JP2005176481A - パラレルハイブリッド車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両の発進時、エンジンと逆方向にモータ/発電機を回転させるパラレルハイブリッド車両において、蓄電装置がフル充電状態にあるときに当該蓄電装置の過充電を防止する。
【解決手段】車両の発進時、充電装置6の充電量が所定値以上である場合には、車両の発進と同時にロックアップクラッチ36へのクラッチ油圧を漸増し、クラッチを滑らせながらエンジントルクTE を大きくすることで、モータ/発電機回転数NM/G をエンジン1と同方向への回転に近づける。モータ/発電機回転数NM/G が、蓄電装置6との充放電効率“0”の所定回転数NM/G0以上になったら、駆動トルクとなるモータ/発電機トルクTM/G を発生させて加速力を得ると共に発電自体を回避する。エンジン回転数NE とモータ/発電機回転数NM/G との差が所定値以下になったらロックアップクラッチ36を完全締結する。
【選択図】図3

Description

本発明は、エンジンと、発電機を兼ねる電気的回転駆動源としての電動機とを有し、これらの出力トルクを、トルク合成機構である差動装置を介して変速装置に伝達することにより、エンジン及び電動機の何れか一方又は双方で走行駆動力を得るようにしたパラレルハイブリッド車両に関するものである。
従来のパラレルハイブリッド車両としては、例えばエンジンの出力トルクと、電動発電機(電気的回転駆動源)の出力トルクとを、遊星歯車機構からなる差動装置によって合成し、それを変速装置を介して駆動輪に伝達する(例えば特許文献1)。このパラレルハイブリッド車両の発進方法は、まず電動発電機をエンジンの回転方向と逆方向に回転させて当該エンジンの回転数の上昇を抑制しながら当該電動発電機に駆動トルクを発生させてその回転数を増大、つまりエンジンの回転方向と同じ回転方向に変更し、更に電動発電機の回転数をエンジンの回転数に一致するように当該電動発電機に駆動トルクを発生させ続けて、この電動発電機の回転数とエンジンの回転数とが一致又はほぼ一致したら、エンジンと電動発電機とをロックアップクラッチ(締結装置)で直結し、それ以後は、走行速度が低下しない限り、エンジンのみ、又はエンジンと電動発電機とで駆動力を発生するようにしている。
特開平10−304515号公報
ところで、前記パラレルハイブリッド車両では、発進時、電動発電機をエンジンの回転方向と逆方向に回転させながら駆動トルク、即ち正のトルクを発生させるので、このときには電動発電機は発電している。しかしながら、このとき、前記バッテリの蓄電状態が大きいと当該バッテリが過充電になるという問題がある。
本発明は上記諸問題を解決するために開発されたものであり、車両の発進時、電気的回転駆動源をエンジンの回転方向と逆方向に回転させながら駆動トルクを発生させるにあたって、蓄電装置の過充電を防止することができるパラレルハイブリッド車両を提供することを目的とするものである。
上記諸問題を解決するため、本発明のパラレルハイブリッド車両は、エンジン及び電気的回転駆動源及び変速装置間に差動装置を介装し、車両の発進時、電気的回転駆動源をエンジンの回転方向と逆方向に回転させながら駆動トルクを発生させるにあたり、蓄電装置の充電状態が所定値以上の充電状態である場合には、前記差動装置の第1乃至第3軸を断続するための締結装置の締結を開始することを特徴とするものである。
而して、本発明のパラレルハイブリッド車両によれば、車両の発進時、電気的回転駆動源をエンジンの回転方向と逆方向に回転させながら駆動トルクを発生させるにあたり、蓄電装置の充電状態が所定値以上の充電状態である場合には、差動装置の第1乃至第3軸を断続するための締結装置の締結を開始する構成としたため、前記締結装置を滑らせながら電気的回転駆動源の回転方向をエンジンの回転方向に近づけることができ、その結果、例えば電気的回転駆動源の回転数が蓄電装置との充電効率零の所定値になってから駆動トルクを発生することにより、蓄電装置の過充電を防止することが可能となる。なお、充電効率が零である状態とは、電気的回転駆動源が力行或いは回生しているにもかかわらず、当該電気的回転駆動源と蓄電装置との間で電流が流れない又はほとんど流れない状態を示す。
以下、本発明のパラレルハイブリッド車両駆動装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、本発明の実施の形態において、正方向とはエンジンの回転方向であり、負方向とはエンジンの回転方向とは逆方向を示す。
図1は、本発明の第1実施形態を示す概略構成図であり、エンジン1及び発電機及び電動機として作用する3相同期モータ/発電機で構成される交流式のモータ/発電機(電気的回転駆動源)2の出力側が、夫々、トルク合成機構である差動装置(遊星歯車機構)3の入力側に連結され、この差動装置3の出力側がトルクコンバータ等の発進装置を搭載していない変速装置4の入力側に接続され、変速装置4の出力側が図示しない終減速装置等を介して駆動輪5に連結されている。ちなみに、この実施形態では、前記差動装置3と変速装置4との間に、オイルポンプ13が配設されており、このオイルポンプ13で創成される流体圧が変速装置4の制御並びに差動装置3のロックアップクラッチ(締結装置)36の締結解放に用いられる。
ここで、前記エンジン1はエンジン用コントローラECによって制御される。また、前記モータ/発電機2は、例えば図2に示すステータ2Sとロータ2Rとを有し、充電可能なバッテリやコンデンサで構成される蓄電装置6に接続されたモータ/発電機駆動回路7によって駆動制御される。
