JP2005168266A - 直流電力変換装置 - Google Patents

直流電力変換装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2005168266A
JP2005168266A JP2003407841A JP2003407841A JP2005168266A JP 2005168266 A JP2005168266 A JP 2005168266A JP 2003407841 A JP2003407841 A JP 2003407841A JP 2003407841 A JP2003407841 A JP 2003407841A JP 2005168266 A JP2005168266 A JP 2005168266A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
switch element
switching
switch
circuit
leg
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003407841A
Other languages
English (en)
Inventor
Yujiro Noda
勇二郎 野田
Tetsuo Matsuda
哲男 松田
Masahiro Kawamoto
昌宏 川本
Shinji Fujimoto
信二 藤本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
T & U Electronics Co Ltd
Ube Machinery Corp Ltd
Original Assignee
T & U Electronics Co Ltd
Ube Machinery Corp Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by T & U Electronics Co Ltd, Ube Machinery Corp Ltd filed Critical T & U Electronics Co Ltd
Priority to JP2003407841A priority Critical patent/JP2005168266A/ja
Publication of JP2005168266A publication Critical patent/JP2005168266A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】 本発明は、負荷の軽重に拘わらず一定電圧で安定に動作し、スイッチ素子を確実にソフトスイッチングできる直流電力変換装置を提供する。
【解決手段】 フルブリッジ構成DC−DCコンバータは、一次側のインバータ回路2及び二次側の整流回路3においてソフトスイッチングさせる。変圧器の二次側巻線T2に接続された整流回路3のレッグB3とB4のノードN3とN4に可飽和リアクトルLbtとスナバコンデンサC5をアームとして挿入する。可飽和リアクトルは、変圧器の二次側が短絡するのを防止し、変圧器を通して一次側に電流を供給する。負荷4の軽重に影響されることなく広範囲にわたりソフトスイッチング可能となる。一次側のスイッチ素子の制御も、可飽和リアクトルの条件でデッドタイムの範囲を広範囲に設定でき、出力電圧を制御するためのスイッチ素子の位相制御のみで容易に行える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、直流電力変換装置に関し、特に、変圧器の一次側に、直流電源に接続されたインバータ回路を有し、該変圧器の二次側に負荷へ所要の直流電力を出力する整流回路を接続してDC−DCコンバータが形成され、負荷の変動に関係なく、DC−DCコンバータにおけるソフトスイッチングが行える直流電力変換装置に関する。
近年においては、小規模の発電装置で発電された電力を、種々の負荷、例えば、家電機器などに供給する電力供給システムが開発されている。この様な電力供給システムでは、発電電圧の昇圧や、発電機器との絶縁などの必要性がある。また、負荷の大小に合わせて一定電圧の交流電力を供給できるように、所定周波数の交流電力を生成するため、前段に、直流電力変換装置が設けられる様になってきている。
この直流電力変換装置には、一般に、インバータ回路、変圧器、整流回路及びローパスフィルタ回路を含むDC−DCコンバータが用いられている。このDC−DCコンバータでは、発電機で得られた直流電力がインバータ回路に供給され、一旦、交流電力に変換される。この変換において、一定の出力電圧となるように調整される。その後、この交流電力が変圧器を介して整流回路に供給され、ここで、再び直流電力に変換されて、ローパスフィルタ回路で一定電圧の直流電力が得られる。
上述の電力供給システムでは、更に、得られた一定電圧の直流電圧が、所定周波数の交流電力に変換するインバータ回路に供給され、そして、負荷には、このインバータ回路から一定電圧かつ所定周波数を有する交流電力が供給される。
従来において、直流電力変換装置のDC−DCコンバータとして、フルブリッジ構成された変換回路が、使用されている。この直流電力変換装置の回路構成を、図8に示した。図示されたDC−DCコンバータは、インバータ回路2、変圧器T、整流回路3、そして、ローパスフィルタ回路Fで構成される。ローパスフィルタ回路Fの出力側に、負荷4が接続される。
インバータ回路2の入力には、発電機に相当する直流電源1から直流電圧Vinを有する直流電力が供給されるようになっており、さらに、入力キャパシタCpが並列接続されている。インバータ回路2は、先導レッグB1と後続レッグB2を有し、これらが直流電源1に対して並列接続されている。夫々のレッグは、直列接続された2個のスイッチ手段で構成され、夫々のスイッチ手段は、スイッチ素子Q1乃至Q4と、このスイッチ素子Q1乃至Q4の両端に並列接続される還流ダイオードD1乃至D4及びスナバコンデンサC1乃至C4とを備えている。例えば、スイッチ素子Q1、還流ダイオードD1及びスナバコンデンサC1により、一つのスイッチ手段が形成されている。
スイッチ素子Q1乃至Q4の夫々には、制御回路5で生成された制御信号GS1乃至GS4が供給され、各スイッチ素子のターンオン、ターンオフの駆動制御が行われる。この駆動制御にあたっては、ローパスフィルタ回路Fの出力電圧、即ち、負荷4への供給電圧Voutの大きさが検出され、出力電圧Voutが一定電圧になるように、スイッチ素子を位相シフト制御させ、導通させる2個のスイッチ素子に係るオン状態の重なり時間を調整するように制御する。
先導レッグB1における2個のスイッチ手段の中間接続点であるノードN1と、後続レッグB2における2個のスイッチ手段の中間接続点であるノードN2とには、変圧器Tの一次側巻線T1が接続される。この一次側巻線T1には、励磁インダクタンスLmが存在するものとし、図8では、便宜的に、破線で表示されている。
整流回路3においても、フルブリッジで構成されており、レッグB3とレッグ4を有し、これらのレッグの並列接続点である接続点N5と接続点N6には、ローパスフィルタFが並列接続されている。レッグB1は、整流素子としてのダイオードD5とダイオードD6とが直列接続され、また、レッグ4は、整流素子としてのダイオードD7とダイオードD8とが直列接続される。そして、ダイオードD5とダイオードD6との中間接続点であるノードN3と、ダイオードD7とダイオードD8との中間接続点であるノードN4との間に、変圧器Tの二次側巻線T2が接続されている。
