JP2005170805A - スキンケア化粧料とその化粧料セット、並びにそれらの使用方法 - Google Patents

スキンケア化粧料とその化粧料セット、並びにそれらの使用方法 Download PDF

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Takeshi Ishikiriyama
健 石切山
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泰英 更谷
Daisaku Shinohara
大策 篠原
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Abstract

【課題】 本発明は、スキンケア化粧料において肌のキメを整えるのに有効な成分と抗酸化剤を一緒に配合することなく、外的要因に起因する肌荒れを抑制しつつ、肌のキメを効率良く整えるためのスキンケア化粧料及びその化粧料セット、並びにそれらの使用方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 抗酸化剤のみ、若しくは抗酸化剤とその抗酸化剤の効果を妨げない成分を配合する朝使用のスキンケア化粧料(A)を使用することにより、外的要因により肌内部に発生する活性酸素を除去し、角質層の細胞剥離効果のある成分(b1)と細胞賦活効果のある成分(b2)、及び/又は角質保護効果のある成分(c)を配合するが、抗酸化剤を配合しない夜使用のスキンケア化粧料(B)を使用することにより、肌細胞の新陳代謝を促進、或いは角質層を保護することを特徴とするスキンケア化粧料セットの使用方法である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、外的要因に起因する肌荒れを抑制しつつ、肌のキメを効率良く整えるためのスキンケア化粧料及びその化粧料セット、並びにそれらの使用方法に関するものである。
肌表面には、皮溝・皮丘により形成される凹凸があるが、これを通常、キメと呼ぶ。また、このキメと呼ばれる凹凸の間隔が狭くなり、凹凸の形態が均一な状態になることを肌のキメが整うと言う。肌のキメが整うと、肌表面はきれいに見え、化粧のりが良くなる。このため、スキンケアでは、肌のキメを整えることが極めて大切である。
この肌のキメは、一般的に、肌表皮の新陳代謝機能に左右されると言われている。
これは、肌表皮の新陳代謝の周期、いわゆるターンオーバーサイクルが長くなると、肌のキメが乱れ、肌の艶やハリの消失等を生じるためである。なお、ターンオーバーとは、肌表皮の新陳代謝のことであるが、具体的には、表皮の最上層部にある古い角質層の角質細胞が剥がれ落ち、新しい角質細胞に生まれ変わることである。
また、肌のキメは、一般的に、肌表皮の角質層における角質細胞機能にも左右されると言われている。
これは、肌表皮の新陳代謝で生まれ変わった新しい角質細胞の機能が低下すると、その角質細胞が劣化し、肌のキメが乱れ易くなるためである。
このような理由から、肌のキメを整えるためのスキンケア化粧料には、肌表皮の新陳代謝機能を保全・向上させるのに有効な成分を配合し、肌表皮の新陳代謝の促進を図っている。加えて、このような化粧料には、肌表皮最上層部にある角質層の角質細胞機能を保全・向上させるのに有効な成分も配合し、角質層の保護を図っている。
一方、肌表面の細胞は、外的要因で肌内部に発生した活性酸素により、傷つき、劣化する。なお、外的要因とは、日中の紫外線、タバコの煙のような空気中の有害物質、又はストレス等のことである。肌表面の細胞が傷つき、劣化すると、肌のキメは、乱れ、肌荒れを生じる。しかしながら、前記のような肌のキメを整えるのに効果のある成分だけを配合したスキンケア化粧料では、外的要因で肌内部に発生した活性酸素による肌荒れを防ぐことは難しい。そこで、このような肌荒れを防止するために、外的要因で肌内部に発生した活性酸素を除去するのに有効な成分(抗酸化剤)を配合する。
このように、従来より、スキンケア化粧料を使用して、外的要因に起因する肌荒れを抑制しつつ、肌のキメを効率良く整える場合、その化粧料には、肌表皮の新陳代謝の促進に有効な成分や角質層の保護に有効な成分の他に抗酸化剤を配合してきた。
スキンケア化粧料には、外的要因で肌内部に発生した活性酸素を除去する目的で、抗酸化剤を配合する。しかし、この抗酸化剤は、一般的に、一緒に配合されている他の成分と反応し易いという性質を有する。従って、肌のキメを整えるためのスキンケア化粧料に抗酸化剤を配合すると、肌のキメを整えるのに有効な成分と反応してしまい、肌のキメを整えるというその化粧料本来の効果を抑制することになる。また、この反応で、抗酸化剤自身も同時に消費されるため、外的要因で肌内部に発生した活性酸素を除去する効果も低減してしまい、外的要因に起因する肌荒れを抑制することも困難になる。
更に、肌のキメを整えるために有効な成分と外的要因に起因する肌荒れの抑制に効果のある抗酸化剤を一緒に配合しようとすると、それらの成分の配合比が非常に難しい。これは、肌のキメを整えることに主眼に置いてこれらの配合比を特定すると、外的要因に起因する肌荒れを抑制するという効果を失うことになり、逆に、外的要因に起因する肌荒れを抑制することに主眼を置いてこれらの配合比を特定すると、肌のキメを整えるというその化粧料本来の効果を失うことになるからである。
このように、外的要因に起因する肌荒れを抑制しつつ、肌のキメを整えることを、肌のキメを整えるのに有効な成分と外的要因に起因する肌荒れを抑制するのに有効な抗酸化剤を一緒に配合した化粧料により達成することは、本質的に困難であるという課題があった。
