JP2005179568A - エポキシ樹脂組成物および注型絶縁物 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物および注型絶縁物 Download PDF

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Abstract

【課題】エポキシ樹脂中に層状粘土化合物を高い分散性をもって分散させることによって機械的特性および耐熱性に優れたエポキシ樹脂組成物を提供する。
【解決手段】(a)1分子当たり2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂、(b)エポキシ樹脂用硬化剤、および(c)層状粘土化合物を含み、層状粘土化合物が層剥離した状態で分散されていることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、エポキシ樹脂組成物および注型絶縁物に係り、特に、電気機器や電気部品の絶縁材料あるいは構造材料として好適な機械的特性と耐熱性を発現し得る注型用エポキシ樹脂組成物に関する。本発明のエポキシ樹脂組成物は、特に、ガス絶縁開閉装置、管路気中送電装置その他の電気機器の絶縁支持または電気部材間の絶縁スペーサ等の絶縁部材に用いて好適である。
エポキシ樹脂は、優れた機械的性質、電気的性質および接着性を有するので、電子デバイス用のIC基板、封止用材料、産業および重電用機器用のモールド用材料、含浸用材料、絶縁材料として広く使用されている。このような用途においては、より優れた絶縁性、高熱伝導性、耐熱性、機械的性質、電気的性質、接着性、高靭性、ガスバリア性、高弾性など種々の性能が必要とされており、かかる性能を補償するために、エポキシ樹脂にシリカ、アルミナ、窒化ホウ素等の無機化合物を充填することが行われている。
ところで、近年、層状粘土化合物をポリアミド等の熱可塑性樹脂に分散させることにより、その熱可塑性樹脂の破壊靭性、機械強度、耐熱性、ガスバリア性等の諸性能を向上させる試みがなされている(例えば、特許文献1〜8参照)。これらの先行技術において、熱可塑性樹脂中に層状粘土化合物を均一に分散させるために、層状粘土化合物を分散したスラリー溶液を調製し、このスラリー溶液とポリアミド等の熱可塑性樹脂を混合するか、または2軸型押し出し混合機を使用して、層状粘土化合物をポリアミド等の熱可塑性樹脂中に溶融混合する等の手法が用いられている。
しかしながら、上記スラリー溶液を用いた分散方法では、製造工程の途中でスラリー溶液の分散溶媒を除去する必要があり製造コストの増加に繋がる可能性がある。また、上記溶融混合による分散は熱を加えることで溶融するポリアミド等の熱可塑性樹脂においてのみ有効な方法であり、熱により溶融することが不可能なエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂には不適である。
また、ガラス繊維強化複合材料の曲げ強度等の機械的特性を向上させるためには、エポキシ樹脂等のマトリクス樹脂の弾性率を高めるために、例えば特許文献9や特許文献10には、層状シリケート化合物をエポキシ樹脂に添加することが開示されている。しかしながら、特許文献9および特許文献10に開示されている手法では、層状シリケート化合物をマトリックス樹脂中に均一に分散し得ず、層状シリケートの層構造が保持されたままである。このような分散状態では、層状シリケート化合物の本来有する特性を充分に発揮させることができない。
特開平11−181309号公報 特開平11−315204号公報 特開平11−310702号公報 特開平11−92677号公報 特開平11−92594号公報 特開平10−324810号公報 特開平10−158431号公報 特開平9−111116号公報 特開平6−13624号公報 特開平10−36523号公報
従って、本発明は、エポキシ樹脂中に層状粘土化合物を高い分散性をもって分散させることによって機械的特性および耐熱性に優れたエポキシ樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、層状粘土化合物は比較的少量の添加量で、エポキシ樹脂の機械的特性や耐熱特性等の性質を改善することができるが、層状粘土化合物がエポキシ樹脂中で均一に分散しないと、例えば機械的強度においては、層状粘土化合物の凝集体が起点となり破壊が進展するため、逆に強度の低下を引き起こす可能性があることを見いだした。この知見に基づきさらに検討した結果、層状粘土化合物を層剥離した状態でエポキシ樹脂に分散させることにより、所期の目的が達成することを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明の第1の側面によれば、(a)1分子当たり2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂、(b)エポキシ樹脂用硬化剤、および(c)層状粘土化合物を含み、前記層状粘土化合物が層剥離した状態で分散されていることを特徴とするエポキシ樹脂組成物が提供される。
また、本発明の第2の側面によれば、本発明のエポキシ樹脂組成物を用いてなる注型絶縁物が提供される。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、従来の注型樹脂として用いられているエポキシ樹脂に比べて、優れた機械的特性と耐熱特性を有している。このため、本発明のエポキシ樹脂組成物を絶縁材料として使用することにより、ガス絶縁開閉装置、管路気中送電装置、またはその他の電気機器の設計が容易になり、機器の小型化と信頼性の向上を図ることができるため、その工業的価値は極めて大きいといえる。
本発明によるエポキシ樹脂組成物は、(a)1分子当たり2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂、(b)エポキシ樹脂用硬化剤、(c)層状粘土化合物を含む。
