JP2005179650A - 硬化性樹脂組成物および該組成物を用いて形成される保護膜 - Google Patents
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Abstract
優れた平坦性を有する保護膜を形成し得る硬化性樹脂組成物および前記の硬化性樹脂組成物を用いて形成される保護膜ならびにその製造方法を提供する。
【解決手段】
下記(A)および(B)成分を含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物。
(A):環状エーテル基およびオレフィン二重結合を有する単量体を付加重合して得られる重合体
(B):炭素数6以下の環状エステル化合物
下記(A’)および(B)成分を含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物。
(A’):環状エーテル基およびオレフィン二重結合を有する単量体と、(メタ)アクリル系単量体およびスチレン系単量体からなる群から選ばれる少なくとも1種の単量体とを付加重合して得られる重合体
(B):炭素数6以下の環状エステル化合物
前記の硬化性樹脂組成物を用いて形成される保護膜および前記の硬化性樹脂組成物を被着体に塗工し、熱硬化させる保護膜の製造方法。
【選択図】 なし
Description
本発明の目的は、優れた平坦性を有する保護膜を形成し得る硬化性樹脂組成物および前記の硬化性樹脂組成物を用いて形成される保護膜ならびにその製造方法を提供することにある。
(A):環状エーテル基およびオレフィン二重結合を有する単量体を付加重合して得られる重合体
(B):炭素数6以下の環状エステル化合物
また、本発明は、下記(A’)および(B)成分を含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物を提供する。
(A’):環状エーテル基およびオレフィン二重結合を有する単量体と、(メタ)アクリル系単量体およびスチレン系単量体からなる群から選ばれる少なくとも1種の単量体とを付加重合して得られる重合体
(B):炭素数6以下の環状エステル化合物
また、前記の硬化性樹脂組成物を用いて形成される保護膜および前記の硬化性樹脂組成物を被着体に塗工し、熱硬化させる保護膜の製造方法を提供する。
また、本発明の保護膜は、その優れた平坦化の特性から、例えば、液晶表示用素子、固体撮像素子およびカラーフィルタにおける平坦化膜、保護膜、反射防止膜、絶縁材、ソルダーレジスト等の電子部品、塗料、接着剤等に好適に用いられる。
環状エーテル基およびオレフィン二重結合を有する単量体としては、例えば、下式(1)で表される単量体等が挙げられる。
Aは単結合または炭素数1〜12のアルキレン基を表す。ただし、Aで表されるアルキレン基における炭素−炭素結合は酸素原子で中断されていてもよい。
Eは、下記の群から選ばれる環状エーテル基を表す。
グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、イタコン酸グリシジルエステル等の不飽和グリシジルエステル;
グリシドキシエチル(メタ)アクリレート、グリシドキシブチル(メタ)アクリレート等のグリシジルエーテル(メタ)アクリレート類;
3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート等の環状脂肪族エポキシ(メタ)アクリレート;
オキセタニル(メタ)アクリレート、3−オキセタニルメチル(メタ)アクリレート、(3−メチル−3−オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート、(3−エチル−3−オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート等のオキセタニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
なお、本明細書中において、(メタ)アクリル酸の記載は、アクリル酸および/またはメタクリル酸を表す。また、(メタ)アクリレートの記載は、アクリレートおよび/またはメタクリレートを表す。さらに、(メタ)アクリル系の記載は、アクリル系および/またはメタクリル系を表す。
環状エーテル基およびオレフィン二重結合を有する単量体としては、式(1)で表される単量体が好ましく、エポキシ基およびオレフィン二重結合を有する単量体がより好ましく、不飽和カルボン酸グリシジルエステルや環状脂肪族エポキシ(メタ)アクリレートがさらに好ましく、グリシジル(メタ)アクリレートや3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートが特に好ましい。
環状エーテル基およびオレフィン二重結合を有する単量体としては、前記の(A)成分で例示されたものと共通である。
前記の(メタ)アクリル系単量体としては、例えば、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチルやメタクリル酸エチル等の炭素数1〜20程度の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル;
