JP2005170977A - 変性アルキレンイミン系重合体 - Google Patents

変性アルキレンイミン系重合体 Download PDF

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Abstract

【課題】 洗浄剤用ビルダー、洗浄剤、水処理剤、分散剤等に好適であり、例えば、洗浄剤用ビルダーとして活性剤と共に用いると、高い洗浄力を発揮する変性アルキレンイミン系重合体、その製造方法及び用途を提供する。
【解決手段】 本発明は、アルキレンイミン構成単位を有する変性アルキレンイミン系重合体であって、該重合体中の全窒素原子の0.1〜20モル%に下記(1)または(2)の構造を有することを特徴とする変性アルキレンイミン系重合体。
(1)−CHCH(OH)CH−O−R
(2)−CHCH(OH)−R
式中、Rは、炭素原子数5〜20のアルキル基、炭素原子数5〜20のアルケニル基、炭素原子数6〜20のアリール基(アルキル基を含んでいてもよい)を表す。Rは、炭素原子数5〜20のアルケニル基、炭素原子数6〜20のアリール基(アルキル基を含んでいてもよい)を表す。
【選択図】 なし




Description

本発明は、変性アルキレンイミン系重合体に関する。より詳しくは、洗浄剤用ビルダー、洗浄剤、水処理剤、分散剤等に好適であり、例えば、洗浄剤用ビルダーとして活性剤と共に用いると、高い洗浄力を発揮する変性アルキレンイミン系重合体、その製造方法及び用途に関する。
ポリアルキレンイミンを主鎖とし、エチレンオキシド等がポリアルキレンイミン中の窒素原子に付加した重合体は、ポリエチレンイミンエトキシレート変性体とも呼ばれ、例えば、高分子系ビルダーとして作用することができるものである。このような重合体は、液体洗浄剤中に溶けるという性質を有することから、液体洗浄剤を構成する成分として欠かすことができないものとなっている。ポリエチレンイミンエトキシレート変性体を活性剤と共に洗浄剤中に含有させると、洗濯により取り除かれた汚れによる再汚染を防止して、高い洗浄力を発揮することになる。
また、ポリアルキレンイミン鎖に不飽和カルボン酸が付加したポリマーとしては、ポリエチレンイミンのアミノ基がカルボン酸によってアルキル化されたN−アルキルカルボン酸−エチレンイミンポリマーが、洗浄剤の配合成分として開示されている。
さらに、ポリアルキレンイミンにアルキル基、アシル基、ヒドロキシアルキル基から選ばれた1種の疎水基を導入したアルキレンイミン系重合体が抗菌剤として使用されることは知られている。
特公平7−116473号公報(第8〜10頁) 特表平11−508318号公報(第46〜55頁) 特表2002−518585号公報(第11〜16頁) 特公昭48−20203号公報 特開平9−157113号広報(第2〜第3頁)
しかしながら、これらの先行技術においては、洗浄剤用途で用いる場合に、高分子系ビルダーとしてより好適なものとすることにより、再汚染を充分に防止して洗浄力を向上させたり、また、その他の用途における基本性能を向上させたりするために、特定の疎水基を有する重合体の構造について工夫の余地があった。
また、ポリアルキレンイミンにエポキシアルキル基、アシル基、ヒドロキシアルキル基から選ばれた1種の疎水基を導入したアルキレンイミン系重合体においては、臭気の問題があった。
そこで、本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、臭気も問題のならないレベルまでに低減でき、疎水性の汚れの洗浄力を向上させることができ、洗浄剤用ビルダー、洗浄剤、水処理剤、分散剤等の用途において好適であり、洗浄力等の点で高い基本性能を発揮することができる変性アルキレンイミン系重合体、その製造方法及び用途を提供することを目的とするものである。
本発明者等は、疎水基を有する変性アルキレンイミン系重合体について種々検討したところ、このような重合体においては、疎水性基を導入することで、従来のポリアルキレンイミン系重合体とは異なる作用効果を発揮することに着目した。そして、ポリアルキレンイミンの窒素原子の一部を疎水基の特定構造とすると、上記課題をみごとに解決することができることに想到した。例えば、洗浄剤分野において用いる場合に、このような重合体はポリエチレンイミンに起因するカチオン性によりコットン等の布の表面に付着するものと考えられる。この場合、疎水基は泥等の汚れが布に再付着することが防止されることになるが、特定の疎水性基を有する重合体とすると、泥等の汚れが親水性のものであることに起因して布に汚れが付着しにくくなり、これらの作用が相乗的に発揮されて洗浄力等の基本性能が向上することになる。更に、ポリアルキレンイミン系重合体を特定の化合物と反応させて上記重合体を製造すると、上記作用効果を発揮することを見いだし、また、このような重合体が洗浄用ビルダー、洗浄剤、水処理剤、分散剤等の用途に好適であることも見いだし、本発明に到達したものである。
すなわち本発明は、アルキレンイミン構成単位を有する変性アルキレンイミン系重合体であって、該重合体中の全窒素原子の0.1〜20モル%に下記(1)または(2)の構造を有することを特徴とする変性アルキレンイミン系重合体。
(1)−CHCH(OH)CH−O−R
(2)−CHCH(OH)−R
式中、Rは、炭素原子数5〜20のアルキル基、炭素原子数5〜20のアルケニル基、炭素原子数6〜20のアリール基(アルキル基を含んでいてもよい)を表す。Rは、炭素原子数5〜20のアルケニル基、炭素原子数6〜20のアリール基(アルキル基を含んでいてもよい)を表す。