まず、本発明のエポキシ樹脂組成物に使用されるエポキシ樹脂は、炭素原子2個と酸素原子1個からなる三員環(エポキシ基)を1分子中に2個以上有する硬化し得る化合物であればよく、その種類は限定されるものではない。そのようなエポキシ樹脂の例を挙げると、エピクロルヒドリンとビスフェノール類等の多価フェノール類または多価アルコールとの縮合によって得られるビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、フェノール−ノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾール−ノボラック型エポキシ樹脂、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂等のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、エピクロルヒドリンとガルボン酸との縮合によって得られるグリジジルエステル型エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアネートやエピクロルヒドリンとヒダントイン類との反応によって得られるヒダントイン型エポキシ樹脂のような複素環式エポキシ樹脂等である。これらエポキシ樹脂は、2種以上の混合物として用いることができる。
本発明において、エポキシ樹脂には、常温(25℃)で固体のエポキシ樹脂(本明細書において、「固体エポキシ樹脂」ということがある)と、常温(25℃)で液体のエポキシ樹脂(本明細書において、「液体エポキシ樹脂」ということがある)が含まれる。例えば、市販の汎用ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、商品名:エピコート)の場合、1グラム当量のエポキシ基を含む樹脂のグラム数を示すエポキシ当量が450以上であるか、重量平均分子量が900以上であるエポキシ樹脂は、常温で固体であり、またエポキシ当量が270以下であるか、重量平均分子量が470以下のエポキシ樹脂は、常温で液体である。
エポキシ樹脂用硬化剤は、エポキシ樹脂と化学反応してエポキシ樹脂を硬化させるものであれば、その種類は特に制限されない。そのような硬化剤の例を挙げると、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、メタキシリレンジアミン、イソホロンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ジアミノジフェニルメタン、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルスルホン、ジシアンジアミド、有機酸ジヒドラジド等のアミン系硬化剤、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、4−メチルテトラヒドロ無水フタル酸、テトラブロモ無水フタル酸、無水ナジック酸、無水メチルナジック酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水ヘッド酸、無水メチルハイミック酸、ドデセニル無水コハク酸、無水ポリアゼライン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸等の酸無水物硬化剤、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール等のイミダゾール系硬化剤、ポリサルファイド、チオエステルなどのポリメルカプタン系硬化剤、ポリアミド系硬化剤、フェノール系硬化剤、ルイス酸系硬化剤、イソシアネート系硬化剤等である。これら硬化剤は、単独で、または2種類以上の混合物として使用することができる。特に、酸無水物硬化剤は、ポットライフが長く、硬化時の発熱が小さいため、本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化剤として望ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物に配合される層状粘土化合物は、SiO4四面体が二次元状に配列したシート(シリケート層)から構成されており、このシートが互層した構造を有している。通常の層状粘土化合物では、シリケート層間にアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオン等の層間陽イオンが存在している。
本発明において、層状粘土化合物は、好ましくは、スメクタイト群、マイカ群およびバーミキュライト群からなる群の中から選択することができる。スメクタイト群に属する層状粘土化合物としては、モンモリロナイト、ヘクトライト、サポナイト、ソーコナイト、バイデライト、ステブンサイト、ノントロナイト等が挙げられる。マイカ(雲母)群に属する層状粘土化合物としては、白雲母、黒雲母、パラゴナイト、レビトライト、マーガライト、クリントナイト、アナンダイト、クロライト、フロゴパイト、レピドライト、マスコバイト、バイオタイト、パラゴナイト、マーガライト、テニオライト、テトラシリシックマイカ等が挙げられる。バーミキュライト群に属する層状粘土化合物としては、トリオクタヘドラルバーミキュライト、ジオクタヘドラルバーミキュライトが挙げられる。これら層状粘土化合物の中でも、エポキシ樹脂への分散性の点から、スメクタイト群に属する層状粘土化合物が望ましい。これらの層状粘土化合物は、単独でまたは2種類以上の混合物として使用することができる。
ところで、これらの層状粘土化合物は、通常存在する陽イオンとのイオン交換により、その層間に、他のイオン、分子、クラスター等の種々の物質を保持することできる。本発明において、層状粘土化合物の層間には、エポキシ樹脂に対する親和性を層状粘土化合物に付与できる有機化合物を挿入することが好ましい。そのような有機化合物としては、イオン交換処理により層間挿入される度合を考慮すると、第四級アンモニウムイオンが望ましい。第四級アンモニウムイオンとしては、テトラブチルアンモニウムイオン、テトラヘキシルアンモニウムイオン、ジヘキシルジメチルアンモニウムイオン、ジオクチルジメチルアンモニウムイオン、ヘキサトリメチルアンモニウムイオン、オクタトリメチルアンモニウムイオン、ドデシルトリメチルアンモニウムイオン、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムイオン、ステアリルトリメチルアンモニウムイオン、ドコセニルトリメチルアンモニウムイオン、セチルトリメチルアンモニウムイオン、セチルトリエチルアンモニウムイオン、ヘキサデシルアンモニウムイオン、テトラデシルジメチルベンジルアンモニウムイオン、ステアリルジメチルベンジルアンモニウムイオン、ジオレイルジメチルアンモニウムイオン、N−メチルジエタノールラウリルアンモニウムイオン、ジプロパノールモノメチルラウリルアンモニウムイオン、ジメチルモノエタノールラウリルアンモニウムイオン、ポリオキシエチレンドデシルモノメチルアンモニウムイオン、ジメチルヘキサデシルオクタデシルアンモニウムイオン、トリオクチルメチルアンモニウムイオン、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラプロピルアンモニウムイオン等が挙げられる。これらの第四級アンモニウムイオンは単独で、または2種類以上の混合物として使用することができる。
