JP2005166740A - 固体電解コンデンサ素子及び固体電解コンデンサ - Google Patents

固体電解コンデンサ素子及び固体電解コンデンサ Download PDF

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正明 小林
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祐美子 吉原
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Abstract

【課題】 インピーダンスの更なる低減化を図ることができる固体電解コンデンサ素子及び固体電解コンデンサを提供する。
【解決手段】 本発明に係る固体電解コンデンサ10は、アルミニウム基体18の両面12c,12d及び端面12eに、酸化アルミニウム皮膜20を介して固体高分子電解質層22及び銀ペースト層26を有する陰極が形成されており、アルミニウム基体18に貫設された貫通孔28A,28Bを固体高分子電解質層22を構成する導電性高分子化合物よりも抵抗率が低い銀ペースト29で埋めることによって形成された導通路27A,27Bを介して、アルミニウム基体18の両面12c,12dに形成された陰極同士が導通していることを特徴とする。本発明に係る固体電解コンデンサはこのような構成を有するため、インピーダンスの更なる低減が実現されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、固体電解コンデンサ素子及び固体電解コンデンサに関するものである。
固体電解コンデンサ素子は、絶縁性酸化皮膜形成能力を有するアルミニウム、チタン、タンタルなどの金属、いわゆる弁金属を陽極に用い、この弁金属の表面を陽極酸化して、絶縁性酸化皮膜を形成した後、実質的に陰極として機能する有機化合物等からなる固体電解質層を形成し、さらに、グラファイトや銀などの導電層を陰極として設けることによって作製される。
この固体電解コンデンサ素子の低インピーダンス化を図るためには、等価直列インダクタンス(ESL)や等価直列抵抗(ESR)を低くする必要がある。一般に、低ESL化を図る方法としては、第1に、電流経路の長さを極力短くする方法、第2に、電流経路によって形成される磁場を別の電流経路によって形成される磁場により相殺する方法、第3に、電流経路をn個に分割して実効的なESLを1/nにする方法が知られている。例えば、下記特許文献1に開示された発明は、第1および第3の方法を採用するものである。また、下記特許文献2に開示された発明は、第2および第3の方法を採用するものである。さらに、下記特許文献3及び特許文献4に開示された発明は第3の方法を採用するものである。
特開2000−311832号公報 特開平06−267802号公報 特開平06−267801号公報 特開平11−288846号公報 特開2003−297690号公報
電子機器に用いられる電源回路の高周波化に伴い、この回路に適用される固体電解コンデンサのインピーダンスのさらなる低減がより一層求められている。そこで発明者らは、ESRを低減して低インピーダンスを図る技術について研究を重ね、固体電解コンデンサのESRを低減する技術を新たに見出した。
そこで、本発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、インピーダンスの更なる低減化を図ることができる固体電解コンデンサ素子及び固体電解コンデンサを提供することを目的とする。
本発明に係る固体電解コンデンサ素子は、弁金属基体の両面及び端面に、絶縁性酸化皮膜を介して固体電解質層及び導電体層を有する陰極が形成されており、弁金属基体に貫設された貫通孔を固体電解質層を構成する材料よりも抵抗率が低い導電材料で埋めることによって形成された導通路を介して、弁金属基体の両面に形成された陰極同士が導通していることを特徴とする。
この固体電解コンデンサ素子において、その充放電時に、弁金属基体の両面及び端面に形成された陰極内を流れる電流は、基体端面の陰極及び導通路を経由して、弁金属基体の一方面側の陰極から他方面側の陰極に流入する。つまり、弁金属基体の一方面側の陰極から他方面側の陰極に流入する電流は、少なくともその一部が導通路を経由する。従って、電流の一部においては、基体端面の陰極を迂回する経路よりも導通路を経由する経路のほうが短くなるため、この固体電解コンデンサ素子を備える固体電解コンデンサのESRが低減される。その上、導通路は、弁金属基体に貫設された貫通孔を固体電解質層を構成する材料よりも抵抗率が低い導電材料で埋めることによって形成されたものであるため、導通路を流れる電流は導電材料内を流れる。従って、本発明に係る固体電解コンデンサ素子を備える固体電解コンデンサは、例えば、貫通孔が固体電解質層を構成する材料で埋められている場合に比べて、より低いESRを実現することができる。以上のようなESRの低減に伴って、固体電解コンデンサのインピーダンスが低減される。
また導電材料が、導電体層を構成する材料と同じ材料であることが好ましい。この場合、導電体層を形成すると同時に、貫通孔を導電材料で埋めることができるため、固体電解コンデンサ素子の作製工程の簡略化及び作製時間の短縮を図ることができる。
また、導電材料が導電性接着剤であることが好ましい。例えば、基板などの搭載対象部材に固体電解コンデンサ素子を搭載するとき、貫通孔に埋められた導電材料により、固体電解コンデンサ素子と搭載対象部材との間における結合力の強化が図られる。
