JP2005169846A - 液体噴射記録ヘッドの製造方法、及び該製造工程における中間構造体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 インクジェット記録ヘッドの製造方法において、吐出口と流路の境界部に形成されるひさし状のスカムの発生を防ぎ、寸法精度と安定性を向上し、かつ新たに出てきた不具合に対しての解決の方法を提供する。
【解決手段】 インク吐出圧力発生素子と液路予定部を埋める固体層を設けた基体上に、光酸発生触媒により硬化されるノズル形成材料を被覆し、一部を遮光しながら露光し遮光部分を現像液で溶解することで該吐出口を形成し、前記固体層を除去することによりノズルを形成する工程を包含し、かつ前記固体層を2層にし、下層の固体層よりも上層の固体層の方が前記現像液に対して高い溶解性を有するようにするインクジェット記録ヘッドの製造方法。並びに、吐出口となる開口部を形成するために前記ノズル形成材料の層に形成された貫通口が2層の固体層のうち上層のみを貫通し下層に達している、前記方法の中間構造体。
【選択図】 図10
【解決手段】 インク吐出圧力発生素子と液路予定部を埋める固体層を設けた基体上に、光酸発生触媒により硬化されるノズル形成材料を被覆し、一部を遮光しながら露光し遮光部分を現像液で溶解することで該吐出口を形成し、前記固体層を除去することによりノズルを形成する工程を包含し、かつ前記固体層を2層にし、下層の固体層よりも上層の固体層の方が前記現像液に対して高い溶解性を有するようにするインクジェット記録ヘッドの製造方法。並びに、吐出口となる開口部を形成するために前記ノズル形成材料の層に形成された貫通口が2層の固体層のうち上層のみを貫通し下層に達している、前記方法の中間構造体。
【選択図】 図10
Description
本発明は、液体噴射(以下、「インクジェット」という)記録方式に用いる記録液(インク)小滴を発生するための液体噴射記録ヘッドの製造方法、及び該製造工程における中間構造体に関する。
この種のインクジェット記録方式に適用されるインクジェット記録ヘッドは、一般に微細なインク吐出口(オリフィス)、液流路及びこの液流路の一部に設けられる液体吐出エネルギー発生部を複数備えている。そして、このようなインクジェット記録ヘッドで高品位の画像を得るためには、前記吐出口から吐出されるインク小滴がそれぞれの吐出口より常に同じ体積、吐出速度で吐出されることが望ましい。
そこで、以下に説明する製造方法が、本願発明と同一の出願人により、特開平6-286149号公報(特許文献1)により出願開示されている。すなわち、図2から図6に示すように、インク吐出圧発生素子とオリフィス間の距離を極めて高い精度で短くかつ再現よく設定可能で、高品位記録を可能にするため、インク吐出圧力発生素子が形成された基板上に、溶解可能な樹脂にてインク流路パターンを形成する工程(図2)と、常温にて固体状のエポキシ樹脂を含む被覆樹脂を溶媒に溶解して、これを溶解可能な樹脂層上にソルベントコートすることによって、溶解可能な樹脂層上にインク流路壁となる被覆樹脂層を形成する工程(図3)と、インク吐出圧力発生素子上方の被覆樹脂層にインク吐出口を形成する工程(図4,図5)と、溶解可能な樹脂層を溶出する工程(図6)とを有することを特徴とするものである。
しかし、紫外線を被覆樹脂層に照射し、パターン形成を行なう際、吐出口部分は照射されない領域であるにもかかわらず、流路パターンとの境に、わずかなスカム(現像残渣)の発生することが確認されている(図5および6)。
このスカムは、被覆樹脂層を紫外線により照射した時、インク流路パターン層と被覆樹脂層の界面で光の反射が生じ、本来の未露光部分に光が回り込み被覆樹脂層がわずかに硬化したためと考えられている。
このインク吐出口とインク流路の境界部に形成されるひさし状のスカムは、極微小のため問題ないと判断されていた。しかし、近年のプリンタにおいては、益々高画質化、高精細化の傾向にあり、インク吐出量は少なくなる為、吐出口寸法は益々微細化していくので、これらのスカムの大きさが従来と同じ大きさであっても、相対的に吐出特性とりわけインク液滴方向に与える影響が大きくなり、問題視されるようになってきた。
そのため、これらのスカムを無くす、もしくは、より小さくする必要が生じた。この問題を解決する方法として、本願発明と同一の出願人により特開2001-179990号公報(特許文献2)により、インク流路となる部分を占有する固体層に塩基性物質を添加する製造方法が開示されている。この方法によれば、固体層とノズル形成材料から出来た相溶層に固体層に含まれている塩基性物質が混ざりこみ、酸発生触媒による硬化反応が阻害されるのでノズル形成材料を除去する際に相溶層が除去され、スカムの発生が無くなる。
しかし、ノズル形成材料の硬化反応を阻害させる物質を扱うので生産現場では管理を注意して行なわないと硬化が進まない、もしくは進みにくいというトラブルの発生する可能性がある。硬化反応の進み方が変われば吐出特性に大きな影響を与える吐出口の寸法精度が悪くなる。また、ノズル形成材料が長期の使用により基板から剥離し、インク吐出性能の劣化という問題も生じてくる。
