JP2005171340A - アルマイト触媒担体薄板ならびに耐熱性アルミナ被覆薄板の連続製造方法 - Google Patents

アルマイト触媒担体薄板ならびに耐熱性アルミナ被覆薄板の連続製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 高温で加熱処理しても金属板面からの陽極酸化アルミナ被覆の剥離を効果的に抑制かつ防止できるようにすること。
【解決手段】 帯状に形成したアルミニウム層23/耐熱合金基板22/アルミニウム層23の積層体からなるクラッド薄板素材21を用い、該クラッド薄板21を連続的に給送しながら、各アルミニウム層23を陽極酸化処理して各表面にアルミナ被覆25を化成させる工程と、各アルミナ被覆25の表面相当部を酸処理液で多孔質化して、各表面の比表面積を可及的に大きくした多孔質アルミナ被覆25aを化成させる工程と、多孔質アルミナ被覆25aの表面を洗浄する工程と、多孔質アルミナ被覆25aの表面を熱水処理液で水和して各表面にアルミナ水和物膜26を生成させる工程とでアルマイト触媒担体薄板を連続製造する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、アルマイト触媒担体薄板ならびに耐熱性アルミナ被覆薄板の連続製造方法に関し、特に、耐熱性に優れたアルマイト触媒担体薄板ならびに耐熱性アルミナ被覆薄板の連続製造方法に係るものである。
従来から、この種の陽極酸化アルミナ被覆を備えるアルミニウム薄板ならびに耐熱性アルミナ被覆薄板の製造方法に関しては、この場合、後者の耐熱性アルミナ被覆薄板についてみると、例えば、通電可能な耐熱基板としてステンレス合金板を用い、該ステンレス合金板の表面に対して、クラッド法により、アルミニウム薄板またはアルミニウム箔を加熱下で圧延被着して一体的に積層させてなるクラッド状金属基板とし、かつ該クラッド状金属基板のアルミニウム層表面部を陽極酸化させてアルミナ被覆とした構成のもの、すなわち、アルマイト触媒担体薄板として用いる耐熱性金属基板の構成がある。
而して、前記アルマイト触媒担体薄板として用いる耐熱性金属基板では、その耐熱性を一層強化させる必要上、これを比較的高温で加熱処理すると、ステンレス合金とアルミナ被覆との熱膨張率の差が比較的大きいことから、両者の積層面に破壊応力を発生して、ステンレス合金板面からアルミナ被覆が剥離するという構成上の難点を有しており、この結果、必ずしも所要とする十分な耐熱性を得られないものであった。
そして、前記構成によるアルマイト触媒担体薄板としての耐熱性金属基板におけるアルミナ被覆の剥離を避けるためには、ステンレス合金とアルミナ被覆との層間に破壊応力緩衝のための中間合金層を介在させることで、両層間の熱膨張率差を効果的に低減させるように配慮し、これによってステンレス合金層面からのアルミナ被覆の剥離を阻止できるものとの指摘(例えば、特許文献1を参照)がなされている。
特開平7−289899号公報
しかしながら、前記したステンレス合金層とアルミナ被覆との層間に中間合金層を介在形成させる先行技術では、本発明者らがこれを直接実施して検討した数多くの実験結果によると、これらの両層の層間に対して熱膨張率差を低減させるための所要の中間合金層を介在させてあるのにも拘らず、耐熱性向上のための加熱処理温度が550℃を越えるにつれてステンレス合金板面からアルミナ被覆が剥離することになるのを確認した。
