JP2005170641A - コンベア装置 - Google Patents

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Hiroyuki Sato
浩幸 佐藤
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Abstract

【課題】 被搬送物間の距離が大きい区域PR1及び小さい区域DRが混在する生産ラインで、同一のコンベアにより被搬送物の搬送を行う。
【解決手段】 台車1の長さLとPR1における台車間隔DLとの和(L+DL)毎にチェーン3に配設されたトウピン20に係合する第1ドッグ21と、DLとDRにおける台車間隔DSとの差(DL−DS)分だけ第1ドッグ21の上流側にチェーン3に配設されたトウピン20に係合する第2ドッグ22と、(DL−DS)分だけ第2ドッグの上流側にチェーン3に配設されたトウピン20に係合する第3ドッグ23と、トウピン20と第1ドッグ21との係合を解除する第1カムレール11と、(L+DS)分だけ第1カムレール11の下流側に配設されトウピン20と第2ドッグ22との係合を解除する第2カムレール12を備えた。
【選択図】 図6

Description

本発明は、自動車等の大型製品の生産ラインに用いられるコンベア装置に関わり、更に詳しくは、被搬送物間の設定距離が大きい区域及び小さい区域が混在する工程を含む生産ラインに用いられるコンベア装置の改良に関するものである。
自動車等の大型製品を大量生産する生産工程は、多数の工程で細分化されると共に全長が非常に長い生産ラインが形成されている。自動車の車体の上塗工程の例を示すと、該上塗工程は、大別すると、塗装ロボット等の上塗用塗装装置が配置された上塗り区域、上塗りを終えた車体をしばらくの間常温で放置して乾燥させる乾燥区域、及び、乾燥した上塗りの上にクリアコートを施すための塗装ロボット等の塗装装置が配置されたクリアコート区域からなる塗装ラインが構成されている。このような塗装ラインは、同一のチェーンコンベアにより被搬送物(被処理物)である自動車の車体を搬送するのが一般的であり、該チェーンコンベアの駆動チェーンには、前記自動車の車体を載せる台車のトウピンを係合させることにより前記台車を牽引するためのドッグが一定間隔で配設されている。このように、前記塗装ラインの三つの処理区域における前記自動車の車体の搬送は、一般に、一定の速度及び車間距離(台車間隔)を保って行われる。
前記自動車の車体の塗装ラインにおいて、前記自動車の車体を載せる台車の搬送方向の長さを5m、当該台車に載った自動車の車体を塗装ロボット等により塗装をするために必要な台車間隔を2mとし、当該車体を20台収容して連続処理をする場合を想定すると、該塗装ラインの全長は138m(台車の搬送方向の長さは5m×20=100m、台車間隔は2m×19=38m。)を超えるものとなる。このような長い生産ラインにあっては、生産設備のコスト低減等の観点から、生産ライン全長の短縮化のニーズが特に強いものである。
一方、前記乾燥区域では、単に常温で放置されているのみであるため、乾燥のための一定時間が確保できれば前記台車間隔を短縮しても問題はない。そこで、前記塗装ラインの三つの処理区域ごとにチェーンコンベアを配設して、各チェーンコンベアの搬送速度を変えることにより前記乾燥区域の台車間隔(例えば前記例では2m。)を短縮することが考えられる。例えば、乾燥区域のチェーンコンベアによる搬送速度を遅くして、各チェーンコンベア間に台車を移乗させることにより前記台車間隔を短縮する方法である(例えば、特許文献1参照。)。
特開昭54−33479号公報(第1−2頁、第1−5図)
しかし、特許文献1の方法では、(1)前記処理区域ごとにチェーンコンベアを設ける必要があること、(2)各チェーンコンベアごとに駆動装置を設ける必要があること(共通の駆動装置とする場合であっても、処理区域の境界で速度変換を行うための歯車等の伝達機構を設ける必要があること)、(3)各チェーンコンベア間で台車をタイミングよく乗り継ぎさせるための複雑な機構が必要であること、(4)前記各駆動装置及び乗り継ぎ機構等の制御が複雑になること、等の構造上及び制御上の問題点がある。したがって、このような方法により前記生産ラインの全長を若干短縮したとしても、却って設備コストが上昇すること及び信頼性が低下すること等の問題点があった。
本発明は、前記のような問題点を解決するためになされたものであり、被搬送物間の設定距離が大きい区域及び小さい区域が混在する工程を含む生産ラインにおいて、同一のコンベアにより被搬送物の搬送を行うことができるコンベア装置を得ることを目的とする。また、複雑な制御を行うことなく簡素な構成により前記目的を達成できるため、信頼性が高く設備コストを削減することができるコンベア装置を得ることを目的とする。
本発明に係るコンベア装置は、前記課題解決のために、被搬送物間の設定距離が大きい区域及び小さい区域が混在する工程を含む生産ラインに用いられる、台車に載置された被搬送物の上流側から下流側への搬送を行うコンベア装置であって、前記台車の搬送方向の長さLと前記被搬送物間の設定距離が大きい区域における設定台車間隔DLとの和(L+DL)の長さ範囲内においてコンベアに取り付けられた、前記台車の牽引手段に係合する少なくとも2つの駆動力伝達手段を、前記コンベアに周期的に配設すると共に、前記生産ラインの被搬送物間の設定距離が小さい区域内に、少なくとも1つの、前記牽引手段と前記駆動力伝達手段との係合を選択的に解除する係合解除手段を備え、前記係合解除手段により前記牽引手段と前記和(L+DL)内の下流側の駆動力伝達手段との係合を解除して前記台車を停止させると共に、前記牽引手段と前記和(L+DL)内の上流側の駆動力伝達手段との係合により前記台車を同一のコンベアにより搬送してなるものである。
