JP2005164369A - 摩耗試験機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 振動しながら摩擦する部材の摩耗状態を良好に再現できる摩耗試験機を提供すること。
【解決手段】 回転軸31にロータ3を取り付ける。試験片2を取付機構5に取り付け、ロータ3側面に当接する。線状部材533を滑車522に掛けて端部におもりを取り付け、試験片2をロータ3に押しつける。振動子24に電圧を印加して振動させ、同時に回転軸31をDCモータ41で回転駆動する。実際の超音波モータにおける被駆動体との接触状態、摩擦状態をより正確に再現できるので、より現実に即した摩耗試験結果を得ることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、振動しながら互いに摩擦する部材の摩耗特性を試験する摩耗試験機に関する。
従来より、部材同士を摩擦することによって部材の摩耗状態を試験する摩擦試験機がある。摩耗試験機としては、例えば(a)回転、往復運動するディスク上に円柱状のピンを押し付ける、いわゆるピン・オン・ディスク方式や、回転するディスク上にリングを押し付ける、いわゆるリング・オン・ディスク方式などの面接触をする方式のもの、(b)ブロックのV字部分にピンを挟んでピンを回転させる、いわゆるVブロック−ピン方式や、回転するリング側面にブロックを押し付ける、いわゆるブロック・オン・リング方式などの線接触をする方式のもの、および(c)同一平面上に密着して固定された三つのボール上でボールを回転させる、いわゆるフォー・ボール方式や、回転、往復運動するディスク上にボールを押し付ける、いわゆるボール・オン・ディスク方式などの点接触をする方式のものなどがある。
これらの摩耗試験機では、それぞれの方式に従って、摩擦する部材の一方を往復運動あるいは回転運動させて部材を互いに摩擦させて摩耗させ、摩耗量等を測定することにより、部材の摩耗特性を試験する。
ところで、例えば超音波モータなどでは、振動によって被駆動体を押圧して駆動するため、超音波モータの振動子の被駆動体に対する押圧力は、振動に伴って変化する。このため、部材を常に一定の押圧力で当接させる前述のような従来の試験方法では、超音波モータの摩耗特性を十分に再現できないという問題があった。
そこで近年では、超音波モータ用の摩耗試験機として、一方の部材を振動させながら他方の部材に摩擦させるものが開発されている(例えば特許文献1)。この摩耗試験機では、円盤状の相手材をDCモータで回転させ、相手材の回転同軸上に被試験体としての円盤状の耐摩耗材を押圧しながら当接して互いに摩擦させる。すなわち、円盤状の部材が互いに面接触して摩擦するので、リング・オン・ディスク方式に近い、ディスク・オン・ディスク方式となっている。
そして、この方式で相手材と耐摩耗材とを摩擦すると同時に、圧電素子の振動を利用して耐摩耗材を相手材に対して振動させて、相手材に対する押圧力を変化させる。このような摩耗試験機によれば、摩擦しながら振動によって相手材と耐摩耗材との間の押圧力が変化するので、より超音波モータの動きに近い摩擦状態を再現できる。
特開平4−140080号公報(第1図)
しかしながら、実際の超音波モータの動作は、振動しながら被駆動体を一方向に駆動するものであり、摩擦部材同士が回転同軸上に配置されて回転運動を伝達することはむしろ少ない。したがって、特許文献1の摩耗試験機では、実際の超音波モータと同様の動作を良好に再現できず、実際の摩耗状態に即した試験結果を得ることができない。
また、特許文献1の摩耗試験機では、単純に面同士を接触させているだけなので、超音波モータに限らずその他の駆動機構での部材の摺動、摩擦動作を考慮した場合に、一方の部材が他方の部材に対して角度を有して接触するなどの複雑な条件下での摩擦状態を再現することができず、実際の使用状態に即した試験結果を得ることができない。
さらに、特許文献1の摩耗試験機では、単純な摩擦状態の試験結果を基に実際の動作に即した摩耗結果を推測、計算する必要があり、計算などが手間となる上、計算などによって試験結果の精度も悪くなってしまう。
本発明の目的は、振動しながら摩擦する部材の摩耗状態を良好に再現できる摩耗試験機を提供することである。
本発明の摩耗試験機は、第一部材および第二部材の一組の部材を互いに当接させて摩擦させる摩耗試験機であって、第一部材と第二部材とを互いに所定の押圧力で当接させる押圧手段と、第一部材に振動を与える振動付与手段と、第二部材を回転させる回転駆動手段と、回転駆動手段の動作を制御する回転制御手段と、振動付与手段の動作を制御する振動制御手段とを備え、第一部材は、第二部材の回転軸から所定距離有する位置で当接されることを特徴とする。
この発明によれば、第二部材が回転駆動手段によって回転すると同時に、第一部材が振動付与手段によって振動する。これにより、第一部材および第二部材の当接部分では、振動しながら摩擦する摩擦状態が再現される。このとき、第一部材が第二部材の回転軸から所定距離有する位置に当接されるように構成されているので、第一部材に対して第二部材が常にほぼ一方向から摩擦する。よって、より実際の摩擦状態に近い条件での摩耗試験が可能となり、摩耗状態の再現性が向上する。また、試験結果が実際の摩耗状態により近くなり、より正確となる。