第四級アンモニウムイオンを挿入することにより、層間距離を長くし、しかも層間を親油性とすることができるので、エポキシ樹脂に対する親和性が向上し、エポキシ樹脂中により一層均一に分散させることができる。従って、エポキシ樹脂に優れた機械特性と耐熱性を付与することができる。
また、層状粘土化合物の層間に存在する第四級アンモニウムイオンが、所定の官能基を有することがさらに望ましい。そのような官能基としては、エーテル基、スルフィド基、エステル基、アミド基、水酸基、カルボキシル基、カルボニル基、アルデヒド基、エポキシ基、アミノ基、ニトリル基、チオール基、スルホン酸基、ハロゲン基、不飽和炭化水素基等を例示することができる。このような官能基は、化学的に高い活性を有している。また、エポキシ樹脂の有するグリシジル環も非常に高い活性を有するため、これらの官能基とエポキシ樹脂の間に相互作用または化学反応を生起させることが可能となる。例えば、水酸基は、エポキシ樹脂のグリシジル環を開環させエーテル結合を形成し、第四級アンモニウムイオンとエポキシ樹脂が連結したオリゴマーが生成する。このオリゴマーが再び、第四級アンモニウムイオンまたはエポキシ樹脂と反応していくことにより、エポキシ樹脂の分子鎖が層状粘土化合物のシリケート層により拘束された3次元の網目構造が形成される。これにより、層状粘土化合物がエポキシ樹脂の補強材の役目を果たし、曲げ試験おいて優れた破壊強度を発現し、また、高温領域においても、室温と同程度の弾性率を維持することができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂用硬化促進剤を含有することができる。エポキシ樹脂用硬化剤として酸無水物を使用する場合には、硬化促進剤として第三級アミンまたはその塩、第四級アンモニウム化合物、イミダゾール、アルカリ金属アルコキシドが適している。
エポキシ樹脂用硬化促進剤は、層状粘土化合物がその層間に第四級アンモニウムイオンが挿入されている場合、添加量が多いほど、エポキシ樹脂組成物のゲル化時間を短くすることができる。すなわち、エポキシ樹脂用硬化促進剤の量により、エポキシ樹脂の硬化反応速度を制御することができる。
層状シリケートの層間に挿入されている第四級アンモニウムイオンは、エポキシ樹脂用硬化促進剤とその化学構造が類似しており、エポキシ樹脂の硬化反応を促進する効果がある。層状粘土化合物を層間剥離させ、剥離したシリケート層を樹脂中に均一に分散させる際に、層間に挿入されていた第四級アンモニウムイオンが樹脂中に分散してしまい、この第四級アンモニウムイオンが硬化促進剤として働き、樹脂の硬化反応の速度を早め、ゲル化時間を短くしてしまう。すなわち、層間に第四級アンモニウムイオンを有する層状粘土化合物により、エポキシ樹脂に優れた機械的特性や耐熱特性を付与しようとする場合、層状粘土化合物の層間に挿入さている第四級アンモニウムイオンの影響により、硬化反応を制御することが困難になる。
近年、エポキシ樹脂を使った注型による絶縁材料の製造において、量産性を向上させるために加圧ゲル化法を採用することが多い。この方法は、注型金型の温度を注型樹脂の温度より高くし、かつ金型に一定の温度勾配を付けた後、注型樹脂を金型の下方から一定の圧力を加えながら金型の内部に注入する。さらに注型樹脂が完全に注型金型に満たされた後、一定の圧力を加えた状態で注型樹脂を高温で早く硬化させる方法である。この方法では、注型金型の温度と樹脂組成により、硬化反応の速度(ゲル化時間)を制御することが必要となる。例えば、硬化反応の速度が早い(ゲル化時間が短い)と金型が樹脂で満たされる前に樹脂が硬化してしまい、所定の注型物を製造することができない。本発明のエポキシ樹脂組成物では、硬化促進剤の量により硬化反応の速度(ゲル化時間)を制御することができるので、加圧ゲル化法による注型絶縁物の製造にも適用することができる。なお、層状粘土化合物の分散に使用する固体エポキシ樹脂に加えて、液体エポキシ樹脂を使用する場合には、液体エポキシ樹脂の使用量によって硬化時間を調整することもできる。
さらに、本発明のエポキシ樹脂組成物は、層状粘土化合物の分散性を向上させ、あるいは分散した層状粘土化合物の再凝集を抑制するために分散助剤を含有することができる。そのような分散助剤としては、ケトン類、アルコール類、極性溶媒、界面活性剤、両親媒性化合物、シランカップリング剤等を例示することができる。より具体的には、ケトン類としてはアセトン、メチルエチルケトン等を例示することができる。アルコール類としてはメタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等を例示することができる。極性溶媒としてはジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、アセトニトリル等を例示することができる。界面活性剤および両親媒性化合物としてはドデシル硫酸ナトリウム、n−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ビス(2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム)(Aerosol OT)、オレイン酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、セチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)等を例示することができる。シランカップリング剤としてはγ−グリシドオキシープロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピル−トリメトキシシラン、ビニルトリェトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピル−トリメトキシシラン等を例示することができる。これらの分散助剤は単独または2種類以上の混合物として使用することができる。
