JP2005169224A - 粒子分離方法およびその装置 - Google Patents

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康彦 中西
Shigefumi Okada
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Abstract

【課題】固体混合粒子を効率よく大量に分級することができる断面偏析を利用した粒子分離方法を提供する。
【解決手段】ベルトコンベア1と、そのベルトコンベア1に押しつけてベルトコンベアに窪みを形成する少なくとも2枚の円板2とを備え、さらに前記円板は同径で形成され同軸上に配置されており、前記ベルトコンベアを駆動し、前記窪み内に混合粒子を投入することにより窪み内で偏析現象を発生させることを特徴とする粒子分離方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、固体混合粒子を効率よく大量に分級することができる断面偏析を利用した粒子分離方法およびその装置に関するものであり、さらに詳細には、穀物や大豆の調整用の選別機、リサイクル用の粒子分離機、鉱物の選別機、ブラスト用粒子の不良品除去など、直径数ミリ程度以上の固体粒子を形状・大きさ・比重に基づいて分離する工程において有効な断面偏析を利用した粒子分離方法およびその装置に関するものである。
形状分離は古来より穀物(大豆や米など)を、球に近い形状と非球状(不良品)に分ける技術として発達しているが、近年では資源リサイクルや鉱物処理にも応用されることが多い。固体粒子の分級装置は大きく乾式分級、湿式分級、ふるい分け分級の3つに分類される。
これらの三つの分類のうち、乾式分級に属する従来の乾式の形状分離機の多くは、いわゆる転選機と呼ばれ、固体粒子を板(図14)やベルトコンベア(図15)の上で転がし、球状と非球状粒子の転がり方の相違を利用して分離する機械である。
近年ではベルトコンベアを傾斜させて、多段に配置して精度を向上させた装置(図16)も考案されている(特許文献1)。
特開2003−80175
この他にブレード付きの円筒を回転する方法、傾斜板を振動させる方法など様々な研究が進められているが、いずれも基本的には粒子の転がり方の形状による相違を利用している。これら「転選機」は分離精度が高いものの、粒子同士を干渉させることなく転がす必要があるので単位時間あたりの処理量が少なく、装置のサイズも大きめになるという問題点がある。
また、乾式分級では対象とする混合粒子を粒子の大きさ(粒度)、粒子の質量密度、粒子の形状等によって分離するが、特に形状による分離は技術的に難しい点が多い。
また、古くから軸を水平に設置した円筒内に粒子を投入し、回転すると断面偏析現象が発生し、粒子がその大きさや形状などによって分離することが知られている。しかし、円筒内に粒子を投入し、厚い粒子層を形成して断面偏析によって粒子を大量に分離処理する方法については未だ提案がなされていない。
本発明は、前記断面偏析現象を用いて粒子を分離する方法であり、その特徴は粒子層の表面の傾斜角、即ち動的安息角に注目し、この角度以上に装置主要部(粒子層を溜めておく部分)を傾斜させることで分離した特定の粒子を排出できるようにしたものであり、特に、本発明は単位時間の処理量を大幅に向上することができる粒子分離方法およびその装置を提供することにより、前記の従来型転選機が有する問題点を改善すること目的とする。
このため、本発明が採用した技術解決手段は、
ベルトコンベア上に少なくとも2枚の円板を押しつけて窪みを形成し、前記円板同志の間に形成された前記窪みに混合粒子を投入および堆積し、ベルトコンベア、円板を駆動することによって前記ベルトコンベア上の窪み内で偏析現象を発生させることを特徴とする粒子分離方法である。
また、前記窪みの上端と下端を結ぶ線を動的安息角より大きな角度に傾けることにより、粒子層の表層側に偏析した粒子を分離することを特徴とする粒子分離方法である。
