JP2005169832A - インク記録体用樹脂組成物及びインク記録体 - Google Patents

インク記録体用樹脂組成物及びインク記録体 Download PDF

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Abstract

【課題】 無機微粒子の脱落やひび割れが発生せず、高い光沢性及び鮮明な印刷画像が得られ、且つ表面の傷つき性を改善でき、しかも機械安定性が高く無機微粒子成分が沈降・分離しにくいインク記録体用樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 シリコーン系マクロモノマーを共重合させた架橋性基含有アクリル共重合体(A)と無機微粒子(B)とからなるインク記録体用樹脂組成物。シリコーン系マクロモノマーを共重合させた架橋性基含有アクリル共重合体(A)として、例えば、下記式(a)で表される化合物及び式(b)で表される化合物からなる群より選択された少なくとも1種の化合物を使用できる。
【化1】
Figure 2005169832

(式中、R1は水素原子又はメチル基、R2はC2-4アルキレン基、R3は同一又は異なってアルキル基又はアリール基、nは1以上の整数を示す)
【選択図】 なし

Description

本発明は、インク記録体用樹脂組成物とインク記録体に関する。より詳細には、インクの吸収性、耐水性に優れるだけでなく、受像層表面の傷つき性を改善したインク記録体用樹脂組成物と、該インク記録体用樹脂組成物を用いて形成された受像層を有するインク記録体に関する。
インクジェット記録方式は、安価であり、フルカラー化が容易であり、低騒音で印字品質に優れていることから、近年急速に普及しつつある。インクジェット記録には、安全性、記録適性の点から主に水系の染料インクが使用され、ノズルから記録用シートに向けてインクドットを吐出させることにより記録が行われる。このため記録用シートは、速やかにインクを吸収することが要求される。さらに、インクの多色化やインクドットの小粒径化により、銀塩写真画像と比較して遜色ない記録を得ることも可能になってきており、記録速度も高速化されてきた。このように、記録装置および記録方法の改良が行われてきたが、これに対応してインクジェット記録材料に対しても高度な特性が求められるようになってきた。
インクジェット記録材料としては様々な記録用紙が用いられている。例えば、普通紙、塗工紙(アート紙、コート紙、キャストコート紙など)、透明または不透明のプラスチック製フィルム、および合成紙や紙の両面をプラスチックで被覆したRC紙など各種支持体にインクを受容する記録層を設けた記録紙が用いられている。
インク受容層としては、親水性樹脂を主体に構成される膨潤タイプインク受容層と微粒子成分を主体に形成される空隙タイプインク受容層に大きく分けることができるが、記録速度の高速化にともなって、インク吸収性に優れる空隙タイプインク受容層が主流になってきている。
空隙タイプインク受容層は、空隙にインクを吸収させるため高いインク吸収性を示し、ビーディングなど画像不良が発生しにくく、非水溶性の無機微粒子を主成分としているので耐水性も高い。また、十分なインク吸収容量を確保しうる厚さに設定されたインク受容層は、印刷直後に表面は見かけ上乾いた状態になり、触れたり重ねたりすることのできる乾燥速度が得られる。
空隙タイプインク受容層については、従来、インク受容層の光沢性を上げるために含有する無機微粒子の粒径をより小さくしたり、空隙がふさがれることによるインク吸収性の低下を防ぐためにバインダー樹脂の含量を低くするなどの検討がなされている(例えば、特許文献1〜6参照)。しかし、インク受容層を形成する塗膜が脆弱となり、無機微粒子の脱落やひび割れが発生して高い平面性が得られないため、高い光沢性や鮮明な印刷画像が得られなかったり、塗布液の機械安定性が低いため、製造中に含有する無機微粒子成分が沈降・分離するなどの問題があった。
さらに、上述したように近年、銀塩写真と遜色ない画像が得られるようになってきたが、それに伴い、インクジェット記録層の表面の傷等による、印刷画像への影響が顕著になってきた。インクジェット記録体は保管時またはプリンタ中にセットされるとき重ねられていることが多いため、記録体の裏面と表面層がこすれあうことで、表面層が傷つく可能性が非常に高く、記録体表面層の耐傷つき性を向上させることが大きな課題となってきている。
特開昭60−219084号公報 特開昭63−170074号公報 特開平2−43083号公報 特開平4−93284号公報 特開平7−137431号公報 特開平8−197832号公報
本発明の目的は、無機微粒子の脱落やひび割れが発生せず、高い光沢性及び鮮明な印刷画像が得られ、且つ表面の傷つき性を改善でき、しかも機械安定性が高く無機微粒子成分が沈降・分離しにくいインク記録体用樹脂組成物と、該組成物により形成された受像層を有するインク記録体を提供することにある。
本発明者らは、前記目的を達成するため鋭意検討した結果、シリコーン系マクロモノマーを共重合させた架橋性基含有アクリル共重合体と無機微粒子とからなる樹脂組成物は、分散液の形態において機械安定性が高く、無機微粒子成分が沈降・分離しにくいことに加え、これにより受像層を形成した場合には、無機微粒子の脱落やひび割れが発生せず、高い光沢や鮮明な印刷画像が得られ、しかも耐傷つき性に優れることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、シリコーン系マクロモノマーを共重合させた架橋性基含有アクリル共重合体(A)と無機微粒子(B)とからなるインク記録体用樹脂組成物を提供する。
