JP6700121B2 - ポリアルキレンイミン誘導体 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリアルキレンイミン誘導体に関する。
ポリアルキレンイミンは、アルキレンイミンを重合した水溶性ポリマーであり、ラミネートのアンカー剤、重金属キレート剤、金属メッキ用添加剤、繊維の凝集剤、接着剤、工業用分散剤などに用いられている。
このようなポリアルキレンイミンに対して、従来の性能を向上させたり、さらに新たな性能を付与したりするため、種々のポリアルキレンイミン誘導体が検討されている。例えば、ポリアルキレンイミンに不飽和カルボン酸やアルキレンオキシドを付加させた誘導体が報告されている(特許文献1、2)。また、ポリアルキレンイミンの骨格中の窒素原子を特定の構造にすることによりポリマー状抗菌剤が得られることが報告されている(特許文献3)。
特開2004−002589号公報 特開2005−350640号公報 特表2009−524719号公報
本発明の課題は、優れた性能を発現できる、新規なポリアルキレンイミン誘導体を提供することにある。
本発明のポリアルキレンイミン誘導体は、
ポリアルキレンイミンが有する第1級アミノ基の少なくとも一部が環状構造を有する第3級アミノ基となっている。
一つの実施形態においては、上記ポリアルキレンイミンが有する第1級アミノ基の1モル%〜95モル%が環状構造を有する第3級アミノ基となっている。
一つの実施形態においては、上記環状構造を有する第3級アミノ基が、一般式(a)〜(c)から選ばれる少なくとも1種である。
Figure 0006700121
(一般式(a)中、Rは水素原子または有機基を表し、pは1〜5の整数であり、pが2〜5のときの複数のRは同一であっても異なっていてもよい。)
Figure 0006700121
(一般式(b)中、Rは水素原子または有機基を表し、qは1〜4の整数であり、qが2〜4のときの複数のRは同一であっても異なっていてもよい。)
Figure 0006700121
(一般式(c)中、Rは水素原子または有機基を表し、rは1〜5の整数であり、rが2〜5のときの複数のRは同一であっても異なっていてもよい。)
一つの実施形態においては、上記環状構造を有する第3級アミノ基が一般式(1)で表される構造の第3級アミノ基である。
Figure 0006700121
(一般式(1)中、Rは有機基を表す。)
一つの実施形態においては、上記一般式(1)で表される構造が一般式(2)で表される構造である。
Figure 0006700121
(一般式(2)中、nは0〜8の整数であり、Mは、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、−NH基、または有機アミノ基を表す。)
本発明の洗剤組成物は、本発明のポリアルキレンイミン誘導体を含む。
本発明の水処理剤は、本発明のポリアルキレンイミン誘導体を含む。
本発明の繊維処理剤は、本発明のポリアルキレンイミン誘導体を含む。
本発明の無機顔料分散剤は、本発明のポリアルキレンイミン誘導体を含む。
本発明によれば、優れた性能を発現できる、新規なポリアルキレンイミン誘導体を提供することができる。本発明により提供される新規なポリアルキレンイミン誘導体は、特に、カーボンブラック分散能に優れる。
本明細書中で「質量」との表現がある場合は、従来一般に重さの単位として慣用されている「重量」と読み替えてもよく、逆に、本明細書中で「重量」との表現がある場合は、重さを示すSI系単位として慣用されている「質量」と読み替えてもよい。
≪ポリアルキレンイミン誘導体≫
ポリアルキレンイミンは、アルキレンイミンを重合した水溶性ポリマーであり、第1級アミノ基、第2級アミノ基、第3級アミノ基を有し、分岐構造を有する。
ポリアルキレンイミンとしては、例えば、ポリエチレンイミン、ポリプロピレンイミン、ポリブチレンイミンなどが挙げられる。本発明の効果をより発現し得る点で、ポリアルキレンイミンとしては、ポリエチレンイミンが好ましい。
本発明のポリアルキレンイミン誘導体は、ポリアルキレンイミンが有する第1級アミノ基の少なくとも一部が環状構造を有する第3級アミノ基となっている。本発明のポリアルキレンイミン誘導体がこのような構造を有することにより、優れた性能を発現できる、新規なポリアルキレンイミン誘導体を提供し得る。特に、本発明のポリアルキレンイミン誘導体は、カーボンブラック分散能に優れ得る。
環状構造を有する第3級アミノ基としては、該第3級アミノ基の有する3つの結合手の中の2つを含む環状構造を有する該第3級アミノ基である。このような環状構造としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な環状構造を採用し得る。