また、導電材料が導電性樹脂、金属ペースト及び金属粉体のいずれかであることが好ましい。
また、弁金属基体は略方形状の形状を有しており、その少なくとも1辺から、陰極が形成されていない領域を少なくとも一部分に有する電極部が突出していることが好ましい。この場合、陰極が形成されていない部分を、例えば、陽極リードに溶接接続することにより、陰極に覆われた素子から容易に陽極を引き出すことができる。
また、弁金属基体から電極部が複数突出していることが好ましい。この場合、複数の経路で素子から陽極を引き出すことができるため、この固体電解コンデンサ素子から多端子対応の固体電解コンデンサを作製することができる。このような固体電解コンデンサを多端子化によりESLを低減することができるため、インピーダンスのさらなる低減が図られる。
本発明に係る固体電解コンデンサは、弁金属基体の両面及び端面に、絶縁性酸化皮膜を介して固体電解質層及び導電体層を有する陰極が形成されており、弁金属基体に貫設された貫通孔を固体電解質層を構成する材料よりも抵抗率が低い導電材料で埋めることによって形成された導通路を介して、弁金属基体の両面に形成された陰極同士が導通している固体電解コンデンサ素子と、陰極に接続される陰極リードと弁金属基体に接続される陽極リードとを有するリード群とを備えることを特徴とする。
この固体電解コンデンサにおいて、陽極リードと陰極リードとを有するリード群を外部電極に接続して充放電する際、弁金属基体の両面及び端面に形成された陰極内を流れる電流は、基体端面の陰極及び導通路を経由して、弁金属基体の一方面側の陰極から他方面側の陰極に流入する。つまり、弁金属基体の一方面側の陰極から他方面側の陰極に流入する電流は、少なくともその一部が導通路を経由する。従って、電流の一部においては、基体端面の陰極を迂回する経路よりも導通路を経由する経路のほうが短くなるため、この固体電解コンデンサのESRが低減される。その上、導通路は、弁金属基体に貫設された貫通孔を固体電解質層を構成する材料よりも抵抗率が低い導電材料で埋めることによって形成されたものであるため、導通路を流れる電流は導電材料内を流れる。従って、本発明に係る固体電解コンデンサは、例えば、貫通孔が固体電解質層を構成する材料で埋められている場合に比べて、より低いESRを実現することができる。以上のようなESRの低減に伴って、固体電解コンデンサのインピーダンスが低減される。
本発明に係る固体電解コンデンサは、弁金属基体の両面及び端面に、絶縁性酸化皮膜を介して固体電解質層及び導電体層を有する陰極が形成されており、弁金属基体に貫設された貫通孔を固体電解質層を構成する材料よりも抵抗率が低い導電材料で埋めることによって形成された導通路を介して、弁金属基体の両面に形成された陰極同士が導通している固体電解コンデンサ素子と、一方面に、陰極に接続される陰極ランド電極と、弁金属基体に接続される陽極ランド電極とが形成された基板とを備えることを特徴とする。
この固体電解コンデンサにおいて、基板の陽極ランド電極及び陰極ランド電極を外部電極に接続して充放電する際、弁金属基体の両面及び端面に形成された陰極内を流れる電流は、基体端面の陰極及び導通路を経由して、弁金属基体の一方面側の陰極から他方面側の陰極に流入する。つまり、弁金属基体の一方面側の陰極から他方面側の陰極に流入する電流は、少なくともその一部が導通路を経由する。従って、電流の一部においては、基体端面の陰極を迂回する経路よりも導通路を経由する経路のほうが短くなるため、この固体電解コンデンサのESRが低減される。その上、導通路は、弁金属基体に貫設された貫通孔を固体電解質層を構成する材料よりも抵抗率が低い導電材料で埋めることによって形成されたものであるため、導通路を流れる電流は導電材料内を流れる。従って、本発明に係る固体電解コンデンサは、例えば、貫通孔が固体電解質層を構成する材料で埋められている場合に比べて、より低いESRを実現することができる。以上のようなESRの低減に伴って、固体電解コンデンサのインピーダンスが低減される。
本発明によれば、インピーダンスの更なる低減化を図ることができる固体電解コンデンサ素子及び固体電解コンデンサが提供される。
以下、添付図面を参照して本発明に係る固体電解コンデンサ素子及び固体電解コンデンサの好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、同一又は同等の要素については同一の符号を付し、説明が重複する場合にはその説明を省略する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る固体電解コンデンサを示した概略斜視図である。図1に示すように、本実施形態に係る固体電解コンデンサ10は、固体電解コンデンサ10は、固体電解コンデンサ素子12と、このコンデンサ素子12が搭載される4つのリード電極(リード群)14と、コンデンサ素子12及びリード電極14の一部をモールド固定する樹脂モールド16とを備えている。この固体電解コンデンサ10においては、固体電解コンデンサ10が搭載される後述の回路基板からリード電極14を介してコンデンサ素子12に給電がおこなわれる。なお、リード電極14は、回路基板の陽極電極に接続される陽極リード14Aと、回路基板の陰極電極に接続される陰極リード14Bとで構成されている。
コンデンサ素子12は、粗面化(拡面化)処理及び化成処理が施された、陽極として機能する箔状のアルミニウム基体(弁金属基体)上の一部領域に、陰極が形成されたものである。この陰極は、導電性高分子化合物(例えば、ポリピロール等)で構成された固体高分子電解質層(固体電解質層、以下「電解質層」と称す。)、グラファイトペースト層及び銀ペースト層(導電体層)により構成されている。
