JP2002292908A - ノズル配置構造、印刷制御装置、印刷装置、印刷制御プログラムおよび印刷制御方法 - Google Patents

ノズル配置構造、印刷制御装置、印刷装置、印刷制御プログラムおよび印刷制御方法

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JP2002292908A
JP2002292908A JP2001103160A JP2001103160A JP2002292908A JP 2002292908 A JP2002292908 A JP 2002292908A JP 2001103160 A JP2001103160 A JP 2001103160A JP 2001103160 A JP2001103160 A JP 2001103160A JP 2002292908 A JP2002292908 A JP 2002292908A
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nozzles
ink
printing
color
chromatic
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JP2001103160A
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Yukimitsu Fujimori
幸光 藤森
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Seiko Epson Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のノズル配置構造を採用する場合は、製
造コストが高くなりがちになっていた。 【解決手段】 印字ヘッド41における複数の色インク
に対するノズル配置をKCMYMCとしたときに(図2
3中段)、オーバーラップ印刷しない一例では往路で印
刷するノズルと復路で印刷するノズルを変化させること
によって双方向印字ムラの原因となる色インクの印刷順
序を常に一定とすることができるし(同図下段)、オー
バーラップ印刷する一例では奇数番目の画素と偶数番目
の画素とで印刷するノズルを変化させることによって各
画素での色インクの印刷順序が交互に逆転させて印刷順
序による色変化を目立たなくさせることができる(同図
上段)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ノズル配置構造、
印刷制御装置、印刷装置、印刷制御プログラムおよび印
刷制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、色インクごとに色インクを吐
出する複数のノズルを主走査方向に並べて配置した印刷
ヘッドを利用してカラー印刷を行なう手法が知られてい
る。また、黒色インク(K)、シアン色インク(C)、
マゼンタ色インク(M)、黄色インク(Y)の四色の色
インクを使用する場合、双方向印字ムラを解消するため
に往路用のノズルと復路用のノズルとを個別に設けてお
き、往路の各色インクの印刷順序と復路の各色インクの
印刷順序とが変わらないようにしたものが知られてい
る。例えば、副走査方向に並べたノズル列を主走査方向
に八列設けておき、各ノズルに対する色インクの分配を
KCMYYMCKとするのである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ノズルは主走査方向に
並べて配置されるとともに、副走査方向にも同じ色イン
クを割り当てて配列されており、ノズルの数は印刷ヘッ
ドの製造コストに影響する。従って、上述した従来のノ
ズル配置構造を採用する場合は、製造コストが高くなり
がちになるという課題があった。本発明は、上記課題に
かんがみてなされたもので、より安価で、かつ、印刷品
質を高くすることが可能なノズル配置構造、印刷制御装
置、印刷装置、印刷制御プログラムおよび印刷制御方法
の提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1にかかる発明は、複数色のインクを吐出す
る印刷ヘッドにおいて、色毎にインクを吐出するノズル
またはノズル群を主走査方向に並べて配置するノズル配
置構造であって、二組の複数の有彩中明度色インクのノ
ズルを互いにその並びが対称となるように配置するとと
もに、一組の有彩高明度色インクのノズルと無彩色イン
クのノズルを備えた構成としてある。まず、本発明で
は、有彩高明度色インクという表現と、有彩中明度色イ
ンクという表現と、無彩色インクという表現を採用して
いる。これは双方向印字ムラや色支配との関連の有無と
いう観点から色インクを分類したものであり、無彩色イ
ンクは一般的な黒インクあるいは灰色インクを指すこと
になる。これに対して有彩色は黒以外で何らかの色相を
伴うものである。その中でも高明度色インクと中明度色
インクという表現を採用しているのは、ドット位置精度
に起因する筋状のムラ(以後、バンディングと呼ぶ)
が、高明度のものほど目立ちにくいことを示す意図があ
る。上記のように構成した請求項1にかかる発明におい
ては、まず、二組の複数の有彩中明度色インクのノズル
を互いにその並びが対称となるように配置してある。有
彩中明度色インクのノズルについて二組を用意しつつそ
の並びが対称となるように配置することにより、双方向
印字ムラは解消される。また、これらについてのみ二組
を用意し、有彩高明度色インクのノズルと無彩色インク
のノズルについては一組だけ用意することにより、コス
トアップとならない。
【0005】また、二組の有彩中明度色インクのノズル
に対して、有彩高明度色インクのノズルと無彩色インク
のノズルは自由度が高いが、その配置によっては滲みや
すさに影響を与える。このため、請求項2にかかる発明
は、上記請求項1に記載のノズル配置構造において、上
記二組の複数の有彩中明度色インクのノズルの内側に有
彩高明度色インクのノズルを配置し、無彩色インクのノ
ズルを上記有彩中明度色インクのノズルの外側に配置す
るとともに他の色インクのノズルから距離を離して配置
する構成としてある。
【0006】上記のように構成した請求項2にかかる発
明においては、無彩色インクのノズルを上記有彩中明度
色インクのノズルの外側にて、他の色インクのノズルか
ら距離を離して配置されている。黒色インク(K)であ
る無彩色インクは他の色インクを滲ませやすいが、他の
色インクのノズルから距離を離して配置されることによ
り、乾燥期間が長くなり滲みにくくなる。また、残りの
有彩高明度色インクのノズルは上記二組の複数の有彩中
明度色インクのノズルの内側に配置されているので、必
然的に、無彩色インクからの距離は長いことが保障され
る。
【0007】さらに、他の配置の一例として、請求項3
にかかる発明は、上記請求項1に記載のノズル配置構造
において、上記二組の複数の有彩中明度色インクのノズ
ルの内側に有彩高明度色インクのノズルと無彩色インク
のノズルを配置し、かつ、上記有彩高明度色インクのノ
ズルと無彩色インクのノズルとの距離は上記有彩中明度
色インクのノズル間の距離よりも大きい構成としてあ
る。上記のように構成した請求項3にかかる発明におい
ては、上記二組の複数の有彩中明度色インクのノズルの
内側に有彩高明度色インクのノズルと無彩色インクのノ
ズルを配置されるものの、有彩高明度色インクのノズル
と無彩色インクのノズルとの距離は上記有彩中明度色イ
ンクのノズル間の距離よりも大きい。すなわち、黄色イ
ンク(Y)は黒色インク(K)によって最も滲みやすい
ものであるが、共にシアンやマゼンタの内側に配置され
る場合でも黒色インク(K)からの距離が大きめになっ
ているので、乾燥期間が長く取られ、滲みにくくなる。
また、この配置では印刷順序が逆転するのが黄色インク
(Y)と黒色インク(K)との間だけであり、先の請求
項2の配置では微量に存在する黒色インク(K)と他の
色インクとの間の印刷順序の逆転による色むら生じなく
なる。ところで、近年、マゼンタやシアンについては従
来の色インクに加えて淡色の色インクを利用されるよう
になってきている。すなわち、ライトシアン(lc)や
ライトマゼンタ(lm)が使われるようになってきてい
る。この場合、先に説明した二組の有彩中明度色インク
は必ずしも同じ濃さでなければならないというわけでは
なく、濃色のC,Mというノズルの配置に対して淡色の
lm,lcという配列であっても同様の作用を生じる。
このため、請求項4にかかる発明は、上記請求項1〜請
求項3のいずれかに記載のノズル配置構造において、上
記二組の有彩中明度色インクは、それぞれ濃色の色イン
クと淡色の色インクを組み合わせて構成してある。従っ
て、濃色や淡色の区別を越えて二組のノズルの配置が対
称になっていればよい。
【0008】一方、同様に二組の複数の有彩中明度色イ
ンクのノズルを互いにその並びが対称となるように配置
