JP2005179093A - セリア−ジルコニア系複合酸化物及びその製造方法 - Google Patents

セリア−ジルコニア系複合酸化物及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 低コストで硫酸被毒の懸念がなく、かつ耐熱性が高いセリア−ジルコニア系複合酸化物及びその製造方法を提案する。
【解決手段】 セリア−ジルコニア系複合酸化物を表面積から推定される平均粒子径Aと電子顕微鏡観察から測定される平均粒子径比Bの比A/Bが<1.5であり、かつ1000℃で3時間焼成後の比表面積が40m/g以上とする。この複合酸化物はセリウム及びジルコニウムを含む酸性溶液に塩基を添加してpH:l.5〜5.5の間で水酸化ジルコニウムを沈殿させた後、水酸化ジルコニウム沈殿を母液中に分散させて水酸化ジルコニウム含有水溶液の粘度を10%以上上昇させる水酸化ジルコニウム沈殿の分散処理段階を行い、しかる後さらに塩基を添加してpH:8以上としてセリウム−ジルコニウム系水酸化物スラリーを得、該セリウム−ジルコニウム系水酸化物スラリーを固液分離後、洗浄、乾燥、焼成することによって製造する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、触媒、紫外線遮断剤、電極材料、燃料電池用固体電解質分野に利用可能であり、特に自動車の排ガス浄化用触媒における助触媒として使用されるセリアとジルコニアとの複合酸化物およびその製造方法に関する。
セリアは酸素吸蔵放出能(Oxygen Storage Capacity、以下単に「OSC」という)を有するため、自動車排ガス浄化用触媒の助触媒として広く用いられている。このセリアは、一般にその特性を高めるためセリア−ジルコニア系複合酸化物として使用されている。
近年、環境意識の高まりから自動車排ガス用触媒もエンジン始動直後から触媒性能を発揮することが求められ、浄化活性温度を確保するため触媒搭載位置が年々エンジンに近くなってきている。このため、触媒は900〜1,000℃の高温にさらされることとなり、粒子成長に伴う比表面積低下による触媒性能の劣化が問題となっており、セリア−ジルコニア助触媒についても高温で安定して高比表面積を維持できるものが強く求められている。そのため、セリア−ジルコニア系複合粒子は粒子間のネッキングを少なくし、焼結などによるOSCの低下を防止することが必要である。
セリア−ジルコニア系複合酸化物の製造方法としてはいわゆる中和沈殿法として非特許文献1に示されているとおり硝酸塩の原料をアンモニアで中和して得られる水酸化物をろ過、洗浄後、焼成する方法がある。また、耐熱性に優れたセリア−ジルコニア系複合酸化物の製造方法に関しては、例えば特許文献1にジルコニウムゾルとセリウムゾルとを混合し、この混合ゾルにアルカリを加えて沈殿物を生成させ、得られた沈殿物を焼成することにより製造する方法が、特許文献2には水酸化ジルコニウム粒子とセリウムゾルを硝酸存在下で加熱して溶解、再析出反応を行い、塩基を加えてさらに反応させ、得られた生成物を焼成、粉砕する方法が、特許文献3には塩基性硫酸ジルコニウムとセリウムイオンを含む溶液とを混合した後、塩基を添加する方法が、特許文献4には硫酸根存在下にアルカリを添加する方法が提案されている。