この様にフルブリッジ構成されたDC−DCコンバータでは、インバータ回路2が、一次回路として、入力直流電圧Vinをスイッチングし、一連のパルスに変換する。この一連のパルスが、変圧器Tの一次側巻線T1に供給される。変圧器Tは、コンバータの二次回路側としての変圧器Tの二次側巻線T2に交流電圧を誘起する。スイッチ素子Q1乃至Q4と変圧器Tとが上述の様に相互に接続され、各スイッチ素子は、変圧器Tの一次側巻線T1に流れる電流の方向を逆転する様にスイッチング制御される。変圧器Tの一次側巻線T1に流れる電流は、電磁界を発生し変圧器Tのコアを経て二次側巻線T2に誘導され、二次側巻線T2に一定電圧を有する交流電力を発生する。
変圧器Tの二次側巻線T2は、ダイオードブリッジによる整流回路3及びローパスフィルタFに並列に接続されているので、二次側巻線T2の出力交流電圧が整流され、そして、フィルタリングされて、DC−DCコンバータの出力端子に目標とされる電圧を発生させる。
ダイオードブリッジの整流回路3は、ダイオードが互いに直列に接続され、逆方向に整列されたダイオードD5乃至D8の組合せを使用して整流を行っている。ダイオードブリッジの整流回路3における各ダイオードの動作には、固有の逆回復があるため、ロスが生じる。この逆回復発生時に、順方向に導通するダイオードは、順方向導通状態から逆方向阻止状態へと切換わる過程にあり、ダイオードは逆方向の電流を阻止せず、通常の逆電流阻止状態に入るまで、逆方の電流を許すことになる。この切り換え中において、電力損失が生じる。また、このダイオードの逆回復は、一次側の回路におけるスイッチ素子にも付加的な損失を与えることになる。
ここで、DC−DCコンバータには、ハードスイッチング型の制御が行われているものがある。ハードスイッチング型のDC−DCコンバータは、スイッチ素子にまたがって高い電圧が存在し、そして、スイッチ素子には、大きな電流が流れている間に、スイッチング素子がオン状態とオフ状態との間で変化する様に動作させている。そのため、ハードスイッチング型コンバータでは、ハードスイッチング動作における切換え動作中に、電力損失が発生する。ハードスイッチング動作中に生じる電力損失は、スイッチング周波数に依存する。従って、スイッチング周波数に比例して電力損失が増大する。
更に、ハードスイッチング型コンバータにおいては、スイッチ素子などの部品内の寄生作用に起因するリンギングと呼ばれる電流及び電圧の電気的振動を招くことになり、これは、多くの電磁干渉(EMI)を生じさせている。
スイッチングの電力損失は、コンバータの効率低下を招き、また、電磁干渉は、その周辺の回路の動作を妨げるので、望ましくない。更に重要なことは、高電位、若しくは、大電流のスイッチングと、過剰な電力消費は、スイッチ素子に多大なダメージを及ぼす。
スイッチング損失が少ないと、DC−DCコンバータのスイッチ素子のスイッチングには、高いスイッチング周波数を使用することができ、そのことにより、受動部品の小型化を図ることができる。これは、コンバータの小型化、軽量化につながる。従って、DC−DCコンバータは、高い周波数で動作することが望ましいところではあるが、上述した様に、ハードスイッチングは、高い周波数で効率的に動作することができない。そこで、ハードスイッチングコンバータの欠点を克服するために、ハードスイッチングに対して、ソフトスイッチングと呼ばれているスイッチング制御を行うDC−DCコンバータが提案されている(例えば、特許文献1、2、3などを参照)。
ソフトスイッチングによるDC−DCコンバータは、コンバータの一次側回路のスイッチ素子に跨る電圧を低く、若しくは、ゼロの状態とし、そして、そこに流れる電流のレベルが低く、若しくは、ゼロの状態として、スイッチ素子のオン状態、オフ状態を切り換える様に動作する。ソフトスイッチングのコンバータは、スイッチ素子にまたがる電圧、又は、そこに流れる電流を減少させ、若しくは、ゼロの状態にするために、コンバータ内の部品の寄生作用を利点に活用する場合もある。
詳細には、ソフトスイッチングのコンバータは、変圧器Tの一次側巻線T1の励磁インダウタンスLmによって供給される電流を使用することにより、スイッチ素子に並列に接続されたスナバコンデンサに充電又は放電をする様に、スイッチングのタイミングを調整し、オフ、即ち、開いたスイッチ素子にまたがる電圧と、オン、即ち、閉じたスイッチ素子に流れる電流を、各々のスイッチ素子のオン状態又はオフ状態を切り換える時に、減少、若しくは、ゼロにする。ソフトスイッチングは、スイッチング動作中に電力損失を減少させ、コンバータの高周波化し、低い電磁干渉で動作できることを可能にしている。
特開平7−222444号公報 特開2003−180075号公報 特開平10−337021号公報
しかしながら、一般的な位相シフト制御によるフルブリッジ構成のDC−DCコンバータの動作は、次の2つの問題点がある。その問題点の一つは、軽負荷時において、ソフトスイッチングの領域からはずれ、ハードスイッチングと同様の動作になることであり、もう一つの問題点は、整流ダイオードの逆回復に関することであり、それにより、スイッチング損失が生じることである。
また、軽負荷時において、ソフトスイッチング動作に近づけるためには、スイッチ素子の位相シフトを行うための制御信号をきめ細かく行う必要がある。さらに、DC−DCコンバータの一次側回路におけるスイッチ素子に対してソフトスイッチングを行おうとするとき、基本的に、負荷に対応したソフトスイッチングの回路定数が決定されているため、それに対応した負荷から外れた場合、或いは、負荷変動が発生した場合には、やはり、ソフトスイッチングできる領域から外れてしまう。ここでスイッチ素子に掛かるストレスは、ハードスイッチングの場合と同様、若しくは、それ以上となって、ソフトスイッチングを導入する目的に反したものとなる。
また、整流ダイオードの逆回復に関連した損失は、整流ダイオード自体の損失を増加させるだけでなく、一次側回路のスイッチ素子の付加的損失をも誘起する。従って、軽負荷時、及び、負荷変動時においても、ソフトスイッチングを維持できる広領域で簡単な位相シフト制御が行えるDC−DCコンバータが必要となる。
そこで、本発明の目的は、これらの問題点を解決できる直流電力変換装置を提供することである。
以上の課題を解決するため、本発明の直流電力変換装置では、スイッチ素子に還流ダイオード及びスナバコンデンサが並列接続されたスイッチ手段を含み、入力される直流電力の電圧をチョッパするスイッチング回路と、前記チョッパで生成された交流電力が一次側に供給される変圧器と、前記変圧器の二次側出力の交流電力を直流電力に変換するブリッジ整流回路と、前記ブリッジ整流回路の出力を平滑するローパスフィルタ回路と、前記スイッチ素子のスイッチングを制御する制御回路とを備え、前記ブリッジ整流回路において、複数の整流素子が直列接続された第1レッグと、複数の整流素子が直列接続された第2レッグを有し、前記変圧器の二次側出力が供給される前記第1レッグの中間接続点と前記第2レッグの中間接続点との間に、可飽和リアクトルを接続することとした。
そして、前記可飽和リアクトルは、前記第1レッグの第1整流素子及び前記第2レッグの第4整流素子又は前記第1レッグの第2整流素子及び前記第2レッグの第3整流素子が逆回復状態にあるとき、或いは、前記変圧器の二次側巻線が短絡状態にあるとき、該二次側巻線における電流を阻止するようにした。