界面活性剤または両親媒性化合物は層状粘土化合物の表面に吸着することで、層状粘土化合物が有するゼータ電位の絶対値を大きくすることができる。一般的に、層状粘土鉱物、シリカ、アルミナ、窒化ホウ素、金属酸化物等の無機微粒子は、表面が静電的に帯電しており、その帯電の大きさはゼータ電位で表される。そのゼータ電位の絶対値が大きいと微粒子同士間に静電的な斥力が働き凝集しにくくなるため、層状粘土化合物をエポキシ樹脂中に均一に分散させることができる。また、本発明の一実施の形態では、層状粘土化合物を固体エポキシ樹脂中で高い剪断応力を加えて、層状粘土鉱物を層間で剥離させ分散させた後、液体エポキシ樹脂と混合し、エポキシ樹脂用硬化剤と場合に応じてエポキシ樹脂用硬化促進剤によりエポキシ化合物を硬化させている。この液体エポキシ樹脂と混合する工程で、固体エポキシ樹脂中で分散した層状粘土化合物が再び集まり凝集してしまう可能性がある。上記分散助剤は、第四級アンモニウムイオンが層間に存在する層状粘土化合物をこれらの分散助剤に非常によく分散するため、樹脂中においてもこれらを添加することで、その分散性を向上させることができる。これらの作用により、層状粘土化合物を、エポキシ樹脂中により一層均一に分散させることが可能となり、分散した層状粘土化合物が、エポキシ樹脂の高次構造を構成する高分子鎖を補強する効果を促進することができる。さらに、シランカップリングは、層状粘土化合物とエポキシ樹脂との接着性をも向上させることができる。これにより、樹脂硬化物における層状粘土化合物と樹脂との接着界面が強固なものとなり、機械的強度の優れた絶縁材料を得ることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物において、層状粘土化合物(c)は、エポキシ樹脂(a)100重量部当たり、1〜30重量部の割合で含有されることが好ましい。また、エポキシ樹脂用硬化剤(b)は、エポキシ樹脂100重量部当たり、80〜100重量部の割合で含有されることが好ましい。さらに、硬化促進剤(d)は、エポキシ樹脂100重量部当たり、0.1〜1重量部の割合で含有されることが好ましい。また、分散助剤は、層状粘土化合物(b)100重量部当たり、0.1〜1重量部の割合で含有されることが好ましい。
上に述べたように、本発明のエポキシ樹脂組成物において、層剥離した状態で分散されている。図1に、本発明の一実施の形態に係るエポキシ樹脂組成物の内部構造を模式的に示す。図1に示すように、層状粘土化合物は、層剥離し、その剥離したシリケート層12が、エポキシ樹脂の分子鎖11の間に入り込み、硬化エポキシ樹脂の3次元網目構造を拘束する補強材として働く。そのため、得られる硬化物の曲げ破壊強度が増し、高温領域においても室温の弾性率を維持することができる。
このように層状粘土化合物を層剥離した状態でエポキシ樹脂中に分散させるためには、図2に示すように、固体エポキシ樹脂21に層状粘土化合物22を添加した後、固体エポキシ樹脂の軟化点の温度で、高い剪断力の下で両者を混合することができる。かかる混合は、高いトルク下での混合を行える混合機(例えば、東洋精機製作所社製商品名ラボプラストミル)を用いて行うことができる。これにより、非常に大きな剪断力でエポキシ樹脂と層状粘土化合物の混合物を撹拌することができ、剪断力の効果により層状粘土化合物の層間でシリケート層を剥離させ、シリケート層をエポキシ樹脂中に均一に分散することができる。また、固体エポキシ樹脂は、その分子量が大きいため、エポキシ樹脂の高分子鎖が層状粘土化合物に絡み付き、混合時の剪断力を層状粘土化合物に伝達し、層間での剥離を引き起こし、分散させることができる。このように、固体エポキシ樹脂中で層状粘土化合物を、剪断力を加えて混合することにより均一に分散させることが可能となる。他方、液体エポキシ樹脂に層状粘土化合物を添加した後、上記混合機を用いて混合しても、液体エポキシ樹脂は固体エポキシ樹脂と比較し、分子量も小さく、また粘度も低いため、混合時に必要な剪断力が発生しない。このため、層状粘土化合物は分散せず、凝集体のまま樹脂中に残ってしまう。
上に述べたように、固体エポキシ樹脂は、層状粘土化合物を分散する際には、非常に有効な分散媒体になるが、室温で固体状態であることからその取り扱いが難しくなる。換言すると、作業性が悪いと言える。これを、解決するために、層状粘土化合物を固体エポキシ樹脂で均一に分散した後、液体エポキシ樹脂23と混合することで、層状粘土化合物が均一に分散し、しかも、室温で液体状態の作業性のよいエポキシ樹脂組成物を得ることができる。層剥離した層状粘土化合物が分散したエポキシ樹脂混合物にエポキシ樹脂用硬化剤24と場合に応じて硬化促進剤25を添加し、さらに混合して、所望のエポキシ樹脂組成物26を得ることができる。
図3は、層状粘土化合物を層剥離した状態でエポキシ樹脂中に分散させるための別の方法を示す。この方法では、撹拌子311を備えた混合装置31に、液体エポキシ樹脂32と層状粘土化合物33とともに剪断力付与材として無機充填材24を添加し、その混合物を撹拌・混合することができる。層状粘土化合物の粒径は50〜15nmと非常に微小であるため、エポキシ樹脂に添加する前には数μmの大きさの凝集体として存在していることがある。しかし、層状粘土化合物とその層状粘土化合物よりも多い量の無機充填材(平均粒径1〜100μm)をエポキシ樹脂に混合し、これを撹拌・混合することにより、無機充填材により層状粘土化合物に剪断力が付与され、凝集体であった層状粘土化合物をエポキシ樹脂中に分散させ、さらに層状粘土化合物を層剥離させ、その層剥離したシリケート層をエポキシ樹脂中に均一に分散させることができる。そのような無機充填材としては、シリカ、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素(BN)、炭窒化ホウ素(BCN)、フッ化アルミニウム、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム等を例示することができる。これら無機充填材は、単独で、または2種類以上の混合物として使用することができる。