しかしながら工業的にもっとも安価に製造できると思われる中和沈殿法では第三成分を配合しても、自動車用触媒としての評価基準である1,000℃、3hの焼成後の表面積は、非特許文献では20m/g以下であり、耐熱性が不十分である。一方、特許文献1等に示されているゾル法では事前のゾル調整が必要であり、製品コストの上昇を招く。特許文献2に示されている硝酸存在下で加熱する方法ではジルコニアゾル調整が不要なもののセリウムゾルの調整が必要であり、反応温度も高いためコスト的に不利である。特許文献3に示されている塩基性硫酸ジルコニウムとセリウムイオンを含む溶液を混合する方法、特許文献4に示されている硫酸根存在下にアルカリを添加する方法はともに、不可避的に生成する硫酸セリウムの水系溶媒に対する溶解度が低いため完全に硫酸根の洗浄ができないため触媒被毒の原因となる。
特開平6-279027号公報 特開平10-194742号公報 特開2000-319019号公報 特開2003-137550 Journal of the Ceramic Society of Japan 111[2] 137-141 (2003)
本発明はこれら従来技術の有する問題点を解決することを目的とし、基本製造プロセスとして工業的にもっとも安価に製造できる中和沈殿法を採用して、低コストで硫酸被毒の懸念がなく、かつ耐熱性が高いセリア−ジルコニア系複合酸化物及びその製造方法を提案することを目的とする。
本発明者は、水酸化セリウムと水酸化ジルコニウムの沈殿するpHが著しく異なること、中和時に先に沈殿する水酸化ジルコニウムは生成した粒子は細かいものの強い凝集力が働いているため大きな凝集体なっていること、この大きな水酸化ジルコニウム凝集体のネックがその後の加熱により粒子成長を引き起こすことおよびこの大きな水酸化ジルコニウム凝集体を水酸化セリウムが沈殿する前にほぐすことにより最終的に得られるセリア−ジルコニア系複合酸化物粒子のネッキングを大幅に減らすことができ大幅に耐熱性が向上することを見出して本発明を完成するに至った。
本発明に係るセリア−ジルコニア系複合酸化物は、表面積から推定される平均粒子径Aと電子顕微鏡観察から測定される平均粒子径比Bの比A/Bが≦1.5であり、かつ1000℃で3時間焼成後の比表面積が40m/g以上となっている。
前記セリア−ジルコニア系複合酸化物は、さらにスカンジウム、イットリウム及び原子番号57〜71までの希土類元素(プロメチウムを除く)から選択される1種又は2種以上の第三成分を酸化物に換算して合計15mass%以下の範囲で含有することができる。
上記セリア−ジルコニア系複合酸化物は、セリウム及びジルコニウムを含むpH:1以下の酸性溶液を準備する段階と、該酸性溶液に塩基を添加してpH:l.5〜5.5の間で水酸化ジルコニウムを沈殿させる段階と、前段階で得られた水酸化ジルコニウム沈殿を母液中に分散させて水酸化ジルコニウム含有水溶液の粘度を10%以上上昇させる水酸化ジルコニウム沈殿の分散処理段階と、前記分散処理段階を経た溶液にさらに塩基を添加してpH:8以上としてセリウム−ジルコニウム系水酸化物スラリーを得る段階と、該セリウム−ジルコニウム系水酸化物スラリーを固液分離後、洗浄、乾燥、焼成する段階と、を順次行うことによって製造することができる。
上記製造工程において、セリウム及びジルコニウムを含むpH:1以下の酸性溶液には、さらにスカンジウム、イットリウム及び原子番号57〜71までの希土類元素(プロメチウムを除く)から選択される1種又は2種以上の第三成分を酸化物に換算してセリア−ジルコニア系複合酸化物に対して合計15mass%以下となるように含有させることができる。
本発明により耐熱性が高いセリア−ジルコニア系複合酸化物を提供することがでる。また本発明に係るセリア−ジルコニア系複合酸化物は粒子間のネックが少ないので、高温使用の際の焼結が進行しがたく、使用時のOSCの低下を防止することが可能であり、自動車排ガス浄化用触媒の助触媒として長時間にわたって使用可能である。