すなわち、以上の点から考察すると、前記先行技術の場合には、加熱処理温度が高くなるのに伴い、ステンレス合金層とアルミナ被覆との層間部に生ずる熱膨張応力が次第に増加してゆき、このために該層間部に介在させた中間合金層によるステンレス合金層とアルミナ被覆との熱膨張率差の吸収作用、つまりは、一種の破壊応力緩衝作用が有効に仂かなくなるものと考えられ、これが該当耐熱性金属基板の問題点となっていた。
一方、前記アルミニウムまたはクラッド材を陽極酸化処理する際にあって、従来の場合は、該アルミニウムまたはクラッド材を所要大きさのフィン状に成形加工した後、その個々を通電可能な治具に引っ掻け(ラッキング)保持させて行なうので、次のような問題点を生ずる。すなわち、
(a)アルミナ皮膜の膜厚の不均一の点
フィン状に加工された材料に、通電して陽極酸化処理すると、電流分布が不均一になり易く、結果的に化成されるアルミナ皮膜の膜厚の均一性を確保できないこと。
(b)個々の材料をラッキング(治具付け)しなければならない点
陽極酸化処理のために材料を通電可能な治具にラッキングする作業と、その処理後、これを取り外す作業とが必要になるから、それなりの手間と人手がかかり、省力化が困難であること。
(c)処理自体の全自動化ができない点
以上のような材料の治具付けや取り外し、それに搬送のために人手を要するので、処理装置の全自動化が難しいこと。
などである。
本発明は、このような従来の各問題点を改善するためになされたもので、その目的とするところは、耐熱性強化のために高温で加熱処理しても陽極酸化アルミナ被覆の剥離を効果的に抑制かつ防止できるようにしたアルマイト触媒担体薄板ならびに耐熱性アルミナ被覆薄板の連続製造方法を提供することである。
前記目的を達成するため、本発明者らは、耐熱性を有して通電可能な金属板面からの陽極酸化アルミナ被覆の剥離現象、この場合、例えば、ステンレス合金層とアルミナ被覆との熱膨張率差に基づく陽極酸化アルミナ被覆の剥離防止、ひいては破壊応力を良好かつ効果的に低減させるべく鋭意に開発努力を続けた結果、前記先行技術における如く、耐熱性金属板に対して単に中間合金層を介在させるという前提処置を講ずることなしに、該耐熱性増加のための高温による加熱処理に先立ち、陽極酸化アルミナ被覆に対してより以上に多数の微細なクラックを予め生成させること、すなわち、例えば、約600個/mm以上もの微細なクラックを生成させて該アルミナ被覆をより一層高密度に多孔質化することにより、該微細な各クラックを生成させた陽極酸化アルミナ被覆、すなわち、耐熱性多孔質アルミナ被覆に形成させた各クラックによって、意図するところの熱膨張率差に伴う破壊応力を適切かつ効果的に吸収して緩衝できることを見出して本発明方法を完成し得た。
ここで、本発明方法によって得られる耐熱性多孔質アルミナ被覆の表面層を備える耐熱性アルミニウム薄板、ならびに耐熱性アルミナ被覆薄板については、これを所期通りにアルマイト触媒担体用の金属基板として、または通電加熱の可能なアルマイト触媒担体用の金属基板としてそれぞれに活用でき、さらに必要に応じては、通電加熱用ヒーターとしても利用できる。
本発明の請求項1に記載のアルマイト触媒担体薄板の連続製造方法は、
予め帯状に形成した長尺のアルミニウム薄板素材を用い、該アルミニウム薄板素材を連続的に給送しながら順次に陽極酸化処理、表面多孔質処理、水洗処理、および熱水処理をそれぞれに施して、該アルミニウム薄板素材の表裏両面に耐熱性多孔質アルミナ被覆を化成させるようにしたアルマイト触媒担体薄板を連続して製造する方法であって、
前記アルミニウム薄板素材の表裏両面を陽極酸化可能な電解液中で陽極酸化処理して、その各表面に多孔質アルミナ被覆を化成させる第1の処理工程と、
