JP2005167716A - 撮像装置 - Google Patents

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和豊 高田
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勝司 青木
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Katsuhiro Kanamori
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Abstract

【課題】 撮像者の意図的な盗撮行為を被写体に負担を強いることなく防止することができる撮像装置を提供する。
【解決手段】 撮像装置1は、静止画または動画像を撮像する撮像部9、撮像者の心拍数、皮膚電位、体表温等の生体情報を検出する生体情報検出部10、生体情報検出部10より得られた生体情報に基づいて盗撮判断を行い、撮像許可判断信号(撮像許可または撮像禁止の何れかを示す)を出力する撮像許可判断部11、撮像許可判断部11から出力された撮像許可判断信号に基づいて撮像制御を行う撮像制御部12、および撮像された画像を記憶する記憶媒体13を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、被写体の撮像を行う撮像装置に関するものである。
従来、撮像装置は単機能であったため、日常生活で常に携帯することは少なかった。また、撮像装置自体は大型で、撮像を行う際は被写体に知られること無く撮像を行うことは難しかった。近年、例えばカメラ付き携帯電話に見られるように電子機器の多機能化により撮像装置を常に携帯するライフスタイルが定着してきている。このようなカメラ付き携帯電話では、小型化と相まって、誰もが簡単にあらゆる場所で被写体に気づかれることなく撮像が可能となり、それにより盗撮行為が大きな社会問題になっている。
このような問題を解決するために、従来から様々な方策がなされている。例えば、カメラ付き携帯電話の撮像時にタリーランプを発光させ、被写体及び撮像者の周囲にいる人々などの第三者に撮像していることを認識させることができるようにしたものがある(例えば、特許文献1参照。)。これにより、撮像者の盗撮行為を心理的に防止するようにしている。また、現在のカメラ付き携帯電話では、盗撮を防止するために撮像時に撮像を告知する音を流すような方法が用いられている。
特開2002−374444号公報
しかしながら、特許文献1に開示された方策や、現在広く普及しているシャッター音などで撮像を告知する方策では、被写体がタリーランプの光やシャッター音に気付かない場合、若しくは撮像者がタリーランプの隠蔽を行う等、撮像者が意図的に被写体に気付かれない様に撮像を行った場合、盗撮を防止することができないという問題を有している。さらに、これらの方策はあくまで心理的な防止策であり、被写体が盗撮に気付いた場合であっても、撮像者は撮像が可能であり、盗撮画像が記憶媒体に保存されてしまうという問題を有している。
そこで、本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、撮像者の意図的な盗撮行為を被写体に負担を強いることなく防止することができる撮像装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る撮像装置は、被写体の撮像を行う撮像装置であって、撮像者の生体情報を検出する生体情報検出手段と、前記生体情報に基づいて盗撮であるか否かを判断し、撮像許可判断を行う撮像許可判断手段と、前記撮像許可判断の結果に基づいて撮像制御を行う撮像制御手段とを備えることを特徴とする。
撮像者が盗撮を行う際の心理状態は緊張度が高い状態となる。緊張度が高まった場合には自律神経系において、交感神経系の活動が副交感神経系に対して優位になり、生体情報に様々な変化が現れる。よって、この生体情報を検出し、その変化を見ることで、盗撮行為を検出することが可能となる。また、この反応は盗撮を行う撮像者自身がコントロールできるものではない。
上記構成によれば、撮像者が盗撮を行った場合、生体情報検出手段により検出される生体情報が変化することにより、盗撮を検知し、撮像を禁止することで、盗撮を防止することができる。また、上記構成において、盗撮を防止する構成は全て撮像者側の撮像装置に具備されており、被写体や第3者に負担を強いることはない。また、上記構成においては、撮像者が意図的に制御することができない生体情報を用いて盗撮判断を行っているため、撮像者が意図的に本発明の盗撮防止機能及び効果を妨げることはできない。
ここで、前記撮像装置は、さらに、当該撮像装置周辺の環境情報を検出する環境情報検出手段を備え、前記撮像許可判断手段は、前記生体情報および前記環境情報に基づいて盗撮であるか否かを判断してもよい。
また、前記撮像許可判断手段は、盗撮であるか否かを判断するための前記生体情報に関する閾値を前記環境情報に基づいて変更してもよい。
これによって、例えば天気や気温等の環境情報に起因する生体情報の変化、及び位置情報を用いた撮像者の状態に起因する生体情報の変化(例えば、走行後や階段昇降後による一時的な生体情報の変化)を考慮に入れた盗撮判断が可能になる。
また、前記撮像装置は、さらに、前記環境情報に基づいて撮像許可判断手段における撮像許可判断を行うか否かを切り替えるモード切替手段を備え、前記撮像制御手段は、前記モード切替手段の指示に基づいて撮像制御を行ってもよい。
これによって、例えば環境情報として検出された撮像装置の位置が、盗撮が行われないような場所である場合に、撮像許可判断を行った上で撮像するモードから撮像許可判断を行わずにすべて通常に撮像するモードに切り替える等、そのときの状況に応じてモードを切り替えることができる。
また、前記撮像装置は、さらに、前記生体情報を記憶する履歴記憶手段を備え、前記撮像許可判断手段は、前記履歴記憶手段に記憶されている前記生体情報の履歴に基づいて、盗撮であるか否かを判断するための前記生体情報に関する閾値を変更してもよい。
また、前記撮像装置は、さらに、前記生体情報を前記環境情報に対応付けて記憶する履歴記憶手段を備え、前記撮像許可判断手段は、前記履歴記憶手段に記憶されている前記生体情報の履歴に基づいて、盗撮であるか否かを判断するための前記生体情報に関する閾値を変更してもよい。
これによって、生体情報における個人による個体差や、日変化、経年変化に対応した盗撮判断が可能になる。
また、前記撮像装置は、さらに、撮像者の個人情報を取得する個人情報取得手段を備え、前記撮像許可判断手段は、前記生体情報および前記個人情報に基づいて盗撮であるか否かを判断してもよい。