また、本発明にかかる変性アルキレンイミン系重合体の製造方法は、ポリアルキレンイミン系重合体と、下記(a)および(b)からなる群より選択される少なくとも一つの化合物とを反応させることを特徴とする。
(a)炭素原子数5〜20のアルキル基またはアルケニル基を有するグリシジルエーテル、又は炭素原子数6〜20のアリール(アルキル基を有していてもよい)グリシジルエーテル
(b)炭素原子数5〜20 のエポキシアルケン、又は炭素原子数6〜20のアリール基含有エポキシアルカン
さらに、本発明にかかる洗浄剤用ビルダー、洗浄剤、水処理剤又は分散剤はアルキレンイミン構成単位を有する変性アルキレンイミン系重合体であって、該重合体中の窒素原子の0.1〜20モル%に下記(3)または(4)の構造を有する変性アルキレンイミン系重合体を必須成分として含有することを特徴とする。
(3)−CHCH(OH)CH−O−R
(4)−CHCH(OH)−R
式中、Rは、炭素原子数5〜20のアルキル基、炭素原子数5〜20のアルケニル基、炭素原子数6〜20のアリール基(アルキル基を含んでいてもよい)を表す。Rは、炭素原子数5〜20のアルキル基、炭素原子数5〜20のアルケニル基、炭素原子数6〜20のアリール基(アルキル基を含んでいてもよい)を表す。。
本発明によれば、粒子を効率よく分散することができ、例えば洗浄剤や水処理剤等の用途において優れた性能を発揮しうる新規な変性アルキレンイミン系重合体、その製造方法およびその用途を提供することができる。
以下、本発明にかかる変性エチレンイミン系重合体、その製造方法およびその用途について詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更実施し得る。
〔変性アルキレンイミン系重合体〕
本発明の変性アルキレンイミン系重合体は、ポリアルキレンイミン鎖にグリシジルエーテルが付加したものである。なお、本発明の変性アルキレンイミン系重合体は、後述する本発明の変性アルキレンイミン系重合体の製造方法によって容易に得ることができるのであるが、該本発明の製造方法によって得られたものに限定されるものではない。
本発明における前記ポリアルキレンイミン鎖としては、例えば、ポリエチレンイミン、ポリプロピレンイミン等のポリアルキレンイミンが挙げられる。これらポリアルキレンイミンとしては、分岐状のものが好ましく、特に、分岐状ポリアルキレンイミン中に存在する第一アミン、第二アミンおよび第三アミンのうち第三アミンの割合が1〜50モル%であることが好ましく、5〜45モル%であることがより好ましく、10〜40モル%であることがさらに好ましい。なお、分岐状ポリアルキレンイミン中の第三アミンの割合はNMR分析等により測定することができる。ポリアルキレンイミン鎖は1種のみであってもよいし2種以上であってもよい。
上記変性アルキレンイミン系重合体は、アルキレンイミン構成単位を有するポリアルキレン系重合体の全窒素原子の0.1〜20モル%に下記(1)または(2)の構造を有している。
(1)−CHCH(OH)CH−O−R
(2)−CHCH(OH)−R
上記(1)の式において、Rは、炭素原子数5〜20のアルキル基としては、炭素数7〜18のアルキル基が好ましく、炭素数9〜16のアルキル基がさらに好ましく、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、、トリデシル基、ペンタデシル基が特に好ましい。炭素原子数5〜20のアルケニル基としては、炭素数7〜18のアルケニル基が好ましく、炭素数9〜16のアルケニル基がさらに好ましい。炭素原子数6〜20のアリール基(アルキル基を含んでいてもよい)としては、炭素数6〜15のアリール基が好ましく、炭素数6〜12のアリール基がさらに好ましく、フェニル基、トルイル基、ナフチル基が特に好ましく、フェニル基が最も好ましい。
上記(2)の式において、Rは、炭素原子数5〜20のアルケニル基としては、炭素数7〜18のアルケニル基が好ましく、炭素数9〜16のアルケニル基がさらに好ましい。炭素原子数6〜20のアリール基(アルキル基を含んでいてもよい)としては、炭素数6〜15のアリール基が好ましく、炭素数6〜12のアリール基がさらに好ましく、フェニル基、トルイル基、ナフチル基が特に好ましい。
具体的には下記一般式Xとなる。
Figure 2005170977
前記(1)の式と(2)の式は1種のみであってもよいし、2種以上であってもよいが、好ましくは2種以上であるのがよい。なお、2種以上のアルキル基などを選択する場合、2種以上のアルキル基のうちの各アルキル基の割合は、特に制限されるものではない。2種以上のアルキル基などを選択する場合の好ましい組み合わせとしては、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ペンタデシル基から選ばれる組み合わせが、合成のし易さ等の点から好ましい。また、このとき、2種以上のアルキル基の比率は、各アルキル基が1〜99(モル%)であることが好ましく、より好ましくは2〜98(モル%)、さらに好ましくは3〜97(モル%)であるのがよい。
前記ポリアルキレンイミン系重合体の前記(1)または(2)の構造は窒素原子に対して、0.1〜20モル%が好ましく、0.2〜15モル%がより好ましく、0.3〜12モル%がさらに好ましく、0.4〜9モル%が特に好ましく、0.5〜8モル%が水溶性の点から最も好ましい。
