JP2005172049A - 車輪支持用転がり軸受ユニットの製造方法 - Google Patents

車輪支持用転がり軸受ユニットの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005172049A
JP2005172049A JP2003409842A JP2003409842A JP2005172049A JP 2005172049 A JP2005172049 A JP 2005172049A JP 2003409842 A JP2003409842 A JP 2003409842A JP 2003409842 A JP2003409842 A JP 2003409842A JP 2005172049 A JP2005172049 A JP 2005172049A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
caulking portion
caulking
ring
rolling bearing
inner ring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2003409842A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005172049A5 (ja
Inventor
Nobuyuki Hagiwara
信行 萩原
Yasuhiro Morichika
靖弘 森近
Akifumi Horiie
章史 堀家
Shoko Yasumura
昌紘 安村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP2003409842A priority Critical patent/JP2005172049A/ja
Publication of JP2005172049A publication Critical patent/JP2005172049A/ja
Publication of JP2005172049A5 publication Critical patent/JP2005172049A5/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C43/00Assembling bearings
    • F16C43/04Assembling rolling-contact bearings
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21JFORGING; HAMMERING; PRESSING METAL; RIVETING; FORGE FURNACES
    • B21J9/00Forging presses
    • B21J9/02Special design or construction
    • B21J9/025Special design or construction with rolling or wobbling dies
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21KMAKING FORGED OR PRESSED METAL PRODUCTS, e.g. HORSE-SHOES, RIVETS, BOLTS OR WHEELS
    • B21K25/00Uniting components to form integral members, e.g. turbine wheels and shafts, caulks with inserts, with or without shaping of the components
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C19/00Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement
    • F16C19/02Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows
    • F16C19/14Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for both radial and axial load
    • F16C19/18Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for both radial and axial load with two or more rows of balls
    • F16C19/181Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for both radial and axial load with two or more rows of balls with angular contact
    • F16C19/183Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for both radial and axial load with two or more rows of balls with angular contact with two rows at opposite angles
    • F16C19/184Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for both radial and axial load with two or more rows of balls with angular contact with two rows at opposite angles in O-arrangement
    • F16C19/186Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for both radial and axial load with two or more rows of balls with angular contact with two rows at opposite angles in O-arrangement with three raceways provided integrally on parts other than race rings, e.g. third generation hubs
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C2326/00Articles relating to transporting
    • F16C2326/01Parts of vehicles in general
    • F16C2326/02Wheel hubs or castors

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mounting Of Bearings Or Others (AREA)
  • Rolling Contact Bearings (AREA)

Abstract

【課題】 安定した形状及び寸法を有するかしめ部11を得ると共に、このかしめ部11の表面の品質を良好に維持し、更に、押型15の寿命の向上と、ハブ本体6に対する内輪7の支持強度の確保とを図る。
【解決手段】 ハブ本体6の内端部に内輪7を外嵌した状態で、揺動回転する押型15によりこのハブ本体6の内端部に形成した円筒部13を塑性変形させ、かしめ部11を加工する。このかしめ部11の形成作業の開始時から終了時迄の間の、上記ハブ本体6の内端部でこのかしめ部11を形成すべき部分上を上記押型15が通過する回数を、15〜120回とする。この押型15の揺動回転速度を、100〜600min-1 の低い速度とする。
【選択図】 図1