また、前記撮像許可判断手段は、盗撮であるか否かを判断するための前記生体情報に関する閾値を前記個人情報に基づいて変更してもよい。
また、前記撮像装置は、さらに、撮像者の個人情報を取得する個人情報取得手段を備え、前記撮像許可判断手段は、前記生体情報、前記環境情報および前記個人情報に基づいて盗撮であるか否かを判断してもよい。
また、前記撮像許可判断手段は、盗撮であるか否かを判断するための前記生体情報に関する閾値を前記環境情報および前記個人情報に基づいて変更してもよい。
これによって、年齢や個体で異なる盗撮行為と生体情報との関係を考慮に入れた盗撮判断が可能となる。
また、本発明に係る撮像システムは、被写体の撮像を行う撮像装置と、前記撮像装置と通信を行う被写体側の端末装置とを備える撮像システムであって、前記撮像装置は、撮像者の生体情報を検出する生体情報検出手段と、前記生体情報に基づいて盗撮であるか否かを判断し、撮像許可判断を行う撮像許可判断手段と、前記撮像許可判断手段により盗撮と判断された場合に、前記端末装置に対して撮像許可を求める問合せ信号を送信するとともに、前記問合せ信号に応答する前記端末装置から送信された応答信号を受信する問合せ信号送受信手段と、前記撮像許可判断の結果、および前記応答信号に基づいて撮像制御を行う撮像制御手段とを備え、前記端末装置は、前記撮像装置から送信された前記問合せ信号に対して撮像を許可するか否かを示す応答信号を送信する受信応答手段を備えることを特徴とする。
これによって、撮像者が盗撮を行った場合、生体情報検出手段により検出される生体情報が変化することにより、盗撮を検知し、撮像を禁止することで、盗撮を防止することができる。さらに、撮像装置は、例えば生体情報に基づいて誤って盗撮と判断した場合であっても、被写体側へ撮像許可を求めるので、被写体が許可を与えた場合には撮像が可能になる。
なお、本発明は、このような撮像装置および撮像システムとして実現することができるだけでなく、このような撮像装置および撮像システムが備える特徴的な手段をステップとする撮像方法として実現したり、それらのステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現したりすることもできる。そして、そのようなプログラムは、CD−ROM等の記録媒体やインターネット等の伝送媒体を介して配信することができるのは言うまでもない。
以上の説明から明らかなように、本発明に係る撮像装置によれば、撮像者が意図的に制御することができない生体情報を検出し、盗撮判断を行っているため、撮像者が意図的に本発明の盗撮防止機能及び効果を妨げることはできない。また、盗撮を防止する構成は全て撮像者側の撮像装置に具備されており、被写体や第3者に負担を強いることなく盗撮を防止するという有利な効果が得られる。
よって、例えばカメラ付き携帯電話等の小型化された撮像装置が普及している今日における実用的価値は極めて高い。
以下、本発明の各実施の形態について、それぞれ図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る撮像装置の構成を示すブロック図である。
撮像装置1は、静止画または動画像を撮像するための装置であり、図1に示すように静止画または動画像を撮像する撮像部9、撮像者の生体情報を検出する生体情報検出部10、生体情報検出部10より得られた生体情報を用いて盗撮を検知し撮像許可判断を行う撮像許可判断部11、撮像許可判断部11より得られた撮像許可判断により撮像制御を行う撮像制御部12、および撮像された画像を記憶する記憶媒体13を備えている。
この撮像装置1としては、例えば図2(a)に示すようなカメラ付き携帯電話1aや、図2(b)に示すようなデジタルスチルカメラ1b、さらにはデジタルビデオカメラやPDA、ノートパソコン、ウェアラブル端末など、撮像部9となるカメラが搭載された装置であれば構わない。
撮像部9は、静止画または動画像の撮像を行い撮像制御部12へ画像を送る。
生体情報検出部10は、図3に示すように各種センサを用いて撮像者の例えば心拍数、皮膚電位、体表温等の生体情報を検出し、検出した各生体情報を撮像許可判断部11へ送る。この生体情報検出部10は、例えば図2(a)、(b)に示す撮像ボタン101a、101bや撮像装置1本体の筐体サイドに組み込まれる等、撮像装置1本体において操作者が撮像時に手で把持する部分に対して装着されており、撮像者が撮像ボタン101a、101bを押下するときや撮像装置1本体の筐体サイドを把持するときに、心拍数、皮膚電位、体表温等を検出する。
生体情報検出部10において、例えば心拍数を計測して生体情報とすると以下のようになる。心拍数(脈拍)は、精神的、心理的状態が安定すると遅くなり、興奮する、つまり緊張度が高まると早くなる傾向がある。すなわち、盗撮行為による精神的、心理的状態の変化が、心拍数の変化に反映されることになる。心拍数の測定方法としては、例えばLEDと受光素子により圧脈波による皮膚表面の変化に基づく皮膚表面の反射率の変化を利用した方法、あるいは圧力センサを利用し、直接圧脈波の変化を測定する方法等の簡易的な検出方法を用いることができる。
次に、生体情報検出部10において、例えば手掌における皮膚電位を計測して生体情報とすると以下のようになる。安静覚醒時の手掌側の皮膚電位は−42.7±6.72mVであると「新美良純、皮膚電位水準と皮膚電気反射、脳波と筋電図、Vol.8、pp.147、1980」に報告されている。また、この値は精神的緊張度が高まる等の覚醒水準が高い場合、規準部位に対して−60〜−50mVと陰性に高い値を示すと「新美良純、鈴木次郎編、皮膚電気活動、星和書店、1986」にて報告されている。すなわち、盗撮行為による精神的緊張や情緒的興奮が、皮膚電位の変化に反映されることになる。皮膚電位の電気的な測定方法としては、例えば「日本生理人類学会計測研究部、人間科学計測ハンドブック、pp.294―300、技報堂出版,1996」に示されている、1)電位法、2)直流による通電法(単純回路、wheastone bridge回路、補償法回路、蓄電気式回路)、3)交流による通電法(wheastone bridge回路)等を用いることができる。
次に、生体情報検出部10において、例えば体表温を計測して生体情報とすると以下のようになる。体表温は心理的に安定な状態ほど末梢血管が拡張し、動脈血が流入するため体表面の温度は上昇するが、緊張度が高まると、末梢血管が収縮するため体表面への動脈血の流入が少なくなり体温が低下する傾向がある。すなわち、盗撮行為による精神的、心理的状態の変化が、体表温の変化に反映されることになる。この体表温の検出は、「日本生理人類学会計測研究部、人間科学計測ハンドブック、p.195―197、技報堂出版、1996」に示されているサーミスタ等の温度センサにより容易に検出することができる。