また、その抗酸化剤が化粧料を構成する他の成分と反応すると、化粧料成分そのものを変えてしまうため、化粧料の品質低下や化粧料の品質保証期間の短期化等を招き、化粧料の品質の信頼性や安定性を損なうという課題があった。スキンケアで使用する化粧料には、通常、抗酸化剤や肌のキメを整えるために有効な成分以外にも、pH調整に有効な成分(pH調整剤)、防腐に有効な成分(防腐剤)、香りを与えるのに有効な成分(香料)、炎症を抑制するのに有効な成分(抗炎症剤)、乳化作用に有効な成分(乳化剤)、増粘作用に有効な成分(増粘剤)、若しくは溶剤等のような各種成分を必要に応じて配合しなければならず、このような多種の成分が抗酸化剤との化学反応により変化することを考えると、この課題は一層大きなものになる。
更に、効率良く、短期間で、外的要因に起因する肌荒れを抑制しながら、肌のキメを整えることができれば、スキンケアとしては好ましいことである。
本発明は、これらの課題を解決するためになされたものである。つまり、外的要因に起因する肌荒れを抑制しつつ、肌のキメを効率良く整えることについて、従来のスキンケア化粧料において肌のキメを整えるのに有効な成分と抗酸化剤を一緒に配合したことに起因する本質的な課題を解決するためになされたものである。
本発明では、このような課題を解決するためのスキンケア化粧料及びその化粧料セット、並びにそれらの使用方法を提供する。
本発明は、以下の知見を得たことにより、なされたものである。
(一)肌表皮の新陳代謝の促進に有効な成分である角質層の細胞剥離効果のある成分(b1)と細胞賦活効果のある成分(b2)および/または角質保護効果のある成分(c)を配合した肌のキメを整えるためのスキンケア化粧料(B)と、外的要因により肌内部に発生する活性酸素の除去に使用する抗酸化剤を配合したスキンケア化粧料(A)の使用時期を区別できるという知見を得たことによりなされたものである。これは、外的要因に起因する肌荒れを抑制しつつ、肌のキメを効率良く整えるにあたり、肌のキメを整えるのに有効な成分である、角質層の細胞剥離効果のある成分(b1)と細胞賦活効果のある成分(b2)および/または角質保護効果のある成分(c)と外的要因に起因する肌荒れの抑制に有効な抗酸化剤とを一緒に配合しなくてもよいことを意味する。
(二)肌表皮の新陳代謝の周期を示すターンオーバーサイクルを、(イ)その細胞が分裂し、細胞核が消滅し、細胞が角化するまでの期間と、(ロ)その後(細胞核が消滅し、細胞が角化後)、その細胞が垢として剥がれ落ちるまでの期間とに区分した場合、(イ)の期間では、細胞分裂・分化及び角化の流れを促進させるスキンケア化粧料を使用し、(ロ)の期間では、細胞が垢として剥がれ落ちて、生まれ変わった新たな細胞を保護するスキンケア化粧料を使用すれば、肌表皮の新陳代謝の促進を図りつつ、角質層の保護ができるという知見を得たことによりなされたものである。これは、肌表皮の新陳代謝の促進とその新陳代謝で生まれ変わった角質細胞の保護を図るにあたり、必ずしも、肌表皮の新陳代謝の促進に有効な成分である角質層の細胞剥離効果のある成分(b1)と細胞賦活効果のある成分(b2)と角質層保護に有効な成分(c)を一緒に配合しなくてもよいことを意味する。
以下、本発明を詳細に説明する。
(請求項1及び2記載の発明)
本発明における朝使用のスキンケア化粧料(A)は、請求項1に記載されているように、抗酸化剤を配合するが、抗酸化剤と一緒に配合することが好ましくない成分は配合しないことを特徴とするものである。スキンケア化粧料(A)は、外的要因により肌内部に発生した活性酸素を除去するという抗酸化効果を有するものであり、その抗酸化効果を妨げることは、できる限り避けなければならないからである。
スキンケア化粧料(A)の使用時期は、外的要因により肌内部に発生する活性酸素を効率良く除去するという化粧料(A)の使用目的から、該活性酸素が発生し易い状態になる前とするのが好ましい。このような活性酸素は、外的要因の性質上、目を覚ましている状態で発生し易いことから、具体的には、起床時、起床後の洗願後、起床してから日常生活や日常業務を迎える前、若しくは外出する前等とするのが好ましい。このように、スキンケア化粧料(A)の使用行為は、普通、朝に行うものであるから、この化粧料(A)を朝使用の化粧料とする。
スキンケア化粧料(A)に配合した抗酸化剤は、日中の紫外線、空気中の有害化学物質、若しくはストレス等の外的要因により肌内部に発生した活性酸素を除去するのに有効な成分である。抗酸化剤は、抗酸化作用の認められるものであればよいが、具体的には、ビフィズス菌エキス、SOD、d1−α−トコフェロール、アスコルビン酸、カタラーゼ、グルタチオンパーオキシターゼ、β−カロチン、ルチン、塩酸ピリドキシン、植物エキス(ルイボス、ゴマ、アマチャ、オトギリソウ、ハマメリス、チョウジ、メリッサ、エンメイソウ、シラカバ、セージ、ローズマリー、キナ、イチョウ、緑茶等)等が好ましい。これらの成分は、単品で使用しても良いし、ニ以上を組み合わせて使用しても良い。
なお、スキンケア化粧料(A)は、抗酸化剤の効果を妨げない範囲で、このような抗酸化剤以外にも、pH調整剤、防腐剤、香料、抗炎症剤、乳化剤、増粘剤、若しくは溶剤等のような成分を単品又は二以上配合することができる。
スキンケア化粧料(A)の使用期間に関して、特に制限はない。もっとも、細胞のターンオーバーサイクルにあわせて使用する化粧料(B)との併用により、効率よくスキンケアを行うには請求項2に記載されているように、この化粧料(A)の使用期間を細胞のターンオーバーサイクルにあわせて使用するのが好ましい。
化粧料(A)の使用期間を細胞のターンオーバーサイクルにあわせて使用するとは、化粧料(A)を細胞のターンオーバーサイクルの期間、毎日使用することを意味する。なお、その使用時期は、既に述べたとおり、通常、朝である。