ここで、前記駆動力伝達手段として、前記コンベアに取り付けられた第1の駆動力伝達手段と、前記設定台車間隔DLと前記被搬送物間の設定距離が小さい区域における設定台車間隔DSとの差(DL−DS)分だけ前記第1の駆動力伝達手段の上流側に前記コンベアに取り付けられた第2の駆動力伝達手段とを、前記和(L+DL)ごとに前記コンベアに周期的に配設し、前記係合解除手段として、前記牽引手段と前記第1の駆動力伝達手段との係合を選択的に解除する係合解除手段とを備えると好ましい。
また、前記駆動力伝達手段として、前記コンベアに取り付けられた第1の駆動力伝達手段と、前記設定台車間隔DLと前記被搬送物間の設定距離が小さい区域における設定台車間隔DSとの差(DL−DS)分だけ前記第1の駆動力伝達手段の上流側に前記コンベアに取り付けられた第2の駆動力伝達手段と、前記差(DL−DS)分だけ前記第2の駆動力伝達手段の上流側に前記コンベアに取り付けられた第3の駆動力伝達手段とを、前記和(L+DL)ごとに前記コンベアに周期的に配設し、前記係合解除手段として、前記牽引手段と前記第1の駆動力伝達手段との係合を選択的に解除する係合解除手段と、前記台車の搬送方向の長さLと前記設定台車間隔DSとの和(L+DS)分だけ前記第1の係合解除手段の下流側に配設された、前記牽引手段と前記第2の駆動力伝達手段との係合を選択的に解除する第2の係合解除手段とを備えると好ましい。
さらに、前記駆動力伝達手段として、前記コンベアに取り付けられた第1の駆動力伝達手段と、前記設定台車間隔DLと前記被搬送物間の設定距離が小さい区域における設定台車間隔DSとの差(DL−DS)分だけ前記第1の駆動力伝達手段の上流側に前記コンベアに取り付けられた第2の駆動力伝達手段と、前記差(DL−DS)分だけ前記第2の駆動力伝達手段の上流側に前記コンベアに取り付けられた第3の駆動力伝達手段と、前記差(DL−DS)分だけ前記第3の駆動力伝達手段の上流側に前記コンベアに取り付けられた第4の駆動力伝達手段とを、前記和(L+DL)ごとに前記コンベアに周期的に配設し、前記係合解除手段として、前記牽引手段と前記第1の駆動力伝達手段との係合を選択的に解除する係合解除手段と、前記台車の搬送方向の長さLと前記設定台車間隔DSとの和(L+DS)分だけ前記第1の係合解除手段の下流側に配設された、前記牽引手段と前記第2の駆動力伝達手段との係合を選択的に解除する第2の係合解除手段と、前記和(L+DS)分だけ前記第2の係合解除手段の下流側に配設された、前記牽引手段と前記第3の駆動力伝達手段との係合を選択的に解除する第3の係合解除手段とを備えると好ましい。
さらにまた、前記コンベアがチェーンコンベアの駆動チェーンであり、前記台車の牽引手段が前記台車に取り付けられたトウピンであり、前記駆動力伝達手段が左右方向軸まわりに対向方向に回動可能な前ドッグ及び後ドッグからなるものであり、前記係合解除手段が前記駆動チェーンの左右に配設された固定式カムレールであり、前記駆動力伝達手段の中で前記固定式カムレールにより前記牽引手段との係合を解除されるものが、前記固定式カムレールにより前記前ドッグ及び後ドッグを対向方向に回動させられるものであると好ましい。
本発明に係るコンベア装置によれば、被搬送物間の設定距離が大きい区域及び小さい区域が混在する工程を含む生産ラインに用いられる、台車に載置された被搬送物の上流側から下流側への搬送を行うコンベア装置であって、前記台車の搬送方向の長さLと前記被搬送物間の設定距離が大きい区域における設定台車間隔DLとの和(L+DL)の長さ範囲内においてコンベアに取り付けられた、前記台車の牽引手段に係合する少なくとも2つの駆動力伝達手段を、前記コンベアに周期的に配設すると共に、前記生産ラインの被搬送物間の設定距離が小さい区域内に、少なくとも1つの、前記牽引手段と前記駆動力伝達手段との係合を選択的に解除する係合解除手段を備え、前記係合解除手段により前記牽引手段と前記和(L+DL)内の下流側の駆動力伝達手段との係合を解除して前記台車を停止させると共に、前記牽引手段と前記和(L+DL)内の上流側の駆動力伝達手段との係合により前記台車を同一のコンベアにより搬送してなるので、前記被搬送物間の設定距離が大きい区域及び小さい区域が混在する工程を含む生産ラインにおける前記被搬送物を載置する台車の搬送を、同一のコンベアで行うコンベア装置を得ることができる。また、前記コンベア装置の動作機構が簡素であると共に複雑な制御が不要なため、該動作の確実性及び信頼性の向上並びに設備コストの削減を実現することができる。さらに、被搬送物間の設定距離が大きい区域の被搬送物間の設定距離に合わせて生産ライン全体の被搬送物間の設定距離を同一とした場合に比べ、生産ラインの全長を短縮することができる。
また、本発明に係るコンベア装置によれば、前記駆動力伝達手段として、前記コンベアに取り付けられた第1の駆動力伝達手段と、前記設定台車間隔DLと前記被搬送物間の設定距離が小さい区域における設定台車間隔DSとの差(DL−DS)分だけ前記第1の駆動力伝達手段の上流側に前記コンベアに取り付けられた第2の駆動力伝達手段とを、前記和(L+DL)ごとに前記コンベアに周期的に配設し、前記係合解除手段として、前記牽引手段と前記第1の駆動力伝達手段との係合を選択的に解除する係合解除手段とを備えたので、前記被搬送物間の設定距離が大きい区域及び小さい区域が混在する工程を含む生産ラインにおける前記被搬送物を載置する台車の搬送を、同一のコンベアで行うコンベア装置を得ることができる。また、前記コンベア装置の動作機構が簡素であると共に複雑な制御が不要なため、該動作の確実性及び信頼性の向上並びに設備コストの削減を実現することができる。さらに、被搬送物間の設定距離が大きい区域の被搬送物間の設定距離に合わせて生産ライン全体の被搬送物間の設定距離を同一とした場合に比べ、生産ラインの全長を(DL−DS)短縮することができる。
