JP2005169410A - 差厚材のレーザ溶接方法 - Google Patents

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徹 中嶋
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Abstract

【課題】 板厚の異なる厚板材と薄板材とを突合せて両者間を確実に溶接する。
【解決手段】 厚板材23の段差面23Cと薄板材22の切断面22Aとが交差する交差部24に溶加材25の先端を突当て、この溶加材25の先端にレーザビーム32を照射する。これにより、例えば溶加材25の先端に巻きぐせが残っている場合でも、この巻きぐせを交差部24への突当て力によって矯正することができる。これにより、溶加材25の先端部を薄板材22と厚板材23との間の適正な位置に安定して配置することができ、溶加材25、薄板材22、厚板材23を充分に溶融させることにより、薄板材22と厚板材23とを強固に溶接することができる。
【選択図】 図7

Description

本発明は、板厚が異なる平板状の薄板材と厚板材との間をレーザ溶接によって接合するのに好適に用いられる差厚材のレーザ溶接方法に関する。
一般に、自動車の車体(シャーシ)等を形成するために用いられる鋼板材として、板厚が異なる平板状の薄板材と厚板材とを、幅方向に交互に並べて接合してなる差厚材が知られている。
そして、上述の如き差厚材を形成するため、従来では、薄板材と厚板材とを幅方向に突合せた状態で、これら薄板材と厚板材との間にフィラワイヤ等の細長い線状の溶加材を供給しながら、この溶加材にレーザビームを照射するレーザ溶接方法が採用されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平7−314163号公報
このレーザ溶接方法は、溶加材供給装置によってドラムから連続的に巻出された溶加材を、薄板材と厚板材との突合せ面の上端部に供給し、集光装置を用いて極めて微小な面積範囲に集光させたレーザビームをこの溶加材に照射することにより、これら溶加材、薄板材、厚板材を溶融させるもので、薄板材と厚板材との間に深い溶込みをもった溶接部を形成し、両者間を強固に接合することができる。
ところで、上述した従来技術では、溶加材供給装置のドラムから巻出される溶加材に巻きぐせによる曲がり等が生じるのを矯正するため、溶加材供給装置に矯正装置を設ける構成としている。
このため、従来技術では、溶加材供給装置全体が大型化してしまい、その構造も複雑化してコストが増大するという問題がある。
一方、上述の如き矯正装置を廃止した場合には、溶加材の巻きぐせにより該溶加材の先端が薄板材と厚板材との間から離間してしまうことがあり、この場合には、レーザビームの集光位置から溶加材が外れてしまい、該溶加材を溶融させることができなくなるため、溶接不良を招くという問題がある。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、板厚の異なる薄板材と厚板材とを突合せて両者を確実に溶接することができるようにした差厚材のレーザ溶接方法を提供することを目的としている。
上述した課題を解決するため請求項1の発明に係る差厚材のレーザ溶接方法は、板厚が異なる薄板材と厚板材とを互いに突合せ、前記厚板材のうち前記薄板材との突合せ面から突出した段差面と前記薄板材とが交差する交差部に溶加材の先端を突当てつつ、該溶加材の先端にレーザビームを照射して前記薄板材と厚板材とを溶接することにある。
請求項2の発明は、薄板材と厚板材とは、切断加工によって形成される傾斜面を含んだ切断面を互いに突合せることにある。
請求項3の発明は、薄板材と厚板材とは、レーザ切断、プラズマ切断、またはガス切断による切断面を突合せ面として用いることにある。
請求項4の発明は、厚板材の段差面は、レーザビームの集光角度に対し1/2以上の傾斜角度をもった傾斜面として形成したことにある。
請求項5の発明は、薄板材と厚板材のうち少なくとも一方の板材には、交差部に沿って延び溶加材の先端が挿入される溶加材挿入部を設け、該溶加材挿入部に挿入された溶加材の先端に向けてレーザビームを照射することにある。
請求項6の発明は、溶加材挿入部は、薄板材のうち厚板材との突合せ面に設けられた溝により構成したことにある。
請求項7の発明は、溶加材挿入部は、薄板材の突合せ面に設けた傾斜面と厚板材の突合せ面に設けた傾斜面との間に形成されるV溝により構成したことにある。
請求項8の発明は、板厚が異なる薄板材と厚板材とを互いに突合せ、これら薄板材と厚板材との間にレーザビームを照射して両者を溶接する差厚材のレーザ溶接方法において、薄板材と厚板材とは、切断加工によって形成される傾斜面を含んだ切断面を互いに突合せ、厚板材のうち薄板材との突合せ面から突出した段差面と薄板材とが交差する交差部の近傍位置で厚板材の段差面にレーザビームを照射することにある。
請求項9の発明は、板厚が異なる薄板材と厚板材とを互いに突合せ、これら薄板材と厚板材との間にレーザビームを照射して両者を溶接する差厚材のレーザ溶接方法において、厚板材には、薄板材に突合される突合せ面と、該突合せ面からレーザビームの集光角度に対し1/2以上の傾斜角度をもって傾斜する傾斜面とを形成し、厚板材の傾斜面と薄板材とが交差する交差部に前記傾斜面側からレーザビームを照射することにある。