本発明に係るセリア−ジルコニア系複合酸化物は、表面積から推定される平均粒子径Aと電子顕微鏡観察から測定される平均粒子径比Bの比A/Bが≦1.5となっている。表面積から推定される平均粒子径Aとは、日刊工業新聞社発行「粒度測定技術」第231頁に記載の比表面積径Dsによるものであり一方、電子顕微鏡観察から測定される平均粒子径比Bとは、日刊工業新聞社発行「粒度測定技術」第40頁に記載の投影面積径によるものであり、200個以上の粒子像の投影面積をデジタル処理することによって求める。これらはいずれも平均粒子径を示すものであるが、前者は一次粒が凝集してネックが増加するときに大きくなるものであるのに対し、後者は投影面積のみに依存するという特徴がある。一次粒子にネックが多いと、凝集して焼結する傾向が強いことを意味するので、高温に至っても比A/Bが小さいことは一次粒子が凝集・焼結せず、触媒助剤として高温まで安定性が高いことを意味する。
本発明では上記平均粒子径Aと電子顕微鏡観察から測定される平均粒子径比Bの比A/Bを<1.5とする。図1は、種々の方法により製造されたセリア−ジルコニア系複合酸化物を700℃から1200℃の間で3h焼成したときの焼成温度と上記の比A/Bとの関係を示すグラフである。ここに示すように本発明に従うA/B≦1.5のグループでは1100℃で3h焼成後にもA/Bの増大が少なく高温で安定していることが分かる。
しかしながら、上記A/B値の制限だけでは自動車排ガス浄化用触媒の助触媒として十分ではない。高温で十分な助触媒としての機能を果たすためには、1000℃で3h焼成後の比表面積が十分高いことが必要である。本発明のセリア−ジルコニア系複合酸化物は上記比表面積が40m/g以上を示す。この比表面積は粉体の比表面積測定法として最も標準的な窒素ガス吸着によるBET法により測定したものである。
本発明に係るセリア−ジルコニア系複合酸化物は、上記A/B値及び1000℃で3h焼成後の比表面積の双方からその性質が限定されているので、たとえば1100℃のような高温で使用される場合に合っても焼結の進行によりOSCが低下することが少ないという利益がある。
本発明に係るセリア−ジルコニア系複合酸化物の基本的な特性は上記のとおりであるが、その基本組成はセリウムとジルコニウムの配合比率が二酸化セリウム(セリア、Ce0)及び酸化ジルコニウム(ジルコニア、ZrO)に換算して質量比で10:90〜90:10である。二酸化セリウムの質量比が90を超えると耐熱性が低下するため所望の性能が得られず、一方、酸化ジルコニウムの質量比が90を超えるとOSCが低下する。上記質量比を25:75〜75:25とすればより耐熱性が高い複合酸化物が得られる。
本発明のセリア−ジルコニア系複合酸化物には上記基本組成に加え、さらにスカンジウム、イットリウム及び原子番号57〜71までの希土類元素(プロメチウムを除く)から選択される1種又は2種以上の第三成分を酸化物に換算して合計15mass%以下の範囲で含有させることができる。これらの元素は耐熱性を改善するのに有効であるが、合計量で15mass%を超えて含有させると、基本成分であるセリウム含有量が相対的に低下して助触媒として必要なOSCが低くなるため好ましくない。
上記セリア−ジルコニア系複合酸化物を製造するためには、以下の工程を順次行う。まず、セリウム及びジルコニウムを含むpH:1以下の酸性溶液を準備する。セリウム源として硝酸セリウム、塩化セリウムなど硝酸塩水溶液もしくは塩化物水溶液を使用することができる。ジルコニウム源として硝酸ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウムなど硝酸塩水溶液もしくは塩化物水溶液を使用することができる。これらの量比はセリア/ジルコニア比が所望の値になるように調整すればよい。
