JP2005166093A - 磁気テープカートリッジおよび磁気テープドライブ - Google Patents
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Abstract
【課題】 両面記録が可能な磁気テープを用いても、磁気テープドライブの装置設計が複雑化しない1リール型の磁気テープカートリッジおよびこれを用いてデータの記録/再生を行う磁気テープドライブを提供する。
【解決手段】 両面記録が可能な磁気テープBMTの引出口4は、カートリッジケース3の側壁を構成する側板のうち、側板3eと側板3fとの間に位置する角部3gにおいて、上ハーフ3aおよび下ハーフ3bに跨って形成されている。そのため、引出口4は、磁気テープカートリッジ1を、磁気テープドライブのスピンドルに、カートリッジケース3の表裏いずれの面から装着しても、磁気テープドライブ内において同じ箇所に位置するようになる。これにより、磁気テープカートリッジ1をスピンドルに表裏いずれの面から装着しても、同じ引出機構により磁気テープBMTを引き出すことができる。
【選択図】 図1
【解決手段】 両面記録が可能な磁気テープBMTの引出口4は、カートリッジケース3の側壁を構成する側板のうち、側板3eと側板3fとの間に位置する角部3gにおいて、上ハーフ3aおよび下ハーフ3bに跨って形成されている。そのため、引出口4は、磁気テープカートリッジ1を、磁気テープドライブのスピンドルに、カートリッジケース3の表裏いずれの面から装着しても、磁気テープドライブ内において同じ箇所に位置するようになる。これにより、磁気テープカートリッジ1をスピンドルに表裏いずれの面から装着しても、同じ引出機構により磁気テープBMTを引き出すことができる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、両面記録が可能な磁気テープを備えた1リール型の磁気テープカートリッジおよびこれを用いてデータの記録/再生を行う磁気テープドライブに関する。
一般に、コンピュータ等において大容量のデータをバックアップする外部記録媒体用の磁気テープカートリッジには、磁気テープが巻回された単一のカートリッジリールがカートリッジケースの内部に回転可能に収容された1リール型の磁気テープカートリッジが用いられる。
前記した磁気テープカートリッジを用いて、データの記録/再生を行う磁気テープドライブの動作については、例えば特許文献1に記載されている。 図7は従来の磁気テープドライブの構成図である。図7に示すように、磁気テープドライブ30は、磁気テープカートリッジ31が装着されるスピンドル32と、磁気テープカートリッジ31から引き出された磁気テープMTが転接し、磁気テープMTのテープ進行方向を略90°変えるガイドローラ33,35と、磁気テープMTが転接し、磁気テープMTに対してデータの記録/再生を行う磁気ヘッド34と、スピンドル32と同方向に回転し、磁気テープMTを巻き取る装置リール36とを備えている。
スピンドル32に装着される磁気テープカートリッジ31は、その内部に図示しないカートリッジリールに巻回された磁気テープMTを有し、この磁気テープMTの先端にはリーダブロック37が取り付けられている。このリーダブロック37は、磁気テープカートリッジ31の不使用時においては、磁気テープカートリッジ31に設けられた引出口38に装着されている。また、装置リール36はハブ36aを備え、このハブ36aには、リーダブロック37が嵌合するリーダブロック嵌合溝36bが設けられている。このリーダブロック嵌合溝36bには、嵌合したリーダブロック37に係合し、リーダブロック37のリーダブロック嵌合溝36bからの飛出しを防止する係合機構(図示せず)が設けられている。
次に、磁気テープドライブ30の動作を説明する。まず、磁気テープカートリッジ31がスピンドル32に装着されると、図示しない引出アームが、磁気テープカートリッジ31の引出口38に装着されたリーダブロック37を引き出して、ガイドローラ33、磁気ヘッド34、ガイドローラ35を介して装置リール36まで移送し、リーダブロック37を装置リール36のハブ36aに設けられたリーダブロック嵌合溝36bへ嵌合させる。
そして、スピンドル32および装置リール36が同方向に回転することにより、磁気テープカートリッジ31から引き出された磁気テープMTが、装置リール36のハブ36aに巻き取られ、または、装置リール36のハブ36aに巻き取られた磁気テープMTが磁気テープカートリッジ31に巻き戻される。この際、磁気ヘッド34によって、磁気テープMTに対してデータの記録/再生が行われる。
他方、コンピュータ等で処理されるデータ容量の増大化に伴い、磁気テープにはより一層の高密度記録化が期待されている。