請求項1の発明によれば、厚板材のうち薄板材との突合せ面から突出した段差面と薄板材とが交差する交差部に溶加材の先端を突当てることにより、例えば溶加材の先端部に巻きぐせが残っている場合でも、この巻きぐせを前記交差部への突当て力によって矯正し、溶加材の先端を薄板材と厚板材との間に安定して配置することができる。このため、溶加材の先端にレーザビームを確実に照射し、溶加材、薄板材、厚板材を適正に溶融させることができ、薄板材と厚板材とを強固に溶接することができる。また、溶加材を供給する溶加材供給装置に、溶加材の巻きぐせを矯正するための矯正装置を設ける必要がなく、溶加材供給装置を小型化してレーザ溶接の作業性を高めることができる。
請求項2の発明によれば、切断加工時に傾斜面を含んで形成された薄板材の切断面と、切断加工時に傾斜面を含んで形成された厚板材の切断面とを突合わせるだけで、厚板材の段差面と薄板材との間に開先状の交差部を形成することができる。このため、交差部に溶加材の先端を突当てることにより、溶加材の曲がりを矯正しつつ該溶加材の先端を薄板材と厚板材との間の適正な位置に配置することができる。また、交差部に突当てた溶加材の先端にレーザビームを集光させるときに、レーザビームが厚板材の端縁部に干渉するのを防止することができ、溶加材、薄板材、厚板材を充分に溶融させることができる。しかも、薄板材の切断面と厚板材の切断面とに機械加工を施す必要がないので、この分、レーザ溶接時の工数を削減することができる。
請求項3の発明によれば、薄板材と厚板材とをレーザ切断、プラズマ切断、またはガス切断によって切断したときに、その切断面に傾斜面(通常、「だれ」と呼ばれる面)が形成されるので、これら各傾斜面を対面させて薄板材と厚板材とを突合せるだけで、厚板材の段差面と薄板材との間に開先状の交差部を形成することができる。
請求項4の発明によれば、厚板材の段差面を、レーザビームの集光角度に対し1/2以上の傾斜角度をもった傾斜面として形成したので、厚板材の段差面と薄板材との交差部に溶加材を突当て、この溶加材の先端にレーザビームを集光させるときに、レーザビームが厚板材の端縁部に干渉するのを確実に防止することができ、溶加材、薄板材、厚板材を充分に溶融させることができる。
請求項5の発明によれば、薄板材と厚板材のうち少なくとも一方の板材に、交差部に沿って延び溶加材の先端が挿入される溶加材挿入部を設けたので、この溶加材挿入部内で溶加材の巻きぐせ等による曲がりを矯正することができ、溶加材の先端に対しレーザビームを安定して照射することができる。
請求項6の発明によれば、溶加材挿入部を、薄板材のうち厚板材との突合せ面に設けられた溝によって構成したので、溶加材の曲がりを溝内で矯正することにより、溶加材の先端にレーザビームを確実に照射することができる。
請求項7の発明によれば、溶加材挿入部を、薄板材の突合せ面に設けた傾斜面と厚板材の突合せ面に設けた傾斜面との間に形成されるV溝によって構成したので、溶加材の曲がりをこのV溝内で矯正することができる。
請求項8の発明によれば、切断加工時に傾斜面を含んで形成された薄板材の切断面と、切断加工時に傾斜面を含んで形成された厚板材の切断面とを突合わせるだけで、厚板材の段差面と薄板材との間に開先状の交差部を形成することができる。これにより、この交差部の近傍位置で厚板材の段差面にレーザビームを照射するときに、このレーザビームが厚板材の端縁部に干渉するのを防止することができ、薄板材と厚板材とを充分に溶融させることができる。また、薄板材の切断面と厚板材の切断面とに機械加工を施す必要がないので、この分、レーザ溶接時の工数を削減することができる。
請求項9の発明によれば、厚板材には、薄板材に突合わされる突合せ面と、該突合せ面からレーザビームの集光角度に対し1/2以上の傾斜角度をもって傾斜する傾斜面とを形成したので、厚板材の傾斜面と薄板材とが交差する交差部に前記傾斜面側からレーザビームを集光させるときに、このレーザビームが厚板材の端縁部に干渉するのを防止することができ、薄板材と厚板材とを充分に溶融させることができる。
以下、本発明に係る差厚材のレーザ溶接方法の実施の形態を、油圧ショベル用の作業腕を形成するための差厚材に用いた場合を例に挙げ、図1ないし図17を参照しつつ詳細に説明する。まず、図1ないし図10は本発明の第1の実施の形態を示している。
図中、1は建設機械としての油圧ショベルで、該油圧ショベル1は、自走可能な装軌式の走行体2と、この走行体2上に旋回可能に搭載された旋回体3と、この旋回体3の前部側に俯仰動可能に設けられたオフセットブーム式の作業装置4とにより大略構成されている。
ここで、作業装置4は、旋回体3に俯仰動可能に取付けられたロアブーム5と、このロアブーム5の先端部に左,右方向に揺動可能に取付けられたアッパブーム6と、このアッパブーム6の先端部に左,右方向に揺動可能に取付けられたアームステー7と、このアームステー7に俯仰動可能に取付けられた後述のアーム11と、このアーム11の先端部に回動可能に取付けられた作業具としてのバケット8とにより大略構成されている。そして、ロアブーム5、アッパブーム6およびアーム11は、建設機械用の作業腕を構成するものである。