した印刷ヘッドで印刷を行なうにあたっては、最適な印
刷制御が望ましい。このため、請求項5にかかる発明
は、複数色のインクを吐出する印刷ヘッドにおいて、色
毎にインクを吐出するノズルまたはノズル群を主走査方
向に並べて配置するにあたり、二組の複数の有彩中明度
色インクのノズルを互いにその並びが対称となるととも
に主走査方向について同じ画像行に対面するように配置
した印刷ヘッドでの印刷制御装置であって、上記二組の
複数の有彩中明度色インクのノズルでオーバーラップ印
刷をさせる際に、互いに奇数番目と偶数番目の画素を分
担させる構成としてある。
【0009】上記のように構成した請求項5にかかる発
明においては、まず、上記二組の複数の有彩中明度色イ
ンクのノズルが、互いに奇数番目と偶数番目の画素を分
担することにより、オーバーラップ印刷が実現される。
ここで、同一画像行に対して並び方向が対称となる二組
の有彩中明度色インクのノズルで交互に印刷するので、
奇数番目と偶数番目の画素では印刷順序が交互に逆転す
ることになり、印刷支配が発現しにくくなる。
【0010】また、これをさらに進展させた請求項6に
かかる発明は、上記請求項5に記載の印刷制御装置にお
いて、上記二組の複数の有彩中明度色インクのノズルで
オーバーラップ印刷をさせる際に、主走査方向への往路
と復路とで奇数番目と偶数番目の分担を逆転させる構成
としてある。上記のように構成した請求項6にかかる発
明においては、主走査方向への往路と復路とで奇数番目
と偶数番目の分担を逆転させることにより、副走査方向
において二組の複数の有彩中明度色インクのノズルを交
互に利用することになるのでそれぞれの組に何らかの偏
りがあったとしても縦縞は生じにくくなる。
【0011】また、このように互いに奇数番目と偶数番
目の画素を分担する場合の最適な駆動手法として、請求
項7にかかる発明は、上記請求項5または請求項6のい
ずれかに記載の印刷制御装置において、上記二組の有彩
中明度色インクのノズルはそれぞれが奇数個の画素分だ
け離れて配置され、同二組の有彩中明度色インクのノズ
ルへは同じタイミングで駆動信号を送出する構成として
ある。上記のように構成した請求項7にかかる発明にお
いては、二組の有彩中明度色インクのノズルが奇数個の
画素分だけ離れて配置されることにより、一方が奇数番
目を分担すれば他方は偶数番目に対面することになるの
で、駆動回路を複雑にすることなく同じタイミングで駆
動信号を与えれば互いに奇数番目と偶数番目を分担する
ことになる。
【0012】むろん、偶数個の画素数分だけ離れている
場合でも奇数番目と偶数番目を分担することが不可能で
あるわけではなく、請求項8にかかる発明は、上記請求
項5または請求項6のいずれかに記載の印刷制御装置に
おいて、上記二組の有彩中明度色インクのノズルはそれ
ぞれが偶数個の画素分だけ離れて配置され、同二組の有
彩中明度色インクのノズルへは駆動信号の送出タイミン
グを一画素分だけずらしている構成としてある。
【0013】上記のように構成した請求項8にかかる発
明においては、二組の有彩中明度色インクのノズルが偶
数個の画素分だけ離れて配置されるので、同じタイミン
グで駆動信号を与えると互いに奇数番目と偶数番目を分
担することができなくなる。しかしながら、駆動信号の
送出タイミングが一画素分だけずらしてあると、一方が
奇数番目に対面した状態で駆動された後、印刷ヘッドが
移動し、一画素分だけずれたタイミングで駆動信号が出
力されるので、他方は偶数番目に対面したタイミングで
駆動され、この結果、互いに奇数番目と偶数番目を分担
することになる。また、このような構成であれば記録解
像度を変更した場合にも同様の制御を実施して対応可能
である。
【0014】ところで、ノズルの配置として副走査方向
へずらす配置も可能であり、その一例として、請求項9
にかかる発明は、複数色のインクを吐出する印刷ヘッド
において、色毎にインクを吐出するノズルを主走査方向
に一画像行おきに並べて配置するにあたり、二組の複数
の有彩中明度色インクのノズルを互いにその並びが対称
となるとともに主走査方向において同じ画像行に重なら
ないように配置した印刷ヘッドでの印刷制御装置であっ
て、上記二組の複数の有彩中明度色インクのノズルでオ
ーバーラップ印刷をさせる際に、奇数画素と偶数画素と
をそれぞれ分担させつつ、主走査方向への往路と復路と
で記録する画素の奇遇を逆転させる構成としてある。
【0015】上記のように構成した請求項9にかかる発
明においては、互いにその並びが対称となる二組の有彩
中明度色インクのノズルは、主走査方向において同じ画
像行に重ならず、互いに奇数画素と偶数画素とをそれぞ
れ分担しているので、最も接近した印字状態でも上下左
右の並び方向よりも距離を稼げる対角方向となる。この
結果、インク滴の重なる面積が小さくなって滲みにくく
なる。また、それぞれの組のノズルが一画像行おきに並
びつつ互いに同じ画像行には重ならないので最初に印刷
する組の印刷順序によって色支配が決まるが、二組のノ
ズルは相互に並びが対称であるので双方向印字において
も最初に印刷する組のノズルによる印刷順序は一定とな
り、双方向印字ムラは発生しない。
【0016】一般的には無彩色インクは双方向印字ムラ
の原因とならないが、色インクの種類によって無彩色イ
ンクでも双方向印字ムラの原因となる場合がある。この
ような場合に使用して好適な一例として、請求項10に
かかる発明は、複数色のインクを吐出する印刷ヘッドに
おいて、色毎にインクを吐出するノズルを主走査方向に
並べて配置するにあたり、二組の複数の有彩中明度色イ
ンクのノズルを互いにその並びが対称となるように配置
するとともに一組の有彩高明度色インクのノズルと無彩
色インクのノズルを備えた印刷ヘッドでの印刷制御装置
であって、上記無彩色インクのノズルを使用するときに
は単方向印刷を行う構成としてある。
【0017】上記のように構成した請求項10にかかる
発明においては、往路と復路とで印刷順序を変化できな
い無彩色インクのノズルを使用するときに単方向印刷を
行うことによって双方向印字ムラを防止する。そして、
請求項11にかかる発明は、上記請求項1〜請求項10
のいずれかに記載の印刷制御装置において、上記有彩中
明度色インクは、シアン色インク、マゼンタ色インク、
赤色インク、緑色インク、青色インクのいずれかであ
り、上記有彩高明度色インクは黄色インクとした構成し
てある。他の色インクとすることも不可能ではないが、
既存の機器を利用する上ではかかる構成とするのが好ま
しい。さらに、請求項12にかかる発明は、複数色のイ
ンクを吐出する印刷ヘッドにおいて、色毎にインクを吐
出するノズルを主走査方向に並べて配置するにあたり、
複数のノズルを割り当てた色インクとこれよりも少ない
数のノズルに割り当てた色インクとがある印刷ヘッドを
使用して印刷する印刷装置であって、上記複数のノズル
を割り当てた色インクについてはオーバーラップ印刷す
るとともに、上記少ない数のノズルに割り当てた少なく
とも一色の色インクは大きなドットを吐出して印刷する
構成としてある。
【0018】上記のように構成した請求項12にかかる
発明においては、複数のノズルを割り当てた色インクに
ついてはオーバーラップ印刷することによってバンディ
ングが防止され、上記少ない数のノズルに割り当てた色
インクについては大きなドットを吐出することによって
バンディングが防止され、全体としてバンディングの発
生を防止する。そして、請求項13にかかる発明は、上
記請求項12に記載の印刷装置において、上記少ない数
のノズルを割り当てる色インクは、有彩高明度色インク
と無彩色インクとした構成してある。上述したように有
彩中明度色インクでは、バンディングのみならず双方向
印字ムラを生じさせる要因となり、オーバーラップ印刷
はこれとの関連で相乗的に効果を生じやすい。これに対
して有彩色であっても高明度の色インクは双方向印字ム
ラやバンディングが目立たちにくいし、無彩色の色イン
クについては双方向印字ムラが生じにくいのでバンディ
ングだけを防止できるように大きなドットを吐出させる
だけで印刷品質を向上させる効果がある。上述した発明
についてはその本旨の共通する範囲において、プログラ
ム発明や方法発明としても実現できることはいうまでも
ない。
【0019】まず、請求項5にかかる発明に対応して、
請求項14にかかる発明は、複数色のインクを吐出する
印刷ヘッドにおいて、色毎にインクを吐出するノズルを
主走査方向に並べて配置するにあたり、二組の複数の有
彩中明度色インクのノズルを互いにその並びが対称とな
るとともに主走査方向について同じ画像行に対面するよ
うに配置した印刷ヘッドに対してラスタデータを生成す
るため、上記二組の複数の有彩中明度色インクのノズル
でオーバーラップ印刷をさせる際に、互いに奇数番目と
偶数番目の画素を分担させる機能をコンピュータに実現
させる構成としてある。また、請求項17にかかる発明
は、複数色のインクを吐出する印刷ヘッドにおいて、色