前記モータ/発電機駆動回路7は、蓄電装置6に接続されたチョッパ7aと、このチョッパ7aとモータ/発電機2との間に接続された例えば6つのIGBTを有し、直流を3相交流に変換するインバータ7bとで構成され、前記チョッパ7aに後述するモータ/発電機用コントローラ12からのデューティ制御信号DSが入力されることにより、このデューティ制御信号DSに応じたデューティ比のチョッパ信号をインバータ7bに出力する。このインバータ7bは、図示しないモータ/発電機2のロータの回転位置を検出する位置センサの回転位置検出信号に基づいて、その回転に同期した周波数で駆動する3相交流を形成するように、例えば前記各IGBTのゲート制御信号を形成する。ちなみに、モータ/発電機2はエンジン1同様、車両を駆動するためにも用いられるので、車両を駆動する側への回転方向、つまりエンジン1と同じ回転方向を正回転とし、その逆方向への回転方向を逆回転又は負の回転と定義する。
また、差動装置3は、図2に示すように、トルク合成機構として遊星歯車機構21を備えて構成されている。この遊星歯車機構21は、エンジン1とモータ/発電機との間で差動機能を発現しながらトルク合成機構をなすものである。そして、サンギヤSと、その外周側に等角間隔で噛合する複数のピニオンP(図示省略)と、各ピニオンPを連結するピニオンキャリヤCと、ピニオンPの外側に噛合するリングギヤRとを備え、この遊星歯車機構21のリングギヤR(第1軸)がエンジン1に連結され、同じく遊星歯車機構21のサンギヤS(第2軸)がモータ/発電機2のロータ2Rに連結され、同じく遊星歯車機構21のピニオンキャリヤC(第3軸)が変速装置4の入力側に連結されている。
また、前記遊星歯車機構21のサンギヤS、即ちモータ/発電機2のロータ2Rとエンジン1の出力側との間には、両者の連結状態を制御するためのロックアップクラッチ36が介装されている。また、前記遊星歯車機構21のピニオンキャリヤC、即ち変速装置4の入力側とケース14との間には、当該ピニオンキャリヤC、及び変速装置4の回転方向を正回転にのみ規制し、逆回転では締結して、当該逆回転を許容しないワンウエイクラッチOWCが介装されている。なお、前記エンジン1と遊星歯車機構21のリングギヤRとの間にはダンパを介装してもよい。
前記ロックアップクラッチ36は、例えば湿式多板クラッチで構成される。このロックアップクラッチ36は、油圧コントローラ(締結制御手段)37からの油圧がシリンダ部36aに給排されることにより締結及び解放が行われる。前記油圧コントローラ37は、前記モータ/発電機用コントローラ12によって制御される電磁弁38と、前記オイルポンプ13で生成された油圧を元圧とし且つ前記電磁弁38からの出力圧を信号圧として、前記シリンダ部36aに供給する油圧を調圧する調圧弁39と、前記調圧弁39の下流側に設けられ且つ前記シリンダ部36aへの供給圧が所定値以上になるとONとなって当該供給圧を検出可能な油圧スイッチ40とを備えて構成される。前記電磁弁38は、前記モータ/発電機コントローラ12から供給される制御信号CSが低レベルであるときに前記遊星歯車機構21のリングギヤR、即ちエンジン1と変速装置4とを切り離した非締結状態になるように、また当該制御信号CSが高レベルであるときに両者間を連結した締結状態になるように前記調圧弁39を制御する。
さらに、前記変速装置4は、変速装置用コントローラTCによって、走行速度とスロットル開度とをもとに予め設定された変速制御マップを参照して決定された例えば第1速〜第4速の変速比に制御される。ちなみに、この変速装置4は周知の自動変速装置であり、例えば二組の遊星歯車機構の各要素を複数の摩擦要素によって締結解放することで前進4速の変速比を達成可能としており、各摩擦要素の締結解放に前記オイルポンプ13で創成された油圧が用いられる。また、この変速装置4には、締結することにより図示しない駆動輪側からの逆駆動力、所謂路面反力トルクをトルク合成機構側に伝達可能なエンジンブレーキ用クラッチを有している。なお、この変速装置用コントローラTCは、前記エンジン用コントローラECと相互通信を行っており、必要な情報は随時、互いに授受している。
また、エンジン1及びモータ/発電機2には、その出力軸の回転数を検出するエンジン回転数センサ8及びモータ/発電機回転数センサ9が設けられていると共に、図示しないセレクトレバーで選択されたレンジに応じたレンジ信号を出力するインヒビタースイッチ10及びアクセルペダルの踏込みに応じたスロットル開度を検出するスロットル開度センサ11及び自車両の走行速度を検出するための走行速度センサ14及びブレーキペダルの踏込み状態に応じたブレーキ液圧を検出するブレーキ液圧センサ15が設けられ、これら回転数センサ8及び9の回転数検出値NE 及びNM/G とインヒビタースイッチ10のレンジ信号RS及びスロットル開度センサ11のスロットル開度検出値TH及び走行速度センサ14の走行速度V及びブレーキ液圧センサ15のブレーキ液圧P及び前記油圧スイッチ40のスイッチ信号等がモータ/発電機2及びロックアップクラッチ36を制御するモータ/発電機用コントローラ12に供給される。また、前記モータ/発電機用コントローラ12は、少なくとも前記変速装置用コントローラTCと相互通信を行い、例えば変速装置4のギヤ比(変速段)やエンジンブレーキ用クラッチの締結解放状態といった情報を、変速装置信号TSとして入力すると共に、個別の演算処理によって設定されたギヤ比(変速段)が変速装置4内で達成されるように変速装置用コントローラTCに指令を出力したりするように構成されている。