また、オフセットブーム式の作業装置4にあっては、ロアブーム5の先端部とアームステー7との間にリンクロッド(図示せず)が左,右方向に回動可能に連結して設けられている。そして、このリンクロッドは、ロアブーム5、アッパブーム6、アームステー7と共に平行リンクを構成し、この平行リンクによってアーム11とロアブーム5とが常に平行な状態を保持する構成となっている。
また、旋回体3とロアブーム5との間にはブームシリンダ5Aが設けられ、アームステー7とアーム11との間にはアームシリンダ7Aが設けられ、アーム11とバケット8との間には、バケットリンク9を介してバケットシリンダ8Aが設けられている。
11は油圧ショベル1の作業腕を構成する作業装置4のアームで、このアーム11は、図2ないし図3に示すように、後述の主要部15と、主要部15の基端側(長さ方向の一側)に設けられた基端側ボス取付部12と、主要部15の先端側(長さ方向の他側)に設けられた先端側ボス取付部13と、基端側ボス取付部12の近傍に設けられたシリンダブラケット14とにより大略構成されている。
そして、基端側ボス取付部12には、アームステー7がピン結合されるボス部12Aが設けられ、先端側ボス取付部13には、バケットリンク9がピン結合されるボス部13Aと、バケット8がピン結合されるボス部13Bとが設けられている。また、シリンダブラケット14には、アームシリンダ7Aの先端部がピン結合されると共に、バケットシリンダ8Aの基端部がピン結合される構成となっている。
15はアーム11の本体部分を構成する主要部で、該主要部15は、図3および図4に示すように、ほぼコ字状の横断面形状をなし下端側が開口端となった枠体16と、この枠体16の開口端を施蓋する蓋体17とにより、四角形の横断面形状をもった中空な角筒体として形成されている。
そして、枠体16は、その上面を構成する薄板状の平面部16Aと、平面部16Aを挟んでL型に折曲げられた厚板状の左,右の折曲面部16B,16Bと、各折曲面部16Bから下方に延びる薄板状の左,右の平面部16C,16Cと、各平面部16Cの下端部に位置する厚板状の左,右の平面部16D,16Dとにより構成されている。
一方、蓋体17は、薄板状の平面部17Aと、平面部17Aを挟む厚板状の左,右の平面部17B,17Bとにより構成されている。そして、蓋体17を構成する左,右の平面部17Bの両端部を、枠体16を構成する左,右の平面部16Dの内側面に溶接によって固着することにより、枠体16と蓋体17とからなるアーム11の主要部15が形成されている。
そして、上述したアーム11の主要部15を構成する枠体16は、後述する差厚材21をコ字状に折曲げることにより形成されるもので、以下、この差厚材21について説明する。
21は枠体16を形成するための素材となる差厚材で、この差厚材21は、図5および図6に示すように、長手方向に延びる複数枚の薄板材22,22,…と、同じく長手方向に延びる複数枚の厚板材23,23,…とからなり、これら各薄板材22と各厚板材23とを、後述するレーザ溶接によって幅方向に交互に接合することにより、1枚の板材として形成されている。そして、差厚材21を構成する左,右の厚板材23,23に対し、図5中に点線で示すように、薄板材22との接合線と平行な折曲線Aの位置で幅方向に折曲げ加工を施すことにより、図3および図4に示すコ字状の枠体16が形成されるものである。
次に、差厚材21を構成する薄板材22と厚板材23とを接合するためのレーザ溶接方法について、図7ないし図10を参照しつつ詳細に説明する。
図中、22は薄板材で、該薄板材22は、例えば平板状の薄鋼板をレーザ切断、プラズマ切断、またはガス切断等の手段を用いて切断(溶断)することにより、長手方向に延びる平板状に形成されている。ここで、薄板材22のうち厚板材23と対面する端面は、図9に示すように、切断加工時の「だれ」と呼ばれる傾斜面を含んだ切断面22Aとなっている。これにより、薄板材22の切断面22Aは、その下端側から上端側(後述するレーザ溶接機31側)に向けて、厚板材23から徐々に離間するように湾曲しつつ鉛直方向に対して傾斜している。そして、切断面22Aのうち厚板材23の後述する突合せ面23Bと突合される面(当接する面)が、薄板材22の突合せ面22Bとなっている。
23は薄板材22に接合される厚板材で、該厚板材23は、例えば平板状の厚鋼板をレーザ切断、プラズマ切断、またはガス切断等の手段を用いて切断することにより、長手方向に延びる平板状に形成されている。ここで、厚板材23のうち薄板材22と対面する端面は、図9に示すように、切断加工時の「だれ」と呼ばれる傾斜面を含んだ切断面23Aとなっている。これにより、厚板材23の切断面23Aは、その下端側から上端側(後述するレーザ溶接機31側)に向けて、薄板材22から徐々に離間するように湾曲しつつ鉛直方向に対して傾斜している。そして、切断面23Aのうち薄板材22の突合せ面22Aに突合される面が、厚板材23の突合せ面23Bとなり、切断面23Aのうち薄板材22の突合せ面22Bから上方に突出する面が、厚板材23の段差面23Cとなっている。