前記第1の処理工程を経たアルミニウム薄板素材をしゅう酸水溶液などの酸処理液中に浸漬し、前記各アルミナ被覆の細孔表面を溶解して、該各表面部全域の細孔径を拡大して比表面積を可及的に大きくさせる第2の処理工程と、
前記第2の処理工程を経たアルミニウム薄板素材の各表面を水洗処理して、前記各多孔質アルミナ被覆表面に付着した酸処理液を洗浄除去する第3の処理工程と、
前記第3の処理工程を経たアルミニウム薄板素材を脱イオン水などの熱水処理液中に浸漬し、前記各多孔質アルミナ被覆の表面に水和反応を生じさせて、該各表面にアルミナ水和物膜を生成させる第4の処理工程と
を少なくとも含むことを特徴としている。
本発明の請求項2に記載のアルマイト触媒担体薄板の連続製造方法は、前記請求項1の耐熱性アルミニウム薄板の連続製造方法において、
前記アルミニウム薄板素材の板厚が、0.05〜1.0mmの寸法範囲内で、好ましくは0.1〜0.5mmの寸法範囲内であることを特徴としている。
本発明の請求項3に記載のアルマイト触媒担体薄板の連続製造方法は、前記請求項1または2の耐熱性アルミニウム薄板の連続製造方法において、
前記アルミニウム薄板素材の表裏両面に生成させた各多孔質アルミナ被覆を300〜550℃の温度範囲内で焼成処理して、該各多孔質アルミナ被覆表面のBET比表面積が10〜300m/gになるようにしてアルマイト触媒担体薄板にすることを特徴としている。
本発明の請求項4に記載のアルマイト触媒担体薄板の連続製造方法は、
予め帯状に形成したアルミニウム層/耐熱合金基板/アルミニウム層の積層体からなる長尺のクラッド薄板素材を用い、該クラッド薄板素材を連続的に給送しながら順次に陽極酸化処理、表面多孔質処理、水洗処理、および熱水処理をそれぞれに施して、該各アルミニウム層の表面に耐熱性多孔質アルミナ被覆を化成させるようにしたアルマイト触媒担体薄板を連続して製造する方法であって、
前記クラッド薄板素材の各アルミニウム層を陽極酸化可能な電解液中で陽極酸化処理して、その各表面に多孔質アルミナ被覆を化成させる第1の処理工程と、
前記第1の処理工程を経たクラッド薄板素材をしゅう酸水溶液などの酸処理液中に浸漬し、前記各アルミナ被覆の細孔表面を溶解して、該各表面部全域の細孔径を拡大して比表面積を可及的に大きくさせる第2の処理工程と、
前記第2の処理工程を経たクラッド薄板素材を水洗処理して、前記各多孔質アルミナ被覆表面に付着した酸処理液を洗浄除去する第3の処理工程と、
前記第3の処理工程を経たクラッド薄板素材を脱イオン水などの熱水処理液中に浸漬し、前記各多孔質アルミナ被覆の表面に水和反応を生じさせて、該各表面にアルミナ水和物膜を生成させる第4の処理工程と
を少なくとも含むことを特徴としている。
本発明の請求項5に記載のアルマイト触媒担体薄板の連続製造方法は、前記請求項4の耐熱性アルミナ被覆薄板の連続製造方法において、
前記アルミニウム層の層厚が、0.005〜0.2mmの寸法範囲内、前記耐熱合金基板の板厚が、0.01〜0.5mmの寸法範囲内で、好ましくは該アルミニウム層の層厚が、0.03〜0.1mmの寸法範囲内、該耐熱合金基板の板厚が、0.02〜0.1mmの寸法範囲内であることを特徴としている。
本発明の請求項6に記載のアルマイト触媒担体薄板の連続製造方法は、前記請求項4または5の耐熱性アルミナ被覆薄板の連続製造方法において、
前記各アルミニウム層の各表面に生成させた多孔質アルミナ被覆を300〜550℃の温度範囲内で焼成処理して、該各多孔質アルミナ被覆表面のBET比表面積が10〜300m/gになるようにしてアルマイト触媒担体薄板にすることを特徴としている。