上記エポキシ樹脂32と層状粘土化合物33と無機充填材34を十分に混合し、層状粘土化合物33を層剥離させ、エポキシ樹脂中に分散させた後、エポキシ樹脂と反応することのない有機希釈剤35で希釈してエポキシ樹脂の粘度を低下させ、遠心分離管36に移し、遠心分離を行う。有機希釈剤35としては、加熱または真空下でエポキシ樹脂から除去し得る有機溶媒を使用することができ、例えば、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、アセトン、アセトニトリル等を例示することができる。有機希釈剤の使用量は、エポキシ樹脂の粘度を低下させ、遠心分離処理による無機充填材34の沈降を円滑に行わせるに十分なものである。ろ過、減圧ろ過等により分離除去できる程度のものである。この遠心分離処理により、層状粘土化合物が層剥離して生じたシリケート層38は希釈されたエポキシ樹脂37中に分散したままであるが、無機充填材24は、沈降する。デカンテーションにより、シリケート層28が分散した希釈エポキシ樹脂37を取り出すことができる。有機希釈剤は、真空または加熱を用いて除去することができる。
こうして得られたシリケート層が分散したエポキシ樹脂にエポキシ樹脂用硬化剤と場合に応じて硬化促進剤を添加して、所望のエポキシ樹脂組成物を得ることができる。
なお、遠心分離の代わりにろ過(減圧ろ過を含む)によっても無機充填材を分離除去することができる。
ところで、層状粘土化合物の分散状態は、X線回折測定により確認することができる。すなわち、本発明のエポキシ樹脂組成物を硬化させたとき、広角X線回折測定において2θ=3〜10°の範囲内に反射ピークが観察されない状態で層状粘土化合物が層剥離している。上に述べたように、層状粘土化合物は、SiO4四面体が二次元上に配列したシリケート層から構成されている。この構造がエポキシ樹脂組成物の硬化物中で維持されていると、広角X線回折測定において、2θ=3〜10°の範囲内に強い反射ピークが観察される。なお、このX線回折測定に使用する試験片は、エポキシ樹脂樹脂組成物を金型に流し込み、真空下で脱泡した後、100℃で3時間一次硬化させ、さらに150℃で15時間二次硬化させて得られる板状試験片(縦30mm×幅20mm×厚さ1mm)とすることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、これを金型に注入するような、通常の注型絶縁物用樹脂を使用した場合と同様の製造方法により、注型絶縁物を製造することができる。本発明のエポキシ樹脂組成物は、従来の注型樹脂として用いられているエポキシ樹脂に比べて、機械的強度が高く、かつ、耐熱性に優れた注型絶縁物を得ることができる。そのような注型絶縁物としては、ガス開閉装置用絶縁スペーサ、遮断器用絶縁ロッド、発電機用コイルの含浸樹脂、発電機用タービンエンド部仕上げワニス、絶縁塗料、FRP用含浸樹脂、パワーユニット絶縁封止材用高熱伝導絶縁シート、ケーブル被覆材料、IC基板、LS1素子用層間絶縁膜、積層基板、半導体用封止材、成形絶縁部品等が挙げられる。本発明によるエポキシ樹脂組成物は、前記実施の形態に限定されるものではなく、多様な材料を選択的に使用可能であり、その場合にも同様に優れた作用効果が得られる。近年、電気・電子機器および産業・重電機器の小型化、大容量化、高周波帯域での使用、大電圧化、使用環境の過酷化に伴い、注型絶縁物の高性能化、信頼性の向上、品質の安定化等が求められている。本発明によるエポキシ樹脂組成物は、これらの要求に合致するものであり、エポキシ注型絶縁物として、種々の電気・電子機器および産業・重電機器への適用が可能である。
次に、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
実施例1
固体エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(チバガイギー社製、商品名:CT200)20重量部を120℃に予熱した後、第四級アンモニウムイオンが層間に挿入されている層状粘土化合物(コープケミカル社製、商品名:STN)10重量部を添加し、万能混合撹拌機(ダルトン社製、商品名:5DMV−r型)を用いて10分間混合した。その後、この混合物を高いトルクによる混合が可能な混合機(東洋精機製作所社製、商品名:ラボプラストミル)へ移し、固体エポキシ樹脂が軟化する温度(CT200の場合は約50℃)で、30分間混合した。ラボプラストミル混合機での混合終了後、この混合物を再び万能混合機へ移し、液体エポキシ樹脂であるビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、商品名:エピコート(Ep)828)80重量部を加えて10分間混合した。混合終了後、エポキシ樹脂用酸無水物系硬化剤(新日本理化社製、商品名:リカシッドMH−700)90重量部とエポキシ樹脂用硬化促進剤(日本油脂社製、商品名:M2−100)0.1重量部を添加し、80℃で10分間の真空混合を行った。この混合物を予め100℃に加熱した金型に流し込み、真空状態で脱泡した後、115℃で3時間一次硬化させ、150℃で15時間二次硬化させて各試験片を作製した。
実施例2
実施例1で使用したエポキシ樹脂用硬化促進剤の量を、0.1重量部から0.3重量部に変更し試験片を作製した。具体的には、固体エポキシ樹脂であるビスフェノールA型エポキシ樹脂(チバガイギー社製、商品名:CT200)20重量部を120℃に予熱した後、第四級アンモニウムイオンが層間に挿入されている層状粘土化合物(コープケミカル社製、商品名:STN)10重量部を添加し、万能混合撹拌機(ダルトン社製、商品名:5DMV−r型)を用いて10分間混合した。その後、この混合物を高いトルクによる混合が可能な混合機(東洋精機製作所社製、商品名:ラボプラストミル)へ移し、固体エポキシ樹脂が軟化する温度(CT200の場合は約50℃)で、30分間混合した。ラボプラストミル混合機での混合終了後、この混合物を再び万能混合機へ移し、液体エポキシ樹脂であるビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、商品名:エピコート(Ep)828)80重量部を加えて10分間混合した。混合終了後、エポキシ樹脂用酸無水物系硬化剤(新日本理化社製、商品名:リカシッドMH−700)90重量部とエポキシ樹脂用硬化促進剤(日本油脂社製、商品名:M2−100)0.3重量部を添加し、80℃で10分間の真空混合を行った。この混合物を予め100℃に加熱した金型に流し込み、真空状態で脱泡した後、115℃で3時間一次硬化させ、150℃で15時間二次硬化させて各試験片を作製した。
実施例3