撮像許可判断部11は、生体情報検出部10において検出された生体情報に基づいて盗撮であるか否かの判断を行い、撮像許可判断信号(撮像許可または撮像禁止の何れかを示す)を撮像制御部12へ送る。このとき、撮像許可判断部11は、生体情報検出部10で検出された全ての生体情報をそれぞれ独立に、または、全ての生体情報を統合して判断を行う。
撮像許可判断部11において、例えば生体情報検出部10で検出された全ての生体情報に対して独立に判断を行う場合、以下のようになる。
撮像許可判断部11は、あらかじめ設定されている一般的な基準生体情報値、またはあらかじめ検出されている撮像者の生体情報値を基準生体情報値として用いて、検出された全ての各生体情報値がそれぞれの基準生体情報値に対して各々所定の閾値以上変化した場合(例えば体表温の場合0.1度以上下降した場合等)に盗撮と判断し、撮像禁止を示す撮像許可判断信号を撮像制御部12へ送る。なお、このとき撮像許可判断部11は、検出した生体情報値と各基準生体情報値との差において、何れか一つの生体情報が閾値を超えた場合に盗撮と判断し、撮像禁止を示す撮像許可判断信号を撮像制御部12へ送ってもよい。また、撮像許可判断部11は検出した生体情報値と基準生体情報値との差において、閾値を超えた数が全体の生体情報数の過半数以上であった場合に盗撮と判断し、撮像禁止を示す撮像許可判断信号を撮像制御部12へ送ってもよい。
次に撮像許可判断部11において、例えば生体情報検出部10で検出された全ての生体情報を統合して判断を行う場合、以下のようになる。
撮像許可判断部11は、次の式(1)に示すn種類の各生体情報値と基準生体情報値との差の値dにその生体情報に対応する重みαを乗じて足し合わせた生体情報統合値sが所定の閾値を超えた場合に盗撮を判断し、撮像禁止を示す撮像許可判断信号を撮像制御部12へ送る。
Figure 2005167716
式(1)において、nは生体情報の種類数、αは各種生体情報に対応する重み、dは検出された各生体情報値と基準生体情報値との差の値である。
この方法を用いた場合は、検出する各生体情報と盗撮行為の関連の大きさを考慮に入れた盗撮判断を行うことが可能になる。さらに、生体情報の全ての組み合わせにおける閾値を用意することにより、仮に検出されるべき生体情報の中の幾つかが欠落した場合であっても盗撮判断を行うことができる。
撮像制御部12は、撮像許可判断部11より送られた撮像許可判断信号に基づいて撮像の制御を行う。撮像制御部12は、撮像許可判断部11より撮像許可を示す撮像許可判断信号を受け取った場合には、通常に撮像部9で撮像を行い、記憶媒体13へ画像を送る。一方、撮像許可判断部11より撮像禁止を示す撮像許可判断信号を受け取った場合には、撮像制御部12は、撮像部9での撮像を中止し、例えば「ここでは撮像できません」と音声で告知、または図4に示すような撮像できない事を示す画像を提示する。なお、このとき撮像制御部12は、撮像部9での撮像を行うが撮像した画像を記憶媒体13へ保存しないように制御しても構わない。また、撮影制御12は撮像許可判断部11より撮像禁止を示す撮像許可判断信号を受け取った場合には、例えば「これから撮像を開始します」と被写体に対して撮像を音声で通知した後に撮像を行う等、被写体に対して撮像を通知した後に撮像を行うように制御しても構わない。また、撮像制御部12は、撮像部9での撮像を行うが、撮像した画像ではない例えば真っ暗な画像というような無意味な画像を記憶媒体13へ保存するように制御しても構わない。また、例えば撮像部9にレンズカバー等が設けられていれば、撮像制御部12はレンズカバーを閉じるように制御しても構わない。
記憶媒体13は、例えばメモリやハードディスク、フィルム等媒体であり、撮像制御部12により出力された画像を記憶する。なお、本実施の形態では、記憶媒体13への記憶動作の中に、通信部を介して撮像画像を転送する動作も含めるものとする。前述の通り、撮像許可判断部11において撮像禁止と判断された場合には、撮像制御部12は撮像した画像を記憶媒体13へ保存しない、または、無意味な画像を記憶媒体13へ保存するため、盗撮画像が記憶媒体に保存されることはない。同様に、通信部を介して盗撮画像が転送されることもない。
次に、上記のように構成された撮像装置1の動作について説明する。ここでは、生体情報として心拍数、皮膚電位、体表温を検出し、検出した全ての生体情報値がそれぞれの基準生体情報値に対して各々所定の閾値以上変化した場合に盗撮と判断する場合について説明する。
図5は撮像装置1により画像を撮像する際の動作の流れを示すフローチャートである。
撮像者により撮像ボタン101a、101bが押下されると、生体情報検出部10は、撮像者の例えば心拍数、皮膚電位、体表温等の生体情報を検出し、検出した各生体情報を撮像許可判断部11へ送る(ステップS101)。撮像許可判断部11は、検出された全ての生体情報値がそれぞれの基準生体情報値に対して各々所定の閾値以上変化しているか否かを判断する(ステップS102)。この結果、検出した生体情報値の中でいずれか1つでも基準生体情報値に対して所定の閾値以上変化していない場合(ステップS102でNO)には、撮像許可判断部11は盗撮ではないと判断し、撮像許可を示す撮像許可判断信号を撮像制御部12へ送る(ステップS103)。撮像制御部12は、撮像許可判断部11より撮像許可を示す撮像許可判断信号を受け取った場合には、通常に撮像部9で撮像を行い、記憶媒体13へ画像を送る(ステップS104)。
一方、全ての生体情報値がそれぞれの基準生体情報値に対して各々所定の閾値以上変化している場合(ステップS102でYes)には、撮像許可判断部11は盗撮と判断し、撮像禁止を示す撮像許可判断信号を撮像制御部12へ送る(ステップS105)。撮像制御部12は、撮像許可判断部11より撮像禁止を示す撮像許可判断信号を受け取った場合には、撮像部9での撮像を中止し、例えば「ここでは撮像できません」と音声で告知、または図4に示すような撮像できない事を示す画像を表示部103a、103bに提示する(ステップS106)。
以上の説明の通り、本実施の形態1では、撮像時に撮像者の生体情報を検出し、この生体情報に基づいて盗撮であるか否かの判断を行っているので、被写体及び第3者に負担を強いることなく、盗撮を防止することが可能となる。
なお、生体情報検出部10において、例えば撮像許可判断部11で盗撮判断を行うために必要な生体情報が1つでも検出できなかった場合には、撮像許可判断部11では撮像禁止を示す撮像許可判断信号を撮像制御部12へ送ってもよい。これにより、撮像者が手袋等で意図的に生体情報を検出させないようにしても、盗撮を防止することが可能となる。
