JP2005166350A - フラットパネルディスプレイ用透明電極、透明導電膜形成用塗布液および透明電極の形成方法 - Google Patents

フラットパネルディスプレイ用透明電極、透明導電膜形成用塗布液および透明電極の形成方法 Download PDF

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浩史 山口
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Daisuke Shibuta
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Abstract

【課題】低温焼成で所定の物性を有する透明電極、この透明電極の形成に使用される透明導電膜形成用塗布液および透明電極の形成方法、
【解決手段】インジウムと錫とを必須成分とするITO複合酸化物を350〜800℃で焼成して結晶粒界を成長させたITO超微粒子粉末を有機溶媒に溶解してなる塗布液。透明基板上にITO超微粒子粉末から成る透明導電膜を形成し、その上にオーバーコート膜を形成し、この2層構造の透明導電性膜を300℃以下で焼成してなるFPD用透明電極およびその形成方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、液晶表示素子や有機EL、無機EL、プラズマディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ(FPD)の画素電極に使用される透明導電性膜である透明電極およびその形成方法、ならびにこの透明電極を形成するための透明導電膜形成用塗布液に関するものである。
従来より、透明導電膜は、液晶表示素子、タッチパネル、電磁波シールド材、赤外線反射膜等の分野で広く使用されている。この透明導電膜としては、錫をドープした酸化インジウム膜(ITO膜)が、優れた透明性と電気特性から最も広く使用されている。このITO膜は、蒸着法やスパッタ法、塗布法により形成されている。
ITO透明導電膜を例えば液晶表示装置に使用する場合、この導電膜は、例えば図1に示す画素電極として用いられる。この画素電極に要求される透明導電膜の仕様は、塗膜の導電性能が3,000Ω/□以下、膜の可視光透過率が90%以上、基板が有機素材である場合は、塗膜形成時の焼成温度が300℃以下である。
上記ITO透明導電膜形成方法のうち、乾式法の成膜法である蒸着法およびスパッタ法は、気相中で目的物質を基板に堆積させて膜を成長させるものである。これらの方法では、成膜時に真空容器を使用するため、装置が大がかりで高価なうえ原料の使用効率が悪くて生産性が低いという問題点はある。しかし、低抵抗の透明導電膜を300℃以下の低温で形成することができるという利点があるので、例えば液晶表示装置で透明導電膜を形成するためには、有用な成膜技術である。
また、塗布法によるITO透明導電膜形成方法は、スピンコート法、スプレー法、ディップコート法等により被処理基板に目的物質を塗布し、これを焼成することで膜を形成するものである。この方法の場合、装置が簡単で生産性に優れ、大面積の成膜が容易であるという利点はある。しかし、フラットパネルディスプレイ用の透明導電膜として使用可能な特性を得るには、高温での焼成処理が必要であり、他の部材の耐熱性の問題から利用されてこなかったのが現状である。
よって、液晶表示装置の分野では、スパッタ法が、これらの要求性能を満たすITO透明導電膜の形成方法として現行の主流の手法となっている。このスパッタ法を用いる場合、液晶表示装置用ITO透明導電膜は次のようにして形成される。
例えば、図1に示すように、ガラス等からなる透明絶縁性基板1上に、スパッタ法等によりCr、Al、Cu、Mo、Taの何れかを成膜し、フォトリソグラフィ法によりゲート電極2を形成する。次いで、プラズマCVD法等により酸化シリコンや窒化シリコン等からなるゲート絶縁膜3を全面を覆って形成する。その後、ゲート電極2に対応してゲート絶縁膜3上に分離独立してアモルファスシリコン(以下、a−Siと称す。)からなる膜4である動作層を形成し、このa−Si膜上に不純物をドープした低抵抗アモルファスシリコン(以下、na−Siと称す。)からなる膜5であるソース/ドレイン電極コンタクト層を形成する。このようにして順次成膜されたa−Si膜4、na−Si膜5を、フォトリソグラフィ法によりパターニングする。