また、本願発明と同一の出願人により特開2001-179979号公報(特許文献3)では、ノズル形成材料中に、紫外線を吸収または散乱させる成分を含有させることで、ノズル材料をパターン露光する際、照射エネルギーの入射方向に対して、液吐出口断面積が徐々に大となるような潜像を形成し、インク吐出エネルギー発生部に向かって断面積が大きい吐出口を形成することを特徴とするインクジェット記録ヘッドの製造方法が記載されている。
この製造方法では、ノズル形成材料と固体層の界面反射した紫外線は、ノズル形成材料中で減衰するのでスカムの発生が無くなるもしくは非常に小さいものとなる。
しかし、この発明の目的は、インク滴の吐出周波数を上げる為に、インク吐出口断面積が徐々に大となるテーパー形状にする事にある。そのため、実施形態では光を散乱させる無機の顔料粒子を使用している。添加されたものは不均一系であり、添加量も10〜35%と多い。
上記特許は吐出口断面が徐々に大となるテーパー形状となっている為、形状の管理が難しく安定して生産することが難しい。また、微小インクの吐出の際は、ノズル密度が高くなるのでスソ広がりの形状はノズル密度が上げられず不利である。
また、本願発明と同一の出願人により特開平5-124205号公報(特許文献4)では、インク流路となる部分を占有する固体層に熱架橋型ポジレジスト単層で採用しているが、この種の熱架橋型ポジレジストは、ポリメチルイソプロぺニルケトンを溶媒に溶解させたポジレジストと比べて、大きな紫外線照射エネルギーが必要となるため、生産上、装置にコストをかけるか、生産時間を多大に消費するしか方法がない。
また、ノズル形成材料の現像液に容易に溶解するインク流路となる部分を占有する固体層に単層で使用した場合、後工程での加工のため、オリフィス面の保護を目的に、ソルベントに溶解させた炭化ゴムなどを塗布する際、吐出口となる部分の直下の前術の固体層に大きな削れがあるため、十分に被覆させることができずにエアーを抱き込んでしまうため、後工程での不具合の原因となっている。
特開平6-286149号公報
特開2001-179990号公報
特開2001-179979号公報
特開平5-124205号公報
本発明は、以上のような従来技術の問題に鑑みてなされたもので、上記のようなスカム発生の問題点に対して解決するための製造方法の提供を目的としている。また、寸法精度が良く、安定して生産できる事も本発明の目的である。また、上記問題を克服するために採用された工程で、新たに出てきた不具合に対して解決の方法を提供している。
このため、本発明においては、下記(1)〜(4)のいずれかに示すインクジェット記録ヘッドの製造方法を提供することにより、前記目的を達成しようとするものである。
(1)インク吐出圧力発生素子と、少なくとも液路となる部分を占有する固体層とが設けられた基体上に、光酸発生触媒により硬化されるノズル形成材料を被覆し、吐出口形成予定部位を遮光した状態で露光し、前記遮光により硬化しなかった部分を現像液で溶解することで該吐出口を形成し、前記固体層を除去することによりノズルを形成する工程を包含する液体噴射記録ヘッドの製造方法において、
前記固体層は第1の固体層と該第1の固体層上に積層された第2の固体層を含み、前記第1の固体層よりも第2の固体層の方が前記現像液に対して高い溶解性を有するように前記第1の固体層及び前記第2の固体層の材質を選定することを特徴とするインクジェット記録ヘッドの製造方法。
前記固体層は第1の固体層と該第1の固体層上に積層された第2の固体層を含み、前記第1の固体層よりも第2の固体層の方が前記現像液に対して高い溶解性を有するように前記第1の固体層及び前記第2の固体層の材質を選定することを特徴とするインクジェット記録ヘッドの製造方法。
(2)前記第2の固体層の膜厚が0.1μmから10μmであることを特徴とする前記(1)に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
(3)前記第1の固体層と前記第2の固体層とは、互いに分子量分布等が異なることにより前記現像液に対する溶解性が異なる以外は化学的にほぼ同種の材料である前記(1)または(2)に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
(4)前記第2の固体層は、熱架橋型ポジレジストであり、熱架橋させないことにより前記第1の固体層より前記現像液に対する溶解性が高くなっている、前記(1)または(2)に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
また、本発明は上記方法における工程中間構造体に関する。すなわち、下記(5)〜(8)のいずれかに示す中間構造体を提供することにより、前記目的を達成しようとするものである。
(5)少なくとも液路となる部分を占有する固体層とが設けられた基体上に、
光酸発生触媒により硬化されるノズル形成材料の層が被覆されてなるインクジェット記録ヘッドの製造工程における中間構造体において、
吐出口となる開口部を形成するための貫通口が前記ノズル形成材料の層及び第2の固体層を貫通し前記第1の固体層上に達していることを特徴とする、インクジェット記録ヘッドの製造工程における中間構造体。