さらに、本発明に係るコンベア装置によれば、前記駆動力伝達手段として、前記コンベアに取り付けられた第1の駆動力伝達手段と、前記設定台車間隔DLと前記被搬送物間の設定距離が小さい区域における設定台車間隔DSとの差(DL−DS)分だけ前記第1の駆動力伝達手段の上流側に前記コンベアに取り付けられた第2の駆動力伝達手段と、前記差(DL−DS)分だけ前記第2の駆動力伝達手段の上流側に前記コンベアに取り付けられた第3の駆動力伝達手段とを、前記和(L+DL)ごとに前記コンベアに周期的に配設し、前記係合解除手段として、前記牽引手段と前記第1の駆動力伝達手段との係合を選択的に解除する係合解除手段と、前記台車の搬送方向の長さLと前記設定台車間隔DSとの和(L+DS)分だけ前記第1の係合解除手段の下流側に配設された、前記牽引手段と前記第2の駆動力伝達手段との係合を選択的に解除する第2の係合解除手段とを備えたので、前記被搬送物間の設定距離が大きい区域及び小さい区域が混在する工程を含む生産ラインにおける前記被搬送物を載置する台車の搬送を、同一のコンベアで行うコンベア装置を得ることができる。また、前記コンベア装置の動作機構が簡素であると共に複雑な制御が不要なため、該動作の確実性及び信頼性の向上並びに設備コストの削減を実現することができる。さらに、被搬送物間の設定距離が大きい区域の被搬送物間の設定距離に合わせて生産ライン全体の被搬送物間の設定距離を同一とした場合に比べ、生産ラインの全長を2(DL−DS)短縮することができる。
さらにまた、本発明に係るコンベア装置によれば、前記駆動力伝達手段として、前記コンベアに取り付けられた第1の駆動力伝達手段と、前記設定台車間隔DLと前記被搬送物間の設定距離が小さい区域における設定台車間隔DSとの差(DL−DS)分だけ前記第1の駆動力伝達手段の上流側に前記コンベアに取り付けられた第2の駆動力伝達手段と、前記差(DL−DS)分だけ前記第2の駆動力伝達手段の上流側に前記コンベアに取り付けられた第3の駆動力伝達手段と、前記差(DL−DS)分だけ前記第3の駆動力伝達手段の上流側に前記コンベアに取り付けられた第4の駆動力伝達手段とを、前記和(L+DL)ごとに前記コンベアに周期的に配設し、前記係合解除手段として、前記牽引手段と前記第1の駆動力伝達手段との係合を選択的に解除する係合解除手段と、前記台車の搬送方向の長さLと前記設定台車間隔DSとの和(L+DS)分だけ前記第1の係合解除手段の下流側に配設された、前記牽引手段と前記第2の駆動力伝達手段との係合を選択的に解除する第2の係合解除手段と、前記和(L+DS)分だけ前記第2の係合解除手段の下流側に配設された、前記牽引手段と前記第3の駆動力伝達手段との係合を選択的に解除する第3の係合解除手段とを備えたので、前記被搬送物間の設定距離が大きい区域及び小さい区域が混在する工程を含む生産ラインにおける前記被搬送物を載置する台車の搬送を、同一のコンベアで行うコンベア装置を得ることができる。また、前記コンベア装置の動作機構が簡素であると共に複雑な制御が不要なため、該動作の確実性及び信頼性の向上並びに設備コストの削減を実現することができる。さらに、被搬送物間の設定距離が大きい区域の被搬送物間の設定距離に合わせて生産ライン全体の被搬送物間の設定距離を同一とした場合に比べ、生産ラインの全長を3(DL−DS)短縮することができる。
また、本発明に係るコンベア装置によれば、前記コンベアがチェーンコンベアの駆動チェーンであり、前記台車の牽引手段が前記台車に取り付けられたトウピンであり、前記駆動力伝達手段が左右方向軸まわりに対向方向に回動可能な前ドッグ及び後ドッグからなるものであり、前記係合解除手段が前記駆動チェーンの左右に配設された固定式カムレールであり、前記駆動力伝達手段の中で前記固定式カムレールにより前記牽引手段との係合を解除されるものが、前記固定式カムレールにより前記前ドッグ及び後ドッグを対向方向に回動させられるものであるので、前記コンベアチェーンの駆動チェーンとして、従来の駆動チェーンを部分的に改造したものを用いることができると共に、前記駆動力伝達手段及び係合解除手段の構成がより簡素であるため、さらに設備コストの削減及び信頼性の向上を図ることができる。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係るコンベア装置を使用して構築された被搬送物間の設定距離が大きい区域及び小さい区域が混在する工程を含む生産ラインの例である自動車の車体の上塗工程を示す平面図である。以下において、搬送方向Aを向いて左側を左、右側を右、台車1が搬送される方向側を下流側、その反対側を上流側と呼ぶ。また、図2は、本発明の実施の形態1に係るコンベア装置の駆動系を主に示す左右方向に縦断した部分断面図である。なお、図1及び図2において、被搬送物(被処理物)である自動車の車体及び塗装ロボット等の塗装装置は省略している。
図1において、塗装ラインPLは、その上流側から第1塗装区域である上塗り区域PR1、乾燥区域DR、及び、第2塗装区域であるクリアコート区域PR2により構成されている。ここで、上塗り区域PR1及びクリアコート区域PR2が、塗装ロボット等の動作の必要上等から被搬送物間の設定距離を広くする必要があるため、「被搬送物間の設定距離が大きい区域」に相当する。また、乾燥区域が「被搬送物間の設定距離が小さい区域」に相当する。なお、乾燥区域DRの長さは、乾燥に必要な時間から搬送速度、タクトタイム及び後述する停止時間等を考慮して決定される。
塗装ラインPL内の台車1,1・・・は、図2に示す同一のチェーンコンベア2により牽引されて搬送される。また、チェーンコンベア2の駆動チェーン3は、床面FLに固定されたヨーク4に支持されたレール5,5により車輪6,6をガイドされて上流側及び下流側の図示しないスプロケット間に係合する無端状のものであり、図示しないモータにより一定速度で駆動される。台車1,1・・・は、前記ヨーク4に支持された走行レール7,7により走行ローラ8,8をガイドされ、また、振れ止めレール9,9により振れ止めローラ10,10をガイドされて、前記駆動チェーン3の駆動力伝達手段であるドッグ21等(後述する第1ドッグ21、第2ドッグ22及び第3ドッグ23)に牽引手段であるトウピン20を係合させることにより、前記チェーンコンベア2の駆動力により搬送される。
