JP2005169970A - 金属含有布帛およびそれからなる熱的迷彩布帛ならびに金属含有布帛の製造方法 - Google Patents

金属含有布帛およびそれからなる熱的迷彩布帛ならびに金属含有布帛の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
意匠性に優れ、かつ柔軟性、通気性および熱的特性に優れた金属含有布帛およびそれからなる熱的迷彩布帛ならびに金属含有布帛の製造方法を提供する。
【解決手段】
布帛の少なくとも片面に金属薄膜層および着色剤含有樹脂層を有する金属含有布帛であって、金属薄膜層および着色剤含有樹脂層は布帛表面を構成する糸条部に形成され、かつ、125Pa時の通気度が、0.5cc/cm2/sec以上であることを特徴とする金属含有布帛。
上記の金属含有布帛からなることを特徴とする熱的迷彩布帛。
布帛の少なくとも片面に、金属蒸着によって金属薄膜層を形成し、次いでその金属薄膜層の糸条部に着色剤含有樹脂からなる処理液を塗布した後、乾燥させることを特徴とする金属含有布帛の製造方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、金属含有布帛に関するものであり、さらに詳しくは、布帛に金属薄膜層と着色剤含有樹脂層が形成された優れた柔軟性および通気性を有する金属含有布帛およびそれからなる熱的迷彩布帛ならびに金属含有布帛の製造方法に関するものである。
従来、金属層を含有した布帛としては、布帛表面に真空蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング加工等を施した金属蒸着布帛、またはフィルム表面に金属蒸着を施し、布帛に転写する金属転写布帛が開示されている。例えば、樹脂繊維からなる不織布に金属をスパッタリングし、遮熱層、蓄熱層を形成したシート(例えば、特許文献1、特許文献2参照)、布帛に金属酸化物の透明膜が物理蒸着により形成された保温性布帛(例えば、特許文献3参照)が提案されている。しかしながら、特許文献1および特許文献2に開示されている金属蒸着加工シートは、柔軟性、通気性を有する遮熱性、蓄熱性が認められるが、シート表面が金属層で形成されているため無彩色の金属色になり、有彩色の色調が得られない。また、特許文献3に開示されている保温性布帛は、有彩の色調を出現させるため、染色した布帛に金属酸化物の透明膜が蒸着形成されているが、表面の金属酸化物の影響により、十分な色調が得られないのが実状である。一方、布帛表面に金属薄膜層および着色剤含有樹脂層が積層されてなる赤外線偽装シート(例えば、特許文献4参照)が開示されているが、この赤外線偽装シートは有彩色の色調は得られるが、柔軟性、通気性が不十分と言う問題点があった。
特開2001−115252号公報 特開2001−172761号公報 特開2002−030566号公報 特開2003−260751号公報
本発明の目的は、かかる従来技術の欠点に鑑み、意匠性に優れ、かつ柔軟性、通気性および熱的特性に優れた金属含有布帛およびそれからなる熱的迷彩布帛ならびに金属含有布帛の製造方法を提供せんとするものである。
本発明は、上記目的を達成するために、次のような構成を有する。すなわち、本発明の金属含有布帛は、布帛の少なくとも片面に金属薄膜層および着色剤含有樹脂層を有する金属含有布帛であって、金属薄膜層および着色剤含有樹脂層は布帛表面を構成する糸条部に形成され、かつ、125Pa時の通気度が、0.5cc/cm2/sec以上であることを特徴とするものである。また、本発明の熱的迷彩布帛は、上記の金属含有布帛からなることを特徴とし、好ましくは、金属含有布帛が、金属薄膜層および着色剤含有樹脂層を有し、この着色剤含有樹脂層が、迷彩模様を形成していることを特徴とするものである。
また、本発明の金属含有布帛の製造方法は、布帛の少なくとも片面に、金属蒸着によって金属薄膜層を形成し、次いでその金属薄膜層の糸条部に着色剤含有樹脂からなる処理液を塗布した後、乾燥させることを特徴とする。
本発明によれば、有彩色の色調を有することができ意匠性に優れ、かつ、柔軟で通気性、遮熱性にも優れた金属含有布帛を、また、森林や草原などの自然環境に対し、優れた偽装効果を有する熱的迷彩布帛を提供することができる。