上記水溶液には必要に応じてスカンジウム、イットリウム及び原子番号57〜71までの希土類元素(プロメチウムを除く)から選択される1種又は2種以上の第三成分の硝酸塩もしくは塩化物を酸化物に換算して合計15mass%以下となるように加える。
上記水溶液の濃度は酸化物換算の合計量で10〜200g/l(リットル)が望ましい。10g/l未満では得られる複合水酸化物量が少な過ぎて生産効率が悪く、200g/lを超えると反応中の溶液スラリー粘度が高くなりすぎ十分な混合状態が得られない。
得られた水溶液をたとえば撹拌羽根方式、ポンプ循環方式などを用いて撹拌し、撹拌を継続しながら塩基を添加してpH:1.5〜5.5の間に調整して水酸化ジルコニウムを沈殿させる。セリウムは塩化物として未反応のまま水溶液中に残留する。
この際のpHの管理は重要である。pHが1.5未満であると水酸化ジルコニウム生成反応が十分進行せず、未反応のジルコニウム溶液が残り、一方、pHが5.5を超えるとセリウム及び第三成分の水酸化物生成反応が始まり、仮に次工程以降の操作を続けても水酸化ジルコニウム十分に分散した状態にすることができず、十分な耐熱性を有するセリア−ジルコニア系複合酸化物を得ることができなくなる。なお、pHを1.8以上5.0以下の範囲に調整すればより水酸化ジルコニウムの沈殿をより完全にすることができ、またセリウム及び第三成分の水酸化物生成反応の開始を確実に防ぐことができる。なお、「水酸化ジルコニウム」とは、水酸化ジルコニウム及び水和ジルコニアと称されるものをいう。
塩基源として水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水など通常工業的に使用されるアルカリをすべて使用できる。なお、反応温度は最終的に得られるセリア−ジルコニア系複合酸化物の耐熱性に影響を及ぼさないので室温〜95℃まで任意に設定することができる。
上記により得られた水酸化ジルコニウムの沈殿を含む溶液は、生成した水酸化ジルコニウムが強く凝集した状態にあるので、次工程に移行する前にその分散処理を行う。この分散処理は、水酸化ジルコニウム凝集体のネックがその後の加熱により粒子成長を引き起こす原因となることに基づき、水酸化セリウムの沈殿過程の前に凝集をほぐすことを目的として行われるものであり、それにより最終的に得られるセリア−ジルコニア系複合酸化物粒子のネッキングを大幅に減らすものである。
この分散にはたとえば高速回転するプロペラでせん断する分散機、微小ビーズを使うビーズミル、超音波分散機、高圧水の衝突エネルギーを利用する分散機などを使用して行い、水酸化ジルコニウム含有水溶液の粘度が10%以上上昇したことにより分散が十分行われたことを確認する。
水酸化ジルコニウムの分散が十分行われた溶液は、撹拌操作を続けながら塩基を添加してpH:8以上とされる。これによりセリウム及び第三成分の水酸化物が形成され、先に沈殿し分散操作によって液中に分散している水酸化ジルコニウムと均一に混合されてセリウム−ジルコニウム系水酸化物スラリーが得られる。
なお、セリウムの水酸化物の沈殿開始pHは7.0〜7.2であり、第三元素については、ルテチウムの水酸化物の沈殿開始pHが最も低く5.7〜5.9であり、ランタンの水酸化物の沈殿開始pHがもっとも高く7.4〜7.6であるので、前記水酸化ジルコニウムの沈殿操作はpH:5.5までに完了させ、セリウム及び第三成分の沈殿操作はそれ以上のpHでかつpH:8以上とすることにより、上記2つの反応の進行を完全に分離して行うことができる。そして、これら2つの反応の間に水酸化ジルコニウムの分散操作をはさむことにより、ネッキングの少ない十分に分散したセリウム−ジルコニウム系水酸化物スラリーが得られるようになる。なお、上記第2の塩基添加操作の後、必要に応じて再び水酸化物の分散操作を行うこともでき、それによって一層ネッキングの少ない水酸化物を得ることができる。
