JP2005166718A - 半導体レーザ素子及びその製造方法 - Google Patents

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Masayuki Ota
将之 太田
Takahiro Hashimoto
隆宏 橋本
Yoshinori Obitsu
義徳 大櫃
Hiroyuki Tsujii
宏行 辻井
Akifumi Kinei
聡文 喜根井
Noboru Oshima
昇 大島
Shinji Kaneiwa
進治 兼岩
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Abstract

【課題】厚膜電極形成後に発生するリッジ側面の空洞部を減らすことを課題とする。
【解決手段】少なくとも、第1導電型のクラッド層、活性層及び第1の第2導電型クラッド層と、第1の第2導電型クラッド層上に、該層側から順次積層された第2の第2導電型クラッド層及び第2導電型キャップ層からなるリッジと、リッジの頭頂部以外のリッジ側面に形成された誘電体膜と、リッジを覆う電極金属層とからなり、第2の第2導電型クラッド層が、厚み方向に混晶比が変化する層であることを特徴とする半導体レーザ素子により上記課題を解決する。
【選択図】図3

Description

本発明は、半導体レーザ素子及びその製造方法に関する。更に詳しくは、本発明は、CD−R/RW、DVD−R/RW等に使用する高出力半導体レーザ素子及びその製造方法に関する。高出力半導体レーザの構造は、材料費及び工数低減のため、いわゆるエアーリッジ構造に転換しつつある。本発明は、エアーリッジ構造においてリッジ部分の電極金属層の密着性を向上させ、放熱性を改善し、半導体レーザ素子の温度特性を改善することを目的とする。
図1(a)〜(d)は、従来のGaAs/GaAlAs系赤外レーザ素子の製造方法を説明するための概略斜視図である。
まず、図1(a)に示すように、N型GaAs基板(ウェハ)1上にバッファ層(N型GaAs層)2、N型クラッド層(N型GaAlAs層)3、活性層4、第1のP型クラッド層(P型GaAlAs層)5、GaAsエッチングストップ層6、第2のP型クラッド層(P型GaAlAs層)7、P型キャップ層(P型GaAs層)8の順で各層をMOCVDのような気相法により成長させる。
次に、図1(b)に示すように、P型GaAsキャップ層8上にリッジ(電流通路)形成のためのマスク9を設ける。マスクの材料としては、用いるエッチング方法に耐性のあるものが使用される。なお、ドライエッチングによる場合にはリッジを形成するマスクとしては、例えばSiO2膜のようなドライエッチングに耐性のある膜からなるマスクが用いられる。
次に、図1(c)に示すように、ドライエッチング、ウェットエッチング等の手法により、P型キャップ層8の全てと、第2のP型クラッド層7をGaAsエッチングストップ層6の近傍までエッチングして、おおまかなリッジを形成する(このエッチングを、第1のエッチングとする)。なお、このリッジはレーザ発振を行うための電流通路となるものである。
続いて図1(d)に示すように、第2のP型クラッド層7のみエッチング可能で、GaAsはエッチングしないエッチング液であるHFにて第2のP型クラッド層7を更にエッチングする(このエッチングを、第2のエッチングとする)。このエッチングにより、所望のレーザ特性が得られるような幅にリッジを仕上げる。この場合当然のことながら、HFによるエッチングはGaAsエッチングストップ層6で阻止されるため、リッジの幅はHFのエッチング時間に依存する。
次に、図2(a)〜(g)に示す一連の工程にてP側電極を形成する。以下、図2(a)〜(g)を説明する。
まず、リッジ両サイド表面に電流が流れるのを防ぐために、最初に絶縁性を有するおよそ1000Å〜2000Åの厚さの誘電体膜(SiNもしくはSiO2等)10をリッジ全体を含めたウェハ表面に成膜する(図2(a))。なお、誘電体膜10はレーザ発光時NFPを安定させる効果も有する。
次に、レジスト11にてP型キャップ層の頭頂部以外の部分を保護する(図2(b))。