前記インク記録体用樹脂組成物において、シリコーン系マクロモノマーを共重合させた架橋性基含有アクリル共重合体(A)として、例えば、下記式(a)で表される化合物及び式(b)で表される化合物からなる群より選択された少なくとも1種の化合物を使用できる。
Figure 2005169832
(式中、R1は水素原子又はメチル基、R2はC2-4アルキレン基、R3は同一又は異なってアルキル基又はアリール基、nは1以上の整数を示す)
シリコーン系マクロモノマーを共重合させた架橋性基含有アクリル共重合体(A)の架橋性基としては、例えばアルコキシシリル基が例示される。
無機微粒子(B)として、例えば、乾式シリカ、湿式シリカ、ゾルゲル法シリカ、コロイダルシリカ及びアルミナゾルからなる群より選択された少なくとも1種を使用できる。
本発明は、また、基材の少なくとも一方の面に、上記のインク記録体用樹脂組成物から形成された少なくとも1層の受像層を有するインク記録体を提供する。
本発明によれば、機械安定性が高く無機微粒子成分が沈降・分離しにくい上、受像層において、無機微粒子の脱落やひび割れが発生せず、高い光沢性及び鮮明な印刷画像が得られ、且つ表面の耐傷つき性を向上できる。
本発明のインク記録体用樹脂組成物は、シリコーン系マクロモノマーを共重合させた架橋性基含有アクリル共重合体(A)と無機微粒子(B)とを少なくとも含んでいる。
[シリコーン系マクロモノマーを共重合させた架橋性基含有アクリル共重合体(A)]
シリコーン系マクロモノマーを共重合させた架橋性基含有アクリル共重合体(A)は、
シリコーン系マクロモノマーが共重合され、かつ架橋性基を有するアクリル共重合体であれば特に限定されるものではない。
シリコーン系マクロモノマーとしては、重合性不飽和基(ビニル基、(メタ)アリル基、(メタ)アクリロイル基など)を有するとともに、シリコーン単位(ジメチルポリシロキサン単位などのオルガノシロキサン単位)又はオルガノポリシロキサンフラグメント(ジメチルポリシロキサンフラグメントなど)を有する種々の化合物を使用することができる。シリコーン系マクロモノマーの分子量は、たとえば、数平均分子量500〜50000(好ましくは700〜40000、より好ましくは1000〜20000)程度である。代表的なシリコーン系マクロモノマーとして、前記式(a)又は(b)で示される化合物が挙げられる。
式(a)及び(b)において、R2のC2-4アルキレン基には、エチレン、プロピレン、トリメチレン、テトラメチレン基などが含まれる。通常、R2はC2-3アルキレン基である。R3で表されるアルキル基には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル基などのC1-4アルキル基(特にメチル基)が含まれ、アリール基にはフェニル、ナフチル基などが含まれる。シリコーン系マクロモノマーは、1種又は2種以上組み合わせて使用できる。
このようなシリコーン系マクロモノマーを共重合させた架橋性基含有アクリル共重合体を使用することにより、インク記録体表面のすべり性が向上する。このため、記録体表面とそれに接する面の摩擦が小さくなり、記録体表面の耐傷つき性を向上できる。
シリコーン系マクロモノマーを共重合させた架橋性基含有アクリル共重合体(A)に架橋性基を導入するために用いる架橋性単量体(架橋性基含有単量体)としては、自己架橋性又は反応性官能基を有する単量体が挙げられる。このような架橋性単量体の代表的な例として、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アリルグリシジルエーテル、1−アリルオキシ−3,4−エポキシブタン、1−(3−ブテニルオキシ)−2,3−エポキシプロパン、4−ビニル−1−シクロヘキセン−1,2−エポキシドなどのエポキシ基含有重合性単量体、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミドなどのN−C1-4アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチロール(メタ)アクリルアミド等のメチロール基含有単量体又はその誘導体、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルメトキシジメチルシラン、ビニルエトキシジメチルシラン、ビニルイソブトキシジメチルシラン、ビニルジメトキシメチルシラン、ビニルジエトキシメチルシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルジフェニルエトキシシラン、ビニルトリフエノキシシラン、γ−(ビニルフエニルアミノプロピル)トリメトキシシラン、γ−(ビニルベンジルアミノプロピル)トリメトキシシラン、γ−(ビニルフェニルアミノプロピル)トリエトキシシラン、γ−(ビニルべンジルアミノプロピル)トリエトキシシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジエトキシシラン、ジビニルジ(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルジアセトキシメチルシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルピス(ジメチルアミノ)メチルシラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルジメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルメチルフェニルクロロシラン、アリルトリエトキシシラン、3−アリルアミノプロピルトリメトキシシラン、アリルジアセトキシメチルシラン、アリルトリアセトキシシラン、アリルビス(ジメチルアミノ)メチルシラン、アリルメチルジクロロシラン、アリルジメチルクロロシラン、アリルトリクロロシラン、メタリルフェニルジクロロシラン、β−(メタ)アクリロキシエチルトリメトキシシラン、β−(メタ)アクリロキシエチルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジクロロシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリス(β−メトキシエトキシ)シランなどのシリル基等加水分解縮合性基含有単量体の他、(メタ)アクリル酸2−(1−アジリジニル)エチル、(メタ)アクリル酸2−(1−アジリジニル)プロピル、(メタ)アクリル酸3−(1−アジリジニル)プロピル等のアジリジニル基含有単量体などが例示できる。
好ましい架橋性単量体としては、架橋性基として加水分解縮合性基[特にアルコキシシリル基(より具体的にはメトキシシリル基、エトキシシリル基等のC1-4アルコキシシリル基等)]を有する加水分解縮合性基含有架橋性単量体が挙げられる。これらの架橋性単量体は単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。アクリル共重合体(A)に架橋性基を導入することにより、受像層の無機微粒子の脱落やひび割れを防止できる。また、記録体表面の耐傷つき性をより向上できる。
シリコーン系マクロモノマーを共重合させた架橋性基含有アクリル共重合体(A)には、必要に応じて、カチオン性又はアニオン性を付与することができる。
アクリル共重合体(A)へのカチオン性の付与法(カチオン性基の導入法)は、特に限定されるものではないが、例えば、(1)第3級アミノ基(ジ置換アミノ基)を有する単量体を共重合に付した後、該第3級アミノ基を酸で中和して塩とする方法、(2)第3級アミノ基を有する単量体を酸で中和した後に(塩とした後に)、共重合に付す方法、(3)第4級アンモニウム塩基を有する単量体を共重合に付す方法、(4)第4級アンモニウム塩基を形成可能な基を有する単量体を共重合に付した後、第4級アンモニウム化する方法などの何れの方法を採用してもよい。これらの方法は2種以上組み合わせてもよい。第4級アンモニウム塩基を形成可能な基としては、例えば、第3級アミノ基などが挙げられる。該第3級アミノ基にアルキル化剤(例えば、エピクロルヒドリン、塩化メチル、ベンジルクロリド等)を反応させることにより第4級アンモニウム化することができる。
カチオン性の付与に用いられる単量体(以下、「カチオン性単量体」と称する場合がある)の代表的な例としては、例えば、N−(ジメチルアミノエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(ジエチルアミノエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(ジメチルアミノプロピル)(メタ)アクリルアミド、N−(ジエチルアミノプロピル)(メタ)アクリルアミド又はこれらの塩等のN−ジアルキルアミノ−アルキル(メタ)アクリルアミド[例えば、N−(ジC1-4アルキルアミノ−C2-3アルキル)(メタ)アクリルアミド]又はその塩;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート又はこれらの塩等のジアルキルアミノ−アルキル(メタ)アクリレート[例えば、ジC1-4アルキルアミノ−C2-3アルキル(メタ)アクリレート]又はその塩;4−(2−ジメチルアミノエチル)スチレン、4−(2−ジメチルアミノプロピル)スチレン又はこれらの塩等のジC1-4アルキルアミノ−C2-4アルキル基置換芳香族ビニル化合物又はその塩;ビニルピリジン、ビニルイミダゾール、ビニルピロリドン又はこれらの塩等の窒素原子含有複素環式単量体又はその塩;(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド等の(メタ)アクリロイルオキシアルキルトリアルキルアンモニウムハライド[例えば、(メタ)アクリロイルオキシC2-4アルキル−トリC1-4アルキルアンモニウムハライド等]等のオニウム塩基含有重合性不飽和単量体などが挙げられる。これらのカチオン性単量体は単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。上記塩としては、例えば、ハロゲン化水素塩(塩酸塩、臭化水素塩等)、硫酸塩、アルキル硫酸塩(メチル硫酸塩、エチル硫酸塩等)、アルキルスルホン酸塩、アリールスルホン酸塩、カルボン酸塩(ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩等)などが例示される。
アクリル共重合体(A)へのアニオン性の付与法(アニオン性基の導入法)は、特に限定されるものではないが、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基などの酸基を含有する単量体を共重合に付した後、塩基で中和して塩とする方法、前記酸基を含有する単量体を塩基で中和して塩とした後に共重合に付す方法などが挙げられる。