さらに、前記可飽和リアクトルと並列にスナバコンデンサを接続し、該スナバコンデンサが、前記還流ダイオードに順方向電流が流れ始めるとき、逆回復電流を緩和するようにした。
また、前記制御回路は、前記スイッチ素子をパルス幅変調制御してスイッチング駆動するものとし、前記スイッチング回路は、第1スイッチ手段と第2スイッチ手段とが直列接続された第3レッグと、第3スイッチ手段と第4スイッチ手段とが直列接続された第4のレッグとが並列接続されたブリッジ回路であり、前記第1スイッチ手段と前記第2スイッチ手段の接続点及び第3スイッチ手段と第4スイッチ手段の接続点が、前記変圧器の一次側巻線に接続することとした。
さらに、前記制御回路は、前記第1スイッチ手段乃至第4スイッチ手段における各スイッチ素子のスイッチングを位相シフト制御することにより、所定の直流電力を出力することとし、前記直流電力の供給段階の始めに、前記第1スイッチ手段の第1スイッチ素子をターンオンした一定時間後に、前記第4スイッチ手段の第4スイッチ素子をターンオンし、又は、前記第第2スイッチ手段の第2スイッチ素子をターンオンした一定時間後に、前記第3スイッチ手段の第3スイッチ素子をターンオンすることにより、前記供給段階において、前記第1スイッチ素子のオン状態と前記第4スイッチ素子のオン状態の重なり時間、又は、前記第2スイッチ素子のオン状態と前記第3スイッチ素子のオン状態の重なり時間を制御するようにした。
前記制御回路は、前記ローパスフィルタ回路の出力電圧値に基づいて前記重なり時間を制御し、前記第1スイッチ素子に並列接続された第1還流ダイオード又は前記第2スイッチ素子に並列接続された第2還流ダイオードに電流が流れている間に、該第1スイッチ素子又は該第2スイッチ素子をターンオンに制御し、前記第1スイッチ素子又は第2スイッチ素子をオフ状態に切り換えた後に、ソフトスイッチングとなる所定時間を維持する位相シフト制御を行うこととした。
前記制御回路は、前記第1スイッチ素子乃至第4スイッチ素子に供給する位相シフト制御信号を生成でき、ソフトスイッチング動作を制御するプログラムを実行できるマイクロプロセッサを含んでいることとした。
本発明の直流電力変換装置では、以上のような構成にすることにより、軽負荷の場合に各スイッチ素子のソフトスイッチングが行えるだけの電流を確保でき、スイッチ素子のソフトスイッチング効果、スイッチ素子のスイッチング損失の低減を損なわないようにできた。さらに具体的には、以下に述べるような効果を奏することができる。
直流電力変換装置に接続された負荷が、軽負荷になった場合に、負荷に流れる電流が低くなっても、ソフトスイッチング領域が拡大され、スイッチ素子のソフトスイッチングが可能となる。また、どのような状態においても、適正に負荷電圧を一定に制御することができる。
直流電力変換装置におけるダイオードブリッジ整流回路の逆阻止回復電流について低減することができ、変圧器の一次側への影響も低減することができる。その結果、インバータ回路を形成するスイッチ素子へのダメージを低減できる。
広領域でソフトスイッチングできることから、負荷変動が予想される場合にでも、ソフトスイッチングが可能なコンバータとすることができる。また、スイッチ素子のスイッチング周波数の更なる高周波化が図れ、機器の小型に貢献できる。更に、低電磁波化及びコンバータの低損失化に貢献できる。
また、従来の位相シフト制御によるソフトスイッチングコンバータは、変圧器の励磁インダクタンスを利用するため、回路定数に制約を受け、即ち、変圧器の励磁インダクタンス、漏れインダウタンスを配慮して、ソフトスイッチング用の変圧器を設計しなければならなかったが、本発明によれば、特に、変圧器の仕様を変更することなく、挿入する可飽和リアクトルのインダクタンスで対応可能となるので、自由度が広がる。例えば、一般的な変圧器が使用可能となるので、特注の必要なくなり、コストメリットが増大する。また、接合度の高い変圧器を使用でき、更なる高効率化を目指すことも可能となる。
また、本発明における位相シフト制御のソフトスイッチング回路部分を他のスイッチング回路、例えば、ソフトスイッチング用の補助スイッチを追加した1石フォワードタイプに置き換えても、ソフトスイッチングの領域を拡大することができる。
次に、図1乃至図7を参照して、本発明の直流電力変換装置に係る実施形態について詳細に説明する。図1には、本実施形態の直流電力変換装置に適用されるDC−DCコンバータの回路構成が示されている。図1に示されたDC−DCコンバータは、図8に示された従来技術によるDC−DCコンバータの回路構成を基本としており、図1では、図8のDC−DCコンバータの回路構成と同じ部分には、同じ符号が付されている。
ここで、本実施形態によるDC−DCコンバータが、図8に示された回路構成と異なるところは、整流回路3におけるノードN3とノードN4との間に、可飽和リアクトルLbtとスナバコンデンサC5の並列接続によるアームが挿入されていることである。この可飽和リアクトルLbtとスナバコンデンサC5の並列接続によるアームが整流回路3の入力部に挿入されることが、本実施形態による直流電力変換装置の特徴であり、この挿入された可飽和リアクトルLbtとスナバコンデンサC5は、位相シフトソフトスイッチングを補助すると共に、整流素子のダイオードにおける逆回復の損失を低減することとなる。
図1に示されたDC−DCコンバータにおいても、従来のDC−DCコンバータと同様に、インバータ回路2に含まれるスイッチ素子Q1乃至Q4は、位相シフト制御によるスイッチング動作され、このスイッチング動作においてソフトスイッチングが実行されるフルブリッジ構成のコンバータとなっている。このフルブリッジ構成のDC−DCコンバータは、変圧器Tを介して相互に接続された一次側スイッチング回路であるインバータ回路2、そして、二次側回路として整流回路3を備えている。インバータ回路2の入力側には、直流電源1及び入力コンデンサCpが備えられ、これらは、インバータ回路2を構成する先導レッグB1及び後続レッグB2と並列に接続される。
先導レッグB1は、直列に接続された第1及び第2スイッチ素子Q1及びQ2を含む。後続レッグB2は、直列に接続された第3及び第4スイッチ素子Q3及びQ4を含む。また、各スイッチ素子Q1乃至Q4には、並列にスナバコンデンサC1乃至C4及び環流用ダイオードD1乃至D4が接続される。
変圧器Tは、一次側巻線T1及び二次側巻線T2を有し、一次側巻線T1には、励磁インダウタンスLmが含まれる。変圧器Tの一次側巻線T1は、インバータ回路2にノードN1及びノードN2において、先導レッグB1及び後続レッグB2の各々の中間接続点に接続されている。変圧器Tの二次側巻線T2は、フルブリッジ構成された整流回路3のレッグB3及びB4のノードN3、N4に接続される。フルブリッジ構成の整流回路3の出力側には、ローパスフィルタ回路Fが並列に接続される。
ローパスフィルタ回路Fは、標準的ブリッジ構成で接続されたインダクタLr、及び、コンデンサCrを含む。ブリッジ構成された整流回路3は、標準的なブリッジで構成された4個のダイオードD5乃至D8を含む。ダイオードブリッジ構成の整流回路3は、ノードN3及びノードN4において、変圧器Tの二次側巻線T2に接続されると共に、ノードN5及びノードN6において、ローパスフィルタ回路Fに接続される。ダイオードブリッジ構成の整流回路3は、B3及びB4の各々のレッグのノードN3及びN4に可飽和リアクトルLbtとスナバコンデンサC5を備えている。