24は厚板材23の段差面23Cと薄板材22の切断面22Aとが交差する交差部で、この交差部24は、互いに突合わされた薄板材22の突合せ面22Bと厚板材23の突合せ面23Bに沿って長手方向に延び、上方に向けて開いた開先状をなしている。そして、この交差部24は、後述する溶加材25の先端が突当てられることにより、この溶加材25の先端を案内するものである。
25は薄板材22と厚板材23との間の交差部24に供給される溶加材で、該溶加材25は、通常、フィラワイヤ等と呼ばれる直径1.2mm程度の細長い線状の金属材料からなっている。そして、溶加材25は、後述する溶加材供給装置26によって薄板材22と厚板材23との間の交差部24に連続的に供給され、後述するレーザ溶接機31からのレーザビーム32が照射されるものである。
26は溶加材25を連続的に供給する溶加材供給装置で、該溶加材供給装置26は、図8に示すように、ケーシング27と、該ケーシング27内に回転可能に設けられ溶加材25が巻回されたドラム28と、ドラム28から巻出された溶加材25の先端を薄板材22と厚板材23との間の交差部24に向けて案内する筒状のガイド部材29と、ドラム28とガイド部材29との間に位置してケーシング27内に設けられ、ドラム28から溶加材25を巻出す複数のローラ30とにより大略構成されている。
31はレーザ溶接機で、該レーザ溶接機31は、レーザ発生器(図示せず)から放射されたレーザ光を、レンズ、反射鏡等の集光装置(図示せず)によって極めて微小な面積範囲に集光させ、この集光したレーザビーム32を溶接対象物に向けて照射するものである。そして、レーザ溶接機31は、薄板材22と厚板材23との間の交差部24の上方に配置され、該交差部24に突き当てられた溶加材25の先端に向けてレーザビーム32を照射する。ここで、図9に示すように、レーザ溶接機31から出力されたレーザビーム32が溶加材25の先端に集光するときの集光角度をθとすると、この集光角度θは、例えばθ=15°となっている。
そして、図7に示すように、レーザ溶接機31と溶加材供給装置26とは、薄板材22と厚板材23との間に形成された交差部24に沿ってその長手方向に一体的に移動する構成となっている。
次に、レーザ溶接機31を用いて薄板材22と厚板材23との間を溶接する場合には、まず、図9に示すように、薄板材22の突合せ面22Bと厚板材23の突合せ面23Aとを突合わせる。これにより、厚板材23の切断面23Aのうち薄板材22の突合せ面22Bから突出した部位は、両者の板厚差に応じた段差面23Cとなり、この厚板材23の段差面23Cと薄板材22の切断面22Aとの間には、上方に向けて開いた開先状の交差部24が形成される。
そして、図8に示すように、溶加材供給装置26のドラム28から溶加材25を巻出し、この溶加材25を薄板材22と厚板材23との間に形成された交差部24に供給する。このとき、溶加材25の先端を交差部24に突き当てることにより、例えば溶加材25の先端部に巻きぐせ等による曲がりがある場合でも、この溶加材25の曲がりを、交差部24への突当て力によって矯正することができる。これにより、溶加材25の先端を、薄板材22の突合せ面22Bと厚板材23の突合せ面23Bとのほぼ真上となる適正な位置に配置することができる。
この状態で、レーザ溶接機31からのレーザビーム32を、厚板材23の段差面23C側から溶加材25の先端に照射する。この場合、薄板材22と厚板材23との間の交差部24は開先状となっているので、レーザビーム32は、厚板材23の上端縁部等に干渉することなく溶加材25の先端に確実に集光することができる。これにより、溶加材25、薄板材22、厚板材23を充分に溶融させ、薄板材22と厚板材23との間に深い溶込みをもった溶接部33を形成することができる。
かくして、本実施の形態によれば、厚板材23の段差面23Cと薄板材22の切断面22Aとが交差する交差部24に溶加材25の先端を突当てることにより、例えば溶加材25の先端部に巻きぐせが残っている場合でも、この巻きぐせを交差部24への突当て力によって矯正することができる。これにより、溶加材25の先端を薄板材22と厚板材23との間の適正な位置に安定して配置することができ、溶加材25、薄板材22、厚板材23を充分に溶融させることにより、薄板材22と厚板材23とを強固に溶接することができる。しかも、溶加材供給装置26に、溶加材25の巻きぐせを矯正するための矯正装置を設ける必要がなく、溶加材供給装置26を小型化してレーザ溶接の作業性を高めることができる。
また、厚板材23の段差面23Cと薄板材22の切断面22Aとの交差部24は、上方に開いた開先状となっているので、該交差部24に突当てた溶加材25の先端にレーザビーム32を集光させるときに、レーザビーム32が厚板材23の端縁部に干渉するのを防止することができ、溶加材25、薄板材22、厚板材23を充分に溶融させることができる。
しかも、薄板材22を切断加工したときの切断面22Aと、厚板材23を切断加工したときの切断面23Aとをそのまま突合わせた状態でレーザ溶接を行なうことができるので、薄板材22の切断面22Aと厚板材23の切断面23Aとに機械加工を施す必要がなく、この分、レーザ溶接時の工数を削減することができる。