Description

この発明は、自動車の車輪を懸架装置に対して回転自在に支持する為の車輪支持用転がり軸受ユニットの製造方法の改良に関する。
自動車の車輪を懸架装置に対して回転自在に支持する為に、車輪支持用転がり軸受ユニットを使用する。この様な車輪支持用転がり軸受ユニットとして特許文献1には、図5の様な構造が記載されている。この車輪支持用転がり軸受ユニットは、外径側軌道輪部材である外輪1の内径側に、内径側軌道輪部材であるハブ2を、それぞれが転動体である複数の玉3、3を介して回転自在に支持している。このうちの外輪1は、内周面に1対の外輪軌道4、4を形成すると共に、外周面に懸架装置に支持固定する為の取付部5を設けている。
又、上記ハブ2は、軸部材であるハブ本体6と内輪7とを組み合わせて成る。このうちのハブ本体6は、車輪を支持する為のフランジ8を外周面の外端(車両への組み付け状態で車両の幅方向外側となる端で、図5の左端)部に、外側の(第一の)内輪軌道9aを同じく中間部に、外径寸法が小さくなった段部10を同じく内端(車両への組み付け状態で車両の幅方向中央側となる端で、図5の右端)部に、それぞれ形成している。尚、上記外側の内輪軌道9aは、上記ハブ本体6の中間部に外嵌した別の内輪の外周面に形成する場合もある。又、上記内輪7は、内側の(第二の)内輪軌道9bを外周面に有する。この様な内輪7は、上記段部10に圧入外嵌すると共に、上記ハブ本体6の内端部に設けたかしめ部11により、上記段部10の段差面12に向け抑え付けている。この様なかしめ部11は、上記ハブ本体6の内端部で、少なくとも上記段部10に圧入(締り嵌めで)外嵌した内輪7の内端面よりも軸方向に突出する部分に形成した円筒部13を、図6に示す様な揺動プレス装置14により直径方向外方に塑性変形させる事により形成している。
この揺動プレス装置14は、加圧部材である押型15と、抑え治具16と、ホルダ17とを備える。このうちのホルダ17は、十分に大きな剛性を有する金属材により有底円筒状に構成しており、底部18の上面にハブ2の外端面中央部を、がたつきなく且つ若干の揺動変位自在に支持自在としている。この為に、図示の例の場合には、上記ホルダ17の底部18の上面中央部に受治具21を設け、この受治具21の底面とこの底部18の上面との間に設けた球面座により、この底部18に対する受治具21の揺動変位を自在としている。この様に上記ハブ2の外端面中央部を揺動変位を自在に支持する事により、上記かしめ部11の形成時に、上記ハブ2にモーメントが加わらず、このハブ2に曲がり等の変形が生じる事を防止できる。
又、上記揺動プレス装置14は、フランジ8の外周縁を含むハブ2の外周面とホルダ17の内周面とを隙間嵌により嵌合自在としている。この様に隙間嵌により嵌合する周面同士は、上記ホルダ17内に上記ハブ2をセットする際のガイド面として機能し上記押型15に対するこのハブ2の心合わせを図る一方、このハブ2の微妙な揺動変位を許容して、上記かしめ部11の形成時に、このハブ2にモーメントが加わる事を防止する。
又、上記抑え治具16は、それぞれが半円弧形に形成した治具素子19、19を組み合わせる事により全体を円輪状に構成したもので、内周縁部に円筒状の抑え部20を備える。又、これら各治具素子19、19の外周縁並びに上記ホルダ17の上端開口部内周面は、上方に向かう程直径が大きくなる方向に傾斜したテーパ面としている。上記各治具素子19、19を、図示しないボルトにより、上記ホルダ17の上部内周面に設けた、やはり図示しない取付部に結合固定する過程で上記各治具素子19、19は、上記テーパ面同士の係合に基づき、直径方向内方に変位する。そして、これら各治具素子19、19により構成する上記抑え治具16の抑え部20の内周面を、内輪7の内端寄り部分に設けた肩部22の外周面に強く押し付ける。
前記ハブ本体6の内端部に設けた円筒部13をかしめ広げて上記かしめ部11を形成する際には、上記ホルダ17を介して上記ハブ2を上方に押圧しつつ、前記押型15を揺動回転させる。即ち、この押型15の中心軸とこのハブ2の中心軸とを角度θだけ傾斜させた状態で、この押型15を、このハブ2の中心軸を中心として回転させる。この様にして揺動プレス装置14により上記かしめ部11を形成すれば、上記押型15の円周方向の一部が上記円筒部13を押圧する事になり、上記かしめ部11の加工作業は部分的に且つ円周方向に連続して進行する事になる。この為、一般的な鍛造加工によりこのかしめ部11を形成する場合に比べて、加工時に上記円筒部13に加わる荷重を小さくできる。
又、安定した品質で信頼性の高い車輪支持用転がり軸受ユニットを提供する為には、例えば、上記かしめ部11を形成する際に、このかしめ部11を形成すべき部分上を上記押型15が通過する回数(通過回数=揺動回転速度×加工時間)を管理する。例えば、一般的な乗用車用の車輪支持用転がり軸受ユニットの場合には、押型15の通過回数を、25〜200回程度とする。この様に通過回数を管理する事により、上記かしめ部11の形状を或る程度安定させ、或る程度高品質の車輪支持用転がり軸受ユニットを実現できる。
上述の様な特許文献1に記載された車輪支持用転がり軸受ユニットの製造方法の場合、かしめ部11を加工する際に押型15の揺動回転速度を上述の所定の範囲に規制する事を考慮していない。この為、上述の様に、この押型15の通過回数を所定の範囲に規制した場合でも、このかしめ部11の形状を安定させる事に対して未だ改良の余地がある。又、上記特許文献1に記載された車輪支持用転がり軸受ユニットの製造方法の場合、上記かしめ部11の表面を良好に維持できなくなったり、上記押型15の寿命を十分に確保できなくなる可能性がないとは言えない。例えば、上記通過回数を上述の様な所定の範囲に規制した場合でも、上記押型15の揺動回転速度が高過ぎると、上記かしめ部11を形成する際に、上記ハブ本体6の内端部と上記押型15とが高速で擦れ合って、当該接触部で発熱する可能性がある。そしてこの接触部で発熱すると、上記ハブ本体6の内端部と押型15とでの摩耗が激しくなったり、焼き付き等の損傷が発生する原因となる。又、上記接触部で発熱した場合には、車輪支持用転がり軸受ユニットの量産時に、かしめ部11を形成すべく新たに揺動プレス装置14に装着した、別の車輪支持用転がり軸受ユニットを構成するハブ本体6の内端部に、上記接触部で発生した熱が伝達されて、この内端部の変形抵抗が小さくなる可能性がある。この様に変形抵抗が小さくなると、得られたかしめ部11が外径側に変形し過ぎて、このかしめ部11の形状及び寸法が不安定になる可能性がある。
これに対して、上記押型15の揺動回転速度が低過ぎると、良好なかしめ部11を形成する為に必要な加圧力を、上記押型15から上記ハブ本体6の内端部に加える事ができず、上記ハブ本体6に対する上記内輪7の支持強度を十分に確保できなくなる可能性がある。即ち、上記かしめ部11と前記段差面12との間で上記内輪7を挟持した状態で、この内輪7を軸方向に押圧してこの内輪7の回転を防止するには、かしめ加工終了後での、上記かしめ部11の端面と段差面12とからこの内輪7に付与される軸方向の力(軸力)を、十分に大きくする必要がある。又、この軸力は、上記押型15から上記ハブ2の内端部に付与する加圧力で定まる。この為、この押型15の揺動回転速度が低過ぎる場合には、上記加圧力が小さくなる為、上記軸力を十分に大きくできなくなる。この様に、軸力を十分に大きくできない場合には、上記ハブ本体6に対する上記内輪7の支持強度を十分に確保できなくなる為、長期間に亙る使用により軸受剛性が低下し易くなる。
特開2000−211302号公報
本発明の車輪支持用転がり軸受ユニットの製造方法は、この様な事情に鑑みて、加圧部材を揺動回転させつつかしめ部を形成する際の、この加圧部材の揺動回転速度と、この加圧部材がかしめ部を形成すべき部分上を通過する回数(通過回数)とを適切な範囲に規制する事により、上述の様な不都合を解消すべく発明したものである。
