JP2005180394A - 車両用消音器の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 アウタシェルの開口部および該開口部を閉塞するアウタプレートの組み付け部の断面形状および寸法を正確に形成することなしに、組み付け部が異径断面の場合においてもアウタシェルの開口部に対するアウタープレート組み付け部の全周を隙間なく密着させることができ、これにより、製造コストの低減化が可能な車両用消音器の製造方法の提供。
【解決手段】 アウタシェル1の筒状開口縁部の外周に、該筒状開口縁部の外径より大き目の内径に形成されたアウタプレート2の筒部22を装着し、外側となるアウタプレート2の筒部22を縮径させることにより内側となるアウタシェル1の筒状開口縁部の外周面に密着させ、該密着部の全周をレーザ溶接により接続一体化させる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、車両用消音器の製造方法に関し、特に、アウタシェルに対するアウタプレートの組み付け固定方法の改良に関する。
従来、車両用消音器の製造方法としては、例えば、図4に示すように、中組みアッセンブリ品101に板材を巻き付けて筒状のアウタシェル102を形成する一方、該筒状のアウタシェル102の開口縁部内に圧入可能な筒部103aを備えたアウタプレート103を形成し、該アウタプレート103の筒部103aをアウタシェル102の開口縁部内に圧入した後、アウタシェル102とアウタプレート103aの重合部の全周をレーザ溶接により溶接一体化させるようにした製造方法が知られている。
そして、この従来の製造方法では、アウタシェル102の開口縁部内に対する筒部103aの圧入作業を容易にするために、図5の(イ)〜(チ)に示すようにアウタシェル102の開口縁部またはアウタプレート103における筒部103aの開口縁部にテーパ部t1を形成し、また、アウタシェル102に対する筒部103aの圧入長さを規制するために、図5の(ハ)、(ヘ)〜(チ)に示すように、アウタシェル102の途中またはアウタプレート103における筒部103aの途中にテーパ状の環状段部t2を形成するようにしている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2003−113714号公報 (明細書3頁、図3)
しかしながら、従来の製造方法では、アウタシェル102の開口縁部内にアウタプレート103の筒部103aを圧入することによって隙間ができないように構成したものであったため、アウタプレート103の筒部103aとアウタシェル102との嵌合部における断面形状および寸法として、予め設定された締め代もって正確に形成しておく必要があるため、多くの手間がかかってコスト高になるという問題があると共に、圧入に要する荷重(圧入荷重)が極めて高くなることから、圧入時に変形して圧入がうまくいかなくなる虞があるという問題がある。
また、アウタシェル102の開口断面が扁平形状等の異径断面である場合には、圧入荷重は主に小R部に掛かるため、小R部は互いに密着するが、大R部では密着しにくくなって隙間ができ易くなるという問題がある。
本発明の解決しようとする課題は、アウタシェルの開口部および該開口部を閉塞するアウタプレートの組み付け部の断面形状および寸法を正確に形成することなしに、組み付け部が異径断面の場合においてもアウタシェルの開口部に対するアウタープレート組み付け部の全周を隙間なく密着させることができ、これにより、製造コストの低減化が可能な車両用消音器の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため請求項1記載の車両用消音器の製造方法は、アウタシェルの筒状開口縁部に対しアウタプレートの外周に形成された筒部を装着し、該装着部における前記アウタプレートの筒部と前記アウタシェルの筒状開口縁部のうち、外側となる方を縮径させることにより内側となる方に密着させ、該密着部を溶接により接続一体化させるようにしたことを特徴とする手段とした。
請求項2記載の車両用消音器の製造方法は、アウタシェルの筒状開口縁部に対しアウタプレートの外周に形成された筒部を装着し、該装着部における前記アウタプレートの筒部と前記アウタシェルの筒状開口縁部のうち、内側となる方を拡径させることにより外側となる方に密着させ、該密着部を溶接により接続一体化させるようにしたことを特徴とする手段とした。
請求項3記載の車両用消音器の製造方法は、請求項1または2に記載の車両用消音器の製造方法において、前記密着部の全周をレーザ溶接により接続一体化させるようにしたことを特徴とする手段とした。
請求項4記載の車両用消音器の製造方法は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用消音器の製造方法において、前記アウタプレートの筒部がアウタシェルの筒状開口縁部の外側になるように装着するようにしたことを特徴とする手段とした。
請求項1記載の車両用消音器の製造方法では、上述のように、アウタシェルの筒状開口縁部に対しアウタプレートの外周に形成された筒部を装着し、該装着部におけるアウタプレートの筒部とアウタシェルの筒状開口縁部のうち、外側となる方を縮径させることにより内側となる方に密着させ、該密着部を溶接により接続一体化させるようにしたことで、アウタシェルの開口部および該開口部を閉塞するアウタプレートの組み付け部の断面形状および寸法を正確に形成することなしに、アウタシェルの開口部に対するアウタープレート組み付け部の全周を隙間なく密着させることができるようになり、これにより、製造が容易でコストの低減化が可能になるという効果が得られる。
また、組み付け部が異径断面の場合においても、外側となる方を縮径させることにより組み付け部の全周を隙間なく密着させることができるようになるため、アウタシェルにおける断面形状の設計自由度を高めることができるようになる。
請求項2記載の車両用消音器の製造方法では、アウタシェルの筒状開口縁部に対しアウタプレートの外周に形成された筒部を装着し、該装着部における前記アウタプレートの筒部と前記アウタシェルの筒状開口縁部のうち、内側となる方を拡径させることにより外側となる方に密着させ、該密着部を溶接により接続一体化させるようにしたことで、アウタシェルの開口部および該開口部を閉塞するアウタプレートの組み付け部の断面形状および寸法を正確に形成することなしに、アウタシェルの開口部に対するアウタープレート組み付け部の全周を隙間なく密着させることができるようになり、これにより、製造が容易でコストの低減化が可能になるという効果が得られる。
また、組み付け部が異径断面の場合においても、内側となる方を拡径させることにより組み付け部の全周を隙間なく密着させることができるようになるため、アウタシェルにおける断面形状の設計自由度を高めることができるようになる。
請求項3記載の車両用消音器の製造方法では、上述のように、前記密着部の全周をレーザ溶接により接続一体化させるようにしたことで、アウタシェルの開口部に対するアウタープレート組み付け部の全周を隙間なく確実に密着させることができるようになる。
請求項4記載の車両用消音器の製造方法では、上述のように、前記アウタプレートの筒部がアウタシェルの筒状開口縁部の外側になるように装着するようにしたことで、アウタプレートを装着した際にアウタシェルの開口端面がアウタプレートの本体部に当接することで位置決めされた状態となるもので、これにより、組み付け作業性と組み付け位置の正確性を高めることができるようになる。
以下にこの発明の実施例を図面に基づいて説明する。
この実施例1の車両用消音器の製造方法は、請求項1、3、4に記載の発明に対応する。
まず、この実施例1の車両用消音器の製造方法を図面に基づいて説明する。
図1はこの実施例1の車両用消音器の製造方法が適用された消音器を示す縦断面図、図2はこの実施例1の車両用消音器の製造方法を示す工程説明図である。 この車両用消音器の製造方法が適用された消音器は、アウタシェル1と、アウタプレート2、2と、中組みアッセンブリ品3とを主な構成として備えている。
さらに詳述すると、前記アウタシェル1は、板材を二重に巻いて端部をスポット溶接することにより筒状に形成されている。
前記アウタプレート2、2は、アウタシェル1の両端開口部を閉塞するもので、外側に膨らみを持たせた本体部21と、該本体部21の外周を該本体部21の膨らみ方向とは反対方向に折曲形成した筒部22とで構成されている。