本発明のポリアルキレンイミン誘導体は、ポリアルキレンイミンが有する第1級アミノ基の少なくとも一部が環状構造を有する第3級アミノ基となっており、本発明の効果をより発現し得る点で、好ましくは、ポリアルキレンイミンが有する第1級アミノ基の1モル%〜95モル%が環状構造を有する第3級アミノ基となっている。上記ポリアルキレンイミンが有する第1級アミノ基の環状構造を有する第3級アミノ基への変換割合の下限値は、より好ましくは3モル%であり、さらに好ましくは5モル%であり、さらに好ましくは7モル%であり、さらに好ましくは10モル%であり、さらに好ましくは13モル%であり、さらに好ましくは15モル%であり、さらに好ましくは17モル%であり、特に好ましくは20モル%である。上記ポリアルキレンイミンが有する第1級アミノ基の環状構造を有する第3級アミノ基への変換割合の上限値は、より好ましくは90モル%であり、さらに好ましくは85モル%であり、さらに好ましくは80モル%であり、さらに好ましくは70モル%であり、さらに好ましくは60モル%であり、さらに好ましくは55モル%であり、さらに好ましくは50モル%であり、特に好ましくは45モル%である。上記ポリアルキレンイミンが有する第1級アミノ基の環状構造を有する第3級アミノ基への変換割合が上記範囲内にあることにより、より優れた性能を発現できる、新規なポリアルキレンイミン誘導体を提供し得る。特に、上記ポリアルキレンイミンが有する第1級アミノ基の環状構造を有する第3級アミノ基への変換割合が上記範囲内にあることにより、本発明のポリアルキレンイミン誘導体は、カーボンブラック分散能により優れ得る。
環状構造を有する第3級アミノ基は、好ましくは、一般式(a)〜(c)から選ばれる少なくとも1種である。環状構造を有する第3級アミノ基が、一般式(a)〜(c)から選ばれる少なくとも1種であることにより、より優れた性能を発現できる、新規なポリアルキレンイミン誘導体を提供し得る。特に、環状構造を有する第3級アミノ基が、一般式(a)〜(c)から選ばれる少なくとも1種であることにより、本発明のポリアルキレンイミン誘導体は、カーボンブラック分散能により優れ得る。
Figure 0006700121
Figure 0006700121
Figure 0006700121
一般式(a)中、Rは水素原子または有機基を表す。有機基としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な有機基を採用し得る。このような有機基としては、例えば、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、任意の適切な置換基(例えば、カルボキシル基、水酸基など)を有する脂肪族炭化水素基、任意の適切な置換基(例えば、カルボキシル基、水酸基など)を有する芳香族炭化水素基などが挙げられる。有機基としては、本発明の効果をより発現し得る点で、好ましくは、カルボキシル基またはその塩を有する有機基である。「塩」としては、好ましくは、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩;モノエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等の有機アミン塩;などが挙げられる。「塩」としては、より好ましくは、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩である。
一般式(a)中、pは1〜5の整数である。pが2〜5のときの複数のRは同一であっても異なっていてもよい。
一般式(b)中、Rは水素原子または有機基を表す。有機基としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な有機基を採用し得る。このような有機基としては、例えば、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、任意の適切な置換基(例えば、カルボキシル基、水酸基など)を有する脂肪族炭化水素基、任意の適切な置換基(例えば、カルボキシル基、水酸基など)を有する芳香族炭化水素基などが挙げられる。有機基としては、本発明の効果をより発現し得る点で、好ましくは、カルボキシル基またはその塩を有する有機基である。「塩」としては、好ましくは、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩;モノエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等の有機アミン塩;などが挙げられる。「塩」としては、より好ましくは、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩である。
一般式(b)中、qは1〜4の整数である。qが2〜4のときの複数のRは同一であっても異なっていてもよい。