図3は、塗装ラインの各区域における設定台車間隔を示す説明図であり、図3(a)は上塗り区域PR1及びクリアコート区域PR2における設定台車間隔DLを、図3(b)は乾燥区域DRにおける設定台車間隔DSを示している。
図4は、チェーンコンベアの駆動力伝達手段の説明図であり、図4(a)は平面図、図4(b)は左側面図である。チェーンコンベア2の駆動チェーン3は、内リンク17、外リンク18、これらリンクを連結するピン及び該ピンを収容するブッシュ19を基本構成要素としており、該構成により可撓性が付与されている。なお、ブッシュ19,19・・・の中心軸Bには前記外リンク18,18の左右に図2に示す車輪6,6・・・が配設されているが、これらの車輪は図示を省略している。
駆動チェーン3には、台車1の搬送方向の長さLと塗装区域PR1及びPR2における設定台車間隔DLとの和(L+DL)ごとに、第1駆動力伝達手段である第1ドッグ21が配設され、前記設定台車間隔DLと乾燥区域DRにおける設定台車間隔DSとの差(DL−DS)分だけ前記第1ドッグ21の上流側に第2駆動力伝達手段である第2ドッグ22が配設され、前記差(DL−DS)分だけ前記第2ドッグ22の上流側に第3駆動力伝達手段である第3ドッグ23が配設されている。そして、これらのドッグ21ないし23は台車1の牽引手段であるトウピン20に係合して駆動力を伝達し、台車1,1・・・が搬送される。また、第1ドッグ21には、その前ドッグ21a及び後ドッグ21bに左ローラ24,24が取り付けられており、第2ドッグ22には、その前ドッグ22a及び後ドッグ22bに右ローラ25,25が取り付けられている。第3ドッグ23には、左ローラ24,24及び右ローラ25,25のどちらも取り付けられていない。
このような駆動力伝達手段である第1ドッグ21ないし第3ドッグ23を付加した駆動チェーン3は、従来の駆動チェーンにおける既存のドッグ(左ローラ24及び右ローラ25がないもの。第3ドッグに相当。)をもとにして、前記第1ドッグ及び第2ドッグの所定位置における前記基本構成要素である内リンク17、外リンク18及びブッシュ19等を取り除いて、前記第1ドッグ21及び第2ドッグ22を取り付けるのみであるため改造が容易である。
第1ドッグ21の前ドッグ21a及び後ドッグ21b、第2ドッグ22の前ドッグ22a及び後ドッグ22b並びに第3ドッグ23の前ドッグ23a及び後ドッグ23bは、トウピン20と係合しない状態においても起き上がり状態となるように、左右方向軸であるジョイント21c及び21d、22c及び22d並びに23c及び23dにより支持されている。なお、前記トウピン20と係合しない状態における起き上がり状態は、図4の第2ドッグ22及び第3ドッグ23に示している。そして、第1ドッグ21の前ドッグ21a及び後ドッグ21b、第2ドッグ22の前ドッグ22a及び後ドッグ22b並びに第3ドッグ23の前ドッグ23a及び後ドッグ23bは、ジョイント21c及び21d、22c及び22d並びに23c及び23dまわりに対向方向に回動する。したがって、例えば停止している台車1のトウピン20に第1ドッグ21が上流側から当たった場合、前ドッグ21aが回動して前ドッグ21a及び後ドッグ21b間にトウピン20が収まり、トウピン20が第1ドッグ21に係合するため、台車1は第1ドッグ21により牽引される。第2ドッグ及び第3ドッグも、第1ドッグ21と同様のトウピン20を牽引する機能を有する。
図1及び図2において、塗装ラインPL(上塗り工程)の前工程の処理を終えた台車1は、第1ドッグ21を検出するための検出ピン13(図4及び図5には図示しないが、第1ドッグに取り付けられている。)を検出手段であるリミットスイッチ14により検出して同期がとられ、図2のモータ15によりフリクションローラ16を駆動して、該駆動力により上塗り区域PR1に搬入される。このようにして、台車1のトウピン20は必ず第1ドッグ21により牽引される。したがって、上塗り区域PR1においては、台車1,1間の間隔は、設定台車間隔DLに保たれる(図1、図3(a)及び図4(b)参照。)
図5は、チェーンコンベアの駆動力伝達手段と台車の牽引手段との係合及び係合解除手段による前記係合の解除の説明図であり、図5(a)ないし(f)は時間経過に伴う動作の変化を示している。第1係合解除手段である第1カムレール11はその上面11aにより左ローラ24,24を持ち上げて第1ドッグ21の前ドッグ21a及び後ドッグ21bを略水平にすることにより、第1ドッグ21とトウピン20との係合を解除する機能を有している。第1カムレール11の設置位置P1に第1ドッグ21が近づくと、まず前ドッグ21aに取り付けられている左ローラ24が第1カムレール11の上面11aにより持ち上げられ、前ドッグ21aはジョイント21cまわりに回動する(図5(b)参照。)。次に、後ドッグ21bに取り付けられている左ローラ24が第1カムレール11の上面11aにより持ち上げられ、後ドッグ21bがジョイント21dまわりに回動し、第1ドッグ21とトウピン20との係合が解除される(図5(c)ないし(d)参照。)。したがって、該トウピンが取り付けられている図示しない台車1は、第1ドッグ21による駆動力を失って停止する。次に、この停止している台車のトウピン20に上流側から第2ドッグ22が近づくが、第2ドッグ22の前ドッグ22a及び後ドッグ22bに取り付けられているのは右ローラ25,25であるため、第2ドッグ22とトウピン20との係合は第1カムレール11によっては解除されず、トウピン20には第2ドッグ22により駆動チェーン3の駆動力が伝達されて台車1は搬送される(図5(e)ないし(f)参照。)。このようにして、第1カムレール11を通過する第1ドッグ21のみについて、トウピン20との係合を解除することができる。
