JP2005166328A - リチウムイオン蓄電池及び該製造方法 - Google Patents

リチウムイオン蓄電池及び該製造方法 Download PDF

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哲久 酒井
Kensuke Hironaka
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Abstract

【課題】大電流の充放電特性に優れるリチウムイオン蓄電池を提供する。
【解決手段】マンガン酸リチウムと導電剤とPVDFとを粉末状態で混合し、混練溶剤のNMPを添加して粘性率0.05〜1ポアズの正極合剤塗料を調製した。負極活物質の炭素材と導電助剤とPVDFとを粉末状態で混合し、NMPを添加して粘性率0.05〜1ポアズの負極合剤塗料を調製した。先端部に多数の細孔を形成した略円筒状のノズルが装着されたスプレーを用いて正極合剤塗料及び負極合剤塗料をそれぞれアルミニウム箔及び銅箔に吹き付けた。吹き付けにより初めて正極合剤層及び負極合剤層の厚さを5μm以下かつ略均等とすることができ、活物質と集電体との距離が短くなるため、内部抵抗が低減する。
【選択図】なし

Description

本発明はリチウムイオン蓄電池及び該製造方法に係り、特に、集電体に活物質とバインダとを含有する活物質合剤が塗着された正負極を有するリチウムイオン蓄電池及び該製造方法に関する。
従来、ニッケル水素蓄電池やリチウムイオン蓄電池等の繰り返し充放電可能な蓄電池は、ノート型コンピュータや携帯電話等の携帯端末機の駆動用電源として普及している。リチウムイオン蓄電池では有機電解液が用いられるので、電池電圧が3V以上と高く、水溶液電解液が用いられるニッケル水素蓄電池の電池電圧1.2Vに対して約3倍であり、容量当りのエネルギー密度が高い。また、ニッケル水素蓄電池では負極に水素吸蔵合金が用いられるのに対して、リチウムイオン蓄電池では炭素材が用いられるので、軽量であり、重量当りのエネルギー密度も高い。従って、近年では始どの携帯端末機にリチウムイオン蓄電池が用いられている。
また、今後成長が見込まれる蓄電池の用途として電気自動車用の電源が挙げられる。近年、大気汚染の問題に対応し、排出ガスを抑制する手段のひとつとして電気自動車の普及が期待されている。電気自動車用の電源としては燃料電池が挙げられるが、性能面やコスト面での課題が残されており、現段階での実用化は難しい。このため、蓄電池の開発が進められ、既にニッケル水素蓄電池を使用したハイブリッド型電気自動車は量産化されている。ところが、上述したようにニッケル水素蓄電池よりリチウムイオン蓄電池の方が重量エネルギー密度や容量エネルギー密度に優れるので、リチウムイオン蓄電池を用いた電気自動車の開発が望まれている。
電気自動車用の電池では、大電流の充放電が繰り返されるため、できる限り内部抵抗を低減して電池性能を向上させると共に、電池の低コスト化が進められている。また、リチウムイオン蓄電池の電極は、活物質、導電剤、バインダ、溶剤を混練分散させて得られる合剤塗料を集電体に塗布乾燥させることにより製造されている。合剤塗料の塗布にはコーティング法、すなわち合剤塗料を集電体に直接的にコーティングする方法、又は、ローラ上に一旦コーティングした後、集電体に転写して間接的にコーティングする方法が用いられている。例えば、間接的にコーティングする方法を用いることで、正極活物質合剤の層の厚さを30〜150μmとしたリチウムイオン電池が開示されている(特許文献1参照)。
特開2001−210383号公報
しかしながら、活物質合剤層の厚さが厚くなると、活物質と集電体との間隔が大きくなり内部抵抗が大きくなるので、大電流での充放電特性の向上は期待できない。従って、内部抵抗を低減するためには活物質合剤層の厚さを薄くすることが重要となる。しかし、従来のコーティング法では、合剤塗料中の溶剤量を少なくして粘性率を高く(例えば、10ポアズ程度)すると、流動性が低いために合剤層の表面に線状のスジを引いたり、合剤塗料の一部が凝集したいわゆるダマが発生して、薄く均一な塗布が困難となる。逆に、合剤塗料中の溶剤量を多くして粘性率を低く(例えば、0.1ポアズ程度)すると、活物質合剤層の厚さは薄くなるものの、流動性が高く合剤塗料が流れるので、均一な塗布ができなくなり、乾燥により多量の溶剤が除去されるため、活物質合剤の密度が低下する。
本発明は上記事案に鑑み、大電流の充放電特性に優れるリチウムイオン蓄電池及び該製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様は、集電体に活物質とバインダとを含有する活物質合剤が塗着された正負極を有するリチウムイオン蓄電池において、少なくとも前記正負極の一方が、前記活物質とバインダと溶剤とを含む合剤塗料が前記集電体に前記活物質合剤の層の厚さが所定厚さ以下で略均等に吹き付けられて作製されたものであることを特徴とする。