例えば、磁気テープを構成するベースフィルムの表裏両面に磁性層を設ける等によって得られる両面記録が可能な磁気テープ(以下、単に「両面磁気テープ」という)は、片面にのみ記録が可能な磁気テープに比べ、記録密度を向上させることができるため、実用化が期待されている。
特開平7−78388号公報(段落0003〜0008、図6)
例えば、磁気テープを構成するベースフィルムの表裏両面に磁性層を設ける等によって得られる両面記録が可能な磁気テープ(以下、単に「両面磁気テープ」という)は、片面にのみ記録が可能な磁気テープに比べ、記録密度を向上させることができるため、実用化が期待されている。
しかし、前記した両面磁気テープの両面にデータを記録し、またはこの両面磁気テープの両面に記録されたデータを再生するためには、磁気ヘッドを2つ設けるか、磁気テープカートリッジを表裏反転させて、データの記録/再生を行う必要がある。いずれにしても磁気テープの引出機構、磁気ヘッドの配置等の磁気テープドライブの装置設計が複雑化する。
そこで、本発明では、両面磁気テープを用いても、磁気テープドライブの装置設計が複雑化しない1リール型の磁気テープカートリッジおよびこれを用いてデータの記録/再生を行う磁気テープドライブを提供することを課題とする。
前記課題を解決した本発明のうちの請求項1に記載された発明は、両面磁気テープが巻回された単一のカートリッジリールと、このカートリッジリールが回転可能に収容されたカートリッジケースとを備え、かつ、前記両面磁気テープに対し、データの記録/再生を行う磁気テープドライブに設けられたスピンドルに、前記カートリッジケースの表裏いずれの面からも装着可能な構造を有する1リール型の磁気テープカートリッジであって、前記カートリッジケースは、その側壁部分に前記両面磁気テープの引出口を備え、前記引出口は、前記磁気テープカートリッジを前記スピンドルに表裏いずれの面から装着しても、前記磁気テープドライブ内において同じ箇所に位置するように形成されていることを特徴とする。
請求項1に記載の磁気テープカートリッジでは、カートリッジケースの側壁部分に両面磁気テープの引出口を備えており、この引出口は、磁気テープカートリッジを磁気テープドライブのスピンドルに表裏いずれの面から装着しても、磁気テープドライブ内において同じ箇所に位置するように形成されている。そのため、この磁気テープカートリッジに備えた両面磁気テープに対し、データの記録/再生を行う際に、磁気テープカートリッジをスピンドルに表裏いずれの面から装着しても、同じ引出機構により両面磁気テープを引き出すことができる。なお、「同じ箇所に位置するように」とは、引出口が、磁気テープドライブ内において、同じ引出機構により両面磁気テープを引き出すことができる箇所に位置していればよく、必ずしも正確な位置精度を要求するものではない。
また、請求項2に記載された発明は、請求項1に記載の磁気テープカートリッジにおいて、前記両面磁気テープまたはそのリーダテープは、その先端にリーダブロックが取り付けられ、このリーダブロックは、前記磁気テープカートリッジが前記スピンドルに表裏いずれの面から装着されても、前記磁気テープドライブに備えたテープ引出部材に連結可能であり、かつ不使用時において前記引出口を閉塞するようにして装着されていることを特徴とする。
請求項2に記載の磁気テープカートリッジでは、この磁気テープカートリッジに備えた両面磁気テープまたはそのリーダテープの先端にリーダブロックが取り付けられ、このリーダブロックは、磁気テープカートリッジがスピンドルに表裏いずれの面から装着されても、磁気テープドライブに備えたテープ引出部材に連結可能である。これにより、磁気テープカートリッジがスピンドルに表裏いずれの面から装着されても、同じテープ引出部材を用いてリーダブロックに連結させ、同じ引出機構により両面磁気テープを引き出すことができる。また、不使用時において引出口を閉塞するようにして装着されているため、磁気テープカートリッジ内への塵埃の侵入を防ぐスライドドア等を別途設ける必要がなくなる。
また、請求項3に記載された発明は、請求項1または請求項2に記載の磁気テープカートリッジにおいて、前記引出口の縁部の内側近傍に、搬送される前記両面磁気テープに転接するガイドローラが設けられていることを特徴とする。
請求項3に記載の磁気テープカートリッジでは、引出口の縁部の内側近傍に、搬送される両面磁気テープに転接するガイドローラが設けられている。これにより、両面磁気テープが引出口の縁部と摺接することによる両面磁気テープの損傷を防ぐことができる。
また、請求項4に記載された発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の磁気テープカートリッジにおいて、前記カートリッジケースの表裏面の少なくとも一方に、表裏面の識別が可能な識別部が設けられていることを特徴とする。