前記モータ/発電機用コントローラ12は、少なくとも入力側インタフェース回路12a、演算処理装置12b、記憶装置12c及び出力側インタフェース回路12dを有するマイクロコンピュータ12eで構成されている。
入力側インタフェース回路12aには、エンジン回転数センサ8のエンジン回転数NE 、モータ/発電機回転数センサ9のモータ/発電機回転数NM/G 、インヒビタースイッチ10のレンジ信号RS、スロットル開度センサ11のスロットル開度検出値TH、走行速度センサ14の走行速度V、油圧スイッチ40のスイッチ信号及びブレーキ液圧センサ15のブレーキ液圧P及び前記変速装置用コントローラの変速装置信号TSが入力されている。
演算処理装置12bは、例えばキースイッチ(図示せず)がオン状態となって所定の電源が投入されることにより作動状態となり、先ず初期化を行って、モータ/発電機2への駆動デューティ制御信号MS及び発電デューティ制御信号GSをオフ状態とすると共に、ロックアップクラッチ36へのクラッチ制御信号CSもオフ状態とし、その後少なくとも発進時にエンジン回転数検出値NE 、モータ/発電機回転数検出値NM/G 、レンジ信号RS及びスロットル開度検出値TH等に基づいてモータ/発電機2及びロックアップクラッチ36を制御する。ちなみに、この実施形態では、車両の停車時にエンジン1の回転を停止する、所謂アイドリングストップを行うように構成されている。
記憶装置12cは、演算処理装置12bの演算処理に必要な処理プログラムを予め記憶していると共に、演算処理装置12bの演算過程で必要な各種データを記憶する。
出力側インタフェース回路12dは、演算処理装置12bの演算結果である駆動デューティ制御信号MS及び発電デューティ制御信号GSとクラッチ制御信号CSとをモータ/発電機駆動回路7及び電磁ソレノイド36aに供給する。ちなみに、前記モータ/発電機2では、逆起電力を利用することにより、車両に制動力を付与することも可能である。
次に、走行状態、蓄電装置の状態、車両の操作状態に応じて前記モータ/発電機用コントローラ12で行われる通常時の制御によるエンジン1及びモータ/発電機2の各種の作動状態について説明する。
前述のように、本実施形態ではアイドリングストップによって、車両の停車中にエンジン1の回転が停止されている。そこで、セレクトレバーの操作によってドライブレンジDを始めとする走行レンジが選択され、或いはパーキングレンジPやニュートラルレンジNが選択されている場合でも、スロットル開度THが“0”を越えている場合には、前記特開2003−104090公報同様、前記モータ/発電機2を所定の回転数(必要なのは回転数とトルク)で逆回転させると、ピニオンキャリヤCは前記ワンウエイクラッチOWCによって逆回転できないため、エンジン1が正方向に回転される。この状態で、燃料を噴射することでエンジン1の回転が始動する。また、これに伴って前記オイルポンプも駆動が開始される。なお、パーキングレンジPやニュートラルレンジNが選択されているときには、変速装置4の入力側と出力側とが接続されていないので、前記ロックアップクラッチ36を締結し、エンジン1とモータ/発電機2とを直結した状態で、モータ/発電機2を正回転し、正方向のトルクを発生させるようにしてもエンジン1を回転始動することも可能である。
このようにしてエンジン1の回転始動後に、車両を発進走行させる必要がない場合、つまりフットブレーキが踏み込まれているような場合には、そのエンジン1の回転駆動力を利用してバッテリなどの蓄電装置6に蓄電を行う。つまり、モータ/発電機2を発電機として使用し、発電を行う。このとき、セレクトレバーにより選択されている変速段がパーキングレンジPか、或いはニュートラルレンジNである場合には、変速装置4の入力側と出力側とが接続されていないので、前記ロックアップクラッチ36でエンジン1とモータ/発電機2とを直結し、エンジン1でモータ/発電機2を正回転させながら負方向のトルクを与え、発電を行う。一方、ドライブレンジDレンジを始めとする走行レンジが選択されているときには、変速装置4の入力側と出力側とが接続されているので、エンジン1でモータ/発電機2を逆回転させながら正方向のトルクを与え、発電を行う。
また、ドライブレンジDを始めとする走行レンジが選択され、アクセルペダルが踏み込まれると、車両を発進させるために、ロックアップクラッチ36の解放状態で、スロットル開度が大きくなるほど、大きな値に予め設定されている目標エンジン回転数NEPにエンジン1の回転数を維持しながら、モータ/発電機2を次第に正回転させるべく、当該モータ/発電機2に正方向トルクを発生せしめ、これによりピニオンキャリヤCに正方向のトルクを与えて車両を発進加速させる。このとき、モータ/発電機2が逆回転している状態では発電機として機能し、正回転している状態ではモータとして機能している。
やがて、モータ/発電機2の回転数が、所定の回転数、つまり目標エンジン回転数NEPに維持されているエンジンの回転数に一致又はほぼ一致したら、前記ロックアップクラッチ36を締結し、エンジン1とモータ/発電機2とを直結して車両を走行する。例えば、車両が或る程度以上の走行速度で高速走行しているとか、アクセルペダルの踏込み量が大きいとか、変速装置4内の減速比が大きいとか、蓄電装置6の蓄電量が少ないといった状況では、モータ/発電機2をモータとして使用するのは不利なので、モータ/発電機2ではトルクを発生せず、所謂フリーな状態にしてエンジン1でのみトルクを発生し、走行する。一方、走行速度が低いとか、アクセルペダルの踏込み量が小さいとか、変速装置4内の減速比が小さいとか、蓄電装置6の蓄電量が多いといった状況では、モータ/発電機2をモータとして使用しても差し支えないので、モータ/発電機2を正回転し、正方向のトルクを発生させて、エンジン1のアシストを行う。