その後、スパッタ法等により、上記ソース電極コンタクト層およびドレイン電極コンタクト層のそれぞれにコンタクトするソース電極およびドレイン電極を、Cr、Al、Cu、Mo、Taの何れかを成膜することにより形成し、フォトリソグラフィ法により、ソース電極6、ドレイン電極7およびチャンネル部8を形成して薄膜トランジスタ(TFT)を形成する。
さらに、TFTによる段差部を無くし、表面が平坦化されるように、感光性のアクリル系透明樹脂等をスピンコート法等により塗布・焼成して層間絶縁膜9である平坦化膜を形成した後、フォトリソグラフィ法にてドレイン電極7の表面の一部が露出するようにコンタクトホール部10を形成する。
最後に、スパッタ法を用い、基板表面温度を所定温度(例えば、200℃)に設定して酸化インジウムと酸化スズからなるITO透明導電膜を所定の膜厚(例えば、1000Å)に成膜し、所定の温度(例えば、230℃)に一定時間(例えば、60分)保持して熱処理を行う。次いで、フォトリソグラフィ法によりパターニングして画素電極11を形成し、液晶表示装置TFTアレイ基板を得る。画素電極11はコンタクトホール部10のコンタクト面で、ドレイン電極7と電気的に接続されている。
従来技術では、以上のようにして液晶表示装置用薄膜トランジスタを製造し、これと対向基板とを組み合わせ、両基板で液晶材料を挟持して液晶表示装置を得ている。
従来、200℃程度の低温で導電性能を確保した塗膜を形成する手法として、例えば、インジウムの有機酸化合物および有機錫化合物を溶解した有機溶媒を使用した技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この場合、200℃程度の焼成温度で、密着性能に優れた塗膜が得られるが、焼成温度が200℃程度という低温で得られた透明導電膜の導電性能はシート抵抗値として4,600Ω/□以上であり、画素電極として必要な3,000Ω/□以下の導電性能を確保した塗膜を得ることができないという問題がある。また、この導電膜の透過率も90%未満であり、画素電極として使用可能な透明性に劣るという問題もある。
また、焼成法により表面抵抗値が10Ω/□〜10,000Ω/□を発現する技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。この場合、10%H−N還元性ガス雰囲気などの特殊な環境で、しかも450℃という高温の焼成で22Ω/□という低抵抗が発現しているが、焼成温度が300℃以下では3,000Ω/□以下の導電性能を有した塗膜は得られていないという問題がある。
特開2001−2954号公報(特許請求の範囲、4頁4欄、5頁表1) 特開平8−102227号公報(4頁5欄9−10行、9頁16欄45−46行、10頁表1)
液晶表示装置用途において現行の主流の透明導電膜形成方法となっているスパッタ法には、上記したように、装置が大がかりで高価なうえ原料の使用効率が悪くて生産性が低いという問題点がある。そのため、装置が簡単で生産性に優れ、大面積の成膜が容易であるという塗布法の利点を活かすべく、塗布法によるITO透明導電膜形成方法について種々の提案がなされている。
しかし、塗布法の場合、所望の導電性能を確保するためには、焼成時に400℃から500℃の高温処理を必要とするので、耐熱性能が無い液晶表示装置用途には使用できないという問題点がある。
本発明の課題は、以上のような従来技術の問題点を解消することにあり、広範な種類の基板を使用することができると共に、300℃程度以下の低温での焼成でも所望の物性を有する透明導電性膜である透明電極および透明電極形成方法、ならびにこの透明電極を形成するために用いる透明導電膜形成用塗布液を提供することにある。
上記したように、液晶表示装置等の画素電極として使用可能なITO透明導電性膜には、形成された膜の導電性能が3,000Ω/□以下であること、その膜の可視光透過率が90%以上であること、さらに、膜形成時の焼成温度が300℃以下であることが必要である。