なお、アウタシェル1に対する組み付け前の段階では、アウタプレート2の筒部22の内径は、前記アウタシェル1の開口部外径よりは少し大き目に形成されている。
前記中組みアッセンブリ3は、2枚のインナプレート31、32とインレットパイプ33と、アウトレットパイプ34とで構成されていて、2枚のインナプレート31、32により消音器室内が3つの室1a、1b、1cに仕切られている。そして、前記インレットパイプ33は、上流側のアウタプレート2および2枚のインナプレート31、32を貫通する状態で組み付けられ、また、アウトレットパイプ34は2枚のインナプレート31、32および下流側のアウタプレート2を貫通する状態で組み付けられている。なお、前記両インナプレート31、32には、複数の連通孔(図示せず)が形成されている。
次に、以上のように構成された消音器の製造方法を、図2の工程説明図に基づいて説明する。
まず、図2(イ)に示すように、2枚のインナプレート31、32にインレットパイプ33とアウトレットパイプ34を貫通して組み付けることにより、中組みアッセンブリ品3を組み立てる。
次に、図2(ロ)に示すように、両インナプレート31、32の外周に板材を二重に巻き付けて端部をスポット溶接することにより、筒状のアウタシェル1を形成し、スポット溶接によりインナプレート31、32をアウタシェル1に固定する。
次に、図2(ハ)に示すように、アウタシェル1の両端開口縁部の外径よりは少し大き目に形成されたアウタプレート2の筒部22をそれぞれアウタシェル1の両端開口縁部の外周に装着する。その際、アウタシェル1の両開口端面がアウタプレートの本体部21にそれぞれ当接させることにより、アウタシェル1に対する両アウタプレート2、2の位置決めが行われる。
次に、図2(ニ)に示すように、アウタプレート2、2の筒部22、22を縮径させることによりアウタシェル1の両端開口縁部外周面に密着させ、最後に、密着されたアウタプレート2、2における筒部22、22の開口端面部とアウタシェル1との間の全周をレーザ溶接により接続一体化させることにより、消音器の製造が終了する。
次に、この実施例1の作用・効果を説明する。
この実施例1の車両用消音器の製造方法では、上述のように、アウタシェル1の筒状開口縁部に対しアウタプレート2、2の外周に形成された筒部22、22を装着し、該装着部における外側となるアウタプレート2、2の筒部22、22を縮径させることにより内側となるアウタシェル1の筒状開口縁部外周面に密着させるようにしたことで、アウタシェル1の両端筒状開口縁部および該開口部を閉塞するアウタプレート2、2の組み付け部(筒部22、22)の断面形状および寸法を正確に形成することなしに、アウタシェル1の開口部に対するアウタープレート2、2の組み付け部(筒部22、22)の全周を隙間なく密着させることができるようになり、これにより、製造が容易でコストの低減化が可能になるという効果が得られる。
また、該密着部の全周をレーザ溶接により接続一体化させるようにしたことで、アウタシェル1の開口部に対するアウタープレート2、2の組み付け部(筒部22、22)の全周を隙間なく確実に密着させることができるようになる。
また、組み付け部が異径断面の場合においても、外側となる方を縮径させることにより組み付け部の全周を隙間なく密着させることができるようになるため、アウタシェル1における断面形状の設計自由度を高めることができるようになる。
また、アウタプレート2、2の筒部22、22がアウタシェル1の筒状開口縁部の外側になるように装着するようにしたことで、アウタプレート2、2を装着した際にアウタシェル1の開口端面がアウタプレート22の本体部21、21に当接することで位置決めされた状態となるもので、これにより、組み付け作業性と組み付け位置の正確性を高めることができるようになる。
次に、他の実施例について説明する。この他の実施例の説明にあたっては、前記実施例1と同様の構成部分については図示を省略し、もしくは同一の符号を付けてその説明を省略し、相違点についてのみ説明する。
この実施例2は、前記実施例1における車両用消音器の製造方法の変形例を示すものである。