細胞のターンオーバーサイクルの期間は、一般的に28日間であると考えられている。よって、これに従えば、スキンケア化粧料(A)の使用期間を細胞のターンオーバーサイクルにあわせるとは、この化粧料(A)の使用期間を使用開始の日から28日間として、毎朝使用することを意味する。
スキンケア化粧料(A)の1日あたりの使用回数は、1回で良いが、特に制限するものではない。必要に応じて、ニ回以上使用することも可能である。
(請求項3乃至7記載の発明)
本発明における夜使用のスキンケア化粧料(B)は、請求項3に記載されているように、スキンケア化粧料(A)に含まれている抗酸化剤を配合しないことを特徴とする。これは、スキンケア化粧料(B)の各成分がこの抗酸化剤と反応して、肌のキメを整えるという化粧料(B)本来の効果が失われるのを回避しなければならないからである。
スキンケア化粧料(B)の使用時期は、この化粧料(B)の使用目的が肌のキメを整えることにあるので、肌表皮の新陳代謝が活発な状態になる前であればよい。もっとも、睡眠中に肌表皮の新陳代謝が活発化することから、具体的な使用時期は、入浴後、又は睡眠に入る前等のいわゆる就寝時が好ましい。このように、スキンケア化粧料(B)の使用行為は、普通、夜に行うものであり、一般的には、ナイトケアと呼ばれるものであるから、この化粧料(B)を夜使用の化粧料とする。
スキンケア化粧料(B)は、肌のキメを整えるために使用するものであるから、肌表皮の新陳代謝機能を保全・向上させるように、細胞賦活効果のある成分(b1)と角質層の細胞剥離効果のある成分(b2)を一緒に配合することを特徴とする。
スキンケア化粧料(B)は、細胞賦活効果のある成分(b1)と角質層の細胞剥離効果のある成分(b2)を一緒に配合するので、特に好ましい結果が得られる。もっとも、細胞賦活効果のある成分(b1)も角質層の細胞剥離効果のある成分(b2)も、それぞれが肌表皮の新陳代謝機能の保全・向上効果を有し、いずれか一方しか配合していなくても、肌のキメを整えるというスキンケア化粧料(B)の基本的な効果を有する。
細胞賦活効果とは、皮膚に塗布すると基底層のケラチノサイトを活性化し、正常な細胞を生まれ易くする効果のことをいう。このケラチノサイトは、例えば、アミノ酸や核酸等の核関連物質を多く含む抽出液を皮膚に塗布することにより、活性化される。
細胞賦活効果のある成分(b1)とは、細胞賦活効果が認められるものであればよいが、具体的には、酵母エキス、乳酸菌エキス、胎盤エキス、植物エキス(アロエ、オウゴン、スギナ、ゲンチアナ、ゴボウ、ニンジン等)等が好ましい。これらの成分は、単品で使用しても良いし、ニ以上を組み合わせて使用しても良い。スキンケア化粧料(B)に配合された細胞賦活効果のある成分(b1)の含有量は、特に限定するものではないが、この化粧料(B)における細胞賦活効果のある成分(b1)の全含有量が、重量百分率で0.2%以上になるようにすることが好ましい。
角質層の細胞剥離効果とは、本来剥がれ落ちるはずの角質層が、剥がれずに残ったままの状態になっているのを、穏和に剥離させる効果のことである。本来剥がれ落ちるはずの角質層が、剥がれずに残ったままになるのは、角質層の水分保持量が減少して乾燥状態になったため、酵素の働きが鈍り、接着因子の分解ができなくなることによる。なお、この結果、剥がれずに残った角質層は、皮膚のくすみとなり、ごわつきという感覚を与えることになる。
角質層の細胞剥離効果のある成分(b2)とは、角質層の細胞剥離効果が認められるものであればよいが、具体的には尿素、α−ヒドロキシ酸、及びセリン等が好ましい。これらの成分は、単品で使用しても良いし、ニ以上を組み合わせて使用しても良い。スキンケア化粧料(B)に配合された角質層の細胞剥離効果のある成分(b2)の含有量は、特に限定するものではないが、この化粧料(B)における角質層の細胞剥離効果のある成分(b2)の全含有量が、重量百分率で0.15%以上になるようにすることが好ましい。
スキンケア化粧料(B)には、細胞賦活効果のある成分(b1)や角質層の細胞剥離効果のある成分(b2)以外の肌のキメを整えるのに有効な成分、例えば、請求項4に記載されている角質層保護効果のある成分(c)のようなものも配合することができる。もっとも、スキンケア化粧料(B)に配合する細胞賦活効果のある成分(b1)及び角質層の細胞剥離効果のある成分(b2)以外の成分は、配合しても肌のキメを整えるという効果を損なわなければ、特に制限はない。よって、pH調整剤、防腐剤、香料、抗炎症剤、乳化剤、増粘剤、若しくは溶剤等のような成分も、肌のキメを整えるという効果を損なわない範囲で、単品又は二以上配合することができる。
スキンケア化粧料(B)は、必ずしも単一の化粧料である必要はなく、ニ以上の化粧料から構成されることもある。例えば、請求項3のように、角質層の細胞剥離効果のある成分(b1)と細胞賦活効果のある成分(b2)、および/または角質保護効果のある成分(c)を配合するスキンケア化粧料(B)であっても良いし、また、請求項4のように、角質層の細胞剥離効果のある成分(b1)と細胞賦活効果のある成分(b2)を配合するが、抗酸化剤を配合しないものを化粧料(B)と、角質保護効果のある成分(c)を配合するが、抗酸化剤を配合しないものを化粧料(C)とから構成されるものであっても良い。
スキンケア化粧料(B)は、請求項6に記載されているように、細胞のターンオーバーサイクルにあわせて使用するものである。細胞のターンオーバーサイクルにあわせて使用するとは、スキンケア化粧料(B)の使用期間を細胞のターンオーバーサイクルとして毎日使用することを意味する。スキンケア化粧料(B)の使用期間を細胞のターンオーバーサイクルにあわせて使用することが好ましいのは、肌のキメを整えるためには、細胞のターンオーバーサイクルに依存する肌表皮の新陳代謝の促進や角質層の保護が大切だからである。なお、その使用時期は、既に述べたとおり、通常、夜である。従って、スキンケア化粧料(B)の使用期間を細胞のターンオーバーサイクルにあわせて使用するとは、細胞のターンオーバーサイクルを28日間とすると、スキンケア化粧料(B)をその使用開始の日から28日間、毎夜使用することを意味する。