第1の態様では、少なくとも正負極の一方が、活物質とバインダと溶剤とを含む合剤塗料が集電体に吹き付けられて作製されるので、吹き付けにより所定厚さ以下かつ略均等な活物質合剤層が形成され活物質と集電体との距離が短くなるため、内部抵抗が低減し大電流の充放電特性に優れたリチウムイオン蓄電池を実現することができる。第1の態様において、合剤塗料が吹き付けられることから、活物質合剤の層の厚さを集電体の片面当たり5μm以下とすることが可能となる。
また、本発明の第2の態様は、集電体に活物質とバインダとを含有する活物質合剤が塗着された正負極を用いたリチウムイオン蓄電池の製造方法において、前記活物質とバインダと溶剤とを含む合剤塗料を調製し、前記集電体に前記合剤塗料を前記活物質合剤の層の厚さが所定厚さ以下で略均等に吹き付けて少なくとも前記正負極の一方を作製することを特徴とする。第2の態様において、活物質合剤の層の厚さを集電体の片面当たり5μm以下としてもよい。
本発明によれば、少なくとも正負極の一方が、活物質とバインダと溶剤とを含む合剤塗料が集電体に吹き付けられて作製されるので、吹き付けにより所定厚さ以下かつ略均等な活物質合剤層が形成され活物質と集電体との距離が短くなるため、内部抵抗が低減し大電流の充放電特性に優れたリチウムイオン蓄電池を実現することができる、という効果を得ることができる。
以下、本発明を適用した円筒型リチウムイオン蓄電池の実施の形態について説明する。
(合剤塗料の調製)
予め正極活物質のマンガン酸リチウムと導電剤の炭素材とバインダのポリビニリデンフルオライド(PVDF)とを粉末状態で混合した。その後、混練溶剤としてN−メチルピロリドン(NMP)を所定量添加し、1時間混練して正極合剤塗料を調製した。正極合剤塗料の粘性率が1ポアズを超えると、後述するスプレーに正極合剤塗料が詰まってしまい吹き付けができなくなり、逆に、粘性率が0.05ポアズ未満では、吹き付けは可能となるが、粘性が低すぎるために吹き付けた正極合剤塗料が流れ出てしまうので、NMPの添加量を調整して粘性率を0.05〜1ポアズの範囲とした。
予め負極活物質の炭素材と導電助剤とPVDFとを粉末状態で混合し、その後、正極合剤塗料の調製と同様にして、粘性率を0.05〜1ポアズの範囲とした負極合剤塗料を調製した。
(吹き付け)
調製した正極合剤塗料の吹き付けには、正極合剤塗料を噴霧可能なスプレー(噴霧装置)を用いた。スプレーには先端部に多数の細孔を形成した略円筒状のノズルが装着されている。ノズル先端部の細孔から正極合剤塗料を噴霧して正極集電体のアルミニウム箔の両面にほぼ均等に吹き付けた。このとき、正極合剤層の厚さがアルミニウム箔の片面当たり5μm以下となるように正極合剤塗料の噴霧量を調整した。その後、乾燥させ溶剤のNMPを除去してアルミニウム箔の両面に正極合剤層を形成した正極Aを得た。
一方、調製した負極合剤塗料を、正極合剤塗料の吹き付けと同様にして負極合剤層の厚さが銅箔の片面当たり5μm以下となるように負極集電体の銅箔に吹き付け、乾燥させて銅箔の両面に負極合剤層を形成した負極Aを得た。
(電池組立)
正極A及び負極Aを、ポリエチレン製で厚さ40μmのセパレータを介して捲回した電極群を作製した。電池缶に電極群を挿入し電解液を注液した後、密閉して電池容量1Ahの円筒型リチウムイオン蓄電池Aを作製した。
次に、本実施形態に従って作製したリチウムイオン蓄電池Aの実施例について説明する。なお、比較のために作製した比較例についても併記する。
(実施例)
実施例では、正極合剤塗料の粘性率を0.1ポアズに調整してアルミニウム箔に吹き付けた。正極合剤層の厚さは、アルミニウム箔の片面当たり5μmとした。また、負極合剤塗料の粘性率を0.1ポアズに調整して銅箔に吹き付けた。負極合剤層の厚さは、銅箔の片面当たり5μmとした。
(比較例)
比較例では、正極合剤塗料は粘性率を1ポアズとする以外は実施例と同様にして調製し、コーティング法によりアルミニウム箔の両面にほぼ均等に塗布し乾燥させることで正極Bを作製した。負極合剤塗料についても粘性率を1ポアズとする以外は実施例と同様に調製し、コーティング法により銅箔の両面にほぼ均等に塗布し乾燥させることで負極Bを作製した。正極B及び負極Bを用いて実施例と同様にしてリチウムイオン蓄電池Bを作製した。正極合剤層及び負極合剤層の厚さは、最も薄いものでも、集電体の片面当たり20μmの正負極しか得ることができなかった。
(電池特性)
実施例及び比較例のリチウムイオン蓄電池について、以下の条件で充放電試験を行い、放電特性を測定した。まず、1A、4.2V定電流−定電圧充電により電池を満充電状態にした後、5Aの定電流で放電したときの放電電圧の変化を時系で測定した。放電終止電圧は2.7Vとした。
図1に示すように、比較例のリチウムイオン蓄電池Bでは、電池容量1Ahに対して5Aの定電流(大電流)で放電したときの放電電圧は、放電初期から低下しており、11分間程度で放電終止電圧に達した。これに対して、実施例のリチウムイオン蓄電池では、電圧低下が低減しており、放電終止電圧に達するまで12分間を超えることが判明した。
