JP2005178570A - 車両の操舵制御装置 - Google Patents

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俊晃 中村
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Abstract

【課題】 両内歯歯車または両外歯歯車の軸方向の自由移動を抑制して、トルク伝達効率と操舵フィーリングの悪化を防止する。
【解決手段】 操舵軸2と出力軸4との間に設けられて、操舵軸から出力軸に伝達される回転力を所定のギア比に変換制御するギア比可変機構6は、操舵軸側の第1外歯歯車21と第1内歯歯車22及び出力軸側の第2内歯歯車23と第2外歯歯車24とを備えると共に、偏心孔28で前記各内歯歯車間の結合部25を相対回転自在に支持する偏心カム17を備えている。前記各歯車の歯部をヘリカル歯21a〜24aに形成すると共に、該各ヘリカル歯の捩り角度を同一方向に設定して、各内歯歯車の軸方向の分力を互いに反対方向にして、軸方向の自由移動を阻止した。
【選択図】 図2

Description

本発明は、車両の操舵制御装置の改良に関する。
従来の車両の操舵制御装置としては、例えば以下の特許文献1に記載されたものが知られている。
概略を説明すれば、この車両の操舵制御装置は、ステアリングホイール側の入力軸と転舵角側の出力軸との間に、電動モータによってギア比を可変にするギア比可変機構が設けられており、このギア比可変機構は、同軸上の前記入力軸と出力軸の各対向端部にそれぞれ外径の異なる第1,第2内歯歯車が設けられ、この各内歯歯車にそれぞれ外径の異なる第1、第2外歯歯車が噛合されて、この外歯歯車同士が回転軸に固定されている。
該回転軸には、該回転軸の公転を制御する偏心カムが相対回転自在支持されており、前記偏心カムは、ウォーム機構を介して電動モータにより回転制御されることによって、前記入力軸と出力軸との間に発生する相対回転量を制御するようになっている。
西独国特許第10160313号明細書
前記従来の車両の操舵制御装置にあっては、各内歯歯車と外歯歯車としては、各歯車の噛み合い率が大きくかつ作動音の小さなヘリカルギアを用いることが好ましい。
しかしながら、ヘリカルギアを単体で用いた場合は、周知のように軸方向へ力(推力)が発生する。この軸方向の推力はボールベアリングによって支持されるが、このボールベアリングのインナーレースとボール及びアウターレースの間に隙間が形成されていることから、各歯車の作動中に軸方向へのガタが発生する。
この結果、この軸方向のガタにより、各歯車の回転トルク伝達効率や操舵フィーリングが悪化するおそれがある。
本発明は、前記従来の車両の操舵制御装置の技術的課題に鑑みて案出されたもので、請求項1記載の発明は、とりわけ、ギア比可変機構は、入力軸と同軸上に設けられた第1外歯歯車と、該第1外歯歯車に偏心状態で噛合する第1内歯歯車と、該第1内歯歯車に軸方向から一体に設けられた第2内歯歯車と、前記出力軸と同軸上に設けられて、前記第2内歯歯車に偏心状態で噛合する第2外歯歯車と、内部に形成された偏心孔の内周面で前記各内歯歯車間の外周面を相対回転自在に支持し、前記入力軸と同軸に回転する偏心カムと、前記制御手段を介して前記偏心カムを回転制御することにより前記両内歯歯車を公転させて前記入力軸と出力軸とのギア比を可変制御するアクチュエータとを備え、少なくとも前記第1、第2内歯歯車の各歯部をヘリカル歯によって形成すると共に、第1内歯歯車と第2内歯歯車のヘリカル歯の捩れ方向を同方向に設定したことを特徴としている。
この発明によれば、第1内歯歯車と第2内歯歯車の各ヘリカル歯の捩れ方向を同一にしたことから、各外歯歯車を介して各内歯歯車に作用する軸方向の分力(ベクトル)が互いに反対方向に掛かることになる。
すなわち、ステアリングホイールの一方向の回転操作によって入力軸と第1外歯歯車が同方向へ回転すると、その回転トルクが第1内歯歯車に伝達されて、該第1内歯歯車も同方向へ回転する。このとき、第1内歯歯車の歯側面に作用する分力は、第1内歯歯車の回転方向にもよるが、ヘリカル歯の歯側面(捩り方向)に対してほぼ直角な接線方向の力と、ヘリカル歯の捩り方向であるほぼ第2内歯歯車方向側の軸方向への力に分けられる。