アニオン性の付与に用いられる単量体(以下、「アニオン性単量体」と称する場合がある)の代表的な例としては、例えば、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシプロピル(メタ)アクリレート、ビニルカルボン酸[(メタ)アクリル酸、クロトン酸、ソルビン酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸など]、ビニルスルホン酸[ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、ビニルトルエンスルホン酸、スチレンスルホン酸など]、(メタ)アクリルスルホン酸[(メタ)アクリルスルホエチル、(メタ)アクリル酸スルホプロピルなど]、(メタ)アクリルアミドスルホン酸[2−アクリルアミド−2−メチル−プロパンスルホン酸など]、又はこれらの塩などが挙げられる。アニオン性単量体は単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。上記塩としては、アンモニウム塩、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アミンとの塩などが挙げられる。
シリコーン系マクロモノマーを共重合させた架橋性基含有アクリル共重合体(A)の調製には、さらに、成膜性や皮膜特性を調整するため、通常その他の単量体を併用する。このようなその他の単量体は、親水性単量体と非イオン性単量体に分けることができる。親水性単量体の例として、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル等のような(メタ)アクリル酸ヒドロキシC2-6アルキルエステル等のヒドロキシル基含有単量体;(メタ)アクリルアミド、α−エチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有単量体;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類の属するエーテル基含有単量体;ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレン基含有単量体等が例示できる。親水性単量体は単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
また、非イオン性単量体には、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル等の(メタ)アクリル酸C1-18アルキルエステル等;(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル;(メタ)アクリル酸フェニル等の(メタ)アクリル酸アリールエステル;(メタ)アクリル酸ベンジル等の(メタ)アクリル酸アラルキルエステル;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等のビニルエステル類、酢酸アリル等のアリルエステル類、塩化ビニリデン、塩化ビニルなどハロゲン含有単量体;(メタ)アクリロニトリル等のシアン化ビニル類;エチレン、プロピレン等のオレフイン類等が挙げられる。非イオン性単量体としては、通常、(メタ)アクリル酸C1-18アルキルエステル[特に、アクリル酸C2-10アルキルエステル、メタクリル酸C1-6アルキルエステル]、芳香族ビニル化合物類(例えばスチレン)、ビニルエステル類(例えば酢酸ビニル)が使用される。非イオン性単量体は単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
上記各単量体を組み合わせて、シリコーン系マクロモノマーを共重合させた架橋性基含有アクリル共重合体(A)を合成する場合、各単量体の使用割合は特に限定されるものではないが、例えば、単量体総量に対するシリコーン系マクロモノマーの割合は、0.01〜20重量%(好ましくは0.1〜15重量%、より好ましくは0.5〜10重量%)であり、単量体総量に対する架橋性単量体の割合は、0.01〜20重量%(好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは1〜5重量%)である。また、単量体総量に対する非イオン性単量体の割合は、例えば30〜99重量%、好ましくは35〜90重量%、より好ましくは45〜80重量%程度である。さらに、カチオン性単量体又はアニオン性単量体の単量体総量に対する割合は、例えば0〜60重量%、好ましくは5〜50重量%、さらに好ましくは15〜45重量%程度である。
シリコーン系マクロモノマーを共重合させた架橋性基含有アクリル共重合体(A)の重量平均分子量は、特に限定されないが、例えば1.0×104〜1.0×107程度、好ましくは2.0×104〜5.0×105程度である。
シリコーン系マクロモノマーを共重合させた架橋性基含有アクリル共重合体(A)を得るための重合法としては、乳化重合等の既知の重合法を使用することができるが、上記の各共重合成分を適当な有機溶剤中で溶液重合した後、得られた樹脂溶液に水を添加してエマルジョン化し、溶液重合に使用した溶剤を除去して水系樹脂組成物を得るか、又は前記樹脂溶液から有機溶剤を除去した後に水を添加して水系樹脂組成物を得る方法が好ましく使用される。なお、重合操作はバッチ式でも連続式でもよい。