実施例1で使用したエポキシ樹脂用硬化促進剤の量を、0.1重量部から0.5重量部に変更し試験片を作製した。具体的には、固体エポキシ樹脂であるビスフェノールA型エポキシ樹脂(チバガイギー社製、商品名:CT200)20重量部を120℃に予熱した後、第四級アンモニウムイオンが層間に挿入されている層状粘土化合物(コープケミカル社製、商品名:STN)10重量部を添加し、万能混合撹拌機(ダルトン社製、商品名:5DMV−r型)を用いて10分間混合した。その後、この混合物を高いトルクによる混合が可能な混合機(東洋精機製作所社製、商品名:ラボプラストミル)へ移し、固体エポキシ樹脂が軟化する温度(CT200の場合は約50℃)で、30分間混合した。ラボプラストミル混合機での混合終了後、この混合物を再び万能混合機へ移し、液体エポキシ樹脂であるビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、商品名:エピコート(Ep)828)80重量部を加えて10分間混合した。混合終了後、エポキシ樹脂用酸無水物系硬化剤(新日本理化社製、商品名:リカシッドMH−700)90重量部とエポキシ樹脂用硬化促進剤(日本油脂社製、商品名:M2−100)0.5重量部を添加し、80℃で10分間の真空混合を行った。この混合物を予め100℃に加熱した金型に流し込み、真空状態で脱泡した後、115℃で3時間一次硬化させ、150℃で15時間二次硬化させて各試験片を作製した。
実施例4
固体エポキシ樹脂であるビスフェノールA型エポキシ樹脂(チバガイギー社製、商品名:CT200)20重量部を120℃に予熱した後、第四級アンモニウムイオンが層間に挿入されている層状粘土化合物(コープケミカル社製、商品名:STN)10重量部と分散助剤であるビス(2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム(和光純薬工業社製、商品名:Aerosol OT)0.5重量部を添加し、万能混合撹拌機(ダルトン社製、商品名:5DMV−r型)を用いて10分間混合した。その後、この混合物を高いトルクによる混合が可能な混合機(東洋精機製作所社製、商品名:ラボプラストミル)へ移し、固体エポキシ樹脂が軟化する温度(CT200の場合は約50℃)で、30分間混合した。ラボプラストミル混合機での混合終了後、この混合物を再び万能混合機へ移し、液体エポキシ樹脂であるビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、商品名:エピコート(Ep)828)80重量部を加えて10分間混合した。混合終了後、エポキシ樹脂用酸無水物系硬化剤(新日本理化社製、商品名:リカシッドMH−700)90重量部とエポキシ樹脂用硬化促進剤(日本油脂社製、商品名:M2−100)0.1重量部を添加し、80℃で10分間の真空混合を行った。この混合物を予め100℃に加熱した金型に流し込み、真空状態で脱泡した後、115℃で3時間一次硬化させ、150℃で15時間二次硬化させて各試験片を作製した。
実施例5
固体エポキシ樹脂であるビスフェノールA型エポキシ樹脂(チバガイギー社製、商品名:CT200)20重量部を120℃に予熱した後、水酸基を有する第四級アンモニウムイオンが層間に挿入されている層状粘土化合物(コープケミカル社製、商品名:SEN)10重量部を添加し、万能混合撹拌機(ダルトン社製、商品名:5DMV−r型)を用いて10分間混合した。その後、この混合物を高いトルクによる混合が可能な混合機(東洋精機製作所社製、商品名:ラボプラストミル)へ移し、固体エポキシ樹脂が軟化する温度(CT200の場合は約50℃)で、30分間混合した。ラボプラストミル混合機での混合終了後、この混合物を再び万能混合機へ移し、液体エポキシ樹脂であるビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、商品名:エピコート(Ep)828)80重量部を加えて10分間混合した。混合終了後、エポキシ樹脂用酸無水物系硬化剤(新日本理化社製、商品名:リカシッドMH−700)90重量部とエポキシ樹脂用硬化促進剤(日本油脂社製、商品名:M2−100)0.1重量部を添加し、80℃で10分間の真空混合を行った。この混合物を予め100℃に加熱した金型に流し込み、真空状態で脱泡した後、115℃で3時間一次硬化させ、150℃で15時間二次硬化させて各試験片を作製した。
実施例6
実施例1で使用した液体エポキシ樹脂を添加することなく同様に試験片を作製した。具体的には、固体エポキシ樹脂であるビスフェノールA型エポキシ樹脂(チバガイギー社製、商品名:CT200)100重量部を120℃に予熱した後、第四級アンモニウムイオンが層間に挿入されている層状粘土化合物(コープケミカル社製、商品名:STN)6.8重量部を添加し、万能混合撹拌機(ダルトン社製、商品名:5DMV−r型)を用いて10分間混合した。その後、この混合物を高いトルクによる混合が可能な混合機(東洋精機製作所社製、商品名:ラボプラストミル)へ移し、固体エポキシ樹脂が軟化する温度(CT200の場合は約50℃)で、30分間混合した。プラストミル混合機での混合終了後、この混合物を再び万能混合機へ移し、エポキシ樹脂用酸無水物系硬化剤(チバガイギー社製、商品名:HT901)30重量部を添加し、80℃で10分間の真空混合を行った。この混合物を予め100℃に加熱した金型に流し込み、真空状態で脱泡した後、115℃で3時間一次硬化させ、150℃で15時間二次硬化させて各試験片を作製した。
比較例1
実施例1で用いた固体エポキシ樹脂を液体エポキシ樹脂に変更して試験片を作製した。具体的には、液体エポキシ樹脂であるビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、商品名:エピコート(Ep)828)100重量部を120℃に予熱した後、第四級アンモニウムイオンが層間に挿入されている層状粘土化合物(コープケミカル社製、商品名:STN)10重量部を添加し、万能混合撹拌機(ダルトン社製、商品名:5DMV−r型)を用いて10分間混合した。その後、この混合物を高いトルクによる混合が可能な混合機(東洋精機製作所社製、商品名:ラボプラストミル)へ移し、50℃で30分間混合した。プラストミル混合機での混合終了後、この混合物を再び万能混合機へ移し、エポキシ樹脂用酸無水物系硬化剤(新日本理化社製、商品名:リカシッドMH−700)90重量部とエポキシ樹脂用硬化促進剤(日本油脂社製、商品名:M2−100)0.1重量部を添加し、80℃で10分間の真空混合を行った。この混合物を予め100℃に加熱した金型に流し込み、真空状態で脱泡した後、115℃で3時間一次硬化させ、150℃で15時間二次硬化させて各試験片を作製した。
比較例2