アクリル酸t−ブチルやメタクリル酸t−ブチル等の炭素数3〜20程度の分枝状アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル;
アクリル酸シクロヘキシルやメタクリル酸シクロヘキシル等の炭素数5〜20程度の環状脂肪族アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル等が挙げられる。
(メタ)アクリル系単量体としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましい。
前記の(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、炭素数1〜4の直鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、炭素数1〜4の分枝状アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルや飽和環状脂肪族アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましい。
(メタ)アクリル系単量体として、2種類以上の(メタ)アクリル系単量体を用いてもよい。
スチレン系単量体としては、特にスチレンが好適である。
前記の(メタ)アクリル系単量体およびスチレン系単量体からなる群から選ばれる少なくとも1種の単量体に由来する構造単位の合計は、(A’)成分を構成する全ての構造単位100モル%に対し、好ましくは10〜90モル%であり、より好ましくは20〜80モル%である。
これらの各単量体を付加重合させて得られる重合体のうち、(メタ)アクリル系単量体および/またはスチレン系単量体を5〜95モル%付加重合させて得た(A)成分は、得られる保護膜の脆化を抑制する傾向にある点で好ましい。
このような脂肪族単量体としては、例えば、酪酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、イソノナン酸ビニルやバーサチック酸ビニル等のアルカン酸ビニルエステル;
塩化ビニルや臭化ビニル等のハロゲン化ビニル;
塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニリデン類等が例示される。
(A)成分または(A’)成分の重合体を構成する単量体に由来する構造単位の5〜80モル%がCH2=CH−基を有する単量体であると、耐熱性が向上する傾向にあり、特に好ましい。CH2=CH−基を有する単量体の具体例としては、前記(メタ)アクリル系単量体のうち、α位に置換基を有しないアクリル系単量体、α位に置換基を有しないスチレン系単量体、アルカン酸ビニル類やハロゲン化ビニル類、アリルグリシジルエーテル、グリシジルアクリレート等が挙げられる。
(1)J. Polym. Sci., Polym.Chem.(1968), 6(2), 257-267に記載の如く、単量体およびラジカル発生剤を有機溶媒に混合せしめ、さらに必要に応じて、連鎖移動剤を混合せしめて、60〜300℃程度で溶液重合する方法;
(2)J. Polym. Sci., Polym.Chem.(1983), 21(10), 2949-2960に記載の如く、モノマーが溶解しない溶媒を用いて、60〜300℃程度で懸濁重合または乳化重合する方法;
(3)特開平6−80735号報に記載の如く、60〜200℃で塊状重合する方法;
(4)特開平10−195111に記載の如く、使用する単量体等を連続的に重合器に供給して、重合器内で重合開始剤の存在下または非存在下に180〜300℃で5〜60分間加熱し、得られる反応生成物を連続的に重合器外に取出す方法。
3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のエーテルアルコール類;
酢酸、プロピオン酸、酪酸等の(モノ)カルボン酸または乳酸、ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシ酪酸等のヒドロキシ(モノ)カルボン酸と、上記に記載のアルコール類またはエーテルアルコール類のエステル類(具体例として、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシ−1−ブチルアセテート、エチレングリコールモノアセテート、エチレングリコールジアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート);
エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノンやシクロヘキサノン等のケトン類;
トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素類等が挙げられる。
有機溶媒としては、2種類以上の有機溶媒を使用してもよい。
有機溶媒の中でも、遊離カルボキシル基やアミノ基等のような、環状エーテル基と反応し得る官能基を含有しないものが好ましい。