溶液重合に用いる有機溶剤としては、例えば、アルコール(例えば、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール等)、芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等)、脂肪族炭化水素(例えば、ペンタン、ヘキサン、へプタン等)、脂環族炭化水素(例えば、シクロヘキサン等)、エステル(例えば、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等)、ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトン等)、エーテル(例えば、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等)等を用いることができる。これらの有機溶剤は単独で使用してもよく、2種以上の組み合わせで使用してもよい。有機溶剤としては、通常、イソプロパノール等のアルコール、トルエン等の芳香族炭化水素、メチルエチルケトン等のケトンが使用される。
有機溶剤の使用量は、特に制限されないが、例えば、重合性不飽和単量体の総量に対する有機溶剤量の重量比で、通常は0.1/1〜5/1、好ましくは0.5/1〜2/1の範囲から選択できる。
溶液重合においては、電子線または紫外線の照射加熱により重合を開始してもよいが、重合開始剤を用いて重合を開始する場合が多い。重合開始剤としては、例えば、アゾ化合物[例えば、アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスシアノ吉草酸、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)ハイドロクロライド、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)アセテート等]、無機過酸化物(例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、過酸化水素)、有機過酸化物[例えば、過酸化べンゾイル、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、ビス(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート]、及びレドックス触媒[例えば、亜硫酸塩もしくは重亜硫酸塩(例えば、アルカリ金属塩、アンモニウム塩等)、L−アスコルビン酸、エリソルビン酸等の還元剤と、過硫酸塩(例えば、アルカリ金属塩、アンモニウム塩等)、過酸化物等の酸化剤との組合わせからなる触媒系]等が例示できる。重合開始剤は単独でまたは2種以上組合わせて使用できる。
重合開始剤の使用量は、特に制限されないが、例えば、重合性不飽和単量体の総重量に対して0.001〜20重量%、好ましくは0.01〜10重量%、特に好ましくは0.1〜10重量%の範囲から選択できる。
溶液重合における反応温度は、特に制限されないが、例えば50〜150℃、好ましくは、70〜130℃である。また、反応時間は、特に制限されず、例えば、1〜10時間、好ましくは2〜7時間である。重合の終点は、赤外線吸収スペクトルにおける二重結合の吸収(1648cm-1)の消滅、またはガスクロマトグラフィーを用いて、未反応の単量体の減少等により確認することができる。
なお、溶液重合においては、重合体の分子量を調整するために、連鎖移動剤、例えば、カテコール等のアルコール又はフェノール類、メルカプタン類(例えば、n−ラウリルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン)等を用いてもよい。
溶液重合により得られた共重合体の乳化は、有機溶剤の存在下または非存在下で行うことができる。有機溶剤の存在下に共重合体を水に乳化する場合は、例えば、共重合体を含む有機溶液に添加剤(例えば、乳化剤、pH調整剤、酸等)を添加した後、水を添加して乳化する。この場合、水は、滴下等により徐々に添加するのが好ましい。また、乳化温度は、低温の方が好ましく、例えば5〜70℃、好ましくは10〜50℃の範囲から選択できる。なお、有機溶剤としては水溶性の有機溶剤(例えば、イソプロパノール等のアルコール等)を用いる場合が多い。
有機溶剤の存在下で共重合体を水に乳化した場合、乳化後に有機溶剤を蒸発等により除去する。有機溶剤の除去は、例えば、5〜80℃の温度で、常圧または減圧下[例えば、0.0001〜1気圧(0.00001〜0.1MPa)]で行う場合が多い。なお、共重合体を乳化する前に有機溶剤を除去する場合は、低沸点の有機溶剤(例えば、メチルエチルケトン等のケトン)を用いる場合が多い。
シリコーン系マクロモノマーを共重合させた架橋性基含有アクリル共重合体(A)を乳化重合により得る場合には、乳化重合を行う際の一般的な方法を採用できる。
[無機微粒子(B)]
無機微粒子(B)としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、ハイドロサルファイト、珪酸アルミニウム、珪藻土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、乾式シリカ、湿式シリカ、ゾルゲル法シリカ、コロイダルシリカ、酸化アルミニウム、アルミナゾル、擬ベーマイト、リトボン、ゼオライト、及び水酸化アルミニウムなどの微粒子が挙げられる。中でも、受像層(インク受容層)を形成した際に透明度や光沢度に優れ、微細な空隙を形成できる点で、例えば、乾式シリカ、湿式シリカ、ゾルゲル法シリカ、コロイダルシリカ、及びアルミナゾルなどが好ましく使用できる。これらの無機微粒子は1種又は2種以上で使用できる。
無機微粒子(B)の形状は特に規定されず、球状、平板状、柱状、数珠状などのいずれでもよく、無機微粒子(B)の平均粒子径は、例えば3nm〜10μm、好ましくは10〜200nm、より好ましくは20〜100nmである。