実施例1で使用した層状粘土化合物を、STNからSWNに変更して試験片を作製した。SWN(コープケミカル社製、商品名:SWN)は、その層間にナトリウムイオンが存在する層状粘土化合物である。具体的には、固体エポキシ樹脂であるビスフェノールA型エポキシ樹脂(チバガイギー社製、商品名:CT200)20重量部を120℃に予熱した後、ナトリウムイオンが層間に存在する層状粘土化合物SWN10重量部を添加し、万能混合撹拌機(ダルトン社製、商品名:5DMV−r型)を用いて10分間混合した。その後、この混合物を高いトルクによる混合が可能な混合機(東洋精機製作所社製、商品名:ラボプラストミル)へ移し、固体エポキシ樹脂が軟化する温度(CT200の場合は約50℃)で、30分間混合した。プラストミル混合機での混合終了後、この混合物を再び万能混合機へ移し、液体エポキシ樹脂であるビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、商品名:エピコート(Ep)828)80重量部を加えて10分間混合した。混合終了後、エポキシ樹脂用酸無水物系硬化剤(新日本理化社製、商品名:リカシッドMH−700)90重量部とエポキシ樹脂用硬化促進剤(日本油脂社製、商品名:M2−100)0.1重量部を添加し、80℃で10分間の真空混合を行った。この混合物を予め100℃に加熱した金型に流し込み、真空状態で脱泡した後、115℃で3時間一次硬化させ、150℃で15時間二次硬化させて各試験片を作製した。
実施例1〜6および比較例1〜2で調製したエポキシ樹脂組成物の組成を表1に示す。
Figure 2005179568
実施例1〜3および実施例6において、熱を加えて硬化する前のエポキシ樹脂組成物を用いて、その反応性の評価を行った。反応性の評価は、加熱により樹脂がゲル化に達するまでの時間(ゲル化時間)を測定することにより行った。
実施例実施例1〜3および実施例6で調製したエポキシ樹脂組成物(未硬化)をそれぞれガラス製の試験管(直径15mm)に底から50mm程度取り、ガラス棒(直径2mm)を差し込んだ。その後、樹脂を入れた試験管を130℃に保ったオイルバスに浸し、樹脂がゲル化し固まるまで、ガラス棒で撹拌を行った。試験管をオイルバスに浸してから、樹脂がゲル化して固まり、ガラス棒が動かなくなるまでの時間をゲル化時間として測定した。図4に、実施例1〜3および実施例6で調製したエポキシ樹脂組成物のゲル化時間をまとめて示す。
図4から、実施例1〜3で調製したエポキシ樹脂組成物のゲル化時間の長さは、実施例1>実施例2>実施例3となっているのが分かる。これは、添加したエポキシ樹脂用硬化促進剤量の違いによるものであり、添加量が多いほどゲル化時間の長さが短くなっている。つまり、エポキシ樹脂用硬化促進剤の量により、エポキシ化合物の反応速度を制御可能であることを示している。一方、図4から、硬化促進剤を配合していない実施例6で調製したエポキシ樹脂組成物のゲル化時間は極端に短くなっているのが分かる。この系では、エポキシ樹脂用硬化促進剤を添加しないと、層状粘土化合物の層間に挿入さている第四級アンモニウムイオンの影響により、硬化反応を制御することが困難になることがわかる。
次に、実施例1、4、5、および比較例1〜2で作製した試験片について、以下に示した方法で機械特性、耐熱特性の評価を行った。
硬化樹脂の機械特性を評価するため、各試験片(幅10mm×厚さ3mm×長さ80mmの短冊形試験片)の曲げ試験を行った。試験は、JIS−K6691「熱硬化性プラスッチック一般試験方法(曲げ強さ)」に従い、島津社製オートグラフ(商品名:AGS−500A)を使用し、支点間距離48mm、クロスヘッド移動速度2mm/分、室温、湿度35%RHの条件で行った。
また、硬化樹脂の耐熱特性を評価するために、各試験片(幅10mm×厚さ3mm×長さ80mmの短冊形試験片)の動的粘弾性試験を行った。試験は、セイコーインスツルメント社製動的粘弾性測定装置(商品名:MDS−110)を使用し、昇温速度2℃/分で加熱しながら、支点間距離20mmで試験片の両端を固定し、その中央に1Hzの正弦的な荷重を加え、その荷重と歪の関係から貯蔵弾性率の温度依存性を測定した。
これらの測定結果を表2に示す。
Figure 2005179568
表2から明らかなように、本発明の実施例により作製した試験片は、比較例のものに比べて、高い機械強度と優れた耐熱特性を有していることが分かる。
実施例1と比較例1により作製した試験片の各物性値(表2)を比較すると、実施例1により作製した試験片は、比較例1により作製した試験片よりも、高い曲げ破壊強度を有し、しかも高温領域においても室温の弾性率が保持されているのが分かる。この特性の差は、層状粘土化合物の分散状態の違いに由来している。透過型電機顕微鏡(TEM)による試験片の観察から、実施例1により作製した試験片では、層状粘土化合物が層間で層剥離を起こし、層構造を形成していた各シリケート層が樹脂中に分散していることが確認された。また、実施例1で調製したエポキシ樹脂組成物を金型に流し込み、真空下で脱泡した後、100℃で3時間一次硬化させ、さらに150℃で15時間二次硬化させて、評価用の板状試験片(縦30mm×幅20mm×厚さ1mm)を作製し、X線回折(XRD)測定装置(理学社製、型式:XRD−B)を用いて、板状試験片のX線回折を測定しところ、板状試験片には、2θ=3〜10°の範囲に反射ピークが観察されないかった。一方、比較例1で作製した試験片では、層状粘土化合物が数ミクロンの凝集体として分散していることが確認された。また、同様のXRD測定により、2θ=3〜10°の範囲に反射ピークが観察された。このため、層状粘土化合物の凝集体が、破壊の起点となって亀裂が進行しているため破壊強度が低下し、また、凝集体では補強材として効果を発現することができないため、高温領域では弾性率が低下した。
また、実施例1と比較例2により作製した試験片の各物性値を比較することと、実施例1により作製した試験片は、比較例2により作製した試験片よりも、曲げ破壊強度と160℃における弾性率の値が高いことが分かる。つまり、層状粘土化合物として、実施例1で用いたスメクタイト(STN)のように層間に第四級アンモニウムイオンが挿入されているものを用いる方が、比較例2で用いたスメクタイト(SWN)のように層間にナトリウムイオンを有するものを用いるよりも好ましいことがわかる。これらのスメクタイト(SWN)とスメクタイト(STN)の広角X線回折測定結果と、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(チバガイギー社製、商品名:CT200)への目視による分散性評価の結果を表3に示す。層状粘土化合物は広角X線回折測定から、その層間距離を求めることができる。層状粘土化合物(STN)は、その層間にアンモニウムイオンが挿入されていることにより、スメクタイト(SWN)と比べて、層間距離が長く、かつ、層間の雰囲気が親油性となることでエポキシ樹脂への親和性が優れていることが分かる。このため、スメクタイト(STN)が、エポキシ樹脂中に均一に分散することで、優れた機械特性と耐熱性を付与することができる。