一方、前記第1内歯歯車の回転に伴い第2内歯歯車が同期回転して、第2外歯歯車に回転トルクを伝達するが、このとき、第2外歯歯車から第2内歯歯車に反力が作用し、この分力は、第2内歯歯車のヘリカル歯の歯側面に対してほぼ直角な接線方向(第1内歯歯車とは逆の接線方向)の力と、ヘリカル歯の捩り方向である第1内歯歯車方向側の軸方向の力に分けられる。
このように、両内歯歯車に発生する特に軸方向の分力が、互いに反対方向に指向していることから、該各内歯歯車は互いの分力が打ち消し合って、同一軸方向への自由移動が抑制されることになる。
したがって、各内歯歯車を支持する軸受でのガタの発生が十分に抑制されて、各歯車の回転トルク伝達効率や操舵フィーリングの悪化を防止することができる。
請求項2に記載の発明にあっては、とりわけ、ギア比可変機構は、入力軸と同軸上に設けられた筒状の第1内歯歯車と、該第1内歯歯車に偏心状態で噛合する第1外歯歯車と、該第1外歯歯車に軸方向から一体に設けられた第2外歯歯車と、前記出力軸と同軸上に設けられて、前記第2外歯歯車が偏心状態で噛合する筒状の第2内歯歯車と、内部に形成された偏心孔の内周面で前記各外歯歯車間の外周面を相対回転自在に支持し、前記入力軸と同軸に回転する偏心カムと、前記制御手段を介して前記偏心カムを回転制御することにより前記外歯歯車を公転させて前記入力軸と出力軸とのギア比を可変制御するアクチュエータとを備え、少なくとも前記第1、第2外歯歯車の各歯部をヘリカル歯によって形成すると共に、第1外歯歯車と第2外歯歯車のヘリカル歯の捩れ方向を同方向に設定したことを特徴としている。
この発明によれば、請求項1の発明と同じく、両外歯歯車に発生する軸方向の分力が、互いに反対方向に指向していることから、該各外歯歯車は互いの分力が打ち消し合って、同一軸方向への自由移動が抑制されることになる。
したがって、各外歯歯車を支持する軸受でのガタの発生が十分に抑制されて、各歯車の伝達効率や操舵フィーリングの悪化を防止することができる。
請求項3に記載の発明は、前記第1内歯歯車と第2内歯歯車の各ピッチ円直径の大きさを異ならせると共に、外径の大きな一方の内歯歯車のヘリカル歯の捩り角度を、外径の小さな他方の内歯歯車のヘリカル歯の捩れ角度よりも大きく設定したことを特徴としている。
前記第1,第2内歯歯車に発生する軸方向の分力は、ヘリカル歯の捩れ角度が同一の場合では、外径の大きい側が小さくなり、外径の小さい側が大きくなる。そうすると、第1内歯歯車と第2内歯歯車との間に発生する軸方向の分力がアンバランスとなってしまう。
そこで、この発明のように、外径の大きい側の内歯歯車の捩れ角度を大きくしたことによって第1、第2内歯歯車の間に発生する軸方向の分力をバランスさせることが可能になるのである。
この結果、両内歯歯車の軸方向の自由移動がさらに効果的に防止されて、軸受でのガタの発生を抑制することができる。
以下、本発明に係る車両の操舵制御装置をステアバイワイヤー方式の操舵制御装置に適用した実施形態を図面に基づいて詳述する。
図1は第1の実施形態における車両の操舵制御装置の概略を示し、ステアリングホィール1に連結された入力軸である操舵軸2と、前側左右の転舵輪FL、FRを操舵するラック・ピニオン機構3と、該操舵軸2の操舵角に応じて出力軸4を介して前記ラック・ピニオン機構3を駆動させる操舵機構5と、該操舵機構5と分離独立して設けられて、前記操舵軸2の操舵角に応じて前記ラック・ピニオン機構3を駆動するギア比可変機構6とを備えている。
また、前記操舵軸2の操舵角や操舵トルクを検出する操舵角検出手段である操舵角センサ7と、前記ラック・ピニオン機構3のラックバーの摺動位置の応じて両転舵輪FL、FRの実際の転舵角を検出する実転舵角検出手段である実転舵角センサ8と、該操舵角センサ7と実転舵角センサ8からの情報信号によって前記操舵手段5とギア比可変機構6を制御する電子コントローラ9とを備えている。