即ち、この実施例2の車両用消音器の製造方法では、図3の要部断面図に示すように、アウタシェル1における両筒状開口縁部の内側に、該筒状開口縁部の内径より小さめの外形に形成されたアウタプレート2の筒部22を挿入し、アウタシェル1の開口縁部を縮径させることにより、アウタプレート2の筒部22の外周面に密着させ、該筒部22の開口端面とアウタシェル1の開口端面とを突き合わせて該突き合わせ部の全周をレーザ溶接により接続一体化させるようにした点が、前記実施例1とは相違したものである。
従って、この実施例2では、前記実施例1とほぼ同様の効果が得られる。
以上本実施例を説明してきたが、本発明は上述の実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。
例えば、実施例では、アウタシェル1の筒状開口縁部とアウタプレート2、2の筒部22、22のうち、外側となる方を縮径することにより密着させるようにしたが、内側となる方を拡径させることにより密着させるようにしてもよい。
また、実施例では板材を二重に巻いてアウタシェルを形成したが、一重に形成してもよい。
また、実施例では中組みアッセンブリ品3の外周に板材を巻くことによりアウタシェル1を形成したが、予め筒状に形成されたアウタシェル1内に中組みアッセンブリ品3を圧入して組み付けるようにしてもよい。
また、実施例1では、、アウタシェル1の開口部に対するアウタープレート2、2の組み付け部(筒部22、22)をレーザ溶接するようにしたが、スポット溶接等の他の溶接によることができる。
また、実施例2では、筒部22の開口端面とアウタシェル1の開口端面との間を突き合わせ溶接したが、すみ肉溶接するようにしてもよい。
また、中組みアッセンブリ品3の構成は任意である。
実施例1の車両用消音器の製造方法が適用された消音器を示す断面図である。 実施例1の車両用消音器の製造方法を示す工程説明図である。 実施例2の車両用消音器の製造方法を示す要部拡大断面図である。 従来例の車両用消音器の製造方法が適用された消音器を示す断面図である。 従来例の車両用消音器の製造方法を示す要部拡大断面図である。
符号の説明
1 アウタシェル
1a 室
1b 室
1c 室
2 アウタプレート
21 本体部
22 筒部
3 中組みアッセンブリ品
31 インナプレート
32 インナプレート
33 インレットパイプ
34 アウトレットパイプ

Claims (4)

  1. アウタシェルの筒状開口縁部に対しアウタプレートの外周に形成された筒部を装着し、 該装着部における前記アウタプレートの筒部と前記アウタシェルの筒状開口縁部のうち、外側となる方を縮径させることにより内側となる方に密着させ、
    該密着部を溶接により接続一体化させるようにしたことを特徴とする車両用消音器の製造方法。
  2. アウタシェルの筒状開口縁部に対しアウタプレートの外周に形成された筒部を装着し、 該装着部における前記アウタプレートの筒部と前記アウタシェルの筒状開口縁部のうち、内側となる方を拡径させることにより外側となる方に密着させ、
    該密着部を溶接により接続一体化させるようにしたことを特徴とする車両用消音器の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の車両用消音器の製造方法において、前記密着部の全周をレーザ溶接により接続一体化させるようにしたことを特徴とする車両用消音器の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用消音器の製造方法において、前記アウタプレートの筒部がアウタシェルの筒状開口縁部の外側になるように装着するようにしたことを特徴とする車両用消音器の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009243388A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Sankei Kogyo Kk マフラーの製造方法
JPWO2009107375A1 (ja) * 2008-02-25 2011-06-30 株式会社パポフプランニング 内燃機関の排気装置
JP2014218956A (ja) * 2013-05-09 2014-11-20 株式会社Ihiシバウラ ディーゼルエンジンの排ガス処理装置

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