また、前記粒子層の表層側に偏析した粒子を分離したのち、残りの粒子をベルトコンベアに形成した金網部から取り出すようにしたことを特徴とする粒子分離方法である。
また、ベルトコンベア上に少なくとも2枚の円板を押しつけて窪みを形成し、前記円板同志の間に形成された前記窪みに連続的に混合粒子を投入し、ベルトコンベア、円板を駆動することによって前記ベルトコンベア上の窪み内で粒子層を形成し、偏析現象を発生させながら、偏析した粒子を連続的に窪みから排出することを特徴とする粒子分離方法である。
また、ベルトコンベアと、そのベルトコンベアに押しつけてベルトコンベアに窪みを形成する少なくとも2枚の円板とを備え、さらに前記円板は同径で形成され同軸上に配置されており、ベルトコンベア、円板を駆動することにより前記ベルトコンベア上の前記窪み内に投入された混合粒子に偏析現象を発生させることを特徴とする粒子分離装置である。 また、前記ベルトコンベアと円板との組み合わせをベルトコンベアの長さ方向に対して所定の間隔をもって多段に配置したことを特徴とする粒子分離装置である。
また、前記円板を支持する軸は正面視において、水平軸に対して一方側に傾斜して配置してあることを特徴とする粒子分離装置である。
また、前記窪みの前後には、ベルトコンベアを支持する第1ローラ、第2ローラが配置され、ベルトコンベアの上流側に配置された第1ローラは前記円板の円周方向に移動可能に取り付けられていることを特徴とする粒子分離装置である。
また、前記窪みの前後には、ベルトコンベアを支持する第1ローラ、第2ローラが配置され、前記ベルトコンベア、円板、第1ローラは、前記窪みの上端と下端を結ぶ線が動的安息角より大きな角度に傾けることができるよう全体に揺動自在に構成されていることを特徴とする粒子分離装置である。
また、前記揺動の中心軸は、円板の軸と平行な任意の位置の線であることを特徴とする粒子分離装置である。
また、前記ベルトコンベアには、第1ローラの移動に伴うベルトコンベアの緊張、緩みを除去するテンションローラが配置されていることを特徴とする粒子分離装置である。
また、前記ベルトコンベアには、所定の長さにわたって金網部が形成されていることを特徴とする粒子分離装置である。
また、前記ベルトコンベアの全長および金網部の長さは、偏析の発生時間、粒子排出時間、ベルトコンベアの回転速度によって決めることを特徴とする粒子分離装置である。
本発明は、以下のような特有の効果を達成することができる。
従来のような個々の粒子をベルトコンベア上に転がして分離する方法に比較して、本発明は粒子を層状に積み上げ粒子同士の干渉を利用しているため、単位時間あたりの処理量を多くすることができる。
また本発明は少なくとも2枚の円板を使用するが、円板の枚数を3枚以上とすることで分離処理量を大幅に増やすことができる。
さらに長いベルトコンベアを用いて同一のゴム膜上に円板とローラを増設して多段式にすることにより処理量を増加可能である。このような方法であれば駆動用のモーターが1台で足り、狭い空間で処理量を簡単に増やせる利点もある。
さらに、本発明はバッチ式処理、連続処理の何れにも対応することができ、装置操作はコンピュータ制御も容易であり自動化することも可能である。
本発明は、ベルトコンベアと、そのベルトコンベアに押しつけてベルトコンベアに窪みを形成する少なくとも2枚の円板とを備え、さらに前記円板は同径で形成され同軸上に配置されており、前記ベルトコンベアを駆動し、前記窪み内に混合粒子を投入することにより窪み内で偏析現象を発生させることを特徴とする粒子分離方法および装置である。
一般に「転選機」では粒子同士の干渉を避けなければならないが、本発明はベルトコンベア上で粒子を堆積させて粒子同士を干渉させ断面偏析を引き起こすことで固体粒子を分離するようにしている。具体的には、移動ベルトと複数円板とからなる粒子分離機に当該混合粒子を投入するとベルトの移動速度に対するそれぞれの粒子の大きさ(粒度)、粒子の質量密度、粒子の形状等によって起こる相互作用で断面偏析が発生する。本発明はこの偏析現象を利用したものであり、単位時間あたりの処理量が向上し、装置の大きさも従来の装置に比べてコンパクトにできる。