図2を参照しつつ、コンデンサ素子12の表面構造をより詳しく説明する。図2は、図1に示したコンデンサ素子12の要部を示す模式断面図である。図2に示すように、エッチングによって粗面化された厚さ100μmのアルミニウム基体(以下、「基体」と称す。)18は、化成処理(すなわち陽極酸化)によって、その表面18aに酸化アルミニウム皮膜(以下、「酸化皮膜」と称す。)20が成膜されている。そして、基体18の、粗面化により形成された凹部には、電解質層22が含浸されている。なお、電解質層22は、基体18の凹部にモノマーの状態で電解質を含浸し、その後、化学酸化重合又は電解酸化重合の処理を施すことにより形成されたものである。この電解質層22上には、グラファイトペースト層24及び銀ペースト層26が、スクリーン印刷法、浸漬法(ディップ法)及びスプレー塗布法のいずれかの方法によって順次形成されている。従って、陰極(電解質層、グラファイトペースト層及び銀ペースト層)は、基体18の厚さ方向においては、基体18上に成膜された絶縁性の酸化皮膜20により、陽極である基体18との絶縁が図られている。
図1に戻って、コンデンサ素子12は、長方形薄片状の蓄電部12aと、蓄電部12aから外方に突出する薄片状の1対の陽極電極部12bとで構成されている。以下、説明の便宜上、各コンデンサ素子12の蓄電部12aの長辺方向をX方向、各コンデンサ素子12の蓄電部12aの短辺方向をY方向、X方向及びY方向に直交する方向をZ方向として説明する。
蓄電部12aの上下両面12c,12d及び端面12eには、その略全域に亘って上述した陰極が形成されている。なお、蓄電部12aのX軸に沿う中心線上には、コンデンサ素子12の厚さ方向に延在する2つの導通路27A,27Bが所定の距離だけ離間されて形成されている。これらの導通路27A,27Bは、コンデンサ素子12に貫設された円形貫通孔28A,28Bと、これらの貫通孔28A,28B内に埋められた銀ペースト(導電材料)29とで構成されている。すなわち、貫通孔28A,28Bにおいては、その内側面28aに陰極として電解質層22、グラファイトペースト層24及び銀ペースト層26が順次積層されており、その内部に銀ペースト29が充填されている。陽極電極部12bは、蓄電部12aの一方の長辺の側面に1対形成されており、この1対の陽極電極部12bはY方向に沿って平行に延在している。
上述した形状のコンデンサ素子12は、粗面化された表面に酸化皮膜20が成膜されたアルミニウム箔シートを打ち抜いて成形される。また貫通孔は、ピン状工具等によって穿設される。すなわち、コンデンサ素子12を上記形状に成形すると、その端面12e及び貫通孔28A,28Bの内側面28aには、酸化皮膜20が形成されていない基体18が露出する(図2参照)。従って、上記形状に成形したコンデンサ素子12に再度化成処理を施して、その端面12e及び貫通孔28A,28Bの内側面28aに酸化皮膜20を形成する。
ここで、コンデンサ素子12を作製する手順について、図3を参照しつつ説明する。図3は、コンデンサ素子12を作製する手順を示した図である。
まず、粗面化処理が施され、酸化皮膜20が形成されているアルミニウム箔シートから、蓄電部12aとなる対応する長方形部分30aの長辺から、陽極電極部12bとなる突起部30bが突出する形状のアルミニウム箔32を切り出す。次に、その切り出したアルミニウム箔32の所定位置に貫通孔28A,28Bを穿設する。そして、以上のようにして得られたアルミニウム箔32を、突起部30bの端部を支持してステンレスビーカ34中に収容された化成溶液36中に浸漬する(図3(a)参照)。このようにアルミニウム箔32を化成溶液36に浸漬した状態で、支持された突起部30bをプラス、ステンレスビーカ34をマイナスにして電圧を印加する。このようにしてアルミニウム箔32を化成処理することで、アルミニウム箔シートからの成形時に露出した、端面12e部分及び貫通孔28A,28Bの内側面28a部分の基体18に酸化皮膜20が形成される。化成溶液36は、例えば、濃度3%のアジピン酸アンモニウム水溶液等が好ましい。化成処理時の電圧は、所望する酸化皮膜20の膜厚に応じて適宜決定することができ、10nm〜1μmの膜厚を有する酸化皮膜20を形成する場合には、通常、数ボルト〜20ボルト程度である。
化成処理の後は、アルミニウム箔32の突起部30bの付け根部分の帯状領域(例えば、幅1mm)を圧縮して、その部分の粗面化構造を破壊し、絶縁溝部38を形成する。この絶縁溝部38から突起部30b側の部分が陽極の引き出し部分となる。このような絶縁溝部38を形成することにより、アルミニウム箔32の粗面化構造が蓄電部12aと陽極電極部12bとで分断されるため、後述する電解質層22の形成工程で、蓄電部12a領域に浸透した重合液が毛細現象によって陽極電極部12b領域まで浸透する事態を確実に回避することができる。なお、絶縁溝部38を形成した後、アルミニウム箔32に再度化成処理を施し、絶縁溝部38の形成領域に確実に酸化皮膜20を形成することで、蓄電部12aと陽極電極部12bとの絶縁を確実におこなうことができる。また、適宜、絶縁溝部38にシリコーン製等の絶縁性樹脂を充填し、より確実な絶縁を図ってもよい。
絶縁溝部38を形成した後、ビーカ40内に収容された重合液42内に、アルミニウム箔32の絶縁溝部38より下の部分を浸漬して化学酸化重合(又は、電解酸化重合)をおこなう(図3(c)参照)。それにより、アルミニウム箔32の蓄電部12aの両面12c,12d、端面12e及び貫通孔28A,28Bの内側面28aに電解質層22が形成される。
