JP2005164413A - 形状検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ロールを中央に対称な曲げカーブに確実かつ容易にセットでき、鉛直方向の他に水平方向の荷重をロールが受ける場合でも張力分布を正確に検出でき、ロールに作用する負荷が運転中に変動する場合でも、曲げカーブをリアルタイムに制御できる形状検出装置を提供する。
【解決手段】 ほぼ水平に延びる固定軸12と、固定軸の外周に隙間を隔てて嵌合しかつ軸線方向に密接して配置された中空円筒形の複数の回転リング14とを有し、回転リングと固定軸との隙間に圧縮空気を供給して空気軸受を形成する形状検出装置。固定軸12は、幅方向中心Cに対して対称に形成されており、更に、固定軸の両端部に同一の曲げモーメントMを同一方向に負荷し、固定軸を幅方向中心Cに対して対称に湾曲させる対称曲げ装置20を備える。
【選択図】 図4

Description

本発明は、鉄、非鉄、樹脂、紙等のシート材の形状検出装置に関する。
金属板等を圧延して薄板を形成する際、この薄板の幅方向の張力分布を測定し、この張力分布をもとに薄板の形状を検出するために、従来から形状検出装置が用いられている。この形状検出装置は、例えば、固定軸の外周に、軸線方向に対して複数に分割された回転リングを遊嵌し、該回転リングと固定軸との間の隙間に圧縮空気を供給して空気軸受を形成せしめ、この空気軸受の隙間変化を圧力変化として検出し、この圧力変化から張力分布を測定を測定するものである。なお、かかる形状検出装置として、特許文献1が既に開示されている。
特許文献1の「形状検出装置」は、図7に示すように、固定軸51の外周に、軸線方向に対して複数に分割された回転リング52が遊嵌され、該回転リングと固定軸との間の隙間に空気軸受が形成された形状検出装置において、前記固定軸に、該固定軸を加熱する加熱手段54が設けられるとともに、固定軸の両端に、該固定軸を一定方向に湾曲せしめる曲げ手段55が設けられたものである。
図8は、かかる従来の形状検出装置の曲げ手段を示す図である。この曲げ手段は、両端の軸受部にロール支点56とオフセットした位置に締め付けボルト57を配置し、このボルトを締め付けることで固定軸51と回転リング52からなるロールにイニシャル曲げを掛けるものである。
実開平5−75608号公報、「形状検出装置」
上述した従来の形状検出装置には、以下の問題点があった。
(1)4本の締め付けボルトの締め付けで固定軸51と回転リング52からなるロールを曲げるため、4本のボルトの締め付け力にアンバランスが生じやすく、ロールを中央に対称な曲げカーブにするのに熟練を要する。
(2)一方向(鉛直方向)のみの撓み矯正しかできないため、鉛直方向の他に水平方向の荷重をロールが受ける場合、張力分布を正確に検出できない。
(3)運転開始前のイニシャルセットしかできないため、ロールに作用する負荷が運転中に変動する場合、曲げカーブをリアルタイムに制御できない。
本発明はかかる問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の第1の目的は、ロールを中央に対称な曲げカーブに確実かつ容易にセットできる形状検出装置を提供することにある。また第2の目的は、鉛直方向の他に水平方向の荷重をロールが受ける場合でも張力分布を正確に検出できる形状検出装置を提供することにある。さらに第3の目的は、ロールに作用する負荷が運転中に変動する場合でも、曲げカーブをリアルタイムに制御できる形状検出装置を提供することにある。
本発明によれば、ほぼ水平に延びる固定軸と、該固定軸の外周に隙間を隔てて嵌合しかつ軸線方向に密接して配置された中空円筒形の複数の回転リングとを有し、該回転リングと固定軸との隙間に圧縮空気を供給して空気軸受を形成する形状検出装置において、
前記固定軸は、幅方向中心Cに対して対称に形成されており、
更に、固定軸の両端部に同一の曲げモーメントMを同一方向に負荷し、固定軸を幅方向中心Cに対して対称に湾曲させる対称曲げ装置を備える、ことを特徴とする形状検出装置が提供される。