そこで、本実施形態の直流電力変換装置におけるDC−DCコンバータの整流回路3の入力側に挿入された可飽和リアクトルLbtとスナバコンデンサC5が、位相シフトソフトスイッチングを補助すると共に、整流回路のダイオードにおける逆回復の損失を低減できることについて、以下に述べる。
DC−DCコンバータは、入力電圧Vinを発生する直流電源1に接続される。入力コンデンサCpは、入力電圧Vinを平滑し、或いはまた、スイッチ素子のスイッチング中にインバータ回路2を経て、直流電源1に戻されるエネルギー(電力)を蓄積する役割を有する。
インバータ回路2のスイッチ素子Q1乃至Q4は、DC−DCコンバータの入力側においてフルブリッジ構成となるように接続される。スイッチ素子Q1乃至Q4の各々には、環流ダイオードD1乃至D4及びスナバコンデンサC1乃至C4が、スイッチ素子のドレインとソースと間に並列に接続される。先導レッグB1のスイッチ素子Q1及びQ2は、DC−DCコンバータの動作周波数で作用する約50%デューティサイクルの制御信号によりスイッチング駆動される。
後続レッグB2のスイッチ素子Q3及びQ4は、出力電圧Voutの比に応じて、スイッチ素子Q1及びQ2のターンオンより遅れた形で位相をシフトした制御信号で制御される。そして、そのスイッチ素子Q1乃至Q4に供給される制御信号GS1乃至GS4は、制御回路5で生成される。この制御回路5には、フィードバック制御回路も含まれ、このフィードバック制御回路は、検出された出力電圧Voutの大きさに基づいて、スイッチ素子Q1とスイッチ素子Q4、又は、スイッチ素子Q2とスイッチ素子Q3のオン状態の重なり時間を調整し、一定電圧に制御される。この位相シフト制御によるスイッチング動作は、従来技術によるものと変わらない。
二次側巻線T2の出力は、ダイオードD5乃至D8で構成されたダイオードブリッジ構成された整流回路2に供給され、ここで、整流される。ダイオードブリッジ整流回路2における2個のレッグB3及びB4は、レッグ間に挿入された可飽和リアクトルLbtとスナバコンデンサC5を含んでいる。この可飽和リアクトルLbtは、スイッチ素子と同様に動作し、ダイオードD5乃至D8の逆回復損失を低減すると共に、変圧器Tの二次側巻線T2の電圧降下がゼロに近づいた時に、出力電流を負荷に流し続けることができるように、ダイオードブリッジ整流回路3がフリーホイールダイオードの作用を代替するようにアシストを行う。
最後に、ダイオードブリッジ整流回路3の出力は、インダクタLr及びコンデンサCrを含むローパスフィルタ回路Fを通して、出力電圧Voutを有する直流電力が負荷4に供給される。
フィードバック制御回路を含んでいる制御回路5は、検出された出力電圧Voutに基づいて、スイッチ素子Q3及びQ4のオン動作を、スイッチ素子Q1及びQ2のオン動作から、出力電圧に応じた位相シフトにより遅らせて動作させるように、スイッチ素子のスイッチングタイミングを調整する。
制御回路5では、アナログ−ディジタルコンバータを含む一般的な電圧検出回路を使用して、出力電圧Voutをサンプリングする。また、制御回路5は、出力電圧∨outのディジタル値を分析し、スイッチングのタイミングに対してどのような調整を行うかについて決定し、各スイッチ素子をスイッチングする制御信号GS1乃至GS4を出力し、スイッチ素子Q1乃至Q4を駆動制御するためのマイクロプロセッサも含むものとする。
以上のように、図1に示された本実施形態によるDC−DCコンバータは、回路構成されている。次に、このDC−DCコンバータにおけるソフトスイッチング動作について、図2に示された動作波形図と、図3乃至図7に示されたコンバータ内の動作状態を示した図を参照して説明する。
図2では、図1に示されたDC−DCコンバータ内における各部の動作波形が表されており、GS1乃至GS1は、スイッチ素子Q1乃至Q4のゲートに供給される制御信号の波形を示し、各スイッチ素子のオン状態のタイミングを説明している。これらの制御信号による各スイッチ素子のオン状態は、通常用いられている位相シフト制御によっている。図2では、時点t1で、スイッチ素子Q1がターンオフし、時点t1からデッドタイムTd後の時点t3に、スイッチ素子Q2がターンオンし、時点t4において、スイッチ素子Q4がターンオフし、その後の時点t6において、スイッチ素子Q3がターンオンする。
この様に、スイッチ素子Q1乃至Q4のオン状態が位相シフト制御され、スイッチ素子Q1とスイッチ素子Q4のオン状態、スイッチ素子Q2とスイッチ素子Q3のオン状態の重なり期間の間に、チョッパされた直流電圧が一次側巻線T1に供給される。一次側巻線T1に供給される電圧の波形が、VT1として、そして、該巻線T1に流れる電流の波形が、IT1として、図2に示されている。
ここで、スイッチ素子Q1乃至Q4のスイッチング動作に応じて、DC−DCコンバータの回路を構成する各部に発生する電圧V、及び、各部に流れる電流Iについての波形が、その各部の符号が付されて、図2に示されている。例えば、スイッチ素子Q1のドレイン−ソース間の両端電圧であれば、VQ1と、また、スイッチ素子Q1のドレイン−ソース間を流れる電流の場合には、IQ1と、符号が付されている。或いは、スナバコンデンサC1であれば、エネルギー蓄積時の電流の場合には、IC1、その両端電圧の場合には、VC1と付されている。
次に、図2に示された各部の動作波形図を参照しながら、図3乃至図7に示されたDC−DCコンバータの動作状態について説明する。図3乃至図7に示した各動作状態は、DC−DCコンバータにおける1サイクルのうちの半サイクルのステップごとの回路動作に基づいて表示されている。つまり、そのステップとは、図2の各部の動作波形における動作時点によって動作期間Tで区分されている。
図2において、時点t1までを、エネルギー転送段階の期間T1、時点t1から時点t3までにおいてスイッチ素子Q4をオン状態に保持しながらスイッチ素子Q1をターンオフして先導レッグB1から後続レッグB2への移行する段階の期間T2、時点t3から時点t5までにおいてスイッチ素子Q4をターンオフして後続レッグB2に移行する期間T3、時点t5から時点t7においてスイッチ素子Q3をターンオンする後続レッグB2に移行する段階の期間T4、そして、時点t7から時点t8までにおいてスイッチ素子Q2とスイッチ素子Q3とがオン状態でエネルギー転送段階の期間T5の5つの期間に、代表的に区分することができる。1周期の後半サイクルにおいても、以上と同様の期間T1乃至T5が繰り返される。
次いで、以上のように区分されたステップに従って、DC−DCコンバータの動作状態について順次説明する
〔期間T1について〕
図3には、エネルギー転送段階にある期間T1におけるDC−DCコンバータの動作状態が示され、回路の各部における動作波形は、図2の時点t1までの期間T1の範囲で表される。DC−DCコンバータでは、スイッチ素子Q1及びQ4がオン状態にあり、エネルギーが転送されている段階であり、スイッチ素子Q1が時点t1にターンオフされるまで続く。
スイッチ素子Q1及びQ4の両方がオン状態であるときは、入力電圧Vinが、矢印I1で示す経路に沿って、変圧器Tの一次側巻線T1ヘエネルギーを転送する。電流I1は、図2では、電流IT1の波形のようになり、スイッチ素子Q1、一次側巻線T1、スイッチ素子Q4を経て流れ、直流電源1に戻る。一次側巻線T1に電流が流れるときには、励磁インダクタLmに電流が蓄積される。その電流蓄積は、スナバコンデンサC4を充電するために、後の段階で使用される。スイッチ素子Q1及びQ4は、期間T1におけるエネルギー転送段階中では、オン状態のままである。