ここで、耐薬品性に優れるとは、本発明の保護膜を酸性水溶液、アルカリ性水溶液または非プロトン性極性溶媒にそれぞれ数十分程度浸漬しても、保護膜の表面が侵されないことを意味し、具体的には、保護膜が薬品を吸収して膨潤または粒状に分解される状態を抑制する傾向に優れることである。
重合体(A)成分または(A’)成分のポリスチレン換算重量平均分子量としては、好ましくは2,000〜1,000,000であり、より好ましくは3,000〜500,000であり、とりわけ好ましくは5,000〜200,000である。ポリスチレン換算重量平均分子量が前記の範囲にあると、製膜性が良好であり、かつ塗膜の耐熱性に優れる傾向があり好ましい。
重合体(A)成分または(A’)成分としては、例えば、ブレンマーCP−50M(登録商標、グリシジルメタクリレート・メチルメタクリレート共重合体、日本油脂(株)製)、ブレンマーCP−50S(登録商標、グリシジルメタクリレート・スチレン共重合体、日本油脂(株)製)等の市販品を使用してもよい。
炭素数6以下の環状エステル化合物としては、例えば、
七員環ラクトンである、ε−カプロラクトン;
六員環ラクトンである、δ−カプロラクトン、α−メチル−δ−バレロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン、γ−メチル−δ−バレロラクトン、δ−バレロラクトンで例示されるβ−ラクトン誘導体;
五員環ラクトンである、γ−カプロラクトン、α−メチル−γ−バレロラクトン、β−メチル−γ−バレロラクトン、γ−メチル−γ−バレロラクトン、γ−バレロラクトン、α−エチル−γ−ブチロラクトン、β−エチル−γ−ブチロラクトン、α,α−ジメチル−γ−ブチロラクトン、α,β−ジメチル−γ−ブチロラクトン、β,β−ジメチル−γ−ブチロラクトン、α−メチル−γ−ブチロラクトン、β−メチル−γ−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトンで例示されるγ−ラクトン誘導体;
エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の炭酸エステル誘導体などが挙げられる。
中でも、γ−ラクトン誘導体およびプロピレンカーボネートが好ましく、γ−ブチロラクトンがより好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物における炭素数6以下の環状エステル化合物(B)の含有量は、重合体(A)または(A’)100質量部に対して、好ましくは10〜1000質量部、より好ましくは50〜500質量部、とりわけ好ましくは100〜300質量部である。
前記の熱カチオン硬化触媒のカチオン成分としては、有機スルホニウム、有機オキソニウム、有機アンモニウム、有機ホスホニウムまたは有機ヨードニウム等の有機カチオンが例示される。また、前記の硬化触媒のアニオン成分としては、B(C6F5)4 −、SbF6 −、AsF6 −、PF6 −またはBF4 −等が例示される。
本発明の硬化性樹脂組成物に用いられるカチオン硬化触媒のカチオン成分としては、有機スルホニウムが好ましく、有機スルホニウムの中でも芳香族スルホニウムが特に好ましい。また、硬化触媒のアニオン成分としては、SbF6 −、AsF6 −やPF6 −が好ましく、中でもPF6 −が特に好ましい。
熱カチオン硬化触媒の反応開始温度とは、液状エポキシ樹脂AK−601(日本化薬(株)製のヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル)100質量部に対し、熱カチオン硬化触媒における溶媒を除いた有効成分3質量部を添加した試料について、昇温速度10℃/分の昇温速度で示差走査熱量分析(DSC)した際に、最も低温側に検出される発熱ピークの発熱開始温度である。
中でも、無水フタル酸、無水テトラブロモフタル酸などの芳香族ジカルボン酸無水物;
無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチルテトラヒドロフタル酸、無水メチルヘキサヒドロフタル酸、5−ノルボルナン−2,3−ジカルボン酸無水物、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチルノルボルナン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチルノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、無水マレイン酸とジエンとの反応物(ジャパンエポキシレジン(株)社製 YH−306など)、1,4,5,6,7,7−ヘキサクロロ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物などの脂環式ジカルボン酸無水物;
ドデセニル無水コハク酸などの脂肪族ジカルボン酸無水物など多価酸無水物が好ましい。
前記のイミダゾール誘導体としては、下記一般式(5)で表される1−置換イミダゾール化合物が例示される。
