JP2005169769A - 液体吐出装置、印刷装置、及び液体吐出方法 - Google Patents

液体吐出装置、印刷装置、及び液体吐出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】インクジェットプリンタなどの液体吐出装置であって、1ラインの吐出を複数のノズルで行う場合の品質をより向上させることのできる液体吐出装置等を提供する。
【解決手段】吐出データを格納するバッファと、前記吐出データに従って媒体に対して液体を吐出するノズルを複数備え前記媒体に対して相対的に移動するヘッド部とを有する液体吐出装置が、前記媒体における1列分の液体吐出を複数の前記ノズルで行なう場合に、当該1列分の液体吐出に対応する前記吐出データを、前記バッファから読み出して前記ヘッド部に送る前に、当該吐出データが有する液体吐出の有無の情報に基づいて、当該複数のノズルに分配するデータ分配手段を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、吐出データに基づいて媒体に対して液体を吐出する液体吐出装置等に関し、特に、1ラインの吐出を複数のノズルで行う場合の品質向上を図ることのできる液体吐出装置等に関する。
所定のデータに基づいて媒体に対して液体を吐出する液体吐出装置としては、例えば、インクジェットプリンタ等がある。通常、インクジェットプリンタでは、複数のノズルを備えたヘッド部が印刷媒体に対して主走査方向と副走査方向に走査しながらインクを吐出して印刷媒体への印刷を実行する。
かかるインクジェットプリンタにおいて、主走査ライン(以下、「ラスタ」とも呼ぶ)1行分のインク吐出(ドット形成)を行なう際に、ラスタ上の全てのドットを1回の主走査(以下、「パス」とも呼ぶ)で1つのノズルにより行なうこともできるが、このようにすると、当該ノズルの特性がそのラスタ全体に反映されてしまい、筋状の画質劣化、即ち「バンディング」が発生してしまう可能性がある。
そこで、1ラスタ上のドットが複数回のパスにおいて異なるノズルを用いて形成される「オーバーラップ」という方式が提案されている(例えば、下記特許文献1)。また、かかるオーバーラップ方式にも、一部のラスタのみがオーバーラップで行なわれる「部分オーバーラップ」方式というものがある。このようなオーバーラップを用いてドット形成を行なう場合、1ラスタ分のドットを複数のノズルに分配する必要が生じるが、具体的には、1ラスタ分のインク吐出に用いられる吐出データ(画像データ)を複数のノズルに分配する必要があるが、従来は、当該データを1ドット分ずつ順番に用いるノズルに対して割り当てるという方法が取られていた。
特開2000−52543号公報
しかしながら、上述した従来のデータ分配方法では、オーバーラップの効果を十分に得られない場合もあった。図7は、かかる場合を説明するための図である。図において一番上に示されているものが、1ラスタ分の画像データをドット単位毎に例示した図である。ここで、黒丸の表示があるデータは、そこにドットを形成することを意味し、空白のデータは、ドットを形成しないことを意味する。かかる1ラスタを、例えば、2つのノズルによるオーバーラップ方式で印刷する場合を考えると、従来のデータ分配方法では、当該2つのノズルに分配されるデータは、図7の(A)及び(B)で示されるようなものとなる。即ち、従来方式では、単に左から順番にデータが割り振られるので、(A)に示される1つ目のノズルには、元のデータの奇数番目のデータが割り振られ、(B)に示される2つ目のノズルには、元のデータの偶数番目のデータが割り振られることになる。図から明らかなように、この例では、実際のドット形成が1番目のノズルに偏り、1番目のノズルの特性が当該ラスタの印刷に強く反映され、複数のノズルで印刷するというオーバーラップの効果を十分に得ることができない。このように、従来の方法では、オーバーラップによる品質の向上を十分に図れない場合があった。
そこで、本発明の目的は、インクジェットプリンタなどの液体吐出装置であって、1ラインの吐出を複数のノズルで行う場合の品質をより向上させることのできる液体吐出装置等を提供することである。
上記の目的を達成するために、本発明の一つの側面は、吐出データを格納するバッファ
と、前記吐出データに従って媒体に対して液体を吐出するノズルを複数備え前記媒体に対して相対的に移動するヘッド部とを有する液体吐出装置が、前記媒体における1列分の液体吐出を複数の前記ノズルで行なう場合に、当該1列分の液体吐出に対応する前記吐出データを、前記バッファから読み出して前記ヘッド部に送る前に、当該吐出データが有する液体吐出の有無の情報に基づいて、当該複数のノズルに分配するデータ分配手段を備えることである。従って、本発明によれば、1列分の液体吐出を複数のノズルで行なう場合に、各ノズルから行われる液体吐出の回数を制御することができ、従来よりも品質の向上を図れる。