一次側巻線T1に電流I1が流れると、変圧器Tの二次側巻線T2に跨って電圧を発生する。この出力電圧は、入力電圧Vin、スイッチング回路及び変圧器Tの巻数比の関数によって決定される。二次側の整流回路3の電流は、図3において、矢印I2とI21とで示されるように、二次側巻線T2の一端であるノードN4から可飽和リアクトルLbt及びダイオードD7、ノードN5及びローパスフィルタ回路Fを経て、負荷4へと流れる。次に、電流I2は、負荷4からノードN6及びダイオードD6を経て、二次側巻線T2の反対側であるノードN3へ流れる。このとき、ダイオードD5及びD8は、逆バイアスされ、完全に逆阻止状態にある。
可飽和リアクトルLbtに流れる電流I21は、非常に短い順方向阻止状態の後、低インピーダンスの飽和状態へと移行する。飽和状態において可飽和リアクトルLbtが飽和状態のときには、電流に対して実質ゼロの抵抗を与えるという点で、短絡状態にあると言える。従って、可飽和リアクトルLbtに電流I21が流れる間には、可飽和リアクトルLbtで消費される電力は最小となる。
また、図2では、入力電圧Vin及び励磁インダクタンスLmにより決定される電流It1(ILm)が示されているが、図3では、電流I1になっている。ダイオードD6及びD7の電流は同一であり、ID6及びID7で示されるが、図3では電流I2で示される。波形VT1及びIT1は、一次側巻線T1の電圧及び電流を表し、期間T1は、DC−DCコンバータ回路がエネルギー転送段階に保持されている時間であり、期間T1の間に、図2に示す様に、変圧器Tの一次側巻線T1において電圧VT1が上昇し、電流IT1が確立される。
図2に示す様に、スイッチ素子Q1及びQ4は、制御信号GS1のオン信号から、出力電圧Voutに対応するスイッチ素子Q4のオン状態の重なり時間を考慮に入れて、スイッチ素子Q4を制御信号GS4でオンにする。エネルギー転送段階におけるスイッチ素子Q1及びQ4のオン状態重なり時間、即ち、制御信号GS1とGS4に含まれるオン時間の重なりにより決定される。
例えば、負荷4が増加した時に、制御信号GS4に係るオンのタイミングは、検出された出力電圧Voutの大きさに基づいて、制御回路5により決定されるが、負荷4に転送しなければならないエネルギーの量が増加するので、位相シフトのシフト量を少なくし、制御信号GS1とGS4のオン時間の重なりを増加させることにより行える。その結果、負荷が増加すると言うことは出力電圧Voutが低下することを示すので制御回路(フィードバック制御回路を含む)5は、より多くのエネルギーを負荷に供給するために、波形GS4のオンのタイミングを早め、制御信号GS1とGS4のオン時間の重なりを増加させる。
本実施形態においても、スイッチ素子Q1及びQ2を含む先導レッグB1に対しては、図2に示されるように、スイッチ素子Q1及びQ2ともオンしないデッドタイムTdが設けられており、各スイッチ素子Q1及びQ2は、約50%のデューティサイクルで動作される。また、スイッチ素子Q3及びQ4を含む後続レッグB2も、スイッチ素子Q3及びQ4ともオンしないデッドタイムTdが設けられており、夫々約50%のデューティサイクルで動作される。後続レッグB2は、出力電圧Voutに対して制御を与えられる様に、スイッチ素子Q1及びQ2のオン状態に対して、位相シフト制御し、オンのタイミングを遅らしてオンする様に、スイッチング制御されている。
従って、DC−DCコンバータの出力電圧Voutを所定のレベルに調整するために、制御信号GS4及びGS3の位相シフト制御により、各スイッチ素子の組合せQ1とQ4、Q2とQ3の対による半サイクルでのオンの重なり時間の巾により変えられる。
制御回路5は、出力電圧Voutのフィードバックの電圧レベルを評価することにより、スイッチ素子Q4及びQ3に対して、どのタイミングでターンオンさせるべきかを決定する。この様に位相シフト制御を行った場合には、スイッチ素子Q1乃至Q4は、同時にオンすることが無い。
〔期間T2について〕
そこで、上述のことを踏まえて、図2及び図4を参照して、後続レッグB2への移行段階である期間T2について説明する。後続レッグB2の移行段階は、制御回路5が、スイッチ素子Q4をオン状態に保持しながら、スイッチ素子Q1をターンオフすることにより、エネルギー転送段階を終了しようとするときに、開始される。後続レッグB2の移行に掛かる期間T2の時間は、図2に示されるように、時点t1から時点t3までである。
後続レッグB2の移行に係る期間T2の間には、期間T1のエネルギー転送段階の間に変圧器Tの励磁インダクタンスLm及び可飽和リアクタンスLbtに、既に確立された電流IT1とILbtにより、図4に矢印I3、I41及びI42で示される方向に、電流が流れ続ける。
スイッチ素子Q1がターンオフする際に、スイッチ素子Q1に掛かる電圧VQ1は、スイッチ素子Q1がオン状態であったため、ゼロ電圧スイッチング(ZVS)でターンオフできる。また、スイッチ素子Q1を流れていた電流IQ1は、スナバコンデンサC1を充電し、スイッチ素子Q1に掛かる電圧VQ1は、スナバコンデンサC1の効果により遅延を持ってなだらかに変化し、直流電源1の入力電圧Vinまで上昇する。ここで、スイッチ素子Q1のターンオフに係るZVSは、スナバコンデンサC1の容量に影響を受けることになる。
次いで、スイッチ素子Q2を制御信号GS2により時点t3でターンオンする。後続レッグB2の移行期間T2におけるDC−DCコンバータの動作を考えると、スイッチ素子Q1のターンオフと同時に、スナバコンデンサC2に入力電圧Vinの大きさに充電されていた電圧が放電され、スイッチ素子Q2の電位差(電圧)がゼロになった段階で、還流ダイオードD2がオンする。ダイオードD2には、変圧器Tの励磁インダクタンスLm及び可飽和リアクタンスLbtに既に確立された電流IT1とILbtにより、図4に示されるように、矢印I3、I41及びI42で示される方向に電流が流れ続ける。この電流は、スイッチ素子Q4が、時点t4でターンオフするまで流れ続ける。
その間に、スイッチ素子Q2を時点t3においてターンオンさせる。このとき、スイッチ素子Q2に掛かる電圧VQ2は、既にダイオードD2を通して電流が流れているため、ゼロ電圧となっている。また、この期間T1に、スイッチ素子Q2をオン状態にしておくと、ダイオードD2に流れる電流がゼロ電流になってはじめて、スイッチ素子Q2がオンとして機能する様になる。このことは、スイッチ素子Q2のターンオンを、ZVS及びZCSで行うことを可能にしている。
〔期間T3について〕
次いで、スイッチ素子Q4を制御信号GS4により時点t4でターンオフさせた後の時点t5からの、後続レッグB2の移行期間T3のDC−DCコンバータの動作を説明する。スイッチ素子Q4を流れていた電流IQ4は、スイッチ素子Q4が時点t4でターンオフする際に、スイッチ素子Q4に掛かる電圧VQ4は、スイッチ素子Q4のオン状態であって、電流IQ4が流れているため、電圧は立っていない。そのため、スイッチ素子Q4は、ゼロ電圧スイッチング(ZVS)でターンオフできる。また、スイッチ素子Q4を流れていた電流IQ4は、スナバコンデンサC4を充電し、スイッチ素子Q4に掛かる電圧VQ4は、スナバコンデンサC4の効果により遅延を持ってなだらかに変化し、直流電源1の入力電圧Vinまで上昇する。スイッチ素子Q4のターンオフにおけるZVSは、スナバコンデンサC4の容量に影響を受ける。