以下実施形態によって詳述するように、本発明のアルマイト触媒担体薄板ならびに耐熱性アルミナ被覆薄板の連続製造方法によれば、長尺のアルミニウム薄板素材ならびにクラッド薄板素材を送給させながら、陽極酸化処理、表面多孔質処理(PW処理)、水洗処理、および熱水処理を含む一連の工程を連続的に行なって、該アルミニウム薄板素材、ならびにクラッド薄板素材の表面部に多孔質アルミナ被覆を化成させるようにしたので、所期通りのアルマイト触媒担体薄板を無人で生産性よく効率的に連続して製造することが可能になり、しかも、特にクラッド薄板素材を用いる場合には、高温での加熱処理を行なっても金属板面からの陽極酸化アルミナ被覆の剥離を容易かつ効果的に防止できるという優れた利点がある。
以下、本発明に係るアルマイト触媒担体薄板、ならびに耐熱性アルミナ被覆薄板の連続製造方法の各実施形態につき、図1ないし図5を参照して詳細に説明する。
本第1の実施形態による耐熱性アルミニウム薄板の連続製造方法においては、図1および図2に示す如く、予め帯状に形成した長尺のアルミニウム薄板素材11を用い、該アルミニウム薄板素材11をコイル状に巻回して薄板素材コイル12とした上で繰り出し可能状態に懸架して使用する。ここで、前記アルミニウム薄板素材11は、例えば、板厚0.05〜1.0mmの寸法範囲内のアルミニウム薄板材料であればよく、なかでも、板厚0.1〜0.5mmの寸法範囲内のアルミニウム薄板材料を用いるのが好ましい。
また、本第2の実施形態による耐熱性アルミナ被覆薄板の連続製造方法においては、図3および図4に示す如く、予め帯状に形成したアルミニウム層23/耐熱合金基板22/アルミニウム層23の積層体からなる長尺のクラッド薄板素材21を用い、前記と同様に、該クラッド薄板素材21をコイル状に巻回して薄板素材コイル24とした上で繰り出し可能状態に懸架して使用する。ここでも、前記クラッド薄板素材21の耐熱合金基板22は、例えば、板厚0.01〜0.5mmの寸法範囲内のステンレス合金などからなる薄板材料であればよく、なかでも、板厚0.02〜0.1mmの寸法範囲内の薄板材料を用いるのが好ましいものであり、かつ前記アルミニウム層23は、例えば、層厚0.005〜0.2mmの寸法範囲内のアルミニウム薄板材料であればよく、なかでも、層厚0.03〜0.1mmの寸法範囲内のアルミニウム薄板材料を用いるのが好ましい。
ここで、前記第2の実施形態の場合、基材となる前記耐熱合金基板22としては、前記ステンレス合金の薄板材料以外にも、例えば、その他の通電発熱合金、銅とその合金、チタン、鉄などの各薄板材料の何れかを選択した上で任意に用いればよく、一方、該耐熱合金基板22の表面に被着されるアルミニウム層23には、比較的薄板状のアルミニウム素材や箔状のアルミニウム素材を用い、これをクラッド法により、加熱、圧延被着して積層体とすればよい。
次に、前記コイル状態に巻回させたアルミニウム薄板コイル12、ならびにクラッド薄板コイル24は、図5に概略的に示す両者に共通の連続製造装置31により、各別にそれぞれ所要状態に加工処理して、それぞれに目的とする所期通りの製品アルマイト触媒担体薄板41,42を個々連続的に製造する。
すなわち、前記各製品アルマイト触媒担体41,42を個々各別に得るための連続製造装置31は、
前記アルミニウム薄板素材11の薄板素材コイル12、ないしはクラッド薄板素材21の薄板素材コイル24を各別に懸架支持して連続送給する素材送給部32と、
前記送給されるアルミニウム薄板素材11、ないしはクラッド薄板素材21を順次に取り込んで所期通りに陽極酸化処理する陽極酸化処理部33と、