Figure 2005179568
次に、実施例1と実施例5により作製した試験片の各物性値を比較すると、表2から、実施例5により作製した試験片は、実施例1により作製した試験片よりも、曲げ破壊強度と160℃における弾性率の値が高いことが分かる。つまり、層状粘土化合物の層間に存在する第四級アンモニウムイオンとして、水酸基のような前記官能基を有するものを用いるほうがより優れた機械特性と耐熱性を付与することができる。これら官能基は、化学的に高い活性を有している。また、エポキシ樹脂の有するグリシジル環も非常に高い活性を有するため、これらの官能基および化学結合とエポキシ樹脂の間に相互作用または化学反応を生起させることが可能となる。例えば、第四級アンモニウムイオンが有する水酸基は、エポキシ樹脂のグリシジル環を開環させエーテル結合を形成し、第四級アンモニウムイオンとエポキシ樹脂が連結したオリゴマーが生成する。このオリゴマーが再び、第四級アンモニウムイオンまたはエポキシ樹脂と反応していくことで、エポキシ樹脂の分子鎖がスメクタイト(SEN)のシリケート層により拘束された3次元の網目構造が形成される。これにより、スメクタイト(SEN)がエポキシ樹脂の補強材の役目を果たし、曲げ試験おいて優れた破壊強度を発現し、また、高温領域においても、室温と同程度の弾性率を維持することができる。
実施例1と実施例4により作製した試験片の各特性を比較すると、実施例4により作製した試験片は、曲げ破壊強度と高温領域での弾性率が実施例1により作製した試験片よりも若干高くなっていることが分かる。実施例4により作製した試験片には、分散助剤として界面活性剤の一種であるビス(2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウムが添加されている。界面活性剤または両親媒性化合物は層状粘土化合物の表面に吸着することで、層状粘土化合物が有するゼータ電位の絶対値を大きくすることができる。ゼータ電位の絶対値が大きいと微粒子同士間に静電的な斥力が働き凝集しにくくなるため、層状粘土化合物をエポキシ樹脂中に均一に分散させることができる。
本発明の一実施の形態に係るエポキシ樹脂組成物の内部構造を示す模式図。 本発明の一実施の形態に従いエポキシ樹脂組成物を製造する工程を示すフロー図。 本発明の一実施の形態に従い層状粘土化合物をエポキシ樹脂に層分離した状態で分散させるための方法を説明する図。 実施例1〜3および実施例6で調製したエポキシ樹脂組成物のゲル化時間を示す図。
符号の説明
11…エポキシ樹脂の分子鎖、12…層状粘土化合物の層剥離したシリケート層、21…固体エポキシ樹脂、23…液体エポキシ樹脂、24…エポキシ樹脂用硬化剤、25…硬化促進剤、26…エポキシ樹脂組成物、31…混合装置、311…撹拌子、32…液体エポキシ樹脂、33,22…層状粘土化合物、34…無機充填材、36…遠心分離管、37…有機希釈剤で希釈されたエポキシ樹脂。

Claims (11)

  1. (a)1分子当たり2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂、
    (b)エポキシ樹脂用硬化剤、および
    (c)層状粘土化合物
    を含み、前記層状粘土化合物が層剥離した状態で分散されていることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  2. 前記層状粘土化合物が、前記エポキシ樹脂組成物を硬化させたとき、X線回折測定において2θ=3〜10°の範囲内に反射ピークが観察されない状態で存在していることを特徴とする請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. 前記エポキシ樹脂が、少なくとも一種の常温で固体のエポキシ樹脂と、少なくとも一種の常温で液体のエポキシ樹脂を含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 前記層状粘土化合物が、前記の固体エポキシ樹脂中で混合され分散されていることを特徴とする請求項3に記載のエポキシ樹脂組成物。
  5. 前記層状粘土化合物が混合され分散された固体エポキシ樹脂が、前記液体エポキシ樹脂と混合されていることを特徴とする請求項4に記載のエポキシ樹脂組成物。
  6. 前記エポキシ樹脂が、前記エポキシ樹脂用硬化剤によりゲル化するまでの時間がエポキシ樹脂用硬化促進剤の添加により制御されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  7. 前記層状粘土化合物が、スメクタイト群、マイカ群、バーミキュライト群からなる鉱物群から選択された少なくとも一種であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  8. 前記の層状粘土化合物が、その層間に第四級アンモニウムイオンを有するものであることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  9. 前記第四級アンモニウムイオンが、エーテル基、スルフィド基、エステル基、アミド基、水酸基、カルボキシル基、カルボニル基、アルデヒド基、エポキシ基、アミノ基、ニトリル基、チオール基、スルホン酸基、ハロゲン基および不飽和炭化水素基からなる群の中から選択された少なくとも一種の官能基を含むことを特徴とする請求項8に記載のエポキシ樹脂組成物。
  10. 前記分散した層状粘土化合物が、ケトン類、アルコール類、極性溶媒、界面活性剤、両親媒性化合物およびシランカップリング剤の中から選択された少なくとも一種の分散助剤によりその凝集が抑制されていることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  11. 請求項1ないし10のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物を使用してなることを特徴とする注型絶縁物。
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