このような加速走行状態に対して、車両が減速状態にある、所謂エンジンブレーキの効きが期待される状況では、前記ロックアップクラッチ36を締結したままで、モータ/発電機2を発電機として用い、駆動輪5から入力される路面反力トルクに対し、負の方向のトルクを発生させて、本来のエンジンブレーキの代わりに或いはそれに加えて制動力を強める。
このような一般的な走行状況の他に、本実施形態では、ドライブレンジDを始めとする走行レンジでのクリープ走行モードが設定されている。例えば、前述したエンジン回転始動直後のような状況では、アイドル回転状態にあるエンジン1で正方向のトルクを発生させながら、モータ/発電機2で正方向のトルクを発生し、両者の合成トルクで車両をクリープ走行させる。また、エンジン1が回転始動されていないときには、モータ/発電機2を正回転させながら正方向のトルクを発生し、これにより車両をクリープ走行させることも可能である。
例えば、アクセルペダルが極僅かに踏み込まれている状態での車両発進時には、例えばモータ/発電機2を高速回転させて走行速度を著しく加速する必要はないので、エンジン回転始動後の逆回転状態のモータ/発電機2をゆっくりと正回転化しながら、正方向の一定のトルクを発生せしめ、エンジン1とモータ/発電機2との直結後は、更にエンジン1の出力トルクを低減させて、ほぼモータ/発電機2だけで車両を発進加速することができる。これに対して、アクセルペダル全開状態での車両発進時において、モータ/発電機2を高速回転させることは、モータトルクを低減することになり、車両を加速するには十分でないことが多いことから、エンジン回転始動後の逆回転状態のモータ/発電機2を速やかに正回転させ、エンジン1とモータ/発電機2との直結を早め、その直結後は、エンジンの出力トルクを高め、エンジン1の出力トルクとモータ/発電機2の出力トルクで車両を発進加速し、速やかに高走行速度に到達させている。
このようなモータ/発電機2の制御を行うために前記モータ/発電機用コントローラ12内の演算処理装置12bでは種々の演算処理が行われているが、その中で、車両発進時のエンジントルク及びモータ/発電機トルク制御のための演算処理を図3に示す。なお、このフローチャートでは、特に通信のためのステップを設けていないが、必要な情報は各コントローラや記憶装置から随時読込まれ、また演算処理で得られた情報は随時各コントローラや記憶装置に出力される。
この演算処理では、まずステップS1で、車両の発進時であるか否かの判定を行い、車両の発進時である場合にはステップS2に移行し、そうでない場合にはメインプログラムに復帰する。なお、車両発進時の判定は、例えば走行速度センサ14で検出された走行速度が所定値以下、スロットル開度センサ11で検出されたスロットル開度が所定値以上、ロックアップクラッチ36が非締結状態である場合に車両発進時であると判定する。
前記ステップS2では、前記蓄電装置6の充電量が所定値以上であるか否かを判定し、当該蓄電装置6の充電量が所定値以上である場合にはステップS3に移行し、そうでない場合にはステップS8に移行する。蓄電装置6の充電量は、例えば当該蓄電装置6の容量に対する充電率として表される。
前記ステップS3では、前記ロックアップクラッチ36のロックアップ用クラッチ油圧を少しずつ増圧してからステップS4に移行する。このクラッチ油圧漸増は、ロックアップクラッチ36へのロックアップ用クラッチ油圧が所定の傾きで増圧するように前記油圧コントローラ37の電磁弁38への指令値を制御して行う。
前記ステップS4では、前記スロットル開度センサ11で検出されたスロットル開度THや走行速度センサ14で検出された走行速度Vに基づいてエンジン要求トルクTEtを算出してからステップS6に移行する。これは、前記ロックアップクラッチ36を締結することによりエンジン回転数がアイドル回転数以下に低下するのを防止するためであり、また運転者の意志に適合するように駆動力を大きくするためでもある。具体的には、まず走行速度V及びスロットル開度THが大きいほど大きくなる目標プロペラシャフトトルクTPS * を算出する。なお、道路環境(登坂、降坂)や車重に応じて目標プロペラシャフトトルクTPS * を補正するようにしてもよい。そして、変速装置4の変速比R及び差動装置3の歯数比(サンギヤ歯数/リングギヤ歯数)を用い、前記目標プロペラシャフトトルクTPS * を変速比Rで除し、更に(1+歯数比)で除してエンジン要求トルクTEtを算出する。なお、エンジン回転数が所定値になるようにエンジン要求トルクTEtを補正してもよい。
前記ステップS6では、モータ/発電機回転数NM/G が充放電効率“0”の所定回転数NM/G0以上になったか否かを判定し、当該モータ/発電機回転数NM/G が充電効率“0”の所定回転数NM/G0以上である場合にはステップS7に移行し、そうでない場合には前記ステップS3に移行する。前記ステップS3のロックアップクラッチ36のクラッチ油圧漸増によって当該ロックアップクラッチ36が滑りながらも締結し始め、それによりモータ/発電機回転数NM/G は前述したエンジン1と逆方向の負の回転から次第にエンジン1の回転方向、つまり正の回転方向に変換される。一方、図4に示すモータ/発電機2の回転数とトルクとの出力特性において、モータ/発電機は、一般に回転数とトルクとの積値に比例する出力が一定なので、回転数とトルクとは互いに反比例の関係になる(各象限の最も外側の曲線)。