前記陽極酸化処理されたアルミニウム薄板素材11a、ないしはクラッド薄板素材21aを各別順次に取り込んで所期通りに表面多孔質に化成処理する表面多孔質処理部34と、
前記表面多孔質処理されたアルミニウム薄板素材11b、ないしはクラッド薄板素材21bを各別順次に取り込んで所期通りに水洗して表面洗浄処理する水洗処理部35と、
前記水洗処理されたアルミニウム薄板素材11c、ないしはクラッド薄板素材21cを各別順次に取り込んで所期通りに熱水処理する熱水処理部36と、
前記熱水処理されて所期通りのアルマイト触媒担体に連続加工した製品アルミニウム薄板11d(=製品アルマイト触媒担体薄板41)、ならびに製品クラッド薄板21d(=製品アルマイト触媒担体薄板42)を各別に再度コイル状に巻き取る製品巻回部37と
の各部で構成されている。なお、同図5において、個々部分的に拡大図示した断面略図の各構成は、該当各部に対応する処理加工前および後の各薄板素材と、処理加工後の薄板(=アルマイト触媒担体薄板として用いる製品薄板)自体のそれぞれに一つの態様を示すものである。
而して、前記陽極酸化処理部33では、前記素材送給部32から各別毎に順次連続的に取り込んだアルミニウム薄板素材11の露出した表裏両面、ないしはクラッド薄板素材21での各アルミニウム層23,23の露出した各表面を、公知の如くに陽極酸化可能な電解液中で陽極酸化処理(第1の処理工程)することにより、これがアルミニウム薄板素材11であれば、その表裏両面に多孔質アルミナ被覆13,13をそれぞれに化成形成させ、また、これがクラッド薄板素材21であれば、その各アルミニウム層23,23の各表面に多孔質アルミナ被覆25,25をそれぞれに化成形成させるのである。
ここで、前記陽極酸化可能な電解液としては、例えば、硫酸やしゅう酸などの比較的酸化力の高い酸からなる処理液、つまりは硫酸水溶液、例えば、液濃度100〜300g/Lの範囲、好ましくは150g/L程度の硫酸水溶液、またはしゅう酸水溶液、例えば、液濃度20〜60g/Lの範囲、好ましくは30g/L程度のしゅう酸水溶液を用い、該電解液中において、前記アルミニウム薄板素材11の場合であれば、該アルミニウム薄板素材11のそれ自体を陽極とし、前記クラッド薄板素材21の場合であれば、その各アルミニウム層23,23を陽極にすると共に、別に、例えば、該電解液に溶解しないカーボンなどの適当な電極材料を陰極として用いる。なお、この場合、陽極酸化を避けたい端面部分などについては予めマスキングを施しておくものとする。
そして、前記アルミニウム薄板素材11、ならびにクラッド薄板素材21の陽極酸化処理については、前記電解液が硫酸水溶液のときに、液温が0〜30℃の範囲、好ましくは20℃程度、電流密度が50〜2000A/mの範囲、好ましくは150A/m程度、電解時間はアルミニウム層の層厚によって調整するが、この場合、好ましくは120min程度の条件で、また、前記電解液がしゅう酸水溶液のときに、液温が15〜40℃の範囲、好ましくは20℃程度、電流密度が10〜200A/mの範囲、好ましくは100A/m程度、電解時間は同様にアルミニウム層の層厚によって調整するが、同様に、好ましくは360min程度の条件で電解処理することにより、該アルミニウム薄板素材11の表裏両面に対して陽極酸化被覆、つまりはアルミナ被覆13,13をそれぞれに化成形成させ、また、該クラッド薄板素材21での各アルミニウム層23,23の各露出表面に対して陽極酸化被覆、同様にアルミナ被覆25,25をそれぞれに化成形成させるのである。