次いで、リッジ内部にのみ電流が流れるようにするために、P型キャップ層8上部の誘電体膜10のみをエッチングにより除去する(図2(c))。このとき、図2(c)に示すようにP型キャップ層8両サイドの誘電体膜10の一部はオーバーエッチングされる。
更に、P型キャップ層8と金の厚膜電極とをオーミック接合するためのAuZnの第1の電極金属層12を形成する(図2(d))。
この後、レジスト11を除去し(図2(e))、Mo/Auからなる第2の電極金属層(バリア/ダイボンド電極)13をメッキ法で形成する(図2(f))。このとき、図2(f)に示すようにP型キャップ層8両サイドは、誘電体膜10上にのみ、第2の電極金属層13が形成される。これは、誘電体膜10と、P型キャップ層8両サイドとの段差近傍(庇の陰になっている部分)では第2の電極金属層13が形成されにくいためである。
次に、メッキにてリッジを含めたウェハ表面に2〜3μm程度の厚さの金の厚膜電極15を形成する(図2(g))。メッキで厚膜電極15を形成するのは、第2の電極金属層13の表面から電流が流れることで、蒸着法よりもカバレッジよく厚膜電極15を成長できるからである。
この後、更にウェハのN基板側(裏面側)を研削し、所望の厚みに仕上げた後、N基板側にN側電極を形成することで、半導体レーザ素子が完成する。
なお、エアーリッジ構造ではないが、上記と類似する方法にて得られる半導体レーザ素子が、特開平11−135884号公報(特許文献1)にも例示されている。
特開平11−135884号公報
従来の技術では、上述した図2(f)に示すとおり、P型キャップ層8が庇8’を有する。この庇8’の下部分14は、第2の電極金属層13の形成時の陰となることで、第2の電極金属層13が、下部分14では他の部分より極端に薄いか、もしくは形成されなくなってしまう。この場合、第2の電極金属層13が薄いかもしくは無い領域上では、電流が流れずメッキによる厚膜電極15が形成されにくいため、図2(g)に示す空洞部16が発生する。
この空洞部は空気層であり、レーザ発振時に発生する熱がこの空洞部により放熱されにくくなり、レーザ素子としての温度特性及び信頼性が悪くなってしまう。
かくして本発明によれば、少なくとも、第1導電型のクラッド層、活性層及び第1の第2導電型クラッド層と、第1の第2導電型クラッド層上に、該層側から順次積層された第2の第2導電型クラッド層及び第2導電型キャップ層からなるリッジと、リッジの頭頂部以外のリッジ側面に形成された誘電体膜と、リッジを覆う電極金属層とからなり、第2の第2導電型クラッド層が、厚み方向に混晶比が変化する層であることを特徴とする半導体レーザ素子が提供される。
更に、本発明によれば、第1導電型のクラッド層上に、活性層、第1の第2導電型クラッド層、厚み方向に混晶比が変化する第2の第2導電型クラッド層と第2導電型キャップ層とを順次成長させる工程、第2導電型キャップ層と第2の第2導電型クラッド層をドライエッチング、次いでHFを含むエッチャントによりウェットエッチングする工程、リッジの頭頂部以外のリッジ側面に誘電体膜を形成する工程、電極金属層でリッジを被覆する工程とを少なくとも含むことを特徴とする半導体レーザ素子の製造方法が提供される。
本発明によれば、従来よりも第2導電型キャップ層からなる庇の幅を小さくすることができるため、厚膜電極形成後に発生していたリッジ側面の空洞部を減らすことができる。これにより、レーザ発振時に発生する熱が放熱されやすくなり、レーザ特性及び信頼性が向上したエアーリッジ構造を有する高出力半導体レーザ素子を得ることができる。
本明細書において、第1導電型はN又はP型を意味する。一方、第2導電型は、第1導電型がN型の場合、P型を、P型の場合、N型を意味する。以下では、第1導電型をN型として説明しているが、P型でもよいことは言うまでもない。
まず、本発明の半導体レーザ素子は、少なくとも第1のP型クラッド層、第2のP型クラッド層及びP型キャップ層からなる。これら各層を構成する材料としては、特に限定されず公知の材料をいずれも使用することができる。例えば、第1及び第2のP型クラッド層とP型キャップ層とを構成する材料の組み合わせとして、GaAlAs/GaAs、InGaAsP/GaAs、InGaP/GaAs、AlGaInP/GaAs、GaAsSb/GaAs等が挙げられる。