ここで、第一部材および第二部材の形状は、任意のものを採用できる。例えば第一部材として円柱状のピンを採用し、第二部材として円盤を採用した場合には、ピンを円盤側面に当接すればブロック・オン・リングの線接触方式の摩耗試験となるし、ピンを円盤平面に当接すれば、ピン・オン・ディスクの面接触方式の摩耗試験となる。このように、第一部材および第二部材を適宜選択し、第二部材の回転軸から所定距離有する位置で当接させることにより、振動と摩擦を組み合わせた様々な摩擦条件を再現可能となる。これにより、様々な方式の摩耗試験を、振動を与えながら再現することが可能となり、摩耗試験機の汎用性が高くなる。また。実際の摩擦状態に即した条件下での摩耗試験が可能となり、摩耗状態の再現性が良好となる。
本発明では、当該摩耗試験機は、超音波モータ用摩耗試験機であることが望ましい。
この発明によれば、本発明の摩耗試験機は、振動しながら被駆動体を一方向に駆動する超音波モータの摩耗状態を測定するのに最も適しており、本発明の摩耗試験機を超音波モータ用として使用することにより、超音波モータの摩耗状態が良好に再現される。
本発明では、押圧手段は、第一部材を第二部材の回転軸に垂直な方向に沿って押圧するように構成されていることが望ましい。
この発明によれば、押圧手段によって第一部材が第二部材の回転軸に垂直な方向に沿って押圧されているので、例えば超音波モータなどで回転体を回転駆動する場合などを想定した実際の使用条件に即した試験が適切に行われ、試験結果が実際の摩耗状態に近くなり、良好かつ正確なものとなる。
本発明では、第一部材を第二部材に対して一方向に近接離間可能に支持する支持部材が設けられていることが望ましい。
この発明によれば、支持部材が第一部材の移動方向を一方向に規制するので、第一部材と第二部材との押圧方向が確実に一方向に規制される。摩耗にしたがって第一部材が第二部材に対して近接するが、この際に第一部材と第二部材との押圧角度が変化せず、安定した条件での摩耗試験が行われる。よって、試験結果の信頼性が向上する。
本発明では、第一部材の前記第二部材に対する接点における接線と、第一部材の押圧方向とがなす角度を調整可能な押圧角度調整手段が設けられていることが望ましい。
この発明によれば、押圧角度調整手段が設けられているので、第一部材を第二部材に対して様々な角度で当接して試験可能となり、摩耗試験機の汎用性が向上する。これは例えば第一部材および第二部材の最適な接触位置等を試験により見いだそうとする場合などに特に有用である。
本発明では、押圧角度調整手段は、第一部材の押圧方向と第一部材における回転方向上流側の接線とがなす角度が90°以内となるように調整されていることが望ましい。
この発明によれば、第一部材と第二部材との押圧角度が適切に設定されているので、第一部材および第二部材が互いに良好に当接され、安定した摩耗試験が行われ、安定した試験結果が得られる。
ここで、第一部材の押圧方向と第一部材の当接位置の接線方向とのなす角度が90°より大きい場合には、第二部材が回転するにしたがって、第一部材と第二部材との間にびびりが生じることがあり、摩擦状態が安定せず、安定した摩耗試験の結果を得ることができない。
本発明では、第一部材および第二部材は少なくともそれぞれ二つ設けられ、第二部材は、同軸上に配置されていることが望ましい。
この発明によれば、同軸上に第二部材が少なくとも二つ設けられ、第一部材も少なくとも二つ設けられているので、一つの摩耗試験機で二つ以上の摩耗試験が可能となる。繰り返し長時間摩擦を与える試験を行う場合でも、一度に複数の摩耗試験を行うことにより、試験に要する時間が短くなる。反対に、短時間でより多くの試験結果を得ることができる。
また、一つの回転駆動手段で回転軸を駆動することにより同軸上に設けられた第一部材が同時に回転駆動されるので、回転駆動手段を一つ設ければよく、摩耗試験機の構造を簡単にするとともに、部品点数が低減し、製造コストが削減される。
本発明では、第二部材および第一部材のいずれか一方を、いずれか他方に対して第一部材の回転軸に沿った方向に移動させる移動機構が設けられていることが望ましい。
この発明によれば、移動機構が設けられているので、摩耗試験の途中で、第一部材または第二部材の摩耗量を測定したり摩耗状態を観察する場合には、移動機構により、第一部材または第二部材を相対的に移動させる。これにより、第一部材または第二部材を取り外すことなく摩耗量の測定等の作業が容易となる。
また、第一部材および第二部材を取り外す必要がないので、取外、取付による取付位置のずれが防止され、引き続き摩耗試験を行う場合にも試験条件が変化せず、試験結果の信頼性がより一層向上する。
本発明の摩耗試験機によれば、振動しながら互いに摩擦する接触状態における部材の摩耗状態を良好に再現でき、より現実の使用条件に即した試験結果を得ることができる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1には本発明の一実施形態にかかる摩耗試験機100の試験機本体1を示す側面図が、図2には試験機本体1の平面図が、そして図3には、試験機本体1の正面図が示されている。また、図4には、摩耗試験機100の機能ブロック図が示されている。これらの図1、図2、図3、および図4において、摩耗試験機100は、第一部材としての試験片2を振動させ、かつ第二部材としてのロータ3を回転させて、これらを互いに当接させる試験機本体1と、試験機本体1に接続され、ロータ3の回転動作を制御する回転制御手段としての制御部本体101(図4)と、試験片2の振動動作を制御する振動制御手段としての印加装置(図4)102とを備えている。
ここで、本実施形態では、摩耗試験機100は、圧電素子の振動によって被駆動体を駆動する超音波モータにおいて被駆動体との接触部分における摩耗を試験するために用いられるものであって、被駆動体としてロータ3を用い、被駆動体に接触する部品として試験片2を用いている。