本発明の変性アルキレンイミン系重合体の重量平均分子量は、300〜1,000,000であることが好ましく、より好ましくは400〜500,000、さらに好ましくは500〜300,000、特に好ましくは1,000〜100,000であるのがよい。重量平均分子量が大きすぎると、取扱いが煩雑となる恐れがあり、一方、小さすぎると、ポリマーとしての性能が発現されにくくなり、例えば洗浄剤や水処理剤等の用途において優れた性能を発現し得ない恐れがある。
本発明の変性アルキレンイミン系重合体の数平均分子量は、300〜800,000であることが好ましく、より好ましくは400〜400,000、さらに好ましくは500〜270,000であるのがよい。数平均分子量が大きすぎると、取扱いが煩雑となる恐れがあり、一方、小さすぎると、ポリマーとしての性能が発現されにくくなり、例えば洗浄剤や水処理剤等の用途において優れた性能を発現し得ない恐れがある。
本発明の変性アルキレンイミン系重合体は、(重量平均分子量−数平均分子量)/(重量平均分子量+数平均分子量)の値が0.5以下であることが重要である。これにより、クレイやスケール生成物質などの粒子を効率よく分散することができ、例えば洗浄剤や水処理剤等の用途において優れた性能を発揮するものとなる。(重量平均分子量−数平均分子量)/(重量平均分子量+数平均分子量)の値は、好ましくは0.45以下、より好ましくは0.40以下、さらに好ましくは0.35以下、特に好ましくは0.30以下、最も好ましくは0.25以下であるのがよい。
なお、本発明の変性アルキレンイミン系重合体は、さらに変性されていてもよく、例えば、不飽和カルボン酸を反応させて親水性を付与させたり、多官能性の化合物でポリマー同士を結合させて分子量を上げたり、することができる。
〔変性アルキレンイミン系重合体の製造方法〕
本発明の変性アルキレンイミン系重合体の製造方法は、ポリアルキレンイミン系重合体と、下記(a)および(b)からなる群より選択される少なくとも一つの化合物とを反応させることで得られる。
(a)炭素原子数5〜20のアルキル基またはアルケニル基を有するグリシジルエーテル、又は炭素原子数6〜20のアリール(アルキル基を有していてもよい)グリシジルエーテルと反応
(b)炭素原子数5〜20 のエポキシアルケン、炭素原子数6〜20のアリール基含有エポキシアルカンと反応
具体的には、〔変性アルキレンイミン系重合体〕の項で前述した前記ポリアルキレンイミン系重合体に、(a)および(b)に記載のグリシジルエーテル化合物およびエーテル結合を含まないエポキシ含有化合物を付加させればよい。
炭素原子数5〜20のアルキル基を有するグリシジルエーテルとしては、炭素数7〜18のアルキル基が好ましく、炭素数9〜16のアルキル基がさらに好ましく、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、、トリデシル基、ペンタデシル基を有するグリシジルエーテルが特に好ましい。炭素原子数5〜20のアルケニル基を有するグリシジルエーテルとしては、炭素数7〜18のアルケニル基が好ましく、炭素数9〜16のアルケニル基がさらに好ましい。炭素原子数6〜20のアリール(アルキル基を有していてもよい)グリシジルエーテルとしては、炭素数6〜15のアリール基が好ましく、炭素数6〜12のアリール基がさらに好ましく、フェニル基、トルイル基、ナフチル基が特に好ましく、フェニル基を有するグリシジルエーテルが最も好ましい。
また、炭素原子数5〜20 のエポキシアルケンとしては、炭素数7〜18のエポキシアルケンが好ましく、炭素数9〜16のエポキシアルケンがさらに好ましい。炭素原子数6〜20のアリール基含有エポキシアルカンとしては、炭素数6〜15のアリール基含有エポキシアルカンが好ましく、炭素数6〜12のアリール基含有エポキシアルカンがさらに好ましく、フェニル基、トルイル基、ナフチル基を有するアリール基含有エポキシアルカンがより好ましく、スチレンオキシドが特に好ましい。
本発明の変性アルキレンイミン系重合体の製造方法において用いる前記ポリアルキレンイミン系重合体の重量平均分子量は、150〜700,000であることが好ましく、300〜500,000であることがより好ましく、工業的には、500〜300,000であることがより好ましく、1,000〜100,000であることがさらに好ましい。ポリアルキレンイミン系重合体の重量平均分子量が大きすぎると、得られる変性アルキレンイミン系重合体におけるグリシジルエーテル化合物およびエーテル結合を含まないエポキシ含有化合物の付加量が低下する傾向があり、一方、小さすぎると、得られる変性アルキレンイミン系重合体が発現しうる再汚染防止能や洗浄効果等が不充分となる恐れがある。
本発明の変性アルキレンイミン系重合体の製造方法において用いる前記ポリアルキレンイミン系重合体の数平均分子量は、150〜600,000であることが好ましく、200〜400,000であることがより好ましく、工業的には、400〜250,000であることがより好ましく、500〜80,000であることがさらに好ましい。ポリアルキレンイミン系重合体の数平均分子量が大きすぎると、得られる変性アルキレンイミン系重合体におけるグリシジルエーテル化合物およびエーテル結合を含まないエポキシ含有化合物の付加量が低下する傾向があり、一方、小さすぎると、得られる変性アルキレンイミン系重合体が発現しうる再汚染防止能や洗浄効果等が不充分となる恐れがある。
本発明の変性アルキレンイミン系重合体の製造方法においては、前記ポリアルキレンイミン系重合体として、(重量平均分子量−数平均分子量)/(重量平均分子量+数平均分子量)の値が0.30以下であるポリアルキレンイミン系重合体を用いることが重要である。前記ポリアルキレンイミン系重合体の(重量平均分子量−数平均分子量)/(重量平均分子量+数平均分子量)の値は、好ましくは0.29以下、より好ましくは0.27以下、さらに好ましくは0.25以下、特に好ましくは0.23以下、最も好ましくは0.20以下であるのがよい。