[インク記録体用樹脂組成物の調製]
本発明のインク記録体用樹脂組成物は、シリコーン系マクロモノマーを共重合させた架橋性基含有アクリル共重合体(A)と無機微粒子(B)を配合することによって得られる。配合の割合は、特に限定されるのものではないが、一般に、(A)99〜1重量%、(B)1〜99重量%であり、好ましくは、(A)60〜5重量%、(B)40〜95重量%、より好ましくは、(A)30〜10重量%、(B)は70〜90重量%である。
インク記録体用樹脂組成物には、必要に応じて、その他の親水性高分子を配合することもできる。該その他の親水性高分子としては、例えば、親水性天然高分子又はその誘導体(澱粉、コーンスターチ、アルギン酸ナトリウム、アラビアゴム、ゼラチン、カゼイン、デキストリン等)、セルロース誘導体(メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、セルローススルフェート、シアノエチルセルロース等)、ポリアルキレンオキサイド(ポリエチレンオキサイド、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイドブロック共重合体等)、カルボキシル基又はスルホン酸基(酸無水物基を含む)を有する重合体又はその塩[エチレン−無水マレイン酸共重合体等のエチレン系重合体;ポリ(メタ)アクリル酸又はその塩(アンモニウム塩、ナトリウム等のアルカリ金属塩)、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸共重合体、アクリル酸−ビニルアルコール共重合体等のアクリル系重合体;メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体等のビニルエーテル系重合体;スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム等のスチレン系重合体;ポリビニルスルホン酸ナトリウム等]、ビニルエーテル系重合体(ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルイソブチルエーテル等のポリビニルアルキルエーテルなど)、窒素原子含有重合体(又はカチオン性ポリマー)又はその塩[ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド等の第4級アンモニウム塩、ポリジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート塩酸塩、ポリビニルピリジン、ポリビニルイミダゾール、ポリエチレンイミン、ポリアミドポリアミン、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等]等が挙げられる。これらの親水性高分子は単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
本発明のインク記録体用樹脂組成物には、硬化反応を促進するために、硬化剤(硬化触媒又は硬化促進剤)を添加してもよい。硬化剤としては、例えば、有機スズ化合物(ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジマレエート、ジオクチルスズジラウレート、ジオクチルスズジマレエート、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジメトキサイド、トリブチルスズサルファイト、ジブチルスズチオグリコレート、オクチル酸スズなど)、有機アルミニウム化合物(アルミニウムイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレートなど)、有機チタニウム化合物(イソプロピルトリステアロイルチタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、ビス(ジオクチルピロホスフェート)オキシアセテートチタネートなど)、有機ジルコニウム化合物(テトラ−n−ブトキシジルコニウム、オクチル酸ジルコニル、アルコキシジルコニウムとアセチルアセトンまたはアセト酢酸エステルとの反応物など)、酸性化合物(有機酸、例えば、酢酸,プロピオン酸などの脂肪族有機カルボン酸,オキシカルボン酸、安息香酸などの芳香族カルボン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸などのスルホン酸など)、塩基性化合物(塩基、例えば、トリエチルアミンなどの有機塩基、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの無機塩基)、酸性リン酸エステル(モノブチルホスフェート、ジブチルホスフェート、イソプロピルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、オクチルアシッドホスフェート、トリデシルアシッドホスフェートなど)、前記酸性リン酸エステルとアミン(ヘキシルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルドデシルアミン、3−プロパノールアミンなど)の混合物または反応物が挙げられる。これらの硬化剤は単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