図5は、本実施形態における摩耗試験機100の試験片2の摩耗試験結果の適用目的である超音波モータ9を示した図である。図5において、超音波モータ9は、略矩形板状の補強板91と、補強板91の両面に接合された圧電素子92とを備えている。補強板91はステンレス鋼などの任意の材料で構成されており、短辺略中央に、長手方向に突出する突出部93が一体的に形成されている。この突出部93は、被駆動体90に接触している。また、補強板91の長辺略中央には、両端から長手方向に直交する方向にそれぞれ突出する腕部94が一体的に形成されており、先端側で図示しない基部などに取り付けられている。一方、圧電素子92には、両面に電極層が形成され、表面の電極層は、使用条件に応じて適宜分割されている。
このような構造の超音波モータ9では、圧電素子92の電極を適宜選択して繰り返し電圧を印加すると、超音波モータ9全体が振動し、突出部93が被駆動体90を繰り返し押圧することにより被駆動体90を駆動する。突出部93が被駆動体90と接触するため、超音波モータ9の耐久性や駆動性能を検討する場合には、突出部93の耐摩耗性や、被駆動体90との材料の相性を予め検討することが非常に重要となる。
そこで、本実施形態では、試験片2は、補強板91の材料と同様の材料で構成され、突出部93の寸法と同様に形成されている。
図6(A),(B),(C)には、試験片2の形状の例が示されている。例えば図6(A)に示されるように、試験片2Aの形状は、実際の補強板91の形状に近く、略矩形板状の試験片本体21Aの短辺略中央に略半円形状の突出部22Aが形成されていてもよい。試験片本体21Aの長辺略中央には、長辺から突出して先端側のリング状部分でねじなどによって試験機本体1に取り付けられる取付部23Aが形成されている。これらの取付部23Aのうち一方は、試験片2A短辺に沿った長孔となっており、これにより、試験片2Aの寸法誤差などが吸収されて、試験片2Aが試験機本体1に内部応力などがない状態で固定される。このような形状であれば、実際に使用する補強板91の形状に近いため、摩耗試験結果の正確さも向上する。
なお、本実施形態では、試験片2は、図6(A)の試験片2Aの形状を採用している。すなわち、試験片2は、略矩形板状の試験片本体21と、略半円形状の突出部22と、試験機本体1に取り付けられる取付部23とを備えている。
また、例えば図6(B)に示されるように、試験片2Bの形状は、略五角形状の試験片本体21Bの角に略半円形状の突出部22Bが形成されていてもよい。試験片本体21Bの辺のうち、突出部22Bと接続する辺に隣接する二辺には、試験機本体1への取付部23Bが形成されている。これらの取付部23Bは、それぞれの辺から切り欠かれた形状となっており、試験片2Bは、これらの取付部23Bにおいてねじなどで試験機本体1に取り付けられる。この切欠形状により、試験片2Bの寸法誤差などが吸収されて、試験片2Bが試験機本体1に内部応力などがない状態で固定される。このような形状であれば、試験片本体21Bの面積を大きく取ることができ、試験片2Bの強度が増し、突出部22Bの保持固定が安定する。
さらに、例えば図6(C)に示されるように、試験片2Cの形状は、略矩形板状の試験片本体21Cの短辺略中央に矩形状の突出部22Cが形成されていてもよい。試験片本体21Cの長辺略中央には、長辺から突出する取付部23Cが形成されている。一方の取付部23C先端部分には、ねじなどが貫通する円形孔が形成されており、他方の取付部23Cは切欠状に形成されている。この他方の取付部23Cが切欠状に形成されることにより、試験片2Cの寸法誤差などが吸収されて、試験片2Cが試験機本体1に内部応力などがない状態で固定される。
これらのように、試験片2の形状は、試験目的に合わせて任意に設定され、また突出部22の形状も、突出部22A,22Bのような半円形状のものや突出部22Cのような略矩形状のものなど、適宜設定される。
一方、ロータ3は、円盤状に形成されている。
図7(A)および(B)には、ロータ3の形状の例が示されている。ロータ3は、図7(A)に示されるロータ3のように、薄板円盤状に形成されていてもよいし、また図7(B)に示されるロータ3のように、より厚みがある円柱状に形成されていてもよい。これらのロータ3は、それぞれ中心に試験機本体1に固定されるための取付孔30が形成されている。
図1から図4に戻って、試験機本体1は、ロータ3が固定される回転軸31と、回転軸31をロータ3とともに回転させる回転駆動手段4と、試験片2を試験機本体1に取り付ける取付機構5と、試験片2をロータ3側面に所定の押圧力で当接させる押圧手段6とを備え、これらの構成部品は、基部7に取り付けられている。
また、基部7の上には、基部7に対してスライド可能なスライド台71が載置されている。このスライド台71には、ロータ3、回転軸31、および回転駆動手段4が取り付けられており、回転軸31の一部および回転駆動手段4は、略コ字形のカバー部材72に覆われている。
ロータ3は、回転軸31の両端に二つ固定されている。回転軸31は、ほぼ水平に配置されており、スライド台71から略垂直にかつ回転軸31に沿って対向して設けられた二つの取付部73を貫通し、取付部73において二つの軸受32を介して二箇所で回転可能に支持されている。したがって、ロータ3は、スライド台71の取付部73の外側に配置される。
ここで、ロータ3が前述の図7(A)に示されるような薄板円盤形状に形成されている場合には、ロータ3の厚み方向の強度を補うために厚み方向両側に円盤状の補強部材33を設け(図3中左側のロータ3部分参照)、これらの補強部材33でロータ3を挟持すればよい。また、ロータ3が図7(B)に示されるような円柱状に形成されている場合には、ロータ3を厚み方向に補強する必要がないので、図3中右側のロータ3部分のように、直接回転軸31に取り付ければよい。