本発明者らは、これらの要求性能を達成するには、要求導電性能を発現する十分な大きさの結晶粒界を確保したITO透明導電薄膜を作製すればよいとの発想から、従来技術の問題点の解決を図るべく、鋭意、研究開発を行ってきた。その結果、所望の導電性能を確保するためには、特定のITO超微粒子粉末、すなわち、インジウムと錫とより形成されるITO複合酸化物の超微粒子粉末として、350℃以上、望ましくは500℃〜800℃で焼成して十分に結晶粒界を成長させたITO超微粒子粉末を用い、そしてITOを成膜後にアルコキシシラン加水分解物を含有した液でオーバーコート膜を成膜することにより、従来技術の問題点の解決が図れるという新たな知見を得、本発明を完成させるに至った。
本発明の透明電極は、フラットパネルディスプレイの画素電極に使用される透明電極であって、透明基板上に形成されたITO超微粒子粉末から成る透明導電膜と、その上に形成されたオーバーコート膜との2層構造の膜を300℃以下で焼成してなる透明導電性膜であることを特徴とする。
上記透明導電性膜は、表面抵抗値が3,000Ω/□以下、可視光透過率が90%以上の特性を有するものであることを特徴とし、その基板への密着性能も十分確保されている。
上記オーバーコート膜はアルコキシシランの加水分解物を含有するオーバーコート膜形成用塗布液により形成されものであることを特徴とする。
本発明の透明導電膜形成用塗布液は、インジウムと錫とを必須成分とするITO複合酸化物を350〜800℃で焼成して結晶粒界を成長させたITO超微粒子粉末を有機溶媒に分散してなることを特徴とする。
一般に、ITO材料の製造時の焼成温度が高いほど、高い導電性が発現されることが知られている。高温になるにつれて結晶粒界が十分に成長し、粒子自体の結晶性も向上することから高い導電性が得られると推察される。本発明の透明導電膜形成用塗布液に用いられる超微粒子粉末は、ITO複合酸化物を350〜800℃で焼成して結晶粒界を成長させたITO超微粒子粉末である。350℃未満だと、粒子径は小さくなるが、十分な結晶化が行われず、また、800℃を超えると粒子の成長が著しくなり、粒径が大きくなりすぎ、粒子の分散が困難になる。
上記有機溶媒としては、アルコール類、ケトン類、炭化水素類、アミド類、アルキルエーテル類、またはスルホキシド類が挙げられる。
本発明の透明電極形成方法は、上記透明導電膜形成用塗布液を透明基板上に塗布して成膜した後、上記オーバーコート膜形成用塗布液を塗布して成膜し、次いで200〜300℃で焼成して透明導電性膜を得ることを特徴とする。300℃を超えると、例えば、液晶表示装置用薄膜トランジスタを製造する際に、層間絶縁膜が熱分解されて、熱分解生成物が生じたり、熱分解により層間絶縁膜に変色が生じて透過率の低下を招く等の問題が生じる。また、200℃未満だと透明導電膜の所望の導電性能が発揮できない。得られた透明導電性膜の表面抵抗値、可視光透過率の特性は上記の通りである。
上記塗布は、ディップ法、印刷法、スプレー法、スピンコート法またはインクジェット法により行われることが好ましい。
本発明で用いる透明基板は、ガラスまたは合成樹脂からなる基板であることが好ましい。
本発明の透明電極は、2層構造の膜を300℃以下という低温で焼成してなる透明導電性膜であり、所望の表面抵抗性および可視光透過率を発現することができるので、フラットパネルディスプレイ用の透明電極として使用することができるという効果を奏する。
本発明の透明導電膜形成用塗布液によれば種々の用途に対応できる広範な濃度範囲で容易に調製することができる。
本発明の透明電極形成方法によれば、上記塗布液を用いるので、スプレー法、スピンコート法またはインクジェット法等により塗布でき、200〜300℃の低温での焼成で表面抵抗値が3,000Ω/□以下、可視光透過率が90%以上の物性を有する透明導電性膜を形成できる。
以下、添付図面を参照しながら、本発明を実施するための形態についてさらに詳細に説明する。
最初に、本発明の透明導電膜形成用塗布液および透明導電性膜である透明電極の形成方法について説明する。
本発明の透明導電膜形成用塗布液は、以下述べるように、必須成分としてインジウムと錫とから形成されるITO複合酸化物の超微粒子粉末を以下述べる有機溶媒中に溶解したものである。