スキンケア化粧料(B)の1日あたりの使用回数は、1回で良いが、特に制限するものではない。必要に応じて、ニ回以上使用することも可能である。
細胞のターンオーバーサイクルをその細胞が分裂・分化する状態で区分すると、(イ)その細胞が分裂し、細胞核が消滅し、細胞が角化するまでの期間と、(ロ)その後(細胞核が消滅し、細胞が角化後)、その細胞が垢として剥がれ落ちるまでの期間に区分される。
(イ)の「表皮の細胞が分裂し、細胞核が消滅し、細胞が角化するまで」とは、表皮の最下層にある基底層にある細胞が、細胞分裂して基底層からその上にある有棘層へ押し上げられた後、更にその上にある顆粒層へと押し上げられて、その細胞核が消滅し、細胞が角化するまでをいい、細胞のターンオーバーサイクルが28日間であるとすると、その期間はそのサイクル前半の14日間であると考えられている。
一方、(ロ)の「その後(細胞核が消滅し、細胞が角化後)、その細胞が垢として剥がれ落ちるまで」とは、細胞核が消滅した細胞が顆粒層から表皮最上層にある角質層へと押し上げられ、その細胞が垢となって剥がれ落ち、新しい細胞が表出するまでをいい、細胞のターンオーバーサイクルを28日間とすると、その期間はそのサイクル後半の14日間であると考えられている。
(イ)の状態で使用する化粧料としては、(イ)の状態に対応して、正常な細胞を生まれ易くしたり、本来剥がれるべき角質層を剥離し易くしたり等する(イ)の状態を活性化するものが好ましい。具体的には、角質層の細胞剥離効果のある成分(b1)と細胞賦活効果のある成分(b2)を配合した化粧料(B)を使用することが特に好ましい。
(ロ)の状態で使用する化粧料としては、(ロ)の状態に対応し、古い細胞が垢となって落ち、肌表面に新たに表出した細胞、即ち、新しい角質細胞を保護するようなものが好ましい。具体的には、(ロ)の状態では、角質層保護効果のある成分(c)を配合した化粧料(C)を使用することが好ましい。
角質層保護効果とは、角質層水分含有量の低下を防止して、正常な皮膚構造や皮膚機能を維持することである。ここで、角質層水分含有量の低下を防止するためには、保湿剤の他、角質保護剤と呼ばれる角質層表面に膜を形成する水溶性高分子を配合すると効果的である。このような水溶性高分子を配合すると、肌の内側からの水分蒸発を抑えることができるからである。
角質層保護効果のある成分(c)は、角質層保護効果が認められるものであればよく、具体的には、アミノ酸、ソルビット、及び乳酸ナトリウム等の保湿効果のある成分(保湿剤)の他、ヒアルロン酸、キサンタンガム、ローカストビーンガム、コラーゲン、カラギーナン、及びクインスシード等の角質保護効果のある成分(角質保護剤)等が好ましい。これらの成分は、単品で使用しても良いし、ニ以上を組み合わせて使用しても良いが、角質層保護効果を高めるためには、保湿剤と角質保護剤を一緒に配合するのが好ましい。
スキンケア化粧料(B)に配合された角質層保護効果のある成分(c)の含有量は、特に限定するものではないが、この化粧料(B)における角質層保護効果のある成分(c)の全含有量(保湿剤を含む)が、重量百分率で0.1%以上になるようにすることが好ましい。
以上の理由から、本発明のスキンケア化粧料(B)は、請求項5に記載されているように、細胞賦活効果のある成分(b1)と角質層の細胞剥離効果のある成分(b2)を一緒に配合したスキンケア化粧料(B)と角質層保護効果のある成分(c)を配合したスキンケア化粧料(C)からなることを特徴とするものである。また、本発明におけるこれら化粧料の使用方法は、請求項7に記載されているように、細胞のターンオーバーサイクル前半の(イ)細胞が分裂し、細胞核が消滅し、細胞が角化するまでの期間は、スキンケア化粧料(B)を使用するものであり、また、細胞のターンオーバーサイクル後半の(ロ)その後(細胞核が消滅し、細胞が角化後)、その細胞が垢として剥がれ落ちるまでの期間は、スキンケア化粧料(C)を使用するものである。
具体的には、細胞のターンオーバーサイクル前半の14日間は、スキンケア化粧料(B)を毎日使用し、細胞のターンオーバーサイクル後半の14日間は、スキンケア化粧料(C)を毎日使用する。もっとも、スキンケア化粧料(B)を細胞のターンオーバーサイクルの前半の14日間だけ、毎日使用し、後半の14日間はスキンケア化粧料(C)を使用しないという使用方法やスキンケア化粧料(B)を前半の14日間は使用せず、後半の14日間だけ、スキンケア化粧料(C)を毎日使用するという使用方法も可能である。
スキンケア化粧料(B)及び(C)の1日当りの使用回数は、1回で良いが、特に制限するものではない。必要に応じて、ニ回以上使用することも可能である。
スキンケア化粧料(B)は、細胞賦活効果と角質層の細胞剥離効果を与えることを目的としているので、その効果を損なわない範囲であれば、細胞賦活効果のある成分(b1)及び角質層の細胞剥離効果のある成分(b2)以外の成分を配合することもできる。よって、pH調整剤、防腐剤、若しくは香料等のような成分も、細胞賦活効果と角質層の細胞剥離効果を損なわない範囲で、単品又は二以上配合することができる。
また、スキンケア化粧料(C)も、角質層保護効果を与えることを目的としているので、その効果を損なわない範囲で、角質層保護効果のある成分(c)以外の成分を配合することもできる。よって、pH調整剤、防腐剤、若しくは香料等のような成分も、角質層保護効果を損なわない範囲で、単品又は二以上配合することができる。