前記ポリアルキレンイミンに前記グリシジルエーテルやエーテル結合を含まないエポキシ含有化合物を付加させる際の付加反応において用いる前記ポリアルキレンイミンと前記グリシジルエーテルやエーテル結合を含まないエポキシ含有化合物との使用割合は、得られるポリアルキレンイミン系重合体の窒素原子に対する導入量が〔ポリアルキレンイミン系重合体〕の項で前述した範囲になるように、適宜設定すればよいが、ポリアルキレンイミン重合体1重量部に対して、前記グリシジルエーテルやエーテル結合を含まないエポキシ含有化合物との使用割合は0.01〜2.0重量部が好ましく、0.05〜1.8重量部がより好ましく、0.1〜1.5重量部がさらに好ましく、0.3〜1.5重量部が特に好ましく、0.5〜1.2が最も好ましい。
前記ポリアルキレンイミン系重合体に前記グリシジルエーテルやエーテル結合を含まないエポキシ含有化合物を付加させる際の付加方法としては、特に制限はないが、無溶媒反応が好ましく、この場合、攪拌下、静置下のいずれでもよいが攪拌下で行うのが好ましい。
前記溶液反応の際に溶媒を加える際には、水系溶媒が好ましく、さらに好ましくは水であるのがよい。また、水系溶媒以外の溶媒を10重量%以下の範囲で適宜加えてもよい。水系溶媒としては、具体的には、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどの低級アルコール;ジメチルホルムアミド等のアミド類;ジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類;等から1種または2種以上を適宜選択して用いることができる。
前記溶液反応を行う際の原料濃度は、特に限定されないが、反応時間の短縮化という観点からは、前記ポリアルキレンイミンと前記グリシジルエーテルやエーテル結合を含まないエポキシ含有化合物との合計量が、10〜90重量%となるようにすることが好ましく、20〜80重量%となるようにすることがより好ましく、30〜70重量%となるようにすることがさらに好ましい。
前記ポリアルキレンイミン系重合体に前記グリシジルエーテルやエーテル結合を含まないエポキシ含有化合物を付加させる際には、前記ポリアルキレンイミン系重合体と前記不飽和カルボン酸とを全て一括仕込みしてもよいし、いずれかを初期仕込みして残りを滴下するようにしてもよいし、全てを滴下してもよいが、ポリアルキレンイミン系重合体に前記グリシジルエーテルやエーテル結合を含まないエポキシ含有化合物を滴下する方が好ましい。 前記ポリアルキレンイミン系重合体に前記グリシジルエーテルやエーテル結合を含まないエポキシ含有化合物を付加させる際には、触媒は基本的に不要であるが、必要に応じて反応に悪影響を及ぼさないものであれば適宜使用してもよく、3級アミンが好ましい。
前記ポリアルキレンイミン系重合体に前記グリシジルエーテルやエーテル結合を含まないエポキシ含有化合物を付加させる際には、重合禁止剤を用いてもよい。特に、重合性の高いグリシジルエーテルやエーテル結合を含まないエポキシ含有化合物を用いる場合には、重合禁止剤を用いることが好ましい。
前記ポリアルキレンイミン系重合体に前記グリシジルエーテルやエーテル結合を含まないエポキシ含有化合物を付加させる際の反応温度は、特に制限されないが、20〜120℃とすることが好ましい。特に、副反応を抑制するためにはやや低い温度の方が好ましく、例えば、30〜110℃とすることが好ましく、40〜100℃とすることがより好ましく、50〜90℃とすることがさらに好ましい。
前記ポリアルキレンイミン系重合体に前記グリシジルエーテルやエーテル結合を含まないエポキシ含有化合物を付加させる際の反応時間は、特に制限されないが、10分間〜50時間とすることが好ましく、15分間〜40時間とすることがより好ましく、30分間〜30時間とすることがさらに好ましい。
前記ポリアルキレンイミン系重合体に前記グリシジルエーテルやエーテル結合を含まないエポキシ含有化合物を付加させる際、得られる誘導体の着色を抑えるためには窒素雰囲気下で反応を行うことが好ましいので、付加反応の際の雰囲気は得られる誘導体の使用目的に応じて適宜設定すればよい。なお、反応は、常圧(大気圧)、加圧、減圧のいずれで行ってもよい。
なお、前記ポリアルキレンイミン系重合体に前記グリシジルエーテルやエーテル結合を含まないエポキシ含有化合物を付加させた後、得られた変性アルキレンイミン系重合体をさらに変性してもよく、例えば、不飽和カルボン酸を反応させて親水性を付与させたり、多官能性の化合物でポリマー同士を結合させて分子量を上げたり、することができる。
〔洗浄剤、洗浄剤用ビルダー〕
本発明の洗浄剤、洗浄剤用ビルダーは、アルキレンイミン構成単位を有する変性アルキレンイミン系重合体であって、該重合体中の窒素原子の0.1〜20モル%に下記(3)または(4)の構造を有することを特徴とする変性アルキレンイミン系重合体を必須成分として含有することを特徴とする。
(3)−CHCH(OH)CH−O−R
(4)−CHCH(OH)−R
式中、Rは、炭素原子数5〜20のアルキル基、炭素原子数5〜20のアルケニル基、炭素原子数6〜20のアリール基(アルキル基を含んでいてもよい)を表す。Rは、炭素原子数5〜20のアルキル基、炭素原子数5〜20のアルケニル基、炭素原子数6〜20のアリール基(アルキル基を含んでいてもよい)を表す。