光酸発生触媒により硬化されるノズル形成材料の層が被覆されてなるインクジェット記録ヘッドの製造工程における中間構造体において、
吐出口となる開口部を形成するための貫通口が前記ノズル形成材料の層及び第2の固体層を貫通し前記第1の固体層上に達していることを特徴とする、インクジェット記録ヘッドの製造工程における中間構造体。
以上のような本発明方法により、吐出口形成の工程時に問題となるスカム部分は、インク形成材料の現像液に溶解することでインク流路に問題となるスカムができない、もしくは問題とならない程度に小さく、その後の工程での不具合を著しく少なく製造ができ、インク吐出特性が安定し、かつ信頼性の高いインクジェット記録ヘッドを、簡単な手法で製造し得る。
本発明によれば、吐出圧発生素子2と、少なくとも流路となる部分を占有する固体層4と、設けられた基板1上に光酸発生触媒により硬化されるノズル形成部材5を被覆し、露光現像により吐出口8を形成し、固体層4を除去することによりインク流路を形成する工程を包含するインクジェット記録ヘッドの製造方法において、本発明を使用することでインク流路の一部に発生するスカムを極小さいレベル、もしくは全く無いレベルまで抑える事が出来る。そのため、微小インク滴を吐出するインクジェト記録ヘッドにおいても吐出の乱れが問題となることが無い。また固体層4を2層にすることで、溶解の深さ方向を制御できるため後工程での、歩留まり低下を起こさない事も確認できる。
以下、図面を参照しつつ本発明に係る実施態様例を詳細に説明する。
本実施例では、図7〜図11に示す手順に従って、インクジェット記録ヘッドを作成した。
本発明では、前記従来例において用いられるのと同様、例えば図1にその模式的斜視図を示すような、ガラス、セラミックス、プラスチックあるいは金属等からなる基板1が用いられる。
このような基板1は、液流路構成部材の一部として機能し、また、後述のインク流路及びインク吐出口(オリフィス)を形成する材料層の支持体として機能し得るものであれば、その形状、材質等に特に限定されることなく使用できる。上記基板1上には、電気熱変換素子あるいは圧電素子等のインク吐出エネルギー発生素子2が所望の個数配置される。このような、インク吐出エネルギー発生素子2によって、インクとしてのインク小滴を吐出させるための吐出エネルギーがインクに与えられ、記録が行われる。
因に、例えば、上記インク吐出エネルギー発生素子2として電気熱変換素子が用いられる時には、この素子が近傍のインクを加熱することにより、インクに状態変化を生じせしめ吐出エネルギーを発生する。また、例えば、圧電素子が用いられる時は、この素子の機械的振動によって、吐出エネルギーが発生される。
なお、これらの素子2には、これら素子を動作させるための不図示の制御信号入力用電極が接続されている。また、一般的には、これら吐出エネルギー発生素子2の耐用性の向上を目的として、保護層等の各種機能層が設けられるが、もちろんこのような機能層を設けることは一向に差支えない。
図1において、インク供給のための開口部3を、基板1上に予め設けておき、基板1の後方よりインクを供給する形態を例示した。この開口部3の形成においては、基板1に穴を形成できる手段であれば、いずれの方法も使用できる。例えば、ドリル等の機械的手段にて形成しても構わないし、レーザ等の光エネルギーを使用しても差支えない。また、基板1にレジストパターン等を形成して化学的にエッチングしても差支えない。
もちろん、インク供給口3を基板1に形成せず、樹脂パターンに形成し、基板1に対してインク吐出口8と同じ面に設けてもよい。
次いで、図7に示すように、上記インク吐出エネルギー発生素子2を含む基板1上に、溶解可能な樹脂にて2層のインク流路パターン4a,4b(固体層)を形成する。下層の固体層4aを形成する最も一般的な手段としては、従来例における固体層と同様に感光性材料にて形成する手段が挙げられるが、スクリーン印刷法等の手段にても形成は可能である。感光性材料を使用する場合においては、インク流路パターンが溶解可能であるため、ポジ型レジストか、あるいは溶解性変化型のネガ型レジストの使用が可能である。
、ノズル流路パターン(固体層)の最表層4bとしては感光性を有するノズル形成材料の現像液に可溶である層を用いている。このため、ノズル形成材料の現像液に対する溶解性は最表層の固体層4bの方が下層の固体層4aよりも高い。ここで、下層の固体層4aとして従来からのレジストを使うと極わずかに2層の間で互いに溶け合った層(相溶層)が形成されるが、形成された相溶層は、ノズル形成材に吐出口を形成るために紫外線を照射して現像する時に溶解するため、相溶層によるスカムを極小に抑えられる。
ここで、使用できる最表層の固体相4bの材料および製法として、熱架橋型ポジレジストを熱架橋させない場合と、従来からの使用しているポリメチルイソプロぺニルケトンで、分子量を調整してノズル形成材料の現像液に対して容易に可溶にする場合がある。