また、生体情報検出部10において、撮像装置1に具備されていないセンサを用いる事により撮像者の生体情報を検出してもよい。生体情報検出部10において例えば脳波を計測し、生体情報とすると以下のようになる。脳波は自律神経系において交感神経系優位の状態ではβ波が優位となり、副交感神経系優位の状態においてはα波が優位となる。すなわち、盗撮行為による精神的、心理的状態の変化が、脳波の変化に反映されることになる。脳波の検出部としては、例えばヘッドマウント型のウェアラブル端末に「福田忠彦、生体情報論、pp.13−21、朝倉書店、1997」に示されるような脳波計を具備させることにより検出可能である。また、生体情報検出部10において例えば瞳孔を計測し、生体情報とすると以下のようになる。瞳孔は自律神経系において、交感神経系優位の状態では拡張し、副交感神経系優位の状態では収縮する。すなわち、盗撮行為による精神的、心理的状態の変化が、瞳孔の変化に反映されることになる。瞳孔の検出部としては、例えば「日本生理人類学会計測研究部、人間科学計測ハンドブック、pp.400―402、技報堂出版、1996」に示されている赤外線電子瞳孔計をヘッドマウント型のウェアラブル端末に具備させることにより検出可能である。
また、本実施の形態では、撮像許可判断部において、検出された生体情報値がそれぞれの基準生体情報値に対して各々所定の閾値以上変化しているか否かを判断しているが、これに限られるものではない。例えば、撮像許可判断部において、検出された生体情報値がそれぞれの所定の閾値以上、または所定の閾値以下であるか否か(例えば体表温の場合36.7度以上である場合に盗撮と判断等)を判断しても構わない。
(実施の形態2)
盗撮判断に用いている生体情報は、気温や湿度等の環境情報によって影響を受ける。このため、本実施の形態では、環境情報が変化するなかで盗撮判断を正しく行うために、これらの環境情報を検出し、検出した環境情報によって盗撮判断の補正を行う場合について説明する。
図6は、本発明の実施の形態2に係る撮像装置の構成を示すブロック図である。なお、実施の形態1と同様の部分については同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
この撮像装置2は、実施の形態1の構成に加えて、撮像装置2周辺の環境情報を検出する環境情報検出部22を備えている。
環境情報検出部22は、図7に示すように各種センサを用いて、またはインターネット等のネットワークを介して撮像装置2周辺の例えば気圧、気温、湿度等の環境情報を検出し、検出した各環境情報を撮像許可判断部21へ送る。この環境情報検出部22の各種センサは、例えば撮像装置2本体の内部に組み込まれる等、撮像装置2本体において操作者が撮像時に手で把持されない部分に備えられ、気圧、気温、湿度等を検出する。
撮像許可判断部21は、生体情報検出部10において検出された生体情報、および環境情報検出部22において検出された環境情報に基づいて盗撮であるか否かの判断を行い、撮像許可判断信号(撮像許可または撮像禁止の何れかを示す)を撮像制御部12へ送る。すなわち、撮像許可判断部21は、環境情報検出部22において検出された環境情報に基づいて、盗撮であるか否かの判断を行う際の生体情報に関する基準生体情報値または閾値の補正を行う。そして、撮像許可判断部21は、補正後の基準生体情報値および閾値を用いて実施の形態1と同様に盗撮であるか否かの判断を行う。
環境情報検出部22において、例えば気圧を検出して環境情報とすると以下のようになる。気圧は、脳内のバロレセプター(圧受容器)に刺激を与える。高気圧が脳内を刺激した場合、自律神経系において交感神経が優位となり、心拍数が高くなる。逆に、低気圧が脳内を刺激した場合、副交感神経が優位となり、心拍数は低くなる。すなわち、気圧の変化は盗撮行為を判断するための心拍数等の生体情報の変化に反映されることになる。よって、気圧に対応した盗撮判断を行う場合には、撮像許可判断部21は、検出された気圧に対して基準生体情報値、もしくは閾値を補正する(例えば心拍数の基準生体情報値を1063hPa:95拍/分、1013hPa:90拍/分、963hPa:85拍/分とする等)。気圧の検出方法としては、気圧センサを用いることで容易に検出することができる。また、インターネット等のネットワークを介して気圧を取得してもよい。
次に、環境情報検出部22において、例えば天気を検出して環境情報とすると以下のようになる。天気が晴れの場合は、その地域は高気圧であり、逆に天気が曇りや雨の日は低気圧である。先に述べたように、気圧が変化した場合、自律神経が刺激され、生体情報に影響を与える。すなわち、天気の変化は盗撮行為を判断するための心拍数等の生体情報の変化に反映されることになる。よって、天気に対応した盗撮判断を行う場合には、撮像許可判断部21は、検出された天気により、基準生体情報値、もしくは閾値の値を補正する(例えば心拍数の基準生体情報値を晴れ:95拍/分、曇り:90拍/分、雨:85拍/分とする等)。天気の検出方法としてはインターネット等のネットワークを介して取得可能である。
次に、環境情報検出部22において、例えば気温を検出して環境情報とすると以下のようになる。気温と皮膚表面温度との間には比例関係にある。気温が高い場合、皮膚表面温度も上昇し、自律神経系において副交感神経系が優位になる。一方、気温が低い場合は皮膚表面温度も低くなり、交感神経系が優位になる。すなわち、気温の変化は盗撮行為を判断するための心拍数等の生体情報の変化に反映されることになる。よって、気温に対応した盗撮判断を行う場合には、撮像許可判断部21は、検出された気温により、基準生体情報値、もしくは閾値の値を補正する(例えば気温が摂氏30度以上時の心拍数の基準生体情報値を:95拍/分、摂氏25度〜30度:90拍/分、摂氏20度〜25度:85拍/分とする等)。気温の検出方法としては、体表温と同じくサーミスタや白金測温抵抗体等の温度センサを撮像装置2において撮像時に撮像者により把持されない部分に備えることで可能になる。また、インターネット等のネットワークを介して気温を取得してもよい。
次に、環境情報検出部22において、例えば湿度を検出して環境情報とすると以下のようになる。湿度が高い場合、汗が蒸発しにくいため、大量の汗を分泌するので交感神経の働きが活発になり、心拍数は上がり、皮膚表面温度は下がる。すなわち、湿度の変化は盗撮行為を判断するための心拍数等の生体情報の変化に反映されることになる。よって、湿度に対応した盗撮判断を行う場合には、撮像許可判断部11は、検出された湿度により、基準生体情報値、もしくは閾値の値を補正する(例えば心拍数の基準生体情報値を湿度60%以上:95拍/分、40%〜60%:90拍/分、40%以下:85拍/分とする等)。湿度の検出方法としてはよく知られたものに、乾湿球式・毛髪式・水晶振動式・高分子系センサや金属酸化物センサなどがある。例えば、その中の「高橋 清、センサの辞典、pp.98−99、朝倉書店、1991」に示される、電子回路との相性の良い小型センサである高分子系・金属酸化物湿度センサを撮像装置2において撮像時に撮像者により把持されない部分に備えることにより検出可能である。また、インターネット等のネットワークを介して湿度を取得してもよい。