そして、さらにアルミニウム箔32の電解質層22が形成された領域に、グラファイトペースト層24をスクリーン印刷法、浸漬法(ディップ法)及びスプレー塗布法等を用いて積層する。また、スクリーン印刷又はスプレー塗布法等を用いて、グラファイトペースト層24が形成された領域に銀ペースト層26を積層すると共に、貫通孔28A,28B内に銀ペースト29を充填して導通路27A,27Bを形成する。最後に、上述した突起部30bを所定長さに切断することで、図1に示したコンデンサ素子12が得られる。なお、アルミニウム箔32表面上に電解質層22を形成する前に、上述した化成処理と同様の方法で、皮膜修復処理(エージング)をおこなってもよい。
次に、上述したコンデンサ素子12を用いて固体電解コンデンサ10を作製する方法について、図4を参照しつつ説明する。
図4に示すように、リードフレーム46は、コンデンサ素子12を搭載させるべく、りん青銅製の基体が所定の形状に打ち抜き加工されたものである。リードフレーム46は、四方を囲むフレーム部46aと、フレーム部46aの内側でフレームの延在方向(図のX方向)に延びる支持部46bとを有している。フレーム部46aには、支持部46bの延在方向に対して直交する方向(図のY方向)に突出する2つの陽極リード部47a,47bが設けられている。また、陽極リード部47a,47bが形成された側のフレーム部46aと支持部46bとの間には、陽極リード部47a,47bと平行な2つの陰極リード部48a,48bが設けられている。また、支持部46bを挟んで陰極リード部48a,48bと対向する側の、フレーム部46aと支持部46bとの間には支持部48c,48dが設けられている。
コンデンサ素子12は、リードフレーム46の支持部46b上に、コンデンサ素子12の裏面12dが対向するように搭載され、銀を含む導電性接着剤50でコンデンサ素子12の裏面12dの最上層の銀ペースト層26と支持部46bとが接着固定される。コンデンサ素子12の2つの陽極電極部12bは、対応する2つの陽極リード部47a,47bの端部と重なるように配置されると共に、レーザスポット溶接機で溶接される。このようにレーザスポット溶接機で溶接することで、陽極電極部12bと陽極リード部47a,47bとが電気的に接続される。
そして、リードフレーム46上に固定されたコンデンサ素子12は、キャスティング、インジェクション又はトランスファモールドによって、エポキシ樹脂でモールドされる。樹脂モールドされたコンデンサ素子12は、リードフレーム46から切り離される。そして、陽極電極部12bが形成された辺に直交するように延びる陽極リード部47a,47bを折り曲げて、図1に示した陽極リード14Aが構成される。また、陰極リード部48a,48bも折り曲げて、図1に示した陰極リード14Bが構成される。このように、コンデンサ素子12からは、2つの陽極リード14Aと2つの陰極リード14Bとが引き出されて電流経路の分割が図られている。すなわち、一対の陽極電極部12bにより経路が2つ分岐されてコンデンサ素子12から陽極を引き出されており、4端子対応の固体電解コンデンサ10が作製されるため、2端子の固体電解コンデンサに比べてESLの低減を図ることができる。それにより、固体電解コンデンサ10のインピーダンスも低減される。
次に、固体電解コンデンサ10が回路基板に搭載された際の電流経路について、図5を参照しつつ説明する。図5は、図1の固体電解コンデンサ10のV−V屈曲線に沿う概略断面図である。そして、矢印Aは、陰極(図のハッチング部分)が形成された領域のある地点Pと陰極リード14B(リードフレーム46の支持部bに相当)との間に流れる電流の向きを示している。
上述したように、コンデンサ素子12には、導通路27A,27Bが形成されている。そして、この導通路27A,27Bは、貫通孔28A,28Bを銀ペースト29で埋めることによって形成されたものである。つまり、コンデンサ素子12の上面12cの陰極と下面12dの陰極とは、コンデンサ素子12の端面12eの陰極部分だけでなく、導通路27A,27Bでも導通している。そのため、図5の矢印Aに示したように、コンデンサ素子12の上面12cのうち導通路27Aに近いP地点と陰極リード14Bとの間に流れる電流は、導通路27Aを経由して流れることが可能である。一方、導通路27Aが形成されていない場合には、P地点の陰極と陰極リード14Bとの間に流れる電流は、コンデンサ素子12の端面12eの陰極部分を経由して流れることとなる(矢印B参照)。
すなわち、コンデンサ素子12に導通路27Aが形成されていることによって、P地点の陰極と陰極リード14Bとの間に流れる電流の経路は大幅に短縮されている。上述したP地点のように、導通路27A,27Bの形成によって陰極リード14Bとの間に流れる電流の経路が、コンデンサ素子12の端面12eの陰極を迂回する経路よりも導通路27A,27Bを経由する経路のほうが短くなる領域は、素子上面12cの導通路27A,27B周辺以外に、素子上面12cの広範囲にわたっていると考えられる。このように陰極に流れる電流の経路が短縮された場合には、陰極が有する抵抗成分の影響が抑制され、固体電解コンデンサ10のESRが低減する。