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の磁気テープカートリッジに備えた両面磁気テープの両面にデータを記録し、またはこの両面磁気テープの両面に記録されたデータを再生する際、使用する磁気テープドライブに磁気ヘッドが1つしか設けられていない場合は、磁気テープカートリッジを表裏反転させて、データの記録/再生を行う。この際、磁気テープドライブに設けられたスピンドルの回転方向は、このスピンドルに磁気テープカートリッジを表裏いずれの面から装着したかにより異なる。ここで、請求項4に記載の磁気テープカートリッジでは、カートリッジケースの表裏面の少なくとも一方に、表裏面の識別が可能な識別部が設けられている。これにより、磁気テープドライブ側に識別部を検出する検出手段を設けていれば、この検出手段により識別部を検出し、その検出結果から磁気テープドライブのスピンドルの回転方向を決定することができる。
また、請求項5に記載された発明は、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載された磁気テープカートリッジのカートリッジケースに収容された両面磁気テープに対し、データの記録/再生を行う磁気テープドライブであって、前記磁気テープカートリッジが装着されるスピンドルと、このスピンドルに、前記磁気テープカートリッジが表裏いずれの面から装着されても、前記両面磁気テープまたはそのリーダテープの先端に連結可能なテープ引出部材とを備えたことを特徴とする。
請求項5に記載の磁気テープドライブでは、磁気テープカートリッジが装着されるスピンドルと、このスピンドルに、磁気テープカートリッジが表裏いずれの面から装着されても、前記両面磁気テープまたはそのリーダテープの先端に連結可能なテープ引出部材とを備えている。これにより、スピンドルに、磁気テープカートリッジが表裏いずれの面から装着されても、同じテープ引出部材を用いて両面磁気テープまたはそのリーダテープの先端に連結させ、同じ引出機構により両面磁気テープを引き出すことができる。
また、請求項6に記載された発明は、請求項4に記載された磁気テープカートリッジのカートリッジケースに収容された磁気テープに対し、データの記録/再生を行う磁気テープドライブであって、前記磁気テープカートリッジが装着されるスピンドルと、このスピンドルに、前記磁気テープカートリッジが表裏いずれの面から装着されても、前記磁気テープまたはそのリーダテープの先端に連結可能なテープ引出部材と、前記磁気テープカートリッジが前記スピンドルに装着されたときに、前記カートリッジケースに設けられた表裏面の識別が可能な識別部を検出する検出手段と、この検出手段の検出結果を基に、前記スピンドルの回転方向を切り替える切替手段とを備えたことを特徴とする。
請求項6に記載の磁気テープドライブでは、請求項4に記載の磁気テープカートリッジがスピンドルに装着されたときに、磁気テープカートリッジのカートリッジケースに設けられた表裏面の識別が可能な識別部を検出する検出手段と、この検出手段の検出結果を基に、スピンドルの回転方向を切り替える切替手段とを備えている。これにより、磁気テープドライブ側で、装着された磁気テープカートリッジの識別部を検出し、その検出結果に応じてスピンドルの回転方向を自動的に切り替えることができるので、スピンドルの回転方向の切替作業を別途行う必要がなくなる。
このような磁気テープカートリッジおよび磁気テープドライブによれば、磁気テープカートリッジを磁気テープドライブのスピンドルに、カートリッジケースの表裏いずれの面から装着しても、同じ引出機構により両面磁気テープを引き出すことができるため、磁気テープドライブの装置設計を複雑化させずに、両面磁気テープの両面にデータを記録し、またはこの両面磁気テープの両面に記録されたデータを再生することができる。
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら説明する。まず、本発明に係る磁気テープカートリッジについて説明する。参照する図1は、本発明に係る磁気テープカートリッジの分解斜視図であり、図2は、本発明に係る磁気テープカートリッジに備えた両面磁気テープの引出口の拡大斜視図であり、図3は、図1のA−A線断面図を図1の矢印B方向から見たリーダブロックの拡大断面斜視図であり、図4(a),(b)は、本発明に係る磁気テープカートリッジに備えたリーダブロックを引出アームにより引き出す手順を説明する図である。
図1に示すように、磁気テープカートリッジ1は、両面磁気テープBMTが巻回されたカートリッジリール2と、このカートリッジリール2を収容するカートリッジケース3とを備えている。また、カートリッジケース3は上ハーフ3aと下ハーフ3bとに分割構成されており、組み立てた状態において、底面がホームベース形状の略五角柱となるように形成されている。