これにより、汚れを効率よく分散して、該汚れが被洗浄物に再付着することを防止することができ、洗浄剤として優れた性能を発揮するものとなるのである。
本発明の洗浄剤中に占める前記変性アルキレンイミン系重合体の含有量は、0.01〜50重量%であることが好ましく、0.05〜30重量%であることがより好ましく、0.1〜20重量%であることがさらに好ましい。前記変性アルキレンイミン系重合体の含有量が多すぎると、洗浄剤が着色することがあり、一方、少なすぎると、充分な洗浄能を発現し得ない恐れがある。
本発明における洗浄剤は、例えば、粉末状、液体状、ジェル状等のいずれの形態であってもよい。以下、代表的な例として、粉末状の粉末洗浄剤と、液体状の液体洗浄剤について詳しく説明する。
本発明の洗浄剤が粉末洗浄剤である場合、前記変性アルキレンイミン系重合体の重量平均分子量は、500〜500,000であることが好ましく、より好ましくは1,000〜300,000、さらに好ましくは2,000〜100,000であるのがよい。一方、本発明の洗浄剤が液体洗浄剤である場合、前記変性アルキレンイミン系重合体の重量平均分子量は、500〜300,000であることが好ましく、より好ましくは1,000〜100,000、さらに好ましくは2,000〜50,000であるのがよい。
本発明の洗浄剤は、ポリカルボン酸(塩)、クエン酸塩、ゼオライト、層状シリケートからなる群より選ばれる1種以上(以下「成分A」と称する)を含むことが好ましい。特に、本発明の洗浄剤が粉末洗浄剤である場合には、優れた洗浄効果と再汚染防止能とを発揮させるためには、前記成分Aが必須となる。一方、本発明の洗浄剤が液体洗浄剤である場合には、前記成分Aは、必ずしも含有している必要はないが、この場合も、成分Aを含有することにより、洗浄効果と再汚染防止能とをより向上させることができる。なお、本発明の洗浄剤が液体洗浄剤である場合であって、透明な液体洗浄剤としたい場合には、前記成分Aのうち、ポリカルボン酸(塩)、クエン酸塩、層状シリケートからなる群より選ばれる1種以上を選択することが好ましい。
前記ポリカルボン酸(塩)としては、例えば、ポリアクリル酸、アクリル酸−マレイン酸共重合体、ポリグリオキシル酸、アミノカルボン酸系重合体(例えば、ポリアスパラギン酸等)およびこれらの塩等が挙げられる。前記塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。なお、これらポリカルボン酸(塩)の重量平均分子量は、500〜200,000であることが好ましく、1,000〜100,000であることがより好ましく、2,000〜50,000であることがさらに好ましい。
前記クエン酸塩としては、例えば、クエン酸ナトリウム等が挙げられる。
前記ゼオライトとしては、例えば、水和ゼオライトA、X、B、HS等が挙げられる。
前記層状シリケートとしては、例えば、層状ケイ酸ナトリウム等が挙げられる。
本発明の洗浄剤が粉末洗浄剤である場合、洗浄剤中に占める前記成分Aの含有量は、合計で、0.1〜50重量%であることが好ましく、0.5〜40重量%であることがより好ましく、1〜30重量%であるのがさらに好ましい。成分Aの合計含有量が多すぎると、界面活性能が低下する傾向があり、一方、少なすぎると、充分な洗浄効果と再汚染防止能を発現し得ない恐れがある。なお、本発明の洗浄剤が粉末洗浄剤である場合、成分Aのうち各々の含有量については、その種類によって適宜設定すればよいが、例えば、ポリカルボン酸(塩)やクエン酸塩の場合は、それぞれ0〜30重量%であるのが好ましく、ゼオライトや層状シリケートの場合は、それぞれ0〜50重量%であるのが好ましい。
本発明の洗浄剤が液体洗浄剤である場合、洗浄剤中に占める前記成分Aの含有量は、合計で、0〜50重量%であることが好ましく、0〜40重量%であることがより好ましく、0〜30重量%であることがさらに好ましい。成分Aの合計含有量が多すぎると、界面活性能が低下する傾向があり、一方、少なすぎると、充分な洗浄効果と再汚染防止能を発現し得ない恐れがある。なお、本発明の洗浄剤が液体洗浄剤である場合、成分Aのうち各々の含有量については、その種類によって適宜設定すればよいが、例えば、ポリカルボン酸(塩)、クエン酸塩、層状シリケートの場合は、0〜30重量%であるのが好ましく、ゼオライトの場合は、0〜20重量%であるのが好ましい。
本発明の洗浄剤は、さらに、通常、洗浄剤に配合されている界面活性剤をも含有していてもよい。界面活性剤としては、具体的には、例えば、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられ、これらの1種または2種以上を使用することができる。
前記アニオン系界面活性剤の具体例としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルまたはアルケニルエーテル硫酸塩、アルキルまたはアルケニル硫酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸またはエステル塩、アルカンスルホン酸塩、飽和または不飽和脂肪酸塩、アルキルまたはアルケニルエーテルカルボン酸塩、アミノ酸型界面活性剤、N−アシルアミノ酸型界面活性剤、アルキルまたはアルケニルリン酸エステルまたはその塩等を挙げることができる。