更に、上記の発明において、その好ましい態様は、前記吐出データが有する液体吐出の有無の情報に基づく前記吐出データの分配が、前記複数のノズルのそれぞれにおける液体吐出回数が略同一になるように行なわれることを特徴とする。従って、1列分の液体吐出を複数のノズルで行なう場合に、各ノズルからの液体吐出回数が均一となり、特定のノズルの特性が強く反映されることを避けることができ、品質の向上を図ることができる。
また、上記の発明において、別の態様は、前記吐出データが有する液体吐出の有無の情報に基づく前記吐出データの分配が、前記複数のノズルのそれぞれにおける液体吐出回数の比率が所定の値になるように行なわれることを特徴とする。
更に、上記の発明において、別の態様は、前記1列分の液体吐出を複数のノズルで行なう処理が、前記媒体の一部の列に対して実行されることを特徴とする。これにより、所謂部分オーバーラップによる効果を十分に得ることが可能となる。
上記の目的を達成するために、本発明の別の側面は、画像データを格納するバッファと、前記画像データに従って印刷媒体に対してインクを吐出するノズルを複数備え前記印刷媒体に対して相対的に移動するヘッド部とを有する印刷装置が、前記印刷媒体における1列分のインク吐出を複数の前記ノズルで行なう場合に、当該1列分のインク吐出に対応する前記画像データを、前記バッファから読み出して前記ヘッド部に送る前に、当該画像データが有するインク吐出の有無の情報に基づいて、当該複数のノズルに分配するデータ分配手段を備えることである。
上記の目的を達成するために、本発明の更に別の側面は、吐出データを格納するバッファと、前記吐出データに従って媒体に対して液体を吐出するノズルを複数備え前記媒体に対して相対的に移動するヘッド部とを有する液体吐出装置における液体吐出方法において、前記媒体における1列分の液体吐出を複数の前記ノズルで行なう場合に、当該1列分の液体吐出に対応する前記吐出データを、前記バッファから読み出して前記ヘッド部に送る前に、当該吐出データが有する液体吐出の有無の情報に基づいて、当該複数のノズルに分配することである。
本発明の更なる目的及び、特徴は、以下に説明する発明の実施の形態から明らかになる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態例を説明する。しかしながら、かかる実施の形態例が、本発明の技術的範囲を限定するものではない。なお、図において、同一又は類似のものには同一の参照番号又は参照記号を付して説明する。
図1は、本発明を適用した印刷装置の第一の実施の形態例に係る構成図である。図1に示す本実施の形態例に係る印刷装置1は、ホストコンピュータ2から送信される印刷データに基づいて、紙などの印刷媒体に対してインクを吐出して印刷を行うインクジェットプリンタである。かかる印刷装置1は、オーバーラップ方式で印刷を行う場合の吐出データ(画像データ)の分配方法に特徴を有し、従来よりもオーバーラップ時の品質を向上させようとするものである。なお、ここでは、一例として、720DPIの印刷(ドット形成)を360DPIの2パスの印刷で実行する場合を想定している。
印刷装置1は、図1に示すように、コントローラユニット11とエンジンユニット12を備えており、コントローラユニット11ではドット形成のためのドット毎の画像データを生成し、エンジンユニット12では、その画像データに従ったインク吐出による印刷媒体への印刷を行なう。
コントローラユニット11には、図に示すように、まずホストI/F21が備えられている。ここでは、前記ホストコンピュータ2から送信された印刷データが受信される。また、CPU25は、本印刷装置1における各種制御の中心的役割を担う部分である。画像処理ユニット22は、前記受信された印刷データに対して、データ展開、2値化などの各種処理を実施し、エンジンユニット12に出力するドット毎の画像データを生成する部分である。また、イメージバッファ23は、前記画像処理ユニット22で生成された画像データをラスタ毎に格納するバッファであり、ここから所定のタイミングで画像データが読み出されてエンジンユニット12に出力される。なお、ここで想定している例では、イメージバッファ23に720DPIの画像データが格納されている。