次に、図11は本発明の第2の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、厚板材の段差面を、レーザビームの集光角度に対し1/2以上の傾斜角度をもった傾斜面として形成したことにある。なお、本実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
図中、41は本実施の形態に用いた薄板材で、該薄板材41のうち後述の厚板材42と対面する端面は、例えば機械加工を施すことにより、鉛直方向に延びる平坦な突合せ面41Aとなっている。
42は本実施の形態に用いた厚板材で、該厚板材42のうち薄板材41と対面する端面は、例えば機械加工を施すことにより、鉛直方向に延びる平坦な突合せ面42Aと、該突合せ面42Aの上端側から斜め上向きに延びる平坦な傾斜面42Bとからなり、該傾斜面42Bは、突合せ面42Aの上端側から上方に向けて薄板材41から徐々に離間するように直線的に傾斜している。そして、薄板材41の突合せ面41Aと厚板材42の突合せ面42Aとを突合せたときには、厚板材42の傾斜面42Bが薄板材41の上面41Bから上方に突出し、この厚板材42の傾斜面42Bは、薄板材41と厚板材42との間の段差面となっている。
ここで、傾斜面42Bの鉛直方向に対する傾斜角度をαとし、レーザ溶接機31から照射されるレーザビーム32の集光角度θすると、傾斜面42Bの傾斜角度αは、レーザビーム32の集光角度θの1/2以上に設定されている(α≧θ/2)。
43は厚板材42の傾斜面(段差面)42Bと薄板材41の上面41Bとが交差する交差部で、この交差部43は、薄板材41の突合せ面41Aと厚板材42の突合せ面42Aに沿って長手方向に延び、上方に向けて開いた開先状をなしている。そして、この交差部43は、溶加材25の先端が突当てられることにより、この溶加材25の先端を案内するものである。
次に、レーザ溶接機31を用いて薄板材41と厚板材42との間を溶接する場合には、まず、薄板材41の突合せ面41Aと厚板材42の突合せ面42Aとを突合わせる。そして、厚板材42の傾斜面42Bと薄板材41の上面41Bとが交差する交差部43に、溶加材25の先端を突当てた状態で、この溶加材25の先端にレーザ溶接機31からのレーザビーム32を照射する。これにより、溶加材25、薄板材41、厚板材42が溶融し、薄板材41と厚板材42との間に深い溶込みをもった溶接部を形成することができる。
この場合、厚板材42の傾斜面42Bは、レーザビーム32の集光角度θの1/2以上の傾斜角度αを有している。このため、レーザ溶接機31からのレーザビーム32は、厚板材42の上端縁部等に干渉することなく、厚板材42の傾斜面42Bに突当てた溶加材25の先端に確実に集光することができる。
この結果、レーザ溶接機31からのレーザビーム32によって、溶加材25、薄板材41、厚板材42を適正に溶融させることにより、薄板材41と厚板材42との間を確実に溶接することができる。
次に、図12および図13は本発明の第3の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、薄板材のうち厚板材との突合せ面に、溶加材の先端が挿入される溝を設けたことにある。なお、本実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
図中、51は本実施の形態に用いた薄板材で、該薄板材51のうち後述の厚板材52と対面する端面は、例えば機械加工を施すことにより、鉛直方向に延びる平坦な突合せ面51Aとなっている。
52は本実施の形態に用いた厚板材で、該厚板材52のうち薄板材51と対面する端面は、例えば機械加工を施すことにより、鉛直方向に延びる平坦面となり、薄板材51の突合せ面51Aに突合される突合せ面52Aと、薄板材51の突合せ面51Aから上方に突出した段差面52Bとからなっている。
53は薄板材51の突合せ面51Aに形成された溶加材挿入部としての溝で、該溝53は、薄板材51の突合せ面51Aの上端縁部(角隅部)をほぼ直角に切欠くことにより形成され、薄板材51の突合せ面51Aと厚板材52の突合せ面52Aに沿って長手方向に延びている。ここで、溝53の幅寸法と深さ寸法は、それぞれ溶加材25の直径よりも僅かに大きく設定され、溶加材25の先端は溝53内に摺動可能に挿入されるようになっている。
54は厚板材52の段差面52Bと薄板材51の突合せ面51Aとが交差する交差部で、この交差部54は、溝53内に挿入された溶加材25の先端が突当てられるものである。
そして、薄板材51と厚板材52との間に形成された溝53内に溶加材25の先端を挿入し、この溶加材25の先端を薄板材51と厚板材52との交差部54に突当てることにより、溶加材25の曲がりぐせを矯正することができ、該溝53内に配置された溶加材25の先端に対し、レーザビーム32を確実に集光させることができるようになっている。
かくして、本実施の形態によれば、薄板材51の突合せ面51Aに、厚板材52の段差面52Bと薄板材51の突合せ面51Aとの間に交差部54に沿って延びる溝53を形成している。このため、溶加材25の先端を溝53内に挿入すると共に交差部54に突当てることにより、溶加材25の曲がりを矯正することができ、この矯正された溶加材25の先端にレーザ溶接機31からのレーザビーム32を確実に集光させることができる。