毎にインクを吐出するノズルを主走査方向に並べて配置
するにあたり、二組の複数の有彩中明度色インクのノズ
ルを互いにその並びが対称となるとともに主走査方向に
ついて同じ画像行に対面するように配置した印刷ヘッド
での印刷制御をするため、上記二組の複数の有彩中明度
色インクのノズルでオーバーラップ印刷をさせるととも
に、互いに奇数番目と偶数番目の画素を分担させる構成
としてある。
【0020】さらに、請求項9にかかる発明に対応し
て、請求項15にかかる発明は、複数色のインクを吐出
する印刷ヘッドにおいて、色毎にインクを吐出するノズ
ルを主走査方向に一画像行おきに並べて配置するにあた
り、二組の複数の有彩中明度色インクのノズルを互いに
その並びが対称となるとともに主走査方向において同じ
画像行に重ならないように配置した印刷ヘッドに対して
ラスタデータを生成するため、上記二組の複数の有彩中
明度色インクのノズルでオーバーラップ印刷をさせる際
に、奇数番目と偶数番目とをそれぞれ分担させつつ、主
走査方向への往路と復路とで逆転させる機能をコンピュ
ータに実現させる構成としてある。また、請求項18に
かかる発明は、複数色のインクを吐出する印刷ヘッドに
おいて、色毎にインクを吐出するノズルを主走査方向に
一画像行おきに並べて配置するにあたり、二組の複数の
有彩中明度色インクのノズルを互いにその並びが対称と
なるとともに主走査方向において同じ画像行に重ならな
いように配置した印刷ヘッドに対してラスタデータを生
成するため、上記二組の複数の有彩中明度色インクのノ
ズルでオーバーラップ印刷をさせる際に、主走査方向へ
の往路と復路とで奇数番目と偶数番目の分担を逆転させ
る構成としてある。
【0021】また、請求項10にかかる発明に対応し
て、請求項16にかかる発明は、複数色のインクを吐出
する印刷ヘッドにおいて、色毎にインクを吐出するノズ
ルを主走査方向に並べて配置するにあたり、二組の複数
の有彩中明度色インクのノズルを互いにその並びが対称
となるように配置するとともに一組の有彩高明度色イン
クのノズルと無彩色インクのノズルを備えた印刷ヘッド
での印刷制御をするため、上記二組の複数の有彩中明度
色インクのノズルは双方向印刷でオーバーラップ印刷す
るとともに、上記無彩色インクのノズルを使用するとき
には単方向印刷を行う機能をコンピュータに実現させる
構成としてある。また、請求項19にかかる発明は、複
数色のインクを吐出する印刷ヘッドにおいて、色毎にイ
ンクを吐出するノズルを主走査方向に並べて配置するに
あたり、二組の複数の有彩中明度色インクのノズルを互
いにその並びが対称となるように配置するとともに一組
の有彩高明度色インクのノズルと無彩色インクのノズル
を備えた印刷ヘッドでの印刷制御をするため、上記二組
の複数の有彩中明度色インクのノズルは双方向印刷でオ
ーバーラップ印刷するとともに、上記無彩色インクのノ
ズルを使用するときには単方向印刷を行う構成としてあ
る。
【0022】ところで、上記発明は単独で存在する場合
もあるし、ある機器に組み込まれた状態で利用されるこ
ともあるなど、発明の思想としてはこれに限らず、各種
の態様を含むものである。従って、ソフトウェアであっ
たりハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能
である。発明の思想の具現化例としてソフトウェアとな
る場合には、かかるソフトウェアを記録した記録媒体上
においても当然に存在し、利用されるといわざるをえな
い。
【0023】むろん、その記録媒体は、磁気記録媒体で
あってもよいし光磁気記録媒体であってもよいし、今後
開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考え
ることができる。また、一次複製品、二次複製品などの
複製段階については全く問う余地無く同等である。さら
に、一部がソフトウェアであって、一部がハードウェア
で実現されている場合においても発明の思想において全
く異なるものではなく、一部を記録媒体上に記憶してお
いて必要に応じて適宜読み込まれるような形態のものと
してあってもよい。
【0024】本発明をソフトウェアで実現する場合、ハ
ードウェアやオペレーティングシステムを利用する構成
とすることも可能であるし、これらと切り離して実現す
ることもできる。例えば、データの処理についてオペレ
ーティングシステムにおける所定の関数を呼び出して処
理することも可能であれば、このような関数を呼び出す
ことなくハードウェアで処理することも可能である。そ
して、実際にはオペレーティングシステムの介在のもと
で実現するとしても、プログラムが媒体に記録されて流
通される過程においては、このプログラムだけで本発明
を実施できるものと理解することができる。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように請求項1にかかる発
明は、ノズルの数をできるだけ多くすることなく、双方
向印字ムラを解消することが可能なノズル配置構造を提
供することができる。また、請求項2にかかる発明によ
れば、無彩色インクだけを離して滲みにくくすることが
でき、印字ヘッドを比較的コンパクトに形成することが
できる。さらに、請求項3にかかる発明によれば、一組
しかない無彩色インクと有彩高明度色インクが二組の有
彩中明度色インクの間に位置することによって双方向印
刷での印刷順序に影響を与えないようにしつつ、滲みに
くくすることもできる。さらに、請求項4にかかる発明
によれば、濃色や淡色の区別を越えて二組のノズルの配
置が対称になっていれば、同様に双方向印字ムラを解消
する効果がある。
【0026】さらに、請求項5と請求項14と請求項1
7にかかる発明によれば、奇数番目と偶数番目の画素で
印刷順序が交互に変わるので双方向印字ムラが発生しに
くい印刷制御装置を提供することができ、請求項6にか
かる発明によれば、奇数番目と偶数番目を往路と復路と
で別のノズルで分担するようにしたため、縦縞が生じな
いようにすることができる。また、請求項7にかかる発
明によれば、駆動信号の送出タイミングがシンプルなの
で、構成を簡易にすることができ、請求項8にかかる発
明によれば、構成は簡素ではなくなるもののノズルの配
置にかかわらず縦縞が生じない印刷を行うことができ
る。
【0027】さらに、請求項9と請求項15と請求項1
8にかかる発明によれば、互いに重ならない複数の画素
列を同時に印字しつつ互いに縦方向にも画素が隣接しな
いので、画素間の距離を大きくでき、滲みにくくさせる
ことが可能な印刷制御装置と印刷制御プログラムと印刷
制御方法を提供できる。さらに、請求項10と請求項1
6と請求項19にかかる発明によれば、無彩色インクが
双方向印字に影響を与える場合には敢えて単方向印字に
して印字ムラを生じさせないようにすることが可能な印
刷制御装置と印刷制御プログラムと印刷制御方法を提供
できる。そして、請求項11にかかる発明によれば、既
存の機器において適用しやすいという効果がある。
【0028】さらに、請求項12にかかる発明によれ
ば、一度の走査でオーバーラップ印刷できない色インク
については大きなドットとすることにより、複数のノズ
ルを割り当てた他の色インクと同様にバンディングを防
止可能な印刷装置を提供できる。そして、請求項13に
かかる発明によれば、個々の色インクの性質を鑑みてノ
ズルを多くすることなく印刷品質を上げられるという効
果がある。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、図面にもとづいて本発明の
実施形態を説明する。なお、 (1)ハードウェア構成 (2)印字ヘッドのノズル配置 (3)ノズル間の距離と遅延制御 (4)ラスタデータの分配と印刷について (5)ノズル配置の変形例について (6)黒色インクのバンディング防止について (7)黒色インクと双方向印字ムラについて (8)まとめ という順序で説明していく。
【0030】(1)ハードウェア構成 図1は、本発明を適用した一実施形態にかかるカラーイ
ンクジェットプリンタをブロック図により示している。
同図において、カラーインクジェットプリンタ20は、
ホストコンピュータ10からの印刷データを受信して印
刷を実行するものであり、プリンタコントローラ30と
プリントエンジン40とから構成されている。プリンタ
コントローラ30は、ホストコンピュータ10からの印
刷データなどを受信するインターフェース31と、各種
データの記憶などを行うRAM32と、各種データ処理
のためのプログラムなどを記憶したROM33と、CP
U34と、プリントエンジン40の印字ヘッド41側へ
ヘッドデータなどを送り出すための印字制御回路(印字
用ASIC)35と、イメージデータ及び駆動信号など
をプリントエンジン40に送信するためのインターフェ
ース36とを備えている。インターフェース31、RA
M32、ROM33、CPU34、印字制御回路35、
インターフェース36などは、バス37により相互に接