ここでいう、熱架橋型ポジレジストとは、光崩壊型高分子化合物に熱硬化可能な官能基を共重合することに依って多くの種類を得ることができる。光崩壊型高分子化合物としては、分子構造中にケトンを有するもの、ポリスルフォン等SO2 分子を主鎖に含有するもの、ビニル系の高分子化合物であってα位に水素原子以外の原子が結合しているメタクリル樹脂、αメチルスチレン等が挙げられる。
分子構造中にケトンを有する物としては、メチルビニルケトン、メチルイソプロペニルケトン、エチルビニルケトン、tert-プロペニルケトン、ビニルフェニルケトン等のビニル基を有するケトンを重合した高分子化合物等がある。
分子構造中にSO2 を有する高分子化合物としては、不飽和二重結合を有するオレフィンとSO2 より合成されるポリオレフィンスルフォン(MEAD社:ポリブテン-1-スルフォンPBS)等が挙げられる。もちろんポリオレフィンスルフォンとしては他のオレフィンとしてスチレン、α-メチルスチレン、プロピレン等いずれのオレフィンを使用しても構わない。
ビニル系高分子化合物であって、α位に水素原子以外の原子が付加した高分子化合物としては、メチルアクリレートの範疇が挙げられる。例えばメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピル(n,iso)メタクリレート、ブチル(n,iso,tert-)メタクリレート等非常に多くの種類が挙げられる。またメタクリルアミド、メタクリルニトリル等も使用可能である。これら不飽和二重結合を有するモノマーを重合することにより、光崩壊型のポジレジストが作製できる。またα位の原子としては、前記したメチル基以外にも、シアノ基、塩素、フッソ等のハロゲン等が付加したモノマーも一般に入手可能であり、α-シアノ(クロロ、フルオロ)アクリレート、α-シアノ(クロロ、フルオロ)エチルアクリレート等も使用できる。更にはα-メチル(クロロ、シアノ、フルオロ)スチレン、α-メチル(クロロ、シアノ、フルオロ)スチレンのヒドロキシ、メチル、エチル、プロピル、クロロ、フルオロ等の誘導体等が使用できる。
前記したポリマーは、これら分子を構成するモノマーをラジカル重合や、イオン重合にて重合することにより合成され、前記したモノマーを単独にてあるいは複数種混合して重合することにより光崩壊型高分子化合物を得ることができる。この光崩壊型高分子化合物を合成する際に熱硬化可能な官能基としてエポキシ基を有するモノマーを共重合することによって、本発明に於ける架橋型ポジレジストを合成できる。
エポキシ基を有し、重合によって電離放射線崩壊型樹脂となるモノマーとしては、メタクリル酸グリシジルが最も好適に使用できる。これら熱架橋する官能基を含有するモノマーを前記光崩壊型高分子化合物中に5〜70mol%の割合にて共重合すれば本発明による架橋型ポジレジストが合成できる。
例えば、メチルメタクリレートとメタクリル酸グリシジルとの共重合体から成る熱架橋型ポジレジストを合成する場合は、メチルメタクリレートとメタクリル酸グリシジルを所定のモル比にて混合し、AIBN等のラジカル重合開始剤を数%程度添加して60〜80℃の温度にて攪拌すれば容易に合成できる。
エポキシ基を熱硬化する硬化剤としては、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジエチルアミノプロピルアミン等の脂肪族ポリアミン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、m-キシリレンジアミン等の芳香族ポリアミン、ポリアミド、無水フタル酸、無水トリメリット酸等の酸無水物、3フッ化ホウ素-アミン錯体等のルイス酸等が使用できる。これら硬化剤の添加量としては、0.001wt%〜5wt%の範囲が好ましい。添加量が少ないと、現像時に被膜にクラックが入ったりして、十分な機械的強度、耐熱性を実現できない。また5wt%を越えた添加を行なうと極めて感度が低下する。
これら熱架橋型ポジレジストの基板上への被膜形成は、該レジストをシクロヘキサノンや酢酸2-エトキシエチル等の溶剤に溶解してスピンコート法、バーコート法、ロールコート法等のソルベントコートにて基板上に直接塗布して乾燥する手段、ポリエチレンテレフタレートやアラミド等の基材に塗布、乾燥した後、基板にラミネートして形成する手段等を利用できる。
本発明による熱架橋型ポジレジストの露光手段としては、前記したように電離放射線の露光が好適である。一般的に使用されるDeep-UV光源である、Xe-Hgランプを使用して得られる波長250〜300nmの遠紫外線、電子線、X-線(SOR光)、γ-線、エキシマレーザー等何れも使用できる。これら露光はマスクを介した一括露光、ステップ&リピート、電子線のビームスキャン方式の何れを使用しても構わない。
また、Deep-UV光やエキシマレーザー等の短波長光による露光に際しては、レジスト被膜の透過性の問題が重要となる。例えば、分子構造中に芳香環を含有すれば、波長300nmの光の透過性が極めて悪くなり、薄い被膜の露光しかできなくなる。一方、X-線や電子線は光よりも透過性が高い為、比較的厚い被膜の露光が可能である。製造する液体噴射記録ヘッドの構成や寸法を鑑みて、レジスト材料の分子構造の選択や露光手段の選択を行なう必要がある。