更に、期間T1におけるエネルギー転送段階の間に変圧器Tの励磁インダクタンスLm及び可飽和リアクタンスLbtに既に確立された電流IT1、ILbtにより、図5に示されるように、矢印I5、I61及びI62で示される方向に電流が流れ続け、この電流が、スナバコンデンサC4の充電電圧を入力電圧Vin以上に上昇させる方向に働く。このことは、スイッチ素子Q3が制御信号GS3により時点t6でターンオンするための補助を行うことになる。
〔期間T4について〕
次に、スイッチ素子Q3を制御信号GS3により時点t6においてターンオンする。後続レッグB2の移行期間T4におけるDC−DCコンバータの動作を説明する。時点t4におけるスイッチ素子Q4のターンオフと同時に、スナバコンデンサC3に入力電圧Vinの電圧が充電されていた電圧が放電される。そこで、スイッチ素子Q3の電位差(電圧)がゼロになった時点t5の段階で、ダイオードD3がオンする。ダイオードD3には、変圧器Tの励磁インダクタンスLm及び可飽和リアクタンスLbtに既に確立された電流IT1、ILbtにより、図6に示されるように、矢印I71、I72、I81及びI82で示される方向に電流が流れ続け、上述のように、スイッチ素子Q3に並列に接続されているスナバコンデンサC3の電圧は、この電流により充電されて、直流電源1からの入力電圧Vinより高くなろうとするが、オンしたダイオードD3のオンによって、電流I72のように、直流電源1に還流される。この電流は、スイッチ素子Q3がターンオンし、可飽和リアクタンスLbtに既に確立された電流ILbtがなくなるまで流れ続ける。
その期間T4の間に、スイッチ素子Q3をターンオンさせるときには、スイッチ素子Q3に掛かる電圧VQ3は、既にダイオードD3を通して電流が流れているため、ゼロ電圧となっている。また、この期間T4においてスイッチ素子Q3をオン状態にしておくと、ダイオードD3に流れる電流ID3がゼロ電流になってはじめて、スイッチ素子Q3がオンとして機能する様になる。
〔期間T5について〕
以上の期間T4におけることは、スイッチ素子Q3のターンオンをZVS及びZCSにより行えることを可能としている。ダイオードD3に流れる電流ID3がゼロ点を通過して、スイッチ素子Q3がオン状態となり、後続レッグB2の移行状態から、後続レッグB2からのエネルギー転送状態となる。この状態は、DC−DCコンバータの動作では、図7に示されるように、矢印I9、I101及びI102で示される方向に電流が流れ、この電流に関連する各部の動作波形は、図2における時点t7から時点t8までにおける後続レッグB2のエネルギー転送期間T5として表される。
ここで、変圧器Tの一次側巻線T1の励磁インダクタンスLm、可飽和リアクタンスLbt及びダイオードD5乃至D8の動作について説明する。エネルギー転送段階では、変圧器Tを通して、負荷4及び可飽和リアクトルLbtに電力が供給されることになるので、期間T1の動作と同様であり、その説明を省略するが、後続レッグB2に移送段階について説明する。
スイッチ素子Q1の時点t1でのターンオフに伴い、変圧器Tのエネルギー供給は断たれるが、変圧器Tの励磁インダウタンスLmにより、前述したように、先導レッグB1及び後続レッグB2のソフトスイッチング及び変圧器Tの二次側巻線T2にエネルギー(電流)が供給される。一次巻線T1における励磁エネルギーが減衰してゆくと同時に、変圧器Tの二次側巻線T2のノードN3とノードN4に接続されている可飽和リアクトルLbtにより、変圧器Tを通して、一次側巻線T1にエネルギーが供給され始める。
このときダイオードD5乃至D8に流れる電流は、次のような動作となる。エネルギー転送段階では、変圧器Tを通して、ダイオードD7、ローパスフィルタ回路Fを経て、負荷4へ流れ、負荷4よりダイオードD6を経由し戻ってくる。ダイオード電流の流れる組合せとして、ダイオードD6とD7、D5とD8となる。
後続レッグB2に移送段階時間について説明する。スイッチ素子Q1の時点t1におけるターンオフに伴い、変圧器Tのエネルギー供給は断たれるが、変圧器Tの励磁インダウタンスLmにより、前述したように、先導レッグB1及び後続レッグB2のソフトスイッチング及び変圧器Tの二次側巻線T2にエネルギー(電流)が供給される。励磁エネルギーが減衰して行くと同時に、ダイオードD6とD7に流れる電流も減衰し、変圧器Tの二次側巻線T2のノードN3とノードN4に接続されている可飽和リアクトルLbtより、変圧器Tを通して、一次側巻線T1にエネルギーが供給され始めるのと同時に、ダイオードD5とD8に徐々に転流してゆく。その結果、ダイオードD6とD7の組合せからD5とD8になる組合せの切り換えは、各々のダイオードにとっては、ゼロ電圧スイッチング(ZVS)及び電流の同一方向での遷移となり、逆阻止電流が発生しない。そのため、変圧器Tの一次側巻線T1に接続されるスイッチ素子Q1乃至Q4には、影響を及ぼさない。
以上のように、1サイクルのうちの半サイクルにおけるDC−DCコンバータの動作について、図2と、図3乃至図7とを参照しながら、5つの期間T1乃至T5に時間的に区分して説明してきた。次に、以上で説明した動作を踏まえて、本実施形態における特徴点について説明する。
変圧器Tの二次側巻線T2に接続されたダイオードブリッジ整流回路3におけるレッグB3とB4のノードN3とノードN4との間に挿入された可飽和リアクトルLbtは、上述のように動作させる働きを行っていると同時に、負荷4の状態に応じて、エネルギーを供給するバッファ的要素を持っていることに注目できる。
従来技術による位相シフト制御のDC−DCコンバータでは、前述したように、軽負荷となった場合に、ソフトスイッチング領域をはずれてしまう。その理由として、軽負荷の場合には、負荷4に流れる電流は小さくなり、変圧器Tの励磁インダクタンスLmに必要とされる励磁エネルギーも少なくて済む。その結果、変圧器Tに蓄積される励磁エネルギーも小さくなり、ソフトスイッチングを行うために充分な電流が確保できずに、ソフトスイッチング領域を外れるためである。前述のように、可飽和リアクトルLbtを挿入することにより、エネルギー転流段階で、変圧器Tの一次側巻線側T1では、可飽和リアクトルLbtが負荷として働き、ある程度必要な励磁電流、或いは、励磁エネルギーを確保し、この可飽和リアクトルLbtがそれ自体で、電流エネルギー源として働くことになる。
可飽和リアクトルLbtは、負荷の軽重に関係なく、一定量の励磁エネルギーを蓄積することができる。そのため、軽負荷の場合では、負荷に流れる電流も少なくて済み、変圧器Tを通して一次側、即ち、直流電源に返還する電流が多くなる。また、重負荷の場合には、変圧器Tに流れる電流が大きくなり、励磁エネルギーも充分となるのと、負荷4に流す電流も多く必要となるので、可飽和リアクトルLbtの電流は負荷側に流れることになる。以上のことにより、可飽和リアクトルLbtの損失を、最小限に抑えることができることが分かる。
以上で、図1に示すDC−DCコンバータの第1サイクルの半サイクルにおけるステップごとの回路の動作について説明してきた。この説明においては、エネルギー転送段階にあるDC−DCコンバータにおける各スイッチ素子のスイッチングの位相をシフトする順序、即ち、スイッチ素子Q1のオフ、スイッチ素子Q2のオン、スイッチ素子Q4のオフ、スイッチ素子Q3のオンの順序で、本実施形態の直流電力変換装置の回路動作及びスイッチ素子の制御方式について説明した。