ここで、貫通孔28A,28B内に充填されている銀ペースト29は、電解質層22を構成する、例えばポリピロール等の固体高分子化合物の抵抗率よりも低い抵抗率を有している。従って、導通路27A,27Bを経由する電流は、貫通孔28A,28Bの内側面28aに形成されている電解質層22部分ではなく、より抵抗の低い経路である銀ペースト29部分を流れる。従って、固体電解コンデンサ10は、銀ペースト29で埋められていない貫通孔28A,28Bのみの導通路や、固体高分子化合物で埋められている導通路がコンデンサ素子12に形成された固体電解コンデンサよりも、ESRが低減されている。
すなわち固体電解コンデンサ10は、以上で示した2つの方法によるESRの低減によって、インピーダンスの低減が実現されている。
以上で説明したように、コンデンサ素子12及び固体電解コンデンサ10においては、導通路27A,27Bの採用により、固体電解コンデンサ10の動作時に陰極内を流れる電流は、基体端面12eの陰極及び導通路27A,27Bを経由して、例えば、基体18の上面12c側の陰極から下面12d側の陰極に流入する。つまり、少なくとも電流の一部が導通路27A,27Bを経由するため、電流の一部は、基体端面12eの陰極を迂回する経路よりも導通路27A,27Bを経由する経路のほうが短くなる。つまり、陰極が形成された一部領域では、導通路27A,27Bを経由する電流が流れ、その電流経路が短縮される。それにより、固体電解コンデンサ10のESRが低減しており、またインピーダンスも低減している。
また、導通路27A,27Bは、基体18に貫設された貫通孔28A,28Bを電解質層22を構成する固体高分子化合物よりも抵抗率が低い銀ペースト29で埋めることによって形成されたものであるため、導通路27A,27Bを流れる電流は銀ペースト29内を流れる。そのため、固体電解コンデンサ10は、例えば、貫通孔28A,28Bのみが形成された固体電解コンデンサ等に比べて、ESR及びインピーダンスが低くなっている。
さらに、貫通孔28A,28Bに充填される銀ペースト29は、陰極の銀ペースト層26を構成する材料と同じ材料である。そのため銀ペースト29は、銀ペースト層26を形成する際に、貫通孔28A,28B内に充填される。なお、貫通孔28A,28B内に充填する導電材料が銀ペーストでない場合には、銀ペースト層26を形成した後に、貫通孔28A,28B内に導電材料を充填する工程が別途必要となる。従って、上述した態様のように、導電材料と導電体層(銀ペースト層)を構成する材料とが同じである場合には、コンデンサ素子12及び固体電解コンデンサ10の作製工程を簡略化できると共に、作製時間を有意に短縮することができる。
固体電解コンデンサ10を回路基板に搭載方法について、図6を参照しつつ説明する。図6は、固体電解コンデンサ10を回路基板に搭載した状態を示した概略斜視図である。固体電解コンデンサ10は、上述したリード電極14が回路基板52に対向させた状態で、コンデンサ素子12の両面12c,12dが回路基板52の表面52aに対して垂直となるように、回路基板52上に直立させる。
回路基板52上には、固体電解コンデンサ10のリード電極14のうち、両陽極リード14Aと接続する陽極電極54と、両陰極リード14Bと接続する陰極電極56とが設けられており、これら陽極電極54の端部54a,54a及び陰極電極56の端部56a,56aは、リード電極14同様に、一直線状に並んでいる。固体電解コンデンサ10を、このような陽極電極54及び陰極電極56が形成された回路基板52上に直立した場合、コンデンサ素子12の両面12c,12dが回路基板52と平行となるように固体電解コンデンサ10を配置した場合に比べて回路基板52の表面52aのコンデンサ搭載領域52bが狭くなるため、固体電解コンデンサ10の載置に要する基板領域の面積を縮小することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る固体電解コンデンサについて、図7を参照しつつ説明する。ここで図7は、本発明の第2実施形態に係る固体電解コンデンサを示した概略斜視図である。すなわち、上述した第1実施形態においては、リード電極14を介して外部電極と接続するタイプの固体電解コンデンサを示したが、第2実施形態に係る固体電解コンデンサ10Aは、図7に示したように基板58上にコンデンサ素子12を搭載するタイプの固体電解コンデンサである。つまり、固体電解コンデンサ10Aは、上述したコンデンサ素子12を有し、さらに、コンデンサ素子12が載置される方形薄片状の基板58と、コンデンサ素子12及び基板58をモールドする樹脂モールド16とを有している。
基板58において、コンデンサ素子12が搭載される素子搭載面58aには所定のランド電極60が形成されており、コンデンサ素子12の陰極と陽極とは対応するランド電極60に接続されている。以下、基板58の素子搭載面58aに形成されたランド電極60について、図8及び図9を参照しつつ説明する。ここで、図8は基板の素子搭載面を示した図であり、図9は基板の素子搭載面の裏面を示した図である。
図8及び図9に示すように、基板58は、素子搭載面である基板上面58aに銅製のランド電極60が印刷され、基板下面58bに銅製の外部接続電極62が印刷されたFR4材(エポキシ樹脂材)製のプリント基板である。そして、基板上面58aのランド電極60と基板下面58bの外部接続電極62とは、基板58に貫設されたビアホール64によって接続されている。このビアホール64は、基板58の一端部58cの縁に沿って等間隔に4つ形成されている。なお、各ビアホール64は、基板58の厚さ方向(図のZ方向)に貫通する孔の内面に銅メッキを施したものであり、ドリル加工により基板58に孔を形成した後、無電解銅メッキをメッキ処理して形成される。