同様に、第2ドッグ22の右ローラ25,25を持ち上げて、第2ドッグ22とトウピン20との係合を解除する機能を有する第2係合解除手段である第2カムレール12を適宜位置に設置することにより、第2カムレール12を通過する第2ドッグ22のみについて、トウピン20との係合を解除することができる。このようにして、駆動力伝達手段と牽引手段との係合を選択的に解除することができる。なお、前記のとおり、第3ドッグ23には、左ローラ24,24及び右ローラ25,25のどちらも取り付けられていないため、第3ドッグ23とトウピンとの係合は前記第1カムレール11及び第2カムレール12によっては解除されない。
このような係合解除手段である固定式カムレール11及び12は、チェーンコンベア2の車輪6,6をガイドするためのレール5,5に容易に取り付けることができる(図2参照)。
図6は、本発明の実施の形態1に係るコンベア装置による前記上塗工程における台車の動作説明図である。台車1,1・・・は、説明の都合上、下流側から順番にW1,W2,W3・・・とする。駆動チェーン3の第1ドッグ21ないし第3ドッグ23の構成は図4及び図5と同一である。図6の位置P1に第1ドッグ21とトウピン20との係合を選択的に解除する前記第1カムレール11が、図6の位置P2に第2ドッグ22とトウピン20との係合を選択的に解除する前記第2カムレール12が配設されている。すなわち、上流側の第1カムレール11と下流側の第2カムレール12とは、台車1の搬送方向の長さLと乾燥区域DRにおける設定台車間隔DSとの和(L+DS)を隔てて配設されている。
図6において、上塗り区域PR1を第1ドッグ21によりトウピン20を牽引され搬送されてきた台車W1は、乾燥区域DR内の位置P1を第1ドッグ21が通過する時に第1カムレール11により、そのトウピン20と駆動チェーン3の第1ドッグ21との係合が解除されるため停止する。そして、この停止時間は、位置P1に第2ドッグ22が来るまでの時間であり、この停止により台車W1と後続の台車W2との間隔は、(DL−(DL−DS))=DS、すなわち乾燥区域DRにおける設定台車間隔DSとなる(図6(a)ないし(b)参照。)。
次に、位置P1に来た第2ドッグ22は第1カムレール11の影響を受けないため、台車W1のトウピン20と係合して(図5(f)参照。)台車W1は搬送される。したがって、設定台車間隔DSを保ったまま、台車W1は第2ドッグ22により、台車W2は第1ドッグ21により搬送される(図6(b)参照。)。
次に、台車W1が第2ドッグ22により搬送され、該第2ドッグ22が位置P2に来ると、位置P2を該第2ドッグ22が通過する時に第2カムレール12により、そのトウピン20と該第2ドッグ22との係合が解除されるため、台車W1は停止する。この時には、台車W2を牽引している第1ドッグ21は位置P1に来ており、位置P1を該第1ドッグ21が通過する時に第1カムレール11により、そのトウピン20と該第1ドッグ21との係合が解除されるため、台車W2は停止する。このようにして台車W1と台車W2とは同時に停止するため、台車W2が先行する台車W1に追突することはない。そして、この停止時間は、位置P2に第3ドッグ23が来るまでの時間(位置P1に第2ドッグ22が来るまでの時間)となる(図6(c)参照。)
次に、先行する台車W1のトウピン20は第3ドッグ23と係合するため、台車W1は第3ドッグ23により牽引されて搬送される。また、後続の台車W2は位置P1において、前記のとおりトウピン20が第2ドッグ22に係合するため、第2ドッグ22により牽引されて搬送される。この台車W2は、前記のとおり第2ドッグ22が位置P2に来た時に停止するため、台車W1とW2との間隔は、(DS+(DL−DS))=DL、すなわちクリアコート区域PR2(上塗り区域PR1)における設定台車間隔DLに戻ることになる(図6(d)参照。)。
以上のようにして、位置P1及びP2における台車1,1・・・の停止時間を乾燥時間として使用することができる。また、乾燥区域DRの台車間隔は、2(DL−DS)短縮されるため、生産ラインの全長を短縮することができる。例えば、DL=2m、DS=0.1mとすると、生産ラインの全長を3.8m短縮することができる。さらに、チェーンコンベア2の駆動チェーン3の駆動力伝達手段と台車の牽引手段との係合を解除する係合解除手段として、駆動力伝達手段である第1のドッグ21に設けたローラ24,24及び第2のドッグ22に設けたローラ25,25を持ち上げる固定式カムレール11,12を採用したため、該動作機構が簡素であると共に複雑な制御が不要なため、該動作の確実性及び信頼性を向上することができる。
以上の説明においては、前記係合解除手段として固定式カムレール11,12を用いる場合を説明したが、前記係合解除手段としては固定式カムレールに限定されるものではない。例えば、エアーシリンダ等のアクチュエータにより、駆動力伝達手段と牽引手段との係合を解除する係合解除位置及び該係合を解除しない係合非解除位置とを切り替えることができる可動式のカムレールを用いてもよい。この場合は、台車1の牽引手段を検出する例えばリミットスイッチ等の第1のセンサを前記可動式のカムレールの上流側に配設し、駆動チェーン2の駆動力伝達手段を検出する例えばリミットスイッチ等の第2のセンサを前記可動式のカムレールの下流側に配設しておき、前記第1のセンサの出力により前記可動式のカムレールを前記係合解除位置とし、前記第2のセンサの出力により前記可動式のカムレールを前記係合非解除位置とすればよい。なお、これらのセンサを配設する位置は、駆動力伝達手段間のピッチ、コンベア速度及びセンサの応答速度等により決定することができる。
実施の形態2.