前記ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルまたはアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、高級脂肪酸アルカノールアミドまたはそのアルキレンオキサイド付加物、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグリコキシド、脂肪酸グリセリンモノエステル、アルキルアミンオキサイド等を挙げることができる。
前記カチオン系界面活性剤としては、例えば、第4アンモニウム塩等を挙げることができる。
前記両性界面活性剤としては、例えば、カルボキシル型またはスルホベタイン型両性界面活性剤等を挙げることができる。
本発明の洗浄剤が粉末洗浄剤である場合、洗浄剤中に占める前記界面活性剤の含有量は、特に制限されないが、通常、5〜70重量%とするのが好ましく、10〜60重量%とするのがより好ましく、15〜50重量%とするのがさらに好ましい。界面活性剤が多すぎると、経済性が低下する傾向があり、一方、少なすぎると、充分な洗浄剤性能を発揮できなくなる恐れがある。
本発明の洗浄剤が液体洗浄剤である場合、洗浄剤中に占める前記界面活性剤の含有量は、20〜70重量%とするのが好ましく、25〜65重量%とするのがより好ましく、30〜60重量%とするのがさらに好ましい。界面活性剤が多すぎると、相溶性が低下する傾向があるとともに、経済性も低下するので好ましくなく、一方、少なすぎると、充分な洗浄剤性能を発揮できなくなる恐れがある。
本発明の洗浄剤は、さらに、従来公知の洗浄剤用ビルダーを含有していてもよい。洗浄剤用ビルダーとしては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレングリコール、トリポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、ニトリロトリ酢酸ナトリウム、エチレンジアミンテトラ酢酸ナトリウムやカリウム、多糖類のカルボキシル誘導体、フマル酸(共)重合体塩などの水溶性重合体等が挙げられる。なお、これら洗浄剤ビルダーをも含有する場合、その含有割合は、本発明の効果を損なわない範囲で適宜設定すればよい。
本発明の洗浄剤は、さらに、洗浄剤に慣用されている種々の添加剤を含有していてもよい。具体的には、例えば、汚染物質の再沈着を防止するためのカルボキシメチルセルロースナトリウム、ベンゾトリアゾールやエチレン−チオ尿素等のよごれ抑制剤、アルカリ剤(pH調節のためのアルカリ性物質)、香料、蛍光剤、着色剤、起泡剤、泡安定剤、つや出し剤、殺菌剤、過炭酸ナトリウムや過ホウ酸ナトリウム等の漂白剤、ノナノイルオキシベンゼンスルホン酸塩やテトラアセチルエチレンジアミン等の漂白活性剤、酵素、染料、水等の溶媒等が挙げられる。なお、これらの添加剤をも含有する場合、その含有割合は、本発明の効果を損なわない範囲で適宜設定すればよい。
本発明の洗浄剤が液体洗浄剤である場合には、前記添加剤の中でも、洗浄力と再汚染防止能を向上させるため、アルカリ剤を含むことが特に好ましい。アルカリ剤としては、特に限定されないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、モノエタノールアミンやジエタノールアミン等のアルカノールアミン、珪酸塩、炭酸塩などが挙げられる。この場合、洗浄剤中のアルカリ剤の含有量は、0.1〜20重量%が好ましく、0.5〜15重量%がより好ましく、1〜10重量%がさらに好ましい。アルカリ剤が0.1重量%未満であると、充分な洗浄効果と再汚染防止能を発現しにくくなる傾向があり、一方、20重量%を超えると、肌に付着した際に肌荒れ等が起こる恐れがあるために好ましくない。
なお、本発明の洗浄剤は、洗浄剤の中間体、すなわち洗浄剤として必要な他の成分をさらに配合して洗浄剤とされるものであってもよいし、洗浄剤自体、すなわちそのままの状態で洗浄剤として用いられるものであってもよい。また、本発明の洗浄剤は、衣類用、食器用、住居用、自動車用、身体用、ペット用、外壁用、電子部品用、医療用、繊維工業用、眼鏡用、食品用、植物用、入れ歯用、歯磨き用など、各種の洗浄剤として用いることができるほか、その成分の1つの働きを高めた漂白洗浄剤等の特定の用途にのみ用いられる洗浄剤も含む。
〔水処理剤〕
本発明の水処理剤は、アルキレンイミン構成単位を有する変性アルキレンイミン系重合体であって、該重合体中の窒素原子の0.1〜20モル%に下記(3)または(4)の構造を有することを特徴とする変性アルキレンイミン系重合体を必須成分として含有することを特徴とする。
(3)−CHCH(OH)CH−O−R
(4)−CHCH(OH)−R
式中、Rは、炭素原子数5〜20のアルキル基、炭素原子数5〜20のアルケニル基、炭素原子数6〜20のアリール基(アルキル基を含んでいてもよい)を表す。Rは、炭素原子数5〜20のアルキル基、炭素原子数5〜20のアルケニル基、炭素原子数6〜20のアリール基(アルキル基を含んでいてもよい)を表す。
これにより、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸亜鉛やシリカなどのスケール生成を抑制することやスケール生成物質などの粒子を効率よく分散することができ、水処理剤として優れたスケール防止能を発揮するものとなるのである。また、防食剤としても使用することができる。
本発明の水処理剤は、冷却水、ボイラー水、地熱発電、海水などのかん水などの淡水化プロセスに用いられる。
本発明の水処理剤中に占める前記変性アルキレンイミン系重合体の含有量は、1〜100重量%であることが好ましく、5〜95重量%であることがより好ましく、10〜90重量%であることがさらに好ましい。前記変性アルキレンイミン系重合体の含有量が1重量%未満であると、充分な性能を発揮しえないことになる。