本発明の車輪支持用転がり軸受ユニットの製造方法は、前述した従来の車輪支持用車輪支持用転がり軸受ユニットと同様に、内周面に第一、第二の外輪軌道を有する外径側軌道輪部材と、外周面に第一、第二の内輪軌道を有する内径側軌道輪部材と、これら第一、第二の内輪軌道と上記第一、第二の外輪軌道との間にそれぞれ複数個ずつ転動自在に設けられた転動体とを備え、上記内径側軌道輪部材は、その中間部外周面に直接又は別の内輪を介して上記第一の内輪軌道を設けた軸部材と、その外周面に上記第二の内輪軌道を設けた内輪とから成り、この内輪は、上記軸部材の一端部に外嵌し、更にこの軸部材の一端部に設けた円筒部を直径方向外方に塑性変形させる事で形成したかしめ部によりその軸方向一端面を抑え付けられる事で、上記軸部材に対し支持固定されている車輪支持用転がり軸受ユニットを造る為、加圧部材により上記円筒部の円周方向の一部に、軸方向に関して他端側に、径方向に関して外方に、それぞれ向いた荷重を加えると共に、この荷重を加える部分を上記円筒部の円周方向に関して連続的に変化させる事によりこの円筒部を徐々に塑性変形させて上記かしめ部とする。
特に、本発明の車輪支持用転がり軸受ユニットの製造方法に於いては、このかしめ部の形成作業の開始時から終了時迄の間の、このかしめ部を形成すべき部分上を上記加圧部材が通過する回数を15〜120回とし、且つ、この加圧部材の揺動回転速度を100〜600min-1 の低い速度とする。
上述の様に構成する本発明の車輪支持用転がり軸受ユニットの製造方法によれば、安定した形状及び寸法を有するかしめ部を得られると共に、このかしめ部の表面の品質を良好に維持できる。更に、加圧部材の損傷を防止できる事によりこの加圧部材の寿命を向上させる事ができる。又、軸部材に対する内輪の支持強度を十分に確保でき、軸受剛性を長期間に亙り十分に確保し易くなる。
又、好ましくは、請求項2に記載した様に、かしめ部の形成作業の開始時から終了時迄の間の、このかしめ部を形成すべき部分上を加圧部材が通過する回数を、30〜90回とする。
この好ましい構成によれば、軸部材から内輪に、効果的により安定した軸力を加える事ができる。
又、好ましくは、請求項3に記載した様に、かしめ部の形成作業の開始時から終了時迄の間の、このかしめ部を形成すべき部分上を加圧部材が通過する回数を、15回以上30回未満とする。
この好ましい構成によれば、かしめ部の表面の品質をより良好に維持し易くすると共に、加圧部材の寿命をより向上させ易くできる。
図1〜2は、本発明の実施例を示している。尚、本実施例の特徴は、前述した従来の車輪支持用転がり軸受ユニットの製造方法で生じる不都合を解消すべく、加圧部材である押型15を揺動回転させつつかしめ部11を形成する際の、この押型15の揺動回転速度と、この押型15がかしめ部11を形成すべき部分上を通過する回数(通過回数)とを所定の範囲に規制する点にある。本実施例の製造方法により造る車輪支持用転がり軸受ユニットの構成に就いては、前述の図5〜6に示した従来構造と同様である為、同等部分には同一符号を付して重複する説明は省略し、以下、本実施例の特徴部分に就いて説明する。
先ず、製造装置である揺動プレス装置14aの構成に就いて説明する。この揺動プレス装置14aは、昇降台23を有する。この昇降台23は、油圧シリンダ等の押圧装置(本体部分の図示は省略)の出力ロッド24の上端部に固定されており、かしめ部11の加工時に、この押圧装置により上方に押し上げられる。この様な昇降台23の上面には、図1の表裏方向に水平移動するスライドテーブル25を設け、更にこのスライドテーブル25の上面に、ホルダ26を介して支持ブロック27を載置している。尚、上記昇降台23の上面で1対のスライダ28、28の間部分にバックアッププレート29を固定し、このバックアッププレート29の上面を、上記スライドテーブル25の下面に摺接若しくは近接対向させている。
上記支持ブロック27は、内径側軌道輪部材であるハブ2を構成する上記ハブ本体6の外端(車両への組み付け状態で車両の幅方向外側となる端で、図1の下端)部を支える為のもので、上面中央部に支持円筒部30を固設している。この支持円筒部30は、ホイールの内周縁部を外嵌する為に上記ハブ本体6の外端面に設けた位置決め筒部31をほぼがたつきなく内嵌自在な内径と、上記ハブ本体6の外周面に設けたフランジ8の外側面にほぼ密接自在な上端面形状とを有する。
又、上記支持ブロック27の上方には、上記ハブ本体6の内端部に形成した円筒部13を塑性変形する為の加圧部材である、押型15を設けている。この押型15は、図示しない支持ヘッドの下端部に支持されている。この押型15の中心軸αは、前述の図6に示した従来装置の場合と同様に、上記ハブ本体6の中心軸βに対し、小さな角度θだけ傾斜している。上記ハブ本体6の内端部にかしめ部11を加工する際に上記押型15は、その中心軸αを上記ハブ本体6の中心軸βの回りで振れ回り運動させる。そして、この状態で上記昇降台23を上方に押し上げる事により、上記円筒部13の上端縁を上記押型15の下面に押し付ける。そして、この押型15からこの円筒部13の円周方向の一部に、軸方向に関して外方(図1の下方)に、径方向に関して外方に、それぞれ向いた荷重を加える。この様にして上記円筒部13に荷重を加える位置は、上記中心軸αの振れ回り運動に伴って、この円筒部13の円周方向に関して連続的に変化する。尚、上記押型15は、この円筒部13を加圧するのに伴う反力により亀裂等の損傷が発生しない様に剛性を高くすべく、かしめ部11を形成する為の先端部から離れるに従って(上方程)外径が大きくなる方向に傾斜したテーパ形状としている。
又、上記押型15の周囲に、円輪状の支持枠32を設けている。この支持枠32の中央部には、この押型15の振れ回り運動を許容すべく、上方に向かう程内径が大きくなる方向に傾斜した内周面を有する、摺鉢状の通孔33を設けている。そして、上記支持枠32の下面でこの通孔33を囲む部分に、略短円筒状の抑え筒部34を形成している。この抑え筒部34は、上記押型15により上記円筒部13を上記かしめ部11に加工する際に、上記ハブ本体6が径方向に振れ動くのを規制する役目を有する。この為に上記抑え筒部34の下端部内周面は、上記ハブ本体6の内端部に外嵌した内輪7の外周面に、0.1〜0.5mm程度の微小な大きさの隙間を介して対向させている。尚、上記支持枠32は、図示しないフレームの一部に、やはり図示しない3本の油圧アクチュエータにより、若干の昇降自在に支持している。
又、上記支持枠32の下面外周寄り部分に、上下1対の連結環35a、35bを介して、欠円筒状の保持筒36を、吊り下げ固定している。この保持筒36は、前記昇降台23が上昇し、上記支持枠32が下降した状態で、前記ホルダ26に外嵌される。又、上記連結環35bの内径側に駆動環37を、転がり軸受38により、回転自在に支持している。この転がり軸受38は、旋回輪の如く、ラジアル荷重及びスラスト荷重を支承自在な構造を有する。上記駆動環37は、上記押型15により上記かしめ部11を加工する際に、外輪1を所定速度で回転させる為のもので、この外輪1の外周面に設けた取付部5に、円輪状の駆動治具39を外嵌した状態で、モータ40により回転駆動される。
このうちの駆動治具39は上記駆動環37にこの駆動環37に対する若干の昇降を自在に、且つ、この駆動環37と同期した回転を自在に組み合わせている。この為に本例の場合には、この駆動環37の円周方向複数個所(例えば4〜6個所)に、それぞれがこの駆動環37の中心軸と平行な支持孔41、41を形成している。又、上記駆動治具39の外周面上端部に固定した取付フランジ42の一部で上記各支持孔41、41に整合する部分に、それぞれが上記駆動治具39の中心軸と平行に配置されたガイドピン43、43の基端部を結合固定している。そして、これら各ガイドピン43、43を上記各支持孔41、41に挿通し、更に、これら各ガイドピン43、43の下端部に形成した鍔部の上面と上記取付フランジ42の下面との間に、圧縮ばねを設けている。