図7は、本発明の実施の形態2に係るコンベア装置による前記上塗工程における台車の動作説明図である。実施の形態1の図6と同一符号は同一又は相当部分を示している。駆動チェーン3の駆動力伝達手段である第1ドッグ21及び第2ドッグ22の構成及び駆動チェーン3上の位置は実施の形態1の図4ないし図6と同一である。また、駆動力伝達手段である第3ドッグ26は第1ドッグ21と同様の構成であり、(DL−DS)分だけ前記第2ドッグ22の上流側に配設されている。さらに、駆動力伝達手段である第4ドッグ27は実施の形態1の第3ドッグ23と同様の構成であり、(DL−DS)分だけ前記第3ドッグ22の上流側に配設されている。すなわち、第1ドッグ21及び第3ドッグ26には左ローラ24,24が、第2ドッグ22には右ローラ25,25が取り付けられており、第4ドッグ27には、左ローラ24,24及び右ローラ25,25のどちらも取り付けられていない。また、図7の位置P1に第1ドッグ21とトウピン20との係合を選択的に解除する前記第1カムレール11が、図7の位置P2に第2ドッグ22とトウピン20との係合を選択的に解除する前記第2カムレール12が、図7の位置P3に第3ドッグ26とトウピン20との係合を選択的に解除する前記第3カムレール28が配設されている。なお、本実施の形態において第3カムレール28は第1カムレール11と同様の構成でよい。すなわち、第1カムレール11とその下流側の第2カムレール12とは、台車1の搬送方向の長さLと乾燥区域DRにおける設定台車間隔DSとの和(L+DS)を隔てて、また、第2カムレール12とその下流側の第3カムレール28とは、台車1の搬送方向の長さLと乾燥区域DRにおける設定台車間隔DSとの和(L+DS)を隔てて配設されている。
図7において、上塗り区域PR1を第1ドッグ21によりトウピン20を牽引され搬送されてきた台車W1は、乾燥区域DR内の位置P1を第1ドッグ21が通過する時に第1カムレール11により、そのトウピン20と駆動チェーン3の第1ドッグ21との係合が解除されるため停止する。そして、この停止時間は、位置P1に第2ドッグ22が来るまでの時間であり、この停止により台車W1と後続の台車W2との間隔は、(DL−(DL−DS))=DS、すなわち乾燥区域DRにおける設定台車間隔DSとなる(図7(a)ないし(b)参照。)。
次に、位置P1に来た第2ドッグ22は第1カムレール11の影響を受けないため、台車W1のトウピン20と係合して(図5(f)参照。)台車W1は搬送される。したがって、設定台車間隔DSを保ったまま、台車W1は第2ドッグ22により、台車W2は第1ドッグ21により搬送される(図7(b)参照。)。
次に、台車W1が第2ドッグ22により搬送され、該第2ドッグ22が位置P2に来ると、位置P2を該第2ドッグ22が通過する時に第2カムレール12により、そのトウピン20と該第2ドッグ22との係合が解除されるため、台車W1は停止する。この時には、台車W2を牽引している第1ドッグ21は位置P1に来ており、位置P1を該第1ドッグ21が通過する時に第1カムレール11により、そのトウピン20と該第1ドッグ21との係合が解除されるため、台車W2は停止する。このようにして台車W1と台車W2とは同時に停止するため、台車W2が先行する台車W1に追突することはない。そして、この停止時間は、位置P2に第3ドッグ23が来るまでの時間(位置P1に第2ドッグ22が来るまでの時間)となる(図7(c)参照。)
次に、先行する台車W1のトウピン20は第3ドッグ26と係合するため、台車W1は第3ドッグ26により牽引されて搬送される。また、後続の台車W2は位置P1において、前記のとおりトウピン20が第2ドッグ22に係合するため、第2ドッグにより牽引されて搬送される(図7(c)参照。)。
次に、台車W1が第3ドッグ26により搬送され、該第3ドッグ26が位置P3に来ると、位置P3を該第3ドッグ26が通過する時に第3カムレール28により、そのトウピン20と該第3ドッグ26との係合が解除されるため、台車W1は停止する。この時には、台車W2を牽引している第2ドッグ22は位置P2に来ており、位置P2を該第2ドッグ22が通過する時に第2カムレール12により、そのトウピン20と該第1ドッグ22との係合が解除されるため、台車W2は停止する。さらに、後続の台車W3も前記と同様に停止する。このようにして台車W1ないしW3は同時に停止するため、後続の台車が先行する台車に追突することはない。そして、この停止時間は、位置P3に第4ドッグ27が来るまでの時間(位置P2に第3ドッグ26が来るまでの時間、位置P1に第2ドッグ22が来るまでの時間)となる(図7(d)参照。)
次に、先行する台車W1のトウピン20は第4ドッグ27と係合するため、台車W1は第4ドッグ28により牽引されて搬送される。また、後続の台車W2は位置P2において、前記のとおりトウピン20が第3ドッグ26に係合するため、第3ドッグ26により牽引されて搬送される。この台車W2は、前記のとおり第3ドッグ26が位置P3に来た時に停止するため、台車W1とW2との間隔は、(DS+(DL−DS))=DL、すなわちクリアコート区域PR2(上塗り区域PR1)における設定台車間隔DLに戻ることになる(図7(e)参照。)。
以上のようにして、位置P1、P2及びP3における台車1,1・・・の停止時間を乾燥時間として使用することができる。また、乾燥区域DRの台車間隔は、3(DL−DS)短縮されるため、生産ラインの全長を短縮することができる。例えば、DL=2m、DS=0.1mとすると、生産ラインの全長を5.7m短縮することができる。
実施の形態3.
図8は、本発明の実施の形態3に係るコンベア装置による前記上塗工程における台車の動作説明図である。実施の形態1の図6と同一符号は同一又は相当部分を示している。駆動チェーン3の駆動力伝達手段である第1ドッグ21の構成及び駆動チェーン3上の位置は実施の形態1の図4ないし図6と同一である。また、駆動力伝達手段である第2ドッグ29は実施の形態1の第3ドッグ23と同様の構成であり、(DL−DS)分だけ前記第1ドッグ21の上流側に配設されている。また、図8の位置P1に第1ドッグ21とトウピン20との係合を選択的に解除する前記第1カムレール11が配設されている。
図8において、上塗り区域PR1を第1ドッグ21によりトウピン20を牽引され搬送されてきた台車W1は、乾燥区域DR内の位置P1を第1ドッグ21が通過する時に第1カムレール11により、そのトウピン20と駆動チェーン3の第1ドッグ21との係合が解除されるため停止する。そして、この停止時間は、位置P1に第2ドッグ22が来るまでの時間であり、この停止により台車W1と後続の台車W2との間隔は、(DL−(DL−DS))=DS、すなわち乾燥区域DRにおける設定台車間隔DSとなる(図8(a)ないし(b)参照。)。
次に、位置P1に来た第2ドッグ29は第1カムレール11の影響を受けないため、台車W1のトウピン20と係合して(図5(f)参照。)台車W1は搬送される。したがって、設定台車間隔DSを保ったまま、台車W1は第2ドッグ29より、台車W2は第1ドッグ21により搬送される(図8(b)ないし(c)参照。)。また、後続の台車W2は、位置P1を第1ドッグ21が通過する時に第1カムレール11により、そのトウピン20と駆動チェーン3の第1ドッグ21との係合が解除されるため停止する。(図8(c)参照。)。したがって、台車W1とW2との間隔は、(DS+(DL−DS))=DL、すなわちクリアコート区域PR2(上塗り区域PR1)における設定台車間隔DLに戻ることになる(図8(d)参照。)。
以上のようにして、位置P1における台車1,1・・・の停止時間を乾燥時間として使用することができる。また、乾燥区域DRの台車間隔は、(DL−DS)短縮されるため、生産ラインの全長を短縮することができる。例えば、DL=2m、DS=0.1mとすると、生産ラインの全長を1.9m短縮することができる。
実施の形態4.