続されている。
【0031】ここで、インターフェイス31は印刷コマ
ンド・データをホストコンピュータ10から受信するも
のであり、RAM32は(受信)データバッファ32a
と出力(イメージ)バッファ32cとワークメモリ32
bなどとして利用されるものである。このうち、データ
バッファ32aには、インターフェース31が受信した
ホストコンピュータ10からの印刷コマンド・データが
一時的に記憶され、イメージバッファ32cには、印刷
コマンド・データが解析された結果としてのラスタグラ
フィックス形式のイメージデータが展開される。ROM
33は、CPU34などによって実行される各種制御プ
ログラム、例えば、主プログラム33aや割り込み処理
プログラム33bなどが記憶されているとともに、図示
しないフォントデータ及びグラフィック関数、各種手続
きなども記憶している。また、印字制御回路35には、
ヘッド駆動回路35aと、ヘッドデータ処理回路35b
と、シフトレジスタ35cとが内蔵されており、ラスタ
グラフィックス形式のイメージデータはこのシフトレジ
スタ35cに転送された後、ヘッドデータ処理回路35
bが所定のビット列を印字ヘッド41に出力し、ヘッド
駆動回路35aの駆動信号のスイッチングデータとな
る。
【0032】プリントエンジン40は、印字ヘッド41
と、キャリッジ機構42と、紙送り機構43とを備えて
いる。紙送り機構14は紙送りモータや紙送りローラな
どからなり、記録紙などの印刷記録媒体を順次送りだし
て副走査を行う。キャリッジ機構42は、印字ヘッド4
1を搭載するキャリッジと、このキャリッジをタイミン
グベルトなどを介して走行させるキャリッジモータなど
からなり、印字ヘッド41を主走査させる。印字ヘッド
41は、副走査方向に、所定個数のノズルからなるノズ
ル列41aを有しており、上記ビット列からなるヘッド
データに基づいて上記ヘッド駆動回路35aが出力する
駆動信号にて電気−機械変換素子が駆動され、各ノズル
41bからインク滴を吐出させる。
【0033】(2)印字ヘッドのノズル配置 図2は印字ヘッド41におけるノズル列41aに対する
色インクの分配と双方向印字で使用するノズルを示して
いる。同図に示す基本形では、紙面左から黒色インク
(K)、シアン色インク(C)、マゼンタ色インク
(M)、黄色インク(Y)、マゼンタ色インク(M)、
シアン色インク(C)という順番になっている。むろ
ん、主走査方向にも同じ色インクが分配された所定数の
ノズル41bが形成されている。
【0034】ここで、黒色インク(K)は本発明の無彩
色インクに該当し、シアン色インク(C)とマゼンタ色
インク(M)は有彩中明度色インクに該当し、黄色イン
ク(Y)は有彩高明度色インクに該当する。また、双方
向印字で使用するノズルの順番は、往路にYMCKの順
序であり、復路にKYMCの順番となる。このように往
路と復路の色インクの印刷順序は必ずしも一致していな
い。しかしながら、黒色インク(K)は無彩色であるた
め、他の有彩色インクと印刷順序が逆転しても殆ど色変
化が生じない結果、黒色インク(K)の印刷順序は無視
できる。
【0035】このように有彩中明度色インクであるシア
ン色インク(C)とマゼンタ色インク(M)については
二組用意して主走査方向についてそれぞれ並びが対称と
なるように配置しつつ、無彩色インクである黒色インク
(K)と有彩高明度色インクである黄色インク(Y)に
ついては一組だけ用意すれば、双方向印字による色変化
を防止しつつ、ノズルの増加は最低限とすることが可能
となる。
【0036】(3)ノズル間の距離と遅延制御 次に、上述したノズル配置は往路と復路とで使用するノ
ズル41bの位置が異なるが、これらを使用して各画素
を印刷するための制御について説明する。
【0037】印字ヘッド41で印字するためには、各ノ
ズル41bごとに設けたピエゾ素子などに所定のヘッド
駆動信号を出力する必要があり、同ヘッド駆動信号を出
力する制御データとなるヘッドデータを生成している。
図3はイメージバッファ32cと、シフトレジスタ35
cと、ヘッドデータ処理回路35bが有するラッチレジ
スタ35b1を示している。イメージバッファ32cに
は所望の画像が色インク毎にドットマトリクス状に展開
されているが、より具体的には水平方向の8画素分につ
いてそれぞれドットを付すか否かを表す1ビットを割り
当てることにより、8ビットからなる1バイトがデータ
の基準単位としてRAM32の領域が割り当てられるこ
とになる。この結果、水平方向の1ラスタ分の画素は前
方開始端アドレスad1f〜後方開始端アドレスad1
rを占有し、次の1ラスタ分の画素は前方開始端アドレ
スad2f〜後方開始端アドレスad2rを占有し、以
後、バッファに割り当てられたRAM領域内を利用して
いる。
【0038】イメージバッファ32cからのデータの読
み出しは1バイト単位で行われるため、水平方向に8画
素分のデータが所定のタイミングで8ビットのシフト領
域を有するシフトレジスタ35cに転送されることにな
る。また、シフトレジスタ35cは印字ヘッド41が現
実に有する副走査方向のノズル41bの個数に対応して
備えられており、各シフトレジスタ35cが各ノズル4
1bに対して個別的に対応している。
【0039】ラッチレジスタ35b1は、シフトレジス
タ35cにおけるMSBまたはLSBをラッチ可能に構
成されており、ラッチされたデータがヘッドデータとな
る。そして、往路であれば、イメージバッファ32cに
おける各ラスタデータの前方側から順次後方側に向けて
ラスタデータをシフトレジスタ35cに転送する。な
お、印字されるラスタはノズル41bの間隔に応じて所
定間隔毎のものとなり、対象となる印字ラスタのラスタ
データだけがイメージバッファ32cからシフトレジス
タ35cに転送される。シフトレジスタ35cは、MS
B側へのシフトとLSB側へのシフトが可能であり、往
路の場合はMSB側へシフトして桁溢れしたビットデー
タをラッチレジスタ35b1がラッチする。
【0040】この結果、8ビット単位でラスタデータが
シフトレジスタ35cに転送され、最上位のビットデー
タが印字対象となるのでラッチレジスタ35b1にラッ
チさせるようにシフトさせる。そして、シフトすれば次
のビットデータが最上位となり、次のドットのヘッドデ
ータとなる。一方、復路であれば、イメージバッファ3
2cにおける各ラスタデータの後方側から順次前方側に
向けてラスタデータをシフトレジスタ35cに転送す
る。また、シフトレジスタ35cはLSB側へシフト
し、桁溢れしたビットデータをラッチレジスタ35b1
がラッチする。このようにしてラスタデータの後方側の
ビットデータから順次ヘッドデータとなっていく。
【0041】ここで、上述したように印字ヘッド41で
は主走査方向に向けて各色インクに対応したノズル41
bが並び、同一画素について所定間隔を経て順次着弾さ
れるようにするため、吐出タイミングを遅延させなけれ
ばならない。遅延をハードウェアで実現することも可能
であるが、本実施形態のように、往路では順次隣接する
ノズル41bから吐出させるものの、復路では黒色イン
ク(K)のノズル41bと次に吐出する黄色インク
(Y)のノズル41bとの間が、他のノズル41b同士
の距離と異なり、ハードウェアの遅延回路が複雑にな
る。
【0042】このため、着弾位置の調整は、着弾時間差
に対応して画素を主走査方向にずらして実現している。
すなわち、イメージバッファ32cには幅方向について
余白領域を設けておき、往路か復路かによって遅延時間
差分だけ画素を所定画素数だけずらすのである。図4
は、往路で遅延時間を設けることなく黒色インク(K)
とシアン色インク(C)とで同一の画素についてのそれ
ぞれのヘッドデータを使用してドットを付す場合を示し
ている。この例では同じ位置に着弾しなければならない
にも関わらず、ノズル41bの現実のずれに対応して、
3画素分だけずれた位置にドットが付着している。
【0043】この場合であれば、図5に示すようにイメ
ージバッファ32cにて本来の必要領域R1の左右に余
白としての領域RL,RRを設けておき、往路での黒色
インク(K)については本来の必要領域R1に展開され
た画素を3画素分だけ右にシフトさせる。このようにシ
フトさせておくと、3画素分だけ進んだ位置でドットを
付すためのヘッドデータが生成されることになり、シフ
トしないシアン色インク(C)のドットと黒色インク
(K)のドットとが同一位置に着弾できるようになる。
また、復路については黒色インク(K)とシアン色イン
ク(C)とを逆転させてシフトさせればよい。
【0044】このようにしてノズル41b同士の位置ず
れをイメージバッファ32cに設けた余白に対応させる
ことにより、ノズル41b間の位置調整は任意に行うこ
とができる。図6は、図2に示すノズル配置で双方向印
字を行うための遅延制御にかかるフローチャートを示し
ており、図7は、これに利用するパラメータのテーブル
である。ステップS100では、印刷対象となるラスタ