本発明は、金属含有布帛において、有彩色の色調を有する柔軟性、通気性および熱的特性に優れた金属含有布帛を提供せんと鋭意検討したところ、金属薄膜層および着色剤含有樹脂層が布帛表面を構成する糸条部に形成されていることにより、かかる課題を解決できることを見い出したものである。
本発明の金属含有布帛は、布帛の少なくとも片面に金属薄膜層および着色剤含有樹脂層を有し、金属薄膜層および着色剤含有樹脂層は布帛表面を構成する糸条部に形成され、かつ、125Pa時の通気度が、0.5cc/cm2/sec以上であることを特徴とする。ここで、糸条部に形成されるとは、布帛を構成する糸条の表面に形成され、布帛に存在する空隙部(織物であれば目合い部)には形成されず、金属薄膜層および着色剤含有樹脂層が空隙部においては連続層となっていないことを意味する。ここで、糸条とは、単繊維の収束体、集合体を意味する。また、糸条部に形成される態様においても、糸条表面を連続層で覆ってしまうよりも、糸条を構成する単繊維それぞれの表面に、金属薄膜層および着色剤含有樹脂層が形成されているものが、柔軟性、通気性の面からさらに効果を発揮する(図1参照)。なお、糸条部における金属薄膜層および着色剤含有樹脂層の層形状としては、連続被膜形状(線状被膜)であっても、非連続被膜形状(点の集合被膜)であってもよい。
また、本発明における布帛とは、織物、編地、不織布をいう。その中でも、布帛強力の面からは、織物が好ましく用いられる。かかる布帛を構成する素材としては特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのホモポリエステル、ポリエステルの繰り返し単位を構成する酸成分にイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸またはアジピン酸などの脂肪族ジカルボン酸などを共重合した共重合ポリエステルなどからなるポリエステル繊維、ナイロン6、ナイロン6・6、ナイロン12、ナイロン4・6、ナイロン6成分とナイロン6・6成分を共重合した共重合ポリアミドなどからなるポリアミド繊維、ビニロン繊維ポリパラフェニレンテレフタルアミド、ポリメタフェニレンイソフタルアミドなどに代表されるアラミド繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタンなどの繊維がある。かかる繊維には、原糸の製造工程や加工工程での生産性あるいは特性改善のために通常使用されている各種添加剤、例えば、熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、平滑剤、帯電防止剤、可塑剤、難燃剤などを適宜含有せしめてもよい。また、これらの繊維からなる布帛は、染色等により着色されていてもよい。これらの繊維の中でも、金属蒸着加工性、強力の面からは、ポリエステル繊維、アラミド繊維が好ましく用いられる。
かかる金属薄膜層を形成する金属としては、チタン、ステンレス、ニッケル、クロム、金、銀、銅、鉄、亜鉛、アルミニウム等や、これらの合金等が適宜使用される。その中でも加工性および熱遮断性、熱的迷彩性等の熱的特性の面からチタン、ステンレス、アルミニウム、ニッケル、銀から選ばれる少なくとも1種の金属が好ましく用いられる。一方、かかる金属薄膜層は、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等により形成されるが、加工性、金属層の密着性の面からスパッタリング法が好ましく用いられる。また、必要に応じ、前記金属を複数積層形成させてもよい。糸条部における金属薄膜層の厚さは、柔軟性、熱的特性の点から0.01〜0.1μmであることが好ましい。0.01μm未満では、十分な熱的特性が得られ難くなり、また0.1μmを越えると十分な柔軟性、通気性を得ることが困難になるとともに製造費が高くなる。なお、金属薄膜層を布帛表面に形成する際、圧延法により形成された金属箔等を接着剤を介して布帛に積層したり、フィルム上に金属薄膜層を一旦、形成し、接着剤を介して布帛に転写したものは、布帛の目合い部に樹脂層や接着剤層が形成され、柔軟性、通気性が損なわれ好ましくない。また、水分率の高いポリアミド繊維等からなる布帛に蒸着する際は、水分除去処理を施すことが好ましい。