一般式(c)中、Rは水素原子または有機基を表す。有機基としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な有機基を採用し得る。このような有機基としては、例えば、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、任意の適切な置換基(例えば、カルボキシル基、水酸基など)を有する脂肪族炭化水素基、任意の適切な置換基(例えば、カルボキシル基、水酸基など)を有する芳香族炭化水素基などが挙げられる。有機基としては、本発明の効果をより発現し得る点で、好ましくは、カルボキシル基またはその塩を有する有機基である。「塩」としては、好ましくは、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩;モノエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等の有機アミン塩;などが挙げられる。「塩」としては、より好ましくは、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩である。
一般式(c)中、rは1〜5の整数である。rが2〜5のときの複数のRは同一であっても異なっていてもよい。
本発明のポリアルキレンイミン誘導体は、ポリアルキレンイミンが有する第1級アミノ基の少なくとも一部が環状構造を有する第3級アミノ基となっており、該環状構造を有する第3級アミノ基は、好ましくは、一般式(1)で表される構造の第3級アミノ基である。本発明のポリアルキレンイミン誘導体がこのような構造を有することにより、より優れた性能を発現できる、新規なポリアルキレンイミン誘導体を提供し得る。特に、本発明のポリアルキレンイミン誘導体は、カーボンブラック分散能により優れ得る。
Figure 0006700121
一般式(1)中、Rは有機基を表す。有機基としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な有機基を採用し得る。このような有機基としては、本発明の効果をより発現し得る点で、好ましくは、カルボキシル基またはその塩を有する有機基である。「塩」としては、好ましくは、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩;モノエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等の有機アミン塩;などが挙げられる。「塩」としては、より好ましくは、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩である。
一般式(1)中、Rは、本発明の効果をより発現し得る点で、好ましくは、−(CH−COOM基である。
一般式(1)中、Rが−(CH−COOM基である場合、nは0〜8の整数であり、Mは、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、−NH基、または有機アミノ基である。アルカリ金属としては、ナトリウム、カリウムなどが挙げられる。アルカリ土類金属としては、カルシウム、マグネシウムなどが挙げられる。有機アミノ基としては、モノエタノールアミノ基、トリエタノールアミノ基などが挙げられる。
一般式(1)中、Rが−(CH−COOM基である場合、本発明の効果をより発現し得る点で、nは、好ましくは0〜6の整数であり、より好ましくは0〜4の整数であり、さらに好ましくは0〜2の整数であり、特に好ましくは0〜1の整数であり、最も好ましくは0である。
一般式(1)中、Rが−(CH−COOM基である場合、Mは、本発明の効果をより発現し得る点で、好ましくは、水素原子、アルカリ金属、またはアルカリ土類金属であり、より好ましくは、アルカリ金属である。
一般式(1)で表される構造は、本発明の効果をより発現し得る点で、好ましくは一般式(2)で表される構造である。
Figure 0006700121
一般式(2)中、nは0〜8の整数であり、本発明の効果をより発現し得る点で、好ましくは0〜6の整数であり、より好ましくは0〜4の整数であり、さらに好ましくは0〜2の整数であり、特に好ましくは0〜1の整数であり、最も好ましくは0である。
一般式(2)中、Mは、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、−NH基、または有機アミノ基である。アルカリ金属としては、ナトリウム、カリウムなどが挙げられる。アルカリ土類金属としては、カルシウム、マグネシウムなどが挙げられる。有機アミノ基としては、モノエタノールアミノ基、トリエタノールアミノ基などが挙げられる。Mは、本発明の効果をより発現し得る点で、好ましくは、水素原子、アルカリ金属、またはアルカリ土類金属であり、より好ましくは、アルカリ金属である。