図9に示すように、ビアホール64の端部が露出する基板下面58bのビアホール64の端部周辺に方形状の外部接続電極62が4つ形成されており、各外部接続電極62はそれぞれ対応するビアホール64と電気的に接続されている。なお、外部接続電極62は陽極外部接続電極62Aと陰極外部接続電極62Bとで構成されている。そして、端部58cに形成された4つの外部接続電極62は、陽極外部接続電極62Aと陰極外部接続電極62Bとが交互する配置となっている。
また図8に示すように、ビアホール64の端部が露出する基板上面58aのビアホール端部周辺には、ランド電極60が形成されている。このランド電極60は、陽極ランド電極60A及び陰極ランド電極60Bとで構成されており、これらのランド電極60A,60Bは対応するビアホール64と電気的に接続されている。陰極ランド電極60Bは、陰極外部接続電極62Bと電気的に接続された2つのビアホール64の端部周辺及び基板上面58aの中央部を含むように一体的に形成されている。陽極ランド電極60Aは、陽極外部接続電極62Aと電気的に接続された2つのビアホール64の周辺それぞれに形成されており、外部接続電極62同様、方形状となっている。なお、1つの陰極ランド電極60B及び2つの陽極ランド電極60Aとは、互いに電気的に隔離されている。
次に、基板58上にコンデンサ素子12を搭載して、固体電解コンデンサ10Aを作製する方法について、図7、図8及び図9を参照しつつ説明する。
基板58上にコンデンサ素子12を搭載する際、コンデンサ素子12の各陽極電極部12bは、対応する位置に配置された基板58の陽極ランド電極60Aと電気的に接続される。この電気的接続は、レーザスポット溶接機によっておこなわれ、それにより、陽極電極部12bの基体18(図2参照)と陽極ランド電極60Aとが電気的に接続されている。従って、基体18と基板下面58bに形成された2つの陽極外部接続電極62Aとが、2本のビアホール64を介して電気的に接続される。
また、基板58上にコンデンサ素子12を搭載する際、コンデンサ素子12の陰極に形成された最上層の銀ペースト層26(図2参照)は、導電性接着剤(図示せず)によって陰極ランド電極60Bと電気的に接続される。従って、コンデンサ素子12の陰極(すなわち、電解質層22、グラファイトペースト層24及び銀ペースト層26)と、基板下面58bに形成された2つの陰極外部接続電極62Bとが、2本のビアホール64を介して電気的に接続される。
そして、基板58上にコンデンサ素子12が上述の方法により搭載された後に、キャスティング、インジェクション又はトランスモールドによって樹脂モールド16が形成される。なお、樹脂モールド16は、基板58及びコンデンサ素子12の両方をモールドするエポキシ樹脂である。
以上で説明した固体電解コンデンサ10Aにおいても、固体電解コンデンサ10と同様、導通路27A,27Bを有するコンデンサ素子12を備えているため、動作時にコンデンサ素子12の陰極内を流れる電流の一部は、基体端面12eの陰極及び導通路27A,27Bを経由する。そのため、陰極が形成された一部領域では、導通路27A,27Bを経由する電流が流れ、その電流経路が短縮される。それにより、固体電解コンデンサ10AのESRが低減しており、またインピーダンスも低減している。
その上、導通路27A,27Bが、貫通孔28A,28Bを銀ペースト29で埋めることによって形成されたものであるため、固体電解コンデンサ10Aにおいても、例えば、貫通孔28A,28Bのみが形成された固体電解コンデンサ等に比べて、ESR及びインピーダンスが低くなっている。なお、第2実施形態に係る固体電解コンデンサ10Aは、素子搭載面58aが実装基板に対して平行な状態で実装されるため、第1実施形態に係る固体電解コンデンサ10に比べて、高さの低減(低背化)を図ることができる。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、貫通孔を埋める導電材料は、電解質層を構成する材料よりも抵抗率が低い材料であれば、陰極の銀ペースト層を構成する材料と同じである銀ペーストに限定されず、例えば、導電性接着剤を含む導電性樹脂、金属ペースト、金属粉体などであってもよい。貫通孔に導電性接着剤を充填する態様は、コンデンサ素子をリードフレームや基板等の搭載対象部材に搭載した際に、コンデンサ素子と搭載対象部材との間における結合力の強化を図ることができるという点で好ましい。特に、コンデンサ素子を多段積層した固体電解コンデンサにおいては、コンデンサ素子と搭載対象部材との結合力の強化だけでなく、上下に重なるコンデンサ素子同士の結合力の強化が図られるため、銀ペーストの代わりに導電性接着剤を貫通孔に充填する態様が好ましい。また、貫通孔を埋める導電材料は、ペースト状のものに限らず、固体であってもよい。
さらに貫通孔の端面形状は、円形に限らず、楕円形状や多角形状、スリット状であってもよく、その数や大きさ、位置も適宜変更することができる。また、蓄電部12aから突出する陽極電極部12bは、対向する長辺に一対ずつ設けてもよく、4辺全てから突出させてもよい。
以下、本発明の効果をより一層明らかなものとするため、実施例および比較例を掲げる。
(実施例)
固体電解コンデンサを、以下のようにして作製した。
(1)コンデンサ素子の作製