酸化防止剤(F)を含有する場合、その比率としては、重合体(A)または(A’)100質量部当り、好ましくは0.001〜10質量部であり、より好ましくは0.01〜1質量部である。
フェノール系酸化防止剤は、2種類以上のフェノール系酸化防止剤を併用してもよい。
ここで、R10〜R15がアルキル基である場合は、分枝状のアルキル基が好ましく、t−ブチル基が特に好ましい。また、ベンゼン環におけるR10〜R15の置換位置は、2位、4位または6位が好ましい。
また、炭素とリンとが直接結合した構造を持つホスフォナイトとしては、例えば、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスフォナイト等が挙げられる。
これらの中では、ペンタエリスリルテトラキス−3−ラウリルチオプロピオネートが特に好ましい。
前記の有機溶媒の中でも、遊離カルボキシル基やアミノ基等のような環状エーテル基と反応し得る官能基を有しない溶媒が好ましい。
前記のシリコーン系界面活性剤としては、商品名トーレシリコーンDC3PA、同SH7PA、同DC11PA、同SH21PA、同SH28PA、同29SHPAや同SH30PA(東レダウコーニングシリコーン(株)製);商品名ポリエーテル変性シリコンオイルSH8400(東レダウコーニングシリコーン(株)製);商品名KP321、KP322、KP323、KP324、KP326、KP340やKP341(信越シリコーン(株)製);商品名TSF400、TSF401、TSF410、TSF4300、TSF4440、TSF4445、TSF−4446、TSF4452やTSF4460(ジーイー東芝シリコーン(株)製)等が挙げられる。
サーフロン(登録商標)S381、同S382、同SC101や同SC105(セイミケミカル(株)製);
商品名E5844((株)ダイキンファインケミカル研究所製);
商品名BM−1000やBM−1100(BM Chemie社製)等が挙げられる。
フッ素原子を有するシリコーン系界面活性剤としては、メガファック(登録商標)R08、同BL20、同F475、同F477や同F443(大日本インキ化学工業(株)製)等が挙げられる。
これらの界面活性剤は、単独で、または2種類以上を組合せて用いることができる。
アクリル重合物系界面活性剤としては、ディスパロン(登録商標)OX−880、同OX−881、同OX−883、同OX−70、同OX−77、同OX−77HF、同OX−60、同OX−710、同OX−720、同OX−740、同OX−750、同OX−8040、同1970、同230、同L−1980−50、同L−1982−50、同L−1983−50、同L−1984−50、同L−1985−50、同LAP−10、同LAP−20、同LAP−30や同LHP−95(楠本化成(株)製);商品名BYK−352、BYK−354、BYK−355、BYK−356、BYK−357、BYK−358、BYK−359、BYK−361やBYK−390(ビックケミー・ジャパン社製);エフカー(登録商標)LP3778(EFKA Additives社製)等が挙げられる。
前記のカルボン酸のグリシジルエステルとしては、例えば、ネオデカン酸グリシジルエステルまたはヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステルなどが挙げられる。
本発明においては、重合体(A)または(A’)以外の硬化性化合物として、2種類以上の硬化性化合物を使用してもよい。
ここで、塗工方法としては、例えば、スピンコーター、スリットコーター、バーコーター、スプレーコーター、ロールコーター、フレキソ印刷、オフセット印刷等を用いる方法や、スリット・アンド・スピンコーター、バー・アンド・スピンコーター等の二種類以上の塗工方法を組合せた方法等が挙げられる。
加熱温度が150℃〜260℃であれば、耐熱性が向上する傾向にあり、また、硬化物が着色しにくいので好ましい。
また、室温〜150℃、好ましくは50〜120℃の温度で、常圧または減圧下に0.5〜5分加熱して溶媒を除去した後に、前記のホットプレート、クリーンオーブンまたは赤外線加熱装置等を用いて加熱する方法も好ましい。
また、得られる保護膜の厚みとしては、通常、0.07〜20μmであり、この範囲であると、保護膜の物性、特に平坦化および表面強度が優れる傾向にある。
前記のフィルムや離型紙は、保護する必要のある基体に貼り合せ、熱硬化する前または熱硬化した後に剥離してもよい。
また、熱硬化する前の保護膜に、さらに必要に応じて、他の樹脂や基体を積層してもよい。
ガラスやセラミックス等の無機材料;
紙や布等のセルロース系高分子材料;
メラミン系樹脂、(メタ)アクリル・ウレタン系樹脂、ウレタン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン・アクリロニトリル系共重合体、ポリカーボネート系樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂やシリコーン樹脂等の合成高分子材料等が挙げられる。