上記本発明の構成によれば、固定軸が、幅方向中心Cに対して対称に形成されており、対称曲げ装置が固定軸の両端部に同一の曲げモーメントMを同一方向に負荷するので、固定軸を幅方向中心Cに対して対称に湾曲させることができ、ロールを中央に対称な曲げカーブに確実かつ容易にセットできる。
本発明の好ましい第1実施形態によれば、前記対称曲げ装置は、幅方向中心Cから逆の幅方向に同一間隔L1を隔て前記固定軸を支持する1対の支持部材と、該1対の支持部材からそれぞれ幅方向外方に同一間隔L2を隔てた固定軸延長部に、軸線に直交する集中荷重Fを同一方向にそれぞれ負荷する1対の荷重負荷部材と、該1対の荷重負荷部材に同一荷重を同一方向に伝達する対称荷重伝達装置とを備える。
この構成により、対称荷重伝達装置で1対の荷重負荷部材に同一荷重を同一方向に伝達し、1対の支持部材からそれぞれ幅方向外方に同一間隔L2を隔てた固定軸延長部に、1対の荷重負荷部材で軸線に直交する集中荷重F(伝達された荷重)を同一方向にそれぞれ負荷することができ、固定軸の両端部に同一の曲げモーメントM(=F× L2)を同一方向に負荷することができる。
本発明の好ましい第2実施形態によれば、前記対称曲げ装置を固定軸の軸線を中心に揺動可能に位置決めする負荷方向設定装置を備える。
この構成により、鉛直方向の他に水平方向の荷重をロールが受ける場合でも、その合成力の方向に負荷方向設定装置で対称曲げ装置を揺動させて位置決めすることにより、張力分布を正確に検出できる。
本発明の好ましい第3実施形態によれば、前記対称曲げ装置を2組備え、第1の対称曲げ装置のL字型部材は、中間部が固定軸の軸線に直交する水平軸を中心に揺動可能に取り付けられており、これにより鉛直面内で固定軸を幅方向中心Cに対して対称に湾曲させ、第2の対称曲げ装置のL字型部材は、中間部が固定軸の軸線に直交する鉛直軸を中心に揺動可能に取り付けられており、これにより水平面内で固定軸を幅方向中心Cに対して対称に湾曲させる。
この構成により、鉛直方向の他に水平方向の荷重をロールが受ける場合でも、第1の対称曲げ装置で鉛直面内で固定軸を湾曲させ、かつ第2の対称曲げ装置で水平面内で固定軸を湾曲させることにより、張力分布を正確に検出できる。
前記対称荷重伝達装置は、固定軸の両端部近傍に中間部が固定軸の軸線に直交する軸を中心に揺動可能に取り付けられた1対のL字型部材を有し、該1対のL字型部材は、中間部から軸方向に延びる第1アームと中間部から直交方向に延びる第2アームとからなり、該1対のL字型部材の第1アームの先端部は前記1対の荷重負荷部材にそれぞれ揺動可能に連結されており、
さらに、前記1対のL字型部材の第2アームの先端部に外端部がそれぞれ枢着され水平方向内方に同一線上に延びる1対の水平軸と、該1対の水平軸の内端部を互いに逆方向に移動させる対称移動部材とを有する。
この構成により、対称移動部材で1対の水平軸の内端部を互いに逆方向に移動させることにより、作用反作用の関係で反対向きの同一荷重が1対の水平軸の軸方向に伝達され、1対のL字型部材の揺動により、1対の荷重負荷部材に、軸線に直交する集中荷重Fを同一方向にそれぞれ負荷することができる。従って、荷重負荷位置が1箇所となり、作用反作用の関係で反対向きの同一荷重を負荷できるので、対称曲げカーブが容易に達成できる。
前記1対の水平軸の内端部は、互いに逆ネジの雄ネジ部を有し、前記対称移動部材は、該1対の雄ネジ部に螺合し同一線上に位置する互いに逆ネジの雌ネジ部を有する。
この構成により、対称移動部材を単に1対の水平軸の軸線を中心に正逆転させるだけで、1対の水平軸の内端部を互いに逆方向に移動させ、作用反作用の関係で反対向きの同一荷重が1対の水平軸の軸方向に伝達され、1対のL字型部材の揺動により、1対の荷重負荷部材に、軸線に直交する集中荷重Fを同一方向にそれぞれ負荷することができる。
前記対称移動部材を、前記1対の水平軸の軸線を中心に正逆転可能に回転駆動し、これにより前記1対の荷重負荷部材に負荷する集中荷重Fを変化させる駆動装置を備える。
この構成により、駆動装置で対称移動部材を正逆転させることにより、1対の荷重負荷部材に負荷する集中荷重Fを変化させることができ、ロールに作用する負荷が運転中に変動する場合でも、曲げカーブをリアルタイムに制御できる。