まず、図7に示した作製方法と略同様の方法によってコンデンサ素子を以下のように作製した。すなわち、粗面化処理が施され、酸化アルミニウム皮膜が形成されている厚さ100μmのアルミニウム箔シートを、図1に示した素子形状に打ち抜いて、コンデンサ素子となる電極体を作製した。より具体的には、コンデンサ素子の蓄電部となるべき領域の寸法が6.9mm×3.3mm(面積は0.23cm2)となるように、アルミニウム箔を打ち抜き加工した。なお、アルミニウム箔シートは、270μF/cmの静電容量が得られるものを選択した。
そして、得られた電極体の表面のうち、コンデンサ素子の陽極電極部となるべき領域を厚さ方向に押圧して、この部分における粗面化構造を破壊した。また、電極体の厚さ方向に延在するφ1.0mmの一対の貫通孔を、蓄電部の長辺方向に延びる蓄電部の中心線上に、3.0mm間隔で並ぶように形成した。さらに、コンデンサ素子の蓄電部となるべき領域と陽極電極部となるべき領域との間の領域を圧縮して、絶縁溝部を形成した。なお、この絶縁溝部にはエポキシ樹脂を塗布した。
(2)固体電解コンデンサの作製
以上のようにして得られた電極体を、粗面化処理が施されている領域が完全に浸漬されるように、3重量%の濃度で6.0のpHに調整されたアジピン酸アンモニウム水溶液中に浸漬した。このとき、陽極電極部側において電極体を支持し、エポキシ樹脂が塗布された絶縁溝部の途中まで水溶液に浸した。
次いで、電極体の陽極電極部となるべき部分を陽極とし、化成電流密度が50〜100mA/cm2、化成電圧が12Vの条件下で、アジピン酸アンモニウム水溶液中に浸漬された電極体の切断部端面を酸化させ、端面に酸化皮膜を形成した。その後、電極体をアジピン酸アンモニウム水溶液から引き上げ、蓄電部の陰極となるべき領域に、ポリピロールからなる固体高分子電解質層を化学酸化重合によって形成した。
ここで、ポリピロールからなる固体高分子電解質層は、精製した0.1モル/リットルのピロールモノマー、0.1モル/リットルのアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム及び0.05モル/リットルの硫酸鉄(III)を含むエタノール水混合溶液セル中に電極体をセットし、30分間にわたって攪拌し、化学酸化重合を進行させ、同じ操作を3回にわたって繰り返して、生成した。その結果、最大厚さが、約50μmの固体高分子電解質層が形成された。
さらに、こうして得られた固体高分子電解質層の表面にカーボンペースト及び銀ペーストを塗布して、陰極を形成すると共に、貫通孔内に銀ペーストを充填した。以上の処理によって、コンデンサ素子が完成した。
以上のようにして8つのコンデンサ素子を作製した。そして、4つのコンデンサ素子を互いの陽極電極部同士が重なり合うように導電性接着剤を介して積層し、2組の素子結合体を作製した。
(第1の固体電解コンデンサ)
そして、一方の素子結合体を、厚さが0.7mmであり、幅30mmで長さ100mmの寸法に加工された、図4に示したようなリン青銅製のリードフレーム上に搭載すると共に、銀を含む導電性接着剤で最下面の銀ペースト層とリードフレームとを接着した。なお、素子結合体のそれぞれの陽極部を、NEC製YAGレーザスポット溶接機でリードフレームの陽極リード部に溶接して、素子結合体とリードフレームとを一体化した。その後、トランスファモールド法により素子結合体とリードフレームとをエポキシ樹脂でモールドした。
モールド後の素子結合体をリードフレームから切り離し、陽極リードおよび陰極リードを折り曲げて、寸法が7.3mm×4.3mmである図1に示したような4端子型のディスクリート型固体電解コンデンサ(第1の固体電解コンデンサ)を得た。その後、既知の方法にて、固体電解コンデンサに一定の電圧を印加して、エージング処理を行い、漏れ電流を十分に低減させて、完成させた。
こうして得られた第1の固体電解コンデンサの電気的特性について、アジレントテクノロジー社製インピーダンスアナライザー4194A、ネットワークアナライザー8753Dを用いて、静電容量およびS21特性を測定し、得られたS21特性をもとに、等価回路シミュレーションを行い、ESR、ESL値を決定した。その結果、120Hzでの静電容量は100.0μFであり、100kHzでのESRは10mΩであり、ESLは400pHであった。
(第2の固体電解コンデンサ)
また、他方の素子結合体を、厚さが0.5mm、7.3mm×4.3mmの寸法を有する、ガラスクロス含有耐熱性エポキシ樹脂からなる基板上に搭載した。この基板表面(素子搭載面)には、図8に示したような厚さ36μmの銅製のランド電極が形成されており、また裏面には、図9に示したような厚さ36μmの銅製の外部接続電極が形成されている。
素子結合体を基板上に搭載した際、銀系の導電性接着剤を用いて、素子結合体の陰極と素子搭載面に形成された陰極ランド電極とを接着すると共に、素子結合体の陽極電極部と素子搭載面に形成された陽極ランド電極とをNEC製YAGレーザスポット溶接機で溶接した。そして、素子結合体を基板上に固定した後、真空印刷法を用いて素子結合体及び基板をエポキシ樹脂でモールドした。
モールド後、寸法が7.3mm×4.3mmである図7に示したような4端子型のディスクリート型固体電解コンデンサ(第2の固体電解コンデンサ)を得た。その後、既知の方法にて、固体電解コンデンサに一定の電圧を印加して、エージング処理を行い、漏れ電流を十分に低減させて、完成させた。
こうして得られた第2の固体電解コンデンサの電気的特性について、アジレントテクノロジー社製インピーダンスアナライザー4194A、ネットワークアナライザー8753Dを用いて、静電容量およびS21特性を測定し、得られたS21特性をもとに、等価回路シミュレーションを行い、ESR、ESL値を決定した。その結果、120Hzでの静電容量は102.0μFであり、100kHzでのESRは7mΩであり、ESLは120pHであった。