前記ラック・ピニオン機構3は、タイロッド10に固定されたラックバー3aと、該ラックバー3aに噛合するピニオンギア3bとから構成され、前記ラックバー3aは、タイロッド10の両端部に連結されたナックルアーム10a,10aを介して両転舵輪FL、FRに連係している。
前記出力軸4は、図1に示すように、前記操舵軸2にギア比可変機構6を介して連係されているたアッパー軸4aと、該アッパー軸4aにトーションバー11を介して、前記ラック・ピニオン機構3のピニオンギア3bに連結されたロアー軸4bとから構成されている。また、前記トーションバー11の外周には、アッパー軸4aとロアー軸4bとの間のトルク差である操舵トルクをトーションバー11の捩れによって検出するトルクセンサ11aが設けられている。
前記操舵機構5は、前記ロアー軸4bを介してピニオンギアに連係した減速用のギア機構12と、該ギア機構12を介してピニオンギアを回転駆動する正逆回転可能な電動式の駆動モータ13とから構成されており、前記ギア機構12には、ラックバー3aに摺動位置を検出して現在の実転舵角を検出する前記実転舵角センサ8が設けられている。
前記ギア比可変機構6は、図2〜図5に示すように、ハウジング14内に前後直列に配置された操舵軸2側の第1ギア歯車15と、出力軸4側の第2ギア歯車16とを有すると共に、該第1,第2ギア歯車15,16の外周側に配置されて、偏心回動によって両ギア歯車15,16に公転力を付与する偏心カム17と、前記電子コントローラ9を介して前記偏心カム17を回転制御するアクチュエータ18とを備えている。
前記操舵軸2と出力軸4とは、対向する先端部2aとアッパー軸4aがハウジング14内で同軸上に配置され、前記アッパー軸4aの端部に軸方向に沿って形成された支持孔4c内に円筒状のブッシュ19を介して前記先端部2aの先端部位2bが相対回転自在に支持されていると共に互いに軸方向へ僅かに移動可能になっている。
前記ハウジング14は、図2に示すように、車体に固定されていると共に、段差円筒状に形成され、前後端部内に設けられたボールベアリング20,20によって前記操舵軸2の先端部2a及び出力軸4のアッパー軸4aの端部を回転自在に支持している。
前記第1ギア歯車15は、図2及び図4に示すように、前記操舵軸の先端部2aの外周面に同軸一体に設けられた第1外歯歯車21と、該第1外歯歯車21に外側から偏心状態で噛合する円筒状の第1内歯歯車22とを備えている。
一方、第2ギア歯車16は、図2及び図5に示すように、前記第1内歯歯車22に軸方向から一体に結合された円筒状の第2内歯歯車23と、前記出力軸4のアッパー軸4aの端部外周面に同軸一体に設けられて、前記第2内歯歯車23が偏心状態で噛合する第2外歯歯車24とを備えている。
また、前記第1外歯歯車21は、図6にも示すように、その外径dが第2外歯歯車24の外径d1よりも小さく形成されている。
また、第1内歯歯車22と第2内歯歯車23は、図7にも示すように、ほぼ中央の薄肉な円筒状の結合部25によって一体に連結されていると共に、第1内歯歯車22の各内径d3が第2内歯歯車23の内径d4よりも小さく形成されている。したがって、前記結合部25は、各内歯歯車22,23の境目が段差部25aになっている。
さらに、前記各歯車21〜24の内外にそれぞれ形成された歯部は、図6及び図7に示すように、ヘリカル歯21a〜24aに形成されていると共に、その捩り方向が同一方向に設定されている。また、前記各ヘリカル歯21a〜24aの捩り角度θ1及びθ2がほぼ同一に設定されている。
前記偏心カム17は、図2、図3、図8、図9に示すように、ほぼ円筒状に形成されて、その前後両端部がボールベアリング26、27を介して操舵軸2と出力軸4を相対回転自在に支持している。また、偏心カム17は、その中心Pが両軸2,4の軸心と同心上に配置されていると共に、操舵軸2側の本体17aの内部に中心P1が中心Pから所定量だけ偏心した偏心孔28が形成されている。
また、前記偏心孔28の内周面に固定されたボールベアリング29を介して前記両内歯歯車22、23間の結合部25が回転自在に支持されている。