これ以外のものであっても、本発明の主旨を逸脱しないものであれば使用できる。これらの熱架橋型ポジレジストの感度は、従来使用しているレジストと比して感度が悪いので熱架橋型ポジレジスト単体での使用では、著しい生産性の低下、または、それを十分にこなせるだけの露光エネルギーを与えられる装置を使用しなければならないが、そのものは概して高価である。したがって、現状の装置内で、最大の効果を上げるためにこの固体層を2層化することで、上記の問題を回避できうる。
一方、従来使用しているレジスト(ポリメチルイソプロぺニルケトン)でも、分子量分布を変更することで、後述のノズル形成材料の現像液に可溶であるように調整するならば、同じように本発明での使用法が可能である。一般に、分子量分布を限定して、より大きいものを選ぶことにより、未露光部と露光部と溶解速度の差を大きく使用しているが、本発明では、従来から使用しているものに比して、分子量分布を広く取ることや、小さいところを選択的に使用することでノズル形成材料の現像液に可溶となることが実験からわかり、熱架橋型レジストを架橋させない場合と同様の効果を得ることがわかった。
固体層の2層化にあたり、最表層のレジストは固体層全体の0.1μmから10μmが好ましい。より好ましくは0.5μmから2μmである。0.1μm以下では、被覆樹脂層の塗布時に被覆樹脂の溶媒の浸透を抑止できずに、下層との相溶層が出来るので、効果が十分えられない。また10μm以上になると熱架橋型ポジレジスト一層での使用と大差がなく、十分な量産性を確保できない。もしくは、可溶してしまう領域は、等方的に広がっていくため、吐出口より大きな空間ができてしまい、後工程のでノズル表面保護のために塗布される、炭化ゴムのなどの被覆性が悪くなって、後工程での欠陥となってしまう。
このインク流路パターンである固体層の形成の方法として、基板1上にインク供給口3を設けた基板1を使用する場合には、この感光性材料を適当な溶剤に溶解し、PET(ポリエチレンテレフタラート)等のフィルム上に塗布、乾燥してドライフィルムを作成し、ラミネートによって形成することが好ましい。上述のドライフィルムとしては、ポリメチルイソプロピルトン、ポリビニルケトン等のビニルケトン系光崩壊性高分子化合物を好適に用いることができる。というのは、これら化合物は、光照射前は高分子化合物としての特性(被膜性)を維持しており、インク供給口3上にも容易にラミネート可能であるためである。同様に2層目の熱架橋型ポジレジストもドライフィルムに作成し、基板に転写する。
また、インク供給口3に、後工程で除去可能な充填物を配置し通常のスピンコート法、ロールコート法等で多層被膜を形成しても差支えない。
このように、溶解可能な固体層で形成したインク流路パターン上に、図8に示すように、さらにノズル形成材料である被覆樹脂層5を通常のスピンコート法、ロールコート法等で形成する。
ここで、この樹脂層5を形成する工程において、溶解可能な樹脂パターンを極力変形させない等の特性が必要となる。すなわち、被覆樹脂層5を溶剤に溶解し、これをスピンコート、ロールコート等で溶解可能な樹脂パターン4b上に形成する場合、溶解可能な樹脂パターン4を極力溶解しないように溶剤を選択する必要がある。
次に、被覆樹脂層5について説明する。被覆樹脂層5としては、インク吐出口3をフォトリソグラフィーで容易にかつ精度よく形成できることから、感光性のものが好ましい。このような感光性被覆樹脂層5は、構造材料としての高い機械的強度、基板1との密着性、耐インク性と、同時にインク吐出口の微細なパターンをパターニングするための解像性が要求される。ここでは、鋭意検討の結果、エポキシ樹脂のカチオン重合硬化物が構造材料として優れた強度、密着性、耐インク性を有し、かつ前記エポキシ樹脂が常温にて固体状であれば、優れたパターニング特性を有することを見出した。
エポキシ樹脂のカチオン重合硬化物は、通常の酸無水物もしくはアミンによる硬化物に比較して、高い架橋密度(高Tg)を有するため、構造材として優れた特性を示す。また、常温にて固体状のエポキシ樹脂を用いることで、光照射によりカチオン重合開始材より発生した重合開始種のエポキシ樹脂中への拡散が抑制され、優れたパターニング精度、形状を得ることができる。
固体状のエポキシ樹脂としては、ビスフェノールAとエピクロヒドリンとの反応物のうち分子量がおよそ900以上のもの、含ブロモスフェノールAとエピクロヒドリンとの反応物、フェノールノボラックあるいは、クレゾールノボラックとエピクロヒドリンとの反応物、例えば特開昭60-161973号公報、特開昭63-221121号公報、特開昭64-9216号公報、特開平2-140219号公報等に記載のオキシシクロヘキサン骨格を有する多官能エポキシ樹脂等が挙げられる。
また、これらのエポキシ化合物においては、好ましくはエポキシ当量が2000以下、さらに好ましくはエポキシ当量が1000以下の化合物が好適に用いられる。これは、エポキシ当量が2000を越えると、硬化反応の際に架橋密度が低下し、硬化物のTgもしくは熱変形温度が低下したり、密着性、耐インク性に問題が生じる場合があるからである。