次に、エンジンI/Fユニット24は、本印刷装置1の特徴であるオーバーラップ時のデータ分配を司る部分であり、図1に示すように、入力バッファ31、ドット分配回路32、及び出力バッファ33を備えている。入力バッファ31は、前記イメージバッファ23から読み出された所定長さの画像データを一時的に格納するバッファである。ドット分配回路32は、上記オーバーラップ時のデータ分配を司る回路であり、ここで想定している例では、イメージバッファ23における1ラスタの画像データを2つのノズル用のデータに、即ち、2パスのデータに分配する。また、出力バッファ33は、ドット分配回路32における処理後のデータを一時的に格納するバッファであり、ここに納められたデータがエンジンユニット12に出力される。
次に、エンジンユニット12は、図に示すように、エンジンコントローラ41とヘッド部42を備えている。エンジンコントローラ41は、エンジンユニット12による印刷媒体への印刷動作を制御する部分であり、前記出力バッファ33から所定のタイミングで画像データを取り出し、ヘッド部42に送る。ヘッド部42は、従来のインクジェットプリンタと同様に、印刷媒体に対して相対的に主走査方向及び副走査方向に走査しながら、前記送られたドット毎の画像データに従ってインク吐出を行う部分である。ヘッド部42には、副走査方向に複数のノズル43を備えたノズル列が1つ以上設けられており、当該各ノズル43からのインク吐出により印刷媒体上にドットが形成される。
図2は、本印刷装置1によるオーバーラップ時のドット形成を説明するための図である。図2には、ノズルA及びノズルBを含む複数のノズル43を配した前記ノズル列と印刷媒体3が例示されており、印刷媒体3内の各点線がドット形成がなされる各ラスタを表している。ここで、図のイで示すラスタの印刷に着目して説明すると、まず、ノズル列が図のパス(1)に示される位置で主走査方向に移動しながら当該ラスタ(イ)について1回目のドット形成を行なう。このとき、図にも示されているように、当該ラスタに対してノズルBが使用される。
次に、ノズル列が図のパス(2)に示される位置まで、副走査方向に印刷媒体3に対して相対的に移動した時に、当該ラスタに対する2パス目のドット形成を行なう。ここでも同様に、ノズル列が主走査方向に移動しながらインクを吐出してドット形成を行なうが、ここでは、図にも示すように、ノズルAが使用される。このように、当該ラスタについては、2つのノズルA及びBによるオーバーラップ方式のドット形成が行なわれる。そして、例えば、図7の右側に示すような順番でドットが形成されることになる。なお、ここで、ドットを表す丸の中に示されているA及びBは、当該ドット形成に使用されたノズルを示している。
図3及び図4は、本印刷装置1におけるオーバーラップ時のデータ分配処理を例示したフローチャートである。以下、図3及び図4に基づいて、印刷装置1の主にエンジンI/Fユニット24で行なわれる1ラスタ分の処理について説明する。
まず、イメージバッファ23に格納された1ラスタ分の画像データのうち所定長さ分のデータが入力バッファ31に読み込まれる(図3のステップS1)。その後、入力バッファ31に読み込まれたデータの1ドット分のデータが順番にドット分配回路32に読み込まれる(図3のステップS2)。ここで、当該読み込まれたデータがドットを形成すべき内容(以下、「ドット有り」と呼ぶ)であれば、図のステップS5に移行し、そうでなければ(以下、「ドット無し」と呼ぶ)図のステップS4に移行する(図3のステップS3)。
そして、ステップS4に移行した場合には、即ち、当該データがドット無しである場合には、当該データをヌル(null)データとして出力バッファ33に書き込む(図3のステップS4)。この場合、読み込んだデータは元々ヌルデータであるため、そのまま出力バッファ33に書き込むと言うこともできる。
一方、ステップS5に移行した場合には、即ち、当該データがドット有りである場合には、当該データが、処理対象のラスタにおいて何番目のドット有りのデータであるかを検知し、奇数番目であれば(図3のステップS5のYes)、当該データをドット有りのデータとして出力バッファ33に書き込む(図3のステップS6)。この場合、読み込んだデータは元々ドット有りのデータであるため、そのまま出力バッファ33に書き込むと言うこともできる。また、奇数番目でなければ(図3のステップS5のNo)、当該データをヌル(null)データとして出力バッファ33に書き込む(図3のステップS4)。
このように、読み込んだ1ドット分のデータについて処理が終了すると、対象としているラスタすべてについて処理が終了しているかをチェックし(図3のステップS7)、そうでない場合には(図3のステップS7のNo)、前記入力バッファ31に読み込んだデータすべてについて処理が終了しているかをチェックする(図3のステップS8)。