正極合剤層及び負極合剤層の厚さが集電体の片面当たり20μm程度を超えると、活物質と集電体との距離が大きくなるため、充放電に伴う電子移動を抑制し内部抵抗が増大するので、充放電特性、特に大電流の充放電特性が低下する。従来のコーティング法では、合剤塗料の粘性率を小さくすることで合剤層の厚さを薄くすることはできるが、合剤塗料が流れるため、厚さのバラツキを生じる。従って、コーティング法では合剤層の厚さを薄くかつ均等に形成することができないので、内部抵抗の増大を招く。本実施形態では、正極合剤塗料及び負極合剤塗料がスプレーにより集電体に吹き付けられる。吹き付けることで初めて、正極合剤層及び負極合剤層の厚さを集電体片面当たり5μm以下かつ略均等とすることができる。これにより、活物質と集電体との距離が短くなるため、内部抵抗が低減し大電流の充放電特性に優れたリチウムイオン蓄電池を実現することができる。このようなリチウムイオン蓄電池は、大電流の充放電が繰り返されるハイブリッド型(電気)自動車用の電源として好適に使用可能である。
また、本実施形態では、正極合剤層及び負極合剤層の厚さが集電体の片面当たり5μm以下とされるので、電極群の捲回数を増加させることができる。このため、電池容積当たりの正負極面積が増大するので、容量エネルギー密度の向上を図ることができる。
なお、本実施形態では、ノズル先端部の多数の細孔から正極合剤塗料、負極合剤塗料を噴霧して集電体に吹き付ける例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、合剤塗料を一つの細孔から流出させ、合剤塗料が流出する方向と交差する方向から圧縮ガスを吹き付けることで、合剤塗料を噴霧するようにしてもよい。
また、本実施形態では、正極合剤層及び負極合剤層の厚さを集電体の片面当たり5μm以下とする例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。電池性能や電池の用途等により厚さを決定すればよく、例えば、1μm以上5μm以下としてもよい。また、本実施形態では、正極及び負極の両者についてスプレーにより合剤塗料を吹き付けて作製する例を示したが、本発明はこれに制限されるものではなく、少なくとも正負極の一方について合剤塗料を吹き付けて作製すれば、本発明の効果を得ることができる。
更に、本実施形態では、正極活物質にマンガン酸リチウム、負極活物質に炭素材、導電剤に炭素材、バインダにPVDF、混練溶剤にNMP、をそれぞれ例示したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、従来公知のいずれのものも使用することができる。活物質や導電剤は、作製する合剤層の厚さより小さい粒子径とすることはいうまでもない。また、本実施形態では、ポリエチレン製セパレータを例示したが、本発明はセパレータの材質にも制限されるものではなく、例えば、ポリプロピレン製等のポリオレフィン製としてもよい。
本発明に係るリチウムイオン蓄電池によれば、活物質合剤層が吹き付けにより所定厚さ以下かつ略均等に形成されたものであり大電流の充放電特性に優れるため、製造、販売に寄与し、産業上利用可能である。
本発明を適用した実施形態のリチウムイオン蓄電池を満充電後放電したときの放電時間に対する放電電圧の変化を示すグラフである。

Claims (4)

  1. 集電体に活物質とバインダとを含有する活物質合剤が塗着された正負極を有するリチウムイオン蓄電池において、少なくとも前記正負極の一方が、前記活物質とバインダと溶剤とを含む合剤塗料が前記集電体に前記活物質合剤の層の厚さが所定厚さ以下で略均等に吹き付けられて作製されたものであることを特徴とするリチウムイオン蓄電池。
  2. 前記活物質合剤の層の厚さが前記集電体の片面当たり5μm以下であることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン蓄電池。
  3. 集電体に活物質とバインダとを含有する活物質合剤が塗着された正負極を用いたリチウムイオン蓄電池の製造方法において、前記活物質とバインダと溶剤とを含む合剤塗料を調製し、前記集電体に前記合剤塗料を前記活物質合剤の層の厚さが所定厚さ以下で略均等に吹き付けて少なくとも前記正負極の一方を作製することを特徴とする製造方法。
  4. 前記活物質合剤の層の厚さが前記集電体の片面当たり5μm以下であることを特徴とする請求項3に記載の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007012441A (ja) * 2005-06-30 2007-01-18 Sanyo Electric Co Ltd 非水電解質電池及びその製造方法

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