(比較例)
上述したコンデンサ素子と、貫通孔が形成されていない点でのみ異なるコンデンサ素子を作製した。そして、この固体電解コンデンサを用いて、第1の固体電解コンデンサと同様の構造を有する第3の固体電解コンデンサを作製すると共に、第2の固体電解コンデンサと同様の構造を有する第4の固体電解コンデンサを作製した。そして、上述した第1及び第2の固体電解コンデンサと同様の方法で、ESR、ESL値を求めた。その結果、第3の固体電解コンデンサについては、120Hzでの静電容量は101.0μFであり、100kHzでのESRは25mΩであり、ESLは410pHであった。
また、第4の固体電解コンデンサについては、120Hzでの静電容量は106.0μFであり、100kHzでのESRは15mΩであり、ESLは125pHであった。
以上のようにして求めた、第1〜第4の固体電解コンデンサにおける静電容量、ESR及びESLを下記表1にまとめる。
Figure 2005166740
以上で詳細に説明したように、貫通孔が形成されている第1及び第2の固体電解コンデンサと、貫通孔が形成されていない第3及び第4の固体電解コンデンサとは、電極の作製方法、酸化皮膜の形成方法、使用する固体高分子化合物の種類、及び部品のサイズが同一である。異なる点は、実装基板/リードフレームの選択及びモールド方法である。このうちモールド方法については、上述した手法が一般に確立された手法であるため、特性に影響を与えるものとは考えられない。従って特性比較の点において、影響を及ぼしているものは、電極構造の差異であると考えられる。第1及び第2の固体電解コンデンサは、比較例に係る第3及び第4の固体電解コンデンサに比べて、ESRの値が低減していることが確認された。
なお本発明は、以上の実施態様および実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
本発明の第1実施形態に係る固体電解コンデンサを示した概略斜視図である。 図1に示したコンデンサ素子の要部を示す模式断面図である。 コンデンサ素子を作製する手順を示した図である。 図1に示したコンデンサ素子がリードフレーム上に搭載された状態を示す斜視図である。 図1の固体電解コンデンサのV−V屈曲線に沿う概略断面図である。 固体電解コンデンサを回路基板に搭載した状態を示した概略斜視図である。 本発明の第2実施形態に係る固体電解コンデンサを示した概略斜視図である。 基板の素子搭載面を示した図である。 基板の素子搭載面の裏面を示した図である。
符号の説明
10…固体電解コンデンサ、12…コンデンサ素子、12b…陽極電極部、12c,12d…面、端面…12e、14…リード電極、14A…陽極リード、14B…陰極リード、18…アルミニウム基体、20…酸化アルミニウム皮膜、22…固体高分子電解質層、26…銀ペースト層、27A,27B…導通路、28A,28B…貫通孔、29…銀ペースト、58…基板、60…ランド電極。

Claims (8)

  1. 弁金属基体の両面及び端面に、絶縁性酸化皮膜を介して固体電解質層及び導電体層を有する陰極が形成されており、前記弁金属基体に貫設された貫通孔を前記固体電解質層を構成する材料よりも抵抗率が低い導電材料で埋めることによって形成された導通路を介して、前記弁金属基体の両面に形成された前記陰極同士が導通している、固体電解コンデンサ素子。
  2. 前記導電材料が、前記導電体層を構成する材料と同じ材料である、請求項1に記載の固体電解コンデンサ素子。
  3. 前記導電材料が導電性接着剤である、請求項1に記載の固体電解コンデンサ素子。
  4. 前記導電材料が導電性樹脂、金属ペースト及び金属粉体のいずれかである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の固体電解コンデンサ素子。
  5. 前記弁金属基体は略方形状の形状を有しており、その少なくとも1辺から、前記陰極が形成されていない領域を少なくとも一部分に有する電極部が突出している、請求項1〜4のいずれか一項に記載の固体電解コンデンサ素子。
  6. 前記弁金属基体から前記電極部が複数突出している、請求項5に記載の固体電解コンデンサ素子。
  7. 弁金属基体の両面及び端面に、絶縁性酸化皮膜を介して固体電解質層及び導電体層を有する陰極が形成されており、前記弁金属基体に貫設された貫通孔を前記固体電解質層を構成する材料よりも抵抗率が低い導電材料で埋めることによって形成された導通路を介して、前記弁金属基体の両面に形成された前記陰極同士が導通している固体電解コンデンサ素子と、
    前記陰極に接続される陰極リードと前記弁金属基体に接続される陽極リードとを有するリード群と
    を備える、固体電解コンデンサ。
  8. 弁金属基体の両面及び端面に、絶縁性酸化皮膜を介して固体電解質層及び導電体層を有する陰極が形成されており、前記弁金属基体に貫設された貫通孔を前記固体電解質層を構成する材料よりも抵抗率が低い導電材料で埋めることによって形成された導通路を介して、前記弁金属基体の両面に形成された前記陰極同士が導通している固体電解コンデンサ素子と、
    一方面に、前記陰極に接続される陰極ランド電極と、前記弁金属基体に接続される陽極ランド電極とが形成された基板と
    を備える、固体電解コンデンサ。
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