このようにして水酸化物が沈殿した系に対して、沈殿物とろ液を分離する目的で固液分離操作を行う。固液分離の手段は特に問わず、遠心分離装置、ろ過装置など工業的に使用される装置を使用することができる。
得られたセリウム−ジルコニウム系水酸化物は必要に応じて洗浄し、塩化物イオンなど夾雑イオンの低減を行う。洗浄はたとえば純水中に水酸化物を分散させたあと、遠心分離装置、ろ過装置などにより行う。この洗浄は水酸化物中の夾雑イオンの含有量が質量比で3%以下になるまで続けることが望ましい。なお、上記水酸化物洗浄操作は原料が硝酸塩の場合、中和塩基がアンモニウムなどであって次工程以降で行う乾燥、焼成により分解・飛散するものの場合には省略することもできる。
上記により得られたセリウム−ジルコニウム系水酸化物(必要に応じ第三成分の水酸化物を含む)は乾燥工程に付される。この工程は工業的に使用される外熱式または内燃式乾燥装置を使用して乾燥温度60〜200℃程度で行い、これにより水酸化物に対する付着水分量が質量比で40〜90%程度から10%以下に低減する。
上記乾燥工程に続いて焼成が行われる。焼成温度は用途に応じて適当に選ぶことができるが、実用的には900℃以下とするのがよい。なお、上記乾燥工程と焼成工程はそれぞれ独立した工程として行うこともできるが、一連の連続工程として行うこともできる。また、仮焼に先立って、乾燥された水酸化物の破砕を行うこともできる。
焼成して得られたセリア−ジルコニア系複合酸化物は必要に応じて粉砕を行い粒度の調整を行う。粉砕はスタンプミル、ローラーミル、ジェットミルまたはボールミルなどの媒体ミルなどの工業的に使用されるミルを用い所望の粒度に調整する。
(実施例1)
二酸化セリウム換算濃度200g/lの塩化セリウム溶液とジルコニア換算濃度200g/lのオキシ塩化ジルコニウム溶液とを混合し、合計酸化物換算濃度50g/l、CeO:ZrO=50:50の溶液1l(リットル)を得た。得られた混合溶液を撹拌しながらアンモニアでpH:l.8になるまで中和した。得られたスラリーの粘度は1.8mPasであった。このスラリーを日本精機製作所製ウルトラホモミキサーで20min分散処理したところ粘度は2.4mPasとなった。このスラリーにさらにアンモニアをpH:8.0になるまで添加しセリウム、ジルコニウム混合水酸化物スラリーを得た。得られたスラリーをろ過して混合水酸化物とろ液に分離した。分離した水酸化物を純水に分散させろ過・洗浄する操作を3回繰り返した上、120℃で乾燥し混合水酸化物の粉末とした。得られた水酸化物粉末を外熱炉によって700℃で3h焼成して比表面積105m/gのセリア−ジルコニア複合酸化物を得た。
得られたセリア−ジルコニア複合酸化物の組成分析値、比表面積、平均粒子径及び表面積から推定される平均粒子径Aと電子顕微鏡観察から測定される平均粒子径比Bの比A/Bの値はまとめて表1にしめす。
なお、比表面積の測定は通常行われるBET3点法で行い、粘度の測定は粘度計校正用標準液で校正された回転粘度計を使用して行った。比表面積から推定される平均粒子径の計算には平均粒子径D=6/ρ(ρ:粒子密度、S:比表面積)を使用し、粒子密度にはCeO、ZrOにはそれぞれ文献値である7.3、5.5を、その他第三成分元素酸化物は影響が小さいのですべて5.5と近似して計算した。
(実施例2)