従って、レーザ溶接機31からのレーザビーム32によって溶加材25、薄板材51、厚板材52を充分に溶融させることにより、薄板材51と厚板材52との間に深い溶込みをもった溶接部55を形成することができ、薄板材51と厚板材52との間を確実に溶接することができる。
次に、図14は本発明の第4の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、薄板材の突合せ面に設けた傾斜面と厚板材の突合せ面に設けた傾斜面との間に、溶加材の先端が挿入されるV溝を形成したことにある。なお、本実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
図中、61は本実施の形態に用いた薄板材で、該薄板材61のうち後述の厚板材62と対面する端面は、例えば機械加工を施すことにより、鉛直方向に延びる平坦な突合せ面61Aと、該突合せ面61Aの上端側から斜め上向きに延びる平坦な傾斜面61Bとからなっている。
62は本実施の形態に用いた厚板材で、該厚板材62のうち薄板材61と対面する端面は、例えば機械加工を施すことにより、鉛直方向に延びる平坦な突合せ面62Aと、該突合せ面62Aの上端側から斜め上向きに延びる平坦な傾斜面62Bとからなっている。
そして、厚板材62の突合せ面62Aは、薄板材61の突合せ面61Aに突合され、厚板材62の傾斜面62Bは、薄板材61の突合せ面61Aから上方に突出した段差面となっている。
63は厚板材62の傾斜面(段差面)62Bと薄板材61の傾斜面61Bとが交差する交差部で、この交差部63は、薄板材61の突合せ面61Aと厚板材62の突合せ面62Aに沿って長手方向に延びている。
64は薄板材61の傾斜面61Bと厚板材62の傾斜面62Bとの間に形成された溶加材挿入部としてのV溝で、該V溝64は、上方(レーザ溶接機31側)に開いたV字状をなし、薄板材61と厚板材62との交差部63に沿って長手方向に延びている。ここで、V溝64の幅寸法と深さ寸法は、それぞれ溶加材25の直径よりも僅かに大きく設定され、溶加材25の先端は、V溝64内に摺動可能に挿入されるようになっている。
そして、V溝64内に溶加材25の先端を挿入し、この溶加材25の先端を薄板材61と厚板材62との交差部63に突当てることにより、該溶加材25の曲がりぐせを確実に矯正し、該V溝64内に配置された溶加材25の先端に対し、レーザビーム32を確実に集光させることができるようになっている。
かくして、本実施の形態によれば、薄板材61に設けた傾斜面61Bと厚板材62に設けた傾斜面62Bとの間にV溝64を形成し、溶加材25の先端をV溝64内に挿入すると共に薄板材61と厚板材62との交差部63に突当てることにより、溶加材25の曲がりを矯正し、矯正された溶加材25の先端にレーザ溶接機31からのレーザビーム32を確実に集光させることができる。
次に、図15および図16は本発明の第5の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、薄板材の切断面と厚板材の切断面とを互いに突合せた状態で、溶加材を用いることなく薄板材と厚板材とをレーザビームによって溶接することにある。なお、本実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
図中、71は本実施の形態に用いた薄板材で、該薄板材71は、例えば平板状の薄鋼板をレーザ切断、プラズマ切断、またはガス切断等の手段を用いて切断(溶断)することにより、長手方向に延びる平板状に形成されている。ここで、薄板材71のうち後述の厚板材72と対面する端面は、図16に示すように、切断加工時の「だれ」と呼ばれる傾斜面を含んだ切断面71Aとなっている。これにより、薄板材71の切断面71Aは、その下端側から上端側(レーザ溶接機31側)に向けて、厚板材72から徐々に離間するように湾曲しつつ鉛直方向に対して傾斜している。そして、切断面71Aのうち厚板材72の後述する突合せ面72Bと突合される面が、薄板材71の突合せ面71Bとなっている。
72は本実施の形態に用いた厚板材で、該厚板材72は、例えば平板状の厚鋼板をレーザ切断、プラズマ切断、またはガス切断等の手段を用いて切断することにより、長手方向に延びる平板状に形成されている。ここで、厚板材72のうち薄板材71と対面する端面は、図16に示すように、切断加工時の「だれ」と呼ばれる傾斜面を含んだ切断面72Aとなっている。これにより、厚板材72の切断面72Aは、その下端側から上端側(レーザ溶接機31側)に向けて、薄板材71から徐々に離間するように湾曲しつつ鉛直方向に対して傾斜している。そして、切断面72Aのうち薄板材71の突合せ面71Bに突合される面が、厚板材72の突合せ面72Bとなり、切断面72Aのうち薄板材71の突合せ面71Bから上方に突出する面が、厚板材72の段差面72Cとなっている。
73は厚板材72の段差面72Cと薄板材71の切断面71Aとが交差する交差部で、この交差部73は、互いに突合わされた薄板材71の突合せ面71Bと厚板材72の突合せ面72Bに沿って長手方向に延び、上方に向けて開いた開先状をなしている。そして、厚板材72の段差面72Cのうち交差部73の近傍部位に、レーザ溶接機31からのレーザビーム32が照射されるようになっている。