図9は、本発明の実施の形態4に係るコンベア装置による前記上塗工程における台車の動作説明図である。実施の形態1の図6と同一符号は同一又は相当部分を示している。駆動チェーン3には、台車1,1・・・のトウピン20と係合して該台車を牽引する駆動力伝達手段である、第1ドッグ31、第2ドッグ32、第3ドッグ33及び第4ドッグ34が、台車1の搬送方向の長さLと塗装区域PR1及びPR2における設定台車間隔DLとの和(L+DL)ごとに周期的に配設されている。また、各ドッグ間の距離は、第1ドッグから上流側へそれぞれd1,d2,d3となっており、これらの和(d1+d2+d3)が前記設定台車間隔DLと前記設定台車間隔DSとの差(DL−DS)となっている。さらに、乾燥区域DR内の位置P11には第1ドッグ31とトウピン20との係合を選択的に解除する第1カムレール41が、位置P12には第2ドッグ32とトウピン20との係合を選択的に解除する第2カムレール42が、位置P13には第3ドッグ33とトウピン20との係合を選択的に解除する第3カムレール43が配設されている。
図9において、上塗り区域PR1を第1ドッグ31によりトウピン20を牽引され搬送されてきた台車W1は、乾燥区域DR内の位置P11を第1ドッグ31が通過する時に、第1カムレール41により、そのトウピン20と駆動チェーン3の第1ドッグ31との係合が解除されるため停止する。そして、この停止時間は、位置P11に第2ドッグ42が来るまでの時間であり、この停止により台車W1と後続の台車W2との間隔は、(DL−d1)となる(図9(a)ないし(b)参照。)。
次に、位置P11に来た第2ドッグ32は第1カムレール41の影響を受けないため、台車W1のトウピン20と係合して(図5(f)参照。)台車W1は搬送される。したがって、台車間隔(DL−d1)を保ったまま、台車W1は第2ドッグ32により、台車W2は第1ドッグ31により搬送される(図9(b)ないし(c)参照。)。
次に、台車W1は、位置P12を第2ドッグ32が通過する時に、第2カムレール42により、そのトウピン20と駆動チェーン3の第2ドッグ32との係合が解除されるため停止する。そして、この停止時間は、位置P12に第2ドッグ42が来るまでの時間であり、この停止により台車W1と後続の台車W2との間隔は、(DL−(d1+d2))となる(図9(d)参照。)。
次に、位置P12に来た第3ドッグ33は第2カムレール42の影響を受けないため、台車W1のトウピン20と係合して(図5(f)参照。)台車W1は搬送される。したがって、台車間隔(DL−(d1+d2)を保ったまま、台車W1は第3ドッグ33により、台車W2は第1ドッグ31により搬送される(図9(d)ないし(e)参照。)。
次に、台車W1は、位置P13を第3ドッグ33が通過する時に、第3カムレール43により、そのトウピン20と駆動チェーン3の第2ドッグ33との係合が解除されるため停止する。そして、この停止時間は、位置P13に第4ドッグ34が来るまでの時間であり、この停止により台車W1と後続の台車W2との間隔は、(DL−(d1+d2+d3))=(DL−(DL−DS))=DSとなる(図9(f)参照。)。
次に、先行する台車W1のトウピン20は第4ドッグ34と係合するため、台車W1は第4ドッグ34により牽引されて搬送される。また、後続の台車W2は位置P11,P12及びP13において、前記の台車W1と同様に停止する。したがって、すなわちクリアコート区域PR2における台車W1とW2との間隔は、(DS+(d1+d2+d3))=(DS+(DL−DS))=DL、すなわちクリアコート区域PR2(上塗り区域PR1)における設定台車間隔DLに戻ることになる。
このように、乾燥区域DR内における台車間隔の短縮を段階的に行うこともでき、位置P11,P12及びP13(さらに増やすことも可能。)における台車1,1・・・の停止時間を乾燥時間として使用することができる。また、乾燥区域DRの台車間隔は、(DL−DS)短縮されるため、生産ラインの全長を短縮することができる。例えば、DL=2m、DS=0.1mとすると、生産ラインの全長を1.9m短縮することができる。
以上の実施の形態においては、被搬送物間の設定距離が大きい区域及び小さい区域が混在する工程を含む生産ラインである自動車の車体の上塗工程において、台車1の搬送方向の長さLと被搬送物間の設定距離が大きい区域である塗装区域PR1及びPR2における設定台車間隔DLとの和(L+DL)の長さ範囲内において、台車1の牽引手段に係合する少なくとも2つの駆動力伝達手段が、チェーンコンベア1の駆動チェーン3に周期的に配設されている。そして、前記生産ラインの被搬送物間の設定距離が小さい区域DR内には、少なくとも1つの、前記台車の牽引手段と前記駆動力伝達手段との係合を選択的に解除する係合解除手段が配設されている。したがって、前記係合解除手段により前記牽引手段と前記駆動力伝達手段との係合を選択的に解除して前記台車を停止させると共に、前記牽引手段と後続の駆動力伝達手段の係合により前記台車を搬送することにより、前記被搬送物間の設定距離が大きい区域及び小さい区域が混在する工程を含む生産ラインにおける台車に載置された被搬送物の上流側から下流側への搬送を、同一のチェーンコンベアを用いて実現したものである。また、被搬送物間の設定距離が大きい区域の被搬送物間の設定距離に合わせて生産ライン全体の被搬送物間の設定距離を同一とした場合に比べ、生産ラインの全長を大幅に短縮することが可能となった。
以上の説明においては、コンベア装置としてチェーンコンベアを用いる場合を説明したが、ベルトコンベア等の他のコンベアを用途に応じて使用することができる。
本発明の実施の形態1に係るコンベア装置を使用して構築された被搬送物間の設定距離が大きい区域及び小さい区域が混在する工程を含む生産ラインの例である自動車の車体の上塗工程を示す平面図である。 本発明の実施の形態1に係るコンベア装置の駆動系を主に示す左右方向に縦断した部分断面図である。 塗装ラインの各区域における設定台車間隔を示す説明図であり、(a)は上塗り区域P1及びクリアコート区域P2における設定台車間隔DLを、(b)は乾燥区域Dにおける設定台車間隔DSを示している。 チェーンコンベアの駆動力伝達手段の説明図であり、(a)は平面図、(b)は左側面図である。 前記駆動力伝達手段と台車の牽引手段との係合及び係合解除手段による前記係合の解除の説明図であり、(a)ないし(f)は時間経過に伴う動作の変化を示している。 本発明の実施の形態1に係るコンベア装置による前記上塗工程における台車の動作説明図である。 本発明の実施の形態2に係るコンベア装置による台車の動作説明図である。 本発明の実施の形態3に係るコンベア装置による台車の動作説明図である。 本発明の実施の形態4に係るコンベア装置による台車の動作説明図である。