ーデータをイメージバッファ32cから切り出す。上述
したようにイメージバッファ32cは本来のドットマト
リクス状の画素に対応して各画素のデータを保持してい
るが、製品のノズル41bはデータの解像度よりも粗く
なっており、次に印字ヘッド41を走査して印刷しよう
とする画素列のデータを、一旦、イメージバッファ32
cから切り出して別のワークバッファへコピーする。
【0045】続いてステップS102では次の走査が往
路か復路かを判断し、往路であればステップS104に
て往路のパラメータをテーブルから読み込み、復路であ
ればステップS106にて復路のパラメータをテーブル
から読み込む。読み込むテーブルは図7に示しており、
往路では「+3,+2,+1,0,0,0」であり、復
路では「0,0,0,−3,−4,−5」である。そし
て、ステップS108ではこのパラメータに基づいて上
記ワークバッファのデータを上述したイメージバッファ
32cの余白領域を使用してシフトする。
【0046】往路の場合、印刷に使用するノズル41b
は左側からのK,C,M,Yである。そして、Yを基準
とすると、Mはノズル41b間の距離に相当する時間だ
け遅延させて吐出することになり、Cはこの時間の2倍
だけ遅延させ、Kは3倍だけ遅延させればよいことにな
る。図7のパラメータは、この基準単位の倍数を表すも
のであり、ノズル41bの間隔が10画素分であれば、
「+1」のパラメータで10画素だけ右の余白に向かっ
てシフトさせておくことになる。
【0047】一方、復路の場合、印刷に使用するノズル
41bは左端のKと、右側のY,M,Cである。そし
て、Kを基準とすると、Yはノズル41b間の3倍の距
離に相当する時間だけ遅延させて吐出することになり、
Mはこの時間の4倍だけ遅延させ、Cは5倍だけ遅延さ
せればよいことになる。また、この場合は往路と逆方向
に進むため、シフトする方向は反転する。図7のパラメ
ータを参照すると、Yについては「−3」であるから、
30画素分だけ左の余白に向かってシフトさせておくこ
とになる。むろん、パラメータと画素数との対応につい
ては、任意な設定が可能であり、実際の画素数を表すこ
とも可能であり、この場合、30画素を表すのであれば
「30」というパラメータとなる。
【0048】以上のようにシフトさせたデータはイメー
ジバッファ32cに書き込まれているので、この後の印
刷に際しては遅延時間などを考慮することなくそのまま
同イメージバッファ32cからラスターデータを切り出
して駆動信号を出力するか否か制御すればよい。 (4)ラスタデータの分配と印刷について これまでは、上述したノズル配置を利用し、二組のシア
ン色インク(C)とマゼンタ色インク(M)については
交互に印刷して双方向印字ムラを防止する手法について
説明したが、上記ノズル配置を利用して同時にオーバー
ラップ印刷を行うことにより双方向印字ムラを防止する
とともにバンディングを防止することも可能である。
【0049】図8は、基本的なオーバーラップ印刷の手
法を示している。ここでは、理解の簡易のためノズル4
1bは副走査方向に向かって各色毎に5つ形成され、ノ
ズル41bの間隔は実際の印刷解像度の2倍として表示
している。また、Aのノズル列41aとBのノズル列4
1aは同じ画像行に対面している。同図において、印字
ヘッド41の上方に示した符号Aは、一組目のCMのノ
ズル列を示しており、符号Bは、二組目のMCのノズル
列を示している。残りの色のノズル列についてのオーバ
ーラップ印刷についてはここでは検討しない。複数の印
字ヘッド41を記載しているのは、印字ヘッド41を一
方向へ走査する毎に紙送りして印刷範囲が変化していく
様を示している。
【0050】また、印字ヘッド41に対応して、上段に
て”奇”と”遇”とあるのはAのノズル列とBのノズル
列が奇数番目の画素を分担して埋めるのか偶数番目の画
素を分担して埋めるのかを示している。その下の”PA
SS”は主走査の回数を示しており、ここではその下方
に示す印字方向に向かって印字ヘッド41が移動して印
刷を行うことを示している。印字ヘッド41の左方に示
す画像行は、実際に印刷されるインク滴のドットの行を
示しており、印字ヘッド41におけるノズル41bの副
走査方向における間隔が同画像行と一致していないた
め、副走査を実行しつつ全画像行を印刷している。
【0051】印字ヘッド41の右方には印刷されるドッ
トマトリクス状の画素と、印刷するノズル41bとの対
応を示している。ここで、Aのノズル列41aで印刷す
る画素には○を付してある。まず、各画像行はAのノズ
ル列41aとBのノズル列41aとが奇数番目と偶数番
目とを分担して一回の走査で印刷されている。ここで、
往路では偶数番目をBのノズル列41aが分担するの
で、印刷順序はCMYKとなるが、復路では奇数番目を
Aのノズル列41aが分担するので、印刷順序はYMC
Kとなる。従って、双方向印字ムラの原因となるシアン
色インク(C)とマゼンタ色インク(M)については奇
数番目の画素と偶数番目の画素とで交互に逆転してお
り、ほぼ双方向印字ムラが解消されている。
【0052】なお、厳密には往路では先にBのノズル列
41aが印刷をしてからAのノズル列41aが印刷する
ため、先に印刷するCMYKの印刷順序がやや強くなる
可能性もある。しかしながら、復路では先にAのノズル
列41aが印刷し、その印刷順序はKCMYとなる。従
って、双方向で必ずCMの順序となり、双方向印字ムラ
は生じない。一方、画像行の1行目は三番目のノズル列
が印刷を行い、往路においても復路においても奇数番目
の画素はAのノズル列41aが分担し、偶数番目の画素
はBのノズル列41aが分担している。従って、Aのノ
ズル列41aとBのノズル列41aとに性能上の差が大
きいと縦筋が生じる可能性がある。
【0053】一方、Aのノズル列41aとBのノズル列
41aは副走査方向においてずれが無く、一回の走査で
奇数番目と偶数番目とを交互に埋めることになる。従っ
て、インクが乾く前に隣接ドットが形成され、ドットが
つながりやすく、ドットが広がりにくいインクでもベタ
をきれいに印刷できる。また、Aのノズル列41aとB
のノズル列41aが奇数画素数分だけ離れている場合、
Aのノズル列41aが奇数番目に対面したときにBのノ
ズル列41aは偶数番目に対面することになり、同じタ
イミングで駆動信号を生成すればよくなり、ヘッド駆動
回路35aが複雑にならない。
【0054】もし、Aのノズル列41aとBのノズル列
41aが偶数画素数分だけ離れている場合には、Aのノ
ズル列41aが奇数番目に対面したときにBのノズル列
41aも奇数番目に対面することになり、同じタイミン
グで駆動信号を生成するわけにはいかない。従って、ヘ
ッド駆動回路35aは印字ヘッド41が一画素数分だけ
移動する時間だけずれたタイミングで駆動信号を生成
し、駆動信号の生成周波数は2倍になる。ただし、この
場合でも、他の色インクをオーバーラップ印刷しないと
きには必要な生成周波数であり、格別、ヘッド駆動回路
35aが複雑化するわけではない。
【0055】図9は、ラスタデータをイメージバッファ
32cからシフトレジスタ35cへ切り出すフローチャ
ートを示しており、イメージバッファ32cからシフト
レジスタ35cへ切り出す際には、常に、ステップS1
10にて奇数番目の画素についてはAのノズル列のシフ
トレジスタ35cへ切り出し、ステップS112にて偶
数番目の画素についてはBのノズル列のシフトレジスタ
35cへ切り出すようにしている。
【0056】次に、図10はイメージバッファ32cか
らラスターデータを切り出すときに往路と復路とでAの
ノズル列41aとBのノズル列41aが分担する奇数番
目と偶数番目を順次切り換えている。すなわち、往路で
はAのノズル列41aが奇数番目の画素を分担してBの
ノズル列41aが偶数番目の画素を分担しているが、復
路ではこれを逆転してAのノズル列41aが偶数番目の
画素を分担してBのノズル列41aが奇数番目の画素を
分担することにしている。この結果、印字ヘッド41の
右方に示したドットマトリクス状の画素ではAのノズル
列41aが印刷する画素とがBのノズル列41aが印刷
する画素とが市松模様状に配置され、両者に性能上の差
があっても縦筋は生じにくくなる。
【0057】図11はこのようにしてラスタデータを生
成する際のフローチャートを示しており、ステップS1
14にて印字ヘッド41が往路の走査を行おうとしてい
るのか復路の走査を行おうとしているのかを判断し、往
路であればステップS116にて奇数番目の画素につい
てはAのノズル列のシフトレジスタ35cへ切り出すと
ともにステップS118にて偶数番目の画素については
Bのノズル列のシフトレジスタ35cへ切り出すが、復
路であればステップS120にて偶数番目の画素をAの
ノズル列のシフトレジスタ35cへ切り出すとともにス
テップS122にて奇数番目の画素をBのノズル列のシ
フトレジスタ35cへ切り出している。
【0058】このように往路と復路とで一対用意されて