この構成により上記駆動治具39は、下方に向かう弾力を付与された状態で、上記駆動環37に対し若干の昇降自在に、且つ、この駆動環37と同期した回転自在に支持されている。この様な駆動治具39の下面内周寄り部分には、上記取付部5の外周縁と非円形嵌合する凹部44を形成している。本例の場合、この凹部44の内周面形状は、図2に示す様に、円筒面の一部を径方向内方に膨らませて膨出部45とした形状を採用している。この膨出部45は、上記凹部44と上記取付部5との位相が合致した状態で、この取付部5の外周縁部に存在する何れかの凹縁部46と係合し、上記駆動治具39から上記外輪1への回転力の伝達を自在とする。尚、上記駆動環37からこの駆動治具39への回転力の伝達は、上記各ガイドピン43、43により行なっても良いが、上記駆動環37の内周面と上記駆動治具39の外周面との係合状態を、スプライン係合等の非円形嵌合にすれば、上記各ガイドピン43、43に大きな力が加わる事を防止して、製造装置の耐久性向上を図れる。
一方、上記駆動環37を回転駆動する為の前記モータ40(一般的には電動モータを使用するが、油圧モータの使用を妨げるものではない)は、前記保持筒36の一部外周面に、連結ブラケット47と保持ブラケット48とにより支持固定している。従って上記モータ40は、前記支持枠32と共に昇降する。この様なモータ40の出力軸49と上記駆動環37とは、歯車減速機構50により結合して、この駆動環37を所定方向に所定速度で回転駆動自在としている。
上記歯車減速機構50を構成する為に、上記連結ブラケット47に中間軸51を、上記出力軸49及び上記駆動環37の中心軸と平行に配置した状態で、回転自在に支持している。又、この駆動環37の下面外周寄り部分に、減速大歯車52を固定している。そして、この減速大歯車52と、上記出力軸49の先端部(図示の場合上端部)に固定した減速小歯車53とを、上記中間軸51の上端部に固定した中間歯車54を介して噛合させている。この構成により上記駆動環37を、上記出力軸49と同方向に、この出力軸49よりも低速で回転駆動自在としている。
更に、前記支持ブロック27の上方には、回転制限部材である抑えロッド55を、前記外輪1の外周面に対する進退自在に設けている。この為に本例の場合には、前記ホルダ26の外周面で前記保持筒36の不連続部に対応する部分に、エアシリンダ等のアクチュエータ56を固定し、このアクチュエータ56により上記抑えロッド55を、上記外輪1の径方向に変位自在としている。尚、上記駆動環37と共に前記駆動治具39を、図示しない油圧シリンダ等のアクチュエータにより下降させた場合に、この駆動治具39の凹部44の膨出部45がそのまま前記取付部5の何れかの凹縁部46に係合した場合には、直ちに前記モータ40によりこの駆動治具39を所定方向に回転させる。この場合には、上記抑えロッド55は作動(上記外輪1の外周面に向け変位)せず、この外輪1の外周面から離れたままである。
これに対して、上記駆動治具39を下降させた場合に、この駆動治具39の膨出部45の下面が上記凹縁部46、46から外れた部分に載った場合には、上記モータ40により上記駆動治具39を、上記所定方向とは逆方向に低速(例えば数min-1 〜数十min-1 )で回転させる。この際、上記アクチュエータ56により上記抑えロッド55を、上記外輪1の外周面に向けて前進させて、この抑えロッド55の先端部とこの外輪1の外周面との摩擦係合に基づいて、この外輪1を回転させる為に要するトルクを大きくする。そして、この外輪1が上記駆動治具39と共回りしない様にする。これに対して、図1に示す様に上記抑えロッド55を上記外輪1の外周面から退避させた場合には、この外輪1を回転させる為に要するトルクが小さくなる。尚、上記抑えロッド55の先端部に、硬質ゴム、合成樹脂、軟質金属等、上記外輪1を構成する金属材料(炭素鋼)よりも軟らかい材料を設置する事が、この外輪1の外周面の損傷防止の面から好ましい。
次に、上述の様に構成する揺動プレス装置14aを使用し、前記ハブ本体2aの内端部に設けた円筒部13を塑性変形させて前記かしめ部11とする際の作用に就いて説明する。
先ず、前記昇降台23を下降させ、且つ、前記スライドテーブル25を図1の表裏方向にずらせて前記押型15の下方から前記支持ブロック27を抜き出した状態で、この支持ブロック27の上面に上記ハブ本体6を載置する。このハブ本体6の内端部には、予め前記内輪7を外嵌しておく。
次いで、上記スライドテーブル25を上記押型15の下方に、上記ハブ本体6の中心軸と前記支持枠32の中心軸とが一致する状態まで入り込ませる。その後、この支持枠32を下降させ、前記抑え筒部34の下端部を上記内輪7に外嵌する。又、この抑え筒部34と共に、前記駆動治具39が下降する。この駆動治具39の下降に伴ってこの駆動治具39の凹部44がそのまま前記取付部5の外周面に嵌った(膨出部45と何れかの凹縁部46とが係合した)場合には、マイクロスイッチがこれら凹部44と取付部5とが嵌合して上記駆動治具39が十分に下降した事を検知し、それまで停止していた前記モータ40に直ちに通電し、上記駆動治具39を所定方向に回転させる。この場合には、上記抑えロッド55は作動(上記外輪1の外周面に向け変位)せず、この外輪1の外周面から離れたままである。
これに対して、上記駆動治具39を下降させた場合に、この駆動治具39の下面で上記凹部44から外れた部分が上記取付部5に載った場合には、上記駆動治具39の下降が阻止され、前記ガイドピン43、43の周囲に設けた圧縮ばねが押し潰された状態となる。この状態では、上記マイクロスイッチが上記駆動治具39が下降した事を検知しない。そこで、この場合には、前記抑えロッド55を前進させて、この抑えロッド55の先端部とこの外輪1の外周面とを摩擦係合させると共に、上記モータ40により上記駆動治具39を、上記所定方向とは逆方向に低速(例えば数min-1 〜数十min-1 )で所定角度だけ回転(例えば半回転前後以下)させる。
この結果、上記凹部44と上記取付部5との位相が一致した状態で上記駆動治具39が下降し、この下降を上記マイクロスイッチが検知する。この駆動治具39の回転は低速で行なわれる為、上記凹部44と上記取付部5との位相が一致しさえすれば、上記駆動治具39を確実に下降させて、これら凹部44と取付部5とを嵌合させる事ができる。即ち、この駆動治具39の下面に形成した凹部44の内周面の膨出部45と、上記取付部5の外周縁に存在する1対の凹縁部46、46のうちの何れかの凹縁部46との円周方向に関する位相が合致した状態で、上記駆動治具39が、自重と前記各ガイドピン43、43の周囲に配置した圧縮ばねの弾力とにより下降し、上記取付部5が上記凹部44内に嵌り込む。この状態で、上記駆動治具39の回転が上記外輪1に伝達自在な状態となるので、上記抑えロッド55を上記外輪1の外周面から退避させると共に、上記モータ40を停止させた後、このモータ40を再起動して、上記駆動治具39を所定方向に回転させる。
尚、上記取付部5と上記凹部44とが嵌合した後も上記駆動治具39を、予め設定した分(半回転前後)だけ回転させ続ける事も考えられる。この場合には、上記抑えロッド55の先端部と上記外輪1の外周面とが滑り摩擦し合い、上記モータ40に要求される駆動トルクが上昇する。但し、この状態での上記駆動治具39の回転速度は遅い為、特に問題とはならない。これに対して上述の説明の様に構成すれば、上記取付部5と上記凹部44とが嵌合した事をマイクロスイッチにより検知して、上記抑えロッド55を上記外輪1の外周面から直ちに退避させると共に上記モータ40を一時停止させる為、上記抑えロッド55の先端部と上記外輪1の外周面とが滑り摩擦し合う事は殆どない。