また、かかる着色剤含有樹脂層は、布帛に形成された上記の金属薄膜層上に形成される。着色剤は、顔料、染料が挙げられるが、主として無機顔料、有機顔料が用いられる。例えば、無機顔料としては、酸化チタン、炭酸カルシウム、ベンガラ、カーボンブラック等を主成分とする顔料、有機顔料としては、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、スレン顔料、イソインドリン顔料等が挙げられる。また、樹脂層を形成する樹脂としては、ビニル系、アクリル系、ウレタン系、ポリエステル系、ポリウレタン系、エポキシ系、アルキッド系等の樹脂が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの中でも、金属層への接着性および柔軟性の面からウレタン系樹脂が好ましく用いられる。また、樹脂は水系であっても、溶剤系であってもよい。これらからなる着色剤含有樹脂の処理液を、コーティング方式、プリント(顔料捺染)方式、噴霧方式、印刷方式等で糸条部に形成された金属薄膜層上に塗布し、乾燥して着色剤含有樹脂層は形成される。この場合、布帛に存在する空隙部に着色剤含有樹脂層を形成させると柔軟性、通気性が得られず、布帛を構成する糸条部に着色剤含有樹脂層を形成しなければならない。
なお、コーティング方式については、押圧してコートするナイフコーティングやクリアランスを必要とするコンマコーティングは、布帛に存在する空隙部に着色剤含有樹脂層が形成され易く好ましくない。つまり、コーティングについては、布帛を構成する糸条部に着色剤含有樹脂層を形成させる工夫が必要である。このようなことから、着色剤含有樹脂を金属薄膜層上に塗布するには、糸条部への塗布性の面から印刷方式、プリント方式が好ましく、特に薄膜形成で意匠性、通気性に優れる凸版印刷が好ましく用いられる。
印刷における着色剤含有樹脂とはインキ組成液を言い、色剤(顔料、染料)、ビヒクル(油脂、樹脂、溶剤)、補助剤(分散剤、消泡剤、可塑剤等)が適宜組み合わせられる。また、糸条部における着色剤含有樹脂層の厚さは、柔軟性、通気性、色調の点から0.5〜10μmが好ましい。0.5μm未満では、十分な色調が得られ難くなり、また10μmを越えると十分な柔軟性、通気性を得ることが困難になりうる。なお、必要に応じ、着色剤含有樹脂層は金属薄膜層上に、部分的に形成してもよい。
本発明の金属含有布帛は、熱的迷彩布帛として好適に使用することができる。とくに、上記の着色剤含有樹脂層の形成において着色剤含有樹脂層を迷彩模様に塗布すると熱的迷彩布帛としての効果をさらに発揮させることができる。
かかる金属含有布帛は、例えば、被服、テント、カーテン、バッグ、カバー類などの用途に好ましく用いられる。布帛に含有している金属は、遮熱や蓄熱の機能を有するので、本発明の金属含有布帛をカーテンに用いると、室内の冷暖房効率を良くすることが可能となり、被服に用いると、本布帛は蓄熱機能と通気性を兼ね備えているので、蒸れずに保温することが可能となる。また、熱的迷彩性を有するので、被服、テント、バッグ、カバー類に用いると遠赤外線に対する偽装性に優れたものになる。
次に、本発明の金属含有布帛を図面により説明する。図1は本発明の金属含有布帛の表面写真の一例を示したものであり、布帛表面を構成する糸条部にチタン蒸着薄膜層と着色剤含有樹脂層が形成されたものである。図2は従来の金属蒸着布帛の表面写真の一例を示したものであり、布帛表面にチタン蒸着薄膜層と着色剤含有樹脂層が形成されたものである。
次に実施例により、本発明をさらに詳しく説明する。
なお、実施例中における特性は、下記の方法により求めた。
(1)色調
肉眼にて観察した。
(2)柔軟性
JIS L 1096 8.19.1A法(45°カンチレバー法)に基づき測定した
(3)通気性
テクストテスト社製通気度測定装置を用い、流体空気を125Paの圧力に調整して流し、その時の通過する空気流量(cc/cm2/sec)を測定した。
(4)熱的特性
ASTM保温性試験機(大栄科学精器製)を用い、25℃環境下で36℃に設定した熱板上(40W一定)に試料を置き、60分間、36℃を維持するのに通電した時間を測定し、次式により、熱貫流抵抗および保温性を求めた。
熱貫流抵抗(m2hr℃/Kcal)
=6.54×{(36−25)/b}
保温性(%)={(a−b)/a}×100
a:試料を取り付けない時の通電時間