そして、処理が終了していない場合には(図3のステップS8のNo)、図3のステップS2からステップS7までの処理を、即ち、読み込んだデータについて出力バッファ33に書き込むまでの処理を、入力バッファ31に読み込んだデータすべてについて処理が終了するまで繰り返し実行する。そして、かかる処理が終了すると(図3のステップS8のYes)、出力バッファ33に書き込まれたデータをエンジンユニット12に出力する(図3のステップS9)。
その後、図3のステップS1に戻って、入力バッファ31への新たなデータの読み込みからの処理が同様に実行される。言い換えれば、対象としているラスタの次のデータがイメージバッファ23から読み込まれて、それらの各データについて分配処理が同様に行われる。そして、当該ラスタのすべてのデータについて図3のステップS6までの処理が終了すると(図3のステップS7のYes)、出力バッファ33からエンジンユニット12へのデータ転送が行なわれて(図3のステップS10)、当該ラスタについての1パス目の処理が終了する。即ち、1パス目で当該ラスタについてインクを吐出するノズル43用のデータが生成されてエンジンユニット12に送られることになる。
その後、当該エンジンユニット12に送られたデータ等に基づいてインク吐出(ドット形成)が実行されて、エンジンユニット12において、当該パスの印刷動作が終了する。
さらに、その後、各パスの印刷動作が継続し、それに伴って印刷媒体3が副走査方向に移動していく(図3のステップS11)。そして、前記対象としているラスタについて、2パス目の印刷を行うタイミングになると、当該ラスタについて2回目のデータ分配処理が行われることになる。2パス目の処理については、図4に示されており、図4に基づいて説明するが、図3に基づいて説明した1回目の処理とその内容は殆ど同じである。
従って、当該ラスタの全てのデータについて、出力バッファ33への書込みが終了するまで(図4のステップS27のYes)、同様の処理(図4のステップS21〜S29)が繰り返されるが、相違点は、ステップS25である。前記1回目の処理においては(図3のステップS5)対象データがドット有りであった場合に、それがラスタの奇数番目のドット有りのデータであれば、ドット有りとして出力バッファ33に書き込んだが、ここでは、対象データがドット有りであった場合に、それがラスタの偶数番目のドット有りのデータであれば、ドット有りとして出力バッファ33に書き込む(図4のステップS25〜S26)。そして、偶数番目でなければ、当該データについてヌルデータとして出力バッファ33に書き込む(図4のステップS25〜S24)。
このように、当該ラスタについて、2回目の処理が全て終了すると(図4のステップS30まで終了すると)、当該ラスタについての2パス目のデータが、即ち、2パス目で当該ラスタについてインクを吐出するノズル43用のデータがエンジンユニット12に全て送られて、2パス目の印刷が実行されることとなる。そして、当該ラスタについてのオーバーラップ方式による印刷が完了することとなる。
図5は、以上説明した処理内容により、本印刷装置1でデータの分配を行なった例を示した図である。図の一番上に示したものが、イメージバッファ23に納められている状態での1ラスタの画像データであり、これが前述したエンジンI/Fユニット24によって分配される。ここで、黒丸の表示があるデータは、ドット有りのデータを意味し、空白のデータは、ドット無しのデータを意味する。その下に示す図5の(A)及び(B)は、それぞれ、当該ラスタの1パス目の処理時に出力バッファ33に書き込まれるデータ、及び2パス目の処理時に出力バッファ33に書き込まれるデータを表している。
この例において、1パス目の処理では、即ち、図3に基づいて説明した処理では、まず図5のロに示すデータがドット分配回路32で処理されるが、このデータは、当該ラスタにおいて1番目のドット有りのデータであるので、奇数番目のドット有りのデータであると判断されて、そのまま出力バッファ33に書き込まれ図の(A)に示す状態となる。次に、図のハに示すデータは、ドット無しのデータであるので、(A)に示すようにそれに対応するデータとしてヌルデータが出力バッファ33に書き込まれる。次に、図のニに示すデータは、ドット有りであるが、2番目のドット有りのデータで奇数番目ではないので、ヌルデータが書き込まれる。このように、以降同様の処理がなされて、図の(A)に示すようなデータが出力バッファ33に生成され、当該ラスタの1パス目のインク吐出を行なうノズル43に送られる。図からも明らかなように、1パス目のデータ(A)では、元のデータに置いて奇数番目のドット有りのデータが割り振られている。