これまでの説明に従えば、スイッチ素子Q2及びQ3のオン状態は、1サイクルの第2の半サイクル状態にあって、エネルギー転送段階にある。この状態から、先導レッグB1に移行する期間の動作は、スイッチ素子のスイッチングの位相をシフトする順序、即ち、スイッチ素子Q2のオフ、スイッチ素子Q1のオン、スイッチ素子Q3のオフ、スイッチ素子Q4のオンの順序で置き換えることで、第1の半サイクルの場合と同様に説明できるので、ここでは、省略する。
本発明による直流電力変換装置の回路構成を説明する図である。 本発明による直流電力変換装置における各部の動作波形を説明する図である。 直流電力変換における第1の半サイクルに係るエネルギー転送段階の動作状態を説明する図である。 直流電力変換における第1の半サイクル中のスイッチ素子Q1オフからスイッチ素子Q2オンに至る期間の動作状態を説明する図である。 直流電力変換における第1の半サイクル中のスイッチ素子Q2オンからスイッチ素子Q4オフに至る期間の動作状態を説明する図である。 直流電力変換における第1の半サイクル中のスイッチ素子Q4オフからスイッチ素子Q3オンに至る期間の動作状態を説明する図である。 直流電力変換における第2の半サイクルに係るエネルギー転送段階の動作状態を説明する図である。 従来技術による直流電力変換装置の回路構成を説明する図である。
符号の説明
1…直流電源
2…スイッチング回路
3…整流回路
4…負荷
5…制御回路
B1〜B4…ブリッジレッグ
C1〜C5…スナバコンデンサ
D1〜D8…ダイオード
F…ローパスフィルタ回路
Lbt…可飽和リアクトル
Lm…励磁インダクタンス
N1〜N6…ノード
Q1〜Q4…スイッチ素子
T…変圧器
T1…一次側巻線
T2…二次側巻線

Claims (9)

  1. スイッチ素子に還流ダイオード及びスナバコンデンサが並列接続されたスイッチ手段を含み、入力される直流電力の電圧をスイッチングするスイッチング回路と、
    前記スイッチングで生成された交流電力が一次側に供給される変圧器と、
    前記変圧器の二次側出力の交流電力を直流電力に変換するブリッジ整流回路と、
    前記ブリッジ整流回路の出力を平滑するローパスフィルタ回路と、
    前記スイッチ素子のスイッチングを制御する制御回路と、を有する直流電力変換装置において、
    前記ブリッジ整流回路は、複数の整流素子が直列接続された第1レッグと、複数の整流素子が直列接続された第2レッグを有し、
    前記変圧器の二次側出力が供給される前記第1レッグの中間接続点と前記第2レッグの中間接続点との間に、可飽和リアクトルが接続されることを特徴とする直流電力変換装置。
  2. 前記可飽和リアクトルは、前記第1レッグの第1整流素子及び前記第2レッグの第4整流素子又は前記第1レッグの第2整流素子及び前記第2レッグの第3整流素子が逆回復状態を発生させないように電流を転流させることを特徴とする請求項1に記載の直流電力変換装置。
  3. 前記可飽和リアクトルと並列にスナバコンデンサが接続され、
    前記スナバコンデンサは、前記還流ダイオードに順方向電流が流れ始めるとき、逆回復電流を緩和することを特徴とする請求項1又は2記載の直流電力変換装置。
  4. 前記制御回路は、前記スイッチ素子をパルス幅変調制御してスイッチング駆動することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の直流電力変換装置。
  5. 前記スイッチング回路は、第1スイッチ手段と第2スイッチ手段とが直列接続された第3レッグと、第3スイッチ手段と第4スイッチ手段とが直列接続された第4のレッグとが並列接続されるブリッジ回路であり、
    前記第1スイッチ手段と前記第2スイッチ手段の接続点及び第3スイッチ手段と第4スイッチ手段の接続点が、前記変圧器の一次側巻線に接続されることを特徴とする請求項4に記載の直流電力変換装置。
  6. 前記制御回路は、前記第1スイッチ手段乃至第4スイッチ手段における各スイッチ素子のスイッチングを位相シフト制御することにより、所定の直流電力を出力することを特徴とする請求項5に記載の直流電力変換装置。
  7. 前記制御回路は、前記直流電力の供給段階の始めに、前記第1スイッチ手段の第1スイッチ素子をターンオンした一定時間後に、前記第4スイッチ手段の第4スイッチ素子をターンオンし、又は、前記第第2スイッチ手段の第2スイッチ素子をターンオンした一定時間後に、前記第3スイッチ手段の第3スイッチ素子をターンオンすることにより、前記供給段階において、前記第1又は第2スイッチ素子のオン状態と前記第4又は第3スイッチ素子のオン状態の重なり時間、又は、前記第2スイッチ素子のオン状態と前記第3スイッチ素子のオン状態の重なり時間を制御することを特徴とする請求項6に記載の直流電力変換装置。
  8. 前記制御回路は、前記ローパスフィルタ回路の出力電圧値に基づいて前記重なり時間を制御し、前記第1スイッチ素子に並列接続された第1還流ダイオード又は前記第2スイッチ素子に並列接続された第2還流ダイオードに電流が流れている間に、該第1スイッチ素子又は該第2スイッチ素子をターンオンに制御し、前記第1スイッチ素子又は第2スイッチ素子をオフ状態に切り換えた後に、ソフトスイッチングとなる所定時間を維持する位相シフト制御を行うことを特徴とする請求項7に記載の直流電力変換装置。
  9. 前記制御回路は、前記第1スイッチ素子乃至第4スイッチ素子に供給する位相シフト制御信号を生成でき、ソフトスイッチング動作を制御するプログラムを実行できるマイクロプロセッサを含んでいることを特徴とする請求項5乃至8のいずれか一項に記載の直流電力変換装置。
JP2003407841A 2003-12-05 2003-12-05 直流電力変換装置 Pending JP2005168266A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003407841A JP2005168266A (ja) 2003-12-05 2003-12-05 直流電力変換装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003407841A JP2005168266A (ja) 2003-12-05 2003-12-05 直流電力変換装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005168266A true JP2005168266A (ja) 2005-06-23

Family

ID=34729763

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003407841A Pending JP2005168266A (ja) 2003-12-05 2003-12-05 直流電力変換装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005168266A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007000830A1 (ja) * 2005-06-29 2007-01-04 Murata Manufacturing Co., Ltd. Dc-dcコンバータ