符号の説明
1,W1,W2,W3,W4 台車
2 チェーンコンベア
3 駆動チェーン
11 第1カムレール
11a 第1カムレールの上面
12 第2カムレール
20 トウピン
21 第1ドッグ
21a 前ドッグ
21b 後ドッグ
21c,21d ジョイント
22 第2ドッグ
22a 前ドッグ
22b 後ドッグ
22c,22d ジョイント
23 第3ドッグ
23a 前ドッグ
23b 後ドッグ
23c,23d ジョイント
24 左ローラ
25 右ローラ
26 第3ドッグ
27 第4ドッグ
28 第3カムレール
31 第1ドッグ
32 第2ドッグ
33 第3ドッグ
34 第4ドッグ
41 第1カムレール
42 第2カムレール
43 第3カムレール
P1,P2,P3 カムレールの位置
P11,P12,P13 カムレールの位置
A 搬送方向
PL 塗装ライン
PR1 上塗り区域(被搬送物間の設定距離が大きい区域)
PR2 クリアコート区域(被搬送物間の設定距離が大きい区域)
DR 乾燥区域(被搬送物間の設定距離が小さい区域)
L 台車1の搬送方向の長さ
DL 塗装区域PR1及びPR2における設定台車間隔
DS 乾燥区域DRにおける設定台車間隔

Claims (5)

  1. 被搬送物間の設定距離が大きい区域及び小さい区域が混在する工程を含む生産ラインに用いられる、台車に載置された被搬送物の上流側から下流側への搬送を行うコンベア装置であって、
    前記台車の搬送方向の長さLと前記被搬送物間の設定距離が大きい区域における設定台車間隔DLとの和(L+DL)の長さ範囲内においてコンベアに取り付けられた、前記台車の牽引手段に係合する少なくとも2つの駆動力伝達手段を、前記コンベアに周期的に配設すると共に、前記生産ラインの被搬送物間の設定距離が小さい区域内に、少なくとも1つの、前記牽引手段と前記駆動力伝達手段との係合を選択的に解除する係合解除手段を備え、
    前記係合解除手段により前記牽引手段と前記和(L+DL)内の下流側の駆動力伝達手段との係合を解除して前記台車を停止させると共に、前記牽引手段と前記和(L+DL)内の上流側の駆動力伝達手段との係合により前記台車を同一のコンベアにより搬送してなるコンベア装置。
  2. 前記駆動力伝達手段として、前記コンベアに取り付けられた第1の駆動力伝達手段と、前記設定台車間隔DLと前記被搬送物間の設定距離が小さい区域における設定台車間隔DSとの差(DL−DS)分だけ前記第1の駆動力伝達手段の上流側に前記コンベアに取り付けられた第2の駆動力伝達手段とを、前記和(L+DL)ごとに前記コンベアに周期的に配設し、
    前記係合解除手段として、前記牽引手段と前記第1の駆動力伝達手段との係合を選択的に解除する係合解除手段とを備えた請求項1記載のコンベア装置。
  3. 前記駆動力伝達手段として、前記コンベアに取り付けられた第1の駆動力伝達手段と、前記設定台車間隔DLと前記被搬送物間の設定距離が小さい区域における設定台車間隔DSとの差(DL−DS)分だけ前記第1の駆動力伝達手段の上流側に前記コンベアに取り付けられた第2の駆動力伝達手段と、前記差(DL−DS)分だけ前記第2の駆動力伝達手段の上流側に前記コンベアに取り付けられた第3の駆動力伝達手段とを、前記和(L+DL)ごとに前記コンベアに周期的に配設し、
    前記係合解除手段として、前記牽引手段と前記第1の駆動力伝達手段との係合を選択的に解除する係合解除手段と、前記台車の搬送方向の長さLと前記設定台車間隔DSとの和(L+DS)分だけ前記第1の係合解除手段の下流側に配設された、前記牽引手段と前記第2の駆動力伝達手段との係合を選択的に解除する第2の係合解除手段とを備えた請求項1記載のコンベア装置。
  4. 前記駆動力伝達手段として、前記コンベアに取り付けられた第1の駆動力伝達手段と、前記設定台車間隔DLと前記被搬送物間の設定距離が小さい区域における設定台車間隔DSとの差(DL−DS)分だけ前記第1の駆動力伝達手段の上流側に前記コンベアに取り付けられた第2の駆動力伝達手段と、前記差(DL−DS)分だけ前記第2の駆動力伝達手段の上流側に前記コンベアに取り付けられた第3の駆動力伝達手段と、前記差(DL−DS)分だけ前記第3の駆動力伝達手段の上流側に前記コンベアに取り付けられた第4の駆動力伝達手段とを、前記和(L+DL)ごとに前記コンベアに周期的に配設し、
    前記係合解除手段として、前記牽引手段と前記第1の駆動力伝達手段との係合を選択的に解除する係合解除手段と、前記台車の搬送方向の長さLと前記設定台車間隔DSとの和(L+DS)分だけ前記第1の係合解除手段の下流側に配設された、前記牽引手段と前記第2の駆動力伝達手段との係合を選択的に解除する第2の係合解除手段と、前記和(L+DS)分だけ前記第2の係合解除手段の下流側に配設された、前記牽引手段と前記第3の駆動力伝達手段との係合を選択的に解除する第3の係合解除手段とを備えた請求項1記載のコンベア装置。
  5. 前記コンベアがチェーンコンベアの駆動チェーンであり、前記台車の牽引手段が前記台車に取り付けられたトウピンであり、前記駆動力伝達手段が左右方向軸まわりに対向方向に回動可能な前ドッグ及び後ドッグからなるものであり、前記係合解除手段が前記駆動チェーンの左右に配設された固定式カムレールであり、前記駆動力伝達手段の中で前記固定式カムレールにより前記牽引手段との係合を解除されるものが、前記固定式カムレールにより前記前ドッグ及び後ドッグを対向方向に回動させられるものである請求項1〜4のいずれかに記載のコンベア装置。
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