次に、環境情報検出部22において、例えば撮像装置2の位置を検出して環境情報とすると以下のようになる。撮像者が階段を昇降した場合(特定の場所における位置の変化)や走行した場合(単位時間あたりの位置の変化)は一時的に心拍数が上がる等の生体情報の変化が生じる。すなわち、位置の変化は盗撮行為に反映されるものである。よって、撮像装置2の位置の変化に対応した盗撮判断を行う場合には、撮像許可判断部11は、検出された撮像装置2の位置を用いることにより、基準生体情報値、もしくは閾値の値を補正する(例えば心拍数の規準生体情報値を移動速度8km/時:110拍/分、移動速度4km/時:90拍/分とする等)。位置の検出方法としては、撮像装置2にGPSやRFタグを具備させることで検出可能となる。また、例えば携帯電話機であれば基地局の検知装置を用いて位置の検出を行ってもよい。また、例えば検出した位置が山であればその標高によって、またドーム内であれば所定の気圧というように、環境情報検出部22は位置に基づいて気圧を特定しても構わない。さらに、環境情報検出部22は、検出した位置の気圧、気温、湿度等をインターネット等のネットワークを介して取得しても構わない。
次に、上記のように構成された撮像装置2の動作について説明する。ここでは、実施の形態1と同様に生体情報として心拍数、皮膚電位、体表温を検出し、検出した全ての生体情報値がそれぞれの基準生体情報値に対して各々所定の閾値以上変化した場合に盗撮と判断する場合について説明する。なお、実施の形態1と同様の部分については詳細な説明を省略する。
図8は撮像装置2により画像を撮像する際の動作の流れを示すフローチャートである。
環境情報検出部22は、所定のタイミングにより各種センサまたはインターネット等のネットワークを介して撮像装置2周辺の例えば気圧、気温、湿度等の環境情報を検出し、検出した各環境情報を撮像許可判断部21へ送る(ステップS201)。撮像許可判断部21は、環境情報検出部22において検出された環境情報に基づいて、盗撮であるか否かの判断を行う際の生体情報である心拍数、皮膚電位、体表温に関する基準生体情報値または閾値の補正を行う(ステップS202)。
撮像者により撮像ボタン101a、101bが押下される(ステップS203でYes)と、生体情報検出部10は、撮像者の心拍数、皮膚電位、体表温を検出し、検出した各生体情報を撮像許可判断部21へ送る(ステップS204)。撮像許可判断部21は、補正後の基準生体情報値および閾値を用いて実施の形態1と同様に盗撮であるか否か、すなわち撮像を許可するか否かの判断を行う(ステップS205)。その後、撮像許可判断部21は、実施の形態1と同様に撮像を許可する(ステップS205でYes)、または撮像を許可しない(ステップS205でNO)と判断した場合の処理をそれぞれ行う(ステップS206、S207)。
以上の説明の通り、本実施の形態2では、気温や湿度等の環境情報を考慮に入れた盗撮判断を行っているので、環境に応じた正確な盗撮判断が可能になり、実施の形態1と同様に被写体及び第3者に負担を強いることなく、盗撮を防止することができる。
なお、実施の形態1および本実施の形態2では、撮像時には必ず生体情報を検出し、検出した各生体情報に基づいて盗撮であるか否かを判断して撮像許可判断を行っているが、これに限られるものではない。例えば、環境情報検出部22において撮像装置2の位置を検出して環境情報とする場合、盗撮であるか否かを判断して撮像許可判断を行った上で撮像するモードか、それとも撮像許可判断を行わずにすべて通常に撮像するモードかを撮像装置2の位置に基づいて切り替えても構わない。さらに、撮像装置2の位置が、例えば美術館やコンサート会場等の撮像禁止区域である場合には、撮像を禁止するように制御することも可能となる。
(実施の形態3)
盗撮判断に用いている生体情報は、個人によって個体差が存在し、また、日変化、経年変化が起こり得る。このため、本実施の形態では、日変化、経年変化が起こるなかで盗撮判断を正しく行うために、生体情報の履歴を用いて盗撮判断の補正を行う場合について説明する。
図9は、本発明の実施の形態3に係る撮像装置の構成を示すブロック図である。なお、実施の形態2と同様の部分については同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
この撮像装置3は、実施の形態2の構成に加えて、生体情報および環境情報を記憶する履歴記憶部32を備えている。図10は、履歴記憶部32に記憶されている履歴のデータ例を示す図である。
履歴記憶部32は、生体情報検出部10において検出された生体情報、および環境情報検出部22において検出された環境情報を対応付けて記憶する。ここでは、例えば図10に示すように検出を行った「日時」ごとに、「心拍数」、「皮膚電位」、「体表温」、「気圧」、「気温」、「湿度」、および撮像が許可されたか禁止されたかを示す「判断結果」を記憶している。
撮像許可判断部31は、履歴記憶部32に記憶されている生体情報および環境情報の履歴に基づいて、盗撮であるか否かの判断を行う際の生体情報に関する基準生体情報値または閾値の補正を行う。すなわち、撮像許可判断部31は、例えば最初に各日時の心拍数、皮膚電位、体表温から、その日時の気圧、気温、湿度に基づいてあらかじめ設定した環境情報の標準値(例えば、気圧:1013hPa、気温:摂氏25度、湿度:50%)における心拍数、皮膚電位、体表温を求める。次に、撮像許可判断部31は、この環境情報の標準値における各心拍数、皮膚電位、体表温の平均値をそれぞれ求める。そして、撮像許可判断部31は、求めた各心拍数、皮膚電位、体表温の平均値をそれぞれの基準生体情報値とし、環境情報の標準値における各心拍数、皮膚電位、体表温のばらつきによってそれぞれの閾値を補正する。撮像許可判断部31は、補正後の基準生体情報値および閾値を用いて実施の形態2と同様に盗撮であるか否かの判断を行う。
以上の説明の通り、本実施の形態3では、生体情報および環境情報の履歴を用いて生体情報の個体差、日変化、および経年変化等を考慮に入れた盗撮判断を行っているので、生体情報の個体差、日変化、および経年変化等に応じた正確な盗撮判断が可能になり、実施の形態1と同様に被写体及び第3者に負担を強いることなく、盗撮を防止することができる。