上述の様にして、上記取付部5と上記凹部44とを嵌合させて、上記駆動治具39により上記外輪1を回転駆動自在とする事により、前記かしめ部11を加工する為の準備作業が完了する。そこで、上記モータ40により上記外輪1を、例えば数百min-1 程度で回転させると共に、前記昇降台23を上昇させつつ、前記押型15により前記ハブ本体6の内端部に形成した円筒部13を塑性変形させる。そして、前記かしめ部11を形成し、このかしめ部11により前記内輪7の内端面を抑え付ける。この際、上記押型15は、その中心軸αを上記ハブ本体6の中心軸βの回りで振れ回り運動させる。上記円筒部13は、この様に振れ回り運動する上記押型15の下面に、前記油圧シリンダ等の押圧装置の出力ロッド24の押し上げ力に基づいて、押し付けられる。この際、上記円筒部13を設けた上記ハブ本体6は回転しない為、この円筒部13の円周方向の一部に、軸方向に関して外端側に、径方向に関して外方に、それぞれ向いた荷重が加えられ、且つ、この荷重を加えられる部分が、上記円筒部13の円周方向に関して連続的に変化する。
この結果、この円筒部13が、円周方向に関して連続的に、且つ、徐々に塑性変形して、上記かしめ部11となる。この様に円筒部13がかしめ部11となるのに伴って、上記ハブ本体6及びこのハブ本体6を載置した昇降台23、並びに前記支持枠32、モータ40、歯車減速機構50等が少しずつ上昇する。尚、上記かしめ部11の加工に伴って前記スライドテーブル25に加わるスラスト荷重は、前記バックアッププレート29を介して、上記出力ロッド24により支承する。従って、前記スライダ28に過大な力が作用する事はなく、このスライダ28の耐久性を十分に確保できる。
特に、本実施例の車輪支持用転がり軸受ユニットの製造方法の場合には、上記円筒部13を上記かしめ部11とする加工作業の間中、上記ハブ本体6を静止した状態のまま、上記モータ40により前記外輪1を一方向に回転させる。そして、各玉3、3を、各外輪軌道4、4と各内輪軌道9a、9b(図5)との間で公転運動させつつ、前記押型15により上記円筒部13を押圧して、上記かしめ部11の加工を行なう。この際、このかしめ部11の加工作業の開始時(押型15を円筒部13に押圧しつつこの押型15を揺動回転させる揺動回転始動時)から終了時(揺動回転停止時)迄の間の、上記かしめ部11を形成すべき部分上を上記押型15が通過する回数(通過回数=揺動回転速度×加工時間)を15〜120回とする。又、この押型15の揺動回転速度(振れ回り速度)を、100〜600min-1 とする。
又、本発明者が行なった実験により、各玉3、3の公転方向と上記押型15の揺動回転方向とを同方向にすると共に、これら各玉3、3の公転速度とこの押型15の揺動回転速度とを一致させる場合を除き、これら各玉3、3の公転方向及び公転速度を何れにしても、かしめ部11の加工作業時に於ける、各玉3、3と外輪軌道4、4及び内輪軌道9a、9bとの焼き付きを防止し易くできる事が分かった。これに対して、各玉3、3の公転方向を上記押型15の揺動回転方向と同じとし、且つ、これら各玉3、3の公転速度をこの押型15の揺動回転速度と同じとした状態で、かしめ部11の加工作業を行なった場合には、このかしめ部11の加工時に各玉3、3と外輪軌道4、4及び内輪軌道9a、9bとに焼き付きが発生した。この様な事情から、本実施例の場合には、上記外輪1の回転方向を、上記押型15の揺動回転方向と逆方向にする。又、上記外輪軌道4、4及び内輪軌道9a、9bの損傷をより効果的に防止する為に、上記外輪1の回転速度を、上記押型15の揺動回転速度よりも小さくする。又、かしめ部11の加工時間は、最短時間を、前記揺動プレス装置14aの構造上かしめ部11を形成する為に必要な最短時間である4秒とし、最長時間を、車輪支持用転がり軸受ユニットの量産時に採り得る1サイクルの最長時間(サイクルタイムの最大値)である15秒とする。
更に、本実施例の場合には、前記ハブ本体6の中心軸βに対する、上記押型15の中心軸αの傾斜角度θを、0.5〜5度とする。又、前記昇降台23と押型15との間でハブ本体6に加える軸方向の荷重を、49〜245kN(=5〜25tf)とし、上記かしめ部11の加工作業の終了を、上記昇降台23を昇降させる為の油圧を(より具体的には油圧を時間の関係で)制御する事により規制する。
上述の様に、本実施例の場合には、上記各玉3、3を公転運動させつつ上記押型15により上記円筒部13を塑性変形させる為、この円筒部13から遠い、軸方向外側の外輪軌道4及び内輪軌道9aは勿論、この円筒部13に近い、軸方向内側の外輪軌道4及び内輪軌道9bにも、圧痕等の損傷が生じる事を防止できる。又、本発明者が行なった実験によれば、上記外輪1を回転させて上記各玉3、3を転動させつつ上記円筒部13をかしめ部11とする加工作業を行なった場合には、上記圧痕等の損傷を生じない事が分かった。特に、本実施例の場合には、上記かしめ部11の加工作業の開始時から終了時迄の間の、このかしめ部11を形成すべき部分上を上記押型15が通過する回数(通過回数=揺動回転速度×加工時間)を15〜120回とし、且つ、この押型15の揺動回転速度(振れ回り速度)を100〜600min-1 としている。この為、安定した形状及び寸法を有するかしめ部11を得られると共に、このかしめ部11の表面の品質を良好に維持できる。更に、押型15の損傷を防止できる事によりこの押型15の寿命向上を図れる。又、ハブ本体6に対する内輪7の支持強度を十分に確保でき、軸受剛性を長期間に亙り十分に確保し易くなる。
次に、本発明者が本発明の効果を確認すべく行なった実験に就いて説明する。実験は、上述の図1〜2に示した揺動プレス装置14aを用いて、上述した実施例の製造方法により、押型15の通過回数と揺動回転速度とを種々に変化させて、ハブ本体6の内端部にかしめ部11を形成する加工を行なった。又、実験では、次の(イ)〜(ニ)の項目中から評価を行なった。
(イ) かしめ部11の表面の外観の良否
(ロ) 押型15の表面状態の良否
(ハ) かしめ部11を形成する事により内輪7に付与される軸方向の力(軸力)
(ニ) かしめ部11の外径の安定性
先ず、第一の実験では、かしめ部11の形成作業の開始時から終了時迄の間の、このかしめ部11を形成すべき部分上を押型15が通過する回数(通過回数)と、上記(イ)〜(ニ)のうち、(イ)かしめ部11の表面の外観の良否と、(ロ)押型15の表面状態の良否との関係を確認した。この為、第一の実験では、上記押型15の通過回数を0〜250回の間で種々に異ならせて、このかしめ部11を形成し、かしめ加工終了後のこのかしめ部11の表面の外観と押型15の表面状態とを観察した。次の表1に、この様にして行なった第一の実験結果を示している。尚、この表1中、○印は評価結果が良好であった事を、△印は同じくやや不良であった事を、×印は同じく不良であった事を、それぞれ表している。又、第一の実験では、上記ハブ本体6の内端部で上記かしめ部11を形成すべき部分と、上記押型15との接触部を潤滑剤により潤滑する事なく、このかしめ部11を加工した。
Figure 2005172049
この表1に示した実験結果から明らかな様に、かしめ部11を形成すべき部分に対する押型15の通過回数を15〜120回とする、本発明の場合には、かしめ部11の表面の外観を良好にできると共に、押型15の表面状態を良好にできる。これに対して、本発明の範囲から外れる、上記通過回数を121回以上とした場合には、かしめ部11の表面が荒れたり、押型15の表面に摩耗が生じた。