特に、本発明では、第2のP型クラッド層が、厚み方向に混晶比が変化する層からなる。例えば、第2のP型クラッド層が、P型キャップ層と異なる元素を少なくとも1つ含み、該異なる元素が、P型キャップ層に接する領域で、P型キャップ層に向かって少なくなるように混晶比が変化することが好ましい。また、混晶比の変化は、連続的であることが好ましく、直線的であることがより好ましい。
具体的には、第2のP型クラッド層が、P型GaAlAs層であり、P型キャップ層が、P型GaAs層である場合、Alが、第2のP型クラッド層の厚み方向の上部1/3以内の領域(より好ましくは、1/7以上及び1/4以内の領域)において、0.1以内の混晶比差で変化するように含まれていることが好ましい。この混晶比差は、0.05以内であることがより好ましい。更に、第2のP型クラッド層は、P型キャップ層に接する部分が、0.38〜0.46の範囲でかつ最低のAlの混晶比を有する層であることが好ましい。より好ましいAlの混晶比は、0.42である。
更に、半導体レーザ素子を構成する各層にN型を付与する不純物としては、Se、Te、Si、Ge、C等が挙げられ、P型を付与する不純物としては、Zn、C等が挙げられる。なお、Cは、条件によりP型及びN型のいずれの不純物としても使用することができる。各層の膜厚及び不純物濃度は、層同士の整合性、所望する半導体レーザの機能等に応じて適宜決定される。
本発明の半導体レーザは、上記のP型クラッド層及びP型キャップ層以外にも、P型クラッド層下に活性層、P型キャップ層上にP型キャップ層中に活性層へ流れる電流を制御するための電流ブロック層、活性層とP型クラッド層の間に光ガイド層、活性層下にN型クラッド層、N型クラッド層下にバッファ層、第1と第2のP型クラッド層間にエッチングストップ層を有していてもよい。これら各層を構成する材料は、第1及び第2のP型クラッド層とP型キャップ層に使用される材料に応じて、適宜選択できる。
エッチングストップ層(例えば、GaAs層)を有することで、エッチング後の第1のP型クラッド層の厚さを正確に制御できる。正確な制御により、レーザ放射角も制御できる。
更に、上記各層は、通常基板上に形成される。基板には、公知の基板をいずれも使用することができ、例えば、GaAs基板、Si基板、ガラス基板、サファイア基板等が挙げられる。基板は、N型又はP型の導電型を有していてもよい。
なお、基板上に形成される上記各層は、MOCVD法、MBE法、LPE法、蒸着法、スパッタ法等の公知の方法により形成することができる。
また、本発明では、第1のP型クラッド層上に積層された第2のP型クラッド層及びP型キャップ層がリッジを形成している。リッジは、共振器長に垂直な方向に所定の幅を有し、かつ共振器長方向に延在している。
リッジの形成方法は、P型キャップ層上にリッジ形成用のマスクを形成し、該マスクを用いてP型キャップ層及び第2のP型クラッド層を順次エッチングし、次いでP型キャップ層を優先的にエッチングする方法が挙げられる。後者のエッチングにより、P型キャップ層による庇を小さくすることができる。前者のエッチング方法は、ウェット法でもドライ法でもよい。後者のエッチング方法は、ウェットエッチング法であることが好ましい。また、エッチングに使用されるエッチャントは、P型キャップ層及び第2のP型クラッド層の材料に応じて適宜選択することができる。特に、後者のエッチング方法が、ウェットエッチングである場合、第2のP型クラッド層は、混晶比が厚み方向に変化しているため、厚み方向でエッチングスピードが異なることとなる。また、混晶比の変化が、連続的や直線的である場合、第2のP型クラッド層のエッチング後の形状も連続的又は直線的になめらかに変化することとなる。特に、直線的な変化とすることで、リッジ横の形状変化が急激過ぎることもなく緩やか過ぎることもない最適な形状が得られ、その結果、電極金属層のまわりこみ改善が可能となる。