2パス目の処理、即ち、図4に基づいて説明した処理でも、同様の処理がなされて、図5の(B)に示すようなデータが出力バッファ33に生成され、当該ラスタの2パス目のインク吐出を行なうノズル43に送られる。図からも明らかなように、2パス目のデータ(B)では、元のデータに置いて偶数番目のドット有りのデータが割り振られている。
以上説明したように、本実施の形態例に係る印刷装置1では、1ラスタのドットを2つのノズル43で形成する場合に、当該ラスタの吐出データ(画像データ)を、ドット有りのデータが交互に当該2つのノズル43に割り振られるように分配する。言い換えれば、当該2つのノズル43でのドット形成(インク吐出)の回数が概ね同一になるように、データ分配が行なわれる。
従って、2つのノズルによるオーバーラップ方式の印刷を行なったときに、分配前のデータにおいて、ドット有りのデータがどのように配置されていても、当該2つのノズルで概ね同一個数のドット形成を行なうため、印刷結果にどちらかのノズルの特性が大きく反映されることがなく、均一で良好な印刷を行うことが得きる。よって、従来と異なり、どのような場合においてもオーバーラップ方式の効果を十分に得ることができる。かかる効果は、図5及び図7に示した例でも明らかである。両図において、元のデータは同一であるが、分配後のデータは異なったものとなっており、本印刷装置1で処理した図5に示す場合の方が2つのノズルでのドット形成回数が均一となり、オーバーラップの効果をより得ることができるといえる。
なお、本実施の形態例においては、上述のデータ分配を、イメージバッファ23から画像データをエンジンユニット12に送る過程で行ったが、同様の処理内容のデータ分配をイメージバッファ23にデータを格納する前に行っておいても良い。また、本実施の形態例においては、2つのノズルによるオーバーラップを想定したが、3つ以上のノズルによるオーバーラップの場合にも本発明を適用することができる。即ち、オーバーラップ時に使用する複数のノズルのそれぞれに分配されるドット有りのデータが、概ね同一個数になるようにデータ分配を行なうことができる。これにより、3つ以上のノズルを使用する場合にも各ノズルによるドット形成が均一に行われ、品質の向上を図ることができる。
さらに、また、複数のノズルによるオーバーラップ方式の印刷を行う場合に、当該複数のノズルに分配するドット有りのデータの分配率を予め定めておき、その分配率になるように、各ノズルに対してドット有りのデータを振り分けるようにしても良い。例えば、3つのノズルを使用する場合に、前記分配率を1:2:1とした場合には、データ分配後のドット有りのデータ個数が1:2:1になるように分配する。
次に、本発明の第二の実施の形態例について説明する。前述した第一の実施の形態例では、2つのノズルを使用するオーバーラップ時を想定して、各ラスタのデータについて2つにデータを分配する印刷装置であったが、本実施の形態例では、通常は、2つのノズルによるオーバーラップを行い、部分的に3つのノズルによるオーバーラップを行なう。具体的には、例えば、720DPIの印刷時に、1ラスタを、通常は360DPIによる2パスで印刷するが、部分的には360DPI+180DPI+180DPIの3パスで印刷する。
第二の実施の形態例に係る印刷装置の構成は、図1に基づいて説明した第一の実施の形態例に係る印刷装置1と同様であるが、第二の実施の形態例では、エンジンI/Fユニット24で行なうドット分配処理が若干異なる。以下、その相異点を中心に説明する。
図6は、第二の実施の形態例におけるオーバーラップ時のドット形成を説明するための図である。図6には、図2で示した場合と同様の方法で、ノズル列と印刷媒体3との位置関係が例示されている。ここでのノズル列は、図に示すA〜Eの少なくとも5つのノズルを備えており、印刷媒体3内の各点線がドット形成がなされる各ラスタを表している。ここで、図のホ及びヘで示すラスタの印刷に着目して説明する。
まず、ホで示すラスタについては、2パスでドット形成を行うオーバーラップで印刷が行われる。これは、図2に基づいて説明したオーバーラップによるドット形成と同様であり、1パス目でノズルBによるドット形成が行なわれ、ノズル列が副走査方向に相対的に移動後、2パス目でノズルAによるドット形成が行なわれる。そして、例えば、図の右側に示すような順番でドットが形成されることになる。なお、ここで、ドットを表す丸の中に示されている文字は、当該ドット形成に使用されたノズルを示している。このように、第二の実施の形態例において、通常、2つのノズルによるオーバーラップ方式の印刷が行なわれる。これは例えば、1パス、1ノズルで印字可能な最大解像度を越える解像度の印字を行う場合などに用いられる。