すなわち、ボールベアリング29は、アウターレース29aが偏心孔28の内周面に形成された段差溝28aに操舵軸2側の軸方向への移動を規制されながら保持されている一方、インナーレース29bが前記結合部25の段差部25aに出力軸4側の軸方向への移動を規制されながら保持されている。
また、前記各内歯歯車22,23は、偏心カム本体17aの最大肉厚部内に径方向に沿って設けられた保持穴17bのばね部材30によって前記ボールベアリング29を介して各外歯歯車21,24方向へ付勢されている。
前記アクチュエータ18は、ハウジング14の内部外周側に保持された可逆式の電動モータ31と、該電動モータ31と偏心カム17との間に設けられたウォーム歯車とから構成されている。
前記ウォーム歯車は、図2に示すように、前記電動モータ31の回転軸に結合されたウォームシャフト32aと、偏心カム17の本体17aの段差径部の外周面に固定されて、前記ウォームシャフト32aに噛合するウォームホイール32bとから構成されている。
そして、電動モータ31から伝達された回転力をウォーム歯車により偏心カム17に伝達し、この偏心カム17の正逆回転によって各内歯歯車22,23を公転させて操舵軸2から出力軸4に対するギア比(減速、増速比)を可変制御するようになっている。
前記電子コントローラ9は、マイクロコンピュータが内蔵され、図1に示すように、前記操舵角センサ7と実操舵角センサ8からのそれぞれの操舵角θ、実舵角θ’やトルクセンサ11aによって検出された操舵トルクT、図外の車速センサによって検出された現在の車速V、制御回路によって求められた目標実舵角、目標アシストトルク指令信号などの情報信号を入力して前記前記駆動モータ13と電動モータ31に制御電流を出力するようになっている。
すなわち、電子コントローラ9は、ステアリングホイール1を左右回転操作することにより、操舵角θや実舵角θ’、車速Vなどの情報信号に基づいて駆動モータ13を正逆回転させ、これによってラック・ピニオン機構3を介して転舵輪FL、FRに対する通常の転舵制御を行う。
一方、電動モータ31に通電しない状態でステアリングホイール1を回転操作すると、操舵軸2の回転に伴って第1外歯歯車21が同方向へ回転すると共に、これに噛み合った第1内歯歯車25が自転により回転する。と同時に第2内歯歯車23が同方向へ回転(自転)し、これに噛み合った第2外歯歯車24が回転して出力軸4に回転トルクを伝達させることになる。
また、車両の所定の運転状態時に、ステアリングホイール1を回転操作すると、これに応じて前記電動モータ31に通電してウォーム歯車32a、32bを介して、偏心カム17を一方向(例えば右方向)へ回転させると、第1内歯歯車21が第1外歯歯車21の回りを一方向へ公転しながら自転する、と同時に、第2内歯歯車23も第2外歯歯車24の回りを公転しながら自転する。
このため、出力軸4には、ギア比が変化して例えば増速された回転トルクが伝達されることになる。
一方、ステアリングホイール1を回転操作すると、これに応じて前記電動モータ31により偏心カム17を反対方向(例えば左方向)へ回転させると、第1内歯歯車21が第1外歯歯車21の回りを他方向へ公転しながら自転する、と同時に、第2内歯歯車23も第2外歯歯車24の回りを同じく同方向へ公転しながら自転する。
このため、出力軸4には、ギア比が変化して例えば減速された回転トルクが伝達されることになる。
このとき、第1外歯歯車21aを、図6に示すように、例えば右方向(白矢印方向)へ回転させた場合において、第1内歯歯車22のヘリカル歯22aの歯側面に作用する分力は、ヘリカル歯22aの歯側面22b方向(捩り方向)に対してほぼ直角な接線方向f1、f2の力と、ヘリカル歯22aの捩り方向に沿った第2内歯歯車23方向側の軸方向f3への力に振り分けられる。
一方、前記第1内歯歯車22の回転に伴い第2内歯歯車23が同期回転して、第2外歯歯車24に回転トルクを伝達するが、このとき、第2外歯歯車24から第2内歯歯車23に反力が作用し、この分力は、第2内歯歯車23のヘリカル歯23aの歯側面23bに対してほぼ直角な接線方向(第1内歯歯車22とは逆の接線方向)の力f4、f5と、ヘリカル歯23aの捩り角度に沿った第1内歯歯車22方向側の軸方向の力f6に振り分けられる。