次に、本発明者が行なった第二の実験に就いて説明する。この第二の実験では、かしめ部11を形成すべき部分に対する押型15の通過回数と、前記(イ)〜(ニ)のうち、(ハ)かしめ部11を形成する事により内輪7に付与される軸方向の力(軸力)との関係を確認した。この為、第一の実験では、上記押型15の通過回数を0〜140回の間で種々に異ならせて、上記かしめ部11を形成し、かしめ加工終了後の上記軸力を測定した。又、上記押型15の揺動回転速度を500min-1 とし、かしめ加工時間を種々に異ならせる事により、上記通過回数を種々に異ならせて、得られた車輪支持用転がり軸受ユニットで内輪7に付与される軸力を測定した。尚、この軸力は、40kN以上(次述する図3に矢印イで示す範囲)であれば、実用上問題がない事が分かっている。
図3は、この様にして行なった第二の実験の結果を示している。この図3に示した第二の実験結果から明らかな様に、押型15の通過回数を15〜120回とする、本発明の場合には、内輪7に付与される軸力を十分に確保できる。これに対して、上記通過回数が15回未満の場合には、軸力を十分に確保できなかった(40kN未満であった)。又、この通過回数が50回近辺でこの軸力を最大にでき、90回以上では軸力がほぼ一定になった。
又、上記第二の実験結果から、次の(1)(2)も分かった。
(1) 安定した軸力を内輪7に付与する事を優先的に考える場合には、押型15の通過回数を30〜90回(図3に矢印ロで示す範囲)に設定する事が好ましい。
(2) かしめ部11の表面や、押型15の一部でかしめ部11との接触部に押し付ける部分の損傷を抑える事を優先に考える場合には、押型15の通過回数を15回以上30回未満(図3に矢印ハで示す範囲)に設定する事が好ましい。
上述の第一、第二の実験結果で得られた、上記押型15の通過回数と、(イ)かしめ部11の表面の外観の良否と、(ロ)押型15の表面状態の良否と、(ハ)内輪7に付与される軸力との評価結果との関係から明らかな様に、上記通過回数を15〜120回に規制する本発明の場合には、上記(イ)〜(ハ)の項目で優れた評価を得られる。尚、この様な結果は、前記特許文献1に記載された、押型15の通過回数を25〜200回程度とする事が好ましいと言った事とは、ずれがある。この理由は、前記特許文献1に記載された製造方法で使用する揺動プレス装置では、短時間でのかしめ部の加工が困難であるのに対し、現在使用している、又は製造を考えている揺動プレス装置では、より短時間での加工が容易になった事による。そして、本発明では、この様に短時間での加工を容易に行なえる揺動プレス装置を使用する為、上記通過回数の好ましい範囲が、従来よりも低い側にずれる。
次に、本発明者が行なった第三の実験に就いて説明する。この第三の実験では、押型15の揺動回転速度と、前記(イ)〜(ニ)のうち、(ニ)かしめ部11の外径の安定性との関係を確認した。尚、この第三の実験は、本発明者の次の様な知見から行なったものである。即ち、上記押型15の揺動回転速度を高くすると、この押型15と、ハブ本体6の内端部でかしめ部11を形成すべき部分とが高速で擦れ合う事により、当該接触部で発熱する。そして、車輪支持用転がり軸受ユニットの量産時に、押型15のこの接触部付近に熱が残ったままの状態となった場合には、かしめ部11を形成すべく新たに揺動プレス装置14に装着した、別の車輪支持用転がり軸受ユニットを構成するハブ本体6の内端部に上記熱が伝達され易くなり、この内端部の変形抵抗が小さくなる。上述した実施例の揺動プレス装置14aは、位置制御ではなく、油圧を時間の関係で制御する油圧制御としている為、上述の様な理由により上記ハブ本体6の内端部の変形抵抗が小さくなると、かしめ部11の外径が所望値よりも大きくなり易くなる。この様な事情から、本発明者は、このかしめ部11の外径を安定させる為には、上記押型15の揺動回転速度を所定値以下にする必要があると知見した。
上記第三の実験は、この様な知見から行なったもので、上記押型15の揺動回転速度を、低速の200min-1 とした場合と高速の1000min-1 とした場合とで、かしめ部11の加工数の比(=加工数/総加工数)と、このかしめ部11の外径の比(=かしめ部11の外径寸法の測定値/かしめ部11の外径寸法の設計値)との関係を求めた。図4は、この様にして行なった第三の実験結果を示している。この図4に示した実験結果から明らかな様に、本発明の範囲に属する、上記揺動回転速度を200min-1 とした場合には、かしめ部11の外径を安定させる事ができた。これに対して、本発明から外れる、上記揺動回転速度を1000min-1 と高くした場合には、連続的に多くの製品でかしめ部11を形成する加工を行なった場合に、上記ハブ本体6の内端部の変形抵抗が熱で小さくなる事により、この内端部をかしめ過ぎて、かしめ部11の外径の測定値が大きくなった。この様に、上記揺動回転速度を高くすると、かしめ部11の寸法が不安定になった。又、本発明者が行なった別の実験によれば、このかしめ部11の寸法が不安定になる場合での上記揺動回転速度の下限値は600min-1 を越える値である事が分かった。更に、この揺動回転速度を1500min-1 よりも高くすると、かしめ加工時にかしめ部11と押型15とが高速で擦れ合って、発熱によりこれらかしめ部11と押型15とが溶着してしまった。これに対して、上記揺動回転速度を50min-1 以下迄遅くすると、かしめ部11の加工時間を、車輪支持用転がり軸受ユニットの量産時に採り得る1サイクルの最長時間(サイクルタイムの最大値)とした場合でも、上記押型15の通過回数を、本発明の範囲の下限値の15回とした場合に、良好なかしめ部11を形成できなくなった。そしてこの場合には、かしめ部11を形成する事により内輪7に付与される軸力が不十分になった。この様な事情から、本発明の場合には、上記揺動回転速度の下限値を、製造上のばらつき等を考慮して100min-1 とした。そしてこの揺動回転速度を100〜600min-1 とする本発明の場合には、良好なかしめ部11を形成できると共に、このかしめ部11の寸法を安定させる事ができる事が分かった。
本発明の実施例を、かしめ部を加工する状態で示す断面図。 駆動治具と外輪とを取り出して図1の下方から見た図。 第二の実験結果を、かしめ部を形成すべき部分に対する押型の通過回数と、内輪に付与される軸力との関係で示す線図。 第三の実験結果を、かしめ部の加工数の比(=加工数/総加工数)と、このかしめ部の外径の比(=外径寸法の測定値/外径寸法の設計値)との関係で示す図。 従来から知られている車輪支持用転がり軸受ユニットの1例を示す半部断面図。 従来から知られているかしめ部の加工方法の1例を示す断面図。
符号の説明
1 外輪
2 ハブ
3 玉
4 外輪軌道
5 取付部
6 ハブ本体
7 内輪
8 フランジ
9a、9b 内輪軌道
10 段部
11 かしめ部
12 段差面
13 円筒部
14、14a 揺動プレス装置
15 押型
16 抑え治具
17 ホルダ
18 底部
19 治具素子
20 抑え部
21 受治具
22 肩部
23 昇降台
24 出力ロッド
25 スライドテーブル
26 ホルダ
27 支持ブロック
28 スライダ
29 バックアッププレート
30 支持円筒部
31 位置決め筒部
32 支持枠
33 通孔
34 抑え筒部
35a、35b 連結環
36 保持筒
37 駆動環
38 転がり軸受
39 駆動治具
40 モータ
41 支持孔
42 取付フランジ
43 ガイドピン
44 凹部
45 膨出部
46 凹縁部
47 連結ブラケット
48 保持ブラケット
49 出力軸
50 歯車減速機構
51 中間軸
52 減速大歯車
53 減速小歯車
54 中間歯車
55 抑えロッド
56 アクチュエータ