本発明の水処理剤は、冷却水などに0.01〜1,000ppmを添加することが好ましく、0.02〜800ppmがさらに好ましく、0.03〜500ppmがより好ましく、0.05〜300ppmが特に好ましく、0.1〜100ppmが最も好ましい。
本発明の水処理剤における前記変性アルキレンイミン系重合体の重量平均分子量は、500〜500,000であることが好ましく、より好ましくは1,000〜300,000、さらに好ましくは2,000〜100,000であるのがよい。
本発明の水処理剤は、必要に応じて、前記変性アルキレンイミン系重合体以外のポリマーを本発明の効果を損なわない範囲で含有していてもよい。前記ポ変性アルキレンイミン系重合体以外のポリマーとしては、特に限定されないが、例えば、アクリル酸系ポリマー、スルホン酸系ポリマー等が挙げられる。
上記水処理剤における変性アルキレンイミン系重合体以外の他の組成成分や配合比率としては、従来公知の水処理剤に用いることができる殺菌剤や脱酸素剤などの各種成分、及び、その配合比率に基づき、本発明の作用効果を損なわない範囲で適宜用いることができる。
〔分散剤〕
本発明の分散剤は、アルキレンイミン構成単位を有する変性アルキレンイミン系重合体であって、該重合体中の窒素原子の0.1〜20モル%に下記(3)または(4)の構造を有することを特徴とする変性アルキレンイミン系重合体を必須成分として含有することを特徴とする。
(3)−CHCH(OH)CH−O−R
(4)−CHCH(OH)−R
式中、Rは、炭素原子数5〜20のアルキル基、炭素原子数5〜20のアルケニル基、炭素原子数6〜20のアリール基(アルキル基を含んでいてもよい)を表す。Rは、炭素原子数5〜20のアルキル基、炭素原子数5〜20のアルケニル基、炭素原子数6〜20のアリール基(アルキル基を含んでいてもよい)を表す。
上記分散剤は、水系の分散剤であればよく、例えば、顔料分散剤、セメント分散剤、炭酸カルシウムの分散剤、カオリンの分散剤、酸化鉄などの鉄粒子の分散剤、ゼオライトなどのアルミナケイ酸塩分散剤、アルミナ分散剤、石膏分散剤等に好適である。
上記分散剤は、変性アルキレンイミン系重合体が本来有する極めて優れた分散能を発現することができる。また、長期間保存しても性能低下や低温保持時の不純物析出なども生じることのない極めて高品質高性能で安定性に優れた分散剤とすることができる。
本発明の分散剤中に占める前記変性アルキレンイミン系重合体の含有量は、1〜100重量%であることが好ましく、5〜95重量%であることがより好ましく、10〜90重量%であることがさらに好ましい。前記変性アルキレンイミン系重合体の含有量が1重量%未満であると、充分な性能を発揮しえないことになる。
本発明の分散剤は、分散粒子に対して0.01〜10%を添加することが好ましく、0.02〜8%がさらに好ましく、0.03〜5%がより好ましく、0.05〜3%が特に好ましく、0.1〜1%が最も好ましい。
本発明の分散剤における前記変性アルキレンイミン系重合体の重量平均分子量は、500〜500,000であることが好ましく、より好ましくは1,000〜300,000、さらに好ましくは2,000〜100,000であるのがよい。
上記分散剤における変性アルキレンイミン系重合体以外の他の組成成分や配合比率としては、従来公知の分散剤に用いることができる殺菌剤などの各種成分、及び、その配合比率に基づき、本発明の作用効果を損なわない範囲で適宜用いることができる。
以下に、実施例および比較例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下では、特に断りのない限り、「重量部」を単に「部」と、「重量%」を単に「%」と記す。
得られた変性アルキレンイミン系重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)分析は、下記の条件で測定した。
装置:日立社製L−7000シリーズ
検出器:RI、UV(254nm)
カラム:SHODEX社製「SB−G」+「SB−804HQ」+「SB−803HQ」+「SB−802.5HQ」
カラム温度:40℃
較正曲線:ジーエルサイエンス社製「分子量スタンダードPolyethyleneGlycol(型式2070−4、2070−6、2070−7、2071−0、2071−1)」および「分子量スタンダードPolyethyleneOxide(型式2083−3、2083−5、2083−7、2084−0)」を用い、これらのピークトップ分子量(Mp)の対数(logMp)と保持時間との関係を三次式で近似して作成
GPCソフト:日本分光社製「BORWIN」
溶離液:0.5M酢酸+0.5M酢酸ナトリウム
流速:0.8mL/min

(洗浄率)
人工汚染布として、洗濯科学協会より入手した湿式人工汚染布を用いた。人工汚染布は、予め測色色差計SE2000(日本電色工業社製)を用いて、白色度を反射率で測定した。
塩化カルシウム2水和物1.47gに純水を加えて10kgとし、硬水を調製した。
ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(AES)4.8g、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(AE)0.6g、ホウ酸ナトリウム0.6g、クエン酸0.9g、プロピレングリコール2.4gに純水を加えて全体で80gとした。水酸化ナトリウム水溶液でpHを8.2に調整した後に純水を加えて全体で100gとし、界面活性剤水溶液を調製した。