このように、両内歯歯車22,23に発生する分力方向、特に軸方向の分力f3,f6が、互いに対向する方向(圧縮する方向)へ指向していることから、該各内歯歯車22,23は互いの分力が打ち消し合って、同一軸方向への自由移動が抑制されることになる。
したがって、各内歯歯車22,23を支持する軸受29でのガタの発生が十分に抑制されて、各歯車21〜24の回転トルク伝達効率や操舵フィーリングの悪化を防止することができる。
また、各内歯歯車22,23が反対に回転した場合は、それぞれに掛かる分力も互いに離れる方向に作用することから、各内歯歯車22,23の軸方向の自由移動が抑制される。
さらに、この実施形態では、操舵軸2と出力軸4がブッシュ19を介して互いに軸方向へ僅かに相対移動可能になっていることから、各ヘリカル歯21a〜24a間を常に密着状態に噛合させることが可能になる。このため、各歯車21〜24の回転トルク伝達効率が良好になる。
また、第1内歯歯車22と第2内歯歯車23の結合部25の外周面に軸受29を設けたため、該結合部25の剛性が大きくなる。このため、前記各内歯歯車22、23に掛かる圧縮、引っ張り方向の各分力に十分に対抗することが可能になる。
さらに、ばね部材30によって各内歯歯車22,23を各外歯歯車21,24側に押し付けることによってバックラッシを消失することができるので、各ヘリカル歯21a〜24a間での打音の発生を防止できる。
図10及び図11は第2の実施形態を示し、基本構成は第1実施形態と同様であるが、異なるところは、ピッチ円直径の大きな第2外歯歯車24のヘリカル歯24aの捩り角度θ1を、ピッチ円直径の小さな第1外歯歯車21のヘリカル歯は21aの捩り角度θ2よりも大きく設定すると共に、同じくピッチ円直径の大きな第2内歯歯車23のヘリカル歯23aの捩り角度θ1を、ピッチ円直径の小さな第1内歯歯車22のヘリカル歯22aの捩り角度θ2よりも大きく設定したものである。
すなわち、前記第1,第2内歯歯車22,23に発生する軸方向の力f3,f6は、ヘリカル歯22a、23aの捩れ角度θ1、θ2が同一の場合(第1実施形態)では、ピッチ円直径の大きい第2内歯歯車23側が小さくなり、ピッチ円直径の小さい第1内歯歯車22側が大きくなる。そうすると、第1内歯歯車22と第2内歯歯車23との間に発生する軸方向の力f3,f6が若干アンバランスとなってしまう。
そこで、この実施形態では、前述のように、外径の大きい第2内歯歯車23の捩れ角度θ1を大きくしたことによって第1、第2内歯歯車22,23の間に発生する軸方向の力f3,f6をバランスさせることが可能になるのである。
この結果、両内歯歯車22,23の軸方向の自由移動がさらに効果的に抑制されて、軸受29でのガタの発生をさらに抑制することが可能になる。
図12は第3の実施形態を示し、ギア比可変機構15の各歯車の構造を変更したものである。
すなわち、ギア比可変機構6は、ほぼ円筒状のハウジング40と、該ハウジング40の内部に収容されて、前記操舵軸2の先端部2aに同軸上に一体に結合された有底円筒状の第1内歯歯車41と、該第1内歯歯車41に偏心状態で噛合する軸状の第1外歯歯車42と、該第1外歯歯車42に軸方向から一体に結合された第2外歯歯車43と、出力軸4と同軸上に設けられて、前記第2外歯歯車43が偏心状態で噛合する有底筒状の第2内歯歯車44と、内部に形成された偏心孔46の内周面で前記各外歯歯車42,43間の外周面を相対回転自在に支持し、操舵軸2と同軸に回転する偏心カム45と、前記電子コントローラ9を介して前記偏心カム45を回転制御するアクチュエータ47とから構成されている。
前記第1内歯歯車41は、そのピッチ円直径が第2内歯歯車43とほぼ同径に形成されているが、第1外歯歯車42は、第2外歯歯車44よりも大きく形成されている。