ところで、本発明において稼働状態での粒子表面部と水平面との成す角度を一般に動的安息角と呼んでいる。実際の稼働では上記ベルトコンベアが円板に巻き付く範囲とベルト移動方向での相対位置関係とを変えることで、当該粒子をそこに留まらせたり、断面偏析が起こした表層部粒子のみを移動させたりが自由に設定出来る。即ち断面偏析が起こった状態で、ベルトが円板に巻き付いて出来る円弧に弦を想定した時、この弦と水平線との成す角が上記動的安息角よりも大きいと前記混合粒子の滞在量は少なく、小さいと滞在量は多くなり、そのことは必然的に各粒子の滞在時間は短くも長くも調整でき、その上これらを急激に変化させると偏析された片側成分だけ取り出せすことも、残余の全てを排出する事も容易である。本発明は、この原理を活用することで効率よく大量に分級・分離する事が初めて可能となった。更には分級精度を向上させるには上記ベルトと円板とで形成される粒子分離部を何段にも構成させることで容易となることも本発明の特徴である。その上これらの操作はコンピュータ制御も容易であり自動化することも可能である。
なお、本装置は従来の転選機に比べれば多少分離精度が低いが、単価の安い粒子を大量に処理する場合(資源リサイクルの粉砕粒子やブラスト粒子など)や他の精密な分離機にかける前の前処理に最適といえる。また混合した粒子の性質(粒度、質量密度、形状)に大きな差があれば偏析に要する時間は数秒であり、従来の「転選機」に匹敵する立ち上げ時間を実現できる。また、本発明は直径数ミリ程度以上の固体粒子を分離する工程ならば、
あらゆる産業分野で利用可能であるが、主に資源リサイクリング、農業、建築業、鉱業に適用可能である。例えば資源リサイクリングでは廃品を粉砕した後、有用な材料を回収する際に利用できる。また農業では穀物(整粒)の選別作業の前処理として使用可能である。建築業では環境への配慮から大粒のブラスト用の粒子が一部で使われ始めており、ブラスト用粒子が球に近い形であることが求められているが、不良品を排除する方法としても利用可能である。
以下、図面を参照して本発明に係る実施例を説明する。
図1(イ)は本実施例に係る概略正面図、(ロ)は同概略側面図である。 図において、1はベルトコンベア(本例ではゴム膜製のものを使用)、2は円板、3は第1ローラ、4は第2ローラ(駆動用ローラ)、5は複数のガイドローラ、6はテンションローラ、7はフィーダ、αは第1ローラ3と第2ローラ4を結ぶ線(窪み10の上端と下端を結ぶ線)と水平線のなす角度であり、ベルトコンベア1は図示のように各ローラの間に張設されており、円板2をベルトコンベア1に押しつけることで、ベルトコンベア1上に窪み10が形成されている。
前記第1ローラは図示せぬ駆動手段により円板2の円周方向(図中矢印S1方向)に往復動可能な構成となっており、またテンションローラ6も図示せぬ付勢手段(たとえばバネなど)によりベルトコンベア1を張る方向に付勢されている。また、第1ローラ3と、円板2と、第2ローラ4とは図示せぬ支持部材によって一体に支持されており、第2ローラ4の軸4aを中心に円板2および第1ローラ3が一体となった状態で図中矢印S3方向に揺動できる構成(揺動機構)となっている。第1ローラ3を駆動手段によって図面下方に移動させると、円板2の間で偏析された粒子(詳細は後述する)を窪み10から排出させることができる。また、第2ローラ4の軸4aを中心に、円板2、第1ローラ3の全体を下方に揺動(図中S3方向)にさせることで、前記と同様に円板2の間で偏析された粒子を窪み10から排出させることができる。なお、前記第1ローラ3の駆動手段と前記揺動機構とは、少なくともどちらか一方を備えていることで、偏析した粒子を窪み10から排出させることができる。
前記円板2は図1(イ)に示すように少なくとも2枚用意され、それぞれの円板2は同径に形成され、さらに同軸2a上に所定の間隔を持って配置されている。そして二枚の円板2をゴム膜(ベルトコンベア1)に押し当ててゴム膜に半円筒状の窪み10を作り、その窪みに混合粒子を溜めることができるようになっている。なお、円板2を支持する軸2aは図1(イ)に示す正面視において、左右いずれか一方側に傾いて配置することが望ましい(粒子面が傾斜することで、粒子分離が一層進むことになる)。また、前記ベルトコンベア1は、全体がゴム膜で構成され、その一部が図(ロ)に示すように金網部11で構成されており、この金網部11を介して粒子を一度に装置外に排出できる構成となっている。