回転駆動手段4は、スライド台71に載置されたDCモータ41と、DCモータ41の出力軸411の回転を回転軸31に伝達するプーリ42およびベルト43と、回転軸31の回転数を検出する回転数検出手段44とを備えている。プーリ42は、DCモータ41の出力軸411と回転軸31とにそれぞれ固定されており、これらのプーリ42にベルト43が掛け回されている。
ここで、DCモータ41の出力軸と回転軸31との増速比または減速比は、DCモータ41の回転速度範囲や回転軸31の必要駆動トルク範囲などを勘案して適宜設定される。
回転数検出手段44は、回転軸31に固定され円周上の一箇所に孔(図示せず)が形成された円盤状部材441と、円盤状部材441を間に挟んで対向配置される光透過型の光センサ442とを備えている。回転軸31の回転とともに円盤状部材441が回転して円盤状部材441の孔が光センサ442の位置に達すると、発光素子からの光が孔を貫通して受光素子に達し、検出信号を出力する。これにより、回転数検出手段44は、回転軸31が一回転する毎に検出信号を出力する。なお、回転数検出手段44は、このような光透過型の光センサ442に限らず、例えば反射型の光センサなど、任意のセンサを採用でき、また回転数検出手段44は、光検出方式に限らず、その他例えば磁気的検出や機械的検出など任意の検出方式を採用できる。
スライド台71には、回転軸31の軸方向に沿って複数(本実施形態では三つ)の長孔74が穿設されており、これらの長孔74にねじ75が貫通して基部7に螺合されることにより、スライド台71が基部7に固定されている。ねじ75を緩めると、スライド台71が、ロータ3、回転軸31、および回転駆動手段4を載置したまま長孔74に沿って、つまり回転軸31の軸方向に沿って、長孔74の寸法範囲内でスライド可能となっている。すなわち、このスライド台71は、ロータ3を試験片2に対して回転軸31の軸方向に沿った方向に移動させる移動機構となっている。
また、スライド台71には、回転軸31の軸方向に直交する方向に溝76が形成されている。この溝76には、基部7に固定され、スライド台71に対して進退可能に設けられたピン77が係合されている。すなわち、ピン77および溝76は、ロータ3の回転軸31方向の位置決めをする位置決め手段としての役割を果たし、このピン77が溝76に係合することにより、スライド台71は、回転軸31の軸方向に関して位置決めされる。
取付機構5は、回転軸31両端部側に一対設けられ、基部7から突出する取付基部51と、取付基部51に固定される固定部材52と、固定部材52に対してスライド可能に保持されるスライド部材(支持部材)53と、スライド部材53に固定されるとともに試験片2を取り付ける取付部材54とを備えている。
取付基部51は、回転軸31両端近傍にそれぞれ配置され、その平面が回転軸31の軸方向に略垂直な方向に配置されている。取付基部51には、回転軸31の中心から鉛直方向下側のロータ3の外周の点Cを中心として、半径の異なる円弧状の長孔511が二箇所形成されている。また、取付基部51の基部7近傍には、点Cを中心とする円弧状の目盛512が設けられている。この目盛512は、回転軸31の鉛直方向下側を0°として、点Cを中心とする両側に鉛直方向下側に対する角度が表示されている。
固定部材52は、取付基部51より回転軸31の端部側に配置され、長孔511を貫通するねじ513によって取付基部51に固定されている。これにより、ねじ513を緩めると、固定部材52は取付基部51に対して長孔511に沿ってスライド可能となり、点Cを中心として回動可能となっている。すなわち、固定部材52、長孔511を有する取付基部51、およびねじ513は、試験片2が取り付けられた固定部材52を点Cを中心として回動可能に構成されていることにより、試験片2の押圧方向とロータ3の径方向とがなす押圧角度を調整可能な押圧角度調整手段となっている。
また、固定部材52は、板状に形成され、回転軸31が貫通する貫通孔521が形成されている。固定部材52において、貫通孔521よりも鉛直方向上側には、複数(本実施形態では四つ)の滑車522が設けられている。これらの滑車522の軸は、固定部材52から回転軸31の軸方向に沿って突出し、ロータ3の取付位置よりも軸方向外側に配置されている。
固定部材52において滑車522が設けられている側とは反対側(鉛直方向下側)の端部には、目盛512を指し示す針523が取り付けられている。この針523が目盛512の数値を指し示すことにより、固定部材52の鉛直方向に対する傾斜角度が表示される。
固定部材52において取付基部51とは反対側の面には、スライド部材53のスライド方向を規制するスライドガイド524が設けられている。スライドガイド524は、点Cと針523とを結んだ線に沿って配置されている。
図8は、取付機構5の一部を示した平面図であり、この図8には、スライド部材53、取付部材54、および試験片2が、ロータ3とともに示されている。図8にも示されるように、スライド部材53は、ブロック状に形成され、スライドガイド524に対してスライド可能に支持されている。スライド部材53のスライドガイド524に支持された側とは反対側には、スライド部材53のスライド方向に沿って断面コ字形の凹部531が形成されている。この凹部531には、取付部材54が配置される。