更に、第2のP型クラッド層が、P型GaAlAs層であり、P型キャップ層が、P型GaAs層であって、Alが、第2のP型クラッド層の厚み方向の上部1/3以内の領域(より好ましくは、1/7以上及び1/4以内の領域)において、0.1以内の混晶比差で変化するように含まれている場合、第2のP型クラッド層の上部の幅をP型キャップ層の幅に近づけることができる。そのため、P型キャップ層による庇の下部分に形成される空洞を小さくすることができる。なお、Alの混晶比の変化する領域が1/3より大きい場合、活性層に近い部分がレーザ光のニアフィールドパターンに影響を与え、ニアフィールドパターンが不安定となるため好ましくない。
また、混晶比差が、0.05以内であれば、空洞をより小さくできる。更に、第2のP型クラッド層が、P型キャップ層に接する部分において、他の部分に比べて、0.38〜0.46の範囲の最低のAlの混晶比を有する層であることで、空洞をより小さくできる。0.38より低い場合、例えばHFによるウェットエッチングが不安定となり、リッジ側面の形状が乱れることや、HFによるエッチングがほとんど進まなくなるため好ましくない。
Alの低混晶比層はエッチングレートが低いことを利用して、Alの混晶比が、第2のP型クラッド層からP型キャップ層に向かって低減することで、庇形状を以下のように改善できる。
ここで、リッジを構成する第2のP型クラッド層は、下端より上端の幅が広く、前記第2のP型クラッド層の混晶比の変化している領域で、前記幅の広がりが生じていることが好ましい。この構成によりP型キャップ層による庇の下部分に形成される空洞を小さくすることができる。なお、第2のP型クラッド層の上端の幅は、P型キャップ層の下端の幅と同一か又はできるだけ近いことが好ましい。更に、第2のP型クラッド層の上端の幅は、該層の下端の幅の1.1〜1.5倍であることが好ましい。
リッジの頭頂部以外のリッジ側面には、誘電体膜が形成されている。この誘電体膜は、リッジ以外の部分に電流が流れるのを防止する電流狭窄作用を有する。誘電体膜は、特に限定されないが、Si等の半導体膜、SiN、SiO2等のような絶縁性の膜が好ましい。Si膜はAlGaAsクラッド層との密着性が向上する為、レーザ光のNFP及びFFPが安定する。クラッド層SiN膜はSiO2膜に比べると熱膨張係数が大きくGaAlAsの膨張係数に近いためリッジ部分に応力歪が発生しにくくなり、信頼性を向上できる。誘電体膜の厚さは、通常0.1〜0.4μmである。また、誘電体膜の形成方法は、例えば、CVD法、スパッタ法、プラズマCVD法等が挙げられる。プラズマCVD法は、庇部分をカバレッジよく、隙間なく誘電体膜で覆うことができる。
この誘電体膜は、1.4〜2.2の範囲の屈折率と、1000Å〜4000Åの範囲の膜厚とを有することが好ましい。このように特定の範囲の屈折率を誘電体膜が有することで、リッジ内外に屈折率差をつけることができる。その結果、レーザ発光時に光閉じ込め効果が得られる。特に、レーザ発光時のニアフィールドパターンを安定化するのに上記特定の範囲の誘電体膜を使用することが好適である。なお、上記特定の範囲を設定した理由は、光閉じ込め効果を得るためにはより、膜厚が厚い方がよいが、厚すぎると熱伝導が悪くなるためである。
リッジは、電極金属層で覆われている。この電極金属層には、公知の材料からなる層を使用でき、例えば、Al、Cu等の金属層、Mo/Al、Mo/Au、Au/Zn等の積層体が挙げられる。なお、リッジの形状により異なるが、上記誘電体膜や電極金属層で覆われていない領域がリッジ表面に存在していてもよい。電極金属層は、半導体レーザ素子に駆動電流を流す役割と、発光時の発熱を放熱する役割を有する。また。電極金属層をメッキにて積層することで、より厚い金属層を成膜できるので、放熱性が更に改善される。
また、リッジの頭頂部には、P型キャップ層と電極金属層とをオーミック接続するための金属層が積層されていてもよい。金属層の例としては、AuZn、AuBe等が挙げられる。電極金属層及び金属層の形成方法は、例えば、蒸着法、CVD法、スパッタ法等が挙げられる。この内、スパッタ法は、蒸着法に比べてカバレッジを改善できるので、リッジ横部分の電極金属層下の空洞をなくすことができる。
更に、電極金属層で覆われたリッジを含めた全面に厚膜電極が通常形成される。この厚膜電極は、2〜3μm程度の厚さを有し、Au、Mo/Au等からなる。