Claims (3)

  1. 内周面に第一、第二の外輪軌道を有する外径側軌道輪部材と、外周面に第一、第二の内輪軌道を有する内径側軌道輪部材と、これら第一、第二の内輪軌道と上記第一、第二の外輪軌道との間にそれぞれ複数個ずつ転動自在に設けられた転動体とを備え、上記内径側軌道輪部材は、その中間部外周面に直接又は別の内輪を介して上記第一の内輪軌道を設けた軸部材と、その外周面に上記第二の内輪軌道を設けた内輪とから成り、この内輪は、上記軸部材の一端部に外嵌し、更にこの軸部材の一端部に設けた円筒部を直径方向外方に塑性変形させる事で形成したかしめ部によりその軸方向一端面を抑え付けられる事で、上記軸部材に対し支持固定されている車輪支持用転がり軸受ユニットを造る為、加圧部材により上記円筒部の円周方向の一部に、軸方向に関して他端側に、径方向に関して外方に、それぞれ向いた荷重を加えると共に、この荷重を加える部分を上記円筒部の円周方向に関して連続的に変化させる事によりこの円筒部を徐々に塑性変形させて上記かしめ部とする車輪支持用転がり軸受ユニットの製造方法に於いて、このかしめ部の形成作業の開始時から終了時迄の間の、このかしめ部を形成すべき部分上を上記加圧部材が通過する回数を15〜120回とし、且つ、この加圧部材の揺動回転速度を100〜600min-1 の低い速度とする事を特徴とする車輪支持用転がり軸受ユニットの製造方法。
  2. かしめ部の形成作業の開始時から終了時迄の間の、このかしめ部を形成すべき部分上を加圧部材が通過する回数を30〜90回とする、請求項1に記載した車輪支持用転がり軸受ユニットの製造方法。
  3. かしめ部の形成作業の開始時から終了時迄の間の、このかしめ部を形成すべき部分上を加圧部材が通過する回数を15回以上30回未満とする、請求項1に記載した車輪支持用転がり軸受ユニットの製造方法。
JP2003409842A 2003-12-09 2003-12-09 車輪支持用転がり軸受ユニットの製造方法 Withdrawn JP2005172049A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003409842A JP2005172049A (ja) 2003-12-09 2003-12-09 車輪支持用転がり軸受ユニットの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003409842A JP2005172049A (ja) 2003-12-09 2003-12-09 車輪支持用転がり軸受ユニットの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005172049A true JP2005172049A (ja) 2005-06-30
JP2005172049A5 JP2005172049A5 (ja) 2007-01-18