以下、本発明装置の作動を説明する。
上記装置はバッチ式と連続式の両方の運転が可能である。分離精度を上げるのであればバッチ式の運転が良い。
以下バッチ式の作動について説明すると、2枚の円板2、第1ローラ3、第2ローラ4を図1に示すように所定の位置にセットし、円板2をベルトコンベア1に押しつけることにより、ベルトコンベア1に窪み10を形成する。この時、窪み10の上端と下端を結ぶ線(本例では第1ローラ3と第2ローラ4を結ぶ線)と水平線のなす角度αを動的安息角よりも小さくセットする。なお、動的安息角は、ベルトコンベアの移動速度(円板の回転速度)、ベルトコンベアの材質(摩擦係数等の物性)、粒子の材質(摩擦係数、凝集性等の物性)、円板の材質(摩擦係数等の物性)、粒子層の厚さ(粒子層8、9を合わせた厚み)と円板の直径との比、粒子の大きさ、円板の大きさ、湿度等によって決定されるものである。
ベルトコンベア1を駆動し円板2を図中矢印S2方向に回転した状態でフィーダ7から、大きさの異なる2種類の粒子(大径粒子の符号を8、小径粒子の符号を9とする)からなる混合粒子を窪み10内に投入および堆積すると、この窪み10内の混合粒子層内にすぐに循環流が生じて断面偏析現象が引き起こされ、大きい方の粒子8が表面側に偏析される。なお、粒度偏析(大きさの異なる2種類の粒子の偏析)の場合には大きい方の粒子が、また、ベルトコンベア1を偏析を起こすために比較的遅い速度で動かした時の密度偏析(質量密度の異なる2種類の粒子の偏析)では密度の小さい方の粒子が、さらに形状偏析(球状と非球状の粒子の偏析)の場合には非球状の粒子が表面側に偏析される。
窪み10内で分離された大径粒子8を排出させるには、窪み10の上端と下端を結ぶ線を動的安息角より大きな角度に傾ける。具体的には第1ローラ3を下方に移動し、水平線と第1ローラ3と第2ローラ4を結ぶ線とのなす角度αを動的安息角より大きくする。このことにより、重力を利用して偏析粒子を装置の外に排出することができる。ただし、前記角度αが動的安息角をわずかに越えた程度では、第1ローラ3付近で個々の粒子の転がりによる別の種類の偏析が局所的に発生し、分離精度を下げる危険性がある。よって粒子排出のために、前記角度αを増加させるときは、瞬時に動的安息角よりも十分大きい角度にまで増やす必要がある。なお、第1ローラ3を下方に移動した際にベルトコンベア1に緩みが生じるが、この緩みはテンションローラによって吸収される。また、粒子の排出量は第1ローラ3の移動量によって調節することができる。
また、水平線と第1ローラ3と第2ローラ4を結ぶ線とがなす角度αを動的安息角よりも増加させる方法として、前記のように第1ローラ3を下方に移動するほかに、円板2の軸と平行な適宜軸を中心に円板、第1ローラ3、第2ローラ4を全体的に傾けることも可能である。例えば、第2ローラ4の軸を中心に円板2、第1ローラ3全体を下方に揺動する方法もある。このように、全体的に下方に傾斜させることで角度αを動的安息角よりも大きくすることができ、大径粒子8を装置外に排出することができる。
大径粒子8を排出し、ベルトコンベア1が移動して金網部11が粒子層の下に巡って来ると窪み10内の小径粒子9が下方に全て一度に排出される。これにより大径粒子8と小径粒子9の分離が完了する。ただし,金網部11が粒子層の下に来る前に大径粒子8の排出を完了しておく必要があるので、偏析が発生するまでの時間、大径粒子8の排出時間、およびベルトコンベア1の回転速度を計算して金網部11までのベルトコンベア(ゴム膜)の長さを決めることが重要である。
一回の操作で大径粒子8を全て排出しきれない場合は金網部11が来る前に混同粒子を追加投入して偏析と第1ローラ3からの排出操作を繰り返す。これにより粒子層では小径粒子9の濃度を高められる。また取扱う粒子の物性によって二枚の円板2の間隔を調整する必要がある。なお、上記の操作は単純なので自動制御が可能であり、バッチ式の欠点を補うことができる。