本発明のポリアルキレンイミン誘導体は、ポリアルキレンイミンが有する第1級アミノ基の少なくとも一部が一般式(1)で表される構造の第3級アミノ基となったものであり、該ポリアルキレンイミンの重量平均分子量Mwは、好ましくは100〜100000であり、より好ましくは150〜90000であり、さらに好ましくは200〜80000であり、特に好ましくは250〜70000である。上記ポリアルキレンイミンの重量平均分子量Mwが上記範囲内にあることにより、より優れた性能を発現できる、新規なポリアルキレンイミン誘導体を提供し得る。特に、上記ポリアルキレンイミンの重量平均分子量Mwが上記範囲内にあることにより、本発明のポリアルキレンイミン誘導体は、カーボンブラック分散能により優れ得る。
≪ポリアルキレンイミン誘導体の製造方法≫
本発明のポリアルキレンイミン誘導体は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な方法によって製造し得る。本発明のポリアルキレンイミン誘導体の好ましい製造方法としては、例えば、一般式(3)に示すように、ポリアルキレンイミンが有する第1級アミノ基に、2−メチレングルタル酸ジメチルエステルをマイケル付加反応させ、続く分子内環化反応によりラクタムを形成する方法が挙げられる。なお、一般式(3)に示すような製造方法は、本発明のポリアルキレンイミン誘導体の好ましい製造方法の一例であり、本発明のポリアルキレンイミン誘導体を製造できる方法であれば、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な製造方法を採用し得る。
Figure 0006700121
一般式(3)中、Mは、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、−NH基、または有機アミノ基である。アルカリ金属としては、ナトリウム、カリウムなどが挙げられる。アルカリ土類金属としては、カルシウム、マグネシウムなどが挙げられる。有機アミノ基としては、モノエタノールアミノ基、トリエタノールアミノ基などが挙げられる。Mは、本発明の効果をより発現し得る点で、好ましくは、水素原子、アルカリ金属、またはアルカリ土類金属であり、より好ましくは、アルカリ金属である。
一般式(3)中、2−メチレングルタル酸ジメチルエステルは、ポリアルキレンイミンが有する第1級アミノ基にマイケル付加させる好ましい化合物の一例であり、ポリアルキレンイミンが有する第1級アミノ基にマイケル付加反応させることで一般式(1)(好ましくは一般式(2))で表される構造の第3級アミノ基とすることができる化合物であれば、2−メチレングルタル酸ジメチルエステルに代えて、任意の適切な化合物を採用し得る。
溶媒としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な溶媒を採用し得る。このような溶媒としては、例えば、水;メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類などが挙げられる。溶媒は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
本発明のポリアルキレンイミン誘導体を製造する際に、一般式(3)に示すようなマイケル付加反応を採用する場合、ポリアルキレンイミン100モル%に対する、該ポリアルキレンイミンが有する第1級アミノ基にマイケル付加反応させる化合物の使用量は、好ましくは15%〜40000%であり、より好ましくは20%〜35000%であり、さらに好ましくは25%〜30000%であり、特に好ましくは30%〜25000%である。上記使用量を上記範囲内にすることにより、より優れた性能を発現できる、新規なポリアルキレンイミン誘導体を製造し得る。特に、上記使用量を上記範囲内にすることにより、製造される本発明のポリアルキレンイミン誘導体は、カーボンブラック分散能により優れ得る。
本発明のポリアルキレンイミン誘導体を製造する際に、一般式(3)に示すようなマイケル付加反応を採用する場合、マイケル付加反応させる化合物は、ポリアルキレンイミンが有する第1級アミノ基だけでなく第2級アミノ基にも反応し得る。しかしながら、ポリアルキレンイミンおよびマイケル付加反応させる化合物の立体障害に起因して、ポリアルキレンイミンが有する第1級アミノ基に優先的に付加し得る。
上記マイケル付加反応における反応溶液のpHは、好ましくは7以上であり、より好ましくは8以上であり、さらに好ましくは10以上であり、特に好ましくは10〜14である。反応溶液のpHの調整は、例えば、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、水酸化マグネシウムや水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属の水酸化物、アンモニア、エタノールアミンやトリエチルアミン等の有機アミン等で行うことが好ましく、アルカリ金属の水酸化物を用いることがより好ましい。
上記マイケル付加反応における反応温度は、好ましくは20℃〜90℃であり、より好ましくは30℃〜85℃であり、さらに好ましくは40℃〜80℃である。