例えば、図7の第1象限、第3象限はモータ/発電機2の力行、蓄電装置6側からは放電の領域であり、第2象限、第4象限はモータ/発電機2の回生或いは発電、蓄電装置6側からは充電の領域である。このような出力特性のうち、モータ/発電機2の発電領域、つまり蓄電装置6の充電領域において、回転数又はトルク或いはその双方が小さい領域では、例えば損失等によって実質的に発電(充電)しない、或いはモータ/発電機2が回転するために蓄電装置6が放電してしまう、つまり電力を供給する必要がある。損失には、例えばモータ/発電機に流す電流による銅損、回転磁界を発生させることにより鉄損、インバータの素子やケーブルでの電力損失などが挙げられる。図では、その領域を斜線で示すが、従って、この斜線領域は、蓄電装置6にとっては充電効率が負の領域(放電領域)である。すると、充電効率が正の領域と負の領域との境界部分が充放電効率“0”ということになる。本実施形態では、この充放電効率“0”の境界部分において、モータ/発電機2の出力トルクをエンジン1の出力トルクと同方向に出力して車両の駆動トルクに用いる。この充電効率“0”の回転数のうち、回転数が負の領域で且つ正の出力トルクが得られる回転数を前記所定回転数NM/G0とする。
前記ステップS7では、それまで漸増したクラッチ油圧を、そのときのクラッチ油圧に保持してから前記ステップS8に移行する。即ち、これ以後、ロックアップクラッチ36は滑りながらも或る程度の締結トルクでエンジン1とモータ/発電機2とを締結している。
前記ステップS8では、前記ステップS3と同様にして、エンジン要求トルクTEtを算出してからステップS9に移行する。
前記ステップS9では、前記スロットル開度センサ11で検出されたスロットル開度TH及び前記エンジン回転数センサ8で検出されたエンジン回転数NE からモータ/発電機要求トルクTM/Gtを算出してからステップS10に移行する。ここでは、図5に示す制御マップに従って設定する。即ち、エンジン回転数NE がアイドル回転数NEIDLE であるときには、アイドル回転状態にあるエンジントルクTE とモータ/発電機要求トルクTM/Gtとの加算値が前記クリープトルクとなるように設定し、エンジン回転数NE がアイドル回転数NEIDLE 以上である領域では、エンジン回転数NE の増加と共にモータ/発電機要求トルクTM/Gtをリニアに増加設定する。スロットル開度THは、このモータ/発電機要求トルクTM/Gtの増加傾きに用い、スロットル開度THが大きいほど増加傾きを大きく設定する。モータ/発電機要求トルクTM/Gtの上限値は、勿論、モータ/発電機2の出力トルクの連続定格値である。
前記ステップS10では、前記エンジン回転数センサ8で検出されたエンジン回転数NE とモータ/発電機回転数センサ9で検出されたモータ/発電機回転数NM/G との差から回転数差ΔNを算出してからステップS11に移行する。
前記ステップS11では、前記ステップS10で算出された回転数差の絶対値|ΔN|が予め設定された比較的小さな所定値ΔN0 以下であるか否かを判定し、当該回転数差の絶対値|ΔN|が所定値ΔN0 以下である場合にはステップS12に移行し、そうでない場合には前記ステップS8に移行する。
前記ステップS12では、ロックアップクラッチ36を完全に締結するためにクラッチ油圧を所定の増大率で増圧してからステップS13に移行する。
前記ステップS13では、クラッチ油圧がロックアップクラッチ36の完全締結のための所定値以上であるか否かを判定し、クラッチ油圧が所定値以上である場合にはステップS14に移行し、そうでない場合には前記ステップS12に移行する。具体的には、前記油圧スイッチ40の出力信号がONであるときにクラッチ油圧が所定値以上であり、ロックアップクラッチ36が完全締結しているものと判定する。
前記ステップS14では、ロックアップクラッチ36を完全締結状態に維持するためにクラッチ油圧を最大値に保持してからステップS15に移行する。
前記ステップS15では、前記ステップS8と同様にして、エンジン要求トルクTEtを算出してからステップS16に移行する。但し、この場合には、ロックアップクラッチ36が完全に締結して差動装置3は差動していないため、エンジン要求トルクTEtは、前記目標プロペラシャフトトルクTPS * を変速比Rで除した値となる。
前記ステップS16では、前記ステップS9と同様にして、モータ/発電機トルクTM/Gtを算出してからメインプログラムに復帰する。
この演算処理によれば、図4に太い矢印で示すように、車両の発進直後は、モータ/発電機トルクTM/G を発生せず、ロックアップクラッチ36を滑らせてモータ/発電機2を負の回転から正方向に近づける。そして、このモータ/発電機回転数NM/G が前記充放電効率“0”の所定回転数NM/G0になったときから、正のトルク、つまり駆動トルクを発生し、エンジン回転数NE とモータ/発電機回転数NM/G との回転数差の絶対値|ΔN|が所定値ΔN0 以下になったらロックアップクラッチ36を完全締結し、その後、通常加速時のようにモータ/発電機要求トルクTM/Gt及びエンジン要求トルクTEtを設定して制御する。
本実施形態の車両発進時の作用について、図6のタイミングチャートを用いて説明する。図中のモータ/発電機トルクTM/G のうち、実線は蓄電装置6の充電量が前記所定値以上である場合、破線はそうでない場合を示している。このタイミングチャートの時刻t00では、未だブレーキペダルが踏込まれており、変速装置4の入力軸回転数、即ち遊星歯車機構21のキャリア回転数NC は“0”であり、エンジン1はアイドリングに相当するエンジン回転数NE 一定で、モータ/発電機2は、そのエンジン回転数NE を吸収するように負の方向に、遊星歯車機構21の歯数比α分の一で回転している。このとき、スロットル開度THは全閉、ロックアップクラッチ36を締結させるクラッチ油圧は大気開放状態である。エンジントルクTE は前記アイドリング状態に応じた小さな正値であり、それによりキャリアトルクTC も小さな正値が負荷されている(実質的にはブレーキトルクによって駆動力は発現しない)。