硬化剤の使用量は、硬化性を促進できる範囲、例えば、固形分換算で、シリコーン系マクロモノマーを共重合させた架橋性基含有アクリル共重合体(A)100重量部に対して0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部程度である。
インク記録体用樹脂組成物には、粉粒体(顔料など)を含有させてもよい。粉粒体としては、例えば、無機粉粒体(ホワイトカーボン、微粒子状珪酸カルシウム、ゼオライト、アルミノ珪酸マグネシウム、焼成珪成土、微粒子状炭酸マグネシウム、微粒子状アルミナ、シリカ、タルク、カオリン、デラミカオリン、クレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、珪酸マグネシウム、硫酸カルシウム、セリサイト、ベントナイト、スメクタイトなどの鉱物質粉粒体など)、有機粉粒体(ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂などの架橋又は非架橋有機微粒子、微小中空粒子などの有機質粉粒体など)が挙げられる。これらの粉粒体は1種又は2種以上適宜選択して併用可能である。なお、粉粒体を用いる場合、前記アクリル共重合体(A)及び/又は前記親水性高分子をバインダー樹脂として使用できる。粉粒体とバインダー樹脂との割合は、例えば、バインダー樹脂100重量部に対して粉粒体0.1〜80重量部、好ましくは0.2〜50重量部程度である。
インク記録体用樹脂組成物には、さらに特性を損なわない範囲で慣用の添加剤、例えば、消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、滑剤、安定剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤など)、帯電防止剤、アンチブロッキング剤などを添加してもよい。
インク記録体用樹脂組成物が分散液又は溶液である場合の溶媒としては、特に限定されず広範囲のものを使用できるが、水、又は水と水溶性有機溶媒との混合溶媒である場合が多い。
インク記録体用樹脂組成物の調製は、慣用の装置を用いて実施することができる。例えば、インク記録体用樹脂組成物を構成する各成分を、単に撹拌翼を用いて混合する方法、タービンステータ型高速回転式撹拌分散機(例えば、ホモジナイザイザーなど)、コロイドミル、超音波乳化機、高圧ホモジナイザーなどのような慣用の分散機を用いて混合する方法などが挙げられる。前記シリコーン系マクロモノマーを共重合させた架橋性基含有アクリル共重合体(A)及び無機微粒子(B)は、それぞれ、通常、分散液(例えば水性エマルジョン)又は溶液(例えば水溶液)の形態で配合に供されるが、少なくとも一方を固体の形態で用いることもできる。
[インク記録体]
本発明のインク記録体は、基材の少なくとも一方の面に、上記インク記録体用樹脂組成物から形成される少なくとも1層の受像層(インク受容層)を有する。基材としては、インク記録体の基材(支持体)として一般に用いられるものを使用でき、例えば、紙、プラスチックフィルム、これらの積層体等の何れであってもよい。
本発明のインク記録体は、上記インク記録体用樹脂組成物をそのまま、又は該樹脂組成物を適当な溶媒(水、水溶性であってもよい親水性溶媒、疎水性溶媒又はこれらの混合溶媒)で希釈或いは溶媒交換して得られる塗布液を基材の少なくとも一方の面に塗布し、乾燥することにより製造できる。塗布液の塗布は、慣用の流延または塗布方法、例えば、ロールコーター、エヤナイフコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、バーコーター、コンマコーター、グラビアコーター、シルクスクリーンコータ法などにより行うことができる。また、必要に応じて、塗布液を塗布した後、40〜150℃程度の範囲から選択された適当な温度で加熱して架橋した受像層を形成してもよい。
インク記録体用樹脂組成物により形成する受像層の厚みは、用途に応じて選択でき、例えば3〜50μm、好ましくは6〜30μm、さらに好ましくは5〜30μm程度である。
前記受像層の上には、必要に応じて、多孔質層、ブロッキング防止層、滑性層、帯電防止層などの他の層を形成してもよい。
本発明のインク記録体は、インクの小滴を飛翔させて記録するインクジェット方式による記録用シートとして有用であるが、これに限定されず、オフセット印刷、フレキソ印刷などの印刷用シート(特に水性インキ用シート)などとしても利用できる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
調製例1[シリコーン系マクロモノマーを共重合させた架橋性基含有アクリル共重合体(A-1)の調製]
撹拌機、還流冷却機、滴下ロート、窒素導入管および温度計を備えた2Lの反応容器に、イソプロピルアルコール47.55重量部およびアゾビスイソブチロニトリル0.25重量部を入れて、80℃に加熱した。モノマー成分として、メチルメタクリレート20重量部、ブチルアクリレート20重量部、ジエチルアミノエチルメタクリレート20重量部、シリコーン系マクロモノマー[チッソ(株)製、商品名「サイラプレーンFM−0725」]2重量部、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン2重量部を混合し、反応容器中に3時間かけて滴下した。滴下終了後、アゾビスイソブチロニトリル0.1重量部及びイソプロピルアルコール2重量部を添加し、さらに2時間反応を継続させた。反応終了後、撹拌しながら、88重量%ギ酸水溶液4重量部を添加し、次いでイオン交換水を100重量部添加した。最後に、反応混合物よりイソプロピルアルコールおよび水を留去することにより、シリコーン系マクロモノマーを共重合させた架橋性基含有アクリル共重合体(A-1)の水性エマルジョンを得た(不揮発分25重量%、pH5.0、23℃での粘度100mPa・s)。