いる同色の色インクのノズル41bに分担させる画素を
奇数番目とするか偶数番目とするか切り換えることによ
り、分担する画素が市松模様状に混合し、縦筋が生じに
くくなる。図8と図10の例では、Aのノズル列41a
とBのノズル列41aは同じ画像行に対面しているが、
同じ画像行に重ならない配置とする場合について説明す
る。図12に示すものでも、ノズル41bの間隔は実際
の印刷解像度の2倍として表示しているが、ここでは現
実に実際の印刷解像度の2倍の例として説明する。
【0059】ここで、双方向印字ムラの原因である色支
配について説明する。図13には紙面上における仮想的
な各画素と色インクのドットが付着される面積の対応と
を示している。画像をドットマトリクス状に分割する
と、画素は四角SQになるが、インク滴CRはほぼ円形
のドットとならざるをえない。そして、全画素を印刷し
たときに下地が見えないようにするためには円形のドッ
トが四角の画素を完全に埋めなければならないので、理
論的には四角の対角線の距離がドットの直径と一致する
ようにしなければならない。また、各ノズル41bの精
度誤差で生じるバンディングを防止するためにはさらに
ドットの直径を大きくせざるを得ない。この結果、1ド
ットおきにドットを付そうとすると、最初の走査後に残
る紙面は本来の1/2を大きく下回ることになる。
【0060】このような状況においては、真新しい記録
媒体に対して往路と復路とで一列毎にドットを付すとし
ても、結局の所、最初の着弾順序のドットが占める記録
媒体の面積は、後の着弾順序のドットが占める記録媒体
の面積よりも格段に大きく、ここに色の偏りが生じ、色
支配が顕在化する。図12に示す印字ヘッド41の場
合、Aのノズル列41aとBのノズル列41aは一画像
行おきに並び、かつ、それぞれが同じ画像行に重ならな
いように配置している。画像行1〜5について検討する
と、往路でBのノズル列41aが画像行1,3,5にド
ットを一画素おきに着弾させると、紙面の1/4を格段
に上回ることになり、引き続いてBのノズル列41aが
画像行2,4にドットを着弾させても紙面の1/4にま
で至らない。往路でのBのノズル列41aの印刷順序は
CMであり、Aのノズル列41aの印刷順序はMCであ
るが、ここでは先に印刷されるCMの印刷順序が色支配
を制することになる。
【0061】次に、復路では先に印刷されるAのノズル
列41aの印刷順序がCMであって、画像行1,3,5
をこの順序で印刷すると、往路でのBのノズル列41a
による印刷順序と一致するし、後で印刷されるBのノズ
ル列41aの印刷順序はMCであって、画像行2,4を
この順序で印刷すると、往路でのAのノズル列41aに
よる印刷順序と一致する。従って、上述した色支配は崩
れない。また、画像行6〜10については、復路で先に
印刷されるAのノズル列41aの印刷順序が色支配を制
し、その印刷順序はCMである。そして、この後の往路
でもその色支配は崩れない。結局、Aのノズル列41a
とBのノズル列41aが一画像行おきに配置されると、
それぞれの印刷順序が逆転するものの、色支配によって
CMの順の印刷順序が顕著になり、双方向印字ムラは生
じない。
【0062】なお、往路と復路とでAのノズル列41a
とBのノズル列41aとが印刷する奇数番目と偶数番目
の分担を固定すると、図8に示すものと同様に縦筋が生
じるおそれがあり、図14に示すように往路と復路とで
奇数番目と偶数番目の分担を逆転させると市松模様状に
混合し、縦筋が生じにくくなる。 (5)ノズル配置の変形例について シアン色インク(C)とマゼンタ色インク(M)につい
て二組用意してその並びを逆転させる配置を維持しつ
つ、黒色インク(K)と黄色インク(Y)については上
述したのとは別の配置も可能である。
【0063】まず、図15は第一の変形例にかかる配置
を示しており、色インクの並び順は変わらないが、黒色
インク(K)のノズル41bだけを他の色インクのノズ
ル41bの間隔に比して大きく設定してある。すなわ
ち、左端の黒色インク(K)のノズル41bから次のシ
アン色インク(C)のノズル41bまでの距離がd2で
あるのに対して、他の全てのノズル41b同士の間隔は
d1であり、ここにd2>d1の関係が成立している。
このようなノズル配置とすると、上述した種々の効果と
共に、黒色インク(K)のインク滴が着弾するタイミン
グと他の色インクのインク滴が着弾するタイミングとの
間が長くなり、乾燥時間や浸透時間が長くなって滲みに
くくなる。
【0064】一方、図16は第二の変形例にかかる配置
を示しており、二組のシアン色インク(C)とマゼンタ
色インク(M)の間に、黒色インク(K)と黄色インク
(Y)を配置するものとし、かつ、シアン色インク
(C)とマゼンタ色インク(M)のノズル41bの距離
がd1であるのに対して、これらと内側に配置される黒
色インク(K)と黄色インク(Y)までの距離がd3で
あり、同黒色インク(K)と黄色インク(Y)との距離
もd3としてある。
【0065】この場合も黒色インク(K)については先
の変形例と同様に他の色インクからの距離が長く、乾燥
時間が長くなって滲みにくくなる。また、黄色インク
(Y)については黒色インク(K)に対して滲みやすい
性質を有するものの、両者の距離は長く、乾燥時間が長
くなって滲みにくくなっている。従って、このようなノ
ズル41b間の距離を適宜変更して配置することによ
り、上述した効果に加えて滲みを防止するという相乗的
な効果が期待できる。
【0066】(6)黒色インクのバンディング防止につ
いて 黄色インク(Y)はノズルが一組であってもバンディン
グが目立たない。これはもともと淡色であってベタとし
たときでも下地の白色とさほど明度変化がないからであ
る。これに対して、黒色インク(K)は、単独で記録さ
れた場合は、ベタとしたときに下地の白色との明度変化
が大きく、バンディングが生じやすい。ここで、一般に
黒色インク(K)が単独で出力されるのは特殊なモード
であり、通常は他の色インクと同時に使用されるため、
他色とのフルオーバーラップが成立し、バンディングは
問題とならないことが多い。しかし、先のような特殊な
モードでの印刷もありえるし、依然として黒色インク
(K)にはバンディングが生じやすい性質を内在してい
るのも事実であり、以下に、この対策について説明す
る。図17は印字ヘッド41にて色インクを吐出する電
気−機械変換素子であるピエゾ素子への駆動波形と色イ
ンクの吐出状況を示している。ピエゾ素子による駆動手
法は公知の手法を採用するものとするが、同駆動波形に
おいて基準電圧よりも高い電圧を印加するとインク路を
収縮させるように変形し、同基準電圧よりも低い電圧を
印加するとインク路を拡張させるように変形するものと
する。
【0067】同図において破線は通常のドットを吐出さ
せる際の駆動波形を示しており、区間p2において一
旦、基準電圧よりも低い電圧をピエゾ素子に印加するこ
とにより、インク路は拡張する。この場合、ノズルへの
インクの供給速度には限界があるため、図示しないイン
クタンクからのインクの供給量は不足し、ノズル41b
の開口のインク界面は内側に凹んだ状態となる。これは
区間p2の破線のように緩やかに電圧が下がっていく場
合(同図iの状態)と比べ、区間p1の実線に示すよう
に急激に電圧が下がっていく場合(同図ivの状態)の
方が凹み方は大きい。
【0068】そして、その後に続く区間p3にて急激に
高い電圧を印加すると、インク路が収縮されて一気にイ
ンク滴がノズル41bから押し出される。この場合、イ
ンクの界面の凹み方が小さい同図iの状態から同図ii
および同図iiiのように吐出されるインク滴は、イン
クの界面の凹み方が大きかった同図ivの状態から同図
vおよび同図viのように吐出されるインク滴よりも大
きなものとなる。すなわち、同じノズル41bを使用
し、かつ、最低の電圧と最高の電圧を同じとしながら
も、最初に電圧を低下させる際の勾配によってインク滴
の大きさをコントロールすることができる。
【0069】図18はこの手法を利用してシアン色イン
ク(C)、マゼンタ色インク(M)、黄色インク(Y)
のインク滴の大きさと、黒色インク(K)のインク滴の
大きさを異ならせ、後者については前者よりも大きなド
ットとした場合の印刷状態を示している。図中の升目は
計算上のドットマトリクス状の画素を示しており、各画
素は正方形となっている。各画素についてはその中央位
置に”・”を付してあり、この中央位置を目指して吐出
されたドットはほぼ円形をなすとともに、その中心位置
に”×”を付してある。
【0070】図に示す例では、シアン色インク(C)と
マゼンタ色インク(M)については同じ画像行をAのノ
ズル列41aとBのノズル列41aとでオーバーラップ
印刷させている。ただし、Aのノズル列41aとBのノ
ズル列41aとではやや吐出特性に相違があり、一画素
おきに着弾点の中心位置”×”が画素の中央位置”・”
から上方に少しだけずれている。一方、黒色インク
(K)については、着弾点の中心位置”×”が画素の中