上記マイケル付加反応における反応時間は、好ましくは3時間〜40時間であり、より好ましくは5時間〜30時間である。
上記マイケル付加反応における反応系の雰囲気は、好ましくは、空気雰囲気、窒素雰囲気であり、得られるポリアルキレンイミン誘導体の着色を抑える観点から、好ましくは窒素雰囲気である。なお、反応は、常圧(大気圧)、加圧、減圧のいずれで行ってもよい。
≪ポリアルキレンイミン誘導体の用途≫
本発明のポリアルキレンイミン誘導体は、任意の適切な用途に用い得る。このような用途としては、例えば、凝集剤、増粘剤、粘着剤、接着剤、表面コーティング剤、無機繊維の架橋剤、有機繊維の架橋剤、架橋性組成物などが挙げられ、より具体的には、洗剤ビルダー、洗剤組成物、顔料分散剤、重金属捕捉剤、スケール防止剤、水処理剤、金属表面処理剤、染色助剤、染料定着剤、泡安定剤、乳化安定剤、インク染料分散剤、水性インク安定剤、塗料用顔料分散剤、塗料用シックナー、感圧接着剤、紙用接着剤、スティック糊、医療用接着剤、貼付剤用粘着剤、化粧パック用粘着剤、樹脂用フィラー分散剤、樹脂用親水化剤、記録紙用コーティング剤、インクジェット紙用表面処理剤、感光性樹脂用分散剤、帯電防止剤、保湿剤、肥料用バインダー、医薬錠剤用バインダー、樹脂相溶化剤、写真薬添加剤、化粧用調剤添加剤、整髪料助剤、ヘアスプレー添加剤、サンスクリーン組成物用添加剤などが挙げられる。
本発明のポリアルキレンイミン誘導体は、好ましくは、洗剤組成物、水処理剤、繊維処理剤、無機顔料分散剤に用い得る。すなわち、本発明の洗剤組成物は、本発明のポリアルキレンイミン誘導体を含む。本発明の水処理剤は、本発明のポリアルキレンイミン誘導体を含む。本発明の繊維処理剤は、本発明のポリアルキレンイミン誘導体を含む。本発明の無機顔料分散剤は、本発明のポリアルキレンイミン誘導体を含む。
<洗剤組成物>
洗剤組成物に対するポリアルキレンイミン誘導体の含有割合としては、任意の適切な含有割合を採用し得る。優れたビルダー性能を発揮し得るという観点からは、ポリアルキレンイミン誘導体の含有割合は、洗剤組成物の全量に対して、好ましくは0.1質量%〜15質量%であり、より好ましくは0.3質量%〜10質量%であり、さらに好ましくは0.5質量%〜5質量%である。
洗剤用途で用いられる洗剤組成物には、通常、洗剤に用いられる界面活性剤や添加剤が含まれる。
界面活性剤や添加剤としては、任意の適切な界面活性剤や添加剤を採用し得る。
洗剤組成物は、粉末洗剤組成物であっても良いし、液体洗剤組成物であっても良い。
界面活性剤は、好ましくは、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、および両性界面活性剤から選ばれる少なくとも1種である。これらの界面活性剤の中から2種以上が併用される場合、アニオン性界面活性剤とノニオン性界面活性剤との合計量が、界面活性剤の全量に対して、好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは60質量%以上であり、さらに好ましくは70質量%以上であり、特に好ましくは80質量%以上である。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルケニルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、アルケニル硫酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸またはエステル塩、アルカンスルホン酸塩、飽和脂肪酸塩、不飽和脂肪酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アルケニルエーテルカルボン酸塩、アミノ酸型界面活性剤、N−アシルアミノ酸型界面活性剤、アルキルリン酸エステルまたはその塩、アルケニルリン酸エステルまたはその塩などが挙げられる。これらのアニオン性界面活性剤におけるアルキル基、アルケニル基は、メチル基などのアルキル基が分岐されたものであってもよい。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、高級脂肪酸アルカノールアミドまたはそのアルキレンオキサイド付加物、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグリコキシド、脂肪酸グリセリンモノエステル、アルキルアミンオキサイドなどが挙げられる。これらのノニオン性界面活性剤におけるアルキル基、アルケニル基は、メチル基などのアルキル基が分岐されたものであってもよい。
カチオン性界面活性剤としては、好ましくは、第4級アンモニウム塩などが挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えば、カルボキシル型両性界面活性剤、スルホベタイン型両性界面活性剤などが挙げられる。これらのカチオン性界面活性剤、両性界面活性剤におけるアルキル基、アルケニル基は、メチル基などのアルキル基が分岐されたものであってもよい。