上記本発明の半導体レーザ素子は、リッジ側面に存在する空洞部の容積を、従来に比べて、約50%以上低減することができる。そのため、空洞部に由来する温度特性や信頼性の低下を抑制できるという効果を奏する。
なお、半導体レーザ素子は、通常、ウェハ上で複数個同時に形成され、上記各構成要素を形成した後、共振器長毎の幅のバーに分割される。この後、両光出射端面に所定の反射率を有する保護膜を成膜し、次いでバーは個別のレーザ素子(チップ)に分割される。
以下実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例により限定されるものではない。
実施例1
実施例1の半導体レーザ素子の製造方法を図3(a)〜図4(b)により説明する。
まず、図3(a)に示すように、N型GaAs基板(ウェハ)1上にバッファ層2、N型クラッド層(N型GaAlAs層)3、活性層4、第1のP型クラッド層(P型GaAlAs層;Alの混晶比0.5)5、GaAsエッチングストップ層6、第2のP型クラッド層(P型GaAlAs層)7、P型キャップ層(P型GaAs層;厚さ0.75μm)8の順で各層をMOCVDのような気相法により成長させる。なお、図では個々の半導体レーザ素子について示しているが、実際にはウェハ単位で製造が行われる。
上記第2のP型クラッド層7は、厚さ0.13μmであり、第1のP型クラッド層5側から1μmの間でAlの混晶比が0.5、残りの部分のAlの混晶比が0.47〜0.42に連続的に変化するように形成されている。
次に、P型キャップ層8上にリッジ(電流通路)形成のためのマスク9を設ける。マスクの材料としては、用いるエッチング方法に耐性のあるものが使用される。なお、ドライエッチングによる場合にはリッジを形成するマスクとしては、例えばSiO2膜のようなドライエッチングに耐性のある膜からなるマスクが用いられる。
次に、図3(b)に示すように、ドライエッチング、ウェットエッチング等の手法により、P型キャップ層8の全てと、第2のP型クラッド層7をGaAsエッチングストップ層6の近傍までエッチングして、おおまかなリッジを形成する(このエッチングを、第1のエッチングとする)。なお、このリッジはレーザ発振を行うための電流通路となるものである。
続いて図3(c)及び(d)に示すように、第2のP型クラッド層7のみエッチング可能で、GaAsはエッチングしないエッチング液であるHFにて第2のP型クラッド層7を更にエッチングする(このエッチングを、第2のエッチングとする)。このエッチングにより、Alの混晶比が低い第2のP型クラッド層7は、エッチングレートが低いため、図3(d)に示す様な形状となる。
次に、リッジ両サイド表面に電流が流れるのを防ぐために、最初に絶縁性を有するおよそ1000Å〜2000Åの厚さの誘電体膜(SiNもしくはSiO2等)10をリッジ全体を含めたウェハ表面に成膜する。次に、レジストにてP型キャップ層8の頭頂部以外の部分を保護する。次いで、リッジ内部にのみ電流が流れるようにするために、P型キャップ層8上部の誘電体膜10のみをエッチングにより除去する。このとき、P型キャップ層8両サイドの誘電体膜10の一部はオーバーエッチングされる。更に、P型キャップ層8と金の厚膜電極とをオーミック接合するためのAuZnの第1の電極金属層12を蒸着で形成する。この後、レジストを除去し、Mo/Auの第2の電極金属層(バリア/ダイボンド電極)13をメッキにより形成する(図4(a))。
本実施例では、庇の部分がなめらかになり、第1の電極金属層が庇下部へも形成されるため、庇下部にもメッキ時に第1の電極金属層表面から電流が流れ、その結果、第2の電極金属層の庇下部への回りこみが改善されている(図4(a))。
次に、メッキにてリッジを含めたウェハ表面に2〜3μm程度の厚さの金の厚膜電極20を形成する(図4(b))。
実施例1によれば、リッジ横の空洞部16の体積が図2(g)に示す従来例に比べて小さくなっている。
実施例2
スパッタにより第2の電極金属層13を積層したこと以外は、実施例1と同様にして、半導体レーザ素子を形成する(5(a)及び(b))。実施例2では、リッジ横の空洞をなくすことができている。