本発明の塗布液中に配合されるインジウムと錫とから形成される複合酸化物のITO超微粒子粉末は、例えば、以下のようにして調製される。
塩化インジウム、硝酸インジウム、硫酸インジウム、酢酸インジウム、シュウ酸インジウム等のインジウム塩の水溶液と、塩化錫、硝酸錫、硫酸錫、酢酸錫、シュウ酸錫等の錫塩の水溶液とからなる混合水溶液を所定の温度に保持し、この混合水溶液と所定温度に保持されたアンモニウム化合物やアルカリ金属化合物等のアルカリ水溶液とを混合し、所定のpHで所定時間共沈反応を行い、水酸化物を沈殿させる。この時の錫の添加量は、インジウムと錫との元素含有比率で100:1〜10:1となるような量であればよい。その後、所望により沈殿物をイオン交換水により繰返し傾斜洗浄し、上澄み液の電気伝導度が所定の値以下になった時点で、沈殿したインジウム、錫の共沈水酸化物を濾別する。次いで、この共沈水酸化物ケーキを大気中で350〜800℃、好ましくは500〜800℃の温度で焼成処理し、ITO超微粒子粉末を調製する。焼成後の粒子は凝集しているので、粉砕してその凝集粒子をほぐすことが好ましい。
上記共沈反応において、反応温度は一般に25〜70℃であり、反応時間は反応温度に依存するが、一般に30〜120分間であり、反応終了時のpHは5〜11である。
かくして得られたITO超微粒子粉末を塗布液にする際には、超微粒子粉末以外の成分を溶解することのできる(あるいは、液体成分については、これと相溶性を有する)任意の有機溶媒を使用できる。
使用可能な有機溶媒の例には、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、4−ヒドロキシ−4メチル−2ペンタノン等のケトン類、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素類、N, N−ジメチルホルムアミド、N, N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類、メチルカルビトール、ブチルカルビトールなどのアルキルエーテル類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類などが挙げられ、使用する成分に応じて、それら成分を溶解するように1種もしくは2種以上の溶媒を選択する。
本発明で用いられるオーバーコート膜形成用塗布液は、アルコキシシランを酸触媒、水の存在下で有機溶媒中で加水分解および縮合させることによって得られる。
アルコキシシランの具体例としては、テトラメトキシシラン(メチルシリケート)、テトラエトキシシラン(エチルシリケート)、テトラプロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリエトキシシランなどが挙げられる。
また、一般にシランカップリング剤と呼ばれる官能基を有するアルコキシシラン類も使用でき、このアルコキシシラン類と上記アルコキシシランとの任意の組成での混合でも使用できる。そのような化合物の例としては、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどが挙げられる。
酸触媒の種類は特に限定されず、塩酸、硝酸などの無機酸、酢酸などの有機酸いずれもが使用できる。
アルコキシシランの加水分解に使用する有機溶剤は、好ましくはメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ヘキサノールなどのアルコール類であるが、アルコキシシランを溶解しうる他の有機溶媒(ケトン類、炭化水素類、アミド類、スルホキシド類など)も、アルコ−ルとの混合溶媒として、あるいは単独で使用できる。
また、反応は20℃〜80℃で行い、アルコキシル基が実質的に完全に遊離するまで加水分解を続けても良いが、一部のアルコキシル基がまだ結合したままであってもよい。