前記ハウジング40は、前後端部内に設けられたボールベアリング48、48によって操舵軸2の先端部2aと出力軸4のアッパー軸4aの対向端部をそれぞれ軸支している。
また、前記各歯車41〜44の内外周には、ヘリカル歯41a〜44aがそれぞれ形成されていると共に、該各ヘリカル歯41a〜44aの捩り角度はほぼ同一に設定されている。
前記偏心カム45は、ほぼ円環状に形成されて、外周面の前後両端部に配置されたボールベアリング49,49によってハウジング40の内面に回転自在に支持されていると共に、前記偏心孔46の中心P1が偏心カム45の中心Pから所定量偏倚している。また、この偏心孔46の段差内周面の前後両端部に配置されたボールベアリング50,50によって前記第1,第2外歯歯車42,43の間の結合部51を介して両者42,43を回転自在に支持している。
さらに、前記各外歯歯車42,43は、前記偏心孔46の内周面に径方向に沿って形成された保持穴内のばね部材52,53によって各内歯歯車41,44の各ヘリカル歯41a、44a方向に付勢されている。
前記アクチュエータ46は、同じく電動モータ54と、該電動モータ54と偏心カム45の外周面に設けられたウォーム歯車55によって構成されている。
その他の構造や制御方法及び動作構成は第1実施形態と同様である。
したがって、各歯部をヘリカル歯41a〜44aとしたことから、第1の実施形態と同様な作用効果が得られる。すなわち、各内歯歯車41,44を介して両外歯歯車42,43に発生する分力方向が互いに反対方向(圧縮、引っ張り方向)に指向することから、該各外歯歯車42,43は互いの分力が打ち消し合って、同一軸方向への移動が阻止されることになる。
したがって、各外歯歯車42,43を支持する軸受50,50でのガタの発生が十分に抑制されて、各歯車の伝達効率や操舵フィーリングの悪化を防止することができる。
前記実施形態から把握される前記請求項に記載した発明以外の技術的思想について、その作用効果と共に以下に説明する。
(1)前記外歯歯車を入力軸と出力軸の各対向端部の外周面に一体に形成すると共に、前記入力軸と出力軸の各対向端部の先端部をブッシュを介して互いに軸方向移動可能に設けたことを特徴とする請求項1又は3に記載の車両の操舵制御装置。
この発明によれば、入、出力軸がブッシュによって軸受されて、それぞれの軸方向の移動の自由度が高くなるので、入、出力軸に設けられた第1、第2外歯歯車とそれぞれに対応する第1、第2内歯歯車とを密着して噛合させることが可能になる。この結果、トルク伝達効率が向上する。
(2)前記第1内歯歯車と第2内歯歯車の結合部の外周を、軸受を介して前記偏心カムに支持させたことを特徴とする請求項1、3又(1)に記載の車両の操舵制御装置。
この発明によれば、第1内歯歯車と第2内歯歯車の結合部は、前記第1、第2外歯歯車との噛み合いによる大きな分力が掛かり、操舵軸の回転方向によって引っ張り力と圧縮力の両方の力を受けるために変形し易くなるが、この結合部の外周面を軸受によって支持させたことから、剛性を高めることができ、前記各分力に十分に対抗することが可能になる。
本発明は、前記各実施形態の構成に限定されるものではなく、例えば、第3実施形態の大径な第1外歯歯車42のヘリカル歯42aの捩り角度を大きく設定すれば、軸方向の力のバランスを確保することができる。
また、前記各内歯、外歯歯車の外径の大きさを前後で適宜変更することも可能である。
本発明の第1実施形態の車両の操舵制御装置の全体概略図である。 本実施形態に供されるギア比可変機構の縦断面である。 図2のA−A線断面図である。 図2のB−B線断面図である。 図2のC−C線断面図である。 本実施形態に供される第1、第2外歯歯車を示す正面図である。 本実施形態に供される第1、第2内歯歯車を示す縦断面図である。 本実施形態に供される偏心カムを示す上半分断面図である。 同偏心カムの側面図である。 第2の実施形態に供される第1、第2外歯歯車を示す正面図である。 本実施形態に供される第1、第2内歯歯車を示す縦断面図である。 第3の実施形態に供されるギア比可変機構を示す縦断面図である。
符号の説明
1…ステアリングホイール