そして、前記電解処理中にあっては、電解液の発熱を抑制するため、該電解液を常時攪拌、循環させながら適宜に冷却させるものとし、また、必要以上の陽極酸化は通電電流を遮断することで避ける。なお、特に、前記クラッド薄板素材21の電解処理では、その各アルミニウム層23,23の露出面部分を可及的全域に亘って処理することが肝要である。
続いて、前記表面多孔質処理部34では、先ず、前記陽極酸化処理部33による陽極酸化処理で表裏両面に多孔質アルミナ被覆13,13を化成形成させたアルミニウム薄板素材11a、ならびに各アルミニウム層23,23の各露出表面に多孔質アルミナ被覆25,25を化成形成させたクラッド薄板素材21aを順次連続的に取り込む。
次いで、前記取り込んだアルミニウム薄板素材11aの各アルミナ被覆13,13を、ならびにクラッド薄板素材21aでの各アルミニウム層23,23の各アルミナ被覆25,25を、例えば、前工程の場合に合わせた硫酸水溶液またはしゅう酸水溶液などの酸処理液中に浸漬して、該各アルミナ被覆13,13、ならびに25,25の細孔表面の溶解処理、いわゆるPW処理(第2の処理工程)することにより、該各多孔質アルミナ被覆13a,13a、ないしは25a,25aを形成させると共に、その表面部分全域の細孔径を拡大して各BET比表面積を可及的に大きくさせて、該各BET比表面積が、例えば、10〜300m/gの範囲内に納まるように処理する。
ここで、前記PW処理については、前記酸処理液が硫酸水溶液のときに、液温が10〜30℃の範囲、好ましくは25℃程度、処理時間が0〜5Hrの範囲、好ましくは30min程度の条件で、また、前記酸処理液がしゅう酸水溶液のときに、液温が20〜40℃の範囲、好ましくは25℃程度、処理時間が0〜5Hrの範囲、好ましくは120min程度の条件電流密度が10〜200A/mの範囲、好ましくは100A/m程度の条件で酸処理することにより、該アルミニウム薄板素材11の表裏両面に対して陽極酸化被覆、つまりはアルミナ被覆13,13をそれぞれに化成形成させ、また、該クラッド薄板素材21での各アルミニウム層23,23の各露出表面に対して陽極酸化被覆、同様にアルミナ被覆25,25をそれぞれに化成形成させるのである。
引き続き、前記水洗処理部35では、前記表面多孔質処理部34によるPW処理で各多孔質アルミナ被覆13a,13aを一層微細化させたアルミニウム薄板素材11b、ならびに各多孔質アルミナ被覆25a,25aを一層微細化させたクラッド薄板素材21bを順次連続的に取り込んだ上で、水洗処理(第3の処理工程)により、前工程で該各多孔質アルミナ被覆13a,13a、ないしは25a,25aの表面に付着したまま残されている酸処理液を洗浄除去する。
さらに、前記熱水処理部36では、前記水洗処理部35で前記各多孔質アルミナ被覆13a,13aの表面を水洗処理したアルミニウム薄板素材11c、ないしは前記各多孔質アルミナ被覆25a,25aの表面を水洗処理したクラッド薄板素材21cを順次連続的に取り込んだ上で、脱イオン水に浸漬させて熱水処理(第4の処理工程)することにより、該各多孔質アルミナ被覆13a,13a、ないしは25a,25aの表面全域に水和反応を生じさせて、ベーマイトなどのアルミナ水和物膜14,14、ないしは26,26を生成させる。ここで、これらの各アルミナ水和物膜14,14、ないしは26,26については、これを焼成させたときにγアルミナ化することで、結果的にはBET比表面積の比較的大きいアルマイト触媒担体薄板になる。
ここでも、前記水和処理については、前記酸処理液が硫酸水溶液、しゅう酸水溶液の各場合の如何に拘らず、液温30〜100℃の範囲、好ましくは90℃で10min程度、または60℃で30min程度の条件で処理するのである。