次に、レーザ溶接機31を用いて薄板材71と厚板材72とを溶接する場合には、まず、薄板材71の突合せ面71Bと厚板材72の突合せ面72Bとを突合わせる。これにより、厚板材72の切断面72Aのうち薄板材71の突合せ面71Bから突出した部位は、両者の板厚差に応じた段差面72Cとなり、この厚板材72の段差面72Cと薄板材71の切断面71Aとの間には、上方に向けて開いた開先状の交差部73が形成される。
そして、レーザ溶接機31から出力されたレーザビーム32を、厚板材72の段差面72Cのうち交差部73の近傍部位に照射する。この場合、薄板材71と厚板材72との交差部73は、上方に開いた開先状となっているので、レーザビーム32は、厚板材72の上端縁部等に干渉することなく、該厚板材72の段差面72Cに集光することができる。これにより、厚板材72と薄板材71とを充分に溶融させることができ、薄板材71と厚板材72との間に深い溶込みをもった溶接部74を形成することができる。
かくして、本実施の形態によれば、切断加工時に傾斜面を含んで形成された薄板材71の切断面71Aと、切断加工時に傾斜面を含んで形成された厚板材72の切断面72Aとを突合わせるだけで、厚板材72の段差面72Cと薄板材71の切断面72Aとの間に開先状の交差部73を形成することができる。これにより、この交差部73の近傍位置で厚板材72の段差面72Cにレーザビーム32を照射するときに、このレーザビーム32が厚板材72の端縁部に干渉するのを防止することができ、薄板材71と厚板材72とを充分に溶融させることができる。
しかも、薄板材71を切断加工したときの切断面71Aと、厚板材72を切断加工したときの切断面72Aとをそのまま突合わせた状態でレーザ溶接を行なうことができるので、薄板材71の切断面71Aと厚板材72の切断面72Aとに機械加工を施す必要がなく、この分、レーザ溶接時の工数を削減することができる。
次に、図17は本発明の第6の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、厚板材に、薄板材に突合わされる突合せ面と、レーザビームの集光角度の1/2以上の傾斜角度をもった傾斜面とを形成したことにある。なお、本実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
図中、81は本実施の形態に用いた薄板材で、該薄板材81のうち後述の厚板材82と対面する端面は、例えば機械加工を施すことにより、鉛直方向に延びる平坦な突合せ面81Aとなっている。
82は本実施の形態に用いた厚板材で、該厚板材82のうち薄板材81と対面する端面は、例えば機械加工を施すことにより、鉛直方向に延びる平坦な突合せ面82Aと、該突合せ面82Aの上端側から斜め上向きに延びる平坦な傾斜面82Bとからなり、該傾斜面82Bは、突合せ面82Aの上端側から上方に向けて薄板材81から徐々に離間するように直線的に傾斜している。そして、薄板材81の突合せ面81Aと厚板材82の突合せ面82Aとを突合せたときには、厚板材82の傾斜面82Bが薄板材81の上面81Bから上方に突出し、この厚板材82の傾斜面82Bは、薄板材81と厚板材82との間の段差面となっている。
ここで、傾斜面82Bの鉛直方向に対する傾斜角度をβとし、レーザ溶接機31から照射されるレーザビーム32の集光角度θすると、傾斜面82Bの傾斜角度βは、レーザビーム32の集光角度θの1/2以上に設定されている(β≧θ/2)。
83は厚板材82の傾斜面(段差面)82Bと薄板材81の上面81Bとが交差する交差部で、この交差部83は、薄板材81の突合せ面81Aと厚板材82の突合せ面82Aに沿って長手方向に延び、上方に向けて開いた開先状をなしている。そして、この交差部83には、レーザ溶接機31からのレーザビーム32が照射されるようになっている。
次に、レーザ溶接機31を用いて薄板材81と厚板材82との間を溶接する場合には、まず、薄板材81の突合せ面81Aと厚板材82の突合せ面82Aとを突合わせる。そして、厚板材82の傾斜面82Bと薄板材81の上面81Bとの交差部83に、厚板材82の傾斜面82B側からレーザビーム32を照射する。これにより、薄板材81と厚板材82とを同時に溶融させ、薄板材81と厚板材82との間に深い溶込みをもった溶接部を形成することができる。
この場合、厚板材82の傾斜面82Bは、レーザビーム32の集光角度θの1/2以上の傾斜角度βを有している。このため、レーザ溶接機31からのレーザビーム32は、厚板材82の上端縁部等に干渉することなく、薄板材81と厚板材82との交差部83に適正に集光することができる。これにより、薄板材81と厚板材82とを充分に溶融させることができ、薄板材81と厚板材82との間を強固に溶接することができる。
なお、上述した第2の実施の形態では、厚板材42の端面を、機械加工を施した平坦な突合せ面42Aと傾斜面42Bとにより形成した場合を例示している。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば突合せ面を切断面のままとし、傾斜面42Bのみに機械加工を施すようにしてもよい。