カートリッジリール2の内周面2aには、後記する磁気テープドライブ20のスピンドル23(図5参照)と係合させるための凸部2bが6箇所設けられている。そして、上ハーフ3aおよび下ハーフ3bのそれぞれには、スピンドル23を挿入するための挿入口3cおよび挿入口3dが設けられている。これにより、磁気テープカートリッジ1のスピンドル23への装着は、上ハーフ3a側の面(以下、「表面」という)および下ハーフ3b側の面(以下、「裏面」という)の双方から可能となる。
両面磁気テープBMTの引出口4は、カートリッジケース3の側壁を構成する側板のうち、側板3eと側板3fとの間、即ち、カートリッジケース3の回転対称軸(C2対称軸)X上に位置する角部3gにおいて、上ハーフ3aおよび下ハーフ3bに跨って形成されている。これにより、引出口4は、磁気テープカートリッジ1を、磁気テープドライブ20のスピンドル23(図5参照)に、カートリッジケース3の表裏いずれの面から装着しても、磁気テープドライブ20内において同じ箇所に位置するようになる。
引出口4の縁部4aの内側近傍には、搬送される両面磁気テープBMTに転接するガイドローラ5が設けられている。これにより、両面磁気テープBMTが引出口4の縁部4aと摺接することによる両面磁気テープBMTの損傷を防ぐことができる。
また、上ハーフ3aの天板部3hの外面(表面)のコーナー部3iには、磁気テープカートリッジ1の表裏面の識別が可能な識別部として、反射面6が形成されている。この反射面6は、後記する磁気テープドライブ20に設けられた光学センサ28(図5参照)から照射される光を反射するため、その反射光を光学センサ28が受光することにより、磁気テープドライブ20側で磁気テープカートリッジ1の表裏面の識別が可能となる。なお、本実施形態では、表面にのみ識別部(反射面6)を設けているが、本発明はこれに限定されず、表裏両面に相違なる識別部を設けてもよい。また、本実施形態では、識別部として反射面6を用いたが、本発明はこれに限定されず、例えば、表面にのみ識別部として突起部を設け、この突起部を検出する検出手段を磁気テープドライブ20側に設けて、磁気テープカートリッジ1の表裏面の識別を行うようにしてもよい。
また、上ハーフ3aの天板部3hの外面(表面)のコーナー部3iには、磁気テープカートリッジ1の表裏面の識別が可能な識別部として、反射面6が形成されている。この反射面6は、後記する磁気テープドライブ20に設けられた光学センサ28(図5参照)から照射される光を反射するため、その反射光を光学センサ28が受光することにより、磁気テープドライブ20側で磁気テープカートリッジ1の表裏面の識別が可能となる。なお、本実施形態では、表面にのみ識別部(反射面6)を設けているが、本発明はこれに限定されず、表裏両面に相違なる識別部を設けてもよい。また、本実施形態では、識別部として反射面6を用いたが、本発明はこれに限定されず、例えば、表面にのみ識別部として突起部を設け、この突起部を検出する検出手段を磁気テープドライブ20側に設けて、磁気テープカートリッジ1の表裏面の識別を行うようにしてもよい。
引出口4から引き出される両面磁気テープBMTの先端部には、リーダピン10がクリップ11の嵌着により固定されている。そして、このリーダピン10には、リーダブロック12が、そのフック部12a,12aにより取り付けられている。このようにして、両面磁気テープBMTの先端には、リーダピン10を介してリーダブロック12が取り付けられている。
また、リーダピン10の両端には、クリップ11の径より一回り大きい径を有するヘッド部10a(図1においては1つのみ図示)が設けられており、リーダブロック12はこの2つのヘッド部10aの間で、両面磁気テープBMTの幅方向への移動が規制されている。なお、本実施形態では、両面磁気テープBMTの先端部に、リーダピン10を介してリーダブロック12を取り付ける構成としたが、両面磁気テープBMTの先端部にリーダテープを接続している場合は、このリーダテープにリーダブロック12を取り付ける構成としてもよい。もしくは、リーダブロック12を用いずに、両面磁気テープBMTまたはそのリーダテープの先端にリーダピン10を取り付けるだけでもよい。この場合は、引出口4を開閉するスライドドアを別途設けるとよい。
また、リーダピン10の両端には、クリップ11の径より一回り大きい径を有するヘッド部10a(図1においては1つのみ図示)が設けられており、リーダブロック12はこの2つのヘッド部10aの間で、両面磁気テープBMTの幅方向への移動が規制されている。なお、本実施形態では、両面磁気テープBMTの先端部に、リーダピン10を介してリーダブロック12を取り付ける構成としたが、両面磁気テープBMTの先端部にリーダテープを接続している場合は、このリーダテープにリーダブロック12を取り付ける構成としてもよい。もしくは、リーダブロック12を用いずに、両面磁気テープBMTまたはそのリーダテープの先端にリーダピン10を取り付けるだけでもよい。この場合は、引出口4を開閉するスライドドアを別途設けるとよい。