最後に、前記製品巻回部37では、前記熱水処理部36で前記各多孔質アルミナ被覆13a,13aの表面を熱水処理して、該表面全域にアルミナ水和物膜14,14を形成させた製品アルミニウム薄板素材11d(=製品アルマイト触媒担体薄板41)、ないしは前記各多孔質アルミナ被覆25a,25aの表面を熱水処理して、該表面全域にアルミナ水和物膜26,26を形成させた製品水洗処理したクラッド薄板素材21d(=製品アルマイト触媒担体薄板42)を順次連続的に取り込んで再度コイル状に巻き取るのである。
一方、必要に応じては、前記アルミニウム薄板素材11の表裏両面に生成させた各多孔質アルミナ被覆13a,13a、ならびに前記クラッド薄板素材21での各アルミニウム層23,23の各表面に生成させた各多孔質アルミナ被覆25a,25aのそれぞれを300〜550℃の温度範囲内で焼成処理して、該各多孔質アルミナ被覆表面のBET比表面積が10〜300m/gになるようにすることも効果的な手段として推奨される。
すなわち、以上の順次に行なわれる処理工程、ひいては本発明の製造方法においては、良質のアルマイト触媒担体薄板を無人で生産性よく効率的に連続して製造できることになり、結果的に、該アルマイト触媒担体薄板の安価な提供が可能である。
本発明方法に適用される第1の実施形態でのアルミニウム薄板素材と同薄板素材コイルとの概要を示す斜視図である。 同上図1の2−2線部におけるアルミニウム薄板素材の一部断面を拡大して示す部分断面図である。 本発明方法に適用される第2の実施形態でのクラッド薄板素材と同薄板素材コイルとの概要を示す斜視図である。 同上図3の4−4線部におけるクラッド薄板素材の一部断面を拡大して示す部分断面図である。 本発明方法に適用される連続製造装置の一例を各処理工程毎のアルミニウム薄板素材およびクラッド薄板素材の各拡大断面付きで模式的に示す概要説明図である。
符号の説明
11 アルミニウム薄板素材
11a 陽極酸化処理されたアルミニウム薄板素材
11b 表面多孔質処理されたアルミニウム薄板素材
11c 水洗処理されたアルミニウム薄板素材
11d 製品(熱水処理された)アルミニウム薄板
12 アルミニウム薄板素材コイル
13 アルミナ被覆
13a 多孔質アルミナ被覆
14 アルミナ水和物膜
21 クラッド薄板素材
21a 陽極酸化処理されたクラッド薄板素材
21b 表面多孔質処理されたクラッド薄板素材
21c 水洗処理されたクラッド薄板素材
21d 製品(熱水処理された)クラッド薄板
22 耐熱合金基板
23 アルミニウム層
24 クラッド薄板素材コイル
25 アルミナ被覆
25a 多孔質アルミナ被覆
26 アルミナ水和物膜
31 連続製造装置
32 素材送給部
33 陽極酸化処理部
34 表面多孔質処理部
35 水洗処理部
36 熱水処理部
37 製品巻回部
41,42 製品アルマイト触媒担体薄板

Claims (6)

  1. 予め帯状に形成した長尺のアルミニウム薄板素材を用い、該アルミニウム薄板素材を連続的に給送しながら順次に陽極酸化処理、表面多孔質処理、水洗処理、および熱水処理をそれぞれに施して、該アルミニウム薄板素材の表裏両面に耐熱性多孔質アルミナ被覆を化成させるようにしたアルマイト触媒担体薄板を連続して製造する方法であって、
    前記アルミニウム薄板素材の表裏両面を陽極酸化可能な電解液中で陽極酸化処理して、その各表面に多孔質アルミナ被覆を化成させる第1の処理工程と、
    前記第1の処理工程を経たアルミニウム薄板素材をしゅう酸水溶液などの酸処理液中に浸漬し、前記各アルミナ被覆の細孔表面を溶解して、該各表面部全域の細孔径を拡大して比表面積を可及的に大きくさせる第2の処理工程と、