次に、図6のヘで示すラスタについては、3パスでドット形成を行なう。図に示す例では、1パス目でノズルEが、2パス目でノズルDが、3パス目でノズルCがそれぞれ使用されて、1ラスタのドット形成が完了する。これは、ノズル列の端に配置されたノズルの性能が他のノズルよりも悪い傾向にあるため、当該ノズルによるドット形成を1ラスタ内で多く使用するとバンディング等印刷品質の劣化を招く可能性が高くなるので、ノズルEやノズルCを使用するラスタでは、通常よりも多くのノズルを使用しようとするものである。従って、かかる3パスでのオーバーラップ時には、ノズル列の端に位置しないノズルDについては、上述した通常の2パスによるオーバーラップ時の1パス分のデータを割り当て、ノズルC及びEについては、通常の2パスによるオーバーラップ時のもう片方の1パス分のデータをさらに分配して割り当てる。その結果、例えば、図6の右側に示されるような順番でドットが形成されることになる。このように、第二の実施の形態例においては、ノズル列の端のノズルを使用する場合に、1ラスタに使用するノズルの数を増やしたオーバーラップ方式を採用している。これは、全てのラスタにオーバーラップ方式を用いているが、一種の部分オーバーラップ方式であるとも言える。
本実施の形態例では、以上説明したようなオーバーラップを行うが、その際のデータ分配処理について説明する。まず、前述のとおり、通常は全て2パスによるオーバーラップを行なうため、イメージバッファ23に格納されるドット毎の画像データは、既に2パスによるオーバーラップ時の1パス分のデータに分配されている。即ち、印刷媒体3上の各ラスタ用のデータは、イメージバッファ23内において当該ラスタのドット形成を行なう2つのノズル43に対応する2ラスタのデータに分配されている。図6に示した例では、例えば、図のホに示すラスタについては、イメージバッファ23内において、ノズルAとノズルB用の2つのラスタデータに既に分配されている。また、図のヘで示すラスタについては、ノズルDとノズルC及びE用の2つのラスタデータに分配されている。なお、この2パスによるオーバーラップを行なうためのデータ分配は、従来の通り、ドット有りのデータであるか否かに関わらず、順番にデータを割り当てる方法で行われる。
このような状態で格納されている画像データは、第一の実施の形態例の場合と同様に、順次エンジンI/Fユニット24に読み込まれて、分配処理後にエンジンユニット12に転送されるが、本実施の形態例においては、イメージバッファ23に格納された、2パス分に分配された後の各ラスタデータのすべてについてデータ分配は行なわず、ノズル列の端に位置するなど所定のノズルに割り当てられたラスタデータについてのみデータ分配処理を行う。具体的には、図6に示した例では、イメージバッファ23に格納された、ノズルA、B、及びD用の各データについては、データ分配を行わず、ノズルE(あるいはC)用のデータについては、データ分配処理を行う。
従って、ノズル列の端に位置するノズルなど所定のノズル以外のノズルに対するデータについては、エンジンI/Fユニット24は分配処理を行わず、そのままエンジンユニット12にデータを転送する。一方、上記所定のノズルに対するデータについては、図3及び4に基づいて説明した第一の実施の形態例の場合と同様の分配処理を行って、さらに2パス用のデータとしてエンジンユニット12にデータ転送する。例えば、図6のヘで示すラスタ用の1パス目のデータについては、ノズルE及びノズルC用の2つのデータに分配処理を行なう。
以上説明したように、第二の実施の形態例では、一部のラスタについては1ラスタ用のデータが2段階に分配され、その2段階目のデータ分配において、第一の実施の形態例で説明したデータ分配方法が取られる。即ち、部分的に使用するノズル数を増やす場合、前述した一種の部分オーバーラップの場合に、そのノズル数を増やす(部分オーバーラップを行なう)ラスタについてのデータ分配時に、ドット有りのデータを均一に割り当てる分配方法を採用する。これにより、部分的に使用するノズル数を増やすことによる品質向上の効果をより確実に得ることが可能となる。