前記回転リングの外面位置を検出する位置センサと、検出された外面位置を所定範囲に保持するように前記駆動装置を制御する制御装置とを備える。
この構成により、ロールに作用する負荷が運転中に変動する場合でも、曲げカーブをリアルタイムに制御し、回転リングの外面位置を常に所定範囲に保持することができる。
上述したように、本発明の形状検出装置は、ロールを中央に対称な曲げカーブに確実かつ容易にセットでき、鉛直方向の他に水平方向の荷重をロールが受ける場合でも張力分布を正確に検出でき、ロールに作用する負荷が運転中に変動する場合でも、曲げカーブをリアルタイムに制御できる、等の優れた効果を有する。
以下、本発明の好ましい実施形態を図面を参照して説明する。なお、各図において共通部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
図1は、本発明の第1の使用形態を示す図である。この第1使用形態は比較的張力の高い圧延、例えば圧延後の厚さが0.2〜4mm程度の非鉄圧延材の圧延に適している。このような高張力圧延では、図1Aに示すように、圧延機のワークロール2と巻取機3の間にデフレクタロール4が固定位置に設けられ、ワークロール2を水平に出た圧延材1はデフレクタロール4で巻取機3に向けて向きを変え、巻取機3で巻取られる。
形状検出装置の検出ロール10は、ワークロール2とデフレクタロール4の間を水平に延びる圧延材1に対して鉛直に押し付けられる。この押し付けにより、図1Bに示すように、検出ロール10の上面のある角度αが圧延材1と接触し、圧延材の張力Tの合力F1を検出ロールが鉛直方向に受ける。角度αは検出ロール10の上面位置から正確に求めることができる。またこの形態では検出ロールの自重f2も合力F1と同一方向(鉛直方向)に作用する。従って、形状検出装置に作用する鉛直力(F1+f2)の分布を検出することにより、張力分布を測定することができる。
図2は、本発明の第2の使用形態を示す図である。この第2使用形態は比較的張力の低い圧延、例えば圧延後の厚さが0.01〜0.2mm程度の非鉄圧延材の圧延に適している。このような低張力圧延では、図2Aに示すように、圧延機のワークロール2と巻取機3の間にタッキングロール6が昇降可能に設けられ、ワークロール2を水平に出た圧延材1は検出ロール10とタッキングロール6で張力を負荷しながら巻取機3で巻取られる。
この第2使用形態では、図2Bに示すように、検出ロール10の上面からある角度αが圧延材1と接触し、圧延材の張力Tの合力F1を検出ロールが斜め下向きに受ける。角度αは検出ロール10とタッキングロール6の位置から正確に求めることができる。またこの形態では検出ロールの自重f2は合力F1と異なる鉛直方向に作用する。従って、形状検出装置に作用するF1とf2の合力分布を検出することにより、張力分布を測定することができる。
図3は、本発明の形状検出装置の第1実施形態を示す図である。この図は、本発明の形状検出装置の検出ロール10の断面構造を示している。この図に示すように、本発明の形状検出装置の検出ロール10は、ほぼ水平に延びる固定軸12と、中空円筒形の複数の回転リング14とからなる。複数の回転リング14は、固定軸12の外周に隙間を隔てて嵌合し、かつ軸線方向に密接して配置されている。
固定軸12は、幅方向中心Cに対して対称に形成されており、この例では軸中心部に中空部12aを有し、この中空部に軸端(この図で右端)からフィルタ13を介して中空部12aに圧縮空気を供給するようになっている。固定軸12は、各回転リング14を支持する外周面と中空部12aを連通する半径方向の貫通穴12bを各回転リング14に対応させて多数有し、この貫通穴12bから回転リング14と固定軸12との隙間に圧縮空気を供給して空気軸受を形成する。
さらに、固定軸12は、各回転リング14に対応し、各回転リング14と固定軸12との隙間の圧力を検出する圧力検出ポート12cを複数有する。また、各圧力検出ポート12cに一端が連通し、中空部12aを介して他端が外部まで連通する複数の圧力検出管15を備え、この圧力検出管15を介して、各圧力検出ポート12cの圧力を検出することにより、各回転リング14と固定軸12との隙間の圧力を検出し、この検出値から各回転リング14に作用する張力を求めるようになっている。