二酸化セリウム換算濃度200g/lの塩化セリウム溶液とジルコニア換算濃度200g/lのオキシ塩化ジルコニウム溶液と100g/lの塩化イットリウム溶液を混合し酸化物換算濃度100g/l、CeO:ZrO:Y=45:45:10の溶液5l(リットル)を得た。得られた混合液を撹拌しながらアンモニアでpH:2.5になるまで中和した。得られたスラリーの粘度は2.5mPasであった。このスラリーについて日本精機製作所製超音波分散機を用い投入エネルギー300Wとして20min間分散処理したところ粘度は3.2mPasとなった。このスラリーにさらにアンモニアをpH:8.0になるまで添加しセリウム、ジルコニウム、イットリウム混合水酸化物スラリーを得た。得られたスラリーをろ過して混合水酸化物とろ液に分離した。分離した水酸化物を純水に分散させろ過・洗浄する操作を3回繰り返した上で120℃で乾燥し混合水酸化物の粉末とした。得られた水酸化物粉末を外熱炉によって700度で3h焼成して比表面積121m/gのセリア−ジルコニア複合酸化物を得た。得られたセリア−ジルコニア複合酸化物の特性値は実施例1と同様に表1に示す。
(実施例3)
二酸化セリウム換算濃度200g/lの塩化セリウム溶液とジルコニア換算濃度200g/lの塩化ジルコニウム溶液と100g/lの塩化ランタン溶液を混合し酸化物換算濃度100g/l、CeO:ZrO:La=75:10:15の溶液5lを得た。得られた混合溶液を撹拌しながらアンモニアでpH:2.5になるまで中和した。得られたスラリーの粘度は2.3mPasであった。このスラリーをビーズミルで60min分散処理したところ粘度は3.OmPasとなった。このスラリーにさらにアンモニアをpH:8.0になるまで添加しセリウム、ジルコニウム、ランタン混合水酸化物スラリーを得た。得られたスラリーをろ過して混合水酸化物とろ液に分離した。分離した水酸化物を純水に分散させろ過・洗浄する操作を3回繰り返した上、120℃で乾燥し混合水酸化物の粉末とした。得られた水酸化物粉末を外熱炉によって700℃で3h焼成して比表面積107m/gのセリア−ジルコニア複合酸化物を得た。得られたセリア−ジルコニア複合酸化物の特性値は実施例1と同様に表1に示す。
(実施例4)
二酸化セリウム換算濃度200g/lの硝酸セリウム溶液とジルコニア換算濃度200g/lの硝酸ジルコニウム溶液と100g/lの硝酸ネオジム溶液を混合し酸化物換算濃度100g/l、CeO:ZrO:Nd=30:60:10の溶液5l(リットル)を得た。得られた混合液を撹拌しながらアンモニアでpH:2.5になるまで中和した。得られたスラリーの粘度は2.4mPasであった。このスラリーをビーズミルで60min分散処理したところ粘度は3.1mPasとなった。このスラリーにさらにアンモニアをpH:8.0になるまで添加しセリウム、ジルコニウム、ネオジム混合水酸化物スラリーを得た。得られたスラリーをろ過して混合水酸化物とろ液に分離した。分離した水酸化物を純水に分散させろ過・洗浄する操作を3回繰り返した上で120℃で乾燥し混合水酸化物の粉末とした。得られた水酸化物粉末を外熱炉によって700℃で3h焼成して比表面積123m/gのセリア−ジルコニア複合酸化物を得た。得られたセリア−ジルコニア複合酸化物の特性値は実施例1と同様に表1に示す。
(実施例5)