また、上述した実施の形態では、油圧ショベル1のアーム11の素材となる差厚材21を形成する場合を例に挙げて説明している。しかし、本発明はこれに限らず、例えばロアブーム5、アッパブーム6等の他の作業腕の素材となる差厚材も、上述の如きレーザ溶接方法を用いて形成することができる。
さらに、本発明は油圧ショベルに限らず、例えば油圧クレーン、ホイールローダ、浚渫船等の建設機械に用いられる差厚材にも広く適用することができる。
本発明に係るレーザ溶接方法を用いて形成された差厚材からなるアームを備えた油圧ショベルを示す正面図である。 アームを単体で示す正面図である。 アームの主要部を図2中の矢示III−III方向からみた横断面図である。 アームの主要部を構成する枠体と蓋体とを分割して示す横断面図である。 アームを構成する枠体の素材となる差厚材を示す展開図である。 差厚材を図5中の矢示VI−VI方向からみた拡大断面図である。 本発明に係るレーザ溶接方法の第1の実施の形態に用いる薄板材、厚板材、レーザ溶接機、溶加材等を示す斜視図である。 図7中の薄板材、厚板材、溶加材、溶加材供給装置等を示す平面図である。 薄板材と厚板材との交差部に突当てた溶加材にレーザビームを照射した状態を示す断面図である。 薄板材と厚板材との間に形成された溶接部を示す断面図である。 第2の実施の形態において薄板材と厚板材との交差部に突当てた溶加材にレーザビームを照射した状態を示す断面図である。 第3の実施の形態に用いる薄板材、厚板材、溝、レーザ溶接機、溶加材等を示す斜視図である。 薄板材と厚板材との間の溝内に挿入した溶加材にレーザビームを照射した状態を示す断面図である。 第4の実施の形態において薄板材と厚板材との間のV溝内に挿入した溶加材にレーザビームを照射した状態を示す断面図である。 第5の実施の形態に用いる薄板材、厚板材、レーザ溶接機等を示す斜視図である。 厚板材の段差面にレーザビームを照射した状態を示す断面図である。 第6の実施の形態において薄板材と厚板材との交差部にレーザビームを照射した状態を示す断面図である。
符号の説明
22,41,51,61,71,81 薄板材
23,42,52,62,72,82 厚板材
22A,23A,71A,72A 切断面
22B,23B,41A,42A,51A,52A,61A,62A,71B,72B,81A,82A 突合せ面
23C,52B,72C 段差面
42B,61B,62B,82B 傾斜面
24,43,54,63,73,83 交差部
25 溶加材
31 レーザ溶接機
32 レーザビーム
53 溝(溶加材挿入部)
64 V溝(溶加材挿入部)

Claims (9)

  1. 板厚が異なる薄板材と厚板材とを互いに突合せ、前記厚板材のうち前記薄板材との突合せ面から突出した段差面と前記薄板材とが交差する交差部に溶加材の先端を突当てつつ、該溶加材の先端にレーザビームを照射して前記薄板材と厚板材とを溶接してなる差厚材のレーザ溶接方法。
  2. 前記薄板材と厚板材とは、切断加工によって形成される傾斜面を含んだ切断面を互いに突合せてなる請求項1に記載の差厚材のレーザ溶接方法。
  3. 前記薄板材と厚板材とは、レーザ切断、プラズマ切断、またはガス切断による切断面を前記突合せ面として用いてなる請求項1または2に記載の差厚材のレーザ溶接方法。
  4. 前記厚板材の段差面は、前記レーザビームの集光角度に対し1/2以上の傾斜角度をもった傾斜面として形成してなる請求項1,2または3に記載の差厚材のレーザ溶接方法。
  5. 前記薄板材と厚板材のうち少なくとも一方の板材には、前記交差部に沿って延び前記溶加材の先端が挿入される溶加材挿入部を設け、該溶加材挿入部に挿入された溶加材の先端に向けて前記レーザビームを照射してなる請求項1に記載の差厚材のレーザ溶接方法。
  6. 前記溶加材挿入部は、前記薄板材のうち前記厚板材との突合せ面に設けられた溝により構成してなる請求項5に記載の差厚材のレーザ溶接方法。
  7. 前記溶加材挿入部は、前記薄板材の突合せ面に設けた傾斜面と前記厚板材の突合せ面に設けた傾斜面との間に形成されるV溝により構成してなる請求項5に記載の差厚材のレーザ溶接方法。
  8. 板厚が異なる薄板材と厚板材とを互いに突合せ、これら薄板材と厚板材との間にレーザビームを照射して両者を溶接する差厚材のレーザ溶接方法において、
    前記薄板材と厚板材とは、切断加工によって形成される傾斜面を含んだ切断面を互いに突合せ、前記厚板材のうち前記薄板材との突合せ面から突出した段差面と前記薄板材とが交差する交差部の近傍位置で前記厚板材の段差面に前記レーザビームを照射することを特徴とする差厚材のレーザ溶接方法。
  9. 板厚が異なる薄板材と厚板材とを互いに突合せ、これら薄板材と厚板材との間にレーザビームを照射して両者を溶接する差厚材のレーザ溶接方法において、
    前記厚板材には、前記薄板材に突合される突合せ面と、該突合せ面から前記レーザビームの集光角度に対し1/2以上の傾斜角度をもって傾斜する傾斜面とを形成し、前記厚板材の傾斜面と前記薄板材とが交差する交差部に前記傾斜面側からレーザビームを照射することを特徴とする差厚材のレーザ溶接方法。
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