図4は、図3の対称曲げ装置の構成図である。この図に示すように、本発明の形状検出装置は、更に、固定軸12の両端部に同一の曲げモーメントMを同一方向に負荷し、固定軸12を幅方向中心Cに対して対称に湾曲させる対称曲げ装置20を備える。
図4において、対称曲げ装置20は、1対の支持部材22、1対の荷重負荷部材24、および対称荷重伝達装置30からなり、全体が装置フレーム21に取り付けられている。。
1対の支持部材22は、装置フレーム21に固定され、幅方向中心Cから逆の幅方向に同一間隔L1を隔てて固定軸12を支持する。この支持部材22の断面形状は、好ましくは接触部が半円形に構成され、固定軸12に過大応力を発生させずに固定軸12を支持するようになっているのがよい。また、この断面形状を楔状にして湾曲により接点位置が変動しないように構成してもよい。
1対の荷重負荷部材24は、1対の支持部材22からそれぞれ幅方向外方に同一間隔L2を隔てた固定軸延長部11に取り付けられた円筒状部材24aと、これに枢着され軸線Z-Zに直交する方向に延びる棒状部材24bとからなり、軸線Z-Zに直交する方向に集中荷重Fを同一方向にそれぞれ負荷するようになっている。
対称荷重伝達装置30は、1対の荷重負荷部材24に同一荷重を同一方向に伝達する機能を有する。
図4の例において、対称荷重伝達装置30は、固定軸12の両端部近傍に中間部32aが固定軸の軸線に直交する軸を中心に装置フレーム21に揺動可能に取り付けられた1対のL字型部材32を有する。この1対のL字型部材32は、中間部32aから軸方向に延びる第1アーム32bと、中間部32aから直交方向に延びる第2アーム32cとからなる。また、1対のL字型部材の第1アーム32bの先端部は1対の荷重負荷部材24にそれぞれ揺動可能に連結されている。
さらに、対称荷重伝達装置30は、水平方向内方に同一線上に延びる1対の水平軸34と、対称移動部材36とを有する。1対の水平軸34は、1対のL字型部材の第2アーム32cの先端部(図で下端部)に外端部がそれぞれ枢着されている。また、対称移動部材36は、1対の水平軸34の内端部を互いに逆方向に移動させる機能を有する。
図4の例において、1対の水平軸34の内端部は、互いに逆ネジの雄ネジ部を有する。また、対称移動部材36は、水平軸34の1対の雄ネジ部に螺合し同一線上(x-x)に位置する互いに逆ネジの雌ネジ部を有する。
なお対称移動部材36を、1対の水平軸34の軸線x-xを中心に正逆転可能に回転駆動し、これにより1対の荷重負荷部材24に負荷する集中荷重Fを変化させる駆動装置(図示せず)を備えるのがよい。
図4の例において、本発明の形状検出装置は、更に回転リング14の外面位置を検出する位置センサ42と、検出された外面位置を所定範囲に保持するように図示しない駆動装置を制御する制御装置(図示せず)とを備え、ロールに作用する負荷が運転中に変動する場合でも、曲げカーブをリアルタイムに制御し、回転リングの外面位置を常に所定範囲に保持するようになっている。この位置センサ42は、例えば非接触式の渦電流センサが好ましいが、これに限定されず、その他の周知の位置センサを用いてもよい。
また、図4の第1実施形態において、駆動装置、制御装置および位置センサは必須ではなく、対称移動部材36として例えばターンバックルを用い、これを手動で回転させて集中荷重Fを初期設定してもよい。
上述した本発明の構成によれば、固定軸12が、幅方向中心Cに対して対称に形成されており、対称曲げ装置20が固定軸の両端部に同一の曲げモーメントMを同一方向に負荷するので、固定軸12を幅方向中心Cに対して対称に湾曲させることができ、ロールを中央に対称な曲げカーブに確実かつ容易にセットできる。
また図4の第1実施形態によれば、対称荷重伝達装置30で1対の荷重負荷部材24に同一荷重を同一方向に伝達し、1対の支持部材22からそれぞれ幅方向外方に同一間隔L2を隔てた固定軸延長部に、1対の荷重負荷部材で軸線に直交する集中荷重F(伝達された荷重)を同一方向にそれぞれ負荷することができ、固定軸の両端部に同一の曲げモーメントM(=F× L2)を同一方向に負荷することができる。