前述した分離装置を使用して連続式で運転する場合はフィーダ7から常時混合粒子を供給し、第1ローラ3を粒子層の表面の位置にセットしておく。常時供給されつづけるので粒子が第1ローラ3を越えて溢れ出るが、それらは主に大径粒子8であり、ベルトコンベア1の上に残される粒子屑では小径粒子9の層が厚くなっていく。また金網部11が粒子層の下に巡って来ると全ての粒子が排出されるため多少大径粒子8も混じることになる。このため、連続式処理の場合には分離精度が低くなる。
上記装置では円板2を2枚使用した例を示したが、図2のように軸に複数(図示例では5枚)の円板2を取り付け、それに見合った幅のベルトコンベアを使用することで処理量を増やすことができる。この場合、円板2は軸偏析の発生を防ぐ役割を果たす。さらに図3のように長いベルトコンベア1を用いて同一のゴム膜上に円板2と第1ローラ、第2ローラを増設して多段式にすることで処理量を増加可能である。このような方法であればベルトコンベア駆動用のモーターが1台で足り、狭い空間で処理量を簡単に増やせる利点もある。
図4は実際に作製した試作機の円板2部分の斜視図である。
図の場合には混合粒子としてガラスビーズと珪砂を投入してある。円板2とゴム膜1の材質は取扱う粒子の物性を考慮して決める必要があるが、試作機では円板2はアクリル、ベルトコンベア(ゴム膜)1は厚さ2mmの黒ゴムを使用している。図4の装置でベルトコンベア1を回転させながら二枚の円板2の間にフィーダから混合粒子を投入すると、二枚の円板2の間に溜まった混合粒子層内にすぐに循環流が生じて断面偏析現象(粒度偏析)が引き起こされ、大径粒子8と小径粒子9に偏析する。
図5〜図7は上記試作機を用いて粒度偏析を起こさせた場合の実験結果を示す。混合粒子はガラスビーズ(平均直径3mm)と珪砂(直径2〜2.36mm)を混合したものであり、図5〜図7は図4の装置に前記混合粒子を投入して偏析を起こさせた粒度偏析のデータである。実験では、図4に示すサンプリングポイントA、BおよびCから粒子を採取し、採取粒子に占めるガラスビーズの割合を重量比で縦軸に示した。横軸はローラの回転速度である。円板2の直径は190mm、ローラの直径は24mmである。元の混合粒子ではガラスビーズを85%(重量比)入れてあり、不良品として珪砂を15%混ぜた。サンプリングポイントBにおいてガラスビーズの占める割合が85%(図5の破線)を大きく下回っていることが分る。すなわち、断面偏析が発達し、珪砂が粒子層の内部に集まっていることを表している。
次に混合粒子層の表層部のみが装置の外部に流れ出るように第1ローラ3を下方に移動する、もしくは第2ローラ4の軸4aを中心に装置全体をわずかに回転させると大径粒子8のみが第1ローラ3を越えて排出される。図6は図5と同じ条件の混合粒子を用い、排出実験を行ったデータである。排出された粒子に占めるガラスビーズの重量比率を縦軸に、ローラの回転速度を横軸に取った。いずれの回転速度でも90%を越えており、特に4.78rpmの際はガラスビーズが98%に達し、不良品の珪砂をほぼ排除できていることが分る。また図7は排出された粒子の総量を投入された混合粒子に対する重量比で示したグラフである。図1に示す装置全体を第2ローラ4の軸4aを中心に20秒間傾け、表層の粒子を排出した。横軸は回転速度であるが、回転速度に関わらず20秒間にほぼ50%弱の粒子が排出されたことが分る。4.78rpmでは約半分の粒子を排出しても珪砂が2%しか混じっていないことになり、分離(粒度分離)が成功しているといえる。
次に、図4に示す試作機を使用して密度偏析を起こさせた場合の分離試験結果を図8〜図10に示す。粒子としてエアーガンに使われるプラスチックの精密弾を採用した。形状や大きさによる分離を防ぐために、全ての粒子を直径6mmの球状に統一した。粒子1個の質量が0.12gのものと0.36gのものを用いた。重い粒子を85%(体積比)、軽い粒子を15%(体積比)混合し、外部の層に偏析する軽い方の粒子を排出した。