界面活性剤の配合割合は、洗剤組成物の全量に対して、好ましくは10質量%〜60質量%であり、より好ましくは15質量%〜50質量%であり、さらに好ましくは20質量%〜45質量%であり、特に好ましくは25質量%〜40質量%である。界面活性剤の配合割合が少なすぎると、十分な洗浄力を発揮することができなくなるおそれがあり、界面活性剤の配合割合が多すぎると、経済性が低下するおそれがある。
添加剤としては、例えば、アルカリビルダー、キレートビルダー、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどの汚染物質の再沈着を防止するための再付着防止剤、ベンゾトリアゾールやエチレン−チオ尿素などの汚れ抑制剤、ソイルリリース剤、色移り防止剤、柔軟剤、pH調節のためのアルカリ性物質、香料、可溶化剤、蛍光剤、着色剤、起泡剤、泡安定剤、つや出し剤、殺菌剤、漂白剤、漂白助剤、酵素、染料、溶媒などが挙げられる。また、粉末洗剤組成物の場合にはゼオライトを配合することが好ましい。
洗剤組成物は、他の洗剤ビルダーを含んでもよい。
他の洗剤ビルダーとしては、任意の適切な他の洗剤ビルダーを採用し得る。このような他の洗剤ビルダーとしては、例えば、炭酸塩、炭酸水素塩、珪酸塩などのアルカリビルダーや、トリポリリン酸塩、ピロリン酸塩、ボウ硝、ニトリロトリ酢酸塩、エチレンジアミンテトラ酢酸塩、クエン酸塩、(メタ)アクリル酸の共重合体塩、アクリル酸−マレイン酸共重合体、フマル酸塩、ゼオライトなどのキレートビルダー、カルボキシメチルセルロースなどの多糖類のカルボキシル誘導体などが挙げられる。上記他の洗剤ビルダーに用いられる対塩としては、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属の塩、アンモニウムの塩、アミンの塩などが挙げられる。
洗剤組成物中の、添加剤と他の洗剤用ビルダーの合計の配合割合は、好ましくは0.1質量%〜50質量%であり、より好ましくは0.2質量%〜40質量%であり、さらに好ましくは0.3質量%〜35質量%であり、特に好ましくは0.4質量%〜30質量%であり、最も好ましくは0.5質量%〜20質量%以下である。洗剤組成物中の添加剤と他の洗剤用ビルダーの合計の配合割合が0.1質量%未満であると、十分な洗剤性能を発揮することができなくなるおそれがあり、50質量%を超えると経済性が低下するおそれがある。
洗剤組成物の概念には、家庭用洗剤の合成洗剤、繊維工業その他の工業用洗剤、硬質表面洗浄剤のほか、その成分の1つの働きを高めた漂白洗剤などの特定の用途にのみ用いられる洗剤も含まれる。
洗剤組成物が液体洗剤組成物である場合、液体洗剤組成物に含まれる水分量は、液体洗剤組成物の全量に対して、好ましくは0.1質量%〜75質量%であり、より好ましくは0.2質量%〜70質量%であり、さらに好ましくは0.5質量%〜65質量%であり、さらに好ましくは0.7質量%〜60質量%であり、特に好ましくは1質量%〜55質量%であり、最も好ましくは1.5質量%〜50質量%である。
洗剤組成物が液体洗剤組成物である場合、該洗剤組成物は、カオリン濁度が、好ましくは200mg/L以下であり、より好ましくは150mg/L以下であり、さらに好ましくは120mg/L以下であり、特に好ましくは100mg/L以下であり、最も好ましくは50mg/L以下である。なお、カオリン濁度の測定方法としては、例えば、厚さ10mmの50mm角セルに均一に攪拌した試料(液体洗剤)を仕込み、気泡を除いた後、日本電色株式会社製NDH2000(商品名、濁度計)を用いて25℃でのTubidity(カオリン濁度:mg/L)を測定する方法が挙げられる。
洗剤組成物に配合することができる酵素としては、例えば、プロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼなどが挙げられる。これらの酵素の中でも、アルカリ洗浄液中で活性が高いプロテアーゼ、アルカリリパーゼ、アルカリセルラーゼが好ましい。
酵素の添加量は、洗剤組成物全量に対して、5質量%以下であることが好ましい。5質量%を超えると、洗浄力の向上が見られなくなり、経済性が低下するおそれがある。
アルカリビルダーとしては、例えば、珪酸塩、炭酸塩、硫酸塩などが挙げられる。キレートビルダーとしては、えば、ジグリコール酸、オキシカルボン酸塩、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)、DTPA(ジエチレントリアミン五酢酸)、STPP(トリポリリン酸ナトリウム)、クエン酸などが挙げられる。なお、本発明において必須に用いる重合体以外のその他の水溶性ポリカルボン酸系ポリマーを用いても良い。
洗剤組成物は、分散能に優れ、さらに長期間保存した場合の性能低下や低温で保持した場合の不純物析出などが生じにくい極めて高品質剤性能で安定性に優れた洗剤とすることができる。