さらに図4の構成により、対称移動部材36を単に1対の水平軸34の軸線x-xを中心に正逆転させるだけで、1対の水平軸34の内端部を互いに逆方向に移動させ、作用反作用の関係で反対向きの同一荷重が1対の水平軸34の軸方向に伝達され、1対のL字型部材32の揺動により、1対の荷重負荷部材24に、軸線に直交する集中荷重Fを同一方向にそれぞれ負荷することができる。
また、対称移動部材を回転駆動する駆動装置を備えることにより、駆動装置で対称移動部材を正逆転させ、1対の荷重負荷部材に負荷する集中荷重Fを変化させることができ、ロールに作用する負荷が運転中に変動する場合でも、曲げカーブをリアルタイムに制御できる。
さらに位置センサと制御装置を備えることにより、ロールに作用する負荷が運転中に変動する場合でも、曲げカーブをリアルタイムに制御し、回転リングの外面位置を常に所定範囲に保持することができる。
図5は、本発明の形状検出装置の第2実施形態を示す図であり、(A)は正面図、(B)は側面図である。なお図5Aにおいて、ロールの曲げカーブは誇張して示しており、実際には、張力及び自重による撓みを補正して実質的に水平、またはロール長が2m前後の場合で最大で0.2〜0.3mm程度の凸形である。
この例において、本発明の形状検出装置は、対称移動部材36を、1対の水平軸34の軸線x-xを中心に正逆転可能に回転駆動し、これにより1対の荷重負荷部材24に負荷する集中荷重Fを変化させる駆動装置38と、回転リング14の外面位置を検出する位置センサ42と、検出された外面位置を所定範囲に保持するように図示しない駆動装置を制御する制御装置40と、対称曲げ装置20の全体を固定軸の軸線Z−Zを中心に揺動可能に位置決めする負荷方向設定装置44とを備える。
駆動装置38は、この例では減速機付きの電動機と歯車列からなる。また負荷方向設定装置44はこの例では装置フレーム21に一端が取り付けられ、他端が円筒状部材24aの張出し部に連結された直動シリンダであり、制御装置40によりリアルタイムで位置決めできるようになっている。その他の構成は図4と同様である。
この構成により、駆動装置38で対称移動部材36を正逆転させることにより、1対の荷重負荷部材に負荷する集中荷重Fを変化させることができ、ロールに作用する負荷が運転中に変動する場合でも、曲げカーブをリアルタイムに制御し、回転リングの外面位置を常に所定範囲に保持することができる。
また、鉛直方向の他に水平方向の荷重をロールが受ける場合でも、その合成力の方向に負荷方向設定装置44で対称曲げ装置20を揺動させて位置決めすることにより、張力分布を正確に検出できる。
図6は、本発明の形状検出装置の第3実施形態を示す図であり、(A)は正面図、(B)は側面図である。なおこの例も、ロールの曲げカーブは誇張して示しており、実際には、張力及び自重による撓みを補正して実質的に水平、またはロール長が2m前後の場合で最大で0.2〜0.3mm程度の凸形である。
この例では対称曲げ装置を2組備える。第1の対称曲げ装置20のL字型部材32は、中間部が固定軸の軸線に直交する水平軸を中心に装置フレーム21に揺動可能に取り付けられており、これにより鉛直面内で固定軸を幅方向中心Cに対して対称に湾曲させるようになっている。また、第2の対称曲げ装置20'のL字型部材32'は、中間部が固定軸の軸線に直交する鉛直軸を中心に装置フレーム21揺動可能に取り付けられており、これにより水平面内で固定軸を幅方向中心Cに対して対称に湾曲させるようになっている。その他の構成は図4、5と同様である。
この構成により、鉛直方向の他に水平方向の荷重をロールが受ける場合でも、第1の対称曲げ装置20で鉛直面内で固定軸を湾曲させ、かつ第2の対称曲げ装置20'で水平面内で固定軸を湾曲させることにより、張力分布を正確に検出できる。
なお、本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。
本発明の第1の使用形態を示す図である。 本発明の第2の使用形態を示す図である。 本発明の形状検出装置の第1実施形態を示す図である。 図3の対称曲げ装置の構成図である。 本発明の形状検出装置の第2実施形態を示す図である。 本発明の形状検出装置の第3実施形態を示す図である。 特許文献1の「形状検出装置」の模式図である。 従来の形状検出装置の曲げ手段を示す図である。