Family

ID=34731067

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003409842A Withdrawn JP2005172049A (ja) 2003-12-09 2003-12-09 車輪支持用転がり軸受ユニットの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005172049A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101701608B (zh) * 2009-10-30 2012-05-23 吴江市双精轴承有限公司 轴承装配铆合模
EP3593921A4 (en) * 2018-02-26 2020-06-17 NSK Ltd. ROTARY MACHINING DEVICE, METHOD FOR MANUFACTURING HUB BEARING, AND METHOD FOR MANUFACTURING AUTOMOBILE
US20210268568A1 (en) * 2017-11-20 2021-09-02 Nsk Ltd. Rotary caulking device, method of manufacturing hub unit bearing and method of manufacturing vehicle

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101701608B (zh) * 2009-10-30 2012-05-23 吴江市双精轴承有限公司 轴承装配铆合模
US20210268568A1 (en) * 2017-11-20 2021-09-02 Nsk Ltd. Rotary caulking device, method of manufacturing hub unit bearing and method of manufacturing vehicle
US11745249B2 (en) * 2017-11-20 2023-09-05 Nsk Ltd. Rotary caulking device, method of manufacturing hub unit bearing and method of manufacturing vehicle
EP3593921A4 (en) * 2018-02-26 2020-06-17 NSK Ltd. ROTARY MACHINING DEVICE, METHOD FOR MANUFACTURING HUB BEARING, AND METHOD FOR MANUFACTURING AUTOMOBILE
EP3593920A4 (en) * 2018-02-26 2020-06-24 NSK Ltd. OSCILLATION PROCESSING DEVICE, MANUFACTURING BEARING OF HUB UNIT, AND AUTOMOTIVE MANUFACTURING METHOD
US11732751B2 (en) 2018-02-26 2023-08-22 Nsk Ltd. Rotary machining apparatus, method of manufacturing hub unit bearing, and method of manufacturing vehicle
US11821463B2 (en) 2018-02-26 2023-11-21 Nsk Ltd. Rotary machining device, method of manufacturing hub unit bearing and method of manufacturing vehicle

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4127266B2 (ja) 車輪支持用転がり軸受ユニットの製造方法及び製造装置
JP6624354B1 (ja) 揺動加工装置、ハブユニット軸受の製造方法および自動車の製造方法
WO2017010481A1 (ja) 軸受ユニットの製造方法及び製造装置
CN107709806B (zh) 车轮支撑用滚动轴承单元的制造方法
US5709118A (en) Press apparatus for forming gear teeth
CN113245428A (zh) 一种带内筋筒形件的斜轧式旋压成形方法
CA2275559A1 (en) Method for forming a workpiece by flow-forming
KR101371578B1 (ko) 딤플 성형용 버니싱 공구
JP3834675B2 (ja) 環状部材を形成するための冷間圧延方法と装置
JP2005172049A (ja) 車輪支持用転がり軸受ユニットの製造方法
JP2022048986A (ja) かしめアセンブリの製造方法、ハブユニット軸受の製造方法、かしめ装置、かしめアセンブリ、及び車両の製造方法
EP3575012B1 (en) Conveyance system, rocking-die forging method, rocking-die forging apparatus, bearing manufacturing method, vehicle manufacturing method, and machinery manufacturing method
JP2005036905A (ja) 車輪支持用ハブユニットの製造方法
JP2004162913A (ja) 車輪支持用転がり軸受ユニットの製造方法及び製造装置
KR20200085731A (ko) 요동 스웨이징 장치, 허브 유닛 베어링의 제조 방법 및 차량의 제조 방법
JP6372627B2 (ja) 車輪支持用軸受ユニットの製造方法及び製造装置、並びに車両の製造方法
JP2019116917A (ja) ハブユニット軸受の製造方法
JP6940011B2 (ja) かしめアセンブリの製造方法、ハブユニット軸受の製造方法、かしめ装置、かしめアセンブリ、及び車両の製造方法
JP2006132711A (ja) 車輪支持用ハブユニットの製造方法
JP2007319865A (ja) 車輪支持用転がり軸受ユニットの製造方法及び製造装置
JP5076396B2 (ja) 車輪支持用転がり軸受ユニット
JP7031802B1 (ja) 軸受ユニット用のかしめ装置及びかしめ方法、ハブユニット軸受の製造方法及び製造装置、車両の製造方法
JP2011147974A (ja) 外向フランジ部付金属製部材の製造方法
JP2008267457A (ja) 電動式直動アクチュエータおよび電動式ブレーキ装置
JP4256737B2 (ja) ビーディング加工方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061124

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061124

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20061124

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20090521