<水処理剤>
本発明のポリアルキレンイミン誘導体は、水処理剤に用い得る。水処理剤には、必要に応じて、他の配合剤として、重合リン酸塩、ホスホン酸塩、防食剤、スライムコントロール剤、キレート剤などを用いても良い。
水処理剤は、冷却水循環系、ボイラー水循環系、海水淡水化装置、パルプ蒸解釜、黒液濃縮釜などにおけるスケール防止に有用である。また、性能、効果に影響しない範囲で、任意の適切な水溶性重合体を含んでいてもよい。
<繊維処理剤>
本発明のポリアルキレンイミン誘導体は、繊維処理剤に用い得る。繊維処理剤は、好ましくは、染色剤、過酸化物、および界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1つと、本発明のポリアルキレンイミン誘導体を含む。
繊維処理剤中の本発明のポリアルキレンイミン誘導体の含有量は、繊維処理剤全体に対して、好ましくは1重量%〜100重量%であり、より好ましくは5重量%〜100重量%である。また、性能、効果に影響しない範囲で、任意の適切な水溶性重合体を含んでいてもよい。
繊維処理剤は、繊維処理における精錬、染色、漂白、ソーピングの工程で使用することができる。繊維処理剤は、好ましくは、染色剤、過酸化物、および界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1つを含む。染色剤、過酸化物、および界面活性剤としては、繊維処理剤に通常使用されるものが挙げられる。
本発明のポリアルキレンイミン誘導体と、染色剤、過酸化物、および界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1つとの配合比率は、例えば、繊維の白色度、色むら、染色けんろう度の向上のためには、繊維処理剤の純分換算で、本発明のポリアルキレンイミン誘導体1重量部に対して、染色剤、過酸化物、および界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1つを、0.1重量部〜100重量部の割合で配合することが好ましい。
繊維処理剤を使用することができる繊維としては、任意の適切な繊維を採用し得る。例えば、木綿、麻等のセルロース系繊維;ナイロン、ポリエステル等の化学繊維;羊毛、絹糸等の動物性繊維;人絹等の半合成繊維;これらの織物および混紡品;などが挙げられる。
繊維処理剤を精錬工程に適用する場合は、本発明のポリアルキレンイミン誘導体と、アルカリ剤および界面活性剤とを配合することが好ましい。漂白工程に適用する場合では、本発明のポリアルキレンイミン誘導体と、過酸化物と、アルカリ性漂白剤の分解抑制剤としての珪酸ナトリウム等の珪酸系薬剤とを配合することが好ましい。
<無機顔料分散剤>
本発明のポリアルキレンイミン誘導体は、無機顔料分散剤に用い得る。無機顔料分散剤には、必要に応じて、他の配合剤として、縮合リン酸およびその塩、ホスホン酸およびその塩、ポリビニルアルコールが含まれていてもよい。
無機顔料分散剤中の本発明のポリアルキレンイミン誘導体の含有量は、無機顔料分散剤全体に対して、好ましくは5重量%〜100重量%である。また性能、効果に影響しない範囲で、任意の適切な水溶性重合体を含んでいてもよい。
無機顔料分散剤は、紙コーティングに用いられる重質あるいは軽質炭酸カルシウム、クレイなどの無機顔料の分散剤として良好な性能を発揮し得る。例えば、無機顔料分散剤を無機顔料に少量添加して水中に分散することにより、低粘度でしかも高流動性を有し、かつ、それらの性能の経日安定性が良好な、高濃度炭酸カルシウムスラリーのような高濃度無機顔料スラリーを製造することができる。
無機顔料分散剤を無機顔料の分散剤として用いる場合、無機顔料分散剤の使用量は、無機顔料100重量部に対して、0.05重量部〜2.0重量部が好ましい。無機顔料分散剤の使用量が上記範囲内にあることによって、十分な分散効果を得ることが可能となり、添加量に見合った効果を得ることが可能となり、経済的にも有利となり得る。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を意味する。
<ポリアルキレンイミン誘導体の水溶液の粘度の測定方法>
ポリアルキレンイミン誘導体の水溶液の粘度の測定は、下記条件により行った。
装置:Brookfield社製DV3T粘度計
測定温度:25.0℃
ローター:CPA−40Z
回転速度:50rpm
<カーボンブラック分散能の測定方法>
(1)グリシン67.6g、塩化ナトリウム52.6g、1mol/LのNaOH水溶液60mlにイオン交換水を加えて600gとしたグリシン緩衝液を調製した。
(2)塩化カルシウム2水和物0.082g、(1)で調製したグリシン緩衝液60.0gに純水を加えて1000gとし、分散液を調製した。
(3)固形分換算で0.1質量%のポリアルキレンイミン誘導体水溶液を調製した。