ターゴットメーターを27℃にセットし、硬水1000mL、変性アルキレンイミン系重合体水溶液(濃度0.55%)5mL、界面活性剤水溶液4.8mL、人工汚染布7枚、JISL0803準拠綿白布7枚をポットに入れ、100rpmで10分間攪拌した。
人工汚染布をポットから取り出し、人工汚染布の水分を手で絞った。ポットに硬水1000mLを入れ、水分を絞った人工汚染布をポットに入れ、100rpmで2分間攪拌した。
人工汚染布をポットから取り出し、手で水分を絞った後、人工汚染布に当て布をして、アイロンでしわを伸ばしながら乾燥させた。乾燥した人工汚染布の白色度を測色色差計で反射率により測定した。
以上の方法により測定された値と下式により洗浄率(%)を求めた。
洗浄率(%)=
(洗浄後の人工汚染布の白色度−洗浄前の人工汚染布の白色度)÷(人工汚染布の元白布(EMPA221)の白色度−洗浄前の人工汚染布の白色度)×100
重合体1
還流冷却器、温度計、攪拌機を備えたガラス製の100mlセパラブルフラスコにポリエチレンイミンA(Mw9,500、Mn6,500)を40g仕込み、攪拌しながらデナコールEX−121(ナガセケムテックス株式会社製)10gを加えた。この重合体混合物を攪拌下60℃に昇温して4時間反応させ、重合体(1)を得た。重合体(1)は、水に対して任意の割合で完全に溶解し、しかも、D2O中のNMRスペクトル測定において、3.5ppm付近にエポキシ環が開環して生ずるメチンプロトン由来のシグナルが検出されたことから、その生成が確認された。また、重合体(1)の臭気はほとんどなかった。
重合体2
還流冷却器、温度計、攪拌機を備えたガラス製の100mlセパラブルフラスコにポリエチレンイミンAを40g仕込み、攪拌しながらデナコールEX−141(ナガセケムテックス株式会社製)10gを加えた。この重合体混合物を攪拌下60℃に昇温して4時間反応させ、重合体(2)を得た。重合体(2)は、水に対して任意の割合で完全に溶解し、しかも、D2O中のNMRスペクトル測定において、3.5ppm付近にエポキシ環が開環して生ずるメチンプロトン由来のシグナルが検出されたことから、その生成が確認された。また、重合体(2)の臭気はほとんどなかった。

重合体3
還流冷却器、温度計、攪拌機を備えたガラス製の100mlセパラブルフラスコにポリエチレンイミンB(Mw3,600、Mn3,400)を40g仕込み、攪拌しながらデナコールEX−192(ナガセケムテックス株式会社製)10gを加えた。この重合体混合物を攪拌下60℃に昇温して4時間反応させ、重合体(3)を得た。重合体(3)は、水に対して任意の割合で完全に溶解し、しかも、D2O中のNMRスペクトル測定において、3.5ppm付近にエポキシ環が開環して生ずるメチンプロトン由来のシグナルが検出されたことから、その生成が確認された。また、重合体(3)の臭気はほとんどなかった。

比較重合体1
ポリエチレンイミンAを比較重合体(1)とした。
比較重合体2
ポリエチレンイミンBを比較重合体(2)とした。


表1において、「重合体1」とは、重合体(1)を用いて洗浄力を測定した結果を表す。「ブランク」とは、洗浄率の測定方法において、重合体水溶液の代わりに硬水を添加した以外は同様にして測定を行った結果を表す。
Figure 2005170977
表1の結果より、重合体1、2及び3の変性アルキレンイミン系重合体は、末端構造が変化していない比較重合体に比べて、洗浄率が向上していた。

Claims (3)

  1. アルキレンイミン構成単位を有する変性アルキレンイミン系重合体であって、該重合体中の全窒素原子の0.1〜20モル%に下記(1)または(2)の構造を有することを特徴とする変性アルキレンイミン系重合体。
    (1)−CHCH(OH)CH−O−R
    (2)−CHCH(OH)−R
    式中、Rは、炭素原子数5〜20のアルキル基、炭素原子数5〜20のアルケニル基、炭素原子数6〜20のアリール基(アルキル基を含んでいてもよい)を表す。Rは、炭素原子数5〜20のアルケニル基、炭素原子数6〜20のアリール基(アルキル基を含んでいてもよい)を表す。
  2. ポリアルキレンイミン系重合体と、下記(a)および(b)からなる群より選択される少なくとも一つの化合物とを反応させることを特徴とする変性アルキレンイミン系重合体の製造方法。
    (a)炭素原子数5〜20のアルキル基またはアルケニル基を有するグリシジルエーテル、又は炭素原子数6〜20のアリール(アルキル基を有していてもよい)グリシジルエーテル
    (b)炭素原子数5〜20 のエポキシアルケン、又は炭素原子数6〜20のアリール基含有エポキシアルカン
  3. アルキレンイミン構成単位を有する変性アルキレンイミン系重合体であって、該重合体中の窒素原子の0.1〜20モル%に下記(3)または(4)の構造を有する変性アルキレンイミン系重合体を必須成分として含有することを特徴とする洗浄剤用ビルダー、洗浄剤、水処理剤又は分散剤。
    (3)−CHCH(OH)CH−O−R
    (4)−CHCH(OH)−R
    式中、Rは、炭素原子数5〜20のアルキル基、炭素原子数5〜20のアルケニル基、炭素原子数6〜20のアリール基(アルキル基を含んでいてもよい)を表す。Rは、炭素原子数5〜20のアルキル基、炭素原子数5〜20のアルケニル基、炭素原子数6〜20のアリール基(アルキル基を含んでいてもよい)を表す。

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