b:試料を取り付けた時の通電時間
(5)熱的迷彩性
試料をを被服に縫製して着用し、森林を背景に、検出波長8〜14μmの赤外線画像装置を用いて、100mの距離から画像装置に映し出されたコントラストより偽装性を観察した。森林と混和して、形状認識がしにくい場合を偽装性に優れると判定し、森林と混和せず、形状認識ができる場合を偽装性に劣ると判定した。
実施例1
総繊度83デシテックス、フィラメント数36本のポリエステル繊維100%からなる目付65g/m2の平組織の織物を常法により精練・熱セットした。次いで、スパッタリング装置を用い、この織物の表面に、チタンの膜厚が糸条部で0.05μmになるように調整し、アルゴン雰囲気中で蒸着加工を施し、織物表面を構成する糸条部にチタン薄膜層を形成した。しかる後、チタン蒸着面に、着色剤含有樹脂として、顔料とウレタン樹脂含有のビヒクルからなる緑系インキ組成液を用い、糸条部で5μmの膜厚になるように凸版印刷機(フレキソ印刷)で塗布し、70℃で乾燥した。
このようにして得られた金属含有布帛の特性を表1に示した。実施例1にかかる金属含有布帛は、表面が緑系色を有しており意匠性に優れ、柔軟性、通気性および熱的特性にも優れていた。
比較例1,2
実施例1と同一のポリエステル繊維100%からなる目付65g/m2の平組織の織物を常法により精練・熱セットした。次いで、スパッタリング装置を用い、この織物の表面に、チタンの膜厚が糸条部で0.05μmになるように調整し、アルゴン雰囲気中で蒸着加工を施し、織物表面を構成する糸条部にチタン薄膜層を形成し、金属蒸着布帛を作製した(比較例1)。一方、平組織の織物表面に、蒸着加工をせずに、着色剤含有樹脂として、顔料とウレタン樹脂含有のビヒクルからなる緑系インキ組成液を用い、糸条部で5μmの膜厚になるように凸版印刷機(フレキソ印刷)で塗布し、70℃で乾燥し、金属を含有しない印刷布帛を作製した(比較例2)。
このようにして得られた布帛の特性を表1に示した。比較例1の金属蒸着布帛は、優れた柔軟性、通気性および熱的特性を有するが、表面が無彩色なものであり、意匠性の点では十分なものではなかった。一方、比較例2の金属を含有しない印刷布帛は、表面は有彩色を有するが、熱的特性が得られなかった。
比較例3
蒸着加工を施した後、顔料とポリウレタン樹脂からなる緑系着色剤含有樹脂をナイフコーティングにて、糸条部で5μmの膜厚になるように塗布した以外は実施例1と同様にして金属含有布帛を作製した。
このようにして得られた金属含有布帛の特性を表1に示した。比較例3の金属含有布帛は、遮熱性は優れていたが、織物の目合い部分にも着色剤含有樹脂層が形成されており通気性は認められず、また、柔軟性が十分でなかった。
比較例4
実施例1と同一のポリエステル繊維100%からなる目付65g/m2の平組織の織物を精練・熱セットした。一方、ポリエステルフィルム上に離型層を介して真空蒸着により、チタンの膜厚が糸条部で0.05μmになるように蒸着加工を施した。しかる後、5μmの膜厚を有するポリウレタン系樹脂を介して上記フィルム上に形成されたチタン膜をかかる織物表面に転写した。次いで、実施例1と同様にしてチタン蒸着面に、着色剤含有樹脂として、顔料とビヒクルからなる緑系インキ組成液を用い、糸条部で5μmの膜厚になるように凸版印刷(フレキソ印刷)法により塗布し、乾燥した。
このようにして得られた金属転写布帛の特性を表1に示した。比較例4の金属転写布帛は、色調、遮熱性に優れてはいたが、織物の目合い部分にも金属層および着色剤含有樹脂層が形成されており、通気性は認められず、また柔軟性が十分でなかった。
実施例2
総繊度167デシテックス、フィラメント数48本のポリエステル繊維100%からなる目付220g/m2のツイル組織の織物を精練・熱セットした。次いで、この織物の表面に、チタンを用い、膜厚が糸条部で0.01μmになるように調整し、アルゴン雰囲気中でスパッタリング法にて蒸着加工を施した。さらに、チタン蒸着面に、アルミニウムを用い、膜厚が糸条部で0.06μmになるように同様に蒸着加工を施した。しかる後、アルミニウム蒸着面に、着色剤含有樹脂として、淡緑色、濃緑色、茶色および黒色の顔料とビヒクルからなる4色のインキ組成液を用い、各色の膜厚が糸条部で2〜5μmになるように凸版印刷(フレキソ印刷)法により迷彩模様に塗布し、乾燥した。