また、図2に示すように、下ハーフ3bの底板部3jの内面(図中上面)には、リーダブロック12を引出口4から出し入れ自在に保持するリーダブロック格納部3kが形成されている。このリーダブロック格納部3kは、引出口4から奥に向かって先細り山形の平面形状に形成されており、その奥部にはリーダピン10のヘッド部10aの外周面を係止する円弧状の係止面3lが形成されている。なお、図1に示すように、上ハーフ3aの天板部3hの内面にも同様のリーダブロック格納部3kが形成されている。
また、図2に示すように、カートリッジケース3の側板3e,3fと下ハーフ3bの底板部3jとの間にはスリット3m,3nが設けられ、さらに上ハーフ3aの天板部3h(図1参照)との間にも同様にスリット3o,3p(図1参照)が設けられている。そして、側板3e,3fの引出口4側の端部3q,3rが、リーダブロック12の脱着方向に弾性変形可能となっている。これにより、磁気テープカートリッジ1の不使用時においては、この端部3q,3rがリーダブロック12に設けられた凹部12b,12bと係合することにより、リーダブロック12が引出口4を閉塞するようにして装着され、磁気テープカートリッジ1内への塵埃の侵入を防ぐことができる。そして、使用時において、後記する引出アーム21(図4参照)によりリーダブロック12の脱着を行う際は、端部3q,3rが弾性変形することにより、リーダブロック12をスムーズに脱着させることができる。
一方、図1に示すように、リーダブロック12には、引出アーム21の先端に取り付けられた係止ピン22(図4参照)が挿入される挿入口12cが設けられている。この挿入口12cの奥には、係止ピン22と係合する係止ピン係合孔12dが設けられている。この係止ピン係合孔12dは、図3に示すように、係止ピン22の軸22a(図4参照)と係合する円筒状の軸係合孔12eと、軸係合孔12eの図中上端に連なり、係止ピン22のフランジ22b(図4参照)と係合する円筒状のフランジ係合孔12fと、軸係合孔12eの図中下端に連なり、係止ピン22のフランジ22b(図4参照)と係合する円筒状のフランジ係合孔12gとからなる。そして、フランジ係合孔12fとフランジ係合孔12gとは、軸係合孔12eの図中上下に反転対称となるように形成されている。また、軸係合孔12eの径は、挿入口12c(図1参照)の開口幅と略同じ大きさに形成されており、フランジ係合孔12f,12gの径は、軸係合孔12eの径より一回り大きく形成されている。これにより、フランジ係合孔12f,12gの軸係合孔12eに連なる開口の周縁部は、それぞれ係止ピン22のフランジ22bと当接するドーナツ形状の当接面12h,12iとなっている。
このように形成された係止ピン係合孔12dを有するリーダブロック12を、引出アーム21により引き出す場合は、まず、図4(a)に示すように、引出アーム21の先端に取り付けられた係止ピン22を挿入口12cから挿入し、係止ピン22の軸22aを軸係合孔12eに嵌入する。続いて、引出アーム21を図4(a)の矢印C方向へスライドさせて、図4(b)に示すように、係止ピン22のフランジ22bをフランジ係合孔12gの当接面12iに当接させる。これにより、係止ピン22は挿入口12cからの抜け出しが規制される。このようにして、両面磁気テープBMTの先端に、リーダピン10、リーダブロック12および係止ピン22を介して引出アーム21が連結される。続いて、引出アーム21を図4(b)の矢印D方向にスライドさせることによりリーダブロック12が引き出される。
また、フランジ係合孔12f(図3参照)とフランジ係合孔12g(図3参照)とは、軸係合孔12eの図3中上下に反転対称となるように形成されているため、磁気テープカートリッジ1(図1参照)を、磁気テープドライブ20のスピンドル23(図5参照)に、カートリッジケース3(図1参照)の表裏いずれの面から装着しても、係止ピン22と係止ピン係合孔12dとが係合することにより、引出アーム21と両面磁気テープBMTとが連結可能となる。なお、前記した一連の引出アーム21の動作は、図示しない引出アーム駆動装置により行われる。また、引出アーム21と係止ピン22とが特許請求の範囲にいう「テープ引出部材」に相当する。