    前記第2の処理工程を経たアルミニウム薄板素材の各表面を水洗処理して、前記各多孔質アルミナ被覆表面に付着した酸処理液を洗浄除去する第3の処理工程と、
    前記第3の処理工程を経たアルミニウム薄板素材を脱イオン水などの熱水処理液中に浸漬し、前記各多孔質アルミナ被覆の表面に水和反応を生じさせて、該各表面にアルミナ水和物膜を生成させる第4の処理工程と
    を少なくとも含むことを特徴とするアルマイト触媒担体薄板の連続製造方法。
  2. 前記アルミニウム薄板素材の板厚が、0.05〜1.0mmの寸法範囲内で、好ましくは0.1〜0.5mmの寸法範囲内であることを特徴とする請求項1に記載のアルマイト触媒担体薄板の連続製造方法。
  3. 前記アルミニウム薄板素材の表裏両面に生成させた各多孔質アルミナ被覆を300〜550℃の温度範囲内で焼成処理して、該各多孔質アルミナ被覆表面のBET比表面積が10〜300m/gになるようにしてアルマイト触媒担体薄板にすることを特徴とする請求項1または2に記載のアルマイト触媒担体薄板の連続製造方法。
  4. 予め帯状に形成したアルミニウム層/耐熱合金基板/アルミニウム層の積層体からなる長尺のクラッド薄板素材を用い、該クラッド薄板素材を連続的に給送しながら順次に陽極酸化処理、表面多孔質処理、水洗処理、および熱水処理をそれぞれに施して、該各アルミニウム層の表面に耐熱性多孔質アルミナ被覆を化成させるようにしたアルマイト触媒担体薄板を連続して製造する方法であって、
    前記クラッド薄板素材の各アルミニウム層表面を陽極酸化可能な電解液中で陽極酸化処理して、その各表面に多孔質アルミナ被覆を化成させる第1の処理工程と、
    前記第1の処理工程を経たクラッド薄板素材をしゅう酸水溶液などの酸処理液中に浸漬し、前記各アルミナ被覆の細孔表面を溶解して、該各表面部全域の細孔径を拡大して比表面積を可及的に大きくさせる第2の処理工程と、
    前記第2の処理工程を経たクラッド薄板素材を水洗処理して、前記各多孔質アルミナ被覆表面に付着した酸処理液を洗浄除去する第3の処理工程と、
    前記第3の処理工程を経たクラッド薄板素材を脱イオン水などの熱水処理液中に浸漬し、前記各多孔質アルミナ被覆の表面に水和反応を生じさせて、該各表面にアルミナ水和物膜を生成させる第4の処理工程と
    を少なくとも含むことを特徴とするアルマイト触媒担体薄板の連続製造方法。
  5. 前記アルミニウム層の層厚が、0.005〜0.2mmの寸法範囲内、前記耐熱合金基板の板厚が、0.01〜0.5mmの寸法範囲内で、好ましくは該アルミニウム層の層厚が、0.03〜0.1mmの寸法範囲内、該耐熱合金基板の板厚が、0.02〜0.1mmの寸法範囲内であることを特徴とする請求項4に記載のアルマイト触媒担体薄板の連続製造方法。
  6. 前記各アルミニウム層の各表面に生成させた多孔質アルミナ被覆を300〜550℃の温度範囲内で焼成処理して、該各多孔質アルミナ被覆表面のBET比表面積が10〜300m/gになるようにしてアルマイト触媒担体薄板にすることを特徴とする請求項4または5に記載のアルマイト触媒担体薄板の連続製造方法。
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JP2008144664A (ja) * 2006-12-08 2008-06-26 Furukawa Sky Kk 燃料電池車の排気装置

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