符号の説明
1 圧延材、2 ワークロール、3 巻取機、
4 デフレクタロール、6 タッキングロール、
10 検出ロール、12 固定軸、13 フィルタ、
14 回転リング、15 圧力検出管、
20、20' 対称曲げ装置、21 装置フレーム、
22 支持部材、24 荷重負荷部材、
30 対称荷重伝達装置、32、32' L字型部材、
34 水平軸、36 対称移動部材、
40 制御装置、42 位置センサ、44 負荷方向設定装置


Claims (8)

  1. ほぼ水平に延びる固定軸と、該固定軸の外周に隙間を隔てて嵌合しかつ軸線方向に密接して配置された中空円筒形の複数の回転リングとを有し、該回転リングと固定軸との隙間に圧縮空気を供給して空気軸受を形成する形状検出装置において、
    前記固定軸は、幅方向中心Cに対して対称に形成されており、
    更に、固定軸の両端部に同一の曲げモーメントMを同一方向に負荷し、固定軸を幅方向中心Cに対して対称に湾曲させる対称曲げ装置を備える、ことを特徴とする形状検出装置。
  2. 前記対称曲げ装置は、幅方向中心Cから逆の幅方向に同一間隔L1を隔て前記固定軸を支持する1対の支持部材と、該1対の支持部材からそれぞれ幅方向外方に同一間隔L2を隔てた固定軸延長部に、軸線に直交する集中荷重Fを同一方向にそれぞれ負荷する1対の荷重負荷部材と、該1対の荷重負荷部材に同一荷重を同一方向に伝達する対称荷重伝達装置とを備える、ことを特徴とする請求項1に記載の形状検出装置。
  3. 前記対称曲げ装置を固定軸の軸線を中心に揺動可能に位置決めする負荷方向設定装置を備える、ことを特徴とする請求項2に記載の形状検出装置。
  4. 前記対称曲げ装置を2組備え、第1の対称曲げ装置のL字型部材は、中間部が固定軸の軸線に直交する水平軸を中心に揺動可能に取り付けられており、これにより鉛直面内で固定軸を幅方向中心Cに対して対称に湾曲させ、第2の対称曲げ装置のL字型部材は、中間部が固定軸の軸線に直交する鉛直軸を中心に揺動可能に取り付けられており、これにより水平面内で固定軸を幅方向中心Cに対して対称に湾曲させる、ことを特徴とする請求項2に記載の形状検出装置。
  5. 前記対称荷重伝達装置は、固定軸の両端部近傍に中間部が固定軸の軸線に直交する軸を中心に揺動可能に取り付けられた1対のL字型部材を有し、該1対のL字型部材は、中間部から軸方向に延びる第1アームと中間部から直交方向に延びる第2アームとからなり、該1対のL字型部材の第1アームの先端部は前記1対の荷重負荷部材にそれぞれ揺動可能に連結されており、
    さらに、前記1対のL字型部材の第2アームの先端部に外端部がそれぞれ枢着され水平方向内方に同一線上に延びる1対の水平軸と、該1対の水平軸の内端部を互いに逆方向に移動させる対称移動部材とを有する、ことを特徴とする請求項2に記載の形状検出装置。
  6. 前記1対の水平軸の内端部は、互いに逆ネジの雄ネジ部を有し、前記対称移動部材は、該1対の雄ネジ部に螺合し同一線上に位置する互いに逆ネジの雌ネジ部を有する、ことを特徴とする請求項5に記載の形状検出装置。
  7. 前記対称移動部材を、前記1対の水平軸の軸線を中心に正逆転可能に回転駆動し、これにより前記1対の荷重負荷部材に負荷する集中荷重Fを変化させる駆動装置を備える、ことを特徴とする請求項6に記載の形状検出装置。
  8. 前記回転リングの外面位置を検出する位置センサと、検出された外面位置を所定範囲に保持するように前記駆動装置を制御する制御装置とを備える、ことを特徴とする請求項7に記載の形状検出装置。

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JP2006208269A (ja) * 2005-01-31 2006-08-10 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd 形状検出装置

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