図8は排出前に計測した粒子層におけるA、B、C点(図4参照)に於ける軽い粒子の体積比である。サンプリングポイントAおよびCでは元の混合比の15%を越えて30%代に達し、一方、サンプリングポイントBでは10パーセント以下に下がり、密度偏析が発生していることがわかる。図9は、排出された粒子に占める軽い粒子の体積比であり、50%程度の高い値を示している。また図10に示すように元の投入粒子量に対する排出粒子(重い粒子も含む)の体積比は25%程度であることから、図9の結果と合わせて考えると軽い粒子は殆ど排出されたといえる。
次に、図4に示す試作機を使用して形状偏析を起こさせた場合の試験結果を図11〜図13に示す。本例は、非球状粒子のブラスト材を15%(重量比)、球状のブラスト材を85%(重量比)混合し、非球状粒子を排出する試験であり、粒度による分離を防ぐために、ブラスト材をふるいにかけ、1.70mm〜2.36mmの間に粒子径を揃えた。 図4に示すA、B、C点について測定したところ、図11に示すように形状偏析が生じていることが確認された。投入された混合粒子には、非球状粒子が15%(重量比)入っていたが、運転後の計測では、非球状粒子の重量比がサンプリングポイントAおよびCにおいて40%程度に上昇し、Bでは逆に10%以下に下がっており、形状偏析が発生したことがわかる。図12は非粒状粒子の排出を目的に装置を粒子層の動的安息角以上の角度に傾けた結果である。ローラ3(図1参照)を越えて排出された粒子に占める非球状粒子の重量比は35%程度に達しており、図11のサンプリングポイントCに近い値を示していることから、非球状粒子の排出を成功していると見なせる。図13は排出前に投入された粒子の総量に対する排出された粒子の重量比である。30パーセント弱の粒子が排出されている。排出すべき非球状粒子が元の混合粒子において15パーセントしか含まれていないことを考慮すると、充分な値と思われる。
以上のデータから本装置により粒度、密度および形状偏析を発生させ、粒子の大きさ、質量密度および形状に基づく分離が可能であることが示された。
以上、本発明の粒子分離方法およびその装置について説明したが、第1ローラ、第2ローラ以外であれば駆動用のローラは特に指定する必要はない。また、円板の軸の傾斜角度、ガイドローラの数、テンションローラの位置等は混合粒子等に合わせて随時変更できる設計事項である。
また本発明はその精神また主要な特徴から逸脱することなく、他の色々な形で実施することができる。そのため前述の実施例は単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。更に特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は全て本発明の範囲内のものである。
本発明は、農業分野では穀物や大豆の調整用の形状選別機、建築分野ではリサイクル用の粒子分離機、また鉱業では鉱物の選別等に対し形状選別、比重選別、粒径選別として利用できる。また、安価に効率よく分級・分離できる装置として多くの分野で重宝されよう。
(イ)は本実施例に係る概略正面図、(ロ)は同概略側面図である。 複数の円板を軸に取り付けた状態の斜視図である。 多段式の粒子分離装置の模式図である。 実際に作製した試作機の円板部分の斜視図である。 試作機で分粒したサンプリングポイントA、B、Cに於けるガラスビーズの重量比率を示す図である。 第1ローラを越えて排出された粒子におけるガラズビーズの重量比率を示す図である。 投入された粒子の総量に対する排出粒子量の重量比率を示す図である。 試作機で分粒したサンプリングポイントA、B、Cに於ける軽い粒子の体積比率を示す図である。 第1ローラを越えて排出された粒子における軽い粒子の体積(個数)比率を示す図である。 投入された粒子の総量に対する排出粒子量の体積(個数)比率を示す図である。 試作機で分粒したサンプリングポイントA、B、およびCにおける非球状粒子(ブラスト材)の重量比率を示す図である。 第1ローラを越えて排出された粒子における非球状粒子(ブラスト材)の重量比率を示す図である。 投入された粒子の総量に対する排出粒子量の重量比率を示す図である。 従来のスパイラスシュート方式の分離装置の斜視図である。 従来の水平ベルトコンベア方式の分離装置の斜視図である。 従来の傾斜ベルトコンベア方式の分離装置の斜視図である。