調製例2[シリコーン系マクロモノマーを共重合させた架橋性基含有アクリル共重合体(A-2)の調製]
モノマー成分として、メチルメタクリレート20重量部、ブチルアクリレート20重量部、アクリル酸20重量部、シリコーン系マクロモノマー[チッソ(株)製、商品名「サイラプレーンFM−0725」]2重量部、γ−メタクリロキシプロピルトリメトシシシラン2重量部を用いた点、及び反応終了後、ギ酸の代わりに、撹拌しながら25重量%アンモニア水10重量部を添加した点以外は、調製例1と同様にして、シリコーン系マクロモノマーを共重合させた架橋性基含有アクリル共重合体(A-2)の水性エマルジョンを得た(不揮発分25重量%、pH8.0、23℃での粘度50mPa・s)。
調製例3[シリコーン系マクロモノマーを共重合させたアクリル共重合体(A-3)の調製]
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを除いたモノマー組成を用いた点以外は、調製例1と同様にして、シリコーン系マクロモノマーを共重合させたアクリル共重合体(A-3)の水性エマルジョンを得た(不揮発分25重量%、pH5.0、23℃での粘度90mPa・s)。
調製例4[架橋性基含有アクリル共重合体(A-4)の調製]
シリコーン系マクロモノマー[チッソ(株)製、商品名「サイラプレーンFM−0725」]を除いたモノマー組成を用いた点以外は、調製例1と同様にして、架橋性基含有アクリル共重合体(A-4)の水性エマルジョンを得た(不揮発分25重量%、pH5.0、23℃での粘度80mPa・s)。
実施例1
水400重量部に対して気相法シリカ[(株)トクヤマ製、商品名「レオロシールQS−102」]100重量部を撹拌しながら添加した分散液に、調製例1で得られたシリコーン系マクロモノマーを共重合させた架橋性基含有アクリル共重合体(A-1)の水性エマルジョン80重量部を撹拌しながら添加し、さらに高圧ホモジナイザーで分散させることにより、塗工液を調製した。紙基材[セイコーエプソン(株)製、商品名「PMマット紙」]の上に、上記の塗工液を♯20コーターバーで塗工した後、100℃で2分乾燥させることにより、乾燥塗布厚が5μmのインクジェット受像フィルム(インク記録体)を得た。
実施例2
コロイダルシリカ[日産化学工業(株)製、商品名「ST−20」]500重量部に、撹拌しながら、調製例2で得られたシリコーン系マクロモノマーを共重合させた架橋性基含有アクリル共重合体(A-2)の水性エマルジョン80重量部を添加することにより塗工液を調製した。この塗工液を用いて実施例1と同様にしてインクジェット受像フィルムを得た。
比較例1
実施例1において、シリコーン系マクロモノマーを共重合させた架橋性基含有アクリル共重合体(A-1)の水性エマルジョンの代わりに、調製例3で得られたシリコーン系マクロモノマーを共重合させたアクリル共重合体(A-3)の水性エマルジョンを同量用いたこと以外は実施例1と同様にしてインクジェット受像フィルムを得た。
比較例2
実施例1において、シリコーン系マクロモノマーを共重合させた架橋性基含有アクリル共重合体(A-1)の水性エマルジョンの代わりに、調製例4で得られた架橋性基含有アクリル共重合体(A-4)の水性エマルジョンを同量用いたこと以外は実施例1と同様にしてインクジェット受像フィルムを得た。
評価試験
実施例及び比較例で得られたインクジェット受像フィルムについて、耐傷つき性に関する評価試験を以下のようにして行った。結果を表1に示す。
(耐傷つき性)
セイコーエプソン(株)社製のインクジェットプリンターPM−950Cを用い、実施例及び比較例で得られた各インクジェット受像フィルムを2枚重ねてセットし、用紙モードをPM写真用紙にして2枚連続して、シアンとマゼンタの混色を用紙一面に印字した。2枚目に印字された画像について、目視により擦り傷の有無を観察し、以下の基準で評価した。
○:目視で擦り傷が確認できない。
△:僅かに擦り傷が確認できる。
×:はっきりと擦り傷が確認できる。
Figure 2005169832

Claims (5)

  1. シリコーン系マクロモノマーを共重合させた架橋性基含有アクリル共重合体(A)と無機微粒子(B)とからなるインク記録体用樹脂組成物。
  2. シリコーン系マクロモノマーを共重合させた架橋性基含有アクリル共重合体(A)が、下記式(a)で表される化合物及び式(b)で表される化合物からなる群より選択された少なくとも1種の化合物である請求項1記載のインク記録体用樹脂組成物。
    Figure 2005169832
    (式中、R1は水素原子又はメチル基、R2はC2-4アルキレン基、R3は同一又は異なってアルキル基又はアリール基、nは1以上の整数を示す)
  3. シリコーン系マクロモノマーを共重合させた架橋性基含有アクリル共重合体(A)の架橋性基が、アルコキシシリル基である請求項1記載のインク記録体用樹脂組成物。
  4. 無機微粒子(B)が、乾式シリカ、湿式シリカ、ゾルゲル法シリカ、コロイダルシリカ及びアルミナゾルからなる群より選択された少なくとも1種である請求項1記載のインク記録体用樹脂組成物。
  5. 基材の少なくとも一方の面に、請求項1〜4の何れかの項に記載のインク記録体用樹脂組成物から形成された少なくとも1層の受像層を有するインク記録体。
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