従来の半導体レーザ素子の製造工程を説明するための概略斜視図である。 従来の半導体レーザ素子の製造工程を説明するための概略斜視図である。 本発明の半導体レーザ素子の製造工程を説明するための概略斜視図である。 本発明の半導体レーザ素子の製造工程を説明するための概略斜視図である。 本発明の半導体レーザ素子の製造工程を説明するための概略斜視図である。
符号の説明
1 N型GaAs基板
2 バッファ層
3 N型クラッド層
4 活性層
5 第1のP型クラッド層
6 GaAsエッチングストップ層
7 第2のP型クラッド層
8 P型キャップ層
8’ 庇
9 マスク
10 誘電体膜
11 レジスト
12 第1の電極金属層
13 第2の電極金属層
14 庇の下部分
15、20 厚膜電極
16 空洞部

Claims (15)

  1. 少なくとも、第1導電型のクラッド層、活性層及び第1の第2導電型クラッド層と、第1の第2導電型クラッド層上に、該層側から順次積層された第2の第2導電型クラッド層及び第2導電型キャップ層からなるリッジと、リッジの頭頂部以外のリッジ側面に形成された誘電体膜と、リッジを覆う電極金属層とからなり、第2の第2導電型クラッド層が、厚み方向に混晶比が変化する層であることを特徴とする半導体レーザ素子。
  2. 前記第2の第2導電型クラッド層が、前記第2導電型キャップ層と異なる元素を少なくとも1つ含み、該異なる元素が、第2導電型キャップ層に接する領域で、第2導電型キャップ層に向かって少なくなる請求項1に記載の半導体レーザ素子。
  3. 前記第2の第2導電型クラッド層が、P型GaAlAs層であり、第2導電型キャップ層が、P型GaAs層である請求項1又は2に記載の半導体レーザ素子。
  4. Alが、第2の第2導電型クラッド層の厚み方向の上部1/3以内の領域において、0.1以内の混晶比差で変化するように含まれている請求項3に記載の半導体レーザ素子。
  5. 前記第2の第2導電型クラッド層は、前記第2導電型キャップ層に接する部分が、0.38〜0.46の範囲でかつ最低のAlの混晶比を有する層である請求項3又は4に記載の半導体レーザ素子。
  6. 前記第2の第2導電型クラッド層の混晶比が、連続的に変化する請求項1〜5のいずれ1つに記載の半導体レーザ素子。
  7. 前記混晶比が、前記第2の第2導電型クラッド層の膜厚方向に対して直線的に変化する請求項6に記載の半導体レーザ素子。
  8. 前記第2の第2導電型クラッド層は、下端より上端の幅が広く、前記第2の第2導電型クラッド層の混晶比の変化している領域で、前記幅の広がりが生じている請求項1〜7のいずれか1つに記載の半導体レーザ素子。
  9. 前記第1の第2導電型クラッド層と前記第2の第2導電型クラッド層との間にエッチングストップ層が位置する請求項1〜8のいずれか1つに記載の半導体レーザ素子。
  10. 前記エッチングストップ層が、GaAs層である請求項9に記載の半導体レーザ素子。
  11. 誘電体膜が、1.4〜2.2の範囲の屈折率と、1000Å〜3000Åの範囲の膜厚とを有する請求項1〜10のいずれか1つに記載の半導体レーザ素子。
  12. 誘電体膜が、SiO2又はSiNからなる膜である請求項11に記載の半導体レーザ素子。
  13. 第1導電型のクラッド層上に、活性層、第1の第2導電型クラッド層、厚み方向に混晶比が変化する第2の第2導電型クラッド層と第2導電型キャップ層とを順次成長させる工程、第2導電型キャップ層と第2の第2導電型クラッド層をドライエッチング、次いでHFを含むエッチャントによりウェットエッチングする工程、リッジの頭頂部以外のリッジ側面に誘電体膜を形成する工程、電極金属層でリッジを被覆する工程とを少なくとも含むことを特徴とする半導体レーザ素子の製造方法。
  14. 前記誘電体膜が、プラズマCVD法で形成される請求項13に記載の半導体レーザ素子の製造方法
  15. 前記電極金属層は、スパッタ法又はメッキ法により少なくとも1部が形成されている請求項13又は14に記載の半導体レーザ素子の製造方法。
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