JP2005172311A - 点火システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 コントロールユニット1は、着火装置2a、2b、2c・・・の中で、点火対象で遅延時間が「ゼロ」でない着火装置のみに遅延時間情報を送信し、次に各着火装置2a、2b、2c・・・に点火有無を指定する点火有無指定信号を送信する。そして最後に、着火装置2a、2b、2c・・・の全てに、一括して点火の実行を指示する点火実行信号を送信する。遅延時間情報を受信した着火装置では、点火に対する遅延時間をカウントする内部タイマを指定された遅延時間にセットし、点火有無指定信号の受信に伴い各着火装置において点火有無を設定する。そして、点火有無指定信号によって「点火有」と設定され、点火実行信号を受信した着火装置では、タイマの設定時間に基づいて補助拘束装置を作動させる。
【選択図】 図1
Description
また、近年は、乗員1人に対して複数の補助拘束装置を備え、特許文献3に記載されているような点火時間を遅延させることができる着火装置を利用して補助拘束装置を任意の遅延時間をもって作動させることで、補助拘束装置の動作に複数の性状を与え、効果的に乗員を保護するものもある。
図1は、本発明の一実施例の点火システムの概要を示すブロック図である。なお、本実施例の点火システムを備えた乗員保護装置は、特に自動車等の車両に搭載して利用することが有用であり、一例として、乗員保護装置が自動車に搭載された場合について説明する。
図1において、コントロールユニット1は、車両に加わった衝撃から乗員を保護する乗員保護装置の中心をなす制御装置であって、乗員を保護するために車両の適所に設けられた複数の補助拘束装置(図示せず)に1対1で備えられる該補助拘束装置の着火装置2a、2b、2c・・・が、例えば2対の線材の一方が接地された不平衡型のバス線3を用いて並列に接続されている。なお、着火装置2a、2b、2c・・・は点火剤(補助拘束装置のガス発生剤に火をつける火薬)を利用して補助拘束装置を作動させる装置であって、内部に点火剤(後述する点火剤54)を内蔵しており、コントロールユニット1から着火装置2a、2b、2c・・・の通信アドレスを指定して送出された点火実行信号(点火実行コマンド)を受信して点火剤に点火することで補助拘束装置を作動させる。
ここで、通信回路14と着火装置2a、2b、2c・・・との間のバス線3を介した電力供給と制御信号の通信に関して説明する。図2は、通信回路14と着火装置2a、2b、2c・・・との間でバス線3を介して送受信される信号の仕様を、横軸を「時刻t」、縦軸を「電圧V」として示した図である。コントロールユニット1によってバス線3は、図2に示すように、コントロールユニット1と着火装置2a、2b、2c・・・との間で通信アドレスを指定して制御信号を送受信する「通信フェーズ」と、コントロールユニット1から着火装置2a、2b、2c・・・へ電力を供給する「電力供給フェーズ」とを交互に繰り返すように制御される。具体的には、例えば「通信フェーズ」では、バス線3を構成する2本の線間の電位差が6[V]でデータ”High”(=1)、同様に2本の線間の電位差が3[V]でデータ”Low”(=0)を示し、更に「電力供給フェーズ」では、2本の線間の電位差が11[V]の電力がコントロールユニット1から着火装置2a、2b、2c・・・へ供給される。
一方、図3は、本実施例の着火装置の詳細を示すブロック図であって、一例として、着火装置2aについて詳細に示す。なお、バス線3に接続された他の着火装置2b、2c・・・は、全て着火装置2aと同じ構成を備えているものとする。
図3において、着火装置2aには、バス線3による通信の診断とコントロールユニット1からの指示に基づく点火制御を実行する制御回路21が備えられており、バス線3からは受信バッファ22を介して制御回路21へ制御信号(コマンド)が入力されると共に、制御回路21からは送信バッファ23を介してバス線3へ制御信号に対する応答信号(レスポンス)が出力される。また、バス線3から供給される電力は、制御回路21等の電源を生成する+5V電源24へ供給されると共に、保護ダイオード25を介して、着火装置2aが点火剤に点火して補助拘束装置を作動させるために必要な電力を生成する昇圧回路26へも供給される。
次に、図面を参照して、本実施例の着火装置の物理的配置構成について説明する。図4は、本実施例の着火装置の物理的配置構成を示す、着火装置の縦方向断面図であって、一例として、着火装置2aについて詳細に示す。なお、バス線3に接続された他の着火装置2b、2c・・・は、全て着火装置2aと同じ物理的配置構成を備えているものとする。
そして、これら点火剤54、IC基板53、ピン51a、ヘッダ52を、上部が閉塞された円筒状のキャップ56で覆い、更にキャップ56で覆われた点火剤54、IC基板53、ピン51a、ヘッダ52を、モールド成型によりピン51a、51bの部分にまたがって樹脂モールド57で覆うことで一体化させる。なお、上記の説明において各部の材質は一例であって、例えばキャップ56に金属製のものを使用することができるなど種々の対応が採用可能である。
次に、図面を参照して、本実施例の点火システムが補助拘束装置を作動させるためのコントロールユニット1側の点火動作について説明する。図5は、本実施例の点火システムのコントロールユニット1側の点火動作を示すフローチャートである。
図5において、まず衝突判定部11は、遅延時間のデフォルトを「ゼロ」とし、着火装置2a、2b、2c・・・の中で、点火対象で遅延時間が「ゼロ」でない着火装置のみに対して、通信回路14により、着火装置2a、2b、2c・・・に付与された通信アドレスを指定して、遅延時間を指定する遅延時間情報を送信する(ステップS1)。
そして、衝突判定部11は、通信回路14により、着火装置2a、2b、2c・・・の全てに対して、一括して点火の実行を指示する点火実行信号(点火実行コマンド)を送信する(ステップS3)。
次に、図面を参照して、本実施例の点火システムが補助拘束装置を作動させるための着火装置側の点火動作について説明する。図6は、本実施例の点火システムの着火装置側の点火動作を示すフローチャートである。
図6において、電源起動と同時に、制御回路21は、点火に対する遅延時間をカウントする内部タイマのリセットを行う(ステップS11)。
また、上述の実施例で説明したバス線3は、例えば2対の線材が両方とも接地されない平衡型のバス線としても良い。
また、シートベルト非装着等により「点火無」と設定された左側ベルトプリテンショナーは作動しない。
すなわち、着火装置2a、2b、2c・・・は、点火実行信号(点火実行コマンド)の受信と同時に、予め指示された遅延時間に基づき、作動した補助拘束装置に設けられていた着火装置の影響を受けることなく、指定された遅延時間後に正確に対応する補助拘束装置を作動させることができるので、万が一作動した補助拘束装置に設けられていた着火装置がバス線に電気的な影響を与えても、他の補助拘束装置に設けられている着火装置は何の影響も受けずに正確に作動する、通信の信頼性を更に向上させた点火システムを実現することができるという効果が得られる。
2a、2b、2c 着火装置
3 バス線
54 点火剤(火薬)
Claims (1)
- 火薬を用いて補助拘束装置を作動させる乗員保護装置の点火システムであって、
電力及び制御信号を供給するバス線に接続されると共に、前記バス線から受信した点火実行信号に基づいて前記火薬に点火することにより前記補助拘束装置を作動させる複数の着火装置と、
前記バス線から供給される電力を予め蓄電済みの前記複数の着火装置の中で点火するべき着火装置に対して、まず点火時期を示す遅延時間情報を送信すると共に、該遅延時間情報の送信完了後に、前記点火するべき着火装置に対し一括して点火実行信号を送信する制御装置と
を備えたことを特徴とする点火システム。
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