央位置”・”よりやや全体的に下方にずれている。
【0071】この場合、シアン色インク(C)とマゼン
タ色インク(M)については、Aのノズル列41aとB
のノズル列41aとでオーバーラップ印刷させることに
よって、特性のずれが緩和され、バンディングは生じな
い。また、黄色インク(Y)についてはオーバーラップ
印刷できないもののもともとバンディングが目立たない
ので、通常どおりのインク滴の大きさで構わない。これ
に対して、黒色インク(K)については本来であれば全
体的に下方にずれているのでバンディングが目立つはず
であるが、この例では黒色インク(K)について図17
に示す区間p2の破線のように緩やかに電圧を下げてお
くことにより、吐出されるインク滴の量が多く、ドット
が大きめとなっており、結果としてやや着弾点の中心位
置がずれていてもバンディングは目立たなくなってい
る。
【0072】むろん、このようにドットが大きくなるの
に対応してハーフトーン処理でその影響をうち消すよう
にしている。すなわち、通常のインク滴の占有面積を1
20%として計算するのであれば、これより一回り大き
い130%というように計算すればよい。むろん、この
ような占有面積は記録媒体での滲み易さによっても容易
に影響を受ける。 (7)黒色インクと双方向印字ムラについて 一般に、黒色インク(K)は無彩色であり、他の有彩色
インクとの印刷順序によって画素の色が変化することは
ない。しかしながら、色インクの種類によっては影響を
受けることがある。図19と図20は黒色インク(K)
や黄色インク(Y)のようにノズルが一組しかない場合
に双方向印字ムラが生じにくくする例を示している。
【0073】図19は各色のイメージバッファ32cと
印刷ヘッドのノズル41bとの対応を示している。この
例では、各色インクに対して副走査方向に5つのノズル
41bが形成されており、ノズル41bの間隔は実際の
印刷解像度の2倍として表示している。イメージバッフ
ァ32c中に示した数字は印字ヘッド41で印刷する際
のパス数を示しており、”1”であれば1パス目、”
2”であれば2パス目、”3”であれば3パス目という
具合である。また、イメージバッファ32cの左余白に
示した数字は画像行の番号である。
【0074】黒色インク(K)のイメージバッファ32
cで2パス目に斜線で示している二つの画像行10,1
2には黒色のドットが付される行であることを示してい
る。端的には、このように黒色のドットが付される行が
パスに含まれているのであれば、単方向印刷を行う。図
20はこのためのフローチャートを示しており、ステッ
プS130では次の走査の際に印字ヘッド41で印刷す
る画像行のデータを切り出し、ステップS132で当該
ラスターデータに基づいて黒色インク(K)を付す画素
が含まれているか否かを判断する。黒色インク(K)画
素が含まれていなければ切り出した画像行のデータをス
テップS140にて通常の双方向印字のラスターデータ
として形成する。
【0075】しかし、黒色インク(K)画素が含まれ値
得る場合にはステップS134にて印刷ヘッドの位置を
判断する。ラスターデータを形成する時点では、印字ヘ
ッド41は往路の開始位置が復路の開始位置にあり、復
路の開始位置にある場合にはステップS136にて往路
の開始位置へと移動させる。このようにすることによ
り、黒色インク(K)画素が含まれる場合には必ず往路
の走査で印刷が行われることになる。その後、切り出し
ておいた画像行のデータをステップS138にて単方向
印字のラスターデータとして形成する。
【0076】図21と図22は以上の制御の成果を図示
したものであり、印字ヘッド41におえる色インクの配
置が図2に示すものである場合、以上の制御を実施しな
い場合は図21の左方に示すように往路での印刷順序は
YMCKであり、下段の右方に示すように復路での印刷
順序はKYMCとなる。このように双方向印刷で黒色イ
ンク(K)の印刷される順番が最初になったり最後にな
ったりする。しかしながら、以上の制御を実施する場合
は図22に示すようになり、黒色インク(K)画素を印
刷する場合は必ず往路での印刷となり、復路での印刷で
黒色インク(K)画素を印刷することはない。従って、
YMCKの印刷順序となり、黒色インク(K)は最後に
印刷される。
【0077】(8)まとめ 最後に、図23を参照して本発明を簡潔に説明する。印
字ヘッド41における複数の色インクに対するノズル配
置をKCMYMCとしたときに(図23中段)、オーバ
ーラップ印刷しない一例では往路で印刷するノズルと復
路で印刷するノズルを変化させることによって双方向印
字ムラの原因となる色インクの印刷順序を常に一定とす
ることができるし(同図下段)、オーバーラップ印刷す
る一例では奇数番目の画素と偶数番目の画素とで印刷す
るノズルを変化させることによって各画素での色インク
の印刷順序が交互に逆転させて印刷順序による色変化を
目立たなくさせることができる(同図上段)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した一実施形態にかかるカラーイ
ンクジェットプリンタのブロック図である。
【図2】印字ヘッドにおける色インクとノズル配置の対
応関係と双方向印字で使用するノズルを示す図である。
【図3】ラスターデータの転送の状況を示す図である。
【図4】遅延回路を設けないでドットを付す場合を示す
図である。
【図5】イメージバッファに余白を設けて遅延回路を省
略する手法を説明する図である。
【図6】同イメージバッファを使用した遅延制御を示す
フローチャートである。
【図7】同遅延制御で利用するパラメータテーブルを示
す図である。
【図8】印字ヘッドにおけるノズルの使用方法を示す図
である。
【図9】同使用方法に対応したフローチャートである。
【図10】印字ヘッドにおけるノズルの他の使用方法を
示す図である。
【図11】同使用方法に対応したフローチャートであ
る。
【図12】ノズル配置を変更した印字ヘッドにおける同
ノズルの使用方法を示す図である。
【図13】色支配を説明する図である。
【図14】同印字ヘッドにおけるノズルの他の使用方法
を示す図である。
【図15】印字ヘッドにおける色インクとノズル配置の
対応関係の変形例を示す図である。
【図16】印字ヘッドにおける色インクとノズル配置の
対応関係の変形例を示す図である。
【図17】印字ヘッドに対する駆動波形とインク滴の吐
出状況の対応を示す図である。
【図18】オーバーラップ印刷でのドットの状況と大き
めのドットの状況を示す図である。
【図19】各色インクごとのイメージバッファを示す図
である。
【図20】所定の色インクについて単方向印刷をする制
御を示す図である。
【図21】双方向印刷での着弾順序を説明する図であ
る。
【図22】黒色インクの画素について単方向印刷する場
合の着弾順序を説明する図である。
【図23】本発明を概略的に示す図である。
【符号の説明】
10…ホストコンピュータ 20…カラーインクジェットプリンタ 30…プリンタコントローラ 31…インターフェース 32…RAM 32a…データバッファ 32b…ワークメモリ 32c…イメージバッファ 33a…主プログラム 33b…処理プログラム 35…印字制御回路 35a…ヘッド駆動回路 35b…ヘッドデータ処理回路 35b1…ラッチレジスタ 35c…シフトレジスタ 36…インターフェース 37…バス 40…プリントエンジン 41…印字ヘッド 41a…ノズル列 41b…ノズル 42…キャリッジ機構 43…紙送り機構
フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 EA08 EA11 EA24 EC07 EC37 EC71 EC72 EC74 EE10 EE15 FA04 FA11 HA22 2C057 AF32 AF91 AG14 AM03 AM15 AM19 AN02 BA03 BA14

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数色のインクを吐出する印刷ヘッドに
    おいて、色毎にインクを吐出するノズルまたはノズル群
    を主走査方向に並べて配置するノズル配置構造であっ
    て、 二組の複数の有彩中明度色インクのノズルを互いにその
    並びが対称となるように配置するとともに、一組の有彩
    高明度色インクのノズルと無彩色インクのノズルを備え
    たことを特徴とするノズル配置構造。
  2. 【請求項2】 上記請求項1に記載のノズル配置構造に
    おいて、上記二組の複数の有彩中明度色インクのノズル
    の内側に有彩高明度色インクのノズルを配置し、無彩色
    インクのノズルを上記有彩中明度色インクのノズルの外
    側に配置するとともに他の色インクのノズルから距離を
    離して配置することを特徴とするノズル配置構造。
  3. 【請求項3】 上記請求項1に記載のノズル配置構造に
    おいて、上記二組の複数の有彩中明度色インクのノズル