2…操舵軸(入力軸)
3…ラック・ピニオン機構
4…出力軸
5…操舵機構
6…ギア比可変機構
7…操舵角センサ(操舵角検出手段)
8…実転舵角センサ(実転舵角検出手段)
9…電子コントローラ(制御手段)
13…駆動モータ
17…偏心カム
18…アクチュエータ
21…第1外歯歯車
22…第1内歯歯車
23…第2内歯歯車
24…第2外歯歯車
28…偏心孔
29…ボールベアリング
FL・FR…転舵輪

Claims (3)

  1. ステアリングホイールに連結された入力軸と、
    該入力軸の操舵角を検出する操舵角検出手段と、
    前記入力軸とほぼ同軸上に配置され、転舵輪に連係された出力軸と、
    前記転舵輪の転舵角を検出する実転舵角検出手段と、
    前記転舵輪に前記出力軸を介して転舵力を付与する操舵機構と、
    前記入力軸と出力軸との間に設けられて、入力軸から出力軸に伝達される回転力を所定のギア比に変換制御するギア比可変機構と、
    前記操舵角検出手段と実転舵角検出手段からのそれぞれの角度情報信号に基づいて前記操舵機構を制御する制御手段と、を備えた車両の操舵制御装置であって、
    前記ギア比可変機構は、
    前記入力軸と同軸上に設けられた第1外歯歯車と、
    該第1外歯歯車に偏心状態で噛合する第1内歯歯車と、
    該第1内歯歯車に軸方向から一体に設けられた第2内歯歯車と、
    前記出力軸と同軸上に設けられて、前記第2内歯歯車に偏心状態で噛合する第2外歯歯車と、
    内部に形成された偏心孔の内周面で前記各内歯歯車間の外周面を回転自在に支持し、前記入力軸と同軸に回転する偏心カムと、
    前記制御手段を介して前記偏心カムを回転制御することにより前記両内歯歯車を公転させて前記入力軸と出力軸とのギア比を可変制御するアクチュエータとを備え、
    少なくとも前記第1、第2内歯歯車の各歯部をヘリカル歯によって形成すると共に、該第1内歯歯車と第2内歯歯車のヘリカル歯の捩れ方向を同方向に設定したことを特徴とする車両の操舵制御装置。
  2. ステアリングホイールに連結された入力軸と、
    該入力軸の操舵角を検出する操舵角検出手段と、
    前記入力軸とほぼ同軸上に配置され、転舵輪に連係された出力軸と、
    前記転舵輪の転舵角を検出する実転舵角検出手段と、
    前記転舵輪に前記出力軸を介して転舵力を付与する操舵機構と、
    前記入力軸と出力軸との間に設けられて、入力軸から出力軸に伝達される回転力を所定のギア比に変換制御するギア比可変機構と、
    前記操舵角検出手段と実転舵角検出手段からのそれぞれの角度情報信号に基づいて前記操舵機構を制御する制御手段と、
    を備えた車両の操舵制御装置であって、
    前記ギア比可変機構は、
    前記入力軸と同軸上に設けられた筒状の第1内歯歯車と、
    該第1内歯歯車に偏心状態で噛合する第1外歯歯車と、
    該第1外歯歯車に軸方向から一体に設けられた第2外歯歯車と、
    前記出力軸と同軸上に設けられて、前記第2外歯歯車が偏心状態で噛合する筒状の第2内歯歯車と、
    内部に形成された偏心孔の内周面で前記各外歯歯車間の外周面を相対回転自在に支持し、前記入力軸と同軸に回転する偏心カムと、
    前記制御手段を介して前記偏心カムを回転制御することにより前記外歯歯車を公転させて前記入力軸と出力軸とのギア比を可変制御するアクチュエータとを備え、
    少なくとも前記第1,第2外歯歯車の各歯部をヘリカル歯によって形成すると共に、第1外歯歯車と第2外歯歯車のヘリカル歯の捩れ方向を同方向に設定したことを特徴とする車両の操舵制御装置。
  3. 前記第1内歯歯車と第2内歯歯車の各ピッチ円直径の大きさを異ならせると共に、外径の大きな一方の内歯歯車のヘリカル歯の捩り角度を、外径の小さな他方の内歯歯車のヘリカル歯の捩れ角度よりも大きく設定したことを特徴とする請求項1に記載の車両の操舵制御装置。
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