次に、本発明に係る磁気テープドライブであって、磁気テープカートリッジ1に備えた両面磁気テープBMTに対し、データの記録/再生を行う磁気テープドライブ20について、適宜図面を参照しながら説明する。参照する図5は、磁気テープドライブ20の概略構成図で、このうち(a)は、磁気テープカートリッジ1が、磁気テープドライブ20に設けられたスピンドル23に磁気テープカートリッジ1の裏面側から装着された状態を示し、(b)は、磁気テープカートリッジ1が、スピンドル23に磁気テープカートリッジ1の表面側から装着された状態を示す。なお、以下の説明において、磁気テープカートリッジ1をスピンドル23に装着する際に、磁気テープカートリッジ1がスピンドル23に向き合う側を「内側」、その反対側を「外側」と表現する。
図5に示すように、磁気テープドライブ20は、スピンドル23、磁気ヘッドH、装置リール24、スピンドル駆動装置25、装置リール駆動装置26、制御装置27、光学センサ28を備えている。また、図5には図示していないが、磁気テープドライブ20は、前記した引出アーム21、係止ピン22および引出アーム駆動機構からなる両面磁気テープBMTの引出機構も備えている。
スピンドル23の外周面には、カートリッジリール2の凸部2b(図1参照)に対応する凹部23aが6箇所設けられているため、この凹部23aとカートリッジリール2の凸部2b(図1参照)とが係合可能となっている。
また、スピンドル駆動装置25は、スピンドル23を回転駆動させる装置であり、装置リール駆動装置26は、装置リール24を回転駆動させる装置である。そして、両面磁気テープBMTに対し、データの記録/再生を行う際は、スピンドル駆動装置25と装置リール駆動装置26とが、スピンドル23と装置リール24とを回転駆動させることによって、両面磁気テープBMTを搬送する。
また、スピンドル駆動装置25は、スピンドル23を回転駆動させる装置であり、装置リール駆動装置26は、装置リール24を回転駆動させる装置である。そして、両面磁気テープBMTに対し、データの記録/再生を行う際は、スピンドル駆動装置25と装置リール駆動装置26とが、スピンドル23と装置リール24とを回転駆動させることによって、両面磁気テープBMTを搬送する。
光学センサ28は、磁気テープカートリッジ1がスピンドル23に装着されたときに、磁気テープカートリッジ1の外側に面する位置に設置され、磁気テープカートリッジ1の表面が外側になるように装着された場合には、表面のコーナー部3i[図5(a)]、即ち反射面6に光を照射し、磁気テープカートリッジ1の裏面が外側になるように装着された場合には、裏面のコーナー部3s[図5(b)]に光を照射する。そして、光学センサ28が反射光を受光し検出した場合は、検出信号が制御装置27に送信される。即ち、図5(a)に示すように、反射面6が設けられている磁気テープカートリッジ1の表面が外側になるように磁気テープカートリッジ1が装着された場合は、反射面6からの反射光を光学センサ28が受光し、その検出信号が制御装置27に送信される。一方、図5(b)に示すように、反射面6が設けられていない磁気テープカートリッジ1の裏面が外側になるように磁気テープカートリッジ1が装着された場合は、光学センサ28が光を照射しても反射光を受光しないため、検出信号が制御装置27に送信されない。これにより、制御装置27は、光学センサ28が光を照射した際に、光学センサ28からの検出信号の有無により、磁気テープカートリッジ1の外側面が、磁気テープカートリッジ1の表裏いずれの面かを判断することができる。そして、その判断結果に応じた操作信号がスピンドル駆動装置25に送信され、このスピンドル駆動装置25により、スピンドル23が制御装置27の判断結果に応じた方向に回転する。なお、光学センサ28は特許請求の範囲にいう「検出手段」に相当し、スピンドル駆動装置25および制御装置27は特許請求の範囲にいう「切替手段」に相当する。
次に、以上のように構成された磁気テープドライブ20の動作について、図5(a),(b)を参照して説明する。
まず、図5(a)を参照して、磁気テープカートリッジ1が、磁気テープドライブ20に設けられたスピンドル23に、磁気テープカートリッジ1の表面が外側になるように装着された場合について説明する。磁気テープカートリッジ1が、図5(a)のようにスピンドル23に装着されると、引出アーム21(図4参照)が、前記したようにリーダブロック12を引き出して、磁気ヘッドHを介して装置リール24まで移送し、リーダブロック12を装置リール24のハブ24aに設けられたリーダブロック嵌合溝24bへ嵌合させる。なお、リーダブロック嵌合溝24bには、嵌合したリーダブロック12に係合し、リーダブロック12のリーダブロック嵌合溝24bからの飛出しを防止する係合機構(図示せず)が設けられている。