KR100809256B1 (ko) 2006-10-31 2008-02-29 삼성전기주식회사 하이사이드 풀-브리지 인버터 및 lcd 백라이트용 컨버터
WO2008035988A1 (en) * 2006-09-21 2008-03-27 Eaton Industries Company A switched mode power supply and method of production
WO2012105112A1 (ja) * 2011-02-04 2012-08-09 三菱電機株式会社 Dc/dcコンバータ
JP2012213260A (ja) * 2011-03-31 2012-11-01 Denso Corp スイッチング電源装置
JP2014176226A (ja) * 2013-03-11 2014-09-22 Sumitomo Electric Ind Ltd Dc/dc変換装置及び分散電源システム
KR101625919B1 (ko) * 2014-11-24 2016-05-31 삼성중공업 주식회사 전력변환장치의 시험장치
KR20160061781A (ko) * 2014-11-24 2016-06-01 삼성중공업 주식회사 전력변환장치의 성능시험장치
JP2018130004A (ja) * 2017-02-10 2018-08-16 東芝Itコントロールシステム株式会社 直流電源装置

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007000830A1 (ja) * 2005-06-29 2007-01-04 Murata Manufacturing Co., Ltd. Dc-dcコンバータ
US8395916B2 (en) 2006-09-21 2013-03-12 Eaton Industries Company Switched mode power supply and method of production
WO2008035988A1 (en) * 2006-09-21 2008-03-27 Eaton Industries Company A switched mode power supply and method of production
KR100809256B1 (ko) 2006-10-31 2008-02-29 삼성전기주식회사 하이사이드 풀-브리지 인버터 및 lcd 백라이트용 컨버터
CN103339844A (zh) * 2011-02-04 2013-10-02 三菱电机株式会社 Dc/dc转换器
WO2012105112A1 (ja) * 2011-02-04 2012-08-09 三菱電機株式会社 Dc/dcコンバータ
JPWO2012105112A1 (ja) * 2011-02-04 2014-07-03 三菱電機株式会社 Dc/dcコンバータ
JP2012213260A (ja) * 2011-03-31 2012-11-01 Denso Corp スイッチング電源装置
JP2014176226A (ja) * 2013-03-11 2014-09-22 Sumitomo Electric Ind Ltd Dc/dc変換装置及び分散電源システム
KR101625919B1 (ko) * 2014-11-24 2016-05-31 삼성중공업 주식회사 전력변환장치의 시험장치
KR20160061781A (ko) * 2014-11-24 2016-06-01 삼성중공업 주식회사 전력변환장치의 성능시험장치
KR101645398B1 (ko) * 2014-11-24 2016-08-03 삼성중공업 주식회사 전력변환장치의 성능시험장치
JP2018130004A (ja) * 2017-02-10 2018-08-16 東芝Itコントロールシステム株式会社 直流電源装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7254047B2 (en) Power converters having output capacitor resonant with autotransformer leakage inductance
Koo et al. New zero-voltage-switching phase-shift full-bridge converter with low conduction losses
JP3201324B2 (ja) スイッチング電源装置
JP5065188B2 (ja) 直列共振型コンバータ
JP4910525B2 (ja) 共振型スイッチング電源装置
US8842450B2 (en) Power converter using multiple phase-shifting quasi-resonant converters
KR100772658B1 (ko) 능동 클램프 전류원 푸쉬풀 직류-직류 컨버터
JP5447507B2 (ja) スイッチング電源装置
EP3577752A1 (en) Dc-dc converter and control method
EP0610158A1 (en) Fixed frequency converter switching at zero voltage
US8184458B2 (en) Power converter load line control
JP5591666B2 (ja) Dc−dcコンバータ
Ghodke et al. Three-phase three level, soft switched, phase shifted PWM DC–DC converter for high power applications
JP6526546B2 (ja) 共振形電源装置
US20180323713A1 (en) Soft-switching for high-frequency power conversion
Chen et al. Analysis and design considerations of an improved ZVS full-bridge DC-DC converter
US8742295B2 (en) Inverter output rectifier circuit
JP6033649B2 (ja) Dc−dcコンバータ
Chen et al. A novel ZVS full-bridge converter with auxiliary circuit
JP6107848B2 (ja) 双方向dc/dcコンバータ
Scherbaum et al. An Isolated, bridgeless, quasi-resonant ZVS-switching, buck-boost single-stage AC-DC converter with power factor correction (PFC)
JP2005168266A (ja) 直流電力変換装置
JP4166219B2 (ja) 複共振dc−dcコンバータ
Han et al. A new full-bridge converter with phase-shifted coupled inductor rectifier
Gu et al. Research on control type soft switching converters