なお、本実施の形態3は、実施の形態2の構成に加えて生体情報および環境情報を記憶する履歴記憶部32を備えているが、これに限られるものではない。例えば、実施の形態1の構成に加えて、生体情報を記憶する履歴記憶部を備えても構わない。この場合であっても、生体情報の個体差、日変化、および経年変化等に対応することができる。
また、生体情報等の履歴により基準生体情報値または閾値を補正するためには、ある程度の時間が必要であるが、それまでの間は一般的な基準生体情報値、もしくは閾値を用いればよい。
また、上記各実施の形態において、例えば撮像許可判断部により盗撮と判断されて撮像禁止が連続するような場合に、所定の閾値以上変化した生体情報、すなわち盗撮と判断される要因となった生体情報が特定の生体情報に集中していれば、この集中している特定の生体情報を判断材料から除外し、その他の生体情報に基づいて撮像許可判断を行っても構わない。また、同様に撮像禁止が連続するような場合に、撮像許可判断部において撮像許可判断に用いる閾値を緩めても構わない。
さらに、例えば撮像された1枚の画像の前後において、撮像許可判断部31による判断で撮像禁止が連続していた場合に、その画像をサーバを介して他の装置に送信する際には、付加情報として当該画像の前後で撮像禁止の判断が連続していた旨を添付しても構わない。この場合、サーバは、画像に添付された付加情報に基づいて、例えば送信先である他の装置へその画像を送信しない等の処理を行うことができる。
(実施の形態4)
盗撮判断に用いている生体情報は、年齢差、個体差等の個人情報によって影響を受ける。このため、本実施の形態では、個人に対応して盗撮判断を正しく行うために、これらの個人情報を取得し、取得した個人情報によって盗撮判断の補正を行う場合について説明する。
図11は、本発明の実施の形態4に係る撮像装置の構成を示すブロック図である。なお、実施の形態1と同様の部分については同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
この撮像装置4は、実施の形態1の構成に加えて、撮像者の個人情報を取得する個人情報取得部42を備えている。
個人情報取得部42は、例えば図2(a)に示すダイヤルボタン102a、図2(b)に示す操作ボタン102b等の入力機構を用いて、またはインターネット等のネットワークを介して撮像者の例えば年齢、個人を特定するための個人ID等の個人情報を取得し、取得した各個人情報を撮像許可判断部41へ送る。
撮像許可判断部41は、生体情報検出部10において検出された生体情報、および個人情報取得部42において取得された個人情報に基づいて盗撮であるか否かの判断を行い、撮像許可判断信号(撮像許可または撮像禁止の何れかを示す)を撮像制御部12へ送る。すなわち、撮像許可判断部41は、個人情報取得部42において取得された個人情報に基づいて、盗撮であるか否かの判断を行う際の生体情報に関する基準生体情報値または閾値の補正を行う。そして、撮像許可判断部41は、補正後の基準生体情報値および閾値を用いて実施の形態1と同様に盗撮であるか否かの判断を行う。
個人情報取得部42において、例えば年齢を取得して個人情報とすると以下のようになる。一般的に、年齢が高くなるにつれ単位時間当たりの心拍数は下がる。すなわち、年齢の変化は盗撮行為を判断するための心拍数等の生体情報の変化に反映されることになる。よって、撮像者の年齢に対応した盗撮判断を行う場合には、撮像許可判断部41は、取得された撮像者の年齢により、基準生体情報値、もしくは閾値の値を補正する(例えば心拍数の基準生体情報値を20歳:90拍/分、30歳:85拍/分、40歳:80拍/分とする等)。年齢の取得方法としては、撮像装置4本体に設けられた入力機構から取得する以外に、本撮像装置4を取得する際、予めインターネット等のネットワーク上のデータベースに撮像者の年齢を登録し、ネットワークを介して撮像者の年齢を取得することも可能である。また、撮像装置4購入時に撮像者の年齢を予めサービス会社に登録を行い、そのデータを利用してもよい。
個人情報取得部42において、例えば個人IDを取得して個人情報とすると以下のようになる。使用者の違いは盗撮行為を判断するための心拍数等の生体情報の変化に反映されることになる。よって、使用者に応じて盗撮判断を行う場合には、例えば、あらかじめ年齢や、生体情報の値およびパターン等の情報を個人IDに対応付けて使用者ごとに登録しておく。撮像許可判断部41は、個人IDにより特定された撮像者の個人の登録情報により、基準生体情報値、もしくは閾値の値を補正する(例えば基準生体情報値、もしくは閾値として、登録者はカスタマイズした値、登録者以外は標準値を用いる等)。個人を特定する方法として、撮像装置4本体に設けられた入力機構から個人IDを取得する以外に、例えば特開平8−504979号公報に示されるような虹彩認証を用いる方法を用いることも可能である。
以上の説明の通り、本実施の形態4では、年齢や個体で異なる生体情報と盗撮行為との関係を考慮に入れた盗撮判断を行っているので、使用者に応じた正確な盗撮判断が可能になり、実施の形態1と同様に被写体及び第3者に負担を強いることなく、盗撮を防止することができる。
なお、個人情報取得部42において、性別を取得してもよい。女性の体温は男性の体温と異なり周期性を持ち、体表温もこの影響を受ける。すなわち、性別の違いは盗撮行為を判断するための体表温等の生体情報の変化に反映されることになる。よって、撮像者の性別に対応した盗撮判断を行う場合には、撮像許可判断部11は、取得された撮像者の性別により、基準生体情報値、もしくは閾値の値を補正する(例えば女性である場合、体表温の閾値に周期性を持たせる等)。性別の取得方法としては、撮像装置4本体に設けられた入力機構から取得する以外に、本撮像装置4を取得する際、予めインターネット等のネットワーク上のデータベースに撮像者の性別を登録し、ネットワークを介して撮像者の性別を取得しても可能である。また、撮像装置4購入時に撮像者の年齢を予めサービス会社に登録を行い、そのデータを利用してもよい。
(実施の形態5)
盗撮判断に用いている生体情報は突発的な環境の変化等に影響を受けるので、撮像装置ではこれらの影響により誤って盗撮と判断してしまうことが考えられる。このため、本実施の形態では、生体情報に基づいて盗撮であると判断されたときに、被写体側に対して撮像許可を求める場合について説明する。
図12は、本発明の実施の形態5に係る撮像システムの構成を示すブロック図である。なお、実施の形態1と同様の部分については同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
この撮像システムは、盗撮を防止するための機能を有する撮像装置に対して被写体側が撮像許可を与えることのできるシステムであり、撮像者側の撮像装置5と被写体側の端末装置6とを備えている。撮像装置5は、実施の形態1の構成に加えて、問合せ信号送受信部52を備えている。一方、被写体側の端末装置6は受信応答部61を備えている。