続いて、光学センサ28が光を照射し、反射面6からの反射光を受光する。そして、光学センサ28から検出信号が制御装置27に送信される。この検出信号を受信した制御装置27は、磁気テープカートリッジ1の外側面が、磁気テープカートリッジ1の表面であると判断し、スピンドル駆動装置25に、スピンドル23を図中矢印E方向に回転駆動させる操作信号を送信する。これと同時に制御装置27は、装置リール駆動装置26に、装置リール24を図中矢印F方向に回転駆動させる操作信号を送信する。そして、スピンドル駆動装置25がスピンドル23を図中矢印E方向に回転駆動させ、装置リール駆動装置26が装置リール24を図中矢印F方向に回転駆動させることによって、両面磁気テープBMTが搬送される。この際、磁気ヘッドHによって、両面磁気テープBMTの外巻面BMToに対してデータの記録/再生が行われる。ここで、引出口4の縁部4aの内側近傍には、搬送される両面磁気テープBMTに転接するガイドローラ5が設けられているため、両面磁気テープBMTが引出口4の縁部4aと摺接することによる両面磁気テープBMTの損傷を防ぐことができる。なお、装置リール24からカートリッジリール2へ両面磁気テープBMTを巻き戻す場合は、逆に、スピンドル駆動装置25によりスピンドル23を図中矢印F方向に回転駆動させ、装置リール駆動装置26により装置リール24を図中矢印E方向に回転駆動させればよい。また、この巻き戻しの際に、両面磁気テープBMTの外巻面BMToに対してデータの記録/再生を行うこともできる。
次に、図5(b)を参照して、磁気テープカートリッジ1が、磁気テープドライブ20に設けられたスピンドル23に、磁気テープカートリッジ1の裏面が外側になるように装着された場合について説明する。磁気テープカートリッジ1の引出口4は、カートリッジケース3の回転対称軸X(図1参照)上に形成されているため、図5(b)のようにスピンドル23に装着された状態では、磁気テープドライブ20内において、図5(a)に示す場合と同じ箇所Pに位置するようになる。これにより、図5(a)に示す場合と同じ引出機構によって、リーダブロック12をリーダブロック嵌合溝24bへ嵌合させることができる。
図5(a)の場合と同様に、磁気テープカートリッジ1がスピンドル23に装着されると、引出アーム21(図4参照)がリーダブロック12をリーダブロック嵌合溝24bへ嵌合させる。そして、光学センサ28が光を照射するが、磁気テープカートリッジ1の裏面には反射面6が設けられていないため、検出信号が制御装置27に送信されない。よって、制御装置27は、磁気テープカートリッジ1の外側面が、磁気テープカートリッジ1の裏面であると判断し、スピンドル駆動装置25に、スピンドル23を図中矢印F方向に回転駆動させる操作信号を送信する。これと同時に制御装置27は、装置リール駆動装置26に、装置リール24を図中矢印F方向に回転駆動させる操作信号を送信する。そして、スピンドル駆動装置25がスピンドル23を図中矢印F方向に回転駆動させ、装置リール駆動装置26が装置リール24を図中矢印F方向に回転駆動させることによって、両面磁気テープBMTが搬送される。この際、磁気ヘッドHによって、両面磁気テープBMTの内巻面BMTiに対してデータの記録/再生が行われる。なお、装置リール24からカートリッジリール2へ両面磁気テープBMTを巻き戻す場合は、逆に、スピンドル駆動装置25によりスピンドル23を図中E方向に回転駆動させ、装置リール駆動装置26により装置リール24を図中E方向に回転駆動させればよい。また、この巻き戻しの際に、両面磁気テープBMTの内巻面BMTiに対してデータの記録/再生を行うこともできる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態には限定されない。例えば、前記実施形態では、底面がホームベース形状の略五角柱となるように形成され、引出口4がその回転対称軸上に位置するカートリッジケース3(図1参照)を用いたが、本発明はこれに限定されず、磁気テープカートリッジをスピンドルに表裏いずれの面から装着しても、引出口が磁気テープドライブ内において同じ箇所に位置するように形成されているカートリッジケースであればよい。例えば、図6に示すように、引出口4’がカートリッジケース3と同じ位置に存在し、表裏面の識別部として、コーナー部3i’がカットされた(回転対称軸を持たない)カートリッジケース3’を用いてもよい。また、前記実施形態では、テープ引出部材として、引出アームとこの引出アームの先端に備えた係止ピンとを用いたが、本発明はこれに限定されず、例えば、係止フックを備えたワイヤーを用いてもよい。
1 磁気テープカートリッジ
2 カートリッジリール
3 カートリッジケース
4 引出口
5 ガイドローラ
6 反射面
12 リーダブロック
20 磁気テープドライブ
21 引出アーム
22 係止ピン
23 スピンドル
25 スピンドル駆動装置
27 制御装置
28 光学センサ
BMT 両面磁気テープ
2 カートリッジリール
3 カートリッジケース
4 引出口
5 ガイドローラ
6 反射面