符号の説明
1 ベルトコンベア
2 円板
3 第1ローラ
4 第2ローラ(駆動用ローラ)
5 ガイドローラ
6 テンションローラ
7 フィーダ
8 大径粒子
9 小径粒子
10 窪み
11 金網部
α 第1ローラと第2ローラを結ぶ線と水平線の成す角(窪みの上端と下端とを 結ぶ線と水平線の成す角)

Claims (13)

  1. ベルトコンベア上に少なくとも2枚の円板を押しつけて窪みを形成し、前記円板同志の間に形成された前記窪みに混合粒子を投入および堆積し、ベルトコンベア、円板を駆動することによって前記ベルトコンベア上の窪み内で偏析現象を発生させることを特徴とする粒子分離方法。
  2. 前記窪みの上端と下端を結ぶ線を動的安息角より大きな角度に傾けることにより、粒子層の表層側に偏析した粒子を分離することを特徴とする請求項1に記載の粒子分離方法。
  3. 前記粒子層の表層側に偏析した粒子を分離したのち、残りの粒子をベルトコンベアに形成した金網部から取り出すようにしたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の粒子分離方法。
  4. ベルトコンベア上に少なくとも2枚の円板を押しつけて窪みを形成し、前記円板同志の間に形成された前記窪みに連続的に混合粒子を投入し、ベルトコンベア、円板を駆動することによって前記ベルトコンベア上の窪み内で粒子層を形成し、偏析現象を発生させながら、偏析した粒子を連続的に窪みから排出することを特徴とする粒子分離方法。
  5. ベルトコンベアと、そのベルトコンベアに押しつけてベルトコンベアに窪みを形成する少なくとも2枚の円板とを備え、さらに前記円板は同径で形成され同軸上に配置されており、ベルトコンベア、円板を駆動することにより前記ベルトコンベア上の前記窪み内に投入された混合粒子に偏析現象を発生させることを特徴とする粒子分離装置。
  6. 前記ベルトコンベアと円板との組み合わせをベルトコンベアの長さ方向に対して所定の間隔をもって多段に配置したことを特徴とする請求項5に記載の粒子分離装置。
  7. 前記円板を支持する軸は正面視において、水平軸に対して一方側に傾斜して配置してあることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の粒子分離装置。
  8. 前記窪みの前後には、ベルトコンベアを支持する第1ローラ、第2ローラが配置され、ベルトコンベアの上流側に配置された第1ローラは前記円板の円周方向に移動可能に取り付けられていることを特徴とする請求項5〜請求項7のいずれかに記載の粒子分離装置。
  9. 前記窪みの前後には、ベルトコンベアを支持する第1ローラ、第2ローラが配置され、前記ベルトコンベア、円板、第1ローラは、前記窪みの上端と下端を結ぶ線が動的安息角より大きな角度に傾けることができるよう全体に揺動自在に構成されていることを特徴とする請求項5〜請求項8のいずれかに記載の粒子分離装置。
  10. 前記揺動の中心軸は、円板の軸と平行な任意の位置の線であることを特徴とする請求項9に記載の粒子分離装置。
  11. 前記ベルトコンベアには、第1ローラの移動に伴うベルトコンベアの緊張、緩みを除去するテンションローラが配置されていることを特徴とする請求項8〜請求項10のいずれかに記載の粒子分離装置。
  12. 前記ベルトコンベアには、所定の長さにわたって金網部が形成されていることを特徴とする請求項5〜請求項11のいずれかに記載の粒子分離装置。
  13. 前記ベルトコンベアの全長および金網部の長さは、偏析の発生時間、粒子排出時間、ベルトコンベアの回転速度によって決めることを特徴とする請求項12に記載の粒子分離装置。
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