問合せ信号送受信部52は、撮像許可判断部51が行った撮像許可判断で撮像禁止と判断されたときに、被写体側に対して撮像許可を求める問合せ信号を送信する。また、問合せ信号送受信部52は、問合せ信号に応答する被写体側より送信された応答信号を受信する。
撮像許可判断部51は、生体情報検出部10において検出された生体情報に基づいて撮像禁止と判断した場合に、問合せ信号送受信部52へその旨を通知する。また、撮像許可判断部51は、問合せ信号送受信部52により受信された応答信号に基づいて撮像許可判断信号(撮像許可または撮像禁止の何れかを示す)を撮像制御部12へ送る。
被写体側の端末装置6の受信応答部61は、撮像装置5から送信された問合せ信号に対して撮像を許可するか否かを示す応答信号を送信する。この被写体側の端末装置6としては、例えば携帯電話等の通信部を有する装置であればよく、被写体がメール等を応答信号として撮像装置5へ送信しても構わない。
次に、上記のように構成された撮像装置5の動作について説明する。ここでは、実施の形態1と同様に生体情報として心拍数、皮膚電位、体表温を検出し、検出した全ての生体情報値がそれぞれの基準生体情報値に対して各々所定の閾値以上変化した場合に盗撮と判断する場合について説明する。なお、実施の形態1と同様の部分については詳細な説明を省略する。
図13は画像を撮像する際の撮像装置5における動作の流れを示すフローチャートである。
撮像者により撮像ボタン101a、101bが押下されると、生体情報検出部10は、撮像者の心拍数、皮膚電位、体表温を検出し、検出した各生体情報を撮像許可判断部51へ送る(ステップS301)。撮像許可判断部51は、実施の形態1と同様に検出された各生体情報に基づいて盗撮であるか否か、すなわち撮像を許可するか否かの判断を行う(ステップS302)。この結果、撮像を許可すると判断した場合(ステップS302でYes)、撮像許可判断部51は、撮像許可を示す撮像許可判断信号を撮像制御部12へ送り、実施の形態1と同様に撮像許可の処理が行われる(ステップS303)。
一方、撮像を許可しないと判断した場合(ステップS302でNO)、撮像許可判断部51は、この旨を問合せ信号送受信部52へ通知する。問合せ信号送受信部52は、撮像を許可しないと判断された旨が通知されると、被写体側の端末装置6に対して撮像許可を求める問合せ信号を送信する(ステップS304)。
この問合せ信号を受信した端末装置6の受信応答部61は、例えば被写体である所有者に撮像許可を求める問合せを受信したことを通知する。そして、撮像を許可するか否かの所有者による決定が入力されると、受信応答部61はその入力に応じて撮像許可するか否かを示す応答信号を送信する。すなわち、受信応答部61は、撮像許可すると入力された場合には撮像許可を示す応答信号を、一方撮像許可しないと入力された場合には撮像禁止を示す応答信号を、問合せ信号を送信した撮像装置5に対して送信する。
撮像装置5の問合せ信号送受信部52は、被写体側の端末装置6より送信された応答信号を受信すると、応答信号が撮像許可または撮像禁止のどちらを示しているかを撮像許可判断部51へ通知する(ステップS305)。撮像許可判断部51は、応答信号が撮像許可を示しているか否かの判断を行う(ステップS306)。この結果、応答信号が撮像許可を示している場合(ステップS306でYes)には、撮像許可判断部51は撮像許可を示す撮像許可判断信号を撮像制御部12へ送り、実施の形態1と同様に撮像許可の処理が行われる(ステップS303)。一方、応答信号が撮像禁止を示している場合(ステップS306でNo)には、撮像許可判断部51は撮像禁止を示す撮像許可判断信号を撮像制御部12へ送り、実施の形態1と同様に撮像禁止の処理が行われる(ステップS307)。
以上の説明の通り、本実施の形態5では、生体情報に基づいて盗撮であると判断されたときに、被写体側に対して問合せ信号を送信して撮像許可を求めているので、撮像許可判断部51において盗撮判断を誤った場合であっても、被写体側の許可を得る事によって撮像が可能になり、効率的に盗撮を防止することができる。
以上のように、本発明に係る撮像装置は、撮像者が意図的に盗撮防止を妨げることはできず、例えばカメラ付き携帯電話、デジタルスチルカメラ等の小型化された撮像装置において盗撮を防止するのに有用である。
本発明の実施の形態1に係る撮像装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1に係る撮像装置の一例を示す斜視図であり、(a)カメラ付き携帯電話、(b)デジタルスチルカメラである。 本発明における各生体情報に対応する計測方法、取付位置、および基準生体情報値の例を示す図である。 本発明における撮像禁止状態を撮像者に提示するための画像例を示す模式図である。 本発明の実施の形態1に係る撮像装置により画像を撮像する際の動作の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2に係る撮像装置の構成を示すブロック図である。 本発明における各環境情報に対応する検出方法、および基準生体情報値の補正の例を示す図である。 本発明の実施の形態2に係る撮像装置により画像を撮像する際の動作の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施の形態3に係る撮像装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態3に係る履歴記憶部に記憶されている履歴のデータ例を示す図である。 本発明の実施の形態4に係る撮像装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態5に係る撮像装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態5に係る撮像装置により画像を撮像する際の動作の流れを示すフローチャートである。
符号の説明
1、2、3、4、5 撮像装置
6 端末装置
9 撮像部
10 生体情報検出部
11、21、31、41、51 撮像許可判断部
12 撮像制御部
13 記憶媒体
22 環境情報検出部
32 履歴記憶部
42 個人情報取得部
52 問合せ信号送受信部
61 受信応答部

Claims (19)

  1. 被写体の撮像を行う撮像装置であって、
    撮像者の生体情報を検出する生体情報検出手段と、
    前記生体情報に基づいて盗撮であるか否かを判断し、撮像許可判断を行う撮像許可判断手段と、
    前記撮像許可判断の結果に基づいて撮像制御を行う撮像制御手段と