二酸化セリウム換算濃度200g/lの硝酸セリウム溶液とジルコニア換算濃度200g/lの硝酸ジルコニウム溶液と100g/lの硝酸ルテチウム溶液を混合し酸化物換算濃度100g/l、CeO:ZrO:Lu=45:45:10の溶液5lを得た。得られた混合液を撹拌しながらアンモニアでpH:2.5になるまで中和した。得られたスラリーの粘度は2.3mPasであった。このスラリーをビーズミルで60min分散処理したところ粘度は3.3mPasとなった。このスラリーにさらにアンモニアをpH:8.0になるまで添加しセリウム、ジルコニウム、ルテチウム混合水酸化物スラリーを得た。得られたスラリーをろ過して混合水酸化物とろ液に分離した。分離した水酸化物を純水に分散させろ過・洗浄する操作を3回繰り返した上で120℃で乾燥し混合水酸化物の粉末とした。得られた水酸化物粉末を外熱炉によって700℃で3h焼成して比表面積125m/gのセリア−ジルコニア複合酸化物を得た。得られたセリア−ジルコニア複合酸化物の特性値は実施例1と同様に表1に示す。
(実施例6)
実施例5と同様にセリウム、ジルコニウム、ルテチウム混合水酸化物スラリーを得た後、ビーズミルで60min間分散処理したところ粘度は3.5mPasとなった。得られたスラリーをろ過して混合水酸化物とろ液に分離した。分離した水酸化物を純水に分散させろ過・洗浄する操作を3回繰り返した上で120℃で乾燥し混合水酸化物の粉末とした。得られた水酸化物粉末を外熱炉によって700℃で3h焼成して比表面積129m/gのセリア−ジルコニア複合酸化物を得た。得られたセリア−ジルコニア複合酸化物の特性値は実施例1と同様に表1に示す。
(実施例7)
二酸化セリウム換算濃度200g/lの硝酸セリウム溶液とジルコニア換算濃度200g/lの硝酸ジルコニウム溶液と100g/lの硝酸ランタン溶液を混合し酸化物換算濃度100g/l、CeO:Zr0:La=40:55:5の溶液5lを得た。得られた混合液を撹拌しながらアンモニアでpH:2.5になるまで中和した。得られたスラリーの粘度は2.1mPasであった。このスラリーをビーズミルで60min分散処理したところ粘度は3.1mPasとなった。このスラリーにさらにアンモニアをpH:8.0になるまで添加しセリウム、ジルコニウム、ランタン混合水酸化物スラリーを得た。得られたスラリーをろ過して混合水酸化物とろ液に分離した。得られた混合水酸化物を120℃で乾燥し混合水酸化物の粉末とした。得られた水酸化物粉末を外熱炉によって700℃で3h焼成して比表面積130m/gのセリア−ジルコニア複合酸化物を得た。得られたセリア−ジルコニア複合酸化物の特性値は実施例1と同様に表1に示す。
(実施例8)
二酸化セリウム換算濃度200g/lの硝酸セリウム溶液とジルコニア換算濃度200g/lの硝酸ジルコニウム溶液と100g/lの硝酸ランタン溶液を混合し酸化物換算濃度100g/l、CeO:Zr0:La=10:75:15の溶液5lを得た。得られた混合液を撹拌しながらアンモニアでpH:2.5になるまで中和した。得られたスラリーの粘度は2.2mPasであった。このスラリーをビーズミルで60min分散処理したところ粘度は3.3mPasとなった。このスラリーにさらにアンモニアをpH:8.0になるまで添加しセリウム、ジルコニウムスラリーを得た。得られたスラリーをろ過して混合水酸化物とろ液に分離した。分離した水酸化物を純水に分散させろ過・洗浄する操作を3回繰り返した上で120℃で乾燥し混合水酸化物の粉末とした。得られた水酸化物粉末を外熱炉によって700℃で3h焼成して比表面積138m/gのセリア−ジルコニア複合酸化物を得た。得られたセリア−ジルコニア複合酸化物の特性値は実施例1と同様に表1に示す。
(実施例9)