また、スライド部材53の基部7に近い側の端部には、スライド部材53から突出するピン532が設けられている。このピン532には、糸やワイヤなどの線状部材533の一方の端部が固定されている。この線状部材533は、滑車522のうちいずれか一つまたは複数の滑車522に掛けられており、他方の端部には図示しないおもりが取り付けられている。この線状部材533は、おもりの重量によって、滑車522を介してスライド部材53をスライドガイド524に沿って上側(ロータ3に近接する方向、図3中上側)に引き上げている。
取付部材54は、スライド部材53に固定される固定部541と、試験片2を保持する保持部542とを備えて構成され、固定部541および保持部542の間には、試験片2に振動を与える振動付与手段としての振動子24が介装されている。
固定部541は、四角柱状に形成され、スライド部材53の凹部531に配置され、その側面を両側から複数個(本実施形態では片側二個、計四個)の小ねじ534によって固定されている。これらの小ねじ534のねじ込み量を調整することにより、取付部材54の取付位置、取付角度などの微調整が可能となっている。
振動子24は、複数の圧電素子24Aが厚み方向に積層されて構成され、樹脂で外装されている。この振動子24の端部は、固定部541および保持部542にそれぞれ接着されている。このような構成の振動子24では、圧電素子24Aに電圧を印加すると、圧電素子24Aが伸縮して振動し、積層方向に伸縮する縦振動を励振する。
なお、本実施形態では、振動子24としてNECトーキン株式会社製のAE0505D8が使用されており、その外形は5mm角で高さ10mmの角柱状となっている。また、最大変位は8μm、最大発生力は850Nとなっている。また、振動子24と固定部541および保持部542との間は、EPOXY RESIN AW136H(ナガセケムテック社製)の接着剤で接着されている。
保持部542は、振動子24と接着する接着面542Aと、試験片2を保持する保持面542Bとを有する。保持面542Bは、回転軸31の軸方向に直交する方向に沿って配置され、ねじで試験片2の取付部23を保持面542Bに固定することにより、試験片2が保持部542に保持されている。試験片2の突出部22は、ロータ3の側面に当接される。したがって、試験片2の突出部22は、ロータ3の回転軸31に略垂直な方向から押圧されることとなる。
ここで、スライド部材53は、中心Cに対して近接離間可能に配置されており、線状部材533がおもりによって滑車522を介してスライド部材53をロータ3側に引き上げるので、突出部22は、ロータ3側面に対して近接離間可能となり、またある程度の押圧力を有してロータ3側面に当接されることとなる。このとき、突出部22のロータ3に対する押圧力は、おもりの自重から取付部材54を含んだスライド部材53の自重を引いた値にほぼ等しくなる。したがって、スライド部材53、線状部材533、滑車522、およびおもりを備えて、突出部22をロータ3に押圧する押圧手段6が構成されている。
制御部本体101は、前述の図4に示されるように、DCモータ41に駆動信号を出力するDCモータ制御部101Aと、回転数検出手段44からの検出信号に基づいて回転軸31の回転数を計数するカウンタ101Bと、DCモータ制御部101Aに駆動指令を出力する中央制御部101Cとを備えている。なお、この中央制御部101Cは、印加装置102にも接続され、印加装置102へ駆動指令をも出力する。
印加装置102は、回転軸31両端の取付機構5に設けられた振動子24にそれぞれ接続されており、振動子24に繰り返し電圧を印加可能に構成されている。ここで、振動子24に印加する電圧の波形は特に限定されず、例えばサイン波、矩形波、台形波などを採用でき、印加装置102では、これらの電圧の出力波形を選択可能に構成されている。
また、印加電圧の周波数も、振動子24が高効率で振動できるように適宜設定される。なお、印加装置102は、回転軸31両端の振動子24それぞれに別の印加電圧を印加可能に構成されており、また振動子24の圧電素子24Aのうち、一部の圧電素子24Aを選択して電圧を印加することも可能に構成されている。
このような摩耗試験機100の動作について説明する。
まず、印加装置102および制御部本体101の電源をONにする。そして印加装置102の設定として、振動子24への出力波形の選択、周波数の設定、および出力電圧の設定を行う。
一方、制御部本体101では、DCモータ制御部101Aの設定として、DCモータ41の回転速度の設定、DCモータ41の回転の正転または逆転の設定などを行う。ここで、本実施形態では、DCモータ41の回転速度は、3〜3000rpmで速度変動率±0.05%の範囲内で選択可能とされ、高速から低速までフルフラットトルクとなっている。
また、プリセットカウンタの試験回転数(カウンタ値)の設定も行う。このとき、所定回数毎に摩耗状態を計測する場合には、プリセットカウンタを計測を行う所定回数に設定すればよい。
さらに、必要に応じてDCモータ41の出力トルクの設定も行う。本実施形態では、DCモータ41の出力トルクの設定は、0.2Nm(1〜100%)となっている。
次に、回転軸31の両端にロータ3を取り付ける。また取付機構5の保持部542に試験片2を取り付ける。試験片2の取付後、取付部材54のスライド部材53に対する取付位置を調整する。つまり、小ねじ534のねじ込み量を調整し、取付部材54の長手方向中心線が、スライド部材53の長手方向中心線に一致するようにする。このとき、試験片2の取付位置の微調整として、適宜な治具を用いるなどして、正確に中心位置を調整することが望ましい。
次に、取付部材54のロータ3に対する当接位置、つまり、試験片2のロータ3に対する押圧位置を調整する。