本発明の透明導電性膜である透明電極の形成方法によれば、まず、上記のようにして調製した透明導電膜形成用塗布液を、無アルカリガラス等のガラスや、ポリイミド、ポリアクリレート、ポリアリールスルホン、ポリアリーレンスルフィド等の透明な合成樹脂等からなる透明絶縁性基板上に、スプレー法やスピンコート法やインクジェット法等の公知の塗布方法により、焼成後の膜厚が所定の厚さになるように塗布して成膜し、ついで上記の方法で作製したオーバーコート膜形成用塗布液をスプレー法やスピンコート法やインクジェット法等の公知の塗布方法により、焼成後の膜厚が所定の厚さになるように塗布して成膜する。その後、好ましくは大気中で所定の温度(300℃以下)で所定の時間焼成し、2層構造の透明導電性膜を得る。かくして得られた透明導電性膜の表面抵抗値は3,000Ω/□以下であり、膜の正味の可視光透過率は90%以上であり、膜の基板に対する密着性能も十分確保されている。
以下、実施例および比較例により本発明の透明導電膜形成用塗布液、透明導電性膜である透明電極の形成方法についてさらに詳細に説明する。
透明導電膜形成用塗布液およびオーバーコート膜形成用塗布液の調製法の一例を下記に示す。
まず、透明導電膜形成用塗布液を次の条件により調製した。
InCl水溶液(InClとして217.00g含有)590.0gと、SnCl水溶液(SnClとして2.605g含有)3.157gとを混合し、温度25℃に保持した。このとき、Snの添加量はIn、Snの総モル数に対して0.5モル%であった。次いで、この混合水溶液を温度25℃に保持した6.25%のNHaq1リットル中に滴下し、最終pHが9となるように混合し、40分間共沈反応させた。その後、沈殿物をイオン交換水により繰返し傾斜洗浄を行った。次に、上澄み液の電気伝導度が0.5mS/cm以下になったところで、沈殿したIn、Snの共沈水酸化物を濾別した。更に、この共沈水酸化物ケーキを500℃で2時間焼成し、導電性ITO超微粒子凝集体を得た。この導電性ITO超微粒子凝集体を粉砕してほぐすことにより、導電性ITO超微粒子粉末を得た。
かくして得られた導電性ITO超微粒子粉末を、ITO微粒子濃度30重量%になるように先に述べた有機溶媒1種もしくは2種以上の混合液(例えば、エタノールとブチルカルビトールとを1:1で混合した液)中で凝集をほぐすことにより透明導電膜形成用塗布液を調製した(透明導電膜形成用塗布液1)。
次に、オーバーコート用塗布液の調製法の一例を下記に示す。
500mlの4つ口フラスコに水冷コンデンサー、攪拌プロペラ、およびマントルヒーターを取り付け、SiO換算で10重量%となるようテトラエトキシシラン、イオン交換水、酸触媒(硝酸)、溶媒(エタノール)を加え、200rpmの攪拌下、60℃で1時間反応させてシリカゾルを合成した。
このシリカゾルに先に述べた有機溶媒1種もしくは2種以上の混合液(イソプロパノールとブチルカルビトールとを1:1で混合した液)を添加し、オーバーコート膜形成用塗布液を調製した(オーバーコート液1)。
本実施例で用いた透明導電膜形成用塗布液中の有機溶媒や、オーバーコート用塗布液中の酸触媒、有機溶媒の替わりに上記した別の溶媒や酸触媒を用いても、同様に所望の塗布液が得られる。
実施例1で示したオーバーコート膜形成用塗布液の調製法のテトラエトキシシランに加えてγ−アミノプロピルトリメトキシシランをSiO換算で1.0重量%加えて、実施例1と同様の操作でオーバーコート膜形成用塗布液を調製した(オーバーコート液2)。
実施例1で示したオーバーコート膜形成用塗布液の調製法のテトラエトキシシランに加えてビニルトリエトキシシランをSiO換算で1.0重量%加えて、実施例1と同様の操作でオーバーコート膜形成用塗布液を調製した(オーバーコート液3)。
上記実施例1〜3で調製した透明導電膜形成用塗布液およびオーバーコート膜形成用塗布液を用いた成膜実験の結果について説明する。
成膜方法は、洗浄した無アルカリガラス基板上に、スピンコート法により、焼成後の膜厚が約500nmになるような条件で透明導電膜形成用塗布液を塗布し、60℃程度のヒーターに投入し、一分から数分保持した。その後、スピンコート法によりオーバーコート層の膜厚が約100nm、約200nm、約300nmになる条件でオーバーコート膜形成用塗布液を塗布し、大気中で、200℃、250℃、300℃の各温度条件で30分間熱処理して透明電極となる2層構造の透明導電性膜を得た。得られた導電性膜の物性を評価した。導電性膜の評価のうち、導電性能は四探針法(ロレスターEP MCP-T360)により、可視光透過率は分光光度計(日立製作所 U-3500)により評価した。評価結果を表1に示す。