この状態から、時刻t01でブレーキペダルの踏込みを開放すると、ブレーキトルクから開放されたエンジン回転数NE が少し増加し、遊星歯車機構21のキャリア回転数NC 、即ち変速装置4の入力軸回転数が増加するため、車両はクリープモードとなって、所謂クリープ走行に移行する。このエンジン回転数NE 及びキャリア回転数NC の増加に伴って、エンジントルクTE 及びキャリアトルクTC はわずかに減少する。また、これらに伴って、モータ/発電機2もエンジン1と共回りするようになり、モータ/発電機回転数NM/G も少し大きくなる(正回転に近づく)。
その後、時刻t02でアクセルペダルが踏込まれると、発進モードとなり、前記図3の演算処理が開始される。もし、蓄電装置6の充電量が小さい場合には、図6に破線で示すように、パラレルハイブリッド車両の特性として、モータ/発電機回転数NM/G が小さいときに、トルク発生効率のよいモータ/発電機2を駆動源として積極的に活用するのが好ましいので、この発進以後、モータ/発電機トルクTM/G を積極的に立上げ、エンジン回転数NE の増大を抑制して燃費の向上を図る。しかしながら、負の方向に回転しているモータ/発電機2に正のトルク、つまり駆動トルクを発生させると発電するので、蓄電装置6の充電量が大きいときには当該蓄電装置6が過充電状態になる。そのため、蓄電装置6の充電量が前記所定値以上である場合には、図6に実線で示すように、前記時刻t02以後、クラッチ油圧を漸増してロックアップクラッチ36を滑らせながら、エンジントルクTE を増大し、モータ/発電機回転数NM/G のみを増大、即ち正の方向に近づける。
そして、モータ/発電機回転数NM/G が前記充放電効率“0”の所定回転数NM/G0以上となる時刻t03以後、クラッチ油圧をそのときの油圧に保持してロックアップクラッチ36を或る程度滑らせながら、モータ/発電機トルクTM/G として正のトルク、即ち駆動トルクを発生させ、更にモータ/発電機回転数NM/G を正方向に変換する。この場合には、前述したようにモータ/発電機回転数NM/G (の絶対値)が小さいので、仮に発電が行われていても蓄電装置6には充電されず、その結果、蓄電装置6が過充電状態になることはない。また、モータ/発電機2が正回転し、モータ/発電機回転数NM/G が前記充放電効率“0”の領域から外れても、例えば図4に示すように、モータ/発電機2自体は電力を消費、即ち蓄電装置6は放電する状態になるので、同じく過充電の恐れはない。なお、前記要求加速度を達成するための目標プロペラシャフトトルクTPS * のうち、モータ/発電機トルクTM/G が増大する分だけ、エンジントルクTE の負担分が減少し、その結果、エンジントルクTE の減少に先んじてエンジン回転数NE は減少に転ずる。
やがて、時刻t04でエンジン回転数NE とモータ/発電機回転数NM/G との回転数差の絶対値|ΔN|が所定値ΔN0 以下となると、クラッチ油圧が増大されてロックアップクラッチ36が完全締結状態となり、エンジン回転数NE 及びモータ/発電機回転数NM/G 及びキャリア回転数NC は同期運転状態に移行する。
なお、このロックアップクラッチ36の完全締結をもって、前記図3の演算処理は終了され、その後、車両はエンジン1の出力で駆動されるようにするためにモータ/発電機トルクは次第に減少してゆく制御が継続されて行われた。
このように、本実施形態によれば、車両の発進時において、蓄電装置6の充電量が所定値以上であるときにはロックアップクラッチ36の締結を開始することにより、ロックアップクラッチ36を滑らせながら、エンジン1と逆方向に回転しているモータ/発電機2をエンジン1の回転方向に近づけ、モータ/発電機回転数NM/G が充放電効率“0”の所定回転数NM/G0以上になってからモータ/発電機トルクTM/G を駆動トルクとして発生させることができ、モータ/発電機2の発電を回避して蓄電装置6の過充電を防止することができる(請求項1に係る発明の効果)。
また、車両の発進時で且つ蓄電装置6の充電量が所定値以上であるときには、エンジン1の回転方向と逆方向に回転しているモータ/発電機2のモータ/発電機回転数NM/G が前記蓄電装置6との充放電効率“0”の所定回転数NM/G0になるまでは駆動トルクを出力せず、当該モータ/発電機回転数NM/G が充放電効率“0”の所定回転数NM/G になってから駆動トルクを出力するように制御することにより、モータ/発電機2の発電自体を回避して蓄電装置6の過充電を防止することができる(請求項2に係る発明の効果)。
また、車両の発進時で且つ蓄電装置6の充電量が所定値以上であるときには、エンジン1の回転方向と逆方向のモータ/発電機回転数NM/G が蓄電装置6との充放電効率“0”の所定回転数NM/G0になったときにクラッチ油圧を保持してロックアップクラッチ36の締結状態をそのときの締結状態に保持し、エンジン回転数NE とモータ/発電機回転数NM/G との回転数差の絶対値|ΔN|、即ち差動装置3の第1軸乃至第3軸の回転数差(の絶対値)が所定値ΔN0 以下になったときにロックアップクラッチ36を完全に締結することにより、ロックアップクラッチ36を滑らせながらモータ/発電機2で駆動トルクを出力させてエンジン回転数NE とモータ/発電機回転数NM/G との回転数差の絶対値|ΔN|が所定値ΔN0 以下となるタイミングを早め、もってロックアップクラッチ36の発熱を最小限に抑制することができる。