上記エポキシ樹脂を硬化させるための光カチオン重合開始剤としては、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩[J.POLYMER SCI:Symposium No.56 383-395(1976)参照]や、旭電化工業株式会社より上市されている商品各SP-150、SP-170、SP-172等が挙げられる。
また、これらの光カチオン重合開始剤は、還元剤を併用し加熱することによって、カチオン重合を促進(単独の光カチオン重合に比較して架橋密度が向上する)させることができる。ただし、光カチオン重合開始剤と還元剤を併用する場合、常温では反応せず一定温度以上(好ましくは60℃以上)で反応するいわゆるレドックス型の開始剤系になるように、還元剤を選択する必要がある。
このような還元剤としては、銅化合物、特に反応性とエポキシ樹脂への溶解性を考慮して銅トリフラート(トリフルオロメタンスルフォン酸銅(II))が最適である。また、アスコルビン酸等の還元剤も有用である。
また、ノズル数の増加(高速印刷性)、非中性インクの使用(着色剤の耐水性の改良)等、より高い架橋密度(高Tg)が必要な場合は、上述の還元剤を、後述のように前記被覆樹脂層の現像工程後に溶液の形で用いて被覆樹脂層を浸積及び加熱する後工程によって、架橋密度を上げることができる。
さらに、上記組成物に対し、必要に応じて以下の添加剤を加える事が可能である。例えば、エポキシ樹脂の弾性率を下げる目的で可撓性付与剤を添加したり、あるいは基板1との更なる密着力を得るために、シランカップリング剤を添加したりすることなどが挙げられる。
次いで、上記化合物から成る感光性被覆樹脂層5に対して、図9に示すように、マスク6を介してパターン露光を行なう。感光性被覆樹脂層5はネガ型であり、インク吐出口を形成する部分をマスクで遮蔽する(もちろん、電気的な接続を行なう部分も遮蔽する。図示せず)。
パターン露光は、使用する光カチオン重合開始剤の感光領域に合わせて紫外線、Deep-UV光、電子線、X線等から適宜選択することができる。
ここで、これまでの工程は、すべて従来のフォトリソグラフィー技術を用いて位置合わせが可能であり、オリフィスプレートを別途作成し基板と張り合わせる方法に比べて、格段に精度を向上することができる。こうしてパターン露光された感光性被覆樹脂層5は、必要に応じて反応を促進するために、加熱処理を行ってもよい。ここで、前述の如く、感光性被覆樹脂層5は、常温で固体状のエポキシ樹脂で構成されているため、パターン露光で生ずカチオン重合開始種の拡散は制約を受け、優れたパターニング精度、形状を実現できる。
次いで、パターン露光された感光性被覆樹脂層5は、適当な溶剤を用いて現像され、図10に示すように、インク吐出口8を形成する。ここで、未露光の感光性被覆樹脂層の現像時に同時に上述したインク流路を形成する溶解可能な樹脂パターン4の最表層4bの吐出口に対応する部分を溶解する。その結果、図10に示すように吐出口を形成するために感光性被覆樹脂層5に形成した貫通口がインク流路パターンの最表層4bを貫通し下層のインク流路パターン4aに達することになる。なお、この際、感光性被覆樹脂層5を現像する時に発生するスカム(現像残渣)は、溶解可能な樹脂層4bと共に溶出されるためほとんどノズル内には残渣が残らない。
このようにして形成したインク流路及びインク吐出口を形成した基板1に対して、インク供給のための部材及びインク吐出圧力発生素子2を駆動するための電気的接合(図示せず)を行って、インクジェット記録ヘッドが形成される。
本発明によるインクジェット記録ヘッドの製造方法は、記録紙の全幅に亘り、同時に記録ができるフルラインタイプの記録ヘッドとして、さらには記録ヘッドを一体的にあるいは複数個組み合わせたカラー記録ヘッドにも有効である。
以上は、本発明を適用し得る基本的態様を主体に説明したが、つぎに本発明実施例について詳述する。
実施例に使用した熱架橋型ポジレジストの合成方法
メチルメタクリレート、メタクリル酸グリシジルを夫々減圧蒸留法によって蒸留した。次いで、メチルメタクリレート80部(重量比)、メタクリル酸グリシジル23.4部(共重合比は20mol%)、をテトラヒドロフラン100部に混合し、これにアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を0.5部添加後、60℃にて5時間攪拌してラジカル重合を行なった。次いで、反応液を1000部のシクロヘキサンに投入して樹脂を回収した。回収した樹脂を再度200部のテトラヒドロフランに溶解した後、1000部のシクロヘキサンに投入して再沈殿せしめて洗浄を行なった。該樹脂を60℃の真空中にて1昼夜乾燥した後、25wt%の濃度のシクロヘキサノン溶液とした。次いで、トリエチレンテトラミンの10wt%シクロヘキサノン溶液を、樹脂溶液100部に対して0.1部添加してレジスト液とした。(以下このレジストを熱架橋型ポジレジストAと称する)。