    の内側に有彩高明度色インクのノズルと無彩色インクの
    ノズルを配置し、かつ、上記有彩高明度色インクのノズ
    ルと無彩色インクのノズルとの距離は上記有彩中明度色
    インクのノズル間の距離よりも大きいことを特徴とする
    ノズル配置構造。
  4. 【請求項4】 上記請求項1〜請求項3のいずれかに記
    載のノズル配置構造において、上記二組の有彩中明度色
    インクは、それぞれ濃色の色インクと淡色の色インクの
    組み合わせであることを特徴とするノズル配置構造。
  5. 【請求項5】 複数色のインクを吐出する印刷ヘッドに
    おいて、色毎にインクを吐出するノズルまたはノズル群
    を主走査方向に並べて配置するにあたり、二組の複数の
    有彩中明度色インクのノズルを互いにその並びが対称と
    なるとともに主走査方向について同じ画像行に対面する
    ように配置した印刷ヘッドでの印刷制御装置であって、 上記二組の複数の有彩中明度色インクのノズルでオーバ
    ーラップ印刷をさせる際に、互いに奇数番目と偶数番目
    の画素を分担させることを特徴とする印刷制御装置。
  6. 【請求項6】 上記請求項5に記載の印刷制御装置にお
    いて、 上記二組の複数の有彩中明度色インクのノズルでオーバ
    ーラップ印刷をさせる際に、主走査方向への往路と復路
    とで奇数番目と偶数番目の分担を逆転させることを特徴
    とする印刷制御装置。
  7. 【請求項7】 上記請求項5または請求項6のいずれか
    に記載の印刷制御装置において、上記二組の有彩中明度
    色インクのノズルはそれぞれが奇数個の画素分だけ離れ
    て配置され、同二組の有彩中明度色インクのノズルへは
    同じタイミングで駆動信号を送出することを特徴とする
    印刷制御装置。
  8. 【請求項8】 上記請求項5または請求項6のいずれか
    に記載の印刷制御装置において、上記二組の有彩中明度
    色インクのノズルはそれぞれが偶数個の画素分だけ離れ
    て配置され、同二組の有彩中明度色インクのノズルへは
    駆動信号の送出タイミングを一画素分だけずらしている
    ことを特徴とする印刷制御装置。
  9. 【請求項9】 複数色のインクを吐出する印刷ヘッドに
    おいて、色毎にインクを吐出するノズルを主走査方向に
    一画像行おきに並べて配置するにあたり、二組の複数の
    有彩中明度色インクのノズルを互いにその並びが対称と
    なるとともに主走査方向において同じ画像行に重ならな
    いように配置した印刷ヘッドでの印刷制御装置であっ
    て、 上記二組の複数の有彩中明度色インクのノズルでオーバ
    ーラップ印刷をさせる際に、奇数画素と偶数画素とをそ
    れぞれ分担させつつ、主走査方向への往路と復路とで記
    録する画素の奇遇を逆転させることを特徴とする印刷制
    御装置。
  10. 【請求項10】 複数色のインクを吐出する印刷ヘッド
    において、色毎にインクを吐出するノズルを主走査方向
    に並べて配置するにあたり、二組の複数の有彩中明度色
    インクのノズルを互いにその並びが対称となるように配
    置するとともに一組の有彩高明度色インクのノズルと無
    彩色インクのノズルを備えた印刷ヘッドでの印刷制御装
    置であって、 上記無彩色インクのノズルを使用するときには単方向印
    刷を行うことを特徴とする印刷制御装置。
  11. 【請求項11】 上記請求項1〜請求項10のいずれか
    に記載の印刷制御装置において、上記有彩中明度色イン
    クは、シアン色インク、マゼンタ色インク、赤色イン
    ク、緑色インク、青色インクのいずれかであり、上記有
    彩高明度色インクは、黄色インクであることを特徴とす
    る印刷制御装置。
  12. 【請求項12】 複数色のインクを吐出する印刷ヘッド
    において、色毎にインクを吐出するノズルを主走査方向
    に並べて配置するにあたり、複数のノズルを割り当てた
    色インクとこれよりも少ない数のノズルに割り当てた色
    インクとがある印刷ヘッドを使用して印刷する印刷装置
    であって、 上記複数のノズルを割り当てた色インクについてはオー
    バーラップ印刷するとともに、上記少ない数のノズルに
    割り当てた少なくとも一色の色インクは大きなドットを
    吐出して印刷することを特徴とする印刷装置。
  13. 【請求項13】 上記請求項12に記載の印刷装置にお
    いて、上記少ない数のノズルを割り当てる色インクは、
    有彩高明度色インクと無彩色インクであることを特徴と
    する印刷装置。
  14. 【請求項14】 複数色のインクを吐出する印刷ヘッド
    において、色毎にインクを吐出するノズルを主走査方向
    に並べて配置するにあたり、二組の複数の有彩中明度色
    インクのノズルを互いにその並びが対称となるとともに
    主走査方向について同じ画像行に対面するように配置し
    た印刷ヘッドに対してラスタデータを生成するため、 上記二組の複数の有彩中明度色インクのノズルでオーバ
    ーラップ印刷をさせる際に、互いに奇数番目と偶数番目
    の画素を分担させる機能をコンピュータに実現させるこ
    とを特徴とする印刷制御プログラム。
  15. 【請求項15】 複数色のインクを吐出する印刷ヘッド
    において、色毎にインクを吐出するノズルを主走査方向
    に一画像行おきに並べて配置するにあたり、二組の複数
    の有彩中明度色インクのノズルを互いにその並びが対称
    となるとともに主走査方向において同じ画像行に重なら
    ないように配置した印刷ヘッドに対してラスタデータを
    生成するため、 上記二組の複数の有彩中明度色インクのノズルでオーバ
    ーラップ印刷をさせる際に、奇数番目と偶数番目とをそ
    れぞれ分担させつつ、主走査方向への往路と復路とで逆
    転させる機能をコンピュータに実現させることを特徴と
    する印刷制御プログラム。
  16. 【請求項16】 複数色のインクを吐出する印刷ヘッド
    において、色毎にインクを吐出するノズルを主走査方向
    に並べて配置するにあたり、二組の複数の有彩中明度色
    インクのノズルを互いにその並びが対称となるように配
    置するとともに一組の有彩高明度色インクのノズルと無
    彩色インクのノズルを備えた印刷ヘッドでの印刷制御を
    するため、 上記二組の複数の有彩中明度色インクのノズルは双方向
    印刷でオーバーラップ印刷するとともに、上記無彩色イ
    ンクのノズルを使用するときには単方向印刷を行う機能
    をコンピュータに実現させることを特徴とする印刷制御
    プログラム。
  17. 【請求項17】 複数色のインクを吐出する印刷ヘッド
    において、色毎にインクを吐出するノズルを主走査方向
    に並べて配置するにあたり、二組の複数の有彩中明度色
    インクのノズルを互いにその並びが対称となるとともに
    主走査方向について同じ画像行に対面するように配置し
    た印刷ヘッドでの印刷制御をするため、 上記二組の複数の有彩中明度色インクのノズルでオーバ
    ーラップ印刷をさせるとともに、互いに奇数番目と偶数
    番目の画素を分担させることを特徴とする印刷制御方
    法。
  18. 【請求項18】 複数色のインクを吐出する印刷ヘッド
    において、色毎にインクを吐出するノズルを主走査方向
    に一画像行おきに並べて配置するにあたり、二組の複数
    の有彩中明度色インクのノズルを互いにその並びが対称
    となるとともに主走査方向において同じ画像行に重なら
    ないように配置した印刷ヘッドに対してラスタデータを
    生成するため、 上記二組の複数の有彩中明度色インクのノズルでオーバ
    ーラップ印刷をさせる際に、主走査方向への往路と復路
    とで奇数番目と偶数番目の分担を逆転させることを特徴
    とする印刷制御方法。
  19. 【請求項19】 複数色のインクを吐出する印刷ヘッド
    において、色毎にインクを吐出するノズルを主走査方向
    に並べて配置するにあたり、二組の複数の有彩中明度色
    インクのノズルを互いにその並びが対称となるように配
    置するとともに一組の有彩高明度色インクのノズルと無
    彩色インクのノズルを備えた印刷ヘッドでの印刷制御を
    するため、 上記二組の複数の有彩中明度色インクのノズルは双方向
    印刷でオーバーラップ印刷するとともに、上記無彩色イ
    ンクのノズルを使用するときには単方向印刷を行うこと
    を特徴とする印刷制御方法。
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