二酸化セリウム換算濃度200g/lの硝酸セリウム溶液とジルコニア換算濃度200g/lの硝酸ジルコニウム溶液を混合し酸化物換算濃度100g/l、CeO:Zr0=85:15の溶液5lを得た。得られた混合液を撹拌しながらアンモニアでpH:2.5になるまで中和した。得られたスラリーの粘度は2.4mPasであった。このスラリーをビーズミルで60min分散処理したところ粘度は3.1mPasとなった。このスラリーにさらにアンモニアをpH:8.0になるまで添加しセリウム、ジルコニウム混合水酸化物スラリーを得た。得られたスラリーをろ過して混合水酸化物とろ液に分離した。分離した水酸化物を純水に分散させろ過・洗浄する操作を3回繰り返し、120℃で乾燥し混合水酸化物の粉末とした。得られた水酸化物粉末を外熱炉によって700℃で3h焼成して比表面積88m/gのセリア−ジルコニア複合酸化物を得た。得られたセリア−ジルコニア複合酸化物の特性値は実施例1と同様に表1に示す。
(比較例1)
ホモミキサーでの分散処理を行わない以外は実施例1と同様な操作を行い、得られた水酸化物粉末を外熱炉によって700℃で3h焼成して比表面積60m/gのセリア−ジルコニア複合酸化物を得た。得られたセリア−ジルコニア複合酸化物の特性値は実施例1と同様に表1に示す。
(比較例2)
超音波分散機での分散処理を行わない以外は実施例2と同様な操作を行い、得られた水酸化物粉末を外熱炉によって700℃で3h焼成して比表面積68m/gのセリア−ジルコニア複合酸化物を得た。得られたセリア−ジルコニア複合酸化物の特性値は実施例1と同様に表1に示す。
(比較例3)
ビーズミルででの分散処理を行わない以外は実施例8と同様な操作を行い、得られた水酸化物粉末を外熱炉によって700℃で3h焼成して比表面積73m/gのセリア−ジルコニア複合酸化物を得た。得られたセリア−ジルコニア複合酸化物の特性値は実施例1と同様に表1に示す。
種々の方法により製造されたセリア−ジルコニア系複合酸化物を700℃から1200℃の間で3h焼成したときの焼成温度と上記の比A/Bとの関係を示すグラフである。

Claims (4)

  1. 表面積から推定される平均粒子径Aと電子顕微鏡観察から測定される平均粒子径比Bの比A/Bが≦1.5であり、かつ1000℃で3h焼成後の比表面積が40m/g以上であることを特徴とするセリア−ジルコニア系複合酸化物。
  2. 前記セリア−ジルコニア系複合酸化物は、さらにスカンジウム、イットリウム及び原子番号57〜71までの希土類元素(プロメチウムを除く)から選択される1種又は2種以上の第三成分を酸化物に換算して合計15mass%以下の範囲で含有することを特徴とする請求項1記載のセリア−ジルコニア系複合酸化物。
  3. セリウム及びジルコニウムを含むpH:l以下の酸性溶液を準備する段階と、
    該酸性溶液に塩基を添加してpH:l.5〜5.5の間で水酸化ジルコニウムを沈殿させる段階と、
    前段階で得られた水酸化ジルコニウム沈殿を母液中に分散させて水酸化ジルコニウム含有水溶液の粘度を10%以上上昇させる水酸化ジルコニウム沈殿の分散処理段階と、
    前記分散処理段階を経た溶液にさらに塩基を添加してpH:8以上となし、セリウム−ジルコニウム系水酸化物スラリーを得る段階と、
    該セリウム−ジルコニウム系水酸化物スラリーを固液分離後、洗浄、乾燥、焼成する段階と、
    を順次行うことを特徴とする請求項1に記載のセリア−ジルコニア系複合酸化物の製造方法。
  4. セリウム及びジルコニウムを含むpH:1以下の酸性溶液には、さらにスカンジウム、イットリウム及び原子番号57〜71までの希土類元素(プロメチウムを除く)から選択される1種又は2種以上の第三成分を酸化物に換算してセリア−ジルコニア系複合酸化物に対して合計15mass%以下となるように含有させることを特徴とする請求項2に記載のセリア−ジルコニア系複合酸化物の製造方法。

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