスタシリンダMを液圧源として機能させたりした状態で、液圧制御手段66Bを制御するようにすればよい。
次にこの実施例の作用について説明すると、左前輪用車輪ブレーキ2Aおよび右前輪用車輪ブレーキ2Cのパーキングブレーキ状態は、背面をパーキング用制御液圧室104に臨ませてケーシング102に摺動可能に嵌合されるパーキングピストン103の前進作動によって得られるものであり、液圧源である第1および第2ポンプ10A,10BもしくはマスタシリンダMと、前記パーキング用制御液圧室104との間には、パーキング解除用制御液圧室106に背面を臨ませるとともに後方に向けてばね付勢されてケーシング102に摺動可能に嵌合されるパーキング解除ピストン105が後退限にある状態ではパーキング用制御液圧室104側への流通のみを許容するとともにパーキング解除ピストン105が後退限から前進したときには強制的に開弁される一方向弁107が介装されており、パーキング用制御液圧室104に作用せしめるパーキング用制御液圧ならびにパーキング解除用制御液圧室106に作用せしめるパーキング解除用制御液圧は、液圧源である第1および第2ポンプ10A,10BもしくはマスタシリンダMの発生液圧を液圧制御手段66A,66Bによって制御することにより得られるものである。
したがって第1および第2ポンプ10A,10BもしくはマスタシリンダMの発生液圧を液圧制御手段66A,66Bによって制御することによって、パーキングピストン103の背面が臨むパーキング用制御液圧室104にパーキング用制御液圧を作用させると、パーキングブレーキ状態を自動的に得ることができ、パーキング用制御液圧室104の液圧は一方向弁の働きによって維持されるので、パーキングピストン103の前進位置をロックすることができる。
またパーキングブレーキ状態を解除するときには、パーキング解除ピストン105の背面が臨むパーキング解除用制御液圧室106にパーキング解除用制御液圧を作用せしめた後に、第1および第2ポンプ10A,10BもしくはマスタシリンダMの作動を停止すればよく、パーキング解除用ピストン105の前進によって一方向弁107が強制的に開弁するので、パーキング用制御液圧室104の液圧を解放することでパーキングピストン103を後退せしめ、パーキングブレーキ状態を解除することが可能であり、パーキングブレーキ状態では電力消費を伴わない簡単な構造でパーキングブレーキ状態を自動的に得ることができる。
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
車両用ブレーキ装置の液圧回路図である。 非パーキングブレーキ時のディスクブレーキの縦断面図である。
符号の説明
2A,2C・・・車輪ブレーキ
10A,10B・・・液圧源としてのポンプ
66A,66B・・・液圧制御手段
102・・・ケーシング
103・・・パーキングピストン
104・・・パーキング用制御液圧室
105・・・パーキング解除ピストン
106・・・パーキング解除用制御液圧室
107・・・一方向弁
M・・・液圧源としてのマスタシリンダ

Claims (1)

  1. 車輪ブレーキ(2A,2C)と、前進作動によって前記車輪ブレーキ(2A,2C)のパーキングブレーキ状態を得ることを可能としつつ背面をパーキング用制御液圧室(104)に臨ませてケーシング(102)に摺動可能に嵌合されるパーキングピストン(103)と、液圧源(M,10A,10B)と、パーキング解除用制御液圧室(106)に背面を臨ませるとともに後方に向けてばね付勢されて前記ケーシング(102)に摺動可能に嵌合されるパーキング解除ピストン(105)と、該パーキング解除ピストン(105)が後退限にある状態では前記パーキング用制御液圧室(104)側への流通のみを許容するとともに前記パーキング解除ピストン(105)が後退限から前進したときには強制的に開弁されるようにして前記パーキング用制御液圧室(104)および前記液圧源(M,10A,10B)間に介装される一方向弁(107)と、前記液圧源(M,10A,10B)の発生液圧を制御して前記パーキング用制御液圧室(104)に作用せしめるパーキング用制御液圧ならびに前記パーキング解除用制御液圧室(106)に作用せしめるパーキング解除用制御液圧を得ることを可能とした液圧制御手段(66A,66B)とを備えることを特徴とするパーキングブレーキ装置。
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