次に、本発明のパラレルハイブリッド車両の第2実施形態について説明する。この実施形態の車両の概略構成や差動装置は、前記第1実施形態の図1及び図2のものと同様である。本実施形態では、前記車両発進時に行われるエンジントルク及びモータ/発電機トルク制御の演算処理が、前記第1実施形態の図3のものから図7のものに変更されている。この図7の演算処理は、前記第1実施形態の図3の演算処理に類似しており、殆どが同等のステップである。そこで、同等のステップには同等の符号を付して、その詳細な説明を省略する。図7の演算処理と図3の演算処理との相違は、前記ステップS4とステップS6との間に、新たにステップS5が介入されている点である。
前記ステップS5では、モータ/発電機要求トルクTM/Gtを算出してから前記ステップS6に移行する。ここでは、前記第1実施形態の図3の演算処理のステップS9と同様に、前記図5の制御マップに従って、エンジン回転数NE 及びスロットル開度THからモータ/発電機要求トルクTM/Gtを一旦算出するが、このときロックアップクラッチ36が滑っていることによって当該ロックアップクラッチ36が分担しているトルク分を減算し、それを最終的なモータ/発電機要求トルクTM/Gtに設定する。ロックアップクラッチ36が滑ると、その部分でトルクが増大される。このトルクの増大代は、周知のようにロックアップクラッチ36の締結トルク、クラッチプレートの摩擦係数、クラッチプレート間の滑り速度、クラッチプレートの有効面積等によって算出される。従って、ロックアップクラッチ36が滑っているときのモータ/発電機要求トルクTM/Gtは、当該ロックアップクラッチ分担トルク分だけ、通常時より小さな値となる。
この演算処理によれば、図8に太い矢印で示すように、車両の発進直後から、ロックアップクラッチ36を滑らせながらモータ/発電機トルクTM/G を小さな駆動トルクとして発生させ、モータ/発電機2を速やかに負の回転から正方向に近づける。そして、このモータ/発電機回転数NM/G が前記充放電効率“0”の所定回転数NM/G0になったときから通常の駆動トルクを発生し、エンジン回転数NE とモータ/発電機回転数NM/G との回転数差の絶対値|ΔN|が所定値ΔN0 以下になったらロックアップクラッチ36を完全締結し、その後、通常加速時のようにモータ/発電機要求トルクTM/Gt及びエンジン要求トルクTEtを設定して制御する。
本実施形態の車両発進時の作用について、図9のタイミングチャートを用いて説明する。図中のモータ/発電機トルクTM/G のうち、実線は蓄電装置6の充電量が前記所定値以上である場合、破線はそうでない場合を示している。このタイミングチャートの時刻t10から時刻t12までは、前記第1実施形態の作用の説明に用いた図6のタイミングチャートの時刻t00から時刻t02までと同じである。
このタイミングチャートでは、時刻t12でアクセルペダルが踏込まれると、発進モードとなり、前記図7の演算処理が開始される。もし、蓄電装置6の充電量が小さい場合には、前述と同様、図9に破線で示すように、発進以後、モータ/発電機トルクTM/G を積極的に立上げ、エンジン回転数NE の増大を抑制して燃費の向上を図る。しかしながら、蓄電装置6の充電量が前記所定値以上である場合には、図9に実線で示すように、前記時刻t12以後、クラッチ油圧を漸増してロックアップクラッチ36を滑らせながら、エンジントルクTE を増大すると共に、前記ロックアップクラッチ36の分担トルク分だけ、前記充電量が小さいときよりも、小さなモータ/発電機トルクTM/G を駆動トルクとして発生し、もってモータ/発電機回転数NM/G を速やかに増大、即ち正の方向に近づける。
そして、モータ/発電機回転数NM/G が前記充放電効率“0”の所定回転数NM/G0以上となる時刻t13以後、前記第1実施形態と同様に、クラッチ油圧をそのときの油圧に保持してロックアップクラッチ36を或る程度滑らせながら、モータ/発電機トルクTM/G として正のトルク、即ち駆動トルクを発生させ、更にモータ/発電機回転数NM/G を正方向に変換する。この場合にも、前述したようにモータ/発電機回転数NM/G (の絶対値)が小さいので、仮に発電が行われていても蓄電装置6には充電されず、その結果、蓄電装置6が過充電状態になることはない。また、モータ/発電機2が正回転し、モータ/発電機回転数NM/G が前記充放電効率“0”の領域から外れても、例えば図8に示すように、モータ/発電機2自体は電力を消費、即ち蓄電装置6は放電する状態になるので、同じく過充電の恐れはない。
やがて、時刻t14でエンジン回転数NE とモータ/発電機回転数NM/G との回転数差の絶対値|ΔN|が所定値ΔN0 以下となると、クラッチ油圧が増大されてロックアップクラッチ36が完全締結状態となり、エンジン回転数NE 及びモータ/発電機回転数NM/G 及びキャリア回転数NC は同期運転状態に移行する。
このように、本実施形態では、前記第1実施形態の作用・効果に加え、車両の発進時で且つ蓄電装置6の充電状態が所定値以上であるときには、エンジン1の回転方向と逆方向のモータ/発電機回転数NM/G が蓄電装置6との充放電効率“0”の所定回転数NM/G0になるまでのモータ/発電機トルクTM/G 、即ち駆動トルクを、蓄電装置6の充電状態が所定値未満であるときのモータ/発電機トルクTM/G よりも小さな値に制御することにより、発電量を最小限に抑えながらモータ/発電機回転数NM/G が蓄電装置6との充放電効率“0”の所定回転数NM/G0以上となるタイミングを早め、もってロックアップクラッチ36の発熱量を低減することが可能となる(請求項3に係る発明の効果)。