このようにして得られた金属含有布帛の特性を表2に示した。実施例2にかかる金属含有布帛は、表面が迷彩模様を有し、柔軟性、通気性および遠赤外線に対する偽装性にも優れていた。
比較例5,6
実施例2と同一のポリエステル繊維100%からなる目付220g/m2のツイル組織の織物を精練・熱セットした。一方、ポリエステルフィルム上に離型層を介して真空蒸着により、アルミニウムの膜厚が0.07μmになるように蒸着加工を施した。しかる後、5μmの膜厚を有するポリウレタン系樹脂を介して上記フィルム上に形成されたアルミニウム膜を、かかる織物表面に転写した。次いで、実施例2と同様にアルミニウム蒸着面に、4色のインキ組成液を用い、各色の膜厚が糸条部で2〜5μmになるように凸版印刷(フレキソ印刷)法により迷彩模様に塗布し、乾燥し、金属転写布帛を作製した(比較例5)。一方、同じツイル組織の織物表面に、実施例2と同様に4色のインキ組成液を用い、各色の膜厚が2〜5μmになるように凸版印刷(フレキソ印刷)法により迷彩模様に塗布し、乾燥し、金属を含有しない印刷布帛を作製した(比較例6)。
このようにして得られた布帛の特性を表2に示した。比較例5の金属転写布帛は、色調、遠赤外線に対する偽装性は優れていたが、織物の目合い部分にも金属層および着色剤含有樹脂層が形成されており、通気性は認められず、また柔軟性が十分でなかった。一方、比較例6の金属を含有しない迷彩印刷基布は、遠赤外線に対する偽装性、つまり熱的迷彩性が認められなかった。
Figure 2005169970
Figure 2005169970
この図は、本発明の金属含有布帛の表面写真の一例を示したものである。 この図は、従来の金属蒸着布帛の表面写真の一例を示したものである。

Claims (13)

  1. 布帛の少なくとも片面に金属薄膜層および着色剤含有樹脂層を有する金属含有布帛であって、金属薄膜層および着色剤含有樹脂層は布帛表面を構成する糸条部に形成され、かつ、125Pa時の通気度が、0.5cc/cm2/sec以上であることを特徴とする金属含有布帛。
  2. 糸条部における金属薄膜層の厚みが、0.01〜0.1μmであることを特徴とする、請求項1に記載の金属含有布帛。
  3. 糸条部における着色剤含有樹脂層の厚みが、0.5〜10μmであることを特徴とする、請求項1または2に記載の金属含有布帛。
  4. 着色剤含有樹脂層が、金属薄膜層上に部分的に形成されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の金属含有布帛。
  5. 金属薄膜層が、チタン、ステンレス、アルミニウム、ニッケル、銀から選ばれる少なくとも1種の金属からなることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の金属含有布帛。
  6. 布帛が、織物であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の金属含有布帛。
  7. 金属薄膜層および着色剤含有樹脂層が、織物表面の糸条を構成する単繊維上に形成されていることを特徴とする、請求項6に記載の金属含有布帛。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の金属含有布帛からなることを特徴とする熱的迷彩布帛。
  9. 金属含有布帛が、金属薄膜層および着色剤含有樹脂層を有し、この着色剤含有樹脂層が、迷彩模様を形成していることを特徴とする、請求項8記載の熱的迷彩布帛。
  10. 布帛の少なくとも片面に、金属蒸着によって金属薄膜層を形成し、次いでその金属薄膜層の糸条部に着色剤含有樹脂からなる処理液を塗布した後、乾燥させることを特徴とする金属含有布帛の製造方法。
  11. 金属蒸着が、スパッタリング法によるものであることを特徴とする、請求項10に記載の金属含有布帛の製造方法。
  12. 着色剤含有樹脂からなる処理液の塗布が、印刷法によるものであることを特徴とする、請求項10に記載の金属含有布帛の製造方法。
  13. 印刷法が、凸版印刷法であることを特徴とする、請求項12に記載の金属含有布帛の製造方法。
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