12 リーダブロック
20 磁気テープドライブ
21 引出アーム
22 係止ピン
23 スピンドル
25 スピンドル駆動装置
27 制御装置
28 光学センサ
BMT 両面磁気テープ
Claims (6)
- 両面記録が可能な磁気テープが巻回された単一のカートリッジリールと、このカートリッジリールが回転可能に収容されたカートリッジケースとを備え、かつ、前記磁気テープに対し、データの記録/再生を行う磁気テープドライブに設けられたスピンドルに、前記カートリッジケースの表裏いずれの面からも装着可能な構造を有する1リール型の磁気テープカートリッジであって、
前記カートリッジケースは、その側壁部分に前記磁気テープの引出口を備え、
前記引出口は、前記磁気テープカートリッジを前記スピンドルに表裏いずれの面から装着しても、前記磁気テープドライブ内において同じ箇所に位置するように形成されていることを特徴とする磁気テープカートリッジ。 - 前記磁気テープまたはそのリーダテープは、その先端にリーダブロックが取り付けられ、このリーダブロックは、前記磁気テープカートリッジが前記スピンドルに表裏いずれの面から装着されても、前記磁気テープドライブに備えたテープ引出部材に連結可能であり、かつ不使用時において前記引出口を閉塞するようにして装着されていることを特徴とする請求項1に記載の磁気テープカートリッジ。
- 前記引出口の縁部の内側近傍に、搬送される前記磁気テープに転接するガイドローラが設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の磁気テープカートリッジ。
- 前記カートリッジケースの表裏面の少なくとも一方に、表裏面の識別が可能な識別部が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の磁気テープカートリッジ。
- 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載された磁気テープカートリッジのカートリッジケースに収容された磁気テープに対し、データの記録/再生を行う磁気テープドライブであって、
前記磁気テープカートリッジが装着されるスピンドルと、
このスピンドルに、前記磁気テープカートリッジが表裏いずれの面から装着されても、前記磁気テープまたはそのリーダテープの先端に連結可能なテープ引出部材とを備えたことを特徴とする磁気テープドライブ。 - 請求項4に記載された磁気テープカートリッジのカートリッジケースに収容された磁気テープに対し、データの記録/再生を行う磁気テープドライブであって、
前記磁気テープカートリッジが装着されるスピンドルと、
このスピンドルに、前記磁気テープカートリッジが表裏いずれの面から装着されても、前記磁気テープまたはそのリーダテープの先端に連結可能なテープ引出部材と、
前記磁気テープカートリッジが前記スピンドルに装着されたときに、前記カートリッジケースに設けられた表裏面の識別が可能な識別部を検出する検出手段と、
この検出手段の検出結果を基に、前記スピンドルの回転方向を切り替える切替手段とを備えたことを特徴とする磁気テープドライブ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003399942A JP2005166093A (ja) | 2003-11-28 | 2003-11-28 | 磁気テープカートリッジおよび磁気テープドライブ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003399942A JP2005166093A (ja) | 2003-11-28 | 2003-11-28 | 磁気テープカートリッジおよび磁気テープドライブ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005166093A true JP2005166093A (ja) | 2005-06-23 |
Family
ID=34724344
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003399942A Pending JP2005166093A (ja) | 2003-11-28 | 2003-11-28 | 磁気テープカートリッジおよび磁気テープドライブ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005166093A (ja) |
-
2003
- 2003-11-28 JP JP2003399942A patent/JP2005166093A/ja active Pending
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