基体としては、合成高分子材料および金属の複合材料である集積回路、プリント配線板、液晶表示用素子、固体撮像素子、カラーフィルタ等の電子・電気部品等が好ましく用いられる。
例中、「部」は、特に断らないかぎり質量部を意味する。
実施例1
表2に記載の(A’)成分80部と、RSOX20部と、(C)成分における溶媒を除く有効成分が3部になる量と、(F)成分0.1部を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、PGMEAという。)384部に溶解した。さらに(B)成分を96部添加して硬化性樹脂組成物を得た。
PGMEAを440部、(B)成分を110部にした以外は実施例1と同様にして硬化性樹脂組成物を得た。
(A’)成分100部と(C)成分における溶媒を除く有効成分が5部になる量と、(F)成分0.1部を、PGMEA 560部に溶解した。さらに(B)成分を140部添加して硬化性樹脂組成物を得た。
PGMEAを480部、(B)成分を0部にした以外は実施例1と同様にして硬化性樹脂組成物を得た。
(B)成分の替わりにジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、DPMAという。沸点209℃。)を96部使用した以外は実施例1と同様にして硬化性樹脂組成物を得た。
(A’)成分100部と(C)成分における溶媒を除く有効成分が3部になる量と、(F)成分0.1部を、PGMEA 480部に溶解して硬化性樹脂組成物を得た。
図1に示す断面プロファイルを持つ段差付カラーフィルタ基板を用意した。段差の開口は30μm、段差の深さは1.33μmである。
硬化性樹脂組成物を段差付カラーフィルタ基板にスピンコートし、85℃の加熱炉で2分間ベークして溶媒を除去後、230℃の加熱炉で40分間加熱して膜厚1.5μmの保護膜を製膜した。
段差付カラーフィルタ基板および硬化性樹脂組成物を製膜した段差付カラーフィルタ基板は、日本真空技術(株)製DEKTAK3型触針式表面形状測定器を使用して段差の形状を測定した。
保護膜を製膜した後には、カラーフィルタは図2に例示の如く段差が平滑される。このときの最大の段差を表2に段差として示した。
また、(保護膜製膜後の段差)/(カラーフィルタ基板の段差)×100(%) を穴埋め性として表2に示した。
Claims (10)
- 下記(A)および(B)成分を含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物。
(A):環状エーテル基およびオレフィン二重結合を有する単量体を付加重合して得られる重合体
(B):炭素数6以下の環状エステル化合物 - 下記(A’)および(B)成分を含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物。
(A’):環状エーテル基およびオレフィン二重結合を有する単量体と、(メタ)アクリル系単量体およびスチレン系単量体からなる群から選ばれる少なくとも1種の単量体とを付加重合して得られる重合体
(B):炭素数6以下の環状エステル化合物 - (B):炭素数6以下の環状エステル化合物がγ−ラクトン誘導体および炭酸エステル誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項1または2に記載の硬化性樹脂組成物。
- (A)成分および(A’)成分の環状エーテル基が、エポキシ基およびオキセタニル基からなる群から選ばれる少なくとも1種の基である請求項1〜3のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
- (A)成分および(A’)成分の環状エーテル基およびオレフィン二重結合を有する単量体が、グリシジル(メタ)アクリレートである請求項1〜4のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
- さらに、下記(C)成分を含有する請求項1〜5のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
(C):硬化触媒 - (C)成分の硬化触媒がカチオン硬化触媒である請求項1〜6のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
- 次の(D)成分を含有する請求項1〜6のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
(D):多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物、多価フェノール、多価アミンからなる群から選ばれる少なくとも1種の硬化剤。 - 請求項1〜8のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物を用いて形成される保護膜。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物を被着体に塗工し、熱硬化させる保護膜の製造方法。
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