(4)約30cc容量の一般的な試験管に、カーボンブラック(洗濯科学協会より入手)0.1g、(2)の分散液を28.5g、(3)のポリアルキレンイミン誘導体水溶液1.5gを添加した。この時、試験液のカルシウム濃度は炭酸カルシウム換算で50ppmとなっていた。
(5)試験管をゴム栓で密封した後、上下に60回振った。この試験管を直射日光の当たらないところに20分間静置した後、分散液を目視にて観察した。
(6)20分後、分散液の上澄みを5cc取り、UV分光器(島津製作所、UV−1200、1cmセル、波長380nm)で吸光度を測定した。
〔実施例1〕
還流冷却器を備えたナスフラスコに、日本触媒社製のポリエチレンイミン(SP−006、Mw=600):5.00gとメタノール:20mLを加え、マグネチックスターラーを用いた撹拌を開始した。室温条件下において、反応溶液に2−メチレングルタル酸ジメチルエステル:3.01gをシリンジで滴下し、その後、ウォーターバスを用いて反応溶液を70℃まで加熱した。続いて、反応溶液を12時間撹拌した。室温に冷却した後、水酸化カリウム:3.43gと水:10.0gから調製した水酸化カリウム水溶液をゆっくり加えた。再度ウォーターバスを用いて反応溶液を40℃に加熱し、4時間撹拌した。その後、ロータリーエバポレーターを用いて濃縮を行い、水希釈を行う事で、ポリエチレンイミン誘導体(1)の18.00質量%水溶液:58.1gを得た。その溶液の粘度は3.18cPa・sであった。
NMRでの分析により、得られたポリエチレンイミン誘導体(1)は、原料のポリエチレンイミンが有する第1級アミノ基の37モル%が一般式(1)で表される構造の第3級アミノ基となっていることがわかった。
得られたポリエチレンイミン誘導体(1)の15.85質量%水溶液を用い、上述の<カーボンブラック分散能の測定方法>に従い、固形分換算で0.1質量%のポリアルキレンイミン誘導体水溶液を調製し、カーボンブラック分散能の測定を行った。結果を表1に示した。
〔比較例1〕
上述の<カーボンブラック分散能の測定方法>において、固形分換算で0.1質量%のポリアルキレンイミン誘導体水溶液1.5gの代わりに、純水1.5gを用いたこと以外は実施例1と同様に行い、カーボンブラック分散能の測定を行った。結果を表1に示した。
〔比較例2〕
上述の<カーボンブラック分散能の測定方法>において、固形分換算で0.1質量%のポリアルキレンイミン誘導体水溶液1.5gの代わりに、日本触媒社製のポリエチレンイミン(SP−006、Mw=600)0.1質量%水溶液1.5gを用いたこと以外は実施例1と同様に行い、カーボンブラック分散能の測定を行った。結果を表1に示した。
Figure 0006700121
カーボンブラック分散能の測定値である吸光度(K*Abs)は、その値が大きい方がカーボンブラックの分散性が高く、洗剤に配合した場合に油汚れが落ちやすい傾向にある。表1の実施例1と比較例1、2との比較からわかるように、本発明のポリアルキレンイミン誘導体は、ポリアルキレンイミン誘導体を添加しない場合はもとより、誘導化前のポリアルキレンイミンと比較して、有意なカーボンブラック分散能の向上が見られる。このことから、本発明のポリアルキレンイミン誘導体は、洗剤に配合した場合に高い油汚れ分散性を示すといえる。
本発明のポリアルキレンイミン誘導体は、洗剤用ビルダー、洗剤組成物、水処理剤、繊維処理剤、無機顔料分散剤などに利用することが可能である。

Claims (7)

  1. ポリアルキレンイミンが有する第1級アミノ基の少なくとも一部が環状構造を有する第3級アミノ基となっており、
    該環状構造を有する第3級アミノ基が一般式(1)で表される構造の第3級アミノ基である、
    ポリアルキレンイミン誘導体。
    Figure 0006700121
    (一般式(1)中、R は有機基を表す。)
  2. 前記ポリアルキレンイミンが有する第1級アミノ基の1モル%〜95モル%が環状構造を有する第3級アミノ基となっている、請求項1に記載のポリアルキレンイミン誘導体。
  3. 前記一般式(1)で表される構造が一般式(2)で表される構造である、請求項1または2に記載のポリアルキレンイミン誘導体。
    Figure 0006700121
    (一般式(2)中、nは0〜8の整数であり、Mは、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、−NH基、または有機アミノ基を表す。)
  4. 請求項1からまでのいずれかに記載のポリアルキレンイミン誘導体を含む洗剤組成物。
  5. 請求項1からまでのいずれかに記載のポリアルキレンイミン誘導体を含む水処理剤。
  6. 請求項1からまでのいずれかに記載のポリアルキレンイミン誘導体を含む繊維処理剤。
  7. 請求項1からまでのいずれかに記載のポリアルキレンイミン誘導体を含む無機顔料分散剤。
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