もっとも、スキンケア化粧料(B)及び(C)は、いずれも抗酸化剤を含まない。
(請求項8記載の発明)
本発明のスキンケア化粧料セットは、請求項8に記載されているように、前記朝使用のスキンケア化粧料(A)と前記夜使用のスキンケア化粧料(B)とを含むものである。
もっとも、本発明のスキンケア化粧料セットには、少なくともスキンケア化粧料(A)及び(B)が含まれていればよく、これら以外のスキンケア化粧料が含まれることを制限するものではない。つまり、前記朝使用のスキンケア化粧料(A)及び前記夜使用のスキンケア化粧料(B)以外に、スキンケア化粧料(A)や(B)とは目的や効果が異なる化粧料が含まれていても、本発明のスキンケア化粧料セットに該当する。例えば、前記朝使用のスキンケア化粧料(A)及び前記夜使用のスキンケア化粧料(B)以外に、紫外線により直接、表皮の細胞が傷つくのを防御するのに効果のある成分を配合した化粧料(いわゆるUVカット用の化粧料)のようなものが含まれている場合である。
また、本発明の化粧料セットにおける夜使用のスキンケア化粧料(B)は、単品でも、二以上であってもよい。これは、前記夜使用のスキンケア化粧料(B)が、例えば、請求項5に記載されているように、二以上の化粧料から構成される場合もあるからである。
なお、本発明の化粧料セットにおける化粧料(A)についても、単品でも、二以上であってもよい。これは、二以上の抗酸化剤を化粧料(A)に配合することも可能なことから、これらを一緒に配合した単品の化粧料とはせずに、別々に配合した二以上の化粧料とすることもあるからである。
(請求項9記載の発明)
本発明のスキンケア化粧料の使用方法は、請求項9に記載されているように、肌荒れの抑制に有効な抗酸化剤のみ、若しくは抗酸化剤とその抗酸化剤の効果を妨げない成分を配合したスキンケア化粧料(A)と、肌のキメを整えるために有効な成分を配合するが、該抗酸化剤を配合しないスキンケア化粧料(B)を併用する方法である。これは、本発明のスキンケア化粧料の使用方法が、抗酸化剤と肌のキメを整えるのに有効な成分を一緒に配合した場合にこれらの間で生じる化学反応を回避することを目的としているからである。
また、本発明のスキンケア化粧料の使用方法では、外的要因に起因する肌荒れを抑制しつつ、肌のキメを効率良く整えることを目的としているので、化粧料(A)は、外的要因により肌内部に発生する活性酸素を効率良く除去するために、通常、朝使用し、化粧料(B)は、肌表皮の新陳代謝の促進や角質細胞の保護を効率良く行うために、通常、夜使用する。
本発明のスキンケア化粧料の使用方法では、スキンケア化粧料(A)とスキンケア化粧料(B)を細胞のターンオーバーサイクルに合わせて使用するのが好ましく、細胞のターンオーバーサイクルを28日間とすると、両化粧料とも、使用開始の日から28日間毎日使用する。
また、スキンケア化粧料(B)は、細胞賦活効果のある成分(b1)と角質層の細胞剥離効果のある成分(b2)を配合するが、該抗酸化剤を配合しないスキンケア化粧料(B)と、角質層保護効果のある成分を配合するが、該抗酸化剤を配合しないスキンケア化粧料(C)からなることがある。
本発明のスキンケア化粧料の使用方法では、このようなスキンケア化粧料(B)及び(C)を細胞のターンオーバーサイクルのうち、(イ)細胞が分裂し、細胞核が消滅し、細胞が角化するまでの期間と、(ロ)その後(細胞核が消滅し、細胞が角化後)、その細胞が垢として剥がれ落ちるまでの期間に合わせて使用するのが好ましい。具体的には、(イ)の細胞のターンオーバーサイクル前半の14日間は、スキンケア化粧料(B)を毎夜使用し、(ロ)の細胞のターンオーバーサイクル後半の14日間は、スキンケア化粧料(C)を毎夜使用する。この結果、外的要因に起因する肌荒れが抑制されつつ、肌のキメが整う。
本発明のスキンケア化粧料及びその化粧料セット、並びにそれらの使用方法によれば、スキンケアにとって大切な外的要因に起因する肌荒れを抑制しつつ、肌のキメを効率良く整えるにあたり、肌表皮の新陳代謝を促進させるのに有効な成分及び角質層保護に有効な成分、並びに抗酸化剤を一緒にして化粧料に配合する必要がない。
その結果、肌表皮の新陳代謝を促進させるのに有効な成分及び角質層保護に有効な成分、並びに抗酸化剤を一緒に配合した化粧料を使用した場合よりも、化粧料使用後の肌のキメが整うという効果を奏する。
本発明によれば、使用するスキンケア化粧料に、他の成分との反応性が活性な抗酸化剤を肌表皮の新陳代謝を促進させるのに有効な成分や角質層保護に有効な成分と一緒に配合させる必要がない。このため、これらの成分を一緒に配合するスキンケア化粧料よりも、化粧料成分は安定している。その結果、該スキンケア化粧料の品質の信頼性や安定性が向上するという効果を奏する。
本発明によれば、使用するスキンケア化粧料の使用期間は肌表皮の新陳代謝のターンオーバーサイクルを利用することにより、効率良く化粧料を使用することができる。このため、肌のキメを効率良く整えられるという効果を奏する。
使用するスキンケア化粧料の使用期間は肌表皮のターンオーバーサイクルを表皮の細胞の分裂・分化する状態で更に細かく区分し、各区分における肌細胞の分裂・分化する状態に適した化粧料を使用すれば、更に効率良く化粧料を使用することができ、その結果、肌のキメをより効率良く整えられると期待できる。
本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明の化粧料を使用してスキンケアを行う方法では、化粧料として、抗酸化剤を配合した化粧料(A)と肌のキメを整える化粧料(B)を使用した。もっとも、本実施例では、肌のキメを整える化粧料(B)として、細胞賦活効果のある成分(b1)と角質層の細胞剥離効果のある成分(b2)を配合した化粧料(B)と角質層保護効果のある成分(c)を配合した化粧料(C)を使用した。いずれも、化粧料(A)に含まれる抗酸化剤は含んでいない。