図9(A)および図9(B)には、試験片2のロータ3に対する当接位置の関係が示されている。試験片2の突出部22は、図9(A)に示されるように、突出部22のロータ3への接点Cでの接線Tにおいてロータ3の回転方向R上流側(図9(A)中、接点Cより右側)の接線T1と、突出部22の押圧方向Lとがなす角度αが、90°以内であることが望ましい。このような配置にすると、図9(B)のように角度αが90°より大きい場合とは異なり、ロータ3と突出部22との間でびびりが生じず、安定した摩擦状態が実現される。これは、ロータ3側面と突出部22との接点Cにおいて、図9(A)の状態ではロータ3の回転方向R下流側に向かってロータ3側面が突出部22から離れる方向になるのに対して、図9(B)の状態ではロータ3が回転方向R下流側に向かって突出部22に近接する方向になっているため、図9(B)の方がロータ3と突出部22間の摩擦抵抗が大きくなり、びびりが生じるものと考えられる。
したがって、固定部材52を長孔511に沿って移動させることにより、固定部材52を点Cを中心に回動させ、角度αが90°以内となるように調整する。このとき、角度αの調整は、針523が目盛512を指し示す数値を確認して行えばよい。そして、固定部材52を所定の位置に調整した後、ねじ513を締めて固定部材52を取付基部51に固定する。
適切な重量のおもりを選択して線状部材533端部に取り付け、適当な位置の滑車522に掛け回してスライド部材53を引き上げ、突出部22をロータ3側面に押圧させる。
そして、制御部本体101および印加装置102のスタートボタンを操作することにより、制御部本体101および印加装置102の動作を開始する。
まず、制御部本体101では、DCモータ制御部101Aが設定に応じた駆動信号をDCモータ41に出力する。DCモータ41は、この駆動信号を受けて、出力軸411を回転駆動する。出力軸411の回転運動は、プーリ42およびベルト43を介して回転軸31に伝達され、回転軸31は所定の回転数で回転する。この回転軸31の回転に伴い、ロータ3も同時に回転する。
回転数検出手段44では、回転軸31が一回転する毎にカウンタ101Bに検出信号を出力し、この検出信号により、カウンタ101Bは回転数をカウントする。
一方、印加装置102は、設定に応じた駆動電圧を振動子24に印加する。これにより、振動子24の圧電素子24Aが所定の周波数で振動し、この振動に伴って試験片2の突出部22も振動する。
突出部22は、押圧手段6によってロータ3側面に押し付けられているので、回転するロータ3側面と摩擦する。振動子24が伸びると、突出部22はおもりの自重による押圧力を有してロータ3側面に押し付けられ、また振動子24が縮むと、突出部22はロータ3側面から離間する方向に移動する。このとき、振動子24の駆動力は、おもりの自重に比べて大きいので、振動し24が縮む際には、振動子24の駆動力がおもりの自重に打ち勝って突出部22がロータ3側面から離れる。このように、突出部22は振動によってロータ3との接触状態(接触圧、接触面積等)を変動させながらロータ3側面に対して摩擦する。
中央制御部101Cは、カウンタ101Bのカウンタ値を監視し、カウンタ値がプリセットカウンタのカウンタ値以上となると、DCモータ制御部101Aおよび印加装置102に駆動停止指令を出力する。この駆動停止信号により、DCモータ41および印加装置102は、それぞれDCモータ41への駆動信号出力および振動子24への電圧印加を停止する。
なお、カウンタ101Bのカウンタ値が、プリセットカウンタのカウンタ値に達する前に摩耗試験機100を停止したい場合には、制御部本体101および印加装置102の電源をOFFとすればよい。
次に試験片2の評価方法について説明する。
試験片2の突出部22とロータ3との接触を外す。まず、線状部材533の端部のおもりを外すまたは手で持ち上げるなどしておもりの自重を取り除く。するとスライド部材53が下方にスライドし、突出部22がロータ3から離間する。この状態では、測定時に測定器具などにロータ3が干渉するため、ピン77を溝76から外し、スライド台71を回転軸31の軸方向に沿ってスライドさせて、ロータ3の位置をずらす。
図10は、試験片2の評価方法を示す図である。この図10に示されるように、試験片2を保持部542に保持させたまま突出部22の摩耗量を測定するために、水平面を有する土台8にスライド部材53を載置することで、スライド部材53の移動を防止して試験片2の位置を安定させる。そして、突出部22の摩耗量を測定する。
図11は、試験片2の測定方法を示す図である。図11に示されるように、ダイヤルゲージなどの測定器80によって、突出部22両側の試験片本体21の点M1,M2における高さH1,H2を計測する。また、突出部22の摩耗部分両端の点M3,M4における突出部22を含んだ試験片2の高さH3,H4を測定する。すると、摩耗後の突出部22の高さH0は、H0=(H1+H2)/2―(H3+H4)/2で求められる。この高さH0と摩耗前の突出部22の高さとを比較すれば、突出部22の摩耗量ΔHを算出できる。
試験片2の測定後、引き続き摩耗試験を行う場合には、スライド台71をスライドさせて回転軸31およびロータ3を移動させ、ピン77を溝76に係合させてスライド台71を位置決めする。また、おもりを滑車522に掛けてスライド部材53を引き上げれば、突出部22がロータ3側面に当接される。この状態で再び制御部本体101および印加装置102の電源をONにし、摩耗試験を開始する。
このような実施形態によれば、次のような効果が得られる。