メチルメタクリレート、メタクリル酸グリシジルを夫々減圧蒸留法によって蒸留した。次いで、メチルメタクリレート80部(重量比)、メタクリル酸グリシジル23.4部(共重合比は20mol%)、をテトラヒドロフラン100部に混合し、これにアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を0.5部添加後、60℃にて5時間攪拌してラジカル重合を行なった。次いで、反応液を1000部のシクロヘキサンに投入して樹脂を回収した。回収した樹脂を再度200部のテトラヒドロフランに溶解した後、1000部のシクロヘキサンに投入して再沈殿せしめて洗浄を行なった。該樹脂を60℃の真空中にて1昼夜乾燥した後、25wt%の濃度のシクロヘキサノン溶液とした。次いで、トリエチレンテトラミンの10wt%シクロヘキサノン溶液を、樹脂溶液100部に対して0.1部添加してレジスト液とした。(以下このレジストを熱架橋型ポジレジストAと称する)。
[実施例1]
まず、図1において、吐出エネルギー発生素子としての電気熱変換素子2(材質HfB2から成るヒータ)を形成したシリコン基板1上にブラストマスクを設置し、サンドブラスト加工によりインク供給のための貫通口3を形成した。
まず、図1において、吐出エネルギー発生素子としての電気熱変換素子2(材質HfB2から成るヒータ)を形成したシリコン基板1上にブラストマスクを設置し、サンドブラスト加工によりインク供給のための貫通口3を形成した。
次いで、この基板1上に、溶解可能な樹脂層4として、以下のものを用いた。
(樹脂組成物1)
名称 膜厚
下層 ODUR-1010 12.5μm
上層 熱架橋型ポジレジストA 1.5μm
ODUR-1010はポリメチルイソプロぺニルケトン(東京応化工業(株)社製商品名)
これをPET上、ドライフィルム状としたものをラミネートにより基板1に転写した。なお、ODUR-1010は、低粘度であり厚膜形成できないため濃縮して用いた。ついで、上記熱架橋型ポジレジストAを同様にPET上に塗布し、120度に熱して乾燥させて、(熱架橋はさせていない)ドライフィルムとし、それを上記の基板上にラミネートして転写した。
名称 膜厚
下層 ODUR-1010 12.5μm
上層 熱架橋型ポジレジストA 1.5μm
ODUR-1010はポリメチルイソプロぺニルケトン(東京応化工業(株)社製商品名)
これをPET上、ドライフィルム状としたものをラミネートにより基板1に転写した。なお、ODUR-1010は、低粘度であり厚膜形成できないため濃縮して用いた。ついで、上記熱架橋型ポジレジストAを同様にPET上に塗布し、120度に熱して乾燥させて、(熱架橋はさせていない)ドライフィルムとし、それを上記の基板上にラミネートして転写した。
次いで、上記を120℃にて30分間プリベークした後、キヤノン(株)製マスクアライナーPLA520(商品名コールドミラーCM290)にて、インク流路4のパターン露光を行なった。露光は1.8分間、現像はメチルイソブチルケトン/キシレン=2/1、リンスはIPAを用いた。この溶解可能な樹脂で形成されたパターン4は、インク供給口3と電気熱変換素子2とのインク流路を確保するためのものである(図7)。なお、現像後のレジストの膜厚は14.0μmであった。
次いで、下記樹脂組成物をメチルイソブチルケトン/キシレン混合溶媒に50wt%の濃度で溶解し、スピンコートにて感光性被覆樹脂層5を形成した(流路パターン4上における膜厚10μm、図8)。
(樹脂組成物)
名称 重量部
EHPE-3158 ダイセル化学(株)製 100
A-187 日本ユニカー(株)製 5
SP-170 旭電化工業(株)製 1.5
次いで、前記マスクアライナーPLA520(CM250)にて、インク吐出口8形成のためのパターン露光を行なった(図9)。なお、露光は15秒、アフターベークは60℃、30分間行なった。
名称 重量部
EHPE-3158 ダイセル化学(株)製 100
A-187 日本ユニカー(株)製 5
SP-170 旭電化工業(株)製 1.5
次いで、前記マスクアライナーPLA520(CM250)にて、インク吐出口8形成のためのパターン露光を行なった(図9)。なお、露光は15秒、アフターベークは60℃、30分間行なった。
次いで、メチルイソブチルケトンで現像を行い、インク吐出口を形成した(図10)。なお、本実施例ではφ10μmの吐出口パターンを形成した。
次に、溶解可能な樹脂層4(ODUR1010及び熱架橋型ポジレジストA)の除去性を高める為、再び前記PLA520(CM290)にて2分間露光した後、乳酸メチル中に超音波を付与しつつ浸積し、残存しているインク流路パターン4を溶出した(図11)。
次いで、インクジェット記録ヘッドを、180℃、1時間加熱し感光性被覆材料層5を完全に硬化させる。
最後に、インク供給部材を配置し、インク供給口3にインク供給部材を接着して、本発明実施例のインクジェット記録ヘッドが完成する。
[実施例2]
溶解可能な樹脂層に以下の樹脂組成物2を用い、露光は2分間行なった。それ以外は実施例1と同様にインクジェット記録ヘッドを作成した。(流路パターン4上における膜厚は14.0μm、図3)。
溶解可能な樹脂層に以下の樹脂組成物2を用い、露光は2分間行なった。それ以外は実施例1と同様にインクジェット記録ヘッドを作成した。(流路パターン4上における膜厚は14.0μm、図3)。
(樹脂組成物2)