抗酸化剤を配合した化粧料(A)や肌のキメを整える化粧料(B)の使用期間は、表皮のターンオーバーサイクルとし、その使用開始の日から28日間とした。肌のキメを整える化粧料(B)は、(イ)「表皮の細胞が分裂し、細胞核が消滅し、細胞が角化するまで」と(ロ)「その後(細胞核が消滅し、細胞が角化後)、その細胞が垢として剥がれ落ちるまで」の期間に分け、細胞賦活効果のある成分(b1)及び角質層の細胞剥離効果のある成分(b2)を配合した化粧料(B)は、(イ)の期間(その使用開始の日から14日間)使用した。これは、化粧料(A)の使用期間における前半14日間で、ターンオーバーサイクルの前半に相当する。
また、角質層保護効果のある成分(c)を配合した化粧料(C)は、(ロ)の期間(上記化粧料(B1)の使用が終了した次の日から14日間)使用した。これは、化粧料(A)の使用期間における後半14日間で、ターンオーバーサイクルの後半に相当する。
抗酸化剤を配合した化粧料(A)の使用時期は、毎朝(起床時の洗願後)とし、肌のキメを整える化粧料(B)の使用時期は、毎夜(入浴後)とした。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。なお、表1〜表10は、それぞれ図1〜図10に示した。
(比較例と本実施例で使用した化粧料の組成)
表1は、使用した化粧料とその組成を示したものである。この化粧料成分のビフィズス菌エキス、ルイボスエキス、及び塩酸ビリドキシン(A群)は、化粧料に抗酸化効果を与えるために、酵母エキス及びアロエエキス(B1群)は、化粧料に細胞賦活効果を与えるために、尿素(B2群)は、化粧料に角質層の細胞剥離効果を与えるために、キサンタンガム、ローカストビーンガム、及びヒアルロン酸ナトリウム(C群)は、化粧料に角質層保護効果を与えるために有効な成分として配合したものである。
なお、これら化粧料には、これらの成分の他に、クエン酸、クエン酸ナトリウム、1,3−ブチレングリコール、パラオキシ安息香酸エステル、及び濃グリセリン(D群)を配合した。これは、化粧料には、一般的に、pH調整剤、防腐剤、溶剤、香料、抗炎症剤、乳化剤、及び増粘剤等を必要に応じて任意に配合することを踏まえたものである。化粧料は、これらの成分を配合した後、精製水を加え、化粧料全体の重量が重量百分率で100%となるように調製した。
比較例1で使用する化粧料(1)は、化粧料として精製水のみを配合することにより構成したものである。
比較例2で使用する化粧料(2)は、化粧料として抗酸化効果のある前記成分(A群)と、細胞賦活効果のある前記成分(B1群)と、角質層の細胞剥離効果のある前記成分(B2群)と、角質層保護効果のある前記成分(C群)とを同時に配合したものである。
実施例1で使用する化粧料(3)は化粧料(3−1)〜(3−3)で構成され、化粧料(3−1)は、化粧料として抗酸化効果のある前記成分(A群)を配合したものである。この抗酸化効果のある前記成分(A群)の重量百分率は、比較例2の化粧料(2)におけるその重量百分率と同じである。
実施例1の化粧料(3−2)は、化粧料として細胞賦活効果のある前記成分(B1群)と角質層の細胞剥離効果のある前記成分(B2群)を配合したものである。配合した細胞賦活効果のある前記成分(B1群)と角質層の細胞剥離効果のある前記成分(B2群)の重量百分率は、比較例2の化粧料(2)におけるそれらの重量百分率と同じである。
実施例1の化粧料(3−3)は、化粧料として角質層保護効果のある成分(C群)を配合したものである。配合した角質層保護効果のある成分(C群)の重量百分率は、比較例2の化粧料(2)におけるその重量百分率と同じである。
なお、比較例2の化粧料(2)及び実施例1の化粧料(3)には、一般的な化粧料に含まれるpH調整剤等として、クエン酸やクエン酸ナトリウム等の前記成分(D群)も配合したが、これら(D群)の種類も重量百分率も、クエン酸ナトリウムを除き、すべての化粧料((1)〜(3))で、同じになるように調製した。クエン酸ナトリウムの重量百分率が相違するのは、クエン酸ナトリウムでpH調整を行っているためである。
(比較例と本実施例の化粧料の使用方法)
表2は、表1に示した各化粧料とその使用期間との関係をまとめたものである。
比較例1は、比較例1の化粧料(1)を、使用開始の日から28日間、毎日、朝と夜に一回ずつ使用したものである。
比較例2は、比較例2の化粧料(2)を、使用開始の日から28日間、毎日、朝と夜に一回ずつ使用したものである。
実施例1は、実施例1の化粧料(3)について、化粧料(3−1)を、使用開始の日から28日間、毎朝1回使用するとともに、化粧料(3−2)を使用開始の日から14日間、化粧料(3−3)をその後の14日間、ともに毎夜1回使用したものである。
なお、被験者は20代から60代の女性とし、その数はいずれにおいても、30人とした。
(比較例と本実施例の効果の確認方法(その1))
表3は、表1に示した各化粧料((1)〜(3))を表2に示す条件下で使用した比較例1,2及び実施例1について、比較例1,2及び実施例1が肌表面のキメに与える効果を示したものである。本効果は以下のような方法で特定した。
まず、表2に示す比較例1,2及び実施例1を実施するにあたり、化粧料の使用前後における被験者の利き腕側の頬部のレプリカ(角質層)を採取した。この採取方法を図11に示した。レプリカ(1)には、肌表面の凹凸が写し取られる。肌表面の凹部が図11に示した黒線部(2)である。