    を備えることを特徴とする撮像装置。
  2. 前記生体情報検出手段は、前記生体情報として少なくとも撮像者の心拍数、撮像者の皮膚電位、撮像者の体表温のいずれか1つを検出する
    ことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
  3. 前記撮像装置は、さらに、当該撮像装置周辺の環境情報を検出する環境情報検出手段を備え、
    前記撮像許可判断手段は、前記生体情報および前記環境情報に基づいて盗撮であるか否かを判断する
    ことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
  4. 前記撮像許可判断手段は、盗撮であるか否かを判断するための前記生体情報に関する閾値を前記環境情報に基づいて変更する
    ことを特徴とする請求項3記載の撮像装置。
  5. 前記環境情報検出手段は、前記環境情報として少なくとも撮像装置周辺の気温、撮像装置の位置、撮像装置周辺の湿度、撮像装置周辺の気圧、撮像装置周辺の天気のいずれか1つを検出する
    ことを特徴とする請求項3または請求項4記載の撮像装置。
  6. 前記撮像装置は、さらに、前記環境情報に基づいて撮像許可判断手段における撮像許可判断を行うか否かを切り替えるモード切替手段を備え、
    前記撮像制御手段は、前記モード切替手段の指示に基づいて撮像制御を行う
    ことを特徴とする請求項3記載の撮像装置。
  7. 前記撮像装置は、さらに、前記生体情報を記憶する履歴記憶手段を備え、
    前記撮像許可判断手段は、前記履歴記憶手段に記憶されている前記生体情報の履歴に基づいて、盗撮であるか否かを判断するための前記生体情報に関する閾値を変更する
    ことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
  8. 前記撮像装置は、さらに、前記生体情報を前記環境情報に対応付けて記憶する履歴記憶手段を備え、
    前記撮像許可判断手段は、前記履歴記憶手段に記憶されている前記生体情報の履歴に基づいて、盗撮であるか否かを判断するための前記生体情報に関する閾値を変更する
    ことを特徴とする請求項3記載の撮像装置。
  9. 前記撮像装置は、さらに、撮像者の個人情報を取得する個人情報取得手段を備え、
    前記撮像許可判断手段は、前記生体情報および前記個人情報に基づいて盗撮であるか否かを判断する
    ことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
  10. 前記撮像許可判断手段は、盗撮であるか否かを判断するための前記生体情報に関する閾値を前記個人情報に基づいて変更する
    ことを特徴とする請求項9記載の撮像装置。
  11. 前記撮像装置は、さらに、撮像者の個人情報を取得する個人情報取得手段を備え、
    前記撮像許可判断手段は、前記生体情報、前記環境情報および前記個人情報に基づいて盗撮であるか否かを判断する
    ことを特徴とする請求項3記載の撮像装置。
  12. 前記撮像許可判断手段は、盗撮であるか否かを判断するための前記生体情報に関する閾値を前記環境情報および前記個人情報に基づいて変更する
    ことを特徴とする請求項11記載の撮像装置。
  13. 前記個人情報取得手段は、前記個人情報として少なくとも撮像者の年齢、撮像者の性別、撮像者を特定するための個人IDのいずれか1つを取得する
    ことを特徴とする請求項9〜請求項12のいずれか1項に記載の撮像装置。
  14. 前記撮像制御手段は、前記撮像許可判断手段により盗撮と判断された時には、撮像しない、記憶媒体に撮像画像を記憶しない、無意味な画像を記憶する、被写体に撮像を通知した後撮像を行う、のいずれかの制御を行う
    ことを特徴とする請求項1〜請求項13のいずれか1項に記載の撮像装置。
  15. 前記撮像制御手段は、前記撮像許可判断手段により盗撮と判断された時には、他の装置への撮像画像の送信も行わないように制御する
    ことを特徴とする請求項14記載の撮像装置。
  16. 被写体の撮像を行う撮像装置と、前記撮像装置と通信を行う被写体側の端末装置とを備える撮像システムであって、
    前記撮像装置は、
    撮像者の生体情報を検出する生体情報検出手段と、
    前記生体情報に基づいて盗撮であるか否かを判断し、撮像許可判断を行う撮像許可判断手段と、
    前記撮像許可判断手段により盗撮と判断された場合に、前記端末装置に対して撮像許可を求める問合せ信号を送信するとともに、前記問合せ信号に応答する前記端末装置から送信された応答信号を受信する問合せ信号送受信手段と、
    前記撮像許可判断の結果、および前記応答信号に基づいて撮像制御を行う撮像制御手段とを備え、
    前記端末装置は、
    前記撮像装置から送信された前記問合せ信号に対して撮像を許可するか否かを示す応答信号を送信する受信応答手段を備える
    ことを特徴とする撮像システム。
  17. 被写体の撮像を行う撮像方法であって、
    撮像者の生体情報を検出する生体情報検出ステップと、
    前記生体情報に基づいて盗撮であるか否かを判断し、撮像許可判断を行う撮像許可判断ステップと、
    前記撮像許可判断の結果に基づいて撮像制御を行う撮像制御ステップと
    を含むことを特徴とする撮像方法。
  18. 被写体の撮像を行う撮像装置と、前記撮像装置と通信を行う被写体側の端末装置とを備える撮像システムにおける撮像方法であって、
    前記撮像装置では、
    撮像者の生体情報を検出する生体情報検出ステップと、
    前記生体情報に基づいて盗撮であるか否かを判断し、撮像許可判断を行う撮像許可判断ステップと、
    前記撮像許可判断ステップにより盗撮と判断された場合に、前記端末装置に対して撮像許可を求める問合せ信号を送信するとともに、前記問合せ信号に応答する前記端末装置から送信された応答信号を受信する問合せ信号送受信ステップと、
    前記撮像許可判断の結果、および前記応答信号に基づいて撮像制御を行う撮像制御ステップとを含み、
    前記端末装置では、
    前記撮像装置から送信された前記問合せ信号に対して撮像を許可するか否かを示す応答信号を送信する受信応答ステップを含む
    ことを特徴とする撮像方法。
  19. 被写体の撮像を行うためのプログラムであって、
    請求項17または請求項18記載の撮像方法に含まれるステップをコンピュータに実行させる
    ことを特徴とするプログラム。
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