名称 膜厚
ODUR-1010 13.0μm
ODUR-1010X 1.0μm
ここで、いうODUR-1010Xは、分子量分布をODUR-1010より、広範囲に分布しているものであり、低分子量の比率が高いため、感光性被覆材料層の現像液に対して、溶解率が高い。
名称 膜厚
ODUR-1010 13.0μm
ODUR-1010X 1.0μm
ここで、いうODUR-1010Xは、分子量分布をODUR-1010より、広範囲に分布しているものであり、低分子量の比率が高いため、感光性被覆材料層の現像液に対して、溶解率が高い。
(比較従来例)比較従来例として、溶解可能な樹脂層としてODUR-1010を単独で用い露光は1.5分間行なった。それ以外実施例1と同様にインクジェット記録ヘッドを作成した。
このようにして作成した実施例1,2、従来比較例のインクジェット記録ヘッドを記録装置に装着し、純水/ジエチレングリコール/イソプロピルアルコール/酢酸リチウム/黒色染料フードブラック2=79.4/15/3/0.1/2.5からなるインクを用いて記録を行なったところ、本実施例ではいずれも安定な印字が可能であり、得られた印字物は高品位なものであった。しかし、前記比較従来例では、印字の乱れが認められた。それぞれのヘッドを分解して観察すると、従来例では、インク吐出口入り口のインク流路の一部に数nm程度のスカムが観察された。本実施例のヘッドではスカムの発生は極小であった。
1 基板
2 電気熱変換素子(インク吐出圧発生素子)
3 インク供給口
4 インク流路パターン (従来例)
4a インク流路パターン(最表層)
4b インク流路パターン(下層)
5 感光性被覆樹脂層
6 ネガ型マスク
7 インク供給部材
8 インク吐出口
9 スカム
2 電気熱変換素子(インク吐出圧発生素子)
3 インク供給口
4 インク流路パターン (従来例)
4a インク流路パターン(最表層)
4b インク流路パターン(下層)
5 感光性被覆樹脂層
6 ネガ型マスク
7 インク供給部材
8 インク吐出口
9 スカム
Claims (5)
- インクを吐出するための圧力を発生させるインク吐出圧力発生素子と、少なくとも液路となる部分を占有する固体層とが設けられた基体上に、光酸発生触媒により硬化されるノズル形成材料を被覆し、吐出口となる部位を遮光した状態で露光し、前記遮光により硬化しなかった部分を現像液で溶解することで該吐出口を形成し、前記固体層を除去することによりノズルを形成する工程を包含する液体噴射記録ヘッドの製造方法において、
前記固体層は第1の固体層と該第1の固体層上に積層された第2の固体層を含み、前記第1の固体層よりも第2の固体層の方が前記現像液に対して高い溶解性を有するように前記第1の固体層及び前記第2の固体層の材質を選定することを特徴とするインクジェット記録ヘッドの製造方法。 - 前記第2の固体層の膜厚が0.1μmから10μmであることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
- 前記第1の固体層と前記第2の固体層とは、互いに分子量分布等が異なることにより前記現像液に対する溶解性が異なる以外は化学的にほぼ同種の材料である請求項1または2に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
- 前記第2の固体層は、熱架橋型ポジレジストであり、熱架橋させないことにより前記第1の固体層より前記現像液に対する溶解性が高くなっている、請求項1または2に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
- 溶解可能であり少なくとも液路となる部分を占有する固体層と、が設けられた基体上に、
光酸発生触媒により硬化されるノズル形成材料の層が被覆されてなるインクジェット記録ヘッドの製造工程における中間構造体において、
前記固体層は第1の固体層と該第1の固体層上に積層された第2の固体層を含み、
インクを吐出するための吐出口となる開口部を形成するための貫通口が前記ノズル形成材料の層及び前記第2の固体層を貫通し前記第1の固体層に達していることを特徴とする、インクジェット記録ヘッドの製造工程における中間構造体。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003413338A JP2005169846A (ja) | 2003-12-11 | 2003-12-11 | 液体噴射記録ヘッドの製造方法、及び該製造工程における中間構造体 |
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JP2019142213A (ja) * | 2018-02-23 | 2019-08-29 | キヤノン株式会社 | インクジェット記録ヘッド及びその製造方法 |
-
2003
- 2003-12-11 JP JP2003413338A patent/JP2005169846A/ja active Pending
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