次に、この採取したレプリカ(1)の表面画像をFOTOVISION(Fuji Film社製)(4)を使用してパソコン上にとり込み、反射3次元皮膚解析システム(ASAHI BIOMED製)を用いて解析した。この測定方法を図12に示す。レプリカに写し取られた肌への接着面をカメラ側になるようにして、前記FOTOVISION(4)にセットした後、光源(3)から光をレプリカ(1)に照射し、これによりレプリカ表面上の凹凸によって生じた影の明暗や幅等を解析することにより、肌表面の凹凸の程度をキメ個数、キメ平均幅、及び均一性として算出した。もっとも、これらの値は、肌表面のキメが整ったかどうかを被験者数との関係で評価するため、(い)キメ個数改善率(%)、(ろ)キメ平均幅改善率(%)、及び(は)均一性改善率(%)に換算し、これらの値をもって比較例1,2及び実施例1が肌表面のキメに与えた効果として評価した(表3)。
ここで、キメ個数とは、レプリカ画像中におけるある一直線上でみられる溝の中で、特に、キメとして判断されたものの数である。このキメ個数を、比較例1,2と実施例1について、化粧料の使用前後で算出し、これを同一被験者で比較した場合に、キメ個数が増えている人数の比率で表したものが、(い)キメ個数改善率(%)である。
キメ平均幅とは、レプリカ画像中におけるある一直線上でみられるキメの幅の総和をキメの数で割ったものである。このキメ平均幅を、比較例1,2と実施例1について、化粧料の使用前後で算出し、これを同一被験者で比較した場合に、キメ平均幅が減少している人数の比率で表したものが、(ろ)キメ平均幅改善率(%)である。
均一性とは、レプリカ画像中におけるある直線上の最大値及び最小値から算出される振幅をRtとし、その直線を5等分し、それぞれの区分の中での最大値と最小値から算出される振幅を求め、それら5つの平均値をRzとした場合に、この平均振幅(Rz)を振幅(Rt)で割ったものである。これは、直線上の振幅が均一であるかどうかを示す指標である。この均一性を、比較例1,2及び実施例1について、化粧料の使用前後で算出し、これを同一被験者で比較した場合に、均一性の値が増加している人数の比率で表したものが、(は)均一性改善率(%)である。
なお、前記レプリカ画像中におけるある直線は、1つのレプリカに対して50本の直線を引いたときの(図11の破線部)、任意の直線のことであり、前記キメ個数、キメ平均率、及び均一性は同じ直線から算出した。
また、比較例1,2と実施例1に示した方法が、化粧料の使用前後における肌表面のキメ、具体的には、肌表面の凹凸の程度を決定する前記キメ個数、キメ平均率、及び均一性に与えた効果を判断するため、P値(に)を求めた。
(に)のP値とは、比較例1,2と実施例1の使用前後における肌表面のキメを比較した場合に、有意な差があったかどうかを判断する指標になるものであり、片側t検定を行うことにより得た。このような判断を行ったのは、人の肌状態が日々自然に変化することに鑑みて、肌表面のキメが、実質的に、そのような偶発的な要因により整えられたのか、それとも比較例1,2又は実施例1の方法を実施したという必然的な要因により整えられたのかを判断するためである。具体的には、P値が0.05よりも小さければ、有意な差があったと判断し、肌表面のキメは、実質的に、比較例1,2又は実施例1の方法を実施したことにより、整えられたとした。
改善率(ほ)とは、比較例1,2及び実施例1について、化粧料の使用前後において、前記キメ個数、キメ平均率、そして均一性の全ての値が向上した被験者の割合を示したものである。
(比較例と本実施例の効果(その1))
表3によると、肌表面の凹凸の程度を示す(い)キメ個数改善率、(ろ)キメ平均幅改善率、(は)均一性改善率は、比較例1、2及び実施例1のいずれにおいても、向上した。しかし、比較例1、2及び実施例1の中では、(い)〜(は)のいずれを比較しても、実施例1が一番高い値を示した。また、(に)のP値を比較しても、実施例1のみが(い)〜(は)のいずれにおいても、0.05を下回った。また、(ほ)の改善率を比較しても、実施例1が一番高い値を示した。
(本実施例の効果の確認方法(その2))
実施例1の効果を、化粧料の使用前後における細胞面積の均一性で比較することにより確認した。具体的には、以下の方法により確認した。
実施例1を実施するにあたり、化粧料の使用前後における各被験者の角質細胞を角質チェッカー(シャンソン化粧品製)にて採取し、比較を行った。採取場所は、レプリカを採取した頬とは反対側の頬部とした。採取した角質細胞をマイヤーヘマトキシレン・エオジン染色した後、角質細胞面積(測定個数n:n=20)をデジタルHDマイクロスコープVH−7000(×500倍)(KEYENCE製)で測定した。この細胞面積は、各被験者の化粧料の使用前後における細胞面積のバラツキ、即ち細胞面積の均一性として評価するため、標準偏差に換算した。その結果を表4に示した。
なお、マイヤーヘマトキシリン・エオジン染色については、以下、詳細に説明する。
使用した溶液は、マイヤーヘマトキシレン液(和光純薬)、エオジンY(ムトウ化学)、純度99.5%のエタノール(和光純薬)、及び酢酸(和光純薬)である。
これらを用いて、まず、エオジン溶液(1)とエオジン溶液(2)を調製した。
エオジン溶液(1)に関しては、1gのエオジンYと20gの精製水、及び80gの95%エタノールを混合して調整した。
エオジン溶液(2)に関しては、20gのエオジン溶液(1)と80gの80%エタノールと0.5mlの酢酸を混合して調整した。
なお、95%エタノールは、95gのエタノールに5gの精製水を混合することにより、80%エタノールは、80gのエタノールに20gの精製水を混合することにより調整した。
角質染色の手順は次のようにした。
1.角質チェッカーを染色用金具にセットし、ステンレス製のパットの中にいれた。