なお、第二の実施の形態例では、全てのラスタについてオーバーラップを行なう場合であったが、ノズル列の端に位置するノズルなど所定のノズルを使用する場合にのみオーバーラップを行う部分オーバーラップによる印刷を行う場合に、前述した第二の実施の形態例におけるエンジンI/Fユニット24のデータ分配方法を採用することができる。即ち、部分オーバーラップを行なうラスタのデータについてのみドット分配回路32によるデータ分配処理を行って、それ以外のデータについてはそのままエンジンユニット12に転送するという処理を行う。これにより、部分オーバーラップによる品質向上の効果をより確実に得ることが可能となる。
また、前述した実施の形態例では、インクジェットプリンタを例にとって説明したが、本発明の液体吐出装置としては、上記インクジェットプリンタ等の印刷装置をはじめ、これらの他に、例えば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造型機等に適用することも可能である。
本発明の保護範囲は、上記の実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶものである。
本発明を適用した印刷装置の第一の実施の形態例に係る構成図である。 本印刷装置1によるオーバーラップ時のドット形成を説明するための図である。 本印刷装置1におけるデータ分配処理を例示したフローチャートである。 本印刷装置1におけるデータ分配処理を例示したフローチャートである。 本印刷装置1でデータの分配を行なった例を示した図である。 第二の実施の形態例におけるドット形成を説明するための図である。 従来のデータ分配を説明するための図である。
符号の説明
1 印刷装置、 2 ホストコンピュータ、 3 印刷媒体、 11 コントローラユニット、 12 エンジンユニット、 21 ホストI/F、 22 画像処理ユニット、 23 イメージバッファ、 24 エンジンI/Fユニット(データ分配手段)、 25 CPU(データ分配手段)、 31 入力バッファ、 32 ドット分配回路、 33 出力バッファ、 41 エンジンコントローラ、 42 ヘッド部、 43 ノズル




Claims (6)

  1. 吐出データを格納するバッファと、前記吐出データに従って媒体に対して液体を吐出するノズルを複数備え前記媒体に対して相対的に移動するヘッド部とを有する液体吐出装置であって、
    前記媒体における1列分の液体吐出を複数の前記ノズルで行なう場合に、当該1列分の液体吐出に対応する前記吐出データを、前記バッファから読み出して前記ヘッド部に送る前に、当該吐出データが有する液体吐出の有無の情報に基づいて、当該複数のノズルに分配するデータ分配手段を備える
    ことを特徴とする液体吐出装置。
  2. 請求項1において、
    前記吐出データが有する液体吐出の有無の情報に基づく前記吐出データの分配が、
    前記複数のノズルのそれぞれにおける液体吐出回数が略同一になるように行なわれる
    ことを特徴とする液体吐出装置。
  3. 請求項1において、
    前記吐出データが有する液体吐出の有無の情報に基づく前記吐出データの分配が、
    前記複数のノズルのそれぞれにおける液体吐出回数の比率が所定の値になるように行なわれる
    ことを特徴とする液体吐出装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかにおいて、
    前記1列分の液体吐出を複数のノズルで行なう処理が、前記媒体の一部の列に対して実行される
    ことを特徴とする液体吐出装置。
  5. 画像データを格納するバッファと、前記画像データに従って印刷媒体に対してインクを吐出するノズルを複数備え前記印刷媒体に対して相対的に移動するヘッド部とを有する印刷装置であって、
    前記印刷媒体における1列分のインク吐出を複数の前記ノズルで行なう場合に、当該1列分のインク吐出に対応する前記画像データを、前記バッファから読み出して前記ヘッド部に送る前に、当該画像データが有するインク吐出の有無の情報に基づいて、当該複数のノズルに分配するデータ分配手段を備える
    ことを特徴とする印刷装置。
  6. 吐出データを格納するバッファと、前記吐出データに従って媒体に対して液体を吐出するノズルを複数備え前記媒体に対して相対的に移動するヘッド部とを有する液体吐出装置における液体吐出方法であって、
    前記媒体における1列分の液体吐出を複数の前記ノズルで行なう場合に、当該1列分の液体吐出に対応する前記吐出データを、前記バッファから読み出して前記ヘッド部に送る前に、当該吐出データが有する液体吐出の有無の情報に基づいて、当該複数のノズルに分配する
    ことを特徴とする液体吐出方法。
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