(1) 摩耗試験機100が、振動子24によって試験片2に振動を与えながらロータ3に当接される。このとき、試験片2の突出部22がロータ3側面に当接され、回転軸31の軸方向からは所定の距離(ロータ3の半径分の距離)を有して当接されているので、突出部22にはロータ3の回転によって常に一方向(ロータ3の回転方向)からの摩擦力が加わる。したがって、従来同軸上にディスク状の試験片を配置して互いに摩擦させた試験機とは異なり、振動によって回転体を回転駆動する実際の超音波モータ9の動きにより近い摩擦状態を再現できる。これにより、より現実に即した、正確な摩耗試験の結果が得られる。
さらに、ロータ3をDCモータ41で回転させ、その一方で試験片2を振動子24で振動させるので、試験片2で実際にロータ3を回転駆動しなくても実際の超音波モータ9の動きと同様の動きを再現できるから、簡単な構造で実際の摩擦状態を忠実に再現できる。
(2) スライド部材53、線状部材533、滑車522、およびおもりを備えて、突出部22をロータ3側面に適切な押圧力で押圧する押圧手段6が構成されているので、簡単な構造で突出部22をロータ3に適切な押圧力で押圧することができる。
また、スライド部材53が試験片2の移動を一方向(点Cに近接離間する方向)に規制するので、試験片2が摩耗しても、常にロータ3に対して等角度で接触する。このため、試験片2の試験条件が変化することなく、長時間の摩耗試験においても、信頼性の高い摩耗試験結果を得ることができる。
(3) 試験片2が取付部材54を介してスライド部材53に保持されているので、試験片2を取付部材54から外すことなくロータ3に対して近接離間させることができる。また、ロータ3および回転軸31がスライド台71に支持されているので、スライド台71の移動によってロータ3を回転軸31の軸方向に移動させることができる。これにより、試験片2およびロータ3を試験機本体1から外すことなく試験片2の摩耗状態を観察、測定でき、またその後同じ条件で摩耗試験を継続する場合にも、条件を変化させることがないので、信頼性の高い摩耗試験結果を得ることができる。
スライド台71の溝76およびこの溝76に係合するピン77により、スライド台71をスライドさせてロータ3を移動させた場合でも、スライド台71を元の位置に位置決めできる。したがって、ロータ3の移動前と移動後とで位置が変化することがないので、摩耗試験の途中で試験片2の摩耗量の測定を行った後引き続き同じ試験条件で摩耗試験を続けることができ、より信頼性の高いデータを得ることができる。
(4) 固定部材52が、取付基部51に対して長孔511に沿って点Cを中心に回動可能に支持されているので、突出部22のロータ3に対する押圧角度を調整できる。したがって、様々な押圧条件で摩耗試験を行うことができ、摩耗試験機100を多様な試験目的に使用できる。
(5) 突出部22の押圧方向とロータ3の接線とがなす角度αが90°以内に設定されているので、突出部22がロータ3側面に対してびびりを生じることなく摩擦し、安定した摩耗試験結果を得ることができる。
(6) ロータ3が回転軸31両端にそれぞれ取り付けられ、試験片2の取付機構5も回転軸31両端に設けられているので、ロータ3および試験片2を同時に二組取り付けて同時に摩耗試験を行うことができる。これにより、短時間で多数の試験データを収集することができる。また、同じ回転軸31上にロータ3が二つ設けられているので、一つのDCモータ41で二つのロータ3を回転駆動することができ、試験機本体1の構造を簡略化できるとともに、製造コストも低減できる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
第二部材の形状は任意であり、円盤状のものに限らず、摩耗試験の目的によって例えば偏心した円盤状や、楕円形状や変形形状でもよく、あるいは球状でもよい。また、第二部材は回転軸上に二つ設けられているものに限らず、一つあるいは三つ以上設けられていてもよい。
第一部材の形状は任意であり、図7(A)、(B)、および(C)に示されたものに限定されず、例えば突出部が試験片本体の角に設けられているものや、突出部が長辺に向かって突出しているものや、また突出部22が設けられていないものなど、試験目的に応じて任意に設定できる。
第一部材の第二部材に対する押圧位置は、円盤状の第二部材に対して側面から押圧されるものに限らず、例えば図12に示されるように、ロータ3の円盤平面に押圧されていてもよい。この場合には、突出部22に一方向に摩擦力がかかり、いわゆるピン・オン・ディスク方式の摩耗試験を行うことができる。要するに、第一部材は、第二部材に対して回転軸から所定距離を有した位置に当接されていればよい。
なお、このように突出部22を円盤状のロータ3の平面に押圧する場合でも、突出部22の押圧方向とロータ3との接線とがなす角度αは、ロータ3の回転方向上流側から90°以内に設定されていることが望ましい。
移動機構は、第二部材を回転軸の軸方向に沿って移動可能に構成されているものに限らず、第一部材を回転軸の軸方向に沿って移動可能に構成してもよく、また第一部材および第二部材の両方を回転軸の軸方向に沿って移動可能に構成してもよい。要するに、移動機構は、第一部材および第二部材の少なくとも一つが回転軸の軸方向に沿って移動可能に構成されていればよい。
押圧角度調整手段は、第一部材が第二部材との接点を中心に回動可能に構成されるものに限らず、第二部材が第一部材に対して回動可能に構成されていてもよい。