2.30〜35℃の精製水を角質チェッカーが全て浸るようにパットの中に入れ、3分間放置した。
3.精製水を捨て、角質チェッカーを乾かした。
4.マイヤーヘマトキシレン液を角質チェッカーが浸る程度にパットの中に入れ、15分間放置した。
5.マイヤーヘマトキシレン液を捨て、30〜35℃の精製水を手順2と同様な状態になるように入れ、3分間放置した。
6.精製水を捨て、角質チェッカーを乾かした。
7.エオジン溶液(2)を角質チェッカーが浸る程度にパットの中に入れ、10分間放置した。
8.エオジン溶液(2)を捨て、95%エタノール水溶液を角質チェッカーが浸る程度に入れた後、2分間放置した。
9.パットの中の95%エタノール水溶液を捨て、再度95%エタノール水溶液を入れ、1分間放置した。
10.パットの中の95%エタノール水溶液を捨て、純度99.5%のエタノールを入れ、1分間放置した。
11.純度99.5%を捨て、角質チェッカーを乾燥させた。
(本実施例の効果(その2))
表4によると、全ての被験者に対して、化粧料の使用前後で、細胞面積標準偏差が減少した。
(本実施例の効果の確認方法(その3))
実施例1について、被験者が感じた肌の感触に対するアンケート調査を行った。表5に示すように、アンケートの項目は、乾燥、滑らかさ、くすみ、ハリ、化粧ののりに関して、被験者が従来行っていたスキンケアと比較して、実施例1により、どのような感じを受けたかを、各項目とも5段階評価で行ってもらったものであり、レベルが1から5へと上がるにつれて効果が高くなる。大別すると、評価がレベル1〜2の場合には、従来の化粧料よりも効果がなかったと感じたことを、レベル3の場合には、効果に変化がなかったことを、レベル4〜5の場合には、効果があったと感じたことを示す。アンケート調査は、化粧料の使用開始の日から14日目と、使用開始の日から28日目の計2回行った。結果は表6〜10に示した。
(本実施例の効果(その3))
表6〜10の結果によると、滑らかさ以外は、いずれの項目についても、レベル3以上の評価を得ており、全ての項目において、レベル4以上の評価を与えた人の比率は、50%を超えるものであった。また、滑らかさについても、レベル2の評価を与えた人の比率がわずか数%に過ぎず、5の評価を与えた人の比率が80%近い値を示していることからも明らかなように、効果があると判断した人の方が圧倒的に多かった。
本発明のスキンケアのための化粧料の使用方法によれば、外的要因に起因する肌荒れを抑制しつつ、効率良く肌のキメを整えることが可能になるので、新しいスキンケア方法としての利用が期待できる。
実施例で使用した化粧料とその組成を示した表1の図 表1に示した各化粧料とその使用期間の関係を示した表2の図 比較例1,2及び実施例の効果を(い)キメ個数改善率、(ろ)キメ平均幅改善率、(は)均一性改善率、(に)P値、(ほ)改善率に基づいて評価した結果を示した表3の図 実施例の効果を細胞面積に基づいて評価した結果を示した表4の図 実施例の効果をアンケート調査に基づいて評価するあたり使用したアンケート内容を示した表5の図 実施例の効果を肌の乾燥に関してアンケート調査した結果を示した表6の図 実施例の効果を肌の滑らかさに関してアンケート調査した結果を示した表7の図 実施例の効果を肌のくすみに関してアンケート調査した結果を示した表8の図 実施例の効果を肌のハリに関してアンケート調査した結果を示した表9の図 実施例の効果を化粧ののりに関してアンケート調査した結果を示した表10の図 被験者から肌表面細胞のレプリカを採取する方法を示した図 FOTOVISIONによる肌表面の凹凸の測定方法を示した図
符号の説明
1. レプリカ
2. レプリカに写し取られた肌のキメ
3. 光源
4. FOTOVISION

Claims (8)

  1. 抗酸化剤のみ、若しくは抗酸化剤とその抗酸化剤の効果を妨げない成分を配合する化粧料(A)であることを特徴とする朝使用のスキンケア化粧料。
  2. 使用期間を細胞のターンオーバーサイクルにあわせることを特徴とする請求項1記載の朝使用のスキンケア化粧料の使用方法。
  3. 角質層の細胞剥離効果のある成分(b1)と細胞賦活効果のある成分(b2)、及び/又は角質保護効果のある成分(c)を配合するが、抗酸化剤を配合しない化粧料(B)であることを特徴とする夜使用のスキンケア化粧料。
  4. 角質層の細胞剥離効果のある成分(b1)と細胞賦活効果のある成分(b2)を配合するが、抗酸化剤を配合しない化粧料(B)と、角質保護効果のある成分(c)を配合するが、抗酸化剤を配合しない化粧料(C)とからなることを特徴とする夜使用のスキンケア化粧料。
  5. 使用期間を細胞のターンオーバーサイクルにあわせることを特徴とする請求項3又は4記載の夜使用のスキンケア化粧料の使用方法。
  6. 細胞のターンオーバーサイクルのうち、(イ)細胞が分裂し、細胞核が角化して消滅するまでの期間は、前記化粧料(B)を使用し、(ロ)その細胞核の消滅した細胞が垢として剥がれ落ちるまでの期間は、前記化粧料(C)を使用することを特徴とする請求項5記載の夜使用のスキンケア化粧料の使用方法。
  7. 請求項1記載の朝使用のスキンケア化粧料(A)と請求項3記載の夜使用のスキンケア化粧料(B)から構成されることを特徴とするスキンケア化粧料セット。
  8. 請求項1記載の朝使用のスキンケア化粧料(A)を使用することにより、外的要因により肌内部に発生する活性酸素を除去し、請求項3記載の夜使用のスキンケア化粧料(B)を使用することにより、肌細胞の新陳代謝を促進、或いは角質層を保護することを特徴とする請求項7記載のスキンケア化粧料セットの使用方法。
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