Figure 2005166350
表1から明らかなように、本発明の透明導電膜形成用塗布液およびオーバーコート膜形成用塗布液を用いた場合は、ITO粉末のみの場合と比較して、導電性能の大幅な向上が確認できた(表面抵抗値3,000Ω/□以下)。また、波長550nmでの透過率も90%以上であり、透過率も問題ないことが確認できた。この透明導電性膜の膜厚を走査型電子顕微鏡像により評価したところ、約500nmであった。なお、図2に、表1に示した焼成温度と導電性能(表面抵抗値)との関係を比較例と共にプロットして示す。
このことから、本発明の透明導電膜形成用塗布液およびオーバーコート膜形成用塗布液を用いれば、導電性、透過率も十分確保された透明導電性膜である透明電極が得られていることが分かる。
本発明の透明導電膜形成用塗布液およびオーバーコート膜形成用塗布液を用いて形成された透明導電性膜は、液晶表示素子や有機EL、無機EL、プラズマディスプレイ等のフラットパネルディスプレイで画素電極として使用される透明電極に適用可能である。
画素電極を設けた薄膜トランジスタの構造を説明するための模式的断面図。 本発明の方法に従って得られた導電性薄膜についての、焼成温度と導電性能との関係を比較例と共に示すグラフ。
符号の説明
1 基板 2 ゲート電極
3 ゲート絶縁膜 4 a−Si膜
5 n+a−Si膜 6 ソース電極
7 ドレイン電極 8 チャンネル部
9 層間絶縁膜(平坦化膜) 10 コンタクトホール部
11 画素電極

Claims (8)

  1. フラットパネルディスプレイの画素電極に使用される透明電極であって、透明基板上に形成されたITO超微粒子粉末から成る透明導電膜と、その上に形成されたオーバーコート膜との2層構造の膜を300℃以下で焼成し、表面抵抗値が3,000Ω/□以下、可視光透過率が90%以上の特性を有するものであることを特徴とする透明電極。
  2. 前記オーバーコート膜がアルコキシシランの加水分解物を含有するオーバーコート膜形成用塗布液により形成されものであることを特徴とする請求項1記載の透明電極。
  3. インジウムと錫とを必須成分とするITO複合酸化物を350〜800℃で焼成して結晶粒界を成長させたITO超微粒子粉末を有機溶媒に分散させてなることを特徴とするフラットパネルディスプレイの画素透明電極形成に使用される透明導電膜形成用塗布液。
  4. 前記有機溶媒が、メタノール、エタノール、イソプロパノール、およびブタノールから選ばれたアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、および4−ヒドロキシ−4メチル−2ペンタノンから選ばれたケトン類、トルエン、キシレン、ヘキサン、およびシクロヘキサンから選ばれた炭化水素類、N, N−ジメチルホルムアミド、およびN, N−ジメチルアセトアミドから選ばれたアミド類、メチルカルビトール、およびブチルカルビトールから選ばれたアルキルエーテル類、またはジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類であることを特徴とする請求項3記載の透明導電膜形成用塗布液。
  5. 請求項3または4記載の透明導電膜形成用塗布液を透明基板上に塗布した後、請求項2記載のオーバーコート膜形成用塗布液を塗布し、次いで200〜300℃で焼成してフラットパネルディスプレイの画素電極に使用される透明電極を形成することを特徴とする透明電極の形成方法。
  6. 前記透明電極が、表面抵抗値が3,000Ω/□以下、可視光透過率が90%以上の特性を有するものであることを特徴とする請求項5記載の透明電極の形成方法。
  7. 前記塗布が、ディップ法、印刷法、スプレー法、スピンコート法またはインクジェット法により行われることを特徴とする請求項5または6記載の透明電極の形成方法。
  8. 前記透明基板が、ガラスまたは合成樹脂からなる基板であることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の透明電極の形成方法。
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