振動付与手段は、前述の実施形態のような単純な積層構造に限らず、例えば環状に形成された圧電素子を複数積層して構成された、いわゆるランジュバン型超音波振動子であってもよい。この場合には、圧電素子は、それぞれの環状部分がさらに中心角度180°で二分割され、積層された前後の圧電素子同士で分割部分が重ならないように90°ずつずらして互い違いに配置されている。あるいは、圧電素子の環状部分が中心角度90°で四分割され、積層された圧電素子同士で分割部分が一致するように配置されていてもよい。このような構成の振動付与手段では、圧電素子に電圧を印加すると、圧電素子が伸縮して振動する。電圧印加を行う圧電素子を選択することにより、積層された圧電素子の一部あるいは全部を伸縮させて積層方向に伸縮する単純な縦振動や、縦振動に直交する方向に屈曲する屈曲振動などの様々な振動モードが実現可能となる。
摩耗試験機による摩耗試験では、第一部材の摩耗状態の測定のみならず、第二部材の摩耗挙動を観察、測定してもよい。つまり、摩耗挙動は第一部材と第二部材との材料や形状の相性などに寄るところが大きく、したがって、第一部材だけでなく、第二部材の摩耗状態をも観察、測定した上で、第一部材および第二部材の材料、形状などを検討してもよい。
摩耗試験機は、圧電素子の振動により被駆動体を駆動する超音波モータに使用される構成部材を試験するものでなくてもよい。例えば互いにある程度の押圧力で接触する部材間に外乱などにより長時間振動が与えられ、この振動によって部材間が摩擦して摩耗が進行する場合などの部材間の摩耗状態を試験するために用いてもよい。
摩耗試験の評価項目は、摩耗後の第一部材の寸法変化、つまり第一部材の摩耗量に限らず、例えば第一部材および/または第二部材の温度変化や、摩耗面の表面状態の観察、塑性変形した場合の変形量、残留応力など、試験目的に応じて任意に設定できる。
摩耗試験の試験停止タイミングは、第二部材の回転軸の所定回転数毎に限らず、例えば所定時間経過毎や、振動付与手段の所定振動数毎など、任意に設定してよい。
本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
したがって、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
本発明の一実施形態にかかる摩耗試験機を示す平面図。 一実施形態にかかる摩耗試験機を示す正面図。 一実施形態にかかる摩耗試験機を示す側面図。 一実施形態にかかる摩耗試験機の機能ブロック図。 第一部材の適用例を示す図。 第一部材の形状を示す図。 第二部材の形状を示す図。 第一部材および第二部材の固定構造を示す拡大図。 第一部材の第二部材に対する押圧角度を示す図。 第一部材の摩耗評価の方法を示す図。 第一部材の摩耗評価の方法を示す別の図。 第一部材および第二部材の押圧関係の変形例を示す図。
符号の説明
1…試験機本体、2…試験片(第一部材)、3…ロータ(第二部材)、5…取付機構、7…基部、9…超音波モータ、22…突出部、24…振動子(振動付与手段)、31…回転軸、41…DCモータ(回転駆動手段)、53…スライド部材(支持部材)、71…スライド台、100…摩耗試験機、101…制御部本体、101A…DCモータ制御部(回転制御手段)、102…印加装置(振動制御手段)、522…滑車。

Claims (8)

  1. 第一部材および第二部材の一組の部材を互いに当接させて摩擦させる摩耗試験機であって、
    前記第一部材と前記第二部材とを互いに所定の押圧力で当接させる押圧手段と、
    前記第一部材に振動を与える振動付与手段と、
    前記第二部材を回転させる回転駆動手段と、
    前記回転駆動手段の動作を制御する回転制御手段と、
    前記振動付与手段の動作を制御する振動制御手段とを備え、
    前記第一部材は、前記第二部材の回転軸から所定距離有する位置で当接される
    ことを特徴とする摩耗試験機。
  2. 請求項1に記載の摩耗試験機において、
    当該摩耗試験機は、超音波モータ用摩耗試験機である
    ことを特徴とする摩耗試験機。
  3. 請求項1または請求項2に記載の摩耗試験機において、
    前記押圧手段は、前記第一部材を前記第二部材の回転軸に垂直な方向に沿って押圧するように構成されている
    ことを特徴とする摩耗試験機。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の摩耗試験機において、
    前記第一部材を前記第二部材に対して一方向に近接離間可能に支持する支持部材が設けられている
    ことを特徴とする摩耗試験機。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の摩耗試験機において、
    前記第一部材の前記第二部材に対する接点における接線と、前記第一部材の押圧方向とがなす角度を調整可能な押圧角度調整手段が設けられている
    ことを特徴とする摩耗試験機。
  6. 請求項5に記載の摩耗試験機において、
    前記押圧角度調整手段は、前記第一部材の押圧方向と前記第一部材における回転方向上流側の接線とがなす角度が90°以内となるように調整されている
    ことを特徴とする摩耗試験機。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかに記載の摩耗試験機において、
    前記第一部材および前記第二部材は少なくともそれぞれ二つ設けられ、前記第二部材は、同軸上に配置されている
    ことを特徴とする摩耗試験機。
  8. 請求項1から請求項7のいずれかに記載の摩耗試験機において、
    前記第二部材および前記第一部材のいずれか一方を、いずれか他方に対して前記第一部材の回転軸に沿った方向に移動させる移動機構が設けられている
    ことを特徴とする摩耗試験機。
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