なお、前記各実施形態では、コントローラにマイクロコンピュータを用いた場合について説明したが、これに代えて各種の演算回路を使用することも可能である。
また、蓄電装置の充電量に応じて第1実施形態と第2実施形態を切換えるようにしてもよい。即ち、第1充電量<第2充電量の関係において、充電量が第1充電量以上第2充電量未満の発進時には、第2実施形態のように、モータ/発電機トルクを蓄電装置が第1充電量未満の場合の発進時よりも小さな値で制御しつつ、ロックアップクラッチを締結させながら発進させ、充電量が第2充電量以上の発進時には、第1実施形態に示したように、充放電効率=0となる所定回転数までロックアップクラッチの締結を行い、その後、モータ/発電機にて正トルクを出力するように制御してもよい。これにより、車両の発進加速性と蓄電装置の過充電防止の両立を図ることができる。
また、前記ロックアップクラッチ36の位置は、前記実施形態に記載される位置に限ったものではなく、サンギヤーキャリア間、キャリアーリングギヤ間にあってもよい。
また、前記遊星歯車機構の3要素と、エンジン、モータ/発電機、出力の結合方法は、前記実施形態のものに限定されるものではない。
本発明のパラレルハイブリッド車両の第1実施形態を示す概略構成図である。 図1のパラレルハイブリッド車両に用いられる差動装置の一例を示す模式図である。 図1のコントローラ内で行われる車両発進時の演算処理を示すフローチャートである。 図3の演算処理の内容の説明図である。 図3の演算処理で用いられる制御マップである。 図3の演算処理の作用を説明するタイミングチャートである。 本発明のパラレルハイブリッド車両の第2実施形態を示す車両発進時の演算処理のフローチャートである。 図7の演算処理の内容の説明図である。 図7の演算処理の作用を説明するタイミングチャートである。
符号の説明
1はエンジン
2はモータ/発電機(電気的回転駆動源)
3は差動装置
4は変速装置
5は駆動輪
6は蓄電装置
7はモータ/発電機駆動回路
8はエンジン回転数センサ
9はモータ/発電機回転数センサ
10はインヒビタースイッチ
11はスロットル開度センサ
12はモータ/発電機用コントローラ
13はオイルポンプ
14は走行速度センサ
15はブレーキ液圧センサ
21は遊星歯車機構
36はロックアップクラッチ
37は油圧コントローラ(締結制御手段)
38は電磁弁
39は調圧弁
30は油圧スイッチ
OWCはワンウエイクラッチ
Sはサンギヤ
Pはピニオン
Rはリングギヤ
Cはピニオンキャリヤ

Claims (4)

  1. エンジンと、発電機及び電動機の両機能を備え且つ蓄電装置を電動源とし且つ発電された電力を当該蓄電装置に蓄電可能な電気的回転駆動源と、変速装置と、第1軸に前記エンジンの出力軸が接続され且つ第2軸に前記電気的回転駆動源の出力軸が接続され且つ第3軸に前記変速装置の入力軸が接続された差動装置と、前記差動装置の第1軸乃至第3軸のうちの何れか二軸間を断続する締結装置と、前記エンジンの駆動トルクを制御すると共に、車両の発進時には前記電気的回転駆動源を当該エンジンの回転方向と逆方向に回転させながら当該電気的回転駆動源の駆動トルクを制御する駆動源制御手段と、車両の発進時には前記締結装置を非締結状態とし且つ前記差動装置の第1軸乃至第3軸の回転数差が所定値以下になったときに前記締結装置を締結状態に制御する締結装置制御手段と、前記蓄電装置の充電状態を検出する充電状態検出手段とを備え、前記締結装置制御手段は、車両の発進時で且つ前記充電状態検出手段で検出された蓄電装置の充電状態が所定値以上の充電状態であるときには前記締結装置の締結を開始することを特徴とするパラレルハイブリッド車両。
  2. 前記駆動源制御手段は、車両の発進時で且つ前記充電状態検出手段で検出された蓄電装置の充電状態が所定値以上の充電状態であるときには、前記エンジンの回転方向と逆方向の電気的回転駆動源の回転数が蓄電装置との充放電効率零の所定回転数になるまでは駆動トルクを禁止し、前記電気的回転駆動源の回転数が前記充放電効率零の所定回転数になってから駆動トルクを出力するように当該電気的回転駆動源の駆動トルクを制御することを特徴とする請求項1に記載のパラレルハイブリッド車両。
  3. 前記駆動源制御手段は、車両の発進時で且つ前記充電状態検出手段で検出された蓄電装置の充電状態が所定値以上の充電状態であるときには、前記エンジンの回転方向と逆方向の電気的回転駆動源の回転数が蓄電装置との充放電効率零の所定回転数になるまでの駆動トルクを、前記蓄電装置の充電状態が所定値未満の充電状態であるときの駆動トルクよりも小さな値に制御することを特徴とする請求項1に記載のパラレルハイブリッド車両。
  4. 前記締結装置制御手段は、車両の発進時で且つ前記充電状態検出手段で検出された蓄電装置の充電状態が所定値以上の充電状態であるときには、前記エンジンの回転方向と逆方向の電気的回転駆動源の回転数が蓄電装置との充放電効率零の所定回転数になったときに前記締結装置の締結状態をそのときの締結状態に保持し、前記差動装置の第1軸乃至第3軸の回転数差が所定値以下になったときに前記締結装置を完全に締結することを特徴